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JP5756740B2 - 光触媒およびその製造方法並びに硝酸性窒素含有水の処理方法 - Google Patents
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光触媒およびその製造方法並びに硝酸性窒素含有水の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、光触媒およびその製造方法、並びに光触媒を用いた硝酸性窒素含有水の処理方法に関する。
例えば工場や農場から排出される硝酸性窒素は、湖などの富栄養化の原因になるばかりでなく、生体内でニトロソアミンのような発がん性物質になったり、メトヘモグロビン血症を引き起こしたりするなど、人体に害を及ぼすものである。また、硝酸イオンによる地下水の汚染は、1970年頃より世界的に深刻になり、WHO(世界保健機関)は、窒素イオンの許容濃度を50ppm(理想的には25ppm)に定めている。また、平成11年に日本国内で定められた水道水中の硝酸態窒素および亜硝酸態窒素の水質基準値は、10ppm以下であるが、すべての環境基準項目の中で、未だに最も高い環境基準超過率を示しているのが現状である(非特許文献1参照。)。
地下水へ流れ込む硝酸性窒素を除去する方法としては、従来、イオン交換法、電気透析法、逆浸透膜法、触媒などによる物理化学的方法や、細菌を用いて還元する生物学的方法について実用化の検討が行われている。
しかしながら、これらの方法によって硝酸性窒素を除去する場合には、高濃度硝酸イオンの二次処理の問題や細菌の維持管理の問題など、多くの課題が残されている。
一方、近年、Pd−Cu担持触媒などの熱触媒の研究開発が進み、その耐久性向上のための検討が行われている(特許文献1および特許文献2参照。)。また、層状複水酸化物(LDH)を用いた触媒も開発されており、層間に白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属をインターカレートした多孔性複合体が、100℃以下で窒素酸化物を還元することが見だされている(特許文献3参照)。
しかしながら、これらの固体触媒反応を用いるプロセスでは、還元剤として水素ガスを用いることが必要であるため、水素を製造するために多大なエネルギーが必要となる。
そこで、本発明者らは、水素製造用光触媒の研究開発を重ねた結果、水を全分解することができる高活性なNaTaO3 や、層状ペロブスカイト化合物BaLa4 Ti4 15などの紫外光応答型酸化物光触媒が、硝酸イオンの還元反応にも高活性であることを見いだした。この紫外光応答型酸化物光触媒は、紫外光をエネルギー源、水を還元剤として、硝酸イオンを無害な窒素にまで還元することができるため、地下水あるいは工業廃水の硝酸性窒素の浄化への応用が期待される。そして、これらの光触媒の高活性化の検討を行った結果、ニッケルを助触媒として含浸法で担持した場合に、最も助触媒の効果が高いことが確認された。また、pH調整剤としてホウ酸を添加することにより、高効率化が可能であることが確認された(非特許文献2、非特許文献3および特許文献4参照。)。
しかしながら、これらの触媒調製法の最適化は、3〜10mmol/Lまでの硝酸イオン濃度(255〜850ppmに相当)でしか行われておらず、実用化を目的とするためには、より高濃度の硝酸イオン溶液で最適化を行う必要がある。
ところで、光触媒による硝酸イオンの還元反応は、水の還元反応と競争的に反応が進行することがわかっているが、Laやアルカリ土類金属をドーピングしたNaTaO3 光触媒は非常に高い水分解活性を示すが、そのメカニズムとして、表面のナノステップ構造が、酸化反応サイトと還元反応サイトを分離した有効な反応場をつくり、この水分解反応を促進すると考えられる(非特許文献4および非特許文献5参照。)。また、LaドープNaTaO3 光触媒に担持された酸化ニッケルは、La未ドープの試料と比べて分散性が著しく高く(非特許文献6参照。)、光触媒の表面状態が助触媒に与える影響は大きいと考えられる。
すなわち、Ni助触媒上に吸着した活性水素が効率的に使われているこのような状態は、同時に進行する硝酸イオンの還元にも有利であると考えられる。つまり、ナノステップ構造のような表面状態が硝酸イオンの還元活性に寄与するとすれば、光触媒そのものの性能を保持したまま、何らかの方法で表面の形状あるいは化学的性質を変化させることにより、還元サイトと酸化サイトとを分離し、光触媒の性能を向上させることができると考えられる。
特開2004−261695号公報 特開2011−25169号公報 特開2004−217444号公報 特開2009−214033号公報
「硝酸性窒素による地下水汚染対策手法技術集」環境省 水・大気環境局 平成21年11月. 岡万里絵 ,三石雄悟 ,齊藤健二 ,工藤昭彦 ,日本化学会第88春季年会(2008). 飯塚光祐 ,岡万里絵 ,三石雄悟 ,齊藤健二 ,工藤昭彦 ,「マテリアルインテグレーション」 2006,22(1), 32 (2009). H. Kato, K. Asakura, A. Kudo. J. Am. Chem. Soc. 125 , 3082 (2003). 岩瀬顕秀,加藤英樹,工藤昭彦,「表面科学」,27(7), 386 (2006). 加藤英樹,工藤昭彦,PF NEWS ,23(2), 27 (2005).
