JP5742004B2 - エンボス付き離型紙、及びプリプレグ積層体、並びに繊維強化複合材の製造方法 - Google Patents
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少なくとも離型層、樹脂層、及び支持体を備え、
前記プリプレグ側から順に、離型層、樹脂層、及び支持体が積層され、かつ、前記樹脂層の前記離型層面側にエンボス加工が施されていることを特徴とするものである。
前記離型紙が前記プリプレグ側から順に、第1離型層、第1樹脂層、第1目止め層、支持体、第2目止め層、及び第2樹脂層が積層され、かつ、前記第1樹脂層の前記離型層面側にエンボス模様が形成されているように、したものである。
前記プリプレグ積層体をバッグで包装し、前記バック包装内を真空に保ったまま、加熱装置によりプリプレグ積層体を硬化させた後に、前記プリプレグ積層体から前記離型紙を剥離することを含んでなることを特徴とするものである。
支持体と、前記支持体上に設けられた樹脂層と、前記樹脂層上に設けられた離型層とを少なくとも備え、樹脂層の、離型層が設けられた面の表面がエンボス加工されてなるエンボス付き離型紙を準備し、
離型紙の前記離型層と前記繊維強化複合材とが対向するように、コーティング樹脂を介して、前記離型紙と前記繊維強化複合材とを貼り合わせて、加熱・乾燥を行い、
前記繊維強化複合材から前記離型紙を剥離して、前記繊維強化複合材の表面にエンボスを賦型する、ことを含んでなることを特徴とするものである。
(片面離型層)
本願発明のエンボス付き離型紙10は、図2に示すように、強化繊維21へ未硬化又は半硬化状態の熱硬化性樹脂22を含浸させてなるプリプレグ20と、該プリプレグ20の少なくとも一方の面に離型紙10を有するプリプレグ積層体30の前記離型紙10であって、前記離型紙10が前記プリプレグ20側から順に、第1離型層17A、第1樹脂層15A、第1目止め層13A、支持体11、第2目止め層13B、及び第2樹脂層15Bが積層され、かつ、前記第1樹脂層15Aの前記第1離型層17A面側にエンボス模様が形成されている。即ち、第1離型層17A/第1樹脂層15A(エンボス模様付き)/第1目止め層13A/支持体11/第2目止め層13B/第2樹脂層15B、の層構成であり、片面離型層型のエンボス付き離型紙10Aである。
図1に示すように、片面離型層型のエンボス付き離型紙10Aをプリプレグ20の一方の面へ積層すればプリプレグ積層体30となり、他方の面へ必要に応じて保護フィルム31などを積層してもよい。繊維強化複合材を成型時には、エンボス付き離型紙を貼り付けたまま成型することで、工作機械による凹凸加工プロセスを経ることなく、エンボス付き離型紙のエンボス模様を繊維強化複合材の表面に転写することで、エンボス模様を賦形することができる。また、従来の凹凸が形成されていない離型紙がくっついているプリプレグ積層体の場合にも、離型紙をはがして露出したプリプレグ面へ、本願発明の片面離型層型のエンボス付き離型紙10Aを貼り付けて成型しても、表面にエンボス模様を賦形することができる。こように、エンボス付き離型紙10Aは、プリプレグ積層体30を構成するだけでなく、繊維強化複合材の表面にエンボス模様を賦形する成型工程にも使用するので、当業者は工程離型紙とも呼ぶ。
また、本願発明のエンボス付き離型紙10Bは、図3に示すように、強化繊維21へ未硬化又は半硬化状態の熱硬化性樹脂22を含浸させてなるプリプレグ20と、該プリプレグ20の少なくとも一方の面に離型紙10を有するプリプレグ積層体30の前記離型紙10であって、前記離型紙10が前記プリプレグ20側から順に、第1離型層17A、第1樹脂層15A、第1目止め層13A、支持体11、第2目止め層13B、第2樹脂層15B、及び第2離型層17B、が積層され、かつ、前記第1樹脂層15Aの前記第1離型層17A面側にエンボス模様が形成され、かつまた、前記第2離型層17Bの剥離力が前記第1離型層17Aの剥離力より小さく、第1離型層の剥離力>第2離型層の剥離力とする。即ち、第1離型層17A/第1樹脂層15A(エンボス模様付き)/第1目止め層13A/支持体11/第2目止め層13B/第2樹脂層15B/第2離型層17Bの層構成であり、両面離型層型のエンボス付き離型紙10Bである。
