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JP5744320B2 - 測位追尾装置 - Google Patents
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JP5744320B2 - 測位追尾装置 - Google Patents

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Description

この発明は、目標の位置の測位や目標の航跡を予測する測位追尾装置に関するものである。
例えば、目標である航空機が、空港の滑走路や誘導路を旋回している状況では、図25に示すように、目標の上方に設置されているトランスポンダ(TRAN1)又は目標の下方に設置されているトランスポンダ(TRAN2)のアンテナから送信される信号を、空港に設置されている複数の受信局(REV1〜REV6)が受信することで、その信号の到来時刻であるTOA(Time Of Arrival)を取得する。
ここで、トランスポンダのアンテナは、一般的に、縦,横,高さが数10cmである。
また、航空機が目標である場合、一般的に、航空機の全長や尾翼が数10mの大きさである。このため、トランスポンダのアンテナは、目標である航空機と比べて十分小さい。
このように、トランスポンダのアンテナが航空機と比べて十分小さいため、航空機が旋回している状況下において、航空機の尾翼などが、トランスポンダのアンテナから送信された信号を遮蔽して、受信局が信号を受信できない場合がある。図25の例では、受信局(REV5,REV6)が信号を受信できていない。
また、図25の例では、建物がトランスポンダのアンテナから送信された信号を遮蔽することで、受信局(REV4)が信号を受信できていない。
なお、目標である航空機が、空港の滑走路や誘導路を移動している場合、目標の下方に設置されているトランスポンダ(TRAN2)のアンテナから送信される信号は遮蔽されやすい状況にあるため、目標の上方に設置されているトランスポンダ(TRAN1)のアンテナから送信される信号が機能して、受信局が信号を受信すると思われる。
図25は目標である航空機が、空港の滑走路や誘導路を旋回している状況を示しているが、目標である航空機が飛行中の場合、図26に示すように、航空機の機体が、トランスポンダのアンテナから送信された信号を遮蔽して、受信局が信号を受信できない状況も考えられる。
図27は以下の非特許文献1に開示されている測位追尾装置を示す構成図である。
図27の例では、(N+1)個の受信局#0,#1,・・・,#i,・・・,#Nが、目標である航空機に設置されているトランスポンダのアンテナから送信される信号を受信して、その信号の到来時刻であるTOAを出力する。
以下、受信局#0から出力されるTOAをTOA(0)、受信局#iから出力されるTOAをTOA(i)のように表記する。
TDOA算出処理部101は、基準の受信局から出力されるTOAと、他の受信局から出力されるTOAとの時刻差である到来時刻差(TDOA:Time Difference Of Arrival)を算出する。
例えば、基準の受信局が受信局#0である場合、受信局#0から出力されるTOA(0)と、受信局#iから出力されるTOA(i)から、TDOA(i)を算出する。
TDOA(i)=TOA(i)−TOA(0)
ただし、i=1,2,・・・,Nである。
測位位置算出処理部102は、TDOA算出処理部101がTDOA(i)を算出すると、例えば、最小2乗法などの方法で、そのTDOA(i)から目標の測位位置を算出する。
ここでは、目標の測位位置として、目標の位置に関する3次元のベクトル(x,y,z)を算出することを想定するが、目標の位置に関する2次元のベクトル(x,y)や、時刻バイアスtbと位置(x,y,z)に関する4次元のベクトル(x,y,z,tb)を算出することもできる。
測位位置追尾処理部103は、測位位置算出処理部102が目標の測位位置を算出すると、目標の測位位置を線形カルマンフィルタに代入して、目標の追尾処理を実施することで、目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出する。
ここで、目標の航跡は、目標の位置、速度、加速度等の次元を有する状態ベクトルと、誤差共分散行列(航跡予測値と測位位置の誤差を示す行列)とから構成される。
表示処理部104は、測位位置追尾処理部103が目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出すると、目標の航跡予測値と航跡平滑値をディスプレイ等に表示する。
ここで、測位位置算出処理部102により算出される測位位置の次元数がnであるとすると、(n+1)個の受信局がトランスポンダから送信された信号を受信してTOAを出力している必要がある。
例えば、2次元の位置を測位する場合は、n=2であり、3個の受信局がTOAを出力している必要がある。
同様に、3次元の位置を測位する場合は、n=3であり、4個の受信局がTOAを出力している必要がある。
このため、測位位置算出処理部102では、例えば、4個の受信局#0〜#3が設置されている場合に、ある1個の受信局が信号を受信できずにTOAを出力しなければ、3次元の位置を測位することができない。
また、4個の受信局が信号を受信してTOAを出力していても、そのうちの2個の受信局が近接している場合、2個の受信局から出力されるTOAには情報量の差がないため、実質的には、3個の受信局が信号を受信してTOAを出力している場合と等価となり、1個の受信局が信号を受信できずにTOAを出力していない状況下と同じになる。このような状況下では、3次元の位置を測位することができない。
また、遠方に設置されている受信局が信号を受信している場合、信号の受信電力が低くなり、TOAの精度が劣化することがある。このような場合、推定誤差が規定誤差に収まらないため、受信局が信号を受信できずにTOAを出力していない状況下と同じになり、3次元の位置を測位することができない。
したがって、図25や図26に示すように、目標である航空機の尾翼や機体、あるいは、建物による遮蔽によって、例えば、3次元の位置を測位する際に必要な4個の受信局がTOAを出力していない場合、あるいは、TOAを出力している受信局が近接している状況下などでは、3次元の位置を測位することができない。
2次元の位置を測位する場合も、必要な受信局の個数が異なるだけで、3次元の位置を測位する場合と同様である。
測位位置追尾処理部103は、上述したように、測位位置算出処理部102が目標の測位位置を算出すると、目標の測位位置を線形カルマンフィルタに代入して、目標の追尾処理を実施するものである。
このため、トランスポンダのアンテナから送信される信号を受信してTOAを出力している受信局の個数が減少して、目標の位置を測位することができない状況下(信号の遮蔽が発生している状況)では、目標の航跡を正確に算出することが困難になる。
なお、測位位置追尾処理部103が目標の航跡予測値を算出する際、前回算出している航跡平滑値を用いるため、その航跡平滑値の算出精度が劣化していれば、現時点では目標の位置を測位できる状況(信号の遮蔽が解消している状況)になっていても、目標の航跡予測値の算出精度が劣化する。
上田,宮崎,角張,二瓶,古賀,"空港面監視用マルチラテレーションについて,"電子航法研究所研究発表会,第11回平成23年6月.
従来の測位追尾装置は以上のように構成されているので、トランスポンダのアンテナから送信される信号を受信してTOAを出力している受信局の個数が減少して、目標の位置を測位することができない状況下(信号の遮蔽が発生している状況)になり、一旦、目標の航跡精度が劣化すると、その後、目標の位置を測位できる状況(信号の遮蔽が解消している状況)に戻っても、直ぐには、目標の航跡精度が元の航跡精度まで回復しないなどの課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、目標の位置を測位することができない状況下になっても、その後、目標の位置を測位できる状況になれば、直ちに、目標の航跡を正確に算出することができる測位追尾装置を得ることを目的とする。
この発明に係る測位追尾装置は、目標から送信される信号を受信して、信号の到来時刻を出力する複数の受信局と、複数の受信局から出力された到来時刻の時刻差である到来時刻差を算出する到来時刻差算出手段と、到来時刻差算出手段により算出された到来時刻差から目標の位置を測位する位置測位手段と、位置測位手段により測位された目標の位置を追尾処理用のフィルタに代入して、目標の追尾処理を実施することで、目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出する目標追尾手段と、目標追尾手段により算出された目標の航跡予測値と航跡平滑値を表示する表示手段と、目標と複数の受信局間で信号遮蔽が発生しているか否かを判定する信号遮蔽判定手段とを設け、フィルタリセット手段が、信号遮蔽判定手段により信号遮蔽が発生していると判定された場合、追尾処理用のフィルタによる航跡をリセットするようにしたものである。
この発明によれば、目標と複数の受信局間で信号遮蔽が発生しているか否かを判定する信号遮蔽判定手段を設け、フィルタリセット手段が、信号遮蔽判定手段により信号遮蔽が発生していると判定された場合、追尾処理用のフィルタによる航跡をリセットするように構成したので、目標の位置を測位することができない状況下になっても、その後、目標の位置を測位できる状況になれば、直ちに、目標の航跡を正確に算出することができる効果がある。
この発明の実施の形態1による測位追尾装置を示す構成図である。 (a)航跡をリセットしない場合の追尾処理結果、(b)航跡をリセットした場合の追尾処理結果を示す説明図である。 この発明の実施の形態2による測位追尾装置を示す構成図である。 (a)測位位置追尾処理部3による追尾処理の処理イメージ、(b)TDOA追尾処理部7による追尾処理の処理イメージを示す説明図である。 この発明の実施の形態3による測位追尾装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態4による測位追尾装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態5による測位追尾装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態6による測位追尾装置を示す構成図である。 静止物遮蔽判定処理部11による静止物遮蔽判定処理を示す説明図である。 移動物遮蔽判定処理部12による移動物遮蔽判定処理を示す説明図である。 総合遮蔽判定処理部13による総合遮蔽判定処理を示すフローチャートである。 実際の受信局のTOA探知と、静止物による遮蔽、移動物による遮蔽及び旋回による遮蔽との対応関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態7による測位追尾装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態8による測位追尾装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態9による測位追尾装置を示す構成図である。 等速直進モデルの事前信頼度の求め方を示す説明図である。 各モデルの信頼度計算を含んでいる多重運動モデル追尾処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態10による測位追尾装置を示す構成図である。 推移確率制御処理部18によるモデル推移確率の設定処理を示す説明図である。 この発明の実施の形態11による測位追尾装置を示す構成図である。 TDOA運動モデル統合追尾処理を示す説明図である。 この発明の実施の形態12による測位追尾装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態13による測位追尾装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態14による測位追尾装置を示す構成図である。 目標である航空機が空港の滑走路や誘導路を旋回している状況下で、航空機の尾翼がトランスポンダのアンテナから送信された信号を遮蔽している様子を示す説明図である。 目標である航空機が飛行している状況下で、航空機の機体がトランスポンダのアンテナから送信された信号を遮蔽している様子を示す説明図である。 非特許文献1に開示されている測位追尾装置を示す構成図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による測位追尾装置を示す構成図である。