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、優れた硝酸イオンの還元反応に対する活性を有し、高濃度の硝酸性窒素を含有する水溶液中において、硝酸イオンを高い効率で還元することができる新規な光触媒およびその製造方法並び硝酸性窒素含有水の処理方法を提供することである。
本発明の光触媒は、層状ペロブスカイト化合物BaLa4 Ti4 15、SrTiO3 、NaTaO3 またはTiO2 よりなる紫外光応答型酸化物光触媒材料の表面に、下記一般式(1)で表される層状複水酸化物が部分的に修飾された構造を有することを特徴とする。
Figure 0005756740
〔一般式(1)において、M2+は、Mg 2+ よりなる2価の金属イオン、M3+は、Al 3+ よりなる3価の金属イオン、An-は、硝酸イオン、炭酸イオンおよび水酸化物イオンから選ばれた少なくとも一種の陰イオンを示し、nは陰イオンの価数、xは0以上で1未満の値、yは0以上の値である。〕
本発明の光触媒においては、前記層状複水酸化物は、前記一般式(1)においてxが0〜0.33のものであることが好ましい。
また、前記紫外光応答型酸化物光触媒材料の表面にNi助触媒が担持されていることが好ましい。
また、本発明の光触媒は、硝酸イオンを含有する水溶液中において、紫外光照射により硝酸イオンを還元するものであってもよい。
また、本発明の光触媒は、水中において、紫外光照射により水の全分解反応をするものであってもよい。
本発明の光触媒の製造方法は、上記の紫外光応答型酸化物光触媒材料を、尿素またはヘキサメチレンテトラミンと所定の金属塩とを含む水溶液に分散し、得られた分散液を加熱して加水分解処理することにより、前記紫外光応答型酸化物光触媒材料の表面に、上記一般式(1)で表される層状複水酸化物を析出させる工程を有することを特徴とする。
本発明の硝酸性窒素含有水の処理方法は、硝酸イオンを含有する水溶液中において、上記の光触媒に紫外光を照射することにより、当該硝酸イオンを還元することを特徴とする。
本発明の光触媒によれば、特定の紫外光応答型酸化物光触媒材料の表面に上記一般式(1)で表される層状複水酸化物が部分的に修飾されているため、優れた硝酸イオンの還元反応に対する活性が得られ、高濃度の硝酸性窒素を含有する水溶液中において、硝酸イオンを高い効率で還元することができる。
本発明の光触媒の製造方法によれば、優れた硝酸イオンの還元反応に対する活性を有し、高濃度の硝酸性窒素を含有する水溶液中において、硝酸イオンを高い効率で還元することができる光触媒を製造することができる。
本発明の硝酸性窒素含有水の処理方法によれば、高濃度の硝酸性窒素を含有する水溶液について、硝酸イオンを高い効率で還元することができる。
実施例で使用した閉鎖循環系の反応装置の構成を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[光触媒]
本発明の光触媒は、紫外光応答型酸化物光触媒材料(以下、単に「光触媒材料」ともいう。)の表面に、上記一般式(1)で表される層状複水酸化物(以下、「特定の層状複水酸化物」という。)が部分的に修飾された構造を有するものである。
本発明において、光触媒材料としては、層状ペロブスカイト化合物BaLa4 Ti4 15、SrTiO3 、NaTaO3 またはTiO2 よりなるものが用いられ、これらの中では、層状ペロブスカイト化合物BaLa4 Ti4 15、が好ましい。
層状ペロブスカイト化合物BaLa4 Ti4 15の合成法は、特に限定されず、固相法あるいは錯体重合法を用いることができるが、高い活性を有する光触媒材料が得られる点で、錯体重合法が好ましい。錯体重合法による具体的な合成法としては、特開2009−214033号公報に記載の方法を利用することができる。
特定の層状複水酸化物の組成を示す一般式(1)において、M2+は、Zn2+、Mn2+、Ni2+、Co2+、Fe2+、Cu2+、Ca2+およびMg2+から選ばれた少なくとも一種の2価の金属イオン(以下、「特定の2価の金属イオン」という。)である。これらの特定の2価の金属イオンは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができるが、これらの特定の2価の金属イオンの中では、Mg2+、Zn2+、Ni2+、Fe2+が好ましい。
また、一般式(1)において、M3+は、Al3+、Cr3+、Fe3+、Co3+、Ce3+およびGa3+から選ばれた少なくとも一種の3価の金属イオン(以下、「特定の3価の金属イオン」という。)である。これらの特定の3価の金属イオンは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができるが、これらの特定の3価の金属イオンの中では、Al3+、Fe3+が好ましい。
また、特定の2価の金属イオンおよび特定の3価の金属イオンの組み合わせとしては、Mg2+およびAl3+の組み合わせ、Zn2+およびAl3+の組み合わせが、毒性が小さく、安定性が高く、製造コストが低く、紫外光吸収性が低い特定の層状複水酸化物が得られる点で好ましい。
また、一般式(1)において、An-は、硝酸イオン,炭酸イオンおよび水酸化物から選ばれた少なくとも一種の陰イオン、nは陰イオンの価数であり、これらの陰イオンは、単独でまたは組み合わせて用いることができる。
