JP5756766B2 - 光電変換素子、光電気化学電池及び色素 - Google Patents
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Description
そこで特定のポリメチン色素を用いることにより、800nmでの光吸収を多くし、変換効率の高い光電変換素子を提供する提案がされ(例えば、特許文献2、3参照)、さらに長波長域の光を吸収することのできる増感色素(長波長化色素)を用いた光電変換素子が求められている。しかし長波長化色素を用いて、光電変換素子や光電気化学電池とした場合、一般的に、短絡電流密度を出すための添加剤等によって開放電圧が低くなり、変換効率として低くなる問題が生じる。また、光電気化学電池内部の内部損失が大きくなるため、フィルファクター(FF)は低くなる。このため、高波長化色素を用いた場合は、開放電圧(Voc)やフィルファクター(FF)が低くなる。
そこで、例えば、850nmを越える波長域の光を吸収し、従来の長波長化色素の場合と比較して、開放電圧(Voc)やフィルファクター(FF)が高く、光電変換効率の高い光電変換素子、光電気化学電池及びそれに用いるのが好適な色素が必要とされている。
本発明の課題は、以下の手段によって達成された。
P1及びP2はそれぞれ独立に、下記一般式(2−1)のP11又は下記一般式(2−2)のP12で表されるポリメチン色素を形成するのに必要な非金属原子群を示す。
W1は電荷を中和させるのに必要な場合の対イオンを表す。]
一般式(1)におけるP1及びP2のVのうち、いずれか1つ(Vaとする)は酸性基又は酸性基を有する基であり、該VaをP1とP2のいずれか一方のみに有す。R5’はエキソ(環外)に二重結合で原子もしくは置換基と結合するメテニル基を表す。R1、R2、R3、R4、R1’、R2’及びR3’はそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基又は炭素原子で結合するヘテロ環基を表す。Va以外のV、R1、R2、R3、R4、R1’、R2’、R3’およびR5’のうち1つ以上は、Hammett則におけるσp値が正の置換基もしくはHammett則におけるσp値が正の置換基を有する基である。
Y及びY’はそれぞれ独立に、硫黄原子、N(Rd)又はC(R6)(R6’)を表す。R6、R6’は置換基を表す。Rdはアルキル基を表す。n1及びn1’は1以上の整数を表し、n2は0以上の整数を表す。炭素−炭素二重結合は、E型又はZ型のいずれであってもよい。n1、n1’が2以上の整数のとき、複数のVは同じであっても異なってもよく、また複数のVが互いに結合して環を形成してもよい。]
<2>前記酸性基又は酸性基を有する基(Va)とHammett則におけるσp値が正の置換基もしくはその置換基を有する基が結合しているポリメチン色素を形成するのに必要な非金属原子群が、P11及びP12の一方であることを特徴とする<1>に記載の光電変換素子。
<3>前記n2が0又は1であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の光電変換素子。
<4>前記R5’のメテニル基のエキソ二重結合部分が下記一般式(3−1)又は(3−2)で表されることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
<5>前記R5’がカルボニル基であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
<6>前記Vaが、5−カルボキシ基、5−スルホン酸基、5−ホスホニル基若しくは5−ホスホリル基又はこれらの塩であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
<7>前記感光体層が、さらに下記一般式(4)で表される化合物からなる色素を含むことを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1項に記載の光電変換素子。
Mz(LL1)m1(LL2)m2(X)m3・CI 一般式(4)
[ 一般式(4)において、MzはRu、Os、Zn又はCuを表し、LL1は下記一般式(5)で表される2座又は3座の配位子を表し、LL2は下記一般式(6)で表される2座又は3座の配位子を表す。Xはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基及びアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する1座又は2座の配位子、又はハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、1,3−ジケトン、カルボンイミン、チオカルボンイミン及びチオ尿素からなる群より選ばれる1座又は2座の配位子を表す。m1は0〜3の整数を表し、m1が2以上のとき、LL1は同じでも異なっていてもよい。m2は1〜3の整数を表し、m2が2以上のとき、LL2は同じでも異なっていてもよい。m3は0〜3の整数を表し、m3が2以上のとき、Xは同じでも異なっていてもよく、X同士が連結していてもよい。CIは、一般式(4)において電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
<8>前記<1>〜<7>のいずれか1項に記載の光電変換素子を備えることを特徴とする光電気化学電池。
<9>少なくとも下記一般式(1)で表される化合物からなる色素。
P1及びP2はそれぞれ独立に、下記一般式(2−1)のP11又は下記一般式(2−2)のP12で表されるポリメチン色素を形成するのに必要な非金属原子群を示す。
W1は電荷を中和させるのに必要な場合の対イオンを表す。]
一般式(1)におけるP1及びP2のVのうち、いずれか1つ(Vaとする)は酸性基又は酸性基を有する基であり、該VaをP1とP2のいずれか一方のみに有す。R5’はエキソ(環外)に二重結合で原子もしくは置換基と結合するメテニル基を表す。R1、R2、R3、R4、R1’、R2’及びR3’はそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基又は炭素原子で結合するヘテロ環基を表す。Va以外のV、R1、R2、R3、R4、R1’、R2’、R3’およびR5’のうち1つ以上は、Hammett則におけるσp値が正の置換基もしくはHammett則におけるσp値が正の置換基を有する基である。