図1において、(N+1)個の受信局#0,#1,・・・,#i,・・・,#Nは航空機(目標)に設置されているトランスポンダのアンテナから送信される信号を受信して、その信号の到来時刻であるTOA(Time Of Arrival)を出力する。
以下、受信局#0から出力されるTOAをTOA(0)、受信局#iから出力されるTOAをTOA(i)のように表記する。
TDOA算出処理部1は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、基準の受信局から出力されるTOAと、他の受信局から出力されるTOAとの時刻差である到来時刻差(TDOA:Time Difference Of Arrival)を算出する処理を実施する。なお、TDOA算出処理部1は到来時刻差算出手段を構成している。
例えば、基準の受信局が受信局#0である場合、受信局#0から出力されるTOA(0)と、受信局#iから出力されるTOA(i)から、TDOA(i)を算出する。
TDOA(i)=TOA(i)−TOA(0)
ただし、i=1,2,・・・,Nである。
測位位置算出処理部2は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、TDOA算出処理部1により算出されたTDOA(i)から目標の測位位置を算出する処理を実施する。なお、測位位置算出処理部2は位置測位手段を構成している。
測位位置追尾処理部3は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、測位位置算出処理部2により算出された目標の測位位置を例えば線形カルマンフィルタ(追尾処理用のフィルタ)に代入して、目標の追尾処理を実施することで、目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出する。なお、測位位置追尾処理部3は目標追尾手段を構成している。
表示処理部4は例えばGPU(Graphics Processing Unit)などから構成されており、測位位置追尾処理部3により算出された目標の航跡予測値と航跡平滑値をディスプレイに表示する処理を実施する。なお、表示処理部4は表示手段を構成している。
旋回遮蔽判定処理部5は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、(N+1)個の受信局#iによるTOA(i)の出力状況及び測位位置算出処理部2による位置の測位状況を考慮して、目標である航空機と複数の受信局間で、航空機の旋回に伴う信号遮蔽が発生しているか否かを判定する処理を実施する。なお、旋回遮蔽判定処理部5は信号遮蔽判定手段を構成している。
フィルタリセット処理部6は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、旋回遮蔽判定処理部5により航空機の旋回に伴う信号遮蔽が発生していると判定された場合、線形カルマンフィルタによる航跡のリセットを指示するフィルタ制御信号を測位位置追尾処理部3に出力する処理を実施する。なお、フィルタリセット処理部6はフィルタリセット手段を構成している。
図1の例では、測位追尾装置の構成要素である受信局#0〜#N、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、測位位置追尾処理部3、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及びフィルタリセット処理部6のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、測位追尾装置の全部または一部がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、受信局#0〜#Nを除く部分がコンピュータで構成されている場合、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、測位位置追尾処理部3、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及びフィルタリセット処理部6の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
(N+1)個の受信局#iは、目標である航空機に設置されているトランスポンダのアンテナから時系列に送信される信号を受信して、その信号の到来時刻であるTOA(i)を時系列に出力する。ただし、i=0,1,2,・・・,Nである。
この実施の形態1では、説明の便宜上、受信局#0が基準の受信局であるとして説明する。
TDOA算出処理部1は、受信局#iからTOAを受けると、基準の受信局である受信局#0から出力されたTOA(0)と、他の受信局から出力されたTOA(i)との時刻差であるTDOA(i)を算出する。
TDOA(i)=TOA(i)−TOA(0)
ただし、i=1,2,・・・,Nである。
測位位置算出処理部2は、TDOA算出処理部1がTDOA(i)を算出すると、例えば、最小2乗法などの方法で、そのTDOA(i)から目標の測位位置を算出する。TDOA(i)から目標の測位位置を算出する処理自体は、公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
ここでは、目標の測位位置として、目標の位置に関する3次元のベクトル(x,y,z)を算出することを想定するが、目標の位置に関する2次元のベクトル(x,y)や、時刻バイアスtbと位置(x,y,z)に関する4次元のベクトル(x,y,z,tb)を算出することもできる。
測位位置追尾処理部3は、測位位置算出処理部2が目標の測位位置を算出すると、目標の測位位置を例えば線形カルマンフィルタに代入して、目標の追尾処理を実施することで、目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出する。線形カルマンフィルタを用いて、目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出する処理自体は、公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
ここで、目標の航跡は、目標の位置、速度、加速度等の次元を有する状態ベクトルと、誤差共分散行列(航跡予測値と測位位置の誤差を示す行列)とから構成される。
表示処理部4は、測位位置追尾処理部3が目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出すると、目標の航跡予測値と航跡平滑値をディスプレイ等に表示する。
ここで、測位位置算出処理部2により算出される測位位置の次元数がnであるとすると、(n+1)個の受信局がトランスポンダから送信された信号を受信してTOAを出力している必要がある。
例えば、2次元の位置を測位する場合は、n=2であり、3個の受信局がTOAを出力している必要がある。
同様に、3次元の位置を測位する場合は、n=3であり、4個の受信局がTOAを出力している必要がある。
旋回遮蔽判定処理部5は、(N+1)個の受信局#iから出力されるTOA(i)を時系列に入力するとともに、測位位置算出処理部2により算出される測位位置を時系列に入力する。
旋回遮蔽判定処理部5は、受信局毎にTOA(i)の時系列を管理し、下記の条件(1)又は条件(2)を満足する場合、あるいは、条件(1)及び条件(2)を満足する場合、目標である航空機と複数の受信局間で、航空機の旋回に伴う信号遮蔽が発生していると判定する。
[条件(1)]
1回のサンプリング期間において、TOA(i)を出力している受信局#iの個数aが、測位位置の算出に必要な個数bに満たないサンプリング(a<b)の回数TがN1(T>N1)回を超えている。例えば、2次元測位であれば、b=3、3次元測位であれば、b=4である。
[条件(2)]
測位位置算出処理部2により算出される測位位置が欠落している(条件(1)を満足していない場合でも、受信局#iから出力されるTOA(i)にバラツキがあるために、測位位置の算出が不可能な場合があるため、測位位置算出処理部2により算出される測位位置が欠落している場合も、条件に含めている)。
フィルタリセット処理部6は、旋回遮蔽判定処理部5により航空機の旋回に伴う信号遮蔽が発生していると判定された場合、線形カルマンフィルタによる航跡のリセットを指示するフィルタ制御信号を測位位置追尾処理部3に出力する。
測位位置追尾処理部3は、フィルタリセット処理部6から航跡のリセットを指示するフィルタ制御信号を受けると、線形カルマンフィルタによる航跡をリセット(過去に算出している航跡平滑値を消去)し、前回算出している航跡平滑値を用いずに、目標の追尾処理を実施して、目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出する。
ここで、図2は航跡の追尾処理結果を示す説明図である。
(a)は航跡をリセットしない場合の追尾処理結果を示し、(b)は航跡をリセットした場合の追尾処理結果を示している。
図2において、○は観測値(目標の測位位置)を示しており、太線矢印は航跡、点線は真の目標軌跡である。
図2の例では、目標である航空機の旋回に伴って、TOAが欠落して、TDOAが欠落し、その結果、測位位置が欠落している。
即ち、TOAが欠落することで、TDOAを算出することができずにTDOAが欠落し、さらに、TDOAが欠落することで、目標の測位位置を算出することができずに測位位置が欠落するという因果関係になっている。
目標の測位位置が欠落していても、旋回前の過去の航跡を用いて、目標の追尾処理を実施すると、図2(a)に示すように、目標の航跡予測値として、概ね過去の航跡が示す方向の延長線上に位置するような値を算出してしまう航跡のオーバーシュートが発生するため、航跡の精度が劣化する。航跡のオーバーシュートの影響は、旋回の終了後に、目標の測位位置が得られるようになっても受けるため、航跡精度の劣化が改善するまでに長時間を要する。
これに対して、目標の測位位置が欠落すると、旋回前の過去の航跡をリセットして、過去の航跡を用いずに、目標の追尾処理を実施する場合、航跡のオーバーシュートの影響を受けないため、旋回の終了後に、目標の測位位置が得られると、図2(b)に示すように、航跡精度が直ぐに改善する。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、(N+1)個の受信局#iによるTOA(i)の出力状況及び測位位置算出処理部2による位置の測位状況を考慮して、目標である航空機と複数の受信局間で、航空機の旋回に伴う信号遮蔽が発生しているか否かを判定する旋回遮蔽判定処理部5を設け、フィルタリセット処理部6が、旋回遮蔽判定処理部5により航空機の旋回に伴う信号遮蔽が発生していると判定された場合、線形カルマンフィルタによる航跡のリセットを指示するフィルタ制御信号を測位位置追尾処理部3に出力するように構成したので、目標の位置を測位することができない状況下になっても、その後、目標の位置を測位できる状況になれば、直ちに、目標の航跡を正確に算出することができる効果を奏する。
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2による測位追尾装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
TDOA追尾処理部7は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、TDOA算出処理部1により算出されたTDOA(i)を、例えば観測モデルに関する拡張カルマンフィルタ(追尾処理用のフィルタ)に代入して、目標の追尾処理を実施することで、目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出する。
即ち、TDOA追尾処理部7はTDOA算出処理部1により算出されたTDOA(i)を観測値として、観測モデルに関する拡張カルマンフィルタに基づいて、航跡予測値を算出する予測処理と、航跡平滑値を算出する平滑処理と、その航跡予測値と観測値の誤差共分散行列から計算される広がりと航跡予測値を中心とするゲート内に、その観測値が入るか否かを判定するゲート処理とを実施する。なお、TDOA追尾処理部7は目標追尾手段を構成している。
図3の例では、測位追尾装置の構成要素である受信局#0〜#N、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA追尾処理部7、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及びフィルタリセット処理部6のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、測位追尾装置の全部または一部がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、受信局#0〜#Nを除く部分がコンピュータで構成されている場合、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA追尾処理部7、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及びフィルタリセット処理部6の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