また、一般式(1)において、xは、0以上で1未満の値であるが、好ましくは0〜0.44、より好ましくは0〜0.33であり、特にこのxの値が大きいほど、層状複水酸化物の陰イオン吸着能が増すため、高い活性が得られる。
また、yは0以上の値である。
本発明の光触媒における特定の層状複水酸化物の割合は、1〜30質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜10質量%である。この割合が過小である場合には、活性点の量が少なくなり、硝酸イオンの吸着能も低下する。一方、この割合が過大である場合には、光触媒の表面を覆うため、光触媒による酸化還元反応が起こり難く、活性が低下する。
光触媒材料の表面を特定の層状複水酸化物によって修飾する方法としては、尿素またはヘキサメチレンテトラミンによる均一沈殿法を利用することができる。
具体的には、尿素またはヘキサメチレンテトラミンと、特定の2価の金属イオンおよび/または特定の3価の金属イオンによる金属塩とが溶解された水溶液中に、光触媒材料を分散することにより、分散液を調製し、得られた分散液を加熱して加水分解処理することにより、光触媒材料の表面に特定の層状複水酸化物を析出させることにより、光触媒材料の表面が特定の層状複水酸化物によって修飾される。
このような尿素またはヘキサメチレンテトラミンによる均一沈殿法を利用することにより、粒度分布が狭く、結晶子がそれぞれ分離したプレート状の結晶を有する特定の層状複水酸化物が得られるため、特定の層状複水酸化物の有効表面積の高い表面修飾が可能になる。また、光触媒材料の結晶粒子の隙間にも特定の層状複水酸化物が析出し、当該特定の層状複水酸化物が光触媒材料の表面に強固に固着されるため、優れた耐久性が得られる。また、中性の水溶液中において、光触媒材料の表面は負に帯電しているのに対して、特定の層状複水酸化物の表面は正に帯電していることから、特定の層状複水酸化物の安定性を高める要因となると考えられる。
但し、この方法では、加水分解前の溶液が酸性であるため、使用前に光触媒材料がその溶液中で安定に分散することを予め確かめることが好ましい。
以上において、金属塩の使用量は、光触媒材料1gに対して金属イオン成分(特定の2価の金属イオンおよび特定の3価の金属イオンの和)が0.5〜5mmolとなる量であることが好ましい。金属塩の使用量が過小である場合には、析出する特定の層状複水酸化物の量が減少し、十分な活性点が構築することができない。一方、金属塩の使用量の過大である場合には、特定の層状複水酸化物が多量に析出し、光触媒の表面を覆い尽くすため、光触媒活性が消失する。
また、尿素またはテトラメチレンテトラミンの使用量は、光触媒材料1gに対して100〜500mmolであることが好ましく、テトラメチレンテトラミンを用いる場合には、50〜250mmolであることがより好ましい。尿素またはテトラメチレンテトラミンの使用量が過小である場合には、pHが低すぎるため析出が起こらない。一方、尿素の使用量が過大である場合には、pHの上昇速度を上げることができるが、合成操作上、扱いが難しくなる。
また、加水分解処理における処理温度は、例えば90〜100℃であり、処理時間は、例えば2〜20時間である。
また、上記の方法は、特定の層状複水酸化物を光触媒材料の表面に直接析出させることにより、当該光触媒材料の表面を特定の層状複水酸化物によって修飾する方法であるが、水溶液中において特定の層状複水酸化物を予め核析出させた後、当該特定の層状複水酸化物を光触媒材料の表面に修飾することも可能である。但し、特定の層状複水酸化物を光触媒材料の表面に直接析出させる方法が、高い活性を有する光触媒が得られるため好ましい。
本発明の光触媒においては、光触媒材料の表面にNi助触媒が担持されていることが好ましい。
本発明の光触媒におけるNi助触媒の担持量は、0.2〜3質量%、特に0.5〜3質量%であることが好ましい。Ni助触媒の担持量が過小である場合には、十分な光触媒上の還元サイトが得られない。一方、Ni助触媒の担持量が過大である場合には、焼成時にシンタリングが起こるために粒径が増し、Ni助触媒の分散性を低下させる。また、高濃度のNi助触媒により光触媒に当たる光が遮蔽され、光触媒活性が低下する。
光触媒材料の表面にNi助触媒を担持する方法としては、光触媒材料に、所定の量のニッケルを含有する硝酸ニッケル水溶液を添加して焼成処理した後、水素雰囲気下において加熱することによって還元処理する方法を利用することができる。
以上において、焼成処理の条件としては、例えば焼成温度が270〜500℃、焼成時間が1〜5時間である。
また、還元処理の条件としては、例えば処理温度が300〜500℃、処理時間が1〜3時間である。
本発明の光触媒によれば、光触媒材料の表面に特定の層状複水酸化物が部分的に修飾されているため、優れた硝酸イオンの還元反応に対する活性が得られ、高濃度の硝酸性窒素を含有する水溶液中において、硝酸イオンを高い効率で還元することができる。
[硝酸性窒素含有水の処理方法]
本発明の硝酸性窒素含有水の処理方法においては、硝酸イオンを含有する水溶液中において、上記の光触媒に紫外線を照射することにより、当該硝酸イオンを還元する。
以上において、処理対象である硝酸性窒素含有水としては、濃度が100mmol/L以下、特に50mmol/L以下の硝酸イオンを含有する水溶液であることが好ましい。 また、処理対象である硝酸性窒素含有水は、緩衝剤(pH調整剤)によって、pHが6〜10、特に6〜9に調整されることが好ましい。緩衝剤としては、ホウ酸、リン酸、酢酸などを用いることができる。