Y及びY’はそれぞれ独立に、硫黄原子、N(Rd)又はC(R6)(R6’)を表す。R6、R6’は置換基を表す。Rdはアルキル基を表す。n1及びn1’は1以上の整数を表し、n2は0以上の整数を表す。炭素−炭素二重結合は、E型又はZ型のいずれであってもよい。n1、n1’が2以上の整数のとき、複数のVは同じであっても異なってもよく、また複数のVが互いに結合して環を形成してもよい。]
一方、半導体微粒子の導電帯のエネルギー準位を下げて電子注入効率を上げることが考えられる。この方法では、短絡電流を大きくすることはできるが、開放電圧は小さくなる。
これに対して、本発明は、例えば、850nmを越える波長域においても光を吸収し、従来の長波長化色素と比較して、開放電圧(Voc)やフィルファクター(FF)が高く、光電変換効率が高いという優れた効果を奏するものである。
(A1)一般式(1)で表される化合物からなる色素
本発明の光電変換素子においては、少なくとも下記一般式(1)で表される化合物からなる色素が使用される。一般式(1)の色素は、共鳴構造式の1つが一般式(1)で表されるものも含まれる。
なお、Qに結合する位置関係は、立体構造を図示するものでなく、Qへの結合が、N(R’)の位置にX2が結合し、かつX2の位置にN(R’)が結合するものも含む。
R、R’は好ましくはアルキル基である。
一般式(1)におけるP1及びP2のVのうち、いずれか1つ(Vaとする)は酸性基又は酸性基を有する基であり、該VaをP1とP2のいずれか一方のみに有す。R5’はエキソ(環外)に二重結合で原子もしくは置換基と結合するメテニル基を表す。R1、R2、R3、R4、R1’、R2’及びR3’はそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基又は炭素原子で結合するヘテロ環基を表す。これらのうち、脂肪族基、芳香族基又は炭素原子で結合するヘテロ環基の具体的例示は、Ra及びRbで挙げた脂肪族基、芳香族基又は炭素原子で結合するヘテロ環基で挙げたものが挙げられる。
Va以外のV、R1、R2、R3、R4、R1’、R2’、R3’およびR5’のうち1つ以上は、Hammett則におけるσp値が正の置換基もしくはHammett則におけるσp値が正の置換基を有する基である。ここで、R5’がHammett則におけるσp値が正の置換基もしくはHammett則におけるσp値が正の置換基を有する基である場合、好ましくは、エキソ(環外)に二重結合で原子もしくは置換基と結合するメテニル基の場合のエキソ(環外)の二重結合に結合する原子が酸素原子ではなく、酸素原子以外の置換基の置換基、例えば、後述する=N、=Cの窒素原子や炭素原子に置換する置換基のσp値をカウントすることが好ましい。
n2は0以上の整数を表すが、0又は1であることが好ましい。
ここで、前記酸性基又は酸性基を有する基(Va)とHammett則におけるσp値が正の原子又は基が結合しているポリメチン色素を形成するのに必要な非金属原子群が、P11及びP12の一方であることが好ましく、この場合、これらの基を有さないP11及びP12はVが少なくとも一つの電子供与性基を有することが好ましい。このような電子供与性基としては、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、これらが置換したフェニル基が好ましい。
例えば、一般式(2−1)では以下の位置番号となる。
ここでHammett則における置換基定数σp値について説明する。Hammett則は、ベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.ハメットにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができる。例えば、J.A.Dean編,「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版,1979年(McGraw−Hill)や「化学の領域」増刊,122号,96〜103頁,1979年(南光堂)、Chem.Rev.,1991年,91巻,165〜195ページなどに詳しい。
置換基定数σp値が正のものとしては、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ホルミル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、メルカプト基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、パーフルオロアルキル基、ヘテロ環基(例えば、ヘテロ環がピリジン環、ピリミジン環で、2−ピリミジニル基、4―ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、2−チエニル基、2−ピリジル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基)、電子吸引性基が置換したフェニル基(電子吸引性基としては上記置換基定数σpが正の基として挙げた基で、特にカルボキシル基が好ましく、3−カルボキシルフェニル基又は4−カルボキシルフェニル基)等が挙げられる。
また、P1、P2がいずれも一般式(2−2)である場合、P1、P2のR5’が異なったものが好ましい。
R51’がN(Rc)の場合、Rcにおける置換基は、後述の一般式(5)におけるR53、R54で例示する置換基が挙げられる。Rcとして水素原子、脂肪族基、芳香族基、エステル基(アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基など)からなる置換基群が好ましく、以下のものを挙げることができる。例えば水素原子、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、イゾブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ドデシル、シクロヘキシル、ベンジルまたは、フェニル、トリル、ナフチル、アントラニル、チエニル、フラニル、エトキシカルボニルが挙げられる。R5’のメテニル基のエキソ二重結合部分が酸素原子である(カルボニル基)ことが好ましい。これにより、安価・容易に合成する事が可能となる。
n1及びn1’は1以上の整数を表し、n2は0以上の整数を表す。炭素−炭素二重結合は、E型又はZ型のいずれであってもよい。n1、n1’が2以上の整数のとき、複数のVは同じであっても異なってもよく、また複数のVが互いに結合して環を形成してもよい。ここで、複数のVが互いに結合して環を形成する場合、該環としては脂環、芳香環、ヘテロ環のいずれでもよいが、芳香環、特にベンゼン環が好ましい。