両面離型層型のエンボス付き離型紙10Bをプリプレグ20の一方の面へ積層すればプリプレグ積層体30となる。該両面離型層型のエンボス付き離型紙10Bの第1離型層17A面へ、プリプレグ20を積層し、他方の面へは保護フィルム31なしでも巻き取って長尺ロール状として、輸送保管したりもできる。つまりプリプレグ20表面と、剥離が軽い第2離型層17Bが接触しますので、その後、使用にあたって巻き解しても、第2離型層17Bから剥離し、第1離型層17Aへはプリプレグ20が積層しており、その後の作業性の効率がよい。離型紙の裏表に剥離差がないと、きれいに巻きだせず、裏側にエポキシ樹脂がとられてしまいます。そのため、剥離強度の差が必要になります。また、保護フィルム31がないので、低コストでもある。
支持体11としては、製造工程に耐える強度を有し、樹脂層15の離型紙10としての耐熱性、耐薬品性などの性質を有し、かつ表面にエンボス模様を賦型するエンボス工程に耐え、エンボス加工も容易であることが必要である。支持体としては、クラフト紙、上質紙、片艶クラフト紙、純白ロール紙、グラシン紙、カップ原紙などの非塗工紙の他、天然パルプを用いない合成紙なども用いることができる。加工適性のためには、耐久性、耐熱性に優れる点で天然パルプからなる紙を使用することが好ましい。また、一般的な、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙、樹脂コート紙、加工原紙、剥離原紙、両面コート剥離原紙などの予め後記する目止め層や樹脂層が形成された市販品を使用することもできる。
目止め層13を形成すると、樹脂層15に使用されるコーティング材料の浸透防止、および該コーティング材料との密着性を向上させ平滑性を付与しうるので、表面にエンボス模様を形成する際の賦型シートとして好適に使用できる。なお、第1目止め層13Aと第2目止め層13Bとは同じものでも、異なったものでもよい。まとめて、目止め層13として説明する。
第1樹脂層15Aと第2樹脂層15Bとは同じものでも、異なるものでもよく、まとめて、樹脂層15として説明する。
本発明においては、樹脂層と支持体との間に中間層が形成されていてもよい。中間層は、耐熱性、賦型性、剥離性、耐溶剤性、目止め効果を確保するために配設されるものであり、熱可塑性樹脂層または目止め層である。
第1樹脂層15Aの第1離型層17A面側にエンボス加工を施すには、公知のエンボス機で、所望の表面形態としたエンボスロールを用いて加熱加圧しエンボスして、エンボスロールから剥離後、直ちに、又は後に、電離放射線を照射して硬化させることで、エンボス加工が施された樹脂層を形成できる。エンボスは、離型紙を用いて得られる繊維強化複合材の用途によって種々の表面形態とすることができる。例えば、凹凸模様、ディンプル模様、プリズム模様、繊維柄模様としたり、また、表面に微細な凹凸を設けてマット調としたり、あるいは光沢調の表面とすることもできる。
第1離型層17Aと第2離型層17Bとは同じものでも、異なるものでもよく、まとめて、離型層17として説明する。離型層17は硬化性シリコーン組成物を硬化したものを用いる。硬化性には付加重合型と縮合反応型があるが、好ましくは付加重合型シリコーン組成物を熱などで硬化したものである。縮合型シリコーン樹脂は硬化阻害を受けにくいが、副生成物ができたり、触媒にスズを使用したりするので好ましくなく、付加重合型シリコーン樹脂はアミンやスズによって硬化阻害を受けやすいが、副生成物がなくポットライフも長く好ましい。
図3に示す両面離型層を持つエンボス付き離型紙10Bでは、第2離型層17Bの剥離力を第1離型層17Aの剥離力より小さくする。剥離力の差は、剥離力の異なるシリコーン樹脂を用いたり、同じシリコーン樹脂を使用する場合には、剥離力を重くしたり、軽くしたりする剥離コントロール剤を適宜添加すればよい。
プリプレグ20は、強化繊維21へ未硬化又は半硬化状態の熱硬化性樹脂22が含浸させてなるものである。強化繊維21としては特に限定されるものではないが、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、スチール繊維などを使用することができる。なかでも炭素繊維は、成型後の機械的特性がよく広く用いられる。炭素繊維としてはポリアクリロニトリル(PAN)系の炭素繊維及びピッチ系の炭素繊維などがある。また、強化繊維の形態や配列なども特に限定されず、長繊維を一方向に引き揃えたシートや、クロス(織物)、トウ、マット、ニット、スリーブの形態がある。
