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JP5765880B2 - インクジェット用搬送ベルト - Google Patents
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JP5765880B2 - インクジェット用搬送ベルト - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット用搬送ベルト、その製法、及びインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置では、インクジェットヘッドを主走査方向へ走査しながらインク液を吐出し、1ライン分のインクジェットヘッドの走査が終了すると、記録媒体を副走査方向へ所定量搬送して、再びインクジェットヘッドを主走査方向へ走査して、記録媒体に画像を形成している。記録媒体の搬送は、所定量だけ精度よく搬送する必要があるため、搬送ベルトを帯電させて静電気により記録媒体を搬送ベルトの表面に吸着させて搬送している。搬送ベルトについては、下記のような種々のものが知られている。
特許文献1の搬送ベルトは、ETFE等からなる2層有する構成を有し、体積抵抗率が、望ましくは1015 (Ω・cm)になるように設定され、AC帯電による電荷を安定させて記録媒体を静電吸着させることができる。さらに加熱成形時の成形ムラ・起伏の影響、カーボンブラック等の導電性フィラーの偏在による表面荒れ、表面性の低下によるクリーニング性、画像劣化(カラーレジストレーション低下)、熱可塑性ポリマーによる表面へこみ、圧接痕、変形、ベルトスピードの変動などの問題があった。
また、近年の環境への意識の高まりから、インクには水性顔料インク又は水性染料インクが主に使用されている。これらは水性であるため印刷速度向上のためには乾燥工程が必要になり、ベルトには耐熱性が必要とされる。ところが、特許文献1のようなETFEの2層構成ベルトでは耐熱性がない為熱変形しまい、ベルトへの用紙の吸着性が劣るため搬送不良となり画像不良につながる。
また、特許文献2では、シームレスベルト状で、少なくとも1層からなるインクジェット用搬送ベルトであって、最内層が、樹脂成分としてポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、およびポリイミド樹脂の少なくとも1種を含み、さらに、導電性フィラーを含有し、体積抵抗率が1010〜1014(Ω・cm)であるインクジェット用搬送ベルトが提案されている。さらに、上記ベルトに厚さ1〜100μmの離型コート処理または離型フィルム処理が施されているインクジェットシームレスベルトが提案されている。しかし、体積抵抗率が1010〜1014(Ω・cm)のインクジェット用搬送ベルトでは、厚紙を使用した際に帯電量が少なくなるため用紙吸着力が不十分であり、用紙搬送性に劣る。
また、特許文献3は、単層シームレスベルト状で、樹脂成分としてポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂の少なくとも1種を含み、さらに、導電性フィラーを含有し、体積抵抗率が1010〜1014(Ω・cm)であるインクジェット用搬送ベルトが提案されている。しかし、フローコート法、リングフローコート法、および遠心成形法のいずれかによりベルトが作製されるため、特許文献1の搬送ベルトにおける樹脂溶融時の膜厚制御と残留歪影響での平滑性の保持の問題は改善されているが、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂ではインクとの親和性が高くクリーニング不良が発生するという懸念がある。
また、特許文献4は、2層以上のシームレスベルト状で、それぞれの層に含まれる樹脂成分が同種のポリイミド系樹脂であり、最外周側の層の体積抵抗率が1014〜1016(Ω・cm)であり、最内周側の層の体積抵抗率が1018〜1014(Ω・cm)であるインクジェット用搬送ベルトが提案されている。しかし、この場合も、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂ではインクとの親和性が高くクリーニング不良が発生するという問題がある。
特開2003-103857号公報 特開2007-308241号公報 特開2007-307755号公報 特開2008-94605号公報
本発明は、上記の問題点を解決すること目的とする。すなわち、本発明は、耐久性、用紙搬送性、用紙吸着性、耐磨耗性及びインククリーニング性に優れた、用紙の種類を問わずに吸着性の良好なインクジェット用搬送ベルト、並びにインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明者は、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を外層とし、導電性ポリイミド系樹脂を内層として有する少なくとも2層からなる多層シームレスベルトが、上記の課題を解決できることを見出した。かかる知見に基づきさらに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の多層無端管状ベルト及びその製造方法を提供する。
項1.エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を含む外層、及び導電性ポリイミド系樹脂を含む内層を有する少なくとも2層からなる多層シームレスベルトであって、該外層の厚みが10〜150μmであり、該内層の表面抵抗率が1×10〜1×10(Ω/□)である多層シームレスベルト。
項2.導電性ポリイミド系樹脂が、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミド、ポリエーテルイミド及びポリアミドイミドからなる群より選ばれる樹脂、並びに導電性カーボンブラックを含有する項1に記載の多層シームレスベルト。
項3.前記外層の内周表面が化学的に処理されてなる項1又は2に記載の多層シームレスベルト。
項4.前記外層に含まれるエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体が、赤外線分光測定により1720〜1800cm-1に吸収を示す項1〜3のいずれかに記載の多層シームレスベルト。
項5.項1〜4のいずれかに記載の多層シームレスベルトからなるインクジェット用搬送ベルト。
項6.項5に記載のインクジェット用搬送ベルトを含むインクジェット記録装置。
項7.項5に記載のインクジェット用搬送ベルトに記録媒体を静電吸着し搬送させる機構を含む項6に記載のインクジェット記録装置。
項8.多層シームレスベルトの製造方法であって、
(1)導電性ポリアミド酸溶液を遠心成型して、導電性ポリイミド系樹脂からなる円筒状のベルト(内層)を製造する工程、
(2)エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を、溶融押出を用いた成形法により円筒状に成形して、円筒状のベルト(外層)を製造する工程、及び
(3)上記(1)で製造されたベルト(内層)の外周表面に、上記(2)で製造されたベルト(外層)の内周表面をあわせて融着する工程、
を含む製造方法。
本発明のインクジェット用搬送ベルトは、導電性ポリイミド系樹脂からなる内層(基材層)と、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体からなる外層(外表面層)を含む少なくとも2層の多層シームレスベルトからなり、耐久性、用紙搬送性、用紙吸着性、耐磨耗性及びインククリーニング性に優れている。特に、用紙の種類を問わずに用紙への吸着性が良好である。
ベルトの搬送性(平面性)の評価を行う時に採用するベルト二軸張架の状態を示す模式図である。