また、紫外光光源としては、高圧水銀灯などを用いることができる。
また、硝酸性窒素含有水に対する光触媒の量は、例えば1〜30g/Lであり、硝酸性窒素含有水の処理時間は、例えば2〜48時間である。
本発明の硝酸性窒素含有水の処理方法によれば、上記の光触媒を用いるため、高濃度の硝酸性窒素を含有する水溶液について、硝酸イオンを高い効率で還元することができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〈光触媒材料の合成〉
[合成例1]
以下のようにして、層状ベロブスカイト化合物BaLa4 Ti4 15を錯体重合法により合成した。
炭酸バリウム(関東化学社製;純度99.0%)0.878gと、チタン酸テトラブチル(関東化学社製;純度97.0%)6.053gと、硝酸ランタン6水塩(和光純薬社製;純度99.9%)7.702gと、錯化剤としてのプロピレングリコール(関東化学社製;純度99.0%)60.9gおよびクエン酸(Sigma−Aldrich社製;純度99.5%)38.44gと、溶剤としてのエタノール(関東化学社製;純度99.5%)30mlとを、温度が80℃の条件下において混合することにより、すべての原料を溶剤に溶解させた後、温度が120℃の条件下で3時間かけて反応させた。得られた反応生成物をマントルヒーターにより、400℃に加熱することによって有機物を分解除去することにより、白色物質を得た。この白色物質を、電気炉により、加熱温度が1100℃、加熱時間が10時間の条件で焼成処理することにより、白色粉末4.9gを得た。
得られた白色粉末は、X線回折装置「MiniFlex」(Rigaku社製)を用いた粉末X線回折により、組成式がBaLa4 Ti4 15である層状ベロブスカイト化合物であると同定された。以下、この白色粉末を「光触媒材料(a)」とする。
この光触媒材料(a)の紫外−可視−近赤外拡散反射スペクトル(DRS)を、紫外可視赤外分光光度計「UbestV−570」(Jasco社製)を用いて測定したところ、得られた拡散反射スペクトルから、光触媒材料(a)は紫外吸収能を有することが確認された。
[合成例2]
以下のようにして、層状ベロブスカイト化合物BaLa4 Ti4 15を錯体重合法により合成した。
炭酸バリウム(関東化学社製;純度99.0%)0.878gと、チタン酸テトラブチル(関東化学社製;純度97.0%)6.053gと、硝酸ランタン6水塩(和光純薬社製;純度99.9%)7.702gと、錯化剤としてのプロピレングリコール(関東化学社製;純度99.0%)60.9gおよびクエン酸(Sigma−Aldrich社製;純度99.5%)38.44gと、溶剤としてのエタノール(関東化学社製;純度99.5%)30mlとを、温度が80℃の条件下において混合することにより、すべての原料を溶剤に溶解させた後、温度が120℃の条件下で3時間かけて反応させた。得られた反応生成物をマントルヒーターにより、400℃に加熱することによって有機物を分解除去することにより、白色物質を得た。この白色物質を、電気炉により、温度が500℃、加熱時間が1時間の条件で仮焼成処理した後、アルミニウム乳鉢中で30分間粉砕処理し、更に、加熱温度が1100℃、加熱時間が10時間の条件で焼成処理することにより、白色粉末を得た。
得られた白色粉末は、X線回折装置「MiniFlex」(Rigaku社製)を用いた粉末X線回折により、組成式がBaLa4 Ti4 15である層状ベロブスカイト化合物であると同定された。以下、この白色粉末を「光触媒材料(b)」とする。
また、光触媒材料(b)をSEM像で観察したところ、粉砕処理を行ったことにより、光触媒材料(a)に比較して、一次粒子が著しく凝集し、光触媒材料の表面は削れて結晶面が見えにくい状態のものであった。
[合成例3]
以下のようにして、層状ベロブスカイト化合物BaLa4 Ti4 15を固相法により合成した。
ルチル型の酸化チタン(添川理化学社製)0.582g(10.7mmol)、酸化ランタン(関東化社学製)1.738g(5.3mmol)、および炭酸バリウム(関東化社学製)0.526g(2.7mmol)を,アルミナ乳鉢中で十分に混合し、得られた混合物に対して、加熱温度が1100℃、加熱時間が10時間の条件で焼成処理を行うことにより、白色物質を得た。この白色物質を粉砕混合処理した後、ペレット成形し、更に加熱温度が1400℃、加熱時間が10時間の条件で焼成処理した。得られた固形物をアルミナ乳鉢中で十分に粉砕処理することにより、白色粉末を得た。
得られた白色粉末は、X線回折装置「MiniFlex」(Rigaku社製)を用いた粉末X線回折により、組成式がBaLa4 Ti4 15である層状ベロブスカイト化合物であると同定された。以下、この白色粉末を「光触媒材料(c)」とする。
〈光触媒の調製〉
[調製例1]
(1)層状複水酸化物の修飾工程
硝酸マグネシウム6水和物(和光純薬社製;純度99.0%)0.770gおよび硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬社製;純度98.0%)0.377 g(マグネシウムおよびアルミニウムのモル数の和が4mmol)と、尿素(和光純薬社製;純度99.0%)24.04g(400mmol)とを、300mlの耐熱ガラス容器に入れ、純水240mlを加えて撹拌した。得られた水溶液に光触媒材料(a)1.400gを加え、超音波処理を行うことによって分散させた。この分散液を、90℃で5時間の条件(分散液のpH=8.5)で加熱・撹拌した後、放冷してから吸引濾過して回収し、乾燥することにより、特定の層状複水酸化物によって修飾された光触媒材料(a)を得た。以下、この工程による特定の層状複水酸化物の修飾法を「修飾法(1)」とする。