ここで、一般式(1)、一般式(2−1)、一般式(2−2)の各基で規定される「置換基」は、後述の一般式(5)のR51〜R54で説明する置換基の具体的な基や、ヒドロキシル基、メルカプト基、スルファモイル基が挙げられる。
W1が陽イオンの場合、例えば、無機若しくは有機のアンモニウムイオン(例えばテトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン)又はアルカリ金属イオンである。W1が陰イオンの場合、無機陰イオン又は有機陰イオンのいずれであってもよい。例えば、ハロゲン陰イオン、(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えば、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イオン(例えば、1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンなどが挙げられる。さらに電荷均衡対イオンとしてイオン性ポリマーあるいは、色素と逆電荷を有する他の色素を用いてもよいし、金属錯イオン(例えば、ビスベンゼン−1,2−ジチオラトニッケル(III))でもよい。
なお、表1〜4の基本構造は下記の通りである。
表1 基本構造T−1〜11、T−23〜33、T−45〜55
表2 基本構造T−12〜22、T−34〜44、T−56〜66
表3 基本構造T−67〜77、T−89〜99
表4 基本構造T−78〜88、T100〜110
例えば、前記例示色素T−4−I”は、以下のスキームにより得ることができる。他の色素も同様の方法で得ることができる。
本発明の光電変換素子及び光電気化学電池においては、さらに下記一般式(4)で表される化合物からなる色素を含むことが好ましい。
Mz(LL1)m1(LL2)m2(X)m3・CI 一般式(4)
一般式(4)で表される化合物からなる色素は、金属原子に、配位子LL1及び/又は配位子LL2と、場合により特定の官能基Xが配位しており、必要な場合はCIにより電気的に中性に保たれている。
(A2−1)金属原子Mz
MzはRu、Os、Zn又はCuを表し、好ましくはRuである。
配位子LL1は、下記一般式(5)により表される2座または3座の配位子により表される2座または3座の配位子であり、好ましくは2座配位子である。配位子LL1の数を表すm1は0〜3の整数であり、1〜3であるのが好ましく、1であるのがより好ましい。m1が2以上のとき、LL1は同じでも異なっていてもよい。
一般式(5)中のR51及びR52はそれぞれ独立に酸性基を表し、例えばカルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基(好ましくは炭素原子数1〜20のヒドロキサム酸基、例えば、−CONHOH、−CON(CH3)OH等)、ホスホリル基(例えば−OP(O)(OH)2等)及びホスホニル基(例えば−P(O)(OH)2等)並びにこれらの塩が挙げられ、好ましくはカルボキシル基、ホスホニル基及びこれらの塩であり、より好ましくはカルボキシル基又はその塩である。R51およびR52はピリジン環上のどの炭素原子に置換してもよい。
配位子LL1がアルキル基、アルケニル基等を含むとき、これらは直鎖状でも分岐状でもよく、置換されていても無置換でもよい。また配位子LL1がアリール基、ヘテロ環基等を含むとき、それらは単環でも縮環でもよく、置換されていても無置換でもよい。
ここでL1及びL2はそれぞれ独立に、エテニレン基及び/又はエチニレン基からなる共役鎖を表す。エテニレン基やエチニレン基は、無置換でも置換されていてもよい。エテニレン基が置換基を有する場合、該置換基はアルキル基であるのが好ましく、メチルであるのがより好ましい。L1及びL2はそれぞれ独立に、炭素原子数2〜6個の共役鎖であるのが好ましく、エテニレン、ブタジエニレン、エチニレン、ブタジイニレン、メチルエテニレン又はジメチルエテニレンがより好ましく、エテニレン又はブタジエニレンが特に好ましく、エテニレンが最も好ましい。L1とL2は同じであっても異なっていてもよいが、同じであるのが好ましい。なお、共役鎖が炭素―炭素二重結合を含む場合、各二重結合はE型であってもZ型であってもよく、これらの混合物であってもよい。
a1とa2の和が1以上であって、配位子LL1が酸性基を少なくとも1個有するときは、一般式(4)中のm1は2または3であるのが好ましく、2であるのがより好ましい。
一般式(4)中、LL2は2座又は3座の配位子を表す。配位子LL2の数を表すm2は1〜3の整数であり、1又は2であるのが好ましい。m2が2のときLL2は同じでも異なっていてもよい。
配位子LL2は、下記一般式(6)で表される2座又は3座の配位子である。
一般式(6)中、cは0または1を表す。cは0であるのが好ましく、LL2は2座配位子であるのが好ましい。
配位子LL2は、下記一般式(7−1)〜(7−8)のいずれかにより表されるのが好ましく、一般式(7−1)、(7−2)、(7−4)又は(7−6)により表されるのがより好ましく、一般式(7−1)又は(7−2)により表されるのが特に好ましく、一般式(7−1)により表されるのが最も好ましい。
一般式(4)中、Xは1座又は2座の配位子を表す。配位子Xの数を表すm3は0〜3の整数を表し、m3は好ましくは1又は2である。Xが1座配位子のとき、m3は2であるのが好ましく、Xが2座配位子のとき、m3は1であるのが好ましい。m3が2以上のとき、Xは同じでも異なっていてもよく、X同士が連結していてもよい。
一般式(4)中のCIは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。一般に、色素が陽イオン又は陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を有するかどうかは、色素中の金属、配位子および置換基に依存する。
置換基が解離性基を有することなどにより、一般式(4)で表される色素は解離して負電荷を持ってもよい。この場合、一般式(4)で表される色素全体の電荷はCIにより電気的に中性とされる。
対イオンCIが負の対イオンの場合、例えば、対イオンCIは、無機陰イオンでも有機陰イオンでもよい。例えば、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン等)、アリールジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン等)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン等)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。さらに電荷均衡対イオンとして、イオン性ポリマーあるいは色素と逆電荷を有する他の色素を用いてもよく、金属錯イオン(例えばビスベンゼン−1,2−ジチオラトニッケル(III)等)も使用可能である。
