JP5744940B2 - 放射性Cs汚染水の処理方法、放射性Cs吸着剤及びその製造方法 - Google Patents
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Description
また、プルシアンブルー色素顔料は微粉体の状態で用いられるため、Csイオンを吸着させても濾過によって取り除くことが困難である(篩目を通過してしまう)。そのため、沈殿・濾過工程では硫酸バンドなどの凝集剤の併用が必須であった。また、凝集剤処理によっても処理液には可溶性プルシアンブルー分子が残存し、そのため全シアン濃度が排水基準値を越える問題があった。
また、近年プルシアンブルー類似体による放射性Csの高い除去率の処理法が発明されているが(非特許文献2参照)、処理後液の全シアン濃度が排水基準値を大きく超えるため、該処理後液をそのまま放流できないと云った問題がある。
本発明では、プルシアンブルー類似体の利用にまで視野を拡大し、さらに検討を深めたものである。
具体的には、本発明者らは、プルシアンブルー類似体について上記課題を解決するために、以下の如き検討・考察を行った。
そのため、プルシアンブルー類似体によってCsイオンを捕捉するだけでは、Cs汚染水処理後、凝集沈殿−濾過工程により得られる処理液に可溶性のプルシアンブルー類似体分子やナノレベルの微粒子が含まれることになり、全シアン濃度が排水基準値を越えるので、そのままでは処理液を河川など環境水中に放流できず、また、従来から使用されている硫酸バンド、塩化第二鉄のような沈殿剤や高分子凝集剤による処理によっても上記可溶性プルシアンブルー類似体分子や微粒子は除去できないことが分かった。
さらに、放射性Cs汚染水中で水酸化物とプルシアンブルー類似体との複合体を形成して放射性Csイオンを除去する処理方法とは別に、まず、放射性Csを含まない水中で放射性Cs吸着剤を製造した後に、この放射性Cs吸着剤をCs汚染水に添加するようにしても、同様の効果が得られることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいて完成されるに至った。
なお、以下では、「プルシアンブルー」を「PB」と略記することがある。
なお、本発明において、各種薬剤の添加方法は、粒剤、粉末、水溶液、分散液など、いずれの形態で使用しても良く、特に限定されない。
本発明の放射性Cs汚染水の処理方法は、下記工程(A)〜(C)を必須に備えているものである。以下の説明から分かるように、工程(A)〜(C)は順次行われる必要はなく、同時、或いは工程(A)〜(C)の順番を変えて行ってもよい。
工程(A)は、水中で、M(I)4Fe(II)(CN)6及び/又はM(I)3Fe(III)(CN)6で表される鉄シアノ錯体と、2価の遷移金属塩化合物とを反応させることにより、M(I)2xMa(II)2-x[Fe(II)(CN)6]及び/又はM(I)Mb(II)[Fe(III)(CN)6]で表されるPB類似体の分子及び/又はそのクラスターの含有液を得る工程である。
2価の遷移金属塩化合物の形としては、特に限定するわけではないが、水可溶性である塩化物、硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩、リン酸塩などが好ましく挙げられる。
2価の遷移金属塩化合物における2価の遷移金属は、具体的にはMa(II)又はMb(II)であるが、用いる鉄シアノ錯体の種類に応じて、上記PB類似体を得るのに適切なものを選択すればよい(後述する反応式(1)〜(3)参照。)。
また、M(I)2xMa(II)2-x[Fe(II)(CN)6]におけるxは0又は1である。
PB類似体におけるMa(II)は、2価の遷移金属であり、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、カドミウムなどが好ましく挙げられる。
PB類似体におけるMb(II)は、鉄を除く2価の遷移金属であり、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、カドミウムなどが好ましく挙げられる。