熱硬化性樹脂も特に限定されるものではなく、例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジンなどがあるが、エポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂としては、例えば2官能樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂や、或いはこれらを組み合わせた樹脂などが好適に用いられる。さらに、3官能以上の多官能性エポキシ樹脂でもよく、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、テトラグリシジルアミンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタンやトリス(グリシジルオキシメタン)のようなグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、或いはこれらの組み合わせが好適に用いられる。
エンボス付き離型紙10を、強化繊維21へ未硬化又は半硬化状態の熱硬化性樹脂22が含浸されたプリプレグ20の一方の面へ積層し、他方の面へ必要に応じて保護フィルム31などを積層することで、プリプレグ積層体30となる。
前述した図1に示すプリプレグ積層体30を用いて、表面にエンボス模様が賦形された繊維強化複合材を製造する。プリプレグ積層体30には、(1)図2に示す片面離型層型のエンボス付き離型紙10Aをプリプレグ20の一方の面へ積層し、他方の面へ必要に応じて保護フィルム31を積層したもの、(2)図3に示す両面離型層型のエンボス付き離型紙10Bをプリプレグ20の一方の面へ積層したもの、の2種タイプがある。いずれのタイプでも、エンボス付き離型紙10A、10Bを貼り付けたまま、繊維強化複合材を成型することで、工作機械による凹凸加工プロセスを経ることなく、エンボス付き離型紙10A、10Bのエンボス模様を繊維強化複合材の表面に転写することで、エンボス模様を賦形することができる。また、従来の凹凸が形成されていない離型紙がくっついているプリプレグ積層体の場合にも、前記離型紙をはがして露出したプリプレグ面へ、本願発明の片面離型層型のエンボス付き離型紙10Aを貼り付けて成型しても、表面にエンボス模様を賦形することができる。
エンボス付き離型紙10A、10Bで担持したプリプレグ積層体30を用いて、繊維強化複合材の製造方法で製造されてなる、表面にエンボス模様が賦形されてなる繊維強化複合材は、次のような効果を奏することができる。(1)表面のエンボス模様を鱗や鮫肌状に賦形してなる繊維強化複合材を、自動車や船舶などの移動体の表面部材へ用いることで、空気抵抗が減少し燃費が向上する。(2)表面にエンボス模様を形成できるので、機械的強度が向上する。(3)逆に、エンボス模様を空気抵抗が増す形状にすれば、風車の羽の表面部材とし空気抵抗が増し、すなわち発電効率が向上する。(4)エンボス模様によっては、繊維強化複合材(部品)のすべりどめ加工とすることもできる。
<エンボス付き離型紙の作製>
紙11として上質紙(坪量104.5g/m2)を用い、この両面に目止めコート材料(カオリンクレイ60部、酸化チタン10部、炭酸カルシウム30部、SBRラテックス17部、その他分散剤0.5部、滑剤1部の混合物のスラリー)をブレードコーターにて乾燥後の各層が16g/m2)になるようにコーティングし乾燥して、第1目止め層13A及び第2目止め層13Bを形成した。
上記で作製した離型紙の第1離型層17A面へ、エンボス模様としてディンプル柄(底面直径1mmで高さ0.1mmの円錐形が、縦横ピッチ2.0mmで一面に並んだもの)を形成したエンボスロールを有するエンボス機で、120℃に加熱された熱エンボスロールを通した後に、高圧水銀灯で700mJの積算光量のUVを両面に照射して、ディンプル模様が凹状になった実施例1のエンボス付き離型紙10を得た。
