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JP5742663B2 - 溶融金属めっき方法および溶融金属めっき装置 - Google Patents
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JP5742663B2 - 溶融金属めっき方法および溶融金属めっき装置 - Google Patents

溶融金属めっき方法および溶融金属めっき装置 Download PDF

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本発明は、ガスワイピング法を用いた溶融金属めっき方法および溶融金属めっき装置に係り、ガスワイピングに起因しためっき金属飛沫が被めっき材であるストリップに付着するのを抑制する溶融金属めっき方法、およびその方法の実施に好適な溶融金属めっき装置に関する。
溶融金属めっきラインでは、被めっき材へのめっき金属付着量を調整する手段として、ガスワイピング法が広く適用されている。ガスワイピング法を用いた溶融金属めっきラインでは通常、図2に示すように、めっき金属浴1に浸漬したストリップS(被めっき材)を、浴上サポートロール7で支持してめっき金属浴1から垂直に引き上げながら、ワイピングノズル2から噴出するガス3をストリップSの表面に吹き付けることにより、ストリップSに付着した余剰のめっき金属を絞り落とす。その際、ワイピングノズル2から噴出するガス3のガス圧を調整して絞り落とすめっき金属量を調整することにより、ストリップSの表面に所望の付着量の金属めっき層を形成する。
以上のように、ガスワイピング法では、比較的簡便な設備により、被めっき材のめっき金属付着量を調整することができる。しかしながら、ガスワイピング法を用いた溶融金属めっきラインでは、ワイピングノズルから噴出するガスに起因しためっき金属飛沫がストリップの表面に付着することが問題視されている。図2に示すように、ワイピングノズル2から噴出したガス3の一部は、ストリップSの表面に衝突したのち、ストリップSに沿って下方に向かう気流3aとなってめっき金属浴1の浴面1aに衝突する。ここで、ワイピングノズル2から噴出したガス3の圧力が比較的高いと、めっき金属浴1の浴面1aに衝突するガスも高圧となるため、めっき金属浴1の浴面1aに乱れが生じ、めっき金属飛沫4(4a、4b)が発生する。そして、金属浴1の浴面1aに衝突したガスは、ワイピングノズル2の両側に設けられた空間のうちストリップSが配置された側とは反対側の空間を上昇する気流3bとなるが、この上昇する気流3bとともにめっき金属飛沫4bも上昇する。このようにして上昇しためっき金属飛沫4bの一部が、ワイピングノズル2の上部に設けられた空間を通じ、ワイピングによりめっき金属付着量が調整された後のストリップSの表面に付着する。
めっき金属付着量が調整された後のストリップ表面に、めっき金属飛沫が付着すると、ストリップの外観やめっき厚の均一性を損なう。よって、最終製品となるストリップの品質を確保するためには、めっき金属飛沫に起因した上記問題を解消するための対策を講じることが必須となる。
ここで、ワイピングノズルから噴出するガスの圧力を十分に低くすれば、めっき金属浴の浴面に衝突するガスも低圧となり、めっき金属浴の浴面の乱れが抑制されるため、めっき金属飛沫の発生を抑制することが可能となる。しかしながら、ワイピングノズルから噴出するガスの圧力を低くすると、ストリップの表面に吹き付けられるガス量が少なく制限されワイピング効果が不十分となり、目標付着量を達成するのが困難となる問題が生じる。係る問題は溶融金属めっきラインのストリップ搬送速度が高速化するに従い顕在化する。一方、ワイピングノズルから噴出するガスの圧力を低くするとともに、ストリップ搬送速度も十分に低くすれば上記問題は解決し得るが、ストリップ搬送速度の低減化は生産性の低下を招く。