なお、「鉄を除く」としたのは、仮にMb(II)が鉄である場合は、PBであってPB類似体ではないからであり、このことを記載上明確にしたに過ぎない。すなわち、PB類似体が生成せずにPBのみが生成する態様を本発明の対象外とする趣旨である(PB類似体の生成と同時にPBが生成する態様まで本発明の対象外とする趣旨ではない)。
Csイオンの捕捉には水可溶性のPB類似体1及び3が重要である。
工程(B)は、工程(A)を放射性Cs汚染水中で行うか、及び/又は、工程(A)でPB類似体含有液を得た後に放射性Cs汚染水と混合することにより、PB類似体分子及び/又はそのクラスターにCsイオンを吸着させる工程である。
すなわち、工程(B)は、工程(A)を放射性Cs汚染水中で行うことによって工程(A)と同時に行っても良いし、工程(A)の後に放射性Cs汚染水と混合して行っても良く、その両方であってもよい。
軟らかい Cs+≫K+>Na+〜Mg2+〜Ca2+ 硬い
HSAB規則は量子化学で説明されている(G.Klopman (1968). "Chemical Reactivity and Concept of Charge- and Frontier-Controlled Reactions" J. Am. Chem. Soc. 90(2):223-234.を参照)。
それによると、酸と塩基の結合形成による安定化エネルギー(−ΔE)は式(5)で表される。
ε:反応場の誘電率 rab:M(I)とPB類似体の結合距離
Γab:クーロン反発項
Em *:PB類似体イオンbの最高占有分子軌道(HOMO)エネルギー
En *:陽イオンaの最低非占有原子軌道(LUAO)エネルギー
cm:PB類似体イオンのHOMOを構成する原子軌道関数の係数の最大値
cn:M(I)イオンのLUAO関数の係数
β:M(I)のLUAOとPB類似体イオンのHOMOの共鳴積分項
例えば、電荷密度が小さいCsイオンとPB類似体1イオンの場合、第1項及び第2項の−ΔE値への寄与は小さい。一方、第3項は軟らかい酸と軟らかい塩基の相互作用を意味しており、軟らかい酸CsイオンのLUAOと軟らかい塩基のPB類似体1イオンMa(II)Fe(II)(CN)6 2-の最高占有分子軌道(LUMO)間の強い相互作用が−ΔE値の増加に大きく寄与するのである。つまり、この場合、第3項の|Em *−En *|が小さくβ2が大きくなるので、第3項が−ΔE値の増加に寄与することになる。
硬い酸であるNaイオン,Kイオン,Mgイオン,Caイオンと軟らかい塩基であるPB類似体イオンとの相互作用では式(5)の第1項〜第3項による−ΔE増加への寄与は小さい。つまり、これらのカチオンとPB類似体イオンは強い結合を形成しない。
M(I)+: Cs+≫K+>Na+
すなわち、工程(A)において生成したPB類似体は、生成直後では分子の状態であるか及び/又は数分子が集合した微小な集合体(クラスター)の状態にある。
そして、生成したPB類似体分子とCsイオンとの接触表面が水溶液中で絶えず更新される結果、CsイオンとPB類似体分子及び/又はそのクラスターとの接触が効率的に行われ、短時間で吸着平衡が達成されるものと考えられる。撹拌条件下においては、特に迅速な吸着が可能である。
これに対して、従来のように、成長した結晶構造を有する微粉末のPBを添加する場合、Csイオンの吸着速度はCsイオンのPB結晶格子内での拡散が律速となるため、吸着平衡に達するまでに1日以上を要していたものと考えられる。
工程(C)は、工程(B)を経た処理液中に、六方晶の結晶構造をとるMc(II)(OH)2(但し、Mc(II)は2価の遷移金属である)で表される水酸化物(以下、単に、「Mc(II)水酸化物」ということがある)を含有させる工程である。
また、3価の遷移金属塩化合物、例えば塩化鉄(III)を処理液に含有させておいてこれを還元剤で塩化鉄(II)に還元したり、あるいは、1価の遷移金属塩化合物、例えば塩化銅(I)を処理液に含有させておいてこれを塩化銅(II)に酸化したりすることによって、2価の遷移金属塩化合物を含有させるようにする方法も本発明の範疇に入る。
このような2価の遷移金属塩化合物としては、例えば、2価の遷移金属の塩化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、有機酸塩などが好ましく挙げられる。