上記実施の形態1では、測位位置追尾処理部3が、測位位置算出処理部2により算出された目標の測位位置を観測値として、線形カルマンフィルタに基づいて、目標の追尾処理を実施するものを示しているが、この実施の形態2では、TDOA追尾処理部7が、TDOA算出処理部1により算出されたTDOA(i)を観測値として、観測モデルに関する拡張カルマンフィルタに基づいて、目標の追尾処理を実施している点で相違している。
図4(a)は測位位置追尾処理部3による追尾処理の処理イメージを示し、(b)はTDOA追尾処理部7による追尾処理の処理イメージを示す説明図である。
図4の例では、時刻t0に目標の航跡があり、時刻t1に観測値Ao1、時刻t2に観測値Bo2、時刻t3に観測値Co3が算出される観測状況を表している。
ここで、観測値は、TDOA観測値又は距離差観測値である。
なお、距離差とTDOAの間には、「距離差=光速×TDOA」の関係がある。ただし、光速は一定値である。
例えば、測位位置算出処理部2が、2次元の測位位置を算出する場合、同時刻に3つの観測値を使用して、測位位置を算出しようとするが、図4(a)の場合、時刻t1,t2,t3において、観測値が1入力であるため、測位位置を算出することができない。
このため、図4(a)の場合、時刻t1,t2,t3では、測位位置追尾処理部3が追尾処理を実施することができない。
図4(b)において、Bp1,Cp1は前時刻t0の航跡に基づく予測観測値、Ap2,Cp2は前時刻t1の航跡に基づく予測観測値、Ap3,Bp3は前時刻t2の航跡に基づく予測観測値を表している。
例えば、TDOA追尾処理部7が、時刻t1における2次元の追尾位置を算出する場合、前時刻t0の航跡に基づく予測観測値Bp1,Cp1と観測値Ao1を用いて算出することが可能である。
時刻t2においても、同様に、前時刻t1の航跡に基づく予測観測値Ap2,Cp2と観測値Bo2を用いて、2次元の追尾位置を算出することが可能である。
また、時刻t3においても、同様に、前時刻t2の航跡に基づく予測観測値Ap3,Bp3と観測値Co3を用いて、2次元の追尾位置を算出することが可能である。
以上より明らかなように、TDOA追尾処理部7による追尾処理では、測位に必要な数だけTDOAが揃わない状況においても、目標の追尾処理を実行して、航跡を安定的に生成することができる。
図4では、2次元の追尾位置の算出例を示しているが、3次元の追尾位置の算出の場合も、次元が異なるだけで、2次元の追尾位置の算出の場合と同じ手順である。
なお、フィルタリセット処理部6は、旋回遮蔽判定処理部5が、上記実施の形態1と同様の方法で、航空機の旋回に伴う信号遮蔽が発生していると判定すると、拡張カルマンフィルタによる航跡のリセットを指示するフィルタ制御信号をTDOA追尾処理部7に出力する。
TDOA追尾処理部7は、フィルタリセット処理部6から航跡のリセットを指示するフィルタ制御信号を受けると、拡張カルマンフィルタによる航跡をリセット(過去に算出している航跡平滑値を消去)し、前回算出している航跡平滑値を用いずに、目標の追尾処理を実施して、目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出する。
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3による測位追尾装置を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
旋回遮蔽判定処理部8は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、TDOA算出処理部1によるTDOA(i)の算出状況及び測位位置算出処理部2による位置の測位状況を考慮して、目標である航空機と複数の受信局間で、航空機の旋回に伴う信号遮蔽が発生しているか否かを判定する処理を実施する。なお、旋回遮蔽判定処理部8は信号遮蔽判定手段を構成している。
図5の測位追尾装置は、旋回遮蔽判定処理部8を図3の測位追尾装置に適用している例を示しているが、旋回遮蔽判定処理部8を図1の測位追尾装置に適用してもよい。
図5の例では、測位追尾装置の構成要素である受信局#0〜#N、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA追尾処理部7、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部8及びフィルタリセット処理部6のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、測位追尾装置の全部または一部がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、受信局#0〜#Nを除く部分がコンピュータで構成されている場合、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA追尾処理部7、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部8及びフィルタリセット処理部6の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
上記実施の形態1,2では、旋回遮蔽判定処理部5が、条件(1)又は条件(2)を満足する場合、あるいは、条件(1)及び条件(2)を満足する場合、目標である航空機と複数の受信局間で、航空機の旋回に伴う信号遮蔽が発生していると判定するものを示したが、旋回遮蔽判定処理部8が、下記の条件(3)又は条件(4)を満足する場合、あるいは、条件(3)及び条件(4)を満足する場合、目標である航空機と複数の受信局間で、航空機の旋回に伴う信号遮蔽が発生していると判定するようにしてもよい。
[条件(3)]
2回のサンプリング期間において、TDOA(i)の算出個数cが、測位位置の算出に必要な個数dに満たないサンプリング(c<d)の回数TがN2(T>N2)回を超えている。例えば、2次元測位であれば、d=3、3次元測位であれば、d=4である。
[条件(4)]
測位位置算出処理部2により算出される測位位置が欠落している(条件(3)を満足していない場合でも、TDOA算出処理部1により算出されるTDOA(i)にバラツキがあるために、測位位置の算出が不可能な場合があるため、測位位置算出処理部2により算出される測位位置が欠落している場合も、条件に含めている)。
フィルタリセット処理部6は、旋回遮蔽判定処理部8により航空機の旋回に伴う信号遮蔽が発生していると判定された場合、航跡のリセットを指示するフィルタ制御信号をTDOA追尾処理部7に出力する。
TDOA追尾処理部7は、フィルタリセット処理部6から航跡のリセットを指示するフィルタ制御信号を受けると、航跡をリセット(過去に算出している航跡平滑値を消去)し、前回算出している航跡平滑値を用いずに、目標の追尾処理を実施して、目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出する。
この実施の形態3の場合も、上記実施の形態1,2と同様に、目標の位置を測位することができない状況下になっても、その後、目標の位置を測位できる状況になれば、直ちに、目標の航跡を正確に算出することができる効果を奏する。
実施の形態4.
図6はこの発明の実施の形態4による測位追尾装置を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
旋回遮蔽判定処理部9は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、(N+1)個の受信局#iによるTOA(i)の出力状況を考慮して、目標である航空機と複数の受信局間で、航空機の旋回に伴う信号遮蔽が発生しているか否かを判定する処理を実施する。なお、旋回遮蔽判定処理部9は信号遮蔽判定手段を構成している。
図6の測位追尾装置は、旋回遮蔽判定処理部9を図3の測位追尾装置に適用している例を示しているが、旋回遮蔽判定処理部9を図1の測位追尾装置に適用してもよい。
図6の例では、測位追尾装置の構成要素である受信局#0〜#N、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA追尾処理部7、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部9及びフィルタリセット処理部6のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、測位追尾装置の全部または一部がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、受信局#0〜#Nを除く部分がコンピュータで構成されている場合、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA追尾処理部7、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部9及びフィルタリセット処理部6の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
上記実施の形態1,2では、旋回遮蔽判定処理部5が、条件(1)又は条件(2)を満足する場合、あるいは、条件(1)及び条件(2)を満足する場合、目標である航空機と複数の受信局間で、航空機の旋回に伴う信号遮蔽が発生していると判定するものを示したが、旋回遮蔽判定処理部9が、条件(2)を満足しているか否かを判定せずに、条件(1)を満足する場合に、目標である航空機と複数の受信局間で、航空機の旋回に伴う信号遮蔽が発生していると判定するようにしてもよい。
この場合、条件(2)を満足していても、信号遮蔽が発生していると判定されないため、判定精度が若干低下するが、判定処理の処理負荷が軽減される効果が得られる。
実施の形態5.
図7はこの発明の実施の形態5による測位追尾装置を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
旋回遮蔽判定処理部10は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、TDOA算出処理部1によるTDOA(i)の算出状況を考慮して、目標である航空機と複数の受信局間で、航空機の旋回に伴う信号遮蔽が発生しているか否かを判定する処理を実施する。なお、旋回遮蔽判定処理部10は信号遮蔽判定手段を構成している。
図7の測位追尾装置は、旋回遮蔽判定処理部10を図3の測位追尾装置に適用している例を示しているが、旋回遮蔽判定処理部10を図1の測位追尾装置に適用してもよい。
図7の例では、測位追尾装置の構成要素である受信局#0〜#N、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA追尾処理部7、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部10及びフィルタリセット処理部6のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、測位追尾装置の全部または一部がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、受信局#0〜#Nを除く部分がコンピュータで構成されている場合、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA追尾処理部7、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部10及びフィルタリセット処理部6の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
上記実施の形態3では、旋回遮蔽判定処理部8が、条件(3)又は条件(4)を満足する場合、あるいは、条件(3)及び条件(4)を満足する場合、目標である航空機と複数の受信局間で、航空機の旋回に伴う信号遮蔽が発生していると判定するものを示したが、旋回遮蔽判定処理部9が、条件(4)を満足しているか否かを判定せずに、条件(3)を満足する場合に、目標である航空機と複数の受信局間で、航空機の旋回に伴う信号遮蔽が発生していると判定するようにしてもよい。
この場合、条件(4)を満足していても、信号遮蔽が発生していると判定されないため、判定精度が若干低下するが、判定処理の処理負荷が軽減される効果が得られる。
実施の形態6.