昨今、生産性の観点から、ストリップ搬送速度のより一層の高速化が求められている中、ワイピングノズルから噴出するガスの圧力を低減することは好ましくない。
これらの問題に鑑み、特許文献1には、ワイピングノズルの上方にストリップ面に沿ってフィルターを設けたことを特徴とする、溶融金属めっき時における溶融金属飛沫のストリップ面への付着防止方法が提案されている。そして、特許文献1では、ワイピングノズルの上方にストリップ面に沿ってフィルターを設けることにより、めっき金属浴からのめっき金属飛沫のストリップ面への付着を確実に防止できるとされている。
ここで、特許文献1で提案された方法の実施形態を図3に示す。図3において、1はめっき金属浴、Sはめっき金属浴1内から垂直に引き上げられるストリップ、2はストリップSの両側に水平に設置されたスリット状のワイピングノズル、2Aはワイピングノズル2の上方で且つワイピングノズル2の外方(ストリップSと対向している方向とは反対側の方向)に水平に配管されたワイピングノズル用ガス(空気)供給本管、2Bはワイピングノズル2とガス供給本管2Aとの間に接続されたガス供給配管、10はストリップSを加熱して合金化するための合金化炉、20はワイピングノズル2とガス供給本管2Aとの間に取り付けられた金属板、30はスナウト、40はガス供給本管2Aと合金化炉10の下部間に設けられたフィルターである。
そして、特許文献1で提案された方法では、ワイピングノズル2の両側に設けられた空間のうちストリップSが配置された側とは反対側の空間を上昇する気流3bとともに上昇し、ワイピングノズル2の上部に設けられた空間を通じてストリップSの表面に付着しようとするめっき金属飛沫を、フィルター40で遮蔽している。また、上記フィルター40を完全な遮蔽板にすると、合金化炉10の有する煙突効果に起因する上昇気流によってワイピング後のストリップSの近傍が減圧され、これに伴いストリップSの側面から内側に向かう乱気流が生じてストリップSにめっき金属飛沫が付着するおそれがある。そのため、特許文献1で提案された方法では、ワイピングノズル2とガス供給本管2Aとの間に取り付けられた金属板20のみを完全な遮蔽板とし、金属板20より上部のフィルター40をフィルター構造としている。
特開平5−306449号公報
以上のように、特許文献1で提案された方法によると、ワイピングノズルからのガス圧を高圧化することに伴いめっき金属浴からのめっき金属飛沫が発生した場合であっても、フィルターの存在により、めっき金属飛沫のストリップ面への付着を防止することができる。そのため、ストリップ搬送速度を極端に低減することなくめっき金属飛沫のストリップ面への付着を抑制することが可能となり、生産性の低下を招くことなくストリップの品質向上効果が期待できる。しかしながら、特許文献1で提案された方法では、めっき金属飛沫がフィルター下部に設けられた金属板に堆積するという問題が見られる。
図2に示すように、ワイピングノズル2から噴出したガス3をストリップSの表面に衝突させると、絞り取られた余剰のめっき金属が、めっき金属飛沫4a,4bとなって気流の流れに沿って運ばれる。ワイピング時に生じるめっき金属飛沫4bは、主として、ストリップSに沿ってストリップの進行方向と逆方向に進み、再度上昇する気流によって飛散する。図3に示すように金属板20が存在すると、フィルター40まで到達しない金属飛沫の侵入を防ぐ効果はあるものの、金属板20が湾曲しているため、飛沫が曲面に沿って上昇しやすく、フィルター40のメッシュが小さい場合は、メッシュが目詰まりしやすく、メッシュが大きい場合はメッシュの中に入りやすいという問題が生じる。また、飛散しためっき金属飛沫のうち上方に発散しためっき金属飛沫4aは、主に金属板20上に堆積する。
このようにして金属板20に堆積しためっき金属飛沫を放置しておくと、金属めっきラインの操業条件等により変化する気流で再び飛来し、ワイピング後のストリップSの表面に付着してしまう。そのため、特許文献1で提案された方法では、金属板20上に堆積しためっき金属飛沫を頻繁に除去することが必要とされ、メンテナンス作業の煩雑さを招いていた。