このような加水分解は、水溶液のpHを調整することによって容易に進行させることができる。
従って、PB類似体の量α(mol)は、鉄シアノ錯体の量(mol)で代表される。
また、Mc(II)(OH)2の量β(mol)は、上述のように、工程(A)において鉄シアノ錯体と反応させる2価の遷移金属塩化合物の過剰分、別途新たに添加する2価の遷移金属塩化合物、3価の遷移金属塩化合物を還元したもの、1価の遷移金属塩化合物を酸化したものなどの総量(mol)で代表される。
なお、工程(A)において鉄シアノ錯体と反応させる2価の遷移金属塩化合物の過剰分については、工程(A)で用いた2価の遷移金属塩化合物のモル数と鉄シアノ錯体のモル数(上述のとおりこの値はαに等しい)との差から容易に算出できる。
Csイオンを吸着したPB類似体分子の不溶化や凝集の効果を得る上では、α/βを0.1より小さくしてもそれ以上の改善効果は期待できず、むしろ、過剰の遷移金属化合物によって処理液の水質を損なうおそれがある。一方、α/βが2.0を超えると、Mc(II)水酸化物によるPB類似体分子の不溶化、凝集効果が不十分となり、濾過工程において、Csイオンを結合していない、及び/又はCsイオンを結合したPB類似体分子及び/又はそのクラスターがフィルターの篩目を透過するおそれがある。
更に、処理液の全シアン濃度が排水基準値を越えるために全シアン濃度を低減するための複雑な処理工程が必要となる。
pHが4未満であると、2価の遷移金属塩化合物の加水分解が進まずに意図した効果が得られないおそれがある。一方、加水分解のpHが高すぎると、PB類似体分子及び/またはそのクラスターの分解が起こり、処理液の全シアン濃度が環境基準値もしくは排水基準値を超えるおそれがあるとともに、凝集構造が壊れ、凝集/不溶化したCs吸着PB類似体分子が再溶解したり、そのクラスターを再生したりするおそれがある。
また、鉄粉や亜鉛粉などを処理液に含有させておいて、これを空気や腐食などで酸化することによって、Fe(OH)2やZn(OH)2などのMc(II)水酸化物を含有させるようにする方法も本発明の範疇に入る。
そして、本発明のMc(II)水酸化物は六方晶の結晶構造を取るので、PB類似体分子及び/又はそのクラスターのシアノ基を介して架橋構造を形成しながら、該結晶のc軸方向に層状に結晶成長し、1μm以上の粗大粒子を形成する。
以上の結果、該粗大粒子は、Csと結合したPB類似体分子及び/又はそのクラスターがMc(II)水酸化物の層状構造の層間にインターカレートした構造を有していると考えられる。その構造の模式図を図1に示した。図1(a)はM(I)2xMa(II)2-x[Fe(II)(CN)6]と水酸化物の複合体にCsが吸着されたCs2Ma(II)Fe(II)(CN)6・Mc(II)(OH)2を示し、図1(b)はM(I)Mb(II)[Fe(III)(CN)6]と水酸化物の複合体にCsが吸着されたCsMb(II)Fe(III)(CN)6・Mc(II)(OH)2を示す。
そして、剥離した該結晶面はPB類似体分子及び/又はそのクラスターを層間にインターカレートした形で層状に結晶成長して、粒子径1μm以上の粗大粒子が形成されるものと考えられる。
工程(C)でMc(II)水酸化物によりPB類似体分子及び/又はそのクラスターを凝集・沈殿させた後は、通常、濾過による沈殿物の除去を行う。
この場合、濾過する際の処理液についてもpH調整を行うことが好ましい。その範囲はpH4〜9であり、更にpH6〜8であることが好ましい。
本発明の放射性Cs吸着剤は、M(I)2xMa(II)2-x[Fe(II)(CN)6]及び/又はM(I)Mb(II)[Fe(III)(CN)6]で表されるPB類似体の分子及び/又はそのクラスターと、Mc(II)(OH)2又はその部分酸化物との複合体を有効成分とする。
以下では、上述の放射性Cs汚染水の処理方法と重複する説明(PB類似体、M(I)、Ma(II)、Mb(II)、Mc(II)についての説明など)は割愛する。
なお、上記乾燥物などの性状においては、上記Mc(II)(OH)2の一部が脱水縮合してMc(II)Oの状態(つまり、Mc(II)(OH)2の部分酸化物)となる場合もある。