一般式(4)で表される構造を有する色素は、半導体微粒子の表面に対する適当な結合基(interlocking group)を少なくとも1つ以上有するのが好ましい。この結合基を色素中に1〜6個有するのがより好ましく、1〜4個有するのが特に好ましい。カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基(例えば−CONHOH等)、ホスホリル基(例えば−OP(O)(OH)2等)、ホスホニル基(例えば−P(O)(OH)2等)等の酸性基(解離性のプロトンを有する置換基)を色素中に有することが好ましい。
一般式(4)で表される化合物からなる色素は、溶液における極大吸収波長が、好ましくは300〜1000nmの範囲であり、より好ましくは350〜950nmの範囲であり、特に好ましくは370〜900nmの範囲である。
本発明の光電変換素子及び光電気化学電池においては、少なくとも前記一般式(1)で表される化合物からなる色素、好ましくは該色素と一般式(4)で表される化合物からなる色素を用いて、広範囲の波長の光を利用することにより、高い変換効率を確保することができる。
図1に示すような本発明の光電変換素子の好ましい実施態様において、光電変換素子に用いられる電荷移動体層3には、電解質組成物からなる層が適用できる。その酸化還元対として、例えばヨウ素とヨウ化物(例えばヨウ化リチウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム等)との組み合わせ、アルキルビオローゲン(例えばメチルビオローゲンクロリド、ヘキシルビオローゲンブロミド、ベンジルビオローゲンテトラフルオロボレート)とその還元体との組み合わせ、ポリヒドロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン、ナフトハイドロキノン等)とその酸化体との組み合わせ、2価と3価の鉄錯体(例えば赤血塩と黄血塩)の組み合わせ等が挙げられる。これらのうちヨウ素とヨウ化物との組み合わせが好ましい。
ヨウ素塩のカチオンは5員環又は6員環の含窒素芳香族カチオンであるのが好ましい。特に、一般式(1)で表される化合物からなる色素及び一般式(4)で表される化合物からなる色素のいずれも又は一方がヨウ素塩でない場合は、WO95/18456号パンフレット、特開平8−259543号公報、電気化学,第65巻(11号),923頁(1997年)等に記載されているピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等のヨウ素塩を併用するのが好ましい。
本発明の光電変換素子に使用される電解質組成物中には、ヘテロ環4級塩化合物と共にヨウ素を含有するのが好ましい。ヨウ素の含有量は電解質組成物全体に対して0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜5質量%であるのがより好ましい。
溶媒としては低粘度でイオン移動度が高いか、高誘電率で有効キャリアー濃度を高めることができるか、あるいはその両方であるために優れたイオン伝導性を発現できるものが好ましい。このような溶媒としてカーボネート化合物(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、複素環化合物(3−メチル−2−オキサゾリジノン等)、エーテル化合物(ジオキサン、ジエチルエーテル等)、鎖状エーテル類(エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等)、アルコール類(メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等)、多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等)、ニトリル化合物(アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、ビスシアノエチルエーテル等)、エステル類(カルボン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等)、非プロトン性極性溶媒(ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルフォラン等)、水、特開2002−110262号公報に記載の含水電解液、特開2000−36332号公報、特開2000−243134号公報、及び再公表WO/00−54361号公報に記載の電解質溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は二種以上を混合して用いてもよい。
ゲル電解質に占めるモノマーの質量組成範囲は0.5〜70質量%であるのが好ましい
。より好ましくは1.0〜50質量%である。ポリマーの架橋反応により電解質組成物をゲル化させる場合は、組成物に架橋可能な反応性基を有するポリマー及び架橋剤を添加するのが好ましい。好ましい反応性基はピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリジン環、ピペラジン環等の含窒素複素環であり、好ましい架橋剤は窒素原子が求核攻撃できる官能基を2つ以上有する化合物(求電子剤)であり、例えば2官能以上のハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、スルホン酸エステル、酸無水物、酸クロライド、イソシアネート等である。
また、電気化学素子の構成として、導電性支持体(電極層)、光電変換層(感光体層及び電荷移動体層)、ホール輸送層、伝導層、対極層を順次に積層することができる。
ドナー材料は、分子構造内で電子がリッチなものが好ましい。例えば、有機ドナー材料としては、分子のπ電子系に、置換若しくは無置換アミン基、水酸基、エーテル基、セレン又は硫黄原子を有するものが挙げられ、具体的には、フェニルアミン系、トリフェニルメタン系、カルバゾール系、フェノール系、テトラチアフルバレン系材料が挙げられる。