図8はこの発明の実施の形態6による測位追尾装置を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
静止物遮蔽判定処理部11は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、TDOA追尾処理部7により算出された航跡予測値が、目標と受信局#iの間に所定の静止物が入り込む位置であるか否かを判定する処理を実施する。
移動物遮蔽判定処理部12は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、TDOA追尾処理部7により算出された航跡予測値が、目標と受信局#iの間に所定の移動物が入り込む位置であるか否かを判定する処理を実施する。
なお、静止物遮蔽判定処理部11及び移動物遮蔽判定処理部12から位置判定手段が構成されている。
総合遮蔽判定処理部13は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、旋回遮蔽判定処理部5により信号遮蔽が発生していると判定されている場合、静止物遮蔽判定処理部11により航跡予測値が、静止物が入り込む位置であると判定されておらず、かつ、移動物遮蔽判定処理部12により航跡予測値が、移動物が入り込む位置であると判定されていなければ、拡張カルマンフィルタによる航跡のリセットを指示するフィルタ制御信号をTDOA追尾処理部7に出力する処理を実施する。なお、総合遮蔽判定処理部13はフィルタリセット手段を構成している。
図8の測位追尾装置は、静止物遮蔽判定処理部11、移動物遮蔽判定処理部12及び総合遮蔽判定処理部13を図3の測位追尾装置に適用している例を示しているが、静止物遮蔽判定処理部11、移動物遮蔽判定処理部12及び総合遮蔽判定処理部13を図1の測位追尾装置に適用してもよい。
図8の例では、測位追尾装置の構成要素である受信局#0〜#N、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA追尾処理部7、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5、静止物遮蔽判定処理部11、移動物遮蔽判定処理部12及び総合遮蔽判定処理部13のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、測位追尾装置の全部または一部がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、受信局#0〜#Nを除く部分がコンピュータで構成されている場合、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA追尾処理部7、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5、静止物遮蔽判定処理部11、移動物遮蔽判定処理部12及び総合遮蔽判定処理部13の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
静止物遮蔽判定処理部11、移動物遮蔽判定処理部12及び総合遮蔽判定処理部13を実装している点以外は、上記実施の形態1〜5と同様であるため、主に、静止物遮蔽判定処理部11、移動物遮蔽判定処理部12及び総合遮蔽判定処理部13の処理内容を説明する。
静止物遮蔽判定処理部11は、TDOA追尾処理部7が航跡予測値を算出すると、その航跡予測値が、目標と受信局#iの間に所定の静止物が入り込む位置であるか否かを判定する。
ここで、図9は静止物遮蔽判定処理部11による静止物遮蔽判定処理を示す説明図である。以下、図9を参照しながら、静止物遮蔽判定処理を具体的に説明する。
例えば、目標である飛行機が、図9に示すように、空港の滑走路などを走行する場合、航空機と受信局の間に、ビルなどの静止物が入り込むことがある。
このような場合、航空機に設置されているトランスポンダのアンテナから送信される信号が静止物に遮蔽されて、受信局が信号を受信することができなくなる。
しかし、受信機が設置されている位置や、静止物が設置されている位置は既知であるため、目標である航空機が、どの位置を走行しているかが分かれば、現在、航空機に設置されているトランスポンダのアンテナから送信される信号が静止物に遮蔽されているか否かを判定することができる。
そこで、静止物遮蔽判定処理部11は、図9に示すように、事前に、既知の受信局の設置位置と、既知の静止物の設置位置から決まる静止物遮蔽範囲を特定し、TDOA追尾処理部7により算出された航跡予測値が、その静止物遮蔽範囲に入っているか否かを判定する。
なお、静止物遮蔽範囲の決め方としては、例えば、事前に、受信局が電波を受信することが不可能な範囲を調査し、その範囲を静止物遮蔽範囲としてもよいし、図9に示すように、静止物のサイズパラメータを特定し、そのサイズパラメータに基づいて静止物遮蔽範囲を決定するようにしてもよい。
静止物位置のサイズパラメータは、例えば、静止物が1以上の構造物からなる場合、縦、横及び高さからなる各構造物の空間形状を特定し、各構造物の空間形状を組み合わせて、総合的に決定すればよい。
図9では、空港内のビルなどを静止物としているが、地形や山などを静止物としてもよい。
移動物遮蔽判定処理部12は、TDOA追尾処理部7が航跡予測値を算出すると、その航跡予測値が、目標と受信局#iの間に所定の移動物が入り込む位置であるか否かを判定する。
ここで、図10は移動物遮蔽判定処理部12による移動物遮蔽判定処理を示す説明図である。以下、図10を参照しながら、移動物遮蔽判定処理を具体的に説明する。
例えば、目標である飛行機が、図10に示すように、空港の滑走路などを走行する場合、目標である航空機と受信局の間に、他の航空機などの移動物が入り込むことがある。
このような場合、目標である航空機に設置されているトランスポンダのアンテナから送信される信号が移動物に遮蔽されて、受信局が信号を受信することができなくなる。
しかし、受信機が設置されている位置は既知であるため、移動物の位置が分かり、かつ、目標である航空機が、どの位置を走行しているかが分かれば、現在、航空機に設置されているトランスポンダのアンテナから送信される信号が移動物に遮蔽されているか否かを判定することができる。
そこで、移動物遮蔽判定処理部12は、移動物の位置を把握して(例えば、移動物に搭載されているADS−BやGPSセンサなどから信号を取得して、移動物の位置を把握する)、その移動物の位置と、既知の受信局の設置位置から決まる移動物遮蔽範囲を特定し、TDOA追尾処理部7により算出された航跡予測値が、その移動物遮蔽範囲に入っているか否かを判定する。
なお、移動物に搭載されているADS−BやGPSセンサなどの信号から移動物の位置を把握することができない場合には、当該目標と同様の追尾処理によって位置を把握してもよいし、レーダ等で移動物の位置を把握するようにしてもよい。
図10では、空港内の他の航空機を移動物としているが、例えば、雲や、電波干渉すると想定される雨、霧などを移動物としてもよい。雲、雨や霧の位置は、雲、雨や霧の位置を観測する専用センサによって把握することが可能である。
総合遮蔽判定処理部13は、旋回遮蔽判定処理部5により信号遮蔽が発生していると判定されている場合、静止物遮蔽判定処理部11により航跡予測値が、静止物が入り込む位置であると判定されておらず、かつ、移動物遮蔽判定処理部12により航跡予測値が、移動物が入り込む位置であると判定されていなければ、拡張カルマンフィルタによる航跡のリセットを指示するフィルタ制御信号をTDOA追尾処理部7に出力する。
ここで、図11は総合遮蔽判定処理部13による総合遮蔽判定処理を示すフローチャートである。
また、図12は実際の受信局のTOA探知と、静止物による遮蔽、移動物による遮蔽及び旋回による遮蔽との対応関係を示す説明図である。
以下、図11及び図12を参照しながら、総合遮蔽判定処理を具体的に説明する。
図12では、TOA探知ありの場合は○、TOA探知なしの場合は×で示しており、静止物による遮蔽、移動物による遮蔽、旋回による遮蔽のいずれか1つでもあれば、TOA探知はなしになり、いずれの遮蔽もない場合に限り、TOA探知はありとなる。
旋回による遮蔽が発生しているとき、旋回前の過去の航跡を用いて、目標の追尾処理を実施すると、上述したように、航跡のオーバーシュートが発生するため、航跡の精度が劣化する。
しかし、静止物による遮蔽や、移動物による遮蔽が発生しているときは、目標が旋回しているものではないため、過去の航跡を用いて、目標の追尾処理を実施しても、航跡のオーバーシュートが発生する可能性は低いと考えられる。
そこで、この実施の形態6では、受信機が信号を受信できない理由が、旋回による遮蔽の場合に限り、過去の航跡をリセットし、受信機が信号を受信できない理由が、静止物による遮蔽や移動物による遮蔽の場合には、過去の航跡をリセットせずに、過去の航跡を用いて、目標の追尾処理を引き続き実施するようにする。
即ち、総合遮蔽判定処理部13は、静止物遮蔽判定処理部11の判定結果が「静止物による遮蔽がある」旨を示していれば、過去の航跡をリセットせずに、航跡を継続する旨をTDOA追尾処理部7に通知する(ステップST1,ST2)。
総合遮蔽判定処理部13は、静止物遮蔽判定処理部11の判定結果が「静止物による遮蔽がなし」である旨を示している場合、移動物遮蔽判定処理部12の判定結果が「移動物による遮蔽がある」旨を示していれば、過去の航跡をリセットせずに、航跡を継続する旨をTDOA追尾処理部7に通知する(ステップST3,ST4)。
総合遮蔽判定処理部13は、移動物遮蔽判定処理部12の判定結果が「移動物による遮蔽なし」である旨を示している場合、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果が「旋回による遮蔽なし」である旨を示していれば、過去の航跡をリセットせずに、航跡を継続する旨をTDOA追尾処理部7に通知する(ステップST5,ST6)。
一方、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果が「旋回による遮蔽あり」との旨を示していれば、航跡のリセットを指示するフィルタ制御信号をTDOA追尾処理部7に出力する。
以上で明らかなように、この実施の形態6によれば、TDOA追尾処理部7により算出された航跡予測値が、目標と受信局#iの間に所定の静止物が入り込む位置であるか否かを判定する静止物遮蔽判定処理部11と、TDOA追尾処理部7により算出された航跡予測値が、目標と受信局#iの間に所定の移動物が入り込む位置であるか否かを判定する移動物遮蔽判定処理部12とを設け、総合遮蔽判定処理部13が、旋回遮蔽判定処理部5により信号遮蔽が発生していると判定されている場合、静止物遮蔽判定処理部11により航跡予測値が、静止物が入り込む位置であると判定されておらず、かつ、移動物遮蔽判定処理部12により航跡予測値が、移動物が入り込む位置であると判定されていなければ、航跡のリセットを指示するフィルタ制御信号をTDOA追尾処理部7に出力するように構成したので、過去の航跡を用いて、目標の追尾処理を実施しても、航跡のオーバーシュートが発生する可能性が低いと考えられる静止物による遮蔽や移動物による遮蔽の場合には、航跡をリセットせずに、目標の追尾処理を引き続き実施することができるようになり、目標の追尾精度を高めることができる効果を奏する。
実施の形態7.