本発明の放射性Cs吸着剤の製造方法は、水中で、M(I)4Fe(II)(CN)6及び/又はM(I)3Fe(III)(CN)6で表される鉄シアノ錯体と、2価の遷移金属塩化合物とを反応させることにより、M(I)2xMa(II)2-x[Fe(II)(CN)6]及び/又はM(I)Mb(II)[Fe(III)(CN)6]で表されるプルシアンブルー類似体の分子及び/又はそのクラスターの含有液を得る工程と、前記水中に、六方晶の結晶構造をとるMc(II)(OH)2で表される水酸化物を含有させる工程と、を含む。
基本的には、上述の放射性Cs汚染水の処理方法において、工程(B)を行わないようにすれば、本発明の放射性Cs吸着剤の製造方法と同等となる。
従って、基本的な説明は上述の放射性Cs汚染水の処理方法と重複するので、説明を割愛する。
なお、放射性Cs汚染水の入手には制約があるため、実施例の多くを入手可能な安定同位体133Csで代用して実施した。
しかし、以下で観察される化学的、物理的な事象は、133Csの放射性同位体である137Cs、134Csのそれと完全に一致する。
従って、133Csを含む模擬汚染水、模擬海水及び放射性Cs汚染水からCsを除去した以下の実施例は、同時に、放射性同位体である137Cs、134Csについての効果も実証するものである。
以下の実施例及び比較例で用いた薬品のうち、フェロシアン化ナトリウム10水和物以外の薬品は全てキシダ化学社製のものを使用した。
蒸留水に塩化セシウムCsClを溶解させて調製したCsイオン濃度100mg/Lの模擬Cs汚染水1Lにフェリシアン化カリウム1.15g(3.5mmol)を加え、続いて、硫酸マンガン(II)1水和物0.59g(3.5mmol)を加えてPB類似体を生成させた。
上記PB類似体の合成工程の後、PB類似体を不溶化するため、攪拌下、硫酸マンガン(II)1水和物1.18g(7.0mmol)を添加し、α/β=0.5とした。5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを7.0に調整しながら攪拌を続けた。処理開始から1時間後、攪拌を止めて静置した。
上記PB類似体の凝集/不溶化工程の後、篩目1μm、5Cの濾紙を用いて、処理液を濾過し、濾液を得た。
濾液のCsイオン濃度はアジレント社の誘導結合型プラズマ質量分析装置(ICP−MS)7000xで測定を行った。また、濾液の全シアン濃度はJIS K0102 38.1.2及び38.2に準拠して実施した。
濾液のCsイオン濃度は0.018mg/L(定量下限値0.001mg/L)であり、除去率は99.982%であった。また、全シアン濃度は0.20mg/Lであった。
(定量下限0.01mg/L)。
実施例1で、PB類似体を合成した後、硫酸マンガン(II)1水和物の代わりに硫酸銅(II)無水物1.12g(7.0mmol)を添加したほかは実施例1と同じ方法で実施した。
濾液のCsイオン濃度は0.031mg/Lであり、除去率は99.969%であった。濾液の全シアン濃度は0.02mg/Lであった。
10mLの蒸留水にフェロシアン化カリウム3水和物1.27g(3.0mmol)と硫酸鉄(II)7水和物0.83g(3.0mmol)、亜硫酸ナトリウム1.26gを加えPB類似体であるプルシアンホワイトを合成した。
上記PB類似体の合成工程の後、α/βが0.5になるように、上で得られた水溶液全量と、硫酸マンガン(II)1水和物1.0g(6mmol)とを、Csイオン濃度100mg/Lの模擬Cs汚染水1Lに加え、処理液のpHを7.0に調整しながら攪拌を行なった。
上記PB類似体の凝集/不溶化工程の後、処理開始から30分後、攪拌を止めて静置した。篩目1μm、5Cの濾紙を用いて、処理液を濾過し、濾液を得た。
濾液のCsイオン濃度は0.020mg/Lであり、除去率は99.980%であった。また、全シアン濃度は検出されなかった(定量下限0.01mg/L)。
Csイオン10mg/Lを含み、塩化ナトリウム3.0%、塩化マグネシウム0.5%、塩化カリウム0.05%からなるCs汚染模擬海水1Lにフェロシアン化ナトリウム10水和物1.45g(3mmol)、硫酸マンガン(II)1水和物0.5g(3mmol)を加えてPB類似体を合成した。