本発明は、従来技術が抱える上記問題を有利に解決するものであり、ガスワイピング法を用いた溶融金属めっきラインにおいて、ワイピング後のストリップにめっき金属飛沫が付着するのを抑制するとともに、生産設備に関する煩雑なメンテナンス作業を解消することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明者らは、ガスワイピング法を用いた溶融金属めっきラインにおいて、煩雑なメンテナンス作業を解消し得る方法について鋭意検討した。その結果、図1に示すように、ワイピングノズル2の配設位置から上方に前記ストリップS面に沿って浴上サポートロール7の配設位置まで遮蔽ネット5を設けるとともに、前記ワイピングノズル2と前記めっき金属浴1の浴面1aとの間に整流板6を設けることにより、溶融金属めっき時にめっき金属飛沫が前記ストリップS面に付着することを防止できることを見いだした。
すなわち、図3に示す従来技術(特許文献1で提案された方法)において、フィルター40の下部に設けられ且つワイピングノズル2に取り付けられた金属板20を、完全な遮蔽板ではなく遮蔽ネットとすることにより、係る部位にめっき金属飛沫が堆積するのを効果的に抑制できることを知見した。図3に示す従来技術において、フィルター40とともに金属板20を遮蔽ネットとすれば、めっき金属飛沫は、金属板20が配置された部位に堆積することなく、遮蔽ネットを通過してめっき金属浴1内に落下する。また、遮蔽ネットの上部の取り付け位置については、図3のように、合金化炉10の外側に設置している場合、合金化炉10のトンネル効果によって、上昇気流の影響を受け、炉内に金属飛沫が飛散する問題もあったため、検討した結果、浴上サポートロールの配設位置まで遮蔽ネットを設けることで、金属飛沫の炉内への飛散を抑制できることを知見した。
以上のように、図3に示す従来技術において、金属板20を遮蔽ネットとすれば、金属板20を完全な遮蔽板とした場合に問題とされためっき金属飛沫の堆積を抑制することができる。しかしながら、金属板20を遮蔽ネットとした場合、めっき金属飛沫がストリップSの表面に付着することを抑制する効果は、金属板20を完全な遮蔽板した場合に比べて劣る。そこで、本発明者らは、めっき金属飛沫がストリップSの表面に付着することを抑制するための補足手段について検討を進めた。その結果、ワイピングノズル2とめっき金属浴1の浴面との間に整流板を設けることにより、気流3bとともに上昇しためっき金属飛沫がストリップSの表面に付着することを効果的に抑制できることを知見した。
本発明の要旨は次のとおりである。
[1] めっき金属浴内から連続的にストリップを引き出し、該ストリップ面に付着した余剰のめっき金属をワイピングノズルから前記ストリップ面に向けて噴射されるガスによって絞り落としてめっき金属付着量を調整することからなるガスワイピング法を用いた溶融金属めっき方法において、前記ストリップを垂直に支持する浴上サポートロールを前記ワイピングノズルの上方に配設し、前記ワイピングノズルの配設位置から上方に前記ストリップ面に沿って前記浴上サポートロールの配設位置まで遮蔽ネットを設けるとともに、前記ワイピングノズルと前記めっき金属浴の浴面との間に整流板を設けることにより、溶融金属めっき時にめっき金属飛沫が前記ストリップ面に付着することを防止することを特徴とする溶融金属めっき方法。
[2] 前記[1]において、前記整流板と前記めっき金属浴の浴面との成す角を0°以上60°以下とすることを特徴とする溶融金属めっき方法。
[3] めっき金属浴と、該めっき金属浴内から連続的に引き出されるストリップの表面に向けてガスを噴射することにより前記ストリップ表面に付着した余剰のめっき金属を絞り落としてめっき金属付着量を調整するワイピングノズルと、該ワイピングノズルの上方に配設され前記めっき金属浴内から連続的に引き出されるストリップを垂直に支持する浴上サポートロールとを有する溶融金属めっき装置であって、前記ワイピングノズルの配設位置から上方に前記ストリップ面に沿って前記浴上サポートロールの配設位置まで配設される遮蔽ネットと、前記ワイピングノズルの下方かつ前記めっき金属浴の上方に配設される整流板とを具え、溶融金属めっき時にめっき金属飛沫が前記ストリップ面に付着することを防止することを特徴とする溶融金属めっき装置。