図13はこの発明の実施の形態7による測位追尾装置を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
運動モデル制御処理部14は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果に応じて、TDOA追尾処理部7における目標の追尾処理を制御する処理を実施する。
即ち、運動モデル制御処理部14は旋回遮蔽判定処理部5により信号遮蔽が発生していると判定された場合、信号遮蔽が発生していないと判定された場合よりも、目標の航跡予測値を算出する際に用いる駆動雑音共分散行列を大きくする旨をTDOA追尾処理部7に指示する処理を実施する。なお、運動モデル制御処理部14は追尾処理制御手段を構成している。
図13の測位追尾装置は、運動モデル制御処理部14を図3の測位追尾装置に適用している例を示しているが、運動モデル制御処理部14を図1の測位追尾装置に適用してもよい。
図13の例では、測位追尾装置の構成要素である受信局#0〜#N、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA追尾処理部7、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及び運動モデル制御処理部14のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、測位追尾装置の全部または一部がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、受信局#0〜#Nを除く部分がコンピュータで構成されている場合、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA追尾処理部7、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及び運動モデル制御処理部14の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
フィルタリセット処理部6の代わりに、運動モデル制御処理部14を設けている点以外は、上記実施の形態1〜6と同様であるため、主に運動モデル制御処理部14の処理内容を説明する。
まず、TDOA追尾処理部7が、目標の航跡予測値を算出する際に用いる誤差共分散行列と、駆動雑音共分散行列との関係式は、下記の式(1)の通りである。
Figure 0005744320
運動モデル制御処理部14は、旋回遮蔽判定処理部5により信号遮蔽が発生していると判定された場合、信号遮蔽が発生していないと判定された場合よりも、駆動雑音共分散行列Q(k-1)を大きくする旨をTDOA追尾処理部7に指示する。
TDOA追尾処理部7は、運動モデル制御処理部14から駆動雑音共分散行列Q(k-1)を大きくする旨の指示を受けると、駆動雑音共分散行列Q(k-1)を大きくして、目標の航跡予測値を算出するが、駆動雑音共分散行列Q(k-1)を大きくすることで、目標の追尾処理における航跡の算出の元となる観測値と予測値のうち、観測値を重み付けして使用する比率のゲインが大きくなる。つまり、駆動雑音共分散行列Q(k-1)を大きくすると、観測値の重みが大きくなる。
この結果、旋回前の過去の航跡を用いて、目標の追尾処理を実施しても、目標の旋回に伴う航跡のオーバーシュートが軽減される。
以上で明らかなように、この実施の形態7によれば、運動モデル制御処理部14が、旋回遮蔽判定処理部5により信号遮蔽が発生していると判定された場合、信号遮蔽が発生していないと判定された場合よりも、目標の航跡予測値を算出する際に用いる駆動雑音共分散行列Q(k-1)を大きくする旨をTDOA追尾処理部7に指示するように構成したので、目標の位置を測位することができない状況下になっても、その後、目標の位置を測位できる状況になれば、直ちに、目標の航跡を正確に算出することができる効果を奏する。
実施の形態8.
図14はこの発明の実施の形態8による測位追尾装置を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
運動モデル制御処理部15は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、旋回遮蔽判定処理部5により信号遮蔽が発生していると判定された場合、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果に応じて、TDOA追尾処理部7における目標の追尾処理を制御する処理を実施する。
即ち、運動モデル制御処理部15は旋回遮蔽判定処理部5により信号遮蔽が発生していると判定された場合、目標の加速度を考慮して、目標の航跡予測値を算出する旨をTDOA追尾処理部7に指示する処理を実施する。なお、運動モデル制御処理部15は追尾処理制御手段を構成している。
図14の測位追尾装置は、運動モデル制御処理部15を図3の測位追尾装置に適用している例を示しているが、運動モデル制御処理部15を図1の測位追尾装置に適用してもよい。
図14の例では、測位追尾装置の構成要素である受信局#0〜#N、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA追尾処理部7、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及び運動モデル制御処理部15のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、測位追尾装置の全部または一部がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、受信局#0〜#Nを除く部分がコンピュータで構成されている場合、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA追尾処理部7、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及び運動モデル制御処理部15の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
フィルタリセット処理部6の代わりに、運動モデル制御処理部15を設けている点以外は、上記実施の形態1〜6と同様であるため、主に運動モデル制御処理部15の処理内容を説明する。
TDOA追尾処理部7は、下記の式(2)によって、目標の航跡予測値を算出する。
Figure 0005744320
運動モデル制御処理部15は、旋回遮蔽判定処理部5により信号遮蔽が発生していないと判定された場合、上記の式(2)によって、目標の航跡予測値を算出する旨をTDOA追尾処理部7に指示するが、旋回遮蔽判定処理部5により信号遮蔽が発生していると判定された場合、下記の式(3)によって、目標の航跡予測値を算出する旨をTDOA追尾処理部7に指示する。
Figure 0005744320
これにより、旋回遮蔽判定処理部5により信号遮蔽が発生していると判定された場合、TDOA追尾処理部7が、目標の加速度を考慮して、目標の航跡予測値を算出することになるため、旋回目標への追従性を高めることが可能になる。
実施の形態9.
図15はこの発明の実施の形態9による測位追尾装置を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
TDOA多重運動モデル追尾処理部16は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、TDOA算出処理部1により算出されたTDOA(i)を、各種の運動モデル(例えば、等速直進モデル、旋回モデル)に関する拡張カルマンフィルタ(追尾処理用のフィルタ)を組み合わせて、目標の追尾処理(多重運動モデル追尾処理)を実施することで、目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出する処理を実施する。なお、TDOA多重運動モデル追尾処理部16は目標追尾手段を構成している。
推移確率制御処理部17は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果に応じて、TDOA多重運動モデル追尾処理部16における目標の追尾処理を制御する処理を実施する。
即ち、推移確率制御処理部17は旋回遮蔽判定処理部5の判定結果に応じて、多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率を設定する処理を実施する。なお、推移確率制御処理部17は追尾処理制御手段を構成している。
図15の測位追尾装置は、TDOA多重運動モデル追尾処理部16及び推移確率制御処理部17を図3の測位追尾装置に適用している例を示しているが、TDOA多重運動モデル追尾処理部16及び推移確率制御処理部17を図1の測位追尾装置に適用してもよい。
図15の例では、測位追尾装置の構成要素である受信局#0〜#N、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA多重運動モデル追尾処理部16、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及び推移確率制御処理部17のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、測位追尾装置の全部または一部がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、受信局#0〜#Nを除く部分がコンピュータで構成されている場合、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA多重運動モデル追尾処理部16、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及び推移確率制御処理部17の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
フィルタリセット処理部6及びTDOA追尾処理部7の代わりに、TDOA多重運動モデル追尾処理部16及び推移確率制御処理部17を設けている点以外は、上記実施の形態1〜6と同様であるため、主にTDOA多重運動モデル追尾処理部16及び推移確率制御処理部17の処理内容を説明する。
TDOA多重運動モデル追尾処理部16における多重運動モデル追尾処理としては、例えば、等速直線運動モデル、等加速度運動モデル、等角速度運動モデル、蛇行運動モデル、外力(例えば、重力、コリオリ力、揚力、空気抵抗力など)が要因の運動モデルなどの各種の運動モデルを組み合わせることが可能であり、また、その組み合せにおける運動モデルの数を決めることができる。
以下の説明では、便宜上、等速直線運動モデルを「直進モデル」と称し、運動の曖昧さを表す駆動雑音が大きい等加速度運動モデル、等角速度運動モデルや蛇行運動モデルなどを「旋回モデル」と称する。
推移確率制御処理部17は、旋回遮蔽判定処理部5により信号遮蔽が発生していると判定された場合、TDOA多重運動モデル追尾処理部16に対して、等速直進モデルから旋回モデルへのモデル推移確率を大きくするように設定する。
以下、モデル信頼度計算に使用するモデル推移確率について説明する。
時刻kの運動モデルbの事後信頼度をμk,b(+)と定義する。
時刻kの運動モデルbの事後信頼度μk,b(+)は、下記の式(4)によって算出する。
Figure 0005744320
ただし、vk,bは時刻kの運動モデルbの尤度、μk,b(-)は時刻kの運動モデルbの事前信頼度である
また、Nは運動モデル数、bは等速直進モデル又は旋回モデルのいずれかの運動モデルを示す変数である。
ここでは説明の簡単化のため、運動モデルを等速直進モデルと旋回モデルの2つのモデルに絞っているが、加速度運動モデルや等加速度運動モデルなどを入れてもよい。運動モデルの組み合せや、運動モデルの数を1以上として、事前に決めることができる。
次に、等速直進モデルの混合処理の説明を行う。
混合処理においては、以下のように、事前信頼度と事後信頼度が使用される。
Figure 0005744320
Figure 0005744320
ここで、運動モデルaから運動モデルbへの逆推移確率μk,b|aは、下記の式(7)によって算出される。
Figure 0005744320
ここで、時刻k+1の運動モデルbの事前信頼度μk+1,a(-)は、下記の式(8)によって算出される。
Figure 0005744320
等速直進モデルの混合では、上記の式(5)〜(8)によって、等速直進モデルに基づく混合平滑ベクトル、等速直進モデルに基づく混合平滑誤差共分散行列、等速直進モデルの平滑ベクトル、等速直進モデルの平滑誤差共分散行列、等速直進モデルから旋回モデルへの逆推移確率、等速直進モデルの事前信頼度が算出される。
旋回モデルの混合では、上記の等速直進モデルを旋回モデルに読み替え、上記の旋回モデルを等速直進運動モデルに読み替えることで、上記の式(5)〜(8)によって、同様の処理が行われる。
ここで、複数のモデルの事前信頼度をベクトル形式にしたものを「事前信頼度ベクトル」と称し、モデル遷移の全ての可能性を考えて推移確率を行列形式にしたものを「モデル推移確率行列」と称する。
モデル数が2(等速直進モデル、旋回モデル)の場合の事前信頼度ベクトルμk,a(-)は下記の式(9)となり、モデル推移確率行列Pbaは下記の式(10)となる。モデル推移確率行列Pbaの各行の要素の総和は1である。
Figure 0005744320

Figure 0005744320
図16は等速直進モデルの事前信頼度の求め方を示す説明図である。
図16に示すように,等速直進モデルの時刻kにおける事前信頼度は、時刻k−1における事後信頼度に推移確率π11を乗算するとともに、旋回モデルの事後信頼度に推移確率π21を乗算し、これらの乗算結果の総和を求めることで得られる。モデル数が3以上の場合も同じ考え方である。
なお、図17は各モデルの信頼度計算を含んでいる多重運動モデル追尾処理を示すフローチャートである。
以上のように、この実施の形態9によれば、旋回遮蔽判定処理部5により信号遮蔽が発生していると判定された場合、TDOA多重運動モデル追尾処理部16に対して、等速直進モデルから旋回モデルへのモデル推移確率を大きくするように設定する構成にしたので、旋回目標への追従性を高めることが可能になる。
実施の形態10.