上記PB類似体の合成工程の後、硫酸マンガン(II)1水和物1.0g(6.0mmol)を加え、5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを7.0〜7.5に調整しながら攪拌を続けた。処理開始から1時間後、攪拌を止めて静置した。
上記PB類似体の凝集/不溶化工程の後、篩目1μm、5Cの濾紙を用いて、処理液を濾過し、濾液を得た。実施例1と同様にして濾液のCs濃度、全シアン濃度を測定した。
実施例4のPB類似体の凝集/不溶化工程で硫酸マンガン(II)1水和物の代わりに硫酸亜鉛(II)無水物0.86g(3mmol)を加えたほかは実施例4と同様に実施した。
実施例4のPB類似体の合成工程で硫酸マンガン(II)1水和物の代わりに塩化コバルト(II)無水物0.39g(3mmol)を、また、PB類似体の凝集/不溶化工程で硫酸マンガン(II)1水和物の代わりに塩化コバルト(II)無水物0.8g(6mmol)を加えたほかは実施例4と同様に実施した。
実施例4のPB類似体の合成工程で硫酸マンガン(II)1水和物の代わりに塩化コバルト(II)無水物0.4g(3mmol)を、また、PB類似体の凝集/不溶化工程で硫酸マンガン(II)1水和物の代わりに硫酸亜鉛(II)無水物0.73g(6mmol)を加えたほかは実施例4と同様に実施した。
実施例4のPB類似体の合成工程で硫酸マンガン(II)1水和物の代わりに塩化ニッケル(II)無水物0.2g(1.5mmol)を、また、PB類似体の凝集/不溶化工程で硫酸マンガン(II)1水和物の代わりに硫酸銅(II)無水物0.48g(3mmol)を加えたほかは実施例4と同様に実施した。
実施例4のPB類似体の合成工程で硫酸マンガン(II)1水和物の代わりに硫酸銅(II)無水物0.24g(1.5mmol)を、また、PB類似体の凝集/不溶化工程で硫酸マンガン(II)1水和物の代わりに硫酸銅(II)無水物0.48g(3mmol)を加えたほかは実施例4と同様に実施した。
実施例4のPB類似体の合成工程で硫酸マンガン(II)1水和物の代わりに硫酸亜鉛(II)無水物0.43g(1.5mmol)を、また、PB類似体の凝集/不溶化工程で硫酸マンガン(II)1水和物の代わりに塩化ニッケル(II)無水物0.39g(3mmol)を加えたほかは実施例4と同様に実施した。
実施例10でPB類似体の凝集/不溶化工程で塩化ニッケル(II)の代わりに硫酸銅(II)0.48g(3mmol)を加えたほかは実施例10と同様に実施した。
実施例4のCs汚染模擬海水1Lにフェロシアン化カリウム3水和物1.27g(3mmol)と硫酸マンガン(II)1水和物0.51g(3mmol)を加えて攪拌しPB類似体を合成した。
上記PB類似体の合成工程の後、α/βが1になるように硫酸マンガン(II)1水和物を0.51g(3mmol)添加し、攪拌下、5moL/L水酸化ナトリウム水溶液を加え処理液のpHを7.0に調整した。処理開始から30分後、攪拌を止めて静置した。
上記PB類似体の凝集/不溶化工程の後、篩目1μm、5Cの濾紙を用いて、処理液を濾過し、濾液を得た。
濾液のCsイオン濃度は0.008mg/L(Cs除去率:99.92%)であり、全シアン濃度は0.22mg/Lであった。
実施例12でPB類似体の凝集/不溶化工程でα/βが2になるように硫酸マンガン1水和物0.26g(1.5mmol)を添加したほかは実施例12と同様に実施した。濾液のCsイオン濃度は0.018mg/L(Cs除去率:99.82%)であり、全シアン濃度は0.42mg/Lであった。
実施例4のCs汚染模擬海水1Lにフェロシアン化ナトリウム10水和物3mmol(1.45g)と硫酸マンガン(II)1水和物3mol(0.51g)を添加してPB類似体を合成した。
上記PB類似体の合成工程の後、α/βが1になるように硫酸銅(II)無水和物0.48g(3mmol)を添加し、pHを調整しながら加水分解を行った(PB類似体の凝集/不溶化工程)。
pHを4.1、5.0、6.2、7.0、8.0、8.8、10に調整したそれぞれの処理液を5Cのろ紙で濾過し濾液を得た。濾液のCs、及び全シアン濃度を表2に示す。
実施例4のCs汚染模擬海水1Lに亜硫酸ナトリウム0.74g(6mmol)を加え水溶液の溶存酸素0ppmに調整した。次にフェロシアン化ナトリウム10水和物3mmol(1.45g)と、硫酸鉄(II)7水和物3mmol(0.84g)を添加してPB類似体であるプルシアンホワイトを合成した。