[4] 前記[3]において、前記整流板と前記めっき金属浴の浴面との成す角が0°以上60°以下であることを特徴とする溶融金属めっき装置。
本発明によれば、ガスワイピング法を用いた溶融金属めっきラインにおいて、ワイピング後のストリップにめっき金属飛沫が付着するのを抑制するとともに、生産設備に関する煩雑なメンテナンス作業を大幅に削減することができる。よって、高品質なストリップを、生産性を低下させることなく工業的に安定して生産することが可能となり、産業上格段の効果を奏する。
ガスワイピング法を適用した本発明の溶融金属めっき装置を模式的に示す断面図である。 ガスワイピング法を適用した通常の溶融金属めっき装置を模式的に示す断面図である。 ガスワイピング法を適用した従来の溶融金属めっき装置を示す斜視図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の溶融金属めっき装置の一例を図1に示す。図1に示すように、本発明の溶融金属めっき装置は、めっき金属浴1と、めっき金属浴1内から連続的に引き出されるストリップSの表面に向けてガス3を噴射することにより前記ストリップ表面に付着した余剰のめっき金属を絞り落としてめっき金属付着量を調整するワイピングノズル2を有する。7は、めっき金属浴1内から連続的に引き出されるストリップSを垂直に支持するための浴上サポートロールであり、この浴上サポートロール7はワイピングノズル2の上方に配設される。なお、7aは浴上サポートロール支持具である。ワイピングノズル2としては、例えばスリット状のワイピングノズルであってストリップSの幅方向に長さ方向を有する長尺状のワイピングノズル等、従前公知のものが何れも適用可能である。そして、ワイピングノズル2から噴出するガス3のガス圧を調整して絞り落とすめっき金属量を調整することにより、ストリップSの表面に所望の付着量の金属めっき層を形成する。なお、本発明の溶融金属めっき装置は、図3に示す従来技術と同様にワイピングノズル用ガス(空気)供給本管(図省略)およびガス供給配管(図省略)を有する。位置は特に限定するものではないが、後述する遮蔽ネット5の外側(ストリップSから遠い側)とすることで、これらの上部に金属飛沫が堆積することを防止でき、効率よく後述する遮蔽ネット5の下部に金属飛沫を集めることができる。また、図3に示す従来技術と同様に、ワイピングノズル2の上方に合金化炉(図省略)を設けてもよい。
以上の構造は、ガスワイピング法を用いた通常の溶融金属めっき装置と同様であるが、本発明の溶融金属めっき装置は、上記に加えて更に、ワイピングノズル2の配設位置から上方にストリップS面に沿って浴上サポートロール7の配設位置まで配設される遮蔽ネット5と、前記ワイピングノズルの下方かつ前記めっき金属浴1の上方に配設される整流板6とを具える。なお、ワイピングノズル2、遮蔽ネット5および整流板6は何れも、ストリップS表面の両側に少なくとも1つずつ配設される。
先述のとおり、ワイピングノズル2から噴出したガス3をストリップSの表面に衝突させると、絞り取られた余剰のめっき金属が、めっき金属飛沫となって気流の流れに沿って運ばれる。ワイピング時に生じるめっき金属飛沫は、主として、図中4bのようにストリップSに沿ってストリップSの進行方向と逆方向に進み、再度上昇する気流3bによって飛散する。
そこで、本発明では、ワイピングノズル2の配設位置から上方にストリップS面に沿って浴上サポートロール7の配設位置まで配設する遮蔽ネット5によって、気流3bとともに上昇するめっき金属飛沫4bが、ワイピングノズル2の上部に設けられた空間を通じてワイピングによりめっき金属付着量が調整された後のストリップSの表面に付着するのを防止する。