図18はこの発明の実施の形態10による測位追尾装置を示す構成図であり、図において、図15と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
推移確率制御処理部18は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、図15の推移確率制御処理部17と同様に、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果に応じて、多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率を設定する処理を実施するが、多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率を変更する際、複数のサンプリングをかけてモデル推移確率の変更を段階的に行うようにする。なお、推移確率制御処理部18は追尾処理制御手段を構成している。
図18の例では、測位追尾装置の構成要素である受信局#0〜#N、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA多重運動モデル追尾処理部16、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及び推移確率制御処理部18のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、測位追尾装置の全部または一部がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、受信局#0〜#Nを除く部分がコンピュータで構成されている場合、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA多重運動モデル追尾処理部16、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及び推移確率制御処理部18の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
上記実施の形態9では、推移確率制御処理部17が、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果に応じて、多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率を設定するものを示したが、推移確率制御処理部18が、事前に決めた増加方法によって、多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率を複数サンプリングで徐々に大きくするようにしてもよい。
図19は推移確率制御処理部18によるモデル推移確率の設定処理を示す説明図である。
推移確率制御処理部18は、例えば、等速直進モデルから旋回モデルへのモデル推移確率を1サンプリングで変えるのではなく、図19に示すように、複数のサンプリングをかけてモデル推移確率の変更を段階的に行うようにする。
モデル推移確率の変化のさせ方は、直線的でもよいし、曲線的でもよい。
以上で明らかなように、この実施の形態10によれば、多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率を変更する際、複数のサンプリングをかけてモデル推移確率の変更を段階的に行うように構成したので、直進から旋回への追従性がスムーズになる効果がある。
実施の形態11.
図20はこの発明の実施の形態11による測位追尾装置を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
TDOA運動モデル統合追尾処理部19は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、TDOA算出処理部1により算出されたTDOA(i)を拡張カルマンフィルタに代入して、目標の追尾処理を実施することで、目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出するものであるが、その際、拡張カルマンフィルタにおける直進モデルの追尾フィルタから得られる処理結果と、拡張カルマンフィルタにおける旋回モデルの追尾フィルタから得られる処理結果とを統合する運動モデル統合追尾処理を実施する。なお、TDOA運動モデル統合追尾処理部19は目標追尾手段を構成している。
統合重み付け制御処理部20は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果に応じて、TDOA運動モデル統合追尾処理部19における目標の追尾処理を制御する処理を実施する。
即ち、統合重み付け制御処理部20は旋回遮蔽判定処理部5の判定結果に応じて、直進モデルの追尾フィルタから得られる処理結果と、旋回モデルの追尾フィルタから得られる処理結果とを統合する際の重み付けを設定する処理を実施する。なお、統合重み付け制御処理部20は追尾処理制御手段を構成している。
図20の測位追尾装置は、TDOA運動モデル統合追尾処理部19及び統合重み付け制御処理部20を図3の測位追尾装置に適用している例を示しているが、TDOA運動モデル統合追尾処理部19及び統合重み付け制御処理部20を図1の測位追尾装置に適用してもよい。
図20の例では、測位追尾装置の構成要素である受信局#0〜#N、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA運動モデル統合追尾処理部19、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及び統合重み付け制御処理部20のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、測位追尾装置の全部または一部がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、受信局#0〜#Nを除く部分がコンピュータで構成されている場合、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA運動モデル統合追尾処理部19、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及び統合重み付け制御処理部20の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図21はTDOA運動モデル統合追尾処理を示す説明図である。
次に動作について説明する。
フィルタリセット処理部6及びTDOA追尾処理部7の代わりに、TDOA運動モデル統合追尾処理部19及び統合重み付け制御処理部20を設けている点以外は、上記実施の形態1〜6と同様であるため、主にTDOA運動モデル統合追尾処理部19及び統合重み付け制御処理部20の処理内容を説明する。
TDOA運動モデル統合追尾処理部19は、TDOA算出処理部1がTDOA(i)を算出すると、そのTDOA(i)を用いて、等速直進モデルに基づく追尾処理を実施して、等速直進モデルの平滑値の状態ベクトル 1(k|k)等を算出する。
また、TDOA運動モデル統合追尾処理部19は、そのTDOA(i)を用いて、旋回モデルに基づく追尾処理を実施して、旋回モデルの平滑値の状態ベクトル 2(k|k)等を算出する。
TDOA運動モデル統合追尾処理部19は、等速直進モデルの平滑値の状態ベクトル 1(k|k)及び旋回モデルの平滑値の状態ベクトル 2(k|k)を算出すると、等速直進モデルの重みβ1と、旋回モデルの重みβ2とを用いて、下記の式(11)に示すように、等速直進モデルの平滑値の状態ベクトル 1(k|k)と旋回モデルの平滑値の状態ベクトル 2(k|k)とを重み付け加算して、統合平滑値の状態ベクトル gt(k|k)を算出する。
Figure 0005744320
統合重み付け制御処理部20は、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果に応じて、直進モデルの重みβ1と旋回モデルの重みβ2を設定する。
即ち、統合重み付け制御処理部20は、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果が「旋回による遮蔽がなし」である旨を示していれば、直進モデルの重みβ1を旋回モデルの重みβ2より大きくする旨をTDOA運動モデル統合追尾処理部19に指示するが、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果が「旋回による遮蔽がある」旨を示していれば、直進モデルの重みβ1より旋回モデルの重みβ2を大きくする旨をTDOA運動モデル統合追尾処理部19に指示する。
これにより、旋回による遮蔽がある場合、直進モデルの重みβ1より旋回モデルの重みβ2を大きくして、統合平滑値の状態ベクトル gt(k|k)が算出される。
このように、旋回遮蔽の判定結果に応じて、TDOA運動モデル統合追尾処理の重み付けを変えることで、目標への追従性が高くなる効果が得られる。
実施の形態12.
図22はこの発明の実施の形態12による測位追尾装置を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、TDOA算出処理部1により算出されたTDOA(i)を拡張カルマンフィルタに代入して、目標の追尾処理を実施することで、目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出するものであるが、その際、水平方向の複数の運動モデルを組み合わせて目標を追尾する水平方向の多重運動モデル追尾処理と、垂直方向の複数の運動モデルを組み合わせて目標を追尾する垂直方向の多重運動モデル追尾処理とを実施して、水平方向の多重運動モデル追尾処理の処理結果と垂直方向の多重運動モデル追尾処理の処理結果とを統合するものである。なお、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21は目標追尾手段を構成している。
モデル制御処理部22は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果に応じて、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21における目標の追尾処理を制御する処理を実施する。
即ち、モデル制御処理部22は旋回遮蔽判定処理部5の判定結果と地形を考慮して、水平方向の多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率及び垂直方向の多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率を設定する処理を実施する。なお、モデル制御処理部22は追尾処理制御手段を構成している。
図22の測位追尾装置は、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21及びモデル制御処理部22を図3の測位追尾装置に適用している例を示しているが、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21及びモデル制御処理部22を図1の測位追尾装置に適用してもよい。
図22の例では、測位追尾装置の構成要素である受信局#0〜#N、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及びモデル制御処理部22のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、測位追尾装置の全部または一部がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、受信局#0〜#Nを除く部分がコンピュータで構成されている場合、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及びモデル制御処理部22の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
フィルタリセット処理部6及びTDOA追尾処理部7の代わりに、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21及びモデル制御処理部22を設けている点以外は、上記実施の形態1〜6と同様であるため、主にTDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21及びモデル制御処理部22の処理内容を説明する。
TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21における多重運動モデル追尾処理の方法は、図18のTDOA多重運動モデル追尾処理部16における多重運動モデル追尾処理の方法と同様であるが、水平方向の多重運動モデル追尾処理と、垂直方向の多重運動モデル追尾処理とを独立に実施する。
TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21は、水平方向の多重運動モデル追尾処理と、垂直方向の多重運動モデル追尾処理とを独立に実施すると、水平方向の多重運動モデル追尾処理を実施すること得られた航跡予測値と、垂直方向の多重運動モデル追尾処理を実施すること得られた航跡予測値とを合わせて、表示処理部4に出力する。
また、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21は、水平方向の多重運動モデル追尾処理を実施すること得られた航跡平滑値と、垂直方向の多重運動モデル追尾処理を実施すること得られた航跡平滑値とを合わせて、表示処理部4に出力する。
モデル制御処理部22は、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果と地形を考慮して、水平方向の多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率及び垂直方向の多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率を設定する。
即ち、モデル制御処理部22は、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果が「旋回による遮蔽がある」旨を示していれば、航跡平滑値から計算される平滑高度と組み合わせて、水平方向の多重運動モデル追尾処理における等速直進モデルから旋回モデルへの推移確率を高めるか、垂直方向の多重運動モデル追尾処理における等速直進モデルから旋回モデルへの推移確率を高めるか、水平方向の多重運動モデル追尾処理における等速直進モデルから旋回モデルへの推移確率と垂直方向の多重運動モデル追尾処理における等速直進モデルから旋回モデルへの推移確率の両方を高めるかを決定する。
例えば、目標高度によって、事前に高度方向の旋回が少ないことが分かっている場合は、平滑高度が高度しきい値(高度方向の旋回が少ない場合のしきい値)未満であり、かつ、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果が「旋回による遮蔽がある」旨を示していれば、等速直進モデルから旋回モデルへの推移確率を高める処置を、水平方向の多重運動モデル追尾処理だけに実施する。
つまり、地形位置(空港、山、ビル等の位置)と航跡平滑値(平滑位置、平滑高度等)の関係から、事前に目標が高度方向に旋回するのか、水平方向に旋回するのかをある程度推測することができるため、地形位置と、水平方向の多重運動モデル追尾処理の推移確率と、垂直方向の多重運動モデル追尾処理の推移確率との対応関係を示すテーブルを事前に作成しておき、そのテーブルから地形位置に対応する水平方向の多重運動モデル追尾処理の推移確率と、垂直方向の多重運動モデル追尾処理の推移確率とを取得する。
そして、水平方向の多重運動モデル追尾処理の推移確率と、垂直方向の多重運動モデル追尾処理の推移確率とを設定する制御信号をTDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21に出力する。
これにより、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21は、モデル制御処理部22から出力された制御信号にしたがって、水平方向の多重運動モデル追尾処理の推移確率と、垂直方向の多重運動モデル追尾処理の推移確率とを設定して、水平方向の多重運動モデル追尾処理と垂直方向の多重運動モデル追尾処理を独立に実施する。
このように、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果と地形を考慮して、水平方向の多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率及び垂直方向の多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率を設定することで、目標への追従性を高めることができる。
実施の形態13.