アクセプター材料としては、分子構造内で電子不足なものが好ましい。例えば、有機アクセプター材料としては、フラーレン、分子のπ電子系にニトロ基、シアノ基、カルボキシル基又はハロゲン基等の置換基を有するものが挙げられ、具体的にはPCBM、ベンゾキノン系、ナフトキノン系等のキノン系、フロオレノン系、クロラニル系、ブロマニル系、テトラシアノキノジメタン系、テトラシアノンエチレン系等が挙げられる。
なお、伝導層の厚みは、特に限定されないが、多孔質を完全に埋めることができる程度が好ましい。
図1に示すような本発明の光電変換素子の好ましい実施態様において、導電性支持体1上には多孔質の半導体微粒子22に色素21が吸着された感光体層2が形成されている。後述する通り、例えば、半導体微粒子の分散液を導電性支持体に塗布・乾燥後、本発明の色素の溶液に浸漬することにより、感光体層2を製造することができる。
この他にも、金属支持体も好ましく使用することができる。その一例としては、チタン、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、ステンレス、銅を挙げることができる。これらの金属は合金であってもよい。さらに好ましくは、チタン、アルミニウム、銅が好ましく、特に好ましくは、チタンやアルミニウムである。
導電性支持体上には、さらに特開平11−250944号公報等に記載の機能を付与してもよい。
導電膜層の厚さは0.01〜30μmであることが好ましく、0.03〜25μmであることが更に好ましく、特に好ましくは0.05〜20μmである。
また、透明電極と多孔質半導体電極光触媒含有層を設けてもよい。透明導電層は積層構造でも良く、好ましい方法としてたとえば、ITO上にFTOを積層することができる。
図1に示すように、本発明の光電変換素子の好ましい実施態様において、導電性支持体1上には多孔質の半導体微粒子22に色素21が吸着された感光体層2が形成されている。後述する通り、例えば、半導体微粒子の分散液を前記の導電性支持体に塗布・乾燥後、本発明の色素溶液に浸漬することにより、感光体層2を製造することができる。
光散乱用の大粒子を用いることで、ヘイズ率60%以上となることが好ましい。ヘイズ率とは(拡散透過率)÷(全光透過率)で表される。
チタニアナノチューブ・ナノワイヤー・ナノロッドをチタニア微粒子に混合してもよい。
本発明においては、半導体微粒子以外の固形分の含量が、半導体微粒子分散液全体の10質量%以下よりなる半導体微粒子分散液を前記の導電性支持体に塗布し、適度に加熱することにより、多孔質半導体微粒子塗布層(感光体層)を得ることができる。
半導体微粒子分散液を作製する方法としては、前述のゾル・ゲル法の他に、半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそのまま使用する方法、微粒子に超音波などを照射して超微粒子に粉砕する方法、あるいはミルや乳鉢などを使って機械的に粉砕しすり潰す方法、等が挙げられる。分散溶媒としては、水及び/又は各種の有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、シトロネロール、ターピネオールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、ジクロロメタン、アセトニトリル等が挙げられる。
半導体微粒子分散液の粘度が高すぎると分散液が凝集してしまい製膜することができず、逆に半導体微粒子分散液の粘度が低すぎると液が流れてしまい製膜することができないことがある。したがって分散液の粘度は、25℃で10〜300N・s/m2が好ましい。さらに好ましくは、25℃で50〜200N・s/m2である。
また、加熱処理に加えて光のエネルギーを用いることもできる。例えば、半導体微粒子として酸化チタンを用いた場合に、紫外光のような半導体微粒子が吸収する光を与えることで表面を活性化してもよいし、レーザー光などで半導体微粒子表面のみを活性化することができる。半導体微粒子に対して該微粒子が吸収する光を照射することで、粒子表面に吸着した不純物が粒子表面の活性化によって分解され、上記の目的のために好ましい状態とすることができる。加熱処理と紫外光を組み合わせる場合は、半導体微粒子に対して該微粒子が吸収する光を照射しながら、加熱が100℃以上250℃以下あるいは好ましくは100℃以上150℃以下で行われることが好ましい。このように、半導体微粒子を光励起することによって、微粒子層内に混入した不純物を光分解により洗浄するとともに、微粒子の間の物理的接合を強めることができる。
塗布後に圧力をかけても良く、圧力をかける方法としては、特表2003−500857号公報に記載の方法等が挙げられる。光照射の例としては、特開2001−357896号公報に記載の方法等が挙げられる。プラズマ・マイクロ波・通電の例としては、特開2002−353453号公報に記載の方法等が挙げられる。化学的処理としては、例えば特開2001−357896号公報に記載の方法が挙げられる。
前駆体として例えば、(NH4)2TiF6、過酸化チタン、金属アルコキシド・金属錯体・金属有機酸塩等が挙げられる。
また、金属有機酸化物(アルコキシドなど)を共存させたスラリーを塗布し加熱処理、光処理などで半導体膜を形成する方法、無機系前駆体を共存させたスラリー、スラリーのpHと分散させたチタニア粒子の性状を特定した方法が挙げられる。これらスラリーには、少量であればバインダーを添加しても良く、バインダーとしては、セルロース、フッ素ポリマー、架橋ゴム、ポリブチルチタネート、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
半導体微粒子又はその前駆体層の形成に関する技術としては、コロナ放電、プラズマ、UVなどの物理的な方法で親水化する方法、アルカリやポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸などによる化学処理、ポリアニリンなどの接合用中間膜の形成などが挙げられる。
(2)乾式法として好ましくは、特開2000−231943号公報等が挙げられる。
(3)その他の方法として、好ましくは、特開2002−134435号公報等が挙げられる。
また、耐熱基板上でいったん塗膜を作製した後、プラスチック等のフィルムに転写する方法を用いても良い。好ましくは、特開2002−184475号公報に記載のEVAを介して転写する方法、特開2003−98977号公報に記載の紫外線、水系溶媒で除去可能な無機塩を含む転写元基板上に半導体層・導電層を形成後、有機基板に転写後、転写元基板を除去する方法などが挙げられる。
支持体として高分子材料を用いる場合、250℃以下で製膜後加熱することが好ましい。その場合の製膜方法としては、(1)湿式法、(2)乾式法、(3)電気泳動法(電析法を含む)の何れでも良く、好ましくは、(1)湿式法、又は(2)乾式法であり、更に好ましくは、(1)湿式法である。