上記の如く遮蔽ネット5を設けると、気流3bとともに上昇しためっき金属飛沫4bは、ワイピングノズル2の上部に設けられた空間を通過しようとする際、遮蔽ネット5に捕捉(捕集)される。めっき金属飛沫4bが、ワイピングノズル2の上部に設けられた空間を通過するのを効果的に抑制するうえでは、ワイピングノズル2の上部に設けられた空間の全域に亘り遮蔽ネット5を設置することが好ましい。また、遮蔽ネット5の幅方向(ストリップSの幅方向と同一方向)の長さは、ストリップS幅と同等以上とすることが好ましい。
また、ワイピング時に発生するめっき金属飛沫のうち、少量ながら上方に発散するめっき金属飛沫4aは主に遮蔽ネット5の下部5bの位置まで到達するが、これらのめっき金属飛沫4aのほとんどは遮蔽ネット5の下部5bに堆積することなく、遮蔽ネット5の網目を通じて排出される。
遮蔽ネット5の網目の大きさは、0.5〜3.0mm程度とすることが好ましい。遮蔽ネット5の網目の大きさが0.5mm未満であると、めっき金属飛沫が遮蔽ネット5の網目に詰まってしまうおそれがある。遮蔽ネット5は、定期的に洗浄して捕捉(捕集)しためっき金属飛沫を除去するか、遮蔽ネット5を交換することを要するが、めっき金属飛沫が遮蔽ネット5の網目に詰まってしまうと、遮蔽ネット5を頻繁に洗浄または交換することが必要となり、メンテナンス作業が煩雑になり、コストも嵩む。また、遮蔽ネット5の網目の大きさが0.5mm未満であると、遮蔽ネット5の下部5bにおいてめっき金属飛沫4a(ワイピング時に上方に発散するめっき金属飛沫4a)が排出されずに堆積してしまうおそれがある。
一方、遮蔽ネット5の網目の大きさが3.0mmを超えると、めっき金属飛沫4bを補足(捕集)する機能が低下し、めっき金属飛沫4bがワイピングノズル2の上方を通過してストリップSの表面に付着する現象を抑制することが困難となる。また、本発明においては、ワイピング時に上方に発散するめっき金属飛沫4aが遮蔽ネット5の下部5bに堆積するのを極力回避すべく、遮蔽ネット5の下部5bの網目を、他の部位の網目よりも大きくしてもよい。このような観点からは、例えば遮蔽ネット5の下部5bの網目の大きさを3.0〜20mmとし、その他の部位の網目の大きさを0.5〜3.0mmとすることが好ましい。遮蔽ネット5の下部5bの網目サイズを大きくする高さ(遮蔽ネット5の下部5bからの高さ)は、整流板6の設置高さにもよるが、50mm以下が好ましく、20mm以下がさらに好ましい。
遮蔽ネット5の素材は特に問わず、金属、樹脂等、従前公知のネットが何れも適用可能であるが、強度の観点からは、ステンレス等の金属製が好ましい。
以上のように、遮蔽ネット5を用いる本発明は、図3に示す従来技術に見られた問題、すなわち完全遮蔽構造の金属板20にめっき金属飛沫が堆積する問題に対する有効な解決策といえる。また、ワイピングノズル2(および浴上サポートロール7)の上方に合金化炉を設ける場合、遮蔽ネット5内(ストリップS側)のめっき金属飛沫が炉内に侵入する問題も解消される。しかしながら、図1に示すように遮蔽ネット5を浴上サポートロール7の取り付け位置に設置している本発明では、気流3bとともに上昇するめっき金属飛沫4bが炉内に侵入することを遮蔽する効果が不足する。
そこで、本発明では、上昇気流3bによって大きく上昇する金属飛沫を減少させる手段として、図1の如く整流板6を具えることとする。整流板6を、ワイピングノズル2の下方かつめっき金属浴1の上方に配設することにより、上昇する気流3bはストリップSや炉とは反対側の方向に誘導される。その結果、気流3bとともに上昇するめっき金属飛沫4bもストリップSとは反対側の方向に誘導されるため、めっき金属飛沫4bがワイピングノズル2の上方に設けられた空間を通過して炉内に侵入し、ストリップSの表面に付着する現象が効果的に抑制される。