(2)助触媒の担持工程
磁性るつぼに、特定の層状複水酸化物によって修飾された光触媒材料(a)0.7gを入れた後、光触媒材料(a)に対する担持量が0.5質量%となる量のニッケルを含有する硝酸ニッケル水溶液を滴下し、湯浴上において混合しながら蒸発乾固させた。次いで、電気炉を用い、加熱温度が270℃、加熱時間が1時間の条件で焼成処理し、更に水素雰囲気下において、温度が500℃、処理時間が2時間の条件で水素還元処理を施すことにより、光触媒材料(a)の表面に0.5質量%のNi助触媒が担持された光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(1)とする。
[調製例2]
助触媒の担持工程において、焼成時間を1時間から5時間に変更したこと以外は、調製例1と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(2)とする。
この光触媒(2)について、ICP元素分析を行ったところ、MgとAlとの原子比(Mg/Al)の値が1.75であり、また、粉末X線回折法により分析したところ、Mg4 Al2 (OH)12CO3 ・3H2 Oに帰属される回折ピークが観察された。従って、光触媒(2)における層状複水酸化物は、上記一般式(1)において、M2+がMg2+、M3+がAl3+、An-がCO3 - 、xの値が約0.33、yの値が0.5であるものと推定される。
[調製例3]
助触媒の担持工程において、焼成温度を270℃から500℃に変更したこと以外は調製例1と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(3)とする。
[調製例4]
層状複水酸化物の修飾工程において、硝酸マグネシウム6水和物および硝酸アルミニウム9水和物の使用量を、マグネシウムおよびアルミニウムのモル数の和が4mmolから40mmolとなる量に変更した(分散液のpH=8)こと以外は、調製例1と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(4)とする。
[調製例5]
助触媒の担持工程において、焼成温度を270℃から500℃に変更したこと以外は調製例4と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(5)とする。
[調製例6]
層状複水酸化物の修飾工程において、尿素使用量を400mmolから40mmolに変更した(分散液のpH=8)こと以外は、調製例3と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(6)とする。
[調製例7]
層状複水酸化物の修飾工程および助触媒の担持工程の順序を逆にした、すなわち、光触媒材料(1)について、層状複水酸化物の修飾工程を行う前に、助触媒の担持工程を行い、その後、層状複水酸化物の修飾工程を行ったこと以外は、調製例4と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(7)とする。
[調製例8]
層状複水酸化物の修飾工程において、尿素使用量を400mmolから40mmolに変更した(分散液のpH=8)こと以外は、調製例3と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(8)とする。
[調製例9]
層状複水酸化物の修飾工程において、尿素使用量を400mmolから40mmolに変更した(分散液のpH=8)こと以外は、調製例7と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(9)とする。
[調製例10]
(1)層状複水酸化物の修飾工程
硝酸マグネシウム6水和物(和光純薬社製;純度99.0%)0.770gおよび硝酸アルミニウム9水和物(和光純薬社製;純度98.0%)0.377g(マグネシウムおよびアルミニウムのモル数の和が4mmol)と、尿素(和光純薬社製;純度99.0%)24.04g(400mmol)とを、300mlの耐熱ガラス容器に入れ,純水240mlを加えて撹拌した。得られた水溶液を加熱して、水溶液のpHを8.5に上げて、層状複水酸化物を核析出させ、水溶液の温度が90℃を超えてから30分間経過した後、純水中に光触媒材料(b)1.400gが分散された分散液を添加し、温度90℃で4.5時間の条件で加熱・撹拌した後、放冷してから吸引濾過して回収し、乾燥することにより、層状複水酸化物によって修飾された光触媒材料(b)を得た。以下、この工程による層状複水酸化物の修飾法を「修飾法(2)」とする。
(2)助触媒の担持工程
磁性るつぼに、層状複水酸化物によって修飾された光触媒材料(b)0.7gを入れた後、光触媒材料(b)に対する担持量が0.5質量%となる量のニッケルを含有する硝酸ニッケル水溶液を滴下し、湯浴上において混合しながら蒸発乾固させた。次いで、電気炉を用い、加熱温度が270℃、加熱時間が1時間の条件で焼成処理し、更に水素雰囲気下において、温度が500℃、処理時間が2時間の条件で水素還元処理を施すことにより、光触媒材料(b)の表面に0.5質量%のNi助触媒が担持された光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(10)とする。