図23はこの発明の実施の形態13による測位追尾装置を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部23は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、図22のTDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21と同様に、水平方向の多重運動モデル追尾処理と、垂直方向の多重運動モデル追尾処理とを独立に実施して、水平方向の多重運動モデル追尾処理の処理結果と垂直方向の多重運動モデル追尾処理の処理結果とを統合するものであるが、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部23の場合、水平方向の多重運動モデル追尾処理の運動モデルが直進モデルと旋回モデルであって、垂直方向の多重運動モデル追尾処理の運動モデルが高度一定の複数の直進モデルである。なお、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部23は目標追尾手段を構成している。
モデル制御処理部24は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、図22のモデル制御処理部22と同様に、水平方向の多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率及び垂直方向の多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率を設定するものであるが、モデル制御処理部24の場合、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果が「旋回による遮蔽がある」旨を示していれば、水平方向の多重運動モデル追尾処理における直進モデルから旋回モデルへのモデル推移確率が大きくなるように設定して、垂直方向の多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率を維持するようにする。なお、モデル制御処理部24は追尾処理制御手段を構成している。
図23の測位追尾装置は、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部23及びモデル制御処理部24を図3の測位追尾装置に適用している例を示しているが、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部23及びモデル制御処理部24を図1の測位追尾装置に適用してもよい。
図23の例では、測位追尾装置の構成要素である受信局#0〜#N、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部23、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及びモデル制御処理部24のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、測位追尾装置の全部または一部がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、受信局#0〜#Nを除く部分がコンピュータで構成されている場合、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部23、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及びモデル制御処理部24の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
この実施の形態13では、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部23が、水平方向の多重運動モデル追尾処理の運動モデルについては、直進モデルと旋回モデルを扱うものであって、垂直方向の多重運動モデル追尾処理の運動モデルについては、高度一定の複数の直進モデルを扱うものであることを想定する。
モデル制御処理部24は、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果が「旋回による遮蔽がある」旨を示していれば、水平方向の多重運動モデル追尾処理における直進モデルから旋回モデルへのモデル推移確率が大きくなるように設定して、垂直方向の多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率を維持するようにする。
これにより、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部23では、旋回遮蔽判定処理部5の判定結果が「旋回による遮蔽がある」旨を示していれば、水平方向の多重運動モデル追尾処理については、直進モデルから旋回モデルへのモデル推移確率が大きくなる多重運動モデルで、目標の追尾が行われる。
この結果、目標への追従性を確保することができる。また、高度一定の直進モデルを複数使用する垂直方向の多重運動モデルを使用することで、マルチパス等により高度誤差が大きい状況でも、目標への高度追尾精度が向上する。
実施の形態14.
図24はこの発明の実施の形態14による測位追尾装置を示す構成図であり、図において、図22と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
モデル制御処理部25は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、図22のモデル制御処理部22と同様に、水平方向の多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率及び垂直方向の多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率を設定するものであるが、モデル制御処理部25の場合、垂直方向の多重運動モデル追尾処理の運動モデルが、上昇旋回モデル及び下降旋回モデルを備えていれば、目標の高度に応じて、上昇旋回モデル及び下降旋回モデルを使用するか否かを決定する。なお、モデル制御処理部25は追尾処理制御手段を構成している。
図24の測位追尾装置は、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21及びモデル制御処理部25を図3の測位追尾装置に適用している例を示しているが、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21及びモデル制御処理部25を図1の測位追尾装置に適用してもよい。
図23の例では、測位追尾装置の構成要素である受信局#0〜#N、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及びモデル制御処理部25のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、測位追尾装置の全部または一部がコンピュータで構成されていてもよい。
例えば、受信局#0〜#Nを除く部分がコンピュータで構成されている場合、TDOA算出処理部1、測位位置算出処理部2、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21、表示処理部4、旋回遮蔽判定処理部5及びモデル制御処理部25の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
モデル制御処理部22の代わりに、モデル制御処理部25を設けている点以外は、上記実施の形態12と同様であるため、主にモデル制御処理部25の処理内容を説明する。
この実施の形態14では、TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21が、垂直方向の多重運動モデル追尾処理の運動モデルとして、上昇旋回モデル及び下降旋回モデルを備えている場合を想定する。
TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21が、上昇旋回モデル、下降旋回モデル及び直進モデルを使用する場合、例えば、航跡平滑値から得られる平滑高度が、ある一定高度以上では、下降旋回モデルを使用するなど、平滑高度と上昇旋回モデル及び下降旋回モデルの使用の有無との対応関係を示すテーブルを事前に作成しておくものとする。
モデル制御処理部25は、例えば、航跡平滑値から平滑高度を得ると、事前に作成されているテーブルを参照して、その平滑高度で使用する運動モデルが、上昇旋回モデルであるのか、下降旋回モデルであるのかを確認し、使用する運動モデルを示す制御信号をTDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21に出力する。
TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部21は、モデル制御処理部25から出力された制御信号が上昇旋回モデルを使用する旨を示してれば、垂直方向の多重運動モデル追尾処理の運動モデルとして、上昇旋回モデルを使用する。
また、モデル制御処理部25から出力された制御信号が下降旋回モデルを使用する旨を示してれば、垂直方向の多重運動モデル追尾処理の運動モデルとして、下降旋回モデルを使用する。
このように、目標の高度に応じて、垂直方向の多重運動モデル追尾処理の運動モデルとして、上昇旋回モデル及び下降旋回モデルを使用するか否かを決めることで、例えば、目標高度によっては、あり得ない上昇旋回や下降旋回の動作を除外することができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明に係る測位追尾装置は、目標と複数の受信局間で信号遮蔽が発生しているか否かを判定する信号遮蔽判定手段と、信号遮蔽判定手段により信号遮蔽が発生していると判定された場合、追尾処理用のフィルタによる航跡をリセットするフィルタリセット手段とを備え、目標の位置を測位することができない状況下になっても、その後、目標の位置を測位できる状況になれば、直ちに、目標の航跡を正確に算出することができるので、航空機の位置の測位や航空機の航跡を予測する測位追尾装置として用いるのに適している。
#0〜#N 受信局、1 TDOA算出処理部(到来時刻差算出手段)、2 測位位置算出処理部(位置測位手段)、3 測位位置追尾処理部(目標追尾手段)、4 表示処理部(表示手段)、5 旋回遮蔽判定処理部(信号遮蔽判定手段)、6 フィルタリセット処理部(フィルタリセット手段)、7 TDOA追尾処理部(目標追尾手段)、8,9,10 旋回遮蔽判定処理部(信号遮蔽判定手段)、11 静止物遮蔽判定処理部(位置判定手段)、12 移動物遮蔽判定処理部(位置判定手段)、13 総合遮蔽判定処理部(フィルタリセット手段)、14,15 運動モデル制御処理部(追尾処理制御手段)、16 TDOA多重運動モデル追尾処理部(目標追尾手段)、17,18 推移確率制御処理部(追尾処理制御手段)、19 TDOA運動モデル統合追尾処理部(目標追尾手段)、20 統合重み付け制御処理部(追尾処理制御手段)、21,23 TDOA多重運動モデル水平垂直追尾処理部(目標追尾手段)、22,24,25 モデル制御処理部(追尾処理制御手段)、101 TDOA算出処理部、102 測位位置算出処理部、103 測位位置追尾処理部、104 表示処理部。