整流板6は、図1に示すように、めっき金属浴1の浴面1aとの成す角θが0°以上60°以下となるように設置することが好ましい。すなわち、図1において、整流板6の板面を、紙面(ストリップS面および浴面1aに垂直な面)に垂直になるように配設し、整流板6のストリップSが配置された側の端部6aを通り且つストリップSの幅方向に平行な線を仰角中心線とした場合において、仰角を0°以上60°以下にすることが好ましい。整流板6とめっき金属浴1の浴面1aとの成す角θが0°未満の場合、ストリップS側に金属飛沫が戻ってしまうおそれがある。一方、整流板6とめっき金属浴1の浴面1aとの成す角θが60°を超えると、上昇する気流3bをストリップSとは反対側の方向に誘導する効果が不十分となり、めっき金属飛沫4bがワイピングノズル2の上方に設けられた空間を通過してストリップSの表面に付着する現象を十分に抑制することができなくなるおそれがある。以上の理由により、整流板6とめっき金属浴1の浴面1aとの成す角θは0°以上60°以下とすることが好ましい。より好ましくは20°以上60°以下である。
整流板6の寸法は、その水平方向の端部6a,6bのうちストリップSが配置された側の端部6aが、ワイピングノズル2のうちガス噴出孔が形成されていない側の端部2aと当接するように設置することが好ましい。また、整流板6は、その水平方向の端部6a,6bのうちストリップSが配置された側とは反対側の端部6bが、めっき金属浴1の端部1bの上方に達するように設置することが好ましい。なお、スナウト(図省略)が設けられている場合には、整流板6の端部6bがスナウトの位置に達するように設置することが好ましい。更に、整流板6の寸法は、ストリップSの幅方向と平行な方向の長さがストリップSの幅と同等以上の長さとなるように設定することが好ましい。
以上のように、本発明によると、ワイピングノズル2の下方かつめっき金属浴1の上方に整流板6を具えることにより、気流3bとともに上昇するめっき金属飛沫4bがワイピングノズル2の上方を通じでストリップS表面に付着する現象を効果的に抑制することができる。そして、この整流板6とともに前記遮蔽ネット5を用いることにより、図3の如く完全遮蔽構造の金属板20を用いた従来技術が抱える諸問題を、簡便な手段によって解消することが可能となる。
また、本発明においては、被めっき材であるストリップの種類は特に限定されず、溶融金属めっきの種類も特に限定されない。更に、本発明では、溶融金属めっき装置の下流側に合金化炉を設け、溶融金属めっき処理後のストリップに合金化処理を施してもよい。
なお、整流板6を具える本発明においては、ワイピング時に上方に発散するめっき金属飛沫4aが、遮蔽ネット5の下部5bに達したのち、遮蔽ネット5の下部5bの網目を通過して整流板6上に落下し、堆積する場合がある。ここで、図3に示す従来技術では、金属板20に堆積しためっき金属飛沫が、金属めっきラインの操業条件等により変化する気流で再び飛来し、ワイピング後のストリップSの表面に付着する問題が見られた。しかしながら、本発明においては、整流板6上に堆積しためっき金属飛沫が再び飛来してワイピング後のストリップSの表面に付着する問題は殆ど見られない。これは、図3に示す従来技術では、金属板20に堆積しためっき金属飛沫とストリップSの表面とを遮るものが全く存在しないのに対し、本発明においては、図1に示すように整流板6上に堆積しためっき金属飛沫4aとストリップSの表面との間にワイピングノズル2および遮蔽ネット5が配置されており、これらの存在が再び飛来しためっき金属飛沫4aがワイピング後のストリップSの表面に付着するのを妨げるためである。
(本発明例)
図1に示す本発明の溶融金属めっき装置を用いて、鋼帯(鋼種:SPCC、厚さ:0.7mmの冷延鋼帯)にめっき処理を施した。図1において、遮蔽ネット5、整流板6の詳細は以下のとおりである。
遮蔽ネット5の材質:ステンレス
遮蔽ネット5の網目の大きさ:1.5mm(上部),3.0mm(下部20mmの位置)
遮蔽ネット5の幅方向寸法:鋼帯の幅+200mm
整流板6と浴面1aとの成す角θ:30°
整流板6の寸法:(鋼帯の幅+200mm)×700mm