上記PB類似体の合成工程の後、α/βが1になるように硫酸マンガン(II)1水和物0.51g(3mmol)を添加し、pHを7に調整しながら加水分解を行った。
上記PB類似体の凝集/不溶化工程の後、5Cのろ紙で処理液をろ過して濾液を得た。
実施例15のPB類似体の凝集/不溶化工程で硫酸マンガン(II)1水和物の添加量を1.0g(6mmol)に代えたほかは実施例15と同様に実施した。
実施例15のPB類似体の凝集/不溶化工程で硫酸マンガン(II)1水和物の代わりに硫酸銅(II)無水和物0.96g(6mmol)を加えたほかは実施例15と同様に実施した。
実施例15のPB類似体の凝集/不溶化工程で硫酸マンガン(II)1水和物の代わりに硫酸鉄(II)7水和物0.83g(3mmol)を加えたほかは実施例15と同様に実施した。
実施例15のPB類似体の凝集/不溶化工程で硫酸マンガン(II)1水和物の代わりに硫酸鉄(II)7水和物1.7g(6mmol)を加えたほかは実施例15と同様に実施した。
に示した。
実施例4のCs汚染模擬海水1Lに亜硫酸ナトリウム0.74g(6mmol)を加え水溶液の溶存酸素0ppmに調整した。次にフェロシアン化ナトリウム10水和物3mmol(1.45g)と、硫酸鉄(II)7水和物2.5g(9mmol)を添加してPB類似体であるプルシアンホワイトを合成した。
上記PB類似体の合成工程の後、攪拌下5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加え処理液のpHを7.0〜7.7に調整し未反応の硫酸鉄(II)を加水分解した。攪拌終了後、処理液の酸素濃度を測定したところ0ppmであった。
上記PB類似体の凝集/不溶化工程の後、5Cのろ紙で処理液をろ過して濾液を得た。濾液はCsイオン濃度0.002mg/L、全シアン濃度は0.01mg/L未満であった。
実施例4のCs汚染模擬海水に1Lに亜硫酸ナトリウム0.74g(6mmol)を加え水溶液の溶存酸素0ppmに調整した。次にフェロシアン化ナトリウム10水和物3mmol(1.45g)と、硫酸鉄(II)7水和物0.84g(3mmol)を添加してPB類似体であるプルシアンホワイトを合成した。
上記PB類似体の合成工程の後、水酸化銅(II)0.59g(6mmol)を加えてpHを7.5に調整しながら0.5時間攪拌した。
上記PB類似体の凝集/不溶化工程における攪拌終了後、5Cのろ紙で処理液をろ過して濾液を得た。濾液はCsイオン濃度0.008mg/L、全シアン濃度は0.06mg/Lであった。
100mLの蒸留水にフェロシアン化ナトリウム10水和物(Alfa Aesar社製)1.45g(3mmol)を溶解し、次に攪拌下、硫酸マンガン(II)1水和物0.5g(3mmol)を加えてPB類似体を合成した。
上記PB類似体の合成工程の後、α/β=0.5になるよう硫酸マンガン(II)1水和物1.0g(6mmol)を攪拌下に該合成液に添加した。添加終了後pHを7.5に調整しながら0.5時間攪拌した。
上記PB類似体の凝集/不溶化工程における攪拌終了後、ガラスフィルターで吸引濾過を行った。蒸留水で濾物を洗浄後40℃で1晩真空乾燥を行なった。
該真空乾燥物全量を実施例4のCs汚染模擬海水1Lに添加し、攪拌を1時間行なった。攪拌終了後、処理液を5Cのろ紙で濾過を行った。濾液のCsイオン濃度は0.010mg/L、全シアン濃度は0.05mg/Lであった。
実施例22のPB類似体の凝集/不溶化工程で、硫酸マンガン(II)1水和物1.0g(6mmol)の代わりに硫酸銅(II)無水和物0.96g(6mmol)をPB類似体合成液に加えたほかは実施例22と同様に実施した。得られた濾液のCsイオンは0.032mg/L、全シアン濃度は0.01mg/L未満であった。
実施例1で用いたCsイオン濃度100mg/Lの模擬Cs汚染水1LにPB(大日精化工業社製:NH4Fe(III)Fe(II)(CN)6)4gを加えて2時間攪拌を行った。硫酸バンドAl2(SO4)3を1g添加し、攪拌しながら5mol/L水酸化ナトリウム水溶液で処理液のpHを9.0に調整した。続いて、アニオン系高分子凝集剤(MTアクアポリマー社製のアコフロックA115)の0.1%水溶液を1mL添加し、フロックを形成させた後、処理液を5Cの濾紙で濾過した。