[調製例11]
光触媒材料(a)の代わりに光触媒材料(b)を用い、層状複水酸化物の修飾工程において、分散液の温度を90℃から80℃に変更した(分散液のpH=7)こと以外は、調製例3と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(11)とする。
[調製例12]
光触媒材料(a)の代わりに光触媒材料(b)を用い、層状複水酸化物の修飾工程において、分散液の温度が90℃に上昇した時点で、3%アンモニア溶液2mlずつ5回添加した(pH=10)こと以外は、調製例6と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(12)とする。
[調製例13]
光触媒材料(a)の代わりに光触媒材料(b)を用いたこと以外は、調製例6と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(13)とする。
[調製例14]
光触媒材料(a)の代わりに光触媒材料(c)を用い、助触媒の担持工程において、硝酸ニッケル水溶液として、光触媒材料に対する担持量が0.2質量%となる量のニッケルを含有するものを用いたこと以外は、調製例1と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(14)とする。
[調製例15]
光触媒材料(a)の代わりに光触媒材料(c)を用いたこと以外は、調製例1と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(15)とする。
[調製例16]
層状複水酸化物の修飾工程において、硝酸アルミニウム9水和物を用いず、硝酸マグネシウム6水和物の使用量を、マグネシウムのモル数が4mmolとなる量に変更した(分散液のpH=9)こと以外は、調製例2と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(16)とする。この光触媒(16)について、ICP元素分析を行ったところ、Mgの量は、光触媒(2)におけるMgの量の1/100以下であった。
[比較調製例1]
層状複水酸化物の修飾工程を行わなかったこと以外は、調製例1と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(17)とする。
[比較調製例2]
助触媒の担持工程において、焼成時間を1時間から5時間に変更したこと以外は、比較調製例1と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(18)とする。
[比較調製例3]
助触媒の担持工程において、焼成温度を270℃から500℃に変更したこと以外は、比較調製例1と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(19)とする。
[比較調製例4]
光触媒材料(a)の代わりに光触媒材料(b)を用いたこと以外は、比較調製例1と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(20)とする。
[比較調製例5]
層状複水酸化物の修飾工程を行わなかったこと以外は、調製例14と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(21)とする。
[比較調製例6]
助触媒の担持工程において、硝酸ニッケル水溶液として、光触媒材料に対する担持量が0.5質量%となる量のニッケルを含有するものを用いたこと以外は、比較調製例5と同様にして光触媒を調製した。得られた光触媒を光触媒(22)とする。
調製例1〜16および比較調製例1〜6の各々における各工程の諸条件、および調製例1〜16で得られた光触媒における特定の層状複水酸化物の割合を、下記表1にまとめて示す。

Figure 0005756740
〈光触媒の評価〉
[実験例1]
図1に示す閉鎖循環系の反応装置を用い、以下のようにして、光触媒(1)について、硝酸イオンの還元反応に対する活性の評価を行った。ここで、図1において、1は石英製内部照射型反応管、2は真空ライン、3はスターラー、4は撹拌子、5は循環器、6は圧力計、7はガスクロマトグラフ、8はリービッヒ冷却管、9は400W高圧水銀灯、10は反応溶液である。
濃度が10mmol/Lの硝酸ナトリウム水溶液350ml中に、濃度が10mmol/LとなるようにpH緩衝剤であるホウ酸を添加すると共に、光触媒(1)0.564g(層状ペロブスカイト化合物BaLa4 Ti4 150.500g含有)を懸濁することにより、光触媒分散液を調製した。この分散液のpHは、6.9である。この光触媒分散液を、図1に示す反応装置における石英製内部照射型反応管1の反応管本体内に仕込み、さらに、この反応管本体内に、光源として400Wの高圧水銀灯が収容された石英管を挿入した。そして、この高圧水銀灯を点灯することにより、当該高圧水銀灯からの光を光触媒分散液に21時間照射した。ここで、光照射中において発生する水素、酸素、窒素の量をガスクロマトグラフ「GC−8A」(島津製作所製;MS−5Aカラム;Ar キャリアー)により定量した。光照射が終了した後に、光触媒分散液中の硝酸イオン残存量を、イオンクロマトグラフ「ICA−2000」(東亜DKK社製)により定量した。そして、得られた測定値に基づいて、下記の式(1)〜(4)に従って、硝酸イオン除去率、硝酸イオン除去量、窒素転化率、窒素転化量をそれぞれ算出した。下記結果を表2に示す。