Claims (15)

  1. 目標から送信される信号を受信して、上記信号の到来時刻を出力する複数の受信局と、
    上記複数の受信局から出力された到来時刻の時刻差である到来時刻差を算出する到来時刻差算出手段と、
    上記到来時刻差算出手段により算出された到来時刻差から上記目標の位置を測位する位置測位手段と、
    上記位置測位手段により測位された目標の位置又は上記到来時刻差算出手段により算出された到来時刻差を追尾処理用のフィルタに代入して、上記目標の追尾処理を実施することで、上記目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出する目標追尾手段と、
    上記目標追尾手段により算出された目標の航跡予測値と航跡平滑値を表示する表示手段と、
    上記目標と上記複数の受信局間で信号遮蔽が発生しているか否かを判定する信号遮蔽判定手段と、
    上記信号遮蔽判定手段により信号遮蔽が発生していると判定された場合、上記追尾処理用のフィルタによる航跡をリセットするフィルタリセット手段と
    を備えた測位追尾装置。
  2. 上記信号遮蔽判定手段は、上記複数の受信局による信号の受信状況及び上記位置測位手段による位置の測位状況を考慮して、目標と上記複数の受信局間で信号遮蔽が発生しているか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の測位追尾装置。
  3. 上記信号遮蔽判定手段は、上記到来時刻差算出手段による到来時刻差の算出状況及び上記位置測位手段による位置の測位状況を考慮して、目標と上記複数の受信局間で信号遮蔽が発生しているか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の測位追尾装置。
  4. 上記信号遮蔽判定手段は、複数の受信局による信号の受信状況を考慮して、目標と上記複数の受信局間で信号遮蔽が発生しているか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の測位追尾装置。
  5. 上記信号遮蔽判定手段は、上記到来時刻差算出手段による到来時刻差の算出状況を考慮して、目標と上記複数の受信局間で信号遮蔽が発生しているか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の測位追尾装置。
  6. 上記目標追尾手段により算出された航跡予測値が、目標と受信局の間に所定の静止物又は移動物が入り込む位置であるか否かを判定する位置判定手段を設け、
    上記フィルタリセット手段は、上記信号遮蔽判定手段により信号遮蔽が発生していると判定され、かつ、上記位置判定手段により航跡予測値が静止物又は移動物が入り込む位置であると判定されていなければ、追尾処理用のフィルタによる航跡をリセットする
    ことを特徴とする請求項1記載の測位追尾装置。
  7. 目標から送信される信号を受信して、上記信号の到来時刻を出力する複数の受信局と、
    上記複数の受信局から出力された到来時刻の時刻差である到来時刻差を算出する到来時刻差算出手段と、
    上記到来時刻差算出手段により算出された到来時刻差から上記目標の位置を測位する位置測位手段と、
    上記位置測位手段により測位された目標の位置又は上記到来時刻差算出手段により算出された到来時刻差を追尾処理用のフィルタに代入して、上記目標の追尾処理を実施することで、上記目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出する目標追尾手段と、
    上記目標追尾手段により算出された目標の航跡予測値と航跡平滑値を表示する表示手段と、
    上記目標と上記複数の受信局間で信号遮蔽が発生しているか否かを判定する信号遮蔽判定手段と、
    上記信号遮蔽判定手段の判定結果に応じて、上記目標追尾手段における上記追尾処理用のフィルタのゲインを大きくして目標の追尾処理を制御する追尾処理制御手段と
    を備えた測位追尾装置。
  8. 上記追尾処理制御手段は、上記信号遮蔽判定手段により信号遮蔽が発生していると判定された場合、信号遮蔽が発生していないと判定された場合よりも、目標の航跡予測値を算出する際に用いる駆動雑音共分散行列を大きくする旨を上記目標追尾手段に指示することを特徴とする請求項7記載の測位追尾装置。
  9. 目標から送信される信号を受信して、上記信号の到来時刻を出力する複数の受信局と、
    上記複数の受信局から出力された到来時刻の時刻差である到来時刻差を算出する到来時刻差算出手段と、
    上記到来時刻差算出手段により算出された到来時刻差から上記目標の位置を測位する位置測位手段と、
    上記位置測位手段により測位された目標の位置又は上記到来時刻差算出手段により算出された到来時刻差を追尾処理用のフィルタに代入して、上記目標の追尾処理を実施することで、上記目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出する目標追尾手段と、
    上記目標追尾手段により算出された目標の航跡予測値と航跡平滑値を表示する表示手段と、
    上記目標と上記複数の受信局間で信号遮蔽が発生しているか否かを判定する信号遮蔽判定手段と、
    上記信号遮蔽判定手段により信号遮蔽が発生していると判定された場合、目標の加速度を考慮して、上記目標の航跡予測値を算出する旨を上記目標追尾手段に指示する追尾処理制御手段と
    を備えた測位追尾装置。
  10. 目標から送信される信号を受信して、上記信号の到来時刻を出力する複数の受信局と、
    上記複数の受信局から出力された到来時刻の時刻差である到来時刻差を算出する到来時刻差算出手段と、
    上記到来時刻差算出手段により算出された到来時刻差から上記目標の位置を測位する位置測位手段と、
    上記位置測位手段により測位された目標の位置又は上記到来時刻差算出手段により算出された到来時刻差を追尾処理用のフィルタに代入して、上記目標の追尾処理を実施することで、上記目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出する目標追尾手段と、
    上記目標追尾手段により算出された目標の航跡予測値と航跡平滑値を表示する表示手段と、
    上記目標と上記複数の受信局間で信号遮蔽が発生しているか否かを判定する信号遮蔽判定手段と、
    上記信号遮蔽判定手段の判定結果に応じて、上記目標追尾手段における目標の追尾処理を制御する追尾処理制御手段とを備え、
    上記目標追尾手段は、各種の運動モデルを組み合わせて、目標を追尾する多重運動モデル追尾処理を実施するものであり、
    上記追尾処理制御手段は、上記信号遮蔽判定手段の判定結果に応じて、上記多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率を設定することを特徴とする測位追尾装置。
  11. 上記追尾処理制御手段は、多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率を変更する場合、複数のサンプリングをかけて上記モデル推移確率の変更を段階的に行うことを特徴とする請求項10記載の測位追尾装置。
  12. 目標から送信される信号を受信して、上記信号の到来時刻を出力する複数の受信局と、
    上記複数の受信局から出力された到来時刻の時刻差である到来時刻差を算出する到来時刻差算出手段と、
    上記到来時刻差算出手段により算出された到来時刻差から上記目標の位置を測位する位置測位手段と、
    上記位置測位手段により測位された目標の位置又は上記到来時刻差算出手段により算出された到来時刻差を追尾処理用のフィルタに代入して、上記目標の追尾処理を実施することで、上記目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出する目標追尾手段と、
    上記目標追尾手段により算出された目標の航跡予測値と航跡平滑値を表示する表示手段と、
    上記目標と上記複数の受信局間で信号遮蔽が発生しているか否かを判定する信号遮蔽判定手段と、
    上記信号遮蔽判定手段の判定結果に応じて、上記目標追尾手段における目標の追尾処理を制御する追尾処理制御手段とを備え、
    上記目標追尾手段は、直進モデルの追尾フィルタから得られる処理結果と、旋回モデルの追尾フィルタから得られる処理結果とを統合する運動モデル統合追尾処理を実施するものであり、
    上記追尾処理制御手段は、上記信号遮蔽判定手段の判定結果に応じて、直進モデルの追尾フィルタから得られる処理結果と、旋回モデルの追尾フィルタから得られる処理結果とを統合する際の重み付けを設定することを特徴とする測位追尾装置。
  13. 目標から送信される信号を受信して、上記信号の到来時刻を出力する複数の受信局と、
    上記複数の受信局から出力された到来時刻の時刻差である到来時刻差を算出する到来時刻差算出手段と、
    上記到来時刻差算出手段により算出された到来時刻差から上記目標の位置を測位する位置測位手段と、
    上記位置測位手段により測位された目標の位置又は上記到来時刻差算出手段により算出された到来時刻差を追尾処理用のフィルタに代入して、上記目標の追尾処理を実施することで、上記目標の航跡予測値と航跡平滑値を算出する目標追尾手段と、
    上記目標追尾手段により算出された目標の航跡予測値と航跡平滑値を表示する表示手段と、
    上記目標と上記複数の受信局間で信号遮蔽が発生しているか否かを判定する信号遮蔽判定手段と、
    上記信号遮蔽判定手段の判定結果に応じて、上記目標追尾手段における目標の追尾処理を制御する追尾処理制御手段とを備え、
    上記目標追尾手段は、水平方向の複数の運動モデルを組み合わせて目標を追尾する水平方向の多重運動モデル追尾処理と、垂直方向の複数の運動モデルを組み合わせて目標を追尾する垂直方向の多重運動モデル追尾処理とを実施して、水平方向の多重運動モデル追尾処理の処理結果と垂直方向の多重運動モデル追尾処理の処理結果とを統合するものであり、
    上記追尾処理制御手段は、上記信号遮蔽判定手段の判定結果と地形を考慮して、上記水平方向の多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率及び上記垂直方向の多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率を設定することを特徴とする測位追尾装置。
  14. 上記追尾処理制御手段は、水平方向の多重運動モデル追尾処理の運動モデルが直進モデルと旋回モデルであって、垂直方向の多重運動モデル追尾処理の運動モデルが高度一定の複数の直進モデルである場合、上記信号遮蔽判定手段の判定結果が、信号遮蔽が発生している旨を示していれば、上記水平方向の多重運動モデル追尾処理における直進モデルから旋回モデルへのモデル推移確率が大きくなるように設定して、上記垂直方向の多重運動モデル追尾処理のモデル推移確率を維持することを特徴とする請求項13記載の測位追尾装置。
  15. 上記追尾処理制御手段は、垂直方向の多重運動モデル追尾処理の運動モデルが、上昇旋回モデル及び下降旋回モデルを備えている場合、目標の高度に応じて、上記上昇旋回モデル及び上記下降旋回モデルを使用するか否かを決定することを特徴とする請求項13記載の測位追尾装置。
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