上記で作製したディンプル加工つきエンボス付き離型紙10を、プリプレグ(東レ(株)製、P2302(炭素繊維目付190g/m2、樹脂目付35g/m2)の表面に、ディンプルが接触するように重ね、オートクレーブバッグ(エアーテック社製ライトキャスト7500R、ナイロン製、厚み80μm))で包装した。その後、バック内を真空に保ち、オートクレーブ装置により、120℃4時間加熱し硬化させて、繊維強化複合材(部品)を得た。その後、エンボス付き離型紙10を剥離することで、CFRP(繊維強化複合材)表面に凸状のディンプルが賦形されていた。
エンボス模様として深さが0.1mm程度の1K平織りの織物柄とする以外は実施例1と同様にして、実施例2のエンボス付き離型紙10を得た。
第2目止め層13B、第2樹脂層15Bおよび第2離型層17Bを形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、ディンプル模様が凹状になった実施例3のエンボス付き離型紙10を得た。
実施例1のエンボス付き離型紙10のディンプル面へ、250°F硬化型エポキシ樹脂を塗布し、別途、従来の離型紙の離型層面へ250°F硬化型エポキシ樹脂を塗布して、2枚の離型紙を作製した。
実施例2のエンボス付き離型紙10を用いる以外は実施例4と同様にして、実施例5の表面に平織り模様が賦形されている繊維強化複合材(部品)を得た。
公知の方法でCFRP成型後、その表面に精密加工成型機により、実施例1と同様のディンプル模様を加工したところ、24時間もかかり、さらに洗浄作業も必要で実用性はなかった。なお、実施例1では繊維強化複合材(部品)への加工と同時にディンプル模様が賦形されるので、時間もかからず、また洗浄作業も不要であった。
10A:エンボス付き離型紙(片面離型)
10B:エンボス付き離型紙(両面離型)
11:支持体
13:目止め層
13A:第1目止め層
13B:第2目止め層
15:樹脂層
15A:第1樹脂層
15B:第2樹脂層
17:離型層
17A:第1離型層
17B:第2離型層
18:リブレット模様(賦型模様)
19:ディンプル模様(賦型模様)
20:プリプレグ
30:プリプレグ積層体
Claims (6)
- 炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、スチール繊維からなる群より選択される強化繊維へ未硬化又は半硬化状態の熱硬化性樹脂を含浸させてなるプリプレグと、該プリプレグの少なくとも一方の面に設けられた離型紙と、を有するプリプレグ積層体の前記離型紙であって、
前記プリプレグ側から順に、第1離型層、第1樹脂層、第1目止め層、支持体、第2目止め層、第2樹脂層、及び第2離型層が積層され、
前記第1樹脂層の前記第1離型層面側にエンボス加工が施されており、
前記第2離型層の剥離力が前記第1離型層の剥離力より小さい、ことを特徴とするエンボス付き離型紙。 - 前記エンボスが、凹凸模様、ディンプル模様、プリズム模様、または繊維柄模様である、請求項1に記載のエンボス付き離型紙。
- 請求項1または2に記載のエンボス付き離型紙を、前記第1離型層がプリプレグと対向するように、前記プリプレグの一方の面へ積層してなることを特徴とするプリプレグ積層体。
- 請求項3に記載のプリプレグ積層体を用いて、表面がエンボス賦型された繊維強化複合材を製造する方法であって、
前記プリプレグ積層体をバッグで包装し、前記バック包装内を真空に保ったまま、加熱装置によりプリプレグ積層体を硬化させた後に、前記プリプレグ積層体から前記離型紙を剥離することを含んでなることを特徴とする、方法。 - 前記加熱装置が、オートクレーブまたはオーブンである、請求項4に記載の製造方法。
- 表面がエンボス賦型された繊維強化複合材を製造する方法であって、
請求項1または2に記載のエンボス付き離型紙を準備し、
前記離型紙の前記第1離型層と前記繊維強化複合材とが対向するように、コーティング樹脂を介して、前記離型紙と前記繊維強化複合材とを貼り合わせて、加熱・乾燥を行い、
前記繊維強化複合材から前記離型紙を剥離して、前記繊維強化複合材の表面にエンボスを賦型する、ことを含んでなることを特徴とする、方法。
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