濾液についてCsイオン濃度の測定を実施例1と同様にして実施した。
濾液のCsイオン濃度は55.6mg/Lであり、除去率は44.4%であった。
実施例4で用いたCs汚染模擬海水1Lについて、比較例1と同様、大日精化工業製のPB1gを添加し、pHを8に調整して攪拌を24時間実施した。PB添加から1時間、6時間、8時間経過の処理液100mLをそれぞれ採取した。採取した処理液それぞれに比較例1と同様のアニオン系高分子凝集剤を添加した後、5Cの濾紙で濾過を行い、濾液についてCsイオン濃度を比較例1と同様にして測定した。24時間経過については残処理液について、凝集剤を添加して沈殿形成後、同様に濾過を行ないCsイオン濃度の測定を実施した。各経過時間採取試料の濾液のCsイオン濃度を表4に示した。
実施例1で用いたCsイオン濃度100mg/Lの模擬Cs汚染水1Lに大日精化工業社製PB:NH4Fe(III)Fe(II)(CN)6を4g加えて1時間攪拌を行った。
攪拌終了後、処理液を5Cの濾紙で濾過したところ、PBも濾紙を通過してしまい、紺青の濾液が得られた。
実施例1で用いたCsイオン濃度100mg/Lの模擬Cs汚染水1LにPB(大日精化工業社製:NH4Fe(III)Fe(II)(CN)6)1g(3mmol)を加え、続いて硫酸マンガン(II)1水和物1.0g(6mmol)を加えて攪拌を2時間行った。その間、処理液のpHを5mol/L水酸化ナトリウム水溶液により9.0に調整した。攪拌終了後、処理液を5Cの濾紙で濾過を実施した。
濾液についてCsイオン濃度、全シアン濃度の測定を実施例1と同様にして実施した。
濾液のCsイオン濃度は64.5mg/Lであり、除去率は35.5%であった。
実施例4で用いたCs汚染模擬海水1Lにフェロシアン化ナトリウム10水和物1.45g(3mmol)、硫酸マンガン(II)1水和物0.5g(3mmol)を加えてPB類似体を合成した。PB類似体の凝集/不溶化剤は加えずpHを7.0に調整しながら30分間攪拌を続けた。攪拌を止め、篩目1μm、5Cの濾紙を用いて、処理液を濾過し、濾液を得た。実施例1と同様にして濾液のCs濃度、全シアン濃度を測定した。
比較例5で硫酸マンガン(II)1水和物の代わりに塩化コバルト(II)無水和物0.39g(3mmol)を加えてPB類似体合成したほかは比較例5と同様に実施した。
比較例5で硫酸マンガン(II)1水和物の代わりに塩化ニッケル(II)無水和物0.39g(3mmol)を加えてPB類似体合成したほかは比較例5と同様に実施した。
比較例5で硫酸マンガン(II)1水和物の代わりに硫酸亜鉛(II)7水和物0.86g(3mmol)を加えてPB類似体合成したほかは比較例5と同様に実施した。
比較例5でフェロシアン化ナトリウム10水和物1.45g(3mmol)の代わりにフェリシアン化カリウム1g(3mmol)を加えたほかは比較例5と同様に実施した。
比較例5でフェロシアン化ナトリウム10水和物1.45g(3mmol)の代わりにフェロシアン化カリウム3無水和物1.27g(3mmol)を加えたほかは比較例5と同様に実施した。
実施例4のPB類似体の凝集/不溶化工程で硫酸マンガン(II)1水和物0.2g(1.2mmol)を加えα/βを2.5としたほかは実施例4と同様に実施した。
実施例22のPB類似体の凝集/不溶化工程で硫酸マンガン(II)1水和物0.17g(1mmol)を加え、α/βを3に代えたほかは実施例22と同様に実施した。
Claims (11)
- 水中で、M(I)4Fe(II)(CN)6及び/又はM(I)3Fe(III)(CN)6で表される鉄シアノ錯体(但し、M(I)は1価のカチオンである)と、2価の遷移金属塩化合物とを反応させることにより、M(I)2xMa(II)2-x[Fe(II)(CN)6](但し、xは0又は1であり、Ma(II)は2価の遷移金属であって、そのうち、xが0でかつMa(II)がZn(II)である場合は除く)及び/又はM(I)Mb(II)[Fe(III)(CN)6](但し、Mb(II)は鉄を除く2価の遷移金属である)で表されるプルシアンブルー類似体の分子及び/又はそのクラスターの含有液を得る工程(A)と、