なお、半導体微粒子の支持体1m2当たりの塗布量は0.5〜500g、さらには5〜100gが好ましい。
また、色素の半導体微粒子に対する吸着量は半導体微粒子1gに対して0.001〜1ミリモルが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5ミリモルである。
このような色素量とすることによって、半導体における増感効果が十分に得られる。これに対し、色素量が少ないと増感効果が不十分となり、色素量が多すぎると、半導体に付着していない色素が浮遊し増感効果を低減させる原因となる。
対極(対向電極)は、光電気化学電池の正極として働くものである。対極は、通常前述の導電性支持体と同義であるが、強度が十分に保たれるような構成では対極は必ずしも必要でない。ただし、対極を有する方が密閉性の点で有利である。
対極の構造としては、集電効果が高い構造が好ましい。好ましい例としては、特開平10−505192号公報などが挙げられる。
受光電極は酸化チタンと酸化スズ(TiO2/SnO2)などの複合電極を用いてもよい。チタニアの混合電極として例えば、特開2000−113913号公報に記載のもの等が挙げられる。チタニア以外の混合電極として例えば、特開2001−185243号公報、特開2003−282164号公報に記載のもの等が挙げられる。
受光電極は、入射光の利用率を高めるなどのためにタンデム型にしても良い。好ましいタンデム型の構成例としては、特開2000−90989号公報、特開2002−90989号公報等に記載の例が挙げられる。
受光電極層内部で光散乱、反射を効率的に行う光マネージメント機能を設けてもよい。好ましくは、特開2002−93476号公報に記載のものが挙げられる。
受光電極と対極の接触を防ぐ為に、スペーサーやセパレータを用いることが好ましい。好ましい例としては、特開2001−283941号公報が挙げられる。
1.色素の調製
以下に、実施例により本発明の色素の調製法を詳しく説明するが、出発物質、色素中間体および調製ルートについてはこれにより限定されるものではない。
(例示化合物T−4−I”の調製)
色素T−4−I”を下記に示すスキームに従って調製した。
Mass実測値(m/z);(M+H)+:1237.6902
Mass計算値(m/z);(M+H)+:1237.6915(C80H93N4O8)
(色素T−58−cの調製)
色素T−58−cは下記に示すスキームに従って調製した。
Mass実測値(m/z);(M+H)+:1541.0017
Mass計算値(m/z);(M+H)+:1541.0005(C102H131F1N5O6)
(色素T−34−iの調製)
化合物T−34−iを下記に示すスキームに従って調製した。
Mass実測値(m/z);(M+H)+:1480.8891
Mass計算値(m/z);(M+H)+:1480.8902(C97H118N5O8)
用いた色素の極大吸収波長を測定した。その結果を表5に示す。測定は、分光光度計(U−4100(商品名)、日立ハイテク社製)によって行い、溶液はエタノールを用い、濃度が2μMになるように調整した。
1.電極1Aの作製
フッ素をドープした酸化スズを被覆した20mm×20mmの導電性ガラス板(旭ガラス(株)製、商品名:TCOガラス−U、表面抵抗:約30Ω/m2)を準備し、その導電層側の両端(端から3mmの幅の部分)にスペーサー用粘着テープを張った後で、導電層上にガラス棒を用いて上記分散液を塗布した。分散液の塗布後、粘着テープを剥離し、室温で1日間風乾した。次にこの半導体塗布ガラス板を電気炉(ヤマト科学(株)製マッフル炉FP−32型)に入れ、450℃で30分間焼成した。半導体塗布ガラス板を取り出し冷却した後、下記表6に示す色素のエタノール溶液(濃度:3×10−4mol/L)に3時間浸漬した。色素が吸着した半導体塗布ガラス板を4−tert−ブチルピリジンに15分間浸漬した後、エタノールで洗浄し、自然乾燥させて、色素を吸着した酸化チタン微粒子層(電極1A)を得た。電極1Aの色素増感酸化チタン微粒子層の厚さは10μmであり、酸化チタン微粒子の塗布量は20g/m2であった。また色素の吸着量は、その種類に応じて0.1〜10mmol/m2の範囲内であった。
上述のようにして色素を吸着させた酸化チタン微粒子層からなる電極1A(20mm×20mm)を同じ大きさの白金蒸着ガラスと重ね合わせた。次に、両ガラスの隙間に、毛細管現象を利用して、下記のヘテロ環4級塩化合物を98質量%及びヨウ素を2質量%含有する電解質組成物を浸透させて、電解質を酸化チタン電極中に導入した。これにより、図1に示すように、導電性ガラスからなる導電性支持体1(ガラスの透明基板上に導電層が設層されたもの)、感光体層2、電荷移動体層3、白金からなる対極4及びガラスの透明基板(図示せず)を順に積層し、エピコート828(商品名、ジャパンエポキシレジン社製)、硬化剤及びプラスチックペーストからなる樹脂組成物中に直径25μmのガラス球体がほぼ均一に分散された封止剤で封止した光電気化学電池を作製した。ただし、電解質組成物の粘度が高く毛細管現象を利用して電解質組成物を染み込ませることが困難な場合は、電解質組成物を50℃に加温し、これを酸化チタン電極に塗布した後、この電極を減圧下に置き電解質組成物が十分浸透し電極中の空気が抜けた後、白金蒸着ガラス(対極)を重ね合わせて同様に光電気化学電池を作製した。
作製した光電気化学電池の400〜900nmにおけるIPCEをペクセル社製のIPCE測定装置にて測定した。各光電気化学電池の850nmにおけるIPCEを下記の表6に示す。
3−2. 光電変換効率の測定
500Wのキセノンランプ(ウシオ電機(株)製)の光をAM1.5フィルター(Oriel社製)及びシャープカットフィルター(KenkoL−37、商品名)を通すことにより紫外線を含まない模擬太陽光を発生させた。この光の強度は70mW/cm2であった。この模擬太陽光を、50℃で、上記のようにして作製した光電気化学電池に照射し、発生した電気を電流電圧測定装置(ケースレーSMU238型)で測定した。この初期の電池性能結果は、変換効率(3.5%以上:A、2.5%以上3.5%未満:B、2.0%以上2.5%未満:C、2.0%未満:Dで評価)、開放電圧およびフィルファクター(開放電圧(V)、フィルファクターについては、0.6以上:A、0.45〜0.6:B、0.3〜0.45:C、0.3未満:Dで評価)の値を示した。