式(1):硝酸イオン除去量(mol)=初期硝酸イオン量−硝酸イオン残存量
式(2):硝酸イオン除去率(%)=(硝酸イオン除去量/初期硝酸イオン量)×100式(3):窒素転化量(mol)=窒素ガス生成量×2
式(4):窒素転化率(%)=(窒素転化量/初期硝酸イオン量)×100
式(1)、式(2)および式(4)において、「初期硝酸イオン量」とは、硝酸ナトリウム水溶液中の硝酸イオンのモル量である。
[実験例2〜16および比較実験例1〜7]
光触媒(1)の代わりに下記表2に示す光触媒または光触媒材料を用いたこと以外は、実験例1と同様にして光照射中において発生する水素、酸素、窒素の量を定量すると共に、光照射が終了した後における光触媒分散液中の硝酸イオン残存量を定量し、反応21時間後の硝酸イオン除去率、硝酸イオン除去量、窒素転化率、窒素転化量をそれぞれ算出した。下記結果を表2に示す。
[比較実験例8]
光触媒(1)を用いなかったこと以外は、実験例1と同様にして光照射中において発生する水素、酸素、窒素の量を定量すると共に、光照射が終了した後における光触媒分散液中の硝酸イオン残存量を定量し、反応21時間後の硝酸イオン除去率、硝酸イオン除去量、窒素転化率、窒素転化量をそれぞれ算出した。下記結果を表2に示す。
[実験例17]
濃度が10mmol/Lの硝酸ナトリウム水溶液の代わりに濃度が100mmol/Lの硝酸ナトリウム水溶液を用いたこと以外は、実験例1と同様にして光照射中において発生する水素、酸素、窒素の量を定量すると共に、光照射が終了した後における光触媒分散液中の硝酸イオン残存量を定量し、反応21時間後の硝酸イオン除去率、硝酸イオン除去量、窒素転化率、窒素転化量をそれぞれ算出した。下記結果を表2に示す。
[実験例18]
濃度が10mmol/Lの硝酸ナトリウム水溶液の代わりに濃度が100mmol/Lの硝酸ナトリウム水溶液を用いたこと以外は、実験例3と同様にして光照射中において発生する水素、酸素、窒素の量を定量すると共に、光照射が終了した後における光触媒分散液中の硝酸イオン残存量を定量し、反応21時間後の硝酸イオン除去率、硝酸イオン除去量、窒素転化率、窒素転化量をそれぞれ算出した。下記結果を表2に示す。
[比較実験例9]
濃度が10mmol/Lの硝酸ナトリウム水溶液の代わりに濃度が100mmol/Lの硝酸ナトリウム水溶液を用いたこと以外は、比較実験例1と同様にして光照射中において発生する水素、酸素、窒素の量を定量すると共に、光照射が終了した後における光触媒分散液中の硝酸イオン残存量を定量し、反応21時間後の硝酸イオン除去率、硝酸イオン除去量、窒素転化率、窒素転化量をそれぞれ算出した。下記結果を表2に示す。

Figure 0005756740
実験例1〜3および比較実験例1〜3の結果から以下のことが理解される。
助触媒の担持工程において、焼成温度が低温(270℃)である光触媒(1)および光触媒(2)によれば、焼成温度が高温(500℃)である光触媒(3)より高い窒素転化率が得られるが、光触媒(3)によれば、水分解反応の生成物である水素および酸素の生成量が、光触媒(1)および光触媒(2)より著しく増加している。これは、高温で焼成することにより、Ni助触媒の状態がかわり、窒素への還元反応の選択性が低下し、水の還元反応の方が有利になったためであると考えられる。また、焼成温度が低い(270℃)と、Ni助触媒は、粒径の小さい酸化ニッケルになるか、あるいは層状複水酸化物の一部に組み込まれカチオンの状態で表面に残ることが考えられる。これに対して、焼成温度が高い(500℃)と、粒径の大きい酸化ニッケルになり、還元処理後のNi金属の粒径も大きくなる傾向があると考えられる。
一方、層状複水酸化物によって修飾されていない光触媒(18)〜光触媒(20)では、助触媒の担持工程において、焼成温度が低温(270℃)で短時間(1時間)の光触媒(18)が最も窒素転化率が高かった。これらの結果は、硝酸イオンの還元反応も、Ni助触媒の分散性に大きく依存している可能性が高いことを示している。
また、実験例1〜6の結果から以下のことが理解される。
光触媒材料に対してマグネシウムおよびアルミニウムの使用量が少ない光触媒(1)〜光触媒(3)および光触媒(6)によれば、高い窒素添加率が得られる。一方、光触媒材料に対してマグネシウムおよびアルミニウムの使用量が多い光触媒(4)および光触媒(5)においては、窒素への転化が著しく低い。光触媒(4)および光触媒(5)の表面をSEMで観察したところ、光触媒材料の表面の大部分が層状複水酸化物によって修飾されていることが確認された。このことから、硝酸イオンの窒素への還元反応は、光触媒材料の表面でのみ起こっており、光触媒材料の表面が露出していなければ窒素への転化は起こらないと考えられる。また、層状複水酸化物は電子伝導体ではないため、反応は光触媒材料上に担持されたNi助触媒や、層状複水酸化物上に担持されたNi助触媒と、光触媒材料との境界で起こっていると考えられる。
また、実験例4〜9の結果から、層状複水酸化物の修飾を行う前にNi助触媒を担持しても、窒素への添加が促進されないことが確認された。特に、マグネシウムおよびアルミニウムの使用量が多い場合には、光触媒材料の表面の大部分が層状複水酸化物によって修飾されるため、層状複水酸化物の修飾工程および助触媒の担持工程の順序を変えても差が認められなかった。