また、遮蔽ネット5の上端5aを浴上サポートロール支持具7aに当接するとともに遮蔽ネット5の下端5bをワイピングノズル2に当接し、ワイピングノズル2と浴上サポートロール支持具7aとを遮蔽ネット5を介して連結した。更に、整流板6の端部6aをワイピングノズル2の端部2bに当接した。
めっき条件は以下のとおりである。
めっき浴組成 :溶融亜鉛(0.14%Al)
めっき浴温度 :460〜470℃
鋼帯の搬送速度 :150mpm
ワイピング条件 :ノズルギャップ0.7mm、
ヘッダー圧力0.8kg/cm2G、
ノズル−鋼板間距離4mm
(比較例)
図3に示す従来の溶融金属めっき装置と同様の構成となるよう、以下のフィルター40と金属板20を配置し、その他の条件は実施例と同様にして評価を行った。
フィルター40の材質:ステンレス
フィルター40の寸法:(鋼帯の幅+200mm)×700mm
フィルター40の網目の大きさ:1.5mm
金属板20の材質:ステンレス
金属板20の寸法:鋼帯の幅+200mm
本発明例および比較例の各々によって得られた溶融金属めっき鋼帯について、格落率(不良品の割合)を求めた。溶融金属めっき鋼帯の表面にめっき金属飛沫が付着した場合、その付着量が増加するにつれで色ムラが発生する。そこで、得られた溶融金属めっき鋼帯の表面を観察し、色ムラの発生状態を確認することにより格落率を求めた。
図3に示す従来の溶融金属めっき装置を用いた比較例では格落率が0.5%であったのに対し、図1に示す溶融金属めっき装置を用いた本発明例では格落率が0.2%まで低減していることが確認された。
1 ・・・ めっき金属浴
1a ・・・ 浴面
2 ・・・ ワイピングノズル
3 ・・・ ガス
3a,3b ・・・ ガスの気流
4a,4b ・・・ めっき金属飛沫
5 ・・・ 遮蔽ネット
6 ・・・ 整流板
7 ・・・ 浴上サポートロール
7a ・・・ 浴上サポートロール支持具
S ・・・ ストリップ
10 ・・・ 合金化炉
20 ・・・ 金属板
30 ・・・ スナウト
40 ・・・ フィルター

Claims (4)

  1. めっき金属浴内から連続的にストリップを引き出し、該ストリップ面に付着した余剰のめっき金属をワイピングノズルから前記ストリップ面に向けて噴射されるガスによって絞り落としてめっき金属付着量を調整することからなるガスワイピング法を用いた溶融金属めっき方法において、前記ストリップを垂直に支持する浴上サポートロールを前記ワイピングノズルの上方に配設し、前記ワイピングノズルの配設位置から上方に前記ストリップ面に沿って前記浴上サポートロールの配設位置まで遮蔽ネットを設けるとともに、前記ワイピングノズルと前記めっき金属浴の浴面との間に整流板を設けることにより、溶融金属めっき時にめっき金属飛沫が前記ストリップ面に付着することを防止することを特徴とする溶融金属めっき方法。
  2. 前記整流板と前記めっき金属浴の浴面との成す角を0°以上60°以下とすることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属めっき方法。
  3. めっき金属浴と、該めっき金属浴内から連続的に引き出されるストリップの表面に向けてガスを噴射することにより前記ストリップ表面に付着した余剰のめっき金属を絞り落としてめっき金属付着量を調整するワイピングノズルと、該ワイピングノズルの上方に配設され前記めっき金属浴内から連続的に引き出されるストリップを垂直に支持する浴上サポートロールとを有する溶融金属めっき装置であって、前記ワイピングノズルの配設位置から上方に前記ストリップ面に沿って前記浴上サポートロールの配設位置まで配設される遮蔽ネットと、前記ワイピングノズルの下方かつ前記めっき金属浴の上方に配設される整流板とを具え、溶融金属めっき時にめっき金属飛沫が前記ストリップ面に付着することを防止することを特徴とする溶融金属めっき装置。
  4. 前記整流板と前記めっき金属浴の浴面との成す角が0°以上60°以下であることを特徴とする請求項3に記載の溶融金属めっき装置。
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