前記工程(A)を放射性Cs汚染水中で行うか、及び/又は、前記工程(A)でプルシアンブルー類似体含有液を得た後に放射性Cs汚染水と混合することにより、前記プルシアンブルー類似体の分子及び/又はそのクラスターにCsイオンを吸着させる工程(B)と、
六方晶の結晶構造をとるMc(II)(OH)2(但し、Mc(II)は2価の遷移金属である)で表される水酸化物を前記工程(B)を経た処理液中に含有させるための工程(C)と、
を含み、
前記工程(C)において、前記プルシアンブルー類似体の量をα(mol)とし、前記Mc(II)(OH) 2 で表される水酸化物の量をβ(mol)とするとき、αとβの比(α/β)が0.1〜2.0の範囲である、
放射性Cs汚染水の処理方法。 - 前記M(I)がNa+及び/又はK+である、請求項1に記載の放射性Cs汚染水の処理方法。
- 鉄シアノ錯体と反応させる前記2価の遷移金属塩化合物が、塩化物、硝酸塩、硫酸塩及び有機酸塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の放射性Cs汚染水の処理方法。
- 前記Ma(II)及びMc(II)が、それぞれ独立して、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛及びカドミウムから選ばれる少なくとも1種であり、前記Mb(II)がマンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛及びカドミウムから選ばれる少なくとも1種である、請求項1から3までのいずれかに記載の放射性Cs汚染水の処理方法。
- 前記工程(C)において前記Mc(II)(OH)2で表される水酸化物を処理液中に含有させるために、処理液中で2価の遷移金属塩化合物を加水分解するようにする、請求項1から4までのいずれかに記載の放射性Cs汚染水の処理方法。
- 前記工程(C)における加水分解はpHを4〜11に調整することにより行う、請求項5に記載の放射性Cs汚染水の処理方法。
- 前記工程(C)において前記Mc(II)(OH)2で表される水酸化物を処理液中に含有させるために、前記工程(A)から前記工程(B)の間及び/又は後に、2価の遷移金属水酸化物及び/又はその酸化物を添加するようにする、請求項1から6までのいずれかに記載の放射性Cs汚染水の処理方法。
- 前記工程(C)では処理液のpHを4〜9の範囲とする、請求項1から7までのいずれかに記載の放射性Cs汚染水の処理方法。
- 処理後液の全シアン濃度が排水基準値(1mg/L)を満足する、請求項1から8までのいずれかに記載の放射性Cs汚染水の処理方法。
- M(I)2xMa(II)2-x[Fe(II)(CN)6](但し、xは0又は1であり、Ma(II)は2価の遷移金属であって、そのうち、xが0でかつMa(II)がZn(II)である場合は除く)及び/又はM(I)Mb(II)[Fe(III)(CN)6](但し、Mb(II)は鉄を除く2価の遷移金属である)で表されるプルシアンブルー類似体の分子及び/又はそのクラスターと、Mc(II)(OH)2で表される水酸化物又はその部分酸化物(但し、Mc(II)は2価の遷移金属である)との複合体を有効成分とし、未だCsが吸着されていない、放射性Cs吸着剤。
- Csを含まない水中で、M(I)4Fe(II)(CN)6及び/又はM(I)3Fe(III)(CN)6で表される鉄シアノ錯体(但し、M(I)は1価のカチオンである)と、2価の遷移金属塩化合物とを反応させることにより、M(I)2xMa(II)2-x[Fe(II)(CN)6](但し、xは0又は1であり、Ma(II)は2価の遷移金属であって、そのうち、xが0でかつMa(II)がZn(II)である場合は除く)及び/又はM(I)Mb(II)[Fe(III)(CN)6](但し、Mb(II)は鉄を除く2価の遷移金属である)で表されるプルシアンブルー類似体の分子及び/又はそのクラスターの含有液を得る工程と、
前記水中に、六方晶の結晶構造をとるMc(II)(OH)2(但し、Mc(II)は2価の遷移金属である)で表される水酸化物を含有させる工程と、
を含む、放射性Cs吸着剤の製造方法。
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