また、実験例10および実験例13の結果から、光触媒材料の表面に直接析出させる修飾法(1)によれば、光触媒材料の表面を予め核析出させた層状複水酸化物によって修飾する修飾法(2)に比較して、硝酸イオン除去率および窒素転化率のいずれも高い値を示すことが理解される。
また、実験例3および実験例13の結果から、粉砕処理を行った光触媒触媒(13)を用いた場合(実験例13)には、粉砕を行っていない光触媒材料(3)を用いた場合(実験例3)と比べて窒素の転化率が低下することが理解される。
また、実験例14〜15および比較実験例5の結果から、固相法によって合成された光触媒材料(c)を使用した場合でも、当該光触媒材料(c)の表面が層状複水酸化物によって修飾されることにより、得られる光触媒の活性が向上することが理解される。
また、実験例17および比較実験例9の結果から、光触媒材料の表面が層状複水酸化物によって修飾されることにより、硝酸イオンの濃度が高い水溶液に対しても、得られる光触媒の活性が向上することが理解される。
また、実験例17〜18の結果から、助触媒の担持工程において、焼成温度が低温(270℃)である光触媒を用いることにより、硝酸イオンの濃度が高い水溶液に対しても、得られる光触媒の活性が向上することが理解される。
また、実験例16の結果から、層状複水酸化物の修飾工程において硝酸アルミニウムを用いない場合(上記一般式(1)においてxが0)でも、得られる光触媒の活性が向上することが理解される。
[実験例19]
図1に示す閉鎖循環系の反応装置を用い、以下のようにして、光触媒(1)について、水の全分解反応に対する活性の評価を行った。
純水350ml中に、光触媒(1)0.564g(層状ペロブスカイト化合物BaLa4 Ti4 150.500g含有)を懸濁することにより、光触媒分散液を調製した。この光触媒分散液を、図1に示す反応装置における石英製内部照射型反応管1の反応管本体内に仕込み、さらに、この反応管本体内に、光源として400Wの高圧水銀灯が収容された石英管を挿入した。そして、この高圧水銀灯を点灯することにより、当該高圧水銀灯からの光を光触媒分散液に21時間照射した。ここで、光照射中において発生する水素、酸素の量をガスクロマトグラフ「GC−8A」(島津製作所製;MS−5Aカラム;Ar キャリアー)により定量した。反応3時間後の反応生成物量の測定結果を下記表3に示す。
[比較実験例10]
光触媒(1)の代わりに光触媒(20)を用いたこと以外は、実験例19と同様にして光照射中において発生する水素、酸素の量を定量した。反応3時間後の反応生成物量の測定結果を下記表3に示す。
Figure 0005756740
表3の結果から、本発明に係る光触媒(1)によれば、水の全分解反応に対して高い活性を有するものであることが理解される。
1 石英製内部照射型反応管
2 真空ライン
3 スターラー
4 撹拌子
5 循環器
6 圧力計
7 ガスクロマトグラフ
8 リービッヒ冷却管
9 400W高圧水銀灯
10 反応溶液

Claims (7)

  1. 層状ペロブスカイト化合物BaLa4 Ti415、SrTiO3 、NaTaO3 またはTiO2 よりなる紫外光応答型酸化物光触媒材料の表面に、下記一般式(1)で表される層状複水酸化物が部分的に修飾された構造を有することを特徴とする光触媒。
    Figure 0005756740
    〔一般式(1)において、M2+は、Mg 2+ よりなる2価の金属イオン、M3+は、Al 3+ よりなる3価の金属イオン、An-は、硝酸イオン、炭酸イオンおよび水酸化物イオンから選ばれた少なくとも一種の陰イオンを示し、nは陰イオンの価数、xは0以上で1未満の値、yは0以上の値である。〕
  2. 前記層状複水酸化物は、前記一般式(1)においてxが0〜0.33のものであることを特徴とする請求項1に記載の光触媒。
  3. 前記紫外光応答型酸化物光触媒材料の表面にNi助触媒が担持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光触媒。
  4. 硝酸イオンを含有する水溶液中において、紫外光照射により硝酸イオンを還元するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光触媒。
  5. 水中において、紫外光照射により水の全分解反応をするものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光触媒。
  6. 請求項1に記載の紫外光応答型酸化物光触媒材料を、尿素またはヘキサメチレンテトラミンと所定の金属塩とを含む水溶液に分散し、得られた分散液を加熱して加水分解処理することにより、前記紫外光応答型酸化物光触媒材料の表面に、請求項1に記載の一般式(1)で表される層状複水酸化物を析出させる工程を有することを特徴とする光触媒の製造方法。
  7. 硝酸イオンを含有する水溶液中において、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光触媒に紫外線を照射することにより、当該硝酸イオンを還元することを特徴とする硝酸性窒素含有水の処理方法。
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