また、85℃で1000時間暗所保存後の変換効率の低下率及び500時間連続光照射後の変換効率の減少率も測定した。この耐久性試験の結果は、試験後の減少率が10%以下の場合にA、10〜25%の場合にB、25〜40%の場合にC、40%以上の低下の場合にDと評価した。これらの結果を下記表6に示す。
なお、試料番号1−14ではS−1、試料番号1−15ではS−2を色素として用いた。
溶媒としてアセトニトリルを用い、ヨウ化リチウム0.1mol/l、ヨウ素0.05mol/l、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム0.62mol/lを溶解した電解質溶液を調製した。ここに下記に示すNo.1〜No.8のベンズイミダゾール系化合物をそれぞれ濃度0.5mol/lになるように別々に添加し、溶解した。
ここにポリエチレンフィルム製のフレーム型スペーサー(厚さ25μm)をのせ、白金対電極でこれを覆い、光電変換素子を作製した。
得られた光電変換素子に、Xeランプを光源として強度100mW/cm2の光を照射した。表7に得られた開放電圧と光電変換効率を示した。開放電圧は、6.3V以上のものをA、6.0V以上6.3V未満のものをB、5.7V以上6.0V未満のものをC、5.7V未満のものをDとして表示した。変換効率は、3.5%以上のものをA、2.5%以上3.5%未満のものをB、2.0%以上2.5%未満のものをC、2.0%未満のものをDとして表示した。
なお、下記表7には、ベンズイミダゾール系化合物を加えていない電解液を用いた光電変換素子の結果も示した。
(1)第1光電変換層の形成
市販の酸化チタン粒子(テイカ株式会社製、平均粒径30nm)4.0gとジエチレングリコールモノメチルエーテル20mlを、硬質ガラスビーズを使用しペイントシェイカーにより6時間分散させ酸化チタン懸濁液を作成した。次いで、この酸化チタン懸濁液を、ドクターブレードを用いて、予め酸化スズ導電層が付着されたガラス板に塗布し、100℃で30分予備乾燥した後、電気炉で、500℃で40分間焼成し、酸化チタン膜を得た。
市販の酸化ニッケル粒子(キシダ化学、平均粒径100nm)4.0gとジエチレングリコールモノメチルエーテル20mlを、ガラスビーズを使用しペイントシェイカーで8時間分散させ酸化ニッケル懸濁液とした。次いで、この酸化チタン懸濁液を、ドクターブレードを用いて、酸化スズ導電層が付着されたガラス板に塗布し、100℃で30分予備乾燥した後、300℃で30分間焼成し、酸化ニッケル膜を得た。
この色素の濃度は0.5×10−4モルであった。次に、この溶液中に膜状の酸化チタンを形成した前記のガラス板を入れ、40℃で70分間色素吸着を行ってから乾燥し、本発明の第2光電変換層(試料B)を得た。
(光電変換素子の作製)
図1に示す光電変換素子を以下のようにして作製した。
ガラス基板上に、透明導電膜としてフッ素をドープした酸化スズをスパッタリングにより形成し、これをレーザーでスクライブして、透明導電膜を2つの部分に分割した。
次に、水とアセトニトリルの容量比4:1からなる混合溶媒100mlにアナターゼ型酸化チタン(日本アエロジル社製のP−25(商品名))を32g配合し、自転/公転併用式のミキシングコンディショナーを使用して均一に分散、混合し、半導体微粒子分散液を得た。この分散液を透明導電膜に塗布し、500℃で加熱して受光電極を作製した。
その後、同様にシリカ粒子とルチル型酸化チタンとを40:60(質量比)で含有する分散液を作製し、この分散液を前記の受光電極に塗布し、500℃で加熱して絶縁性多孔体を形成した。次いで対極として炭素電極を形成した。
次に、下記表9に記載された増感色素(複数混合または単独)のエタノール溶液に、上記の絶縁性多孔体が形成されたガラス基板を1時間浸漬した。増感色素の染着したガラスを4−tert−ブチルピリジンの10%エタノール溶液に30分間浸漬した後、エタノールで洗浄し自然乾燥させた。このようにして得られる感光層の厚さは10μmであり、半導体微粒子の塗布量は20g/m2であった。電解液は、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム(0.5モル/l)、ヨウ素(0.1モル/l)のメトキシプロピオニトリル溶液を用いた。
500Wのキセノンランプ(ウシオ電機製)の光をAM1.5Gフィルター(Oriel社製)およびシャープカットフィルター(KenkoL−42、商品名)を通すことにより紫外線を含まない模擬太陽光を発生させた。この光の強度は89mW/cm2であった。作製した光電変換素子にこの光を照射し、発生した電気を電流電圧測定装置(ケースレー238型、商品名)にて測定した。これにより求められた光電気化学電池の変換効率を測定した結果を下記表9に示した。結果は、変換効率が7.5%以上のものをA、7.2%以上7.5%未満のものをB、6.9%以上7.2%未満のものをC、6.9%未満のものをDとして評価した。
2 感光体層
21 色素
22 半導体微粒子
3 電荷移動体層
4 対極
5 受光電極
6 回路
10 光電変換素子
100 光電気化学電池
Claims (9)
- 少なくとも下記一般式(1)で表される化合物からなる色素と、半導体微粒子とを有する感光体層を具備することを特徴とする光電変換素子。
[ 一般式(1)において、Qは、ベンゼン環基又はナフタレン環基を表し、X1、X2はそれぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子、またはC(Ra)Rbを表す。ここでRa、Rbはそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基又は炭素原子で結合するヘテロ環基を表す。R、R’はそれぞれ独立に、アルキル基又は芳香族基を表す。
P1及びP2はそれぞれ独立に、下記一般式(2−1)のP11又は下記一般式(2−2)のP12で表されるポリメチン色素を形成するのに必要な非金属原子群を示す。
W1は電荷を中和させるのに必要な場合の対イオンを表す。]
[ 一般式(2−1)及び(2−2)において、Vは置換基を表す。
一般式(1)におけるP1及びP2のVのうち、いずれか1つ(Vaとする)は酸性基又は酸性基を有する基であり、該VaをP1とP2のいずれか一方のみに有す。R5’はエキソ(環外)に二重結合で原子もしくは置換基と結合するメテニル基を表す。R1、R2、R3、R4、R1’、R2’及びR3’はそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基又は炭素原子で結合するヘテロ環基を表す。Va以外のV、R1、R2、R3、R4、R1’、R2’、R3’およびR5’のうち1つ以上は、Hammett則におけるσp値が正の置換基もしくはHammett則におけるσp値が正の置換基を有する基である。
Y及びY’はそれぞれ独立に、硫黄原子、N(Rd)又はC(R6)(R6’)を表す。R6、R6’は置換基を表す。Rdはアルキル基を表す。n1及びn1’は1以上の整数を表し、n2は0以上の整数を表す。炭素−炭素二重結合は、E型又はZ型のいずれであってもよい。n1、n1’が2以上の整数のとき、複数のVは同じであっても異なってもよく、また複数のVが互いに結合して環を形成してもよい。] - 前記酸性基又は酸性基を有する基(Va)とHammett則におけるσp値が正の置換基もしくはその置換基を有する基が結合しているポリメチン色素を形成するのに必要な非金属原子群が、P11及びP12の一方であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記n2が0又は1であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
- 前記R5’がカルボニル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記Vaが、5−カルボキシ基、5−スルホン酸基、5−ホスホニル基若しくは5−ホスホリル基又はこれらの塩であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 前記感光体層が、さらに下記一般式(4)で表される化合物からなる色素を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
Mz(LL1)m1(LL2)m2(X)m3・CI 一般式(4)
[ 一般式(4)において、MzはRu、Os、Zn又はCuを表し、LL1は下記一般式(5)で表される2座又は3座の配位子を表し、LL2は下記一般式(6)で表される2座又は3座の配位子を表す。Xはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基及びアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する1座又は2座の配位子、又はハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、1,3−ジケトン、カルボンイミン、チオカルボンイミン及びチオ尿素からなる群より選ばれる1座又は2座の配位子を表す。m1は0〜3の整数を表し、m1が2以上のとき、LL1は同じでも異なっていてもよい。m2は1〜3の整数を表し、m2が2以上のとき、LL2は同じでも異なっていてもよい。m3は0〜3の整数を表し、m3が2以上のとき、Xは同じでも異なっていてもよく、X同士が連結していてもよい。CIは、一般式(4)において電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
[ 一般式(5)において、R51及びR52はそれぞれ独立に酸性基又は酸性基を有する基を表す。R53及びR54はそれぞれ独立に置換基を表し、R55及びR56はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。d1及びd2はそれぞれ0〜5の整数を表す。L1及びL2はそれぞれ独立に、エテニレン基及び/又はエチニレン基からなる共役鎖を表す。a1及びa2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、a1が2以上のときR51は同じでも異なっていてもよく、a2が2以上のときR52は同じでも異なっていてもよい。b1及びb2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、b1が2以上のときR53は同じでも異なっていてもよく、R53は互いに連結して環を形成してもよく、b2が2以上のときR54は同じでも異なっていてもよく、R54は互いに連結して環を形成してもよい。b1及びb2が共に1以上のとき、R53とR54が連結して環を形成していてもよい。d3は0又は1を表す。]
[ 一般式(6)において、Za、Zb及びZcはそれぞれ独立に、5員環又は6員環を形成しうる非金属原子群を表し、cは0又は1を表す。ただし、Za、Zb及びZcが形成する環のうち少なくとも1つは酸性基を有する。]
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光電変換素子を備えることを特徴とする光電気化学電池。
- 少なくとも下記一般式(1)で表される化合物からなる色素。
[ 一般式(1)において、Qは、ベンゼン環基又はナフタレン基を表し、X1、X2はそれぞれ独立に硫黄原子、酸素原子、またはC(Ra)Rbを表す。ここでRa、Rbはそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基又は炭素原子で結合するヘテロ環基を表す。R、R’はそれぞれ独立に、アルキル基又は芳香族基を表す。
P1及びP2はそれぞれ独立に、下記一般式(2−1)のP11又は下記一般式(2−2)のP12で表されるポリメチン色素を形成するのに必要な非金属原子群を示す。
W1は電荷を中和させるのに必要な場合の対イオンを表す。]
[ 一般式(2−1)及び(2−2)において、Vは置換基を表す。
一般式(1)におけるP1及びP2のVのうち、いずれか1つ(Vaとする)は酸性基又は酸性基を有する基であり、該VaをP1とP2のいずれか一方のみに有す。R5’はエキソ(環外)に二重結合で原子もしくは置換基と結合するメテニル基を表す。R1、R2、R3、R4、R1’、R2’及びR3’はそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基又は炭素原子で結合するヘテロ環基を表す。Va以外のV、R1、R2、R3、R4、R1’、R2’、R3’およびR5’のうち1つ以上は、Hammett則におけるσp値が正の置換基もしくはHammett則におけるσp値が正の置換基を有する基である。
Y及びY’はそれぞれ独立に、硫黄原子、N(Rd)又はC(R6)(R6’)を表す。R6、R6’は置換基を表す。Rdはアルキル基を表す。n1及びn1’は1以上の整数を表し、n2は0以上の整数を表す。炭素−炭素二重結合は、E型又はZ型のいずれであってもよい。n1、n1’が2以上の整数のとき、複数のVは同じであっても異なってもよく、また複数のVが互いに結合して環を形成してもよい。]
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