1:ベルト
2:金属製シャフト
3:錘
以下、本発明について詳細に説明する。
1.インクジェット用搬送ベルト
本発明のインクジェット用搬送ベルトは、シームレスベルト(又は無端管状ベルト)であり、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(以下「ETFE」とも表記する)を含む外層(外表面層)、及び導電性ポリイミド系樹脂(以下「PI樹脂」とも表記する)を含む内層(基材層)を有する少なくとも2層からなる多層シームレスベルトである。該搬送ベルトは、上記ポリイミド系樹脂成分を含むことで、製膜時の溶剤除去とイミド化時の架橋により成形時の残留歪を取り除き、環境変化時の寸法変動やうねりたわみを少なくでき、周長変化も少なくすることができる。また、上記エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を外層として用いることにより、記録媒体(用紙)への優れた静電吸着力を保持し、除電後は記録媒体(用紙)との優れた離型性を付与できる。さらに、インクのクリーニング性に優れる。
外層の厚みは、通常10〜150μmであり、好ましくは30〜100μm、より好ましくは40〜70μmである。また、内層の厚みは、通常50〜200μmであり、好ましくは60〜100μm、より好ましくは50〜80μmである。
外層と内層の厚みの比率は、通常1/5〜3/4であり、好ましくは1/2〜1/1である。
外層に含まれるエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体は、エチレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体であり、エチレンとテトラフルオロエチレンのモノマーのモル比が、60/40〜40/60、好ましくは45/55〜55/45である。また、MFR(5.0kg、297℃)も、チューブ状に製膜できる範囲であれば特に限定されないが、通常4〜9であり、好ましくは4〜7.2であり、より好ましくは5〜7.2である。結晶性を改良するために該共重合体の組成中に少量の第三成分を含有していてもよい。該共重合体の具体例として、例えば、三井デュポンフルオロケミカル製のテフゼル290、旭硝子製フルオンETFE C−55AXB等が例示される。また、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体には、接着性が付与され、他素材との溶融接着が可能なものも含まれる。該共重合体は、赤外線分光測定において、1720〜1800cm-1に特徴的な赤外吸収スペクトルを示す。このようなエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体としては、特開平11−320770号公報に記載されるエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体が挙げられる。一般的に市販されている具体例としては、旭硝子製フルオンLM−ETFE AH2000等が挙げられる。
エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を含む外層の内周表面に、ケミカルエッチング等の化学的処理をすることで、導電性ポリイミド系樹脂を含む内層との接着性を向上することができる。これにより、経時での使用による内層及び外層の剥がれを防止することでベルトの長寿命化を達成できる。
内層(基材層)の表面抵抗率は、通常10〜10(Ω/□)であり、好ましくは10〜108(Ω/□)、より好ましくは105〜107(Ω/□)である。この範囲とすることで、ベルト帯電時に優れた用紙の静電吸着性及び搬送性を発揮し、さらに除電時に良好な用紙の剥離性を発揮することができる。
外層(外表面層)の表面抵抗率は、通常1014〜1017(Ω/□)であり、好ましくは1015〜1017(Ω/□)、より好ましくは1016〜1017(Ω/□)である。
導電性ポリイミド系樹脂は、ポリイミド系樹脂及び導電材を含んでいる。ポリイミド系樹脂としては、例えば、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド等を使用することができる。これにより、駆動ロール張架によるベルトの変形を防ぐことができ安定した用紙吸着性を付与できる。好ましくは、熱硬化性のポリイミドである。
熱硬化性ポリイミドとしては、芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを有機溶媒中で反応させて得られるものが好ましく用いられる。
芳香族テトラカルボン酸成分としては、例えば、ピロメリット酸、ナフタレン−1,4,5,8テトラカルボン酸、2,2’,3,3’ビフェニルテトラカルボン酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、2,3,5,6−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−アゾベンゼンテトラカルボン酸、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニルメタン)、ビス(3,4ジカルボキシフェニルプロパン)、ビス(3,4ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等、又はこれらの酸二無水物があげられ、これらのうち単独又は2種以上の混合物でよい。好ましくは、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸又はその酸二無水物、及びピロメリット酸である。
芳香族ジアミン成分としては、例えば、m−フェニルジアミン、p−フェニルジアミン、2,4−アミノトルエン、2,6−アミノトルエン、2,4−ジアミノクロロベンゼン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナルタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4’−ジアミノナフタレンビフェニル、ベンジジン、3,3−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノフェニルスルホン、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビスーアミノフェニルプロパン等が挙げられる。好ましくは、p−フェニルジアミン、又は4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)である。
有機溶媒として、例えば,N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルトリアミド等が挙げられる。必要に応じて、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、ヘキサンベンゼン、トルエン等の炭化水素類を混合してもよい。また、これらを単独で用いても、2種以上の混合物として使用してもよい。
熱可塑性ポリイミドの場合は、芳香族テトラカルボン酸成分としては前記熱硬化性ポリイミドで例示するものと同じものが例示できるが、芳香族ジアミン成分としては、例えば、ビス[4−{3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル}フェニル]エーテル、4,4´−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、2,2´−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等を挙げることができ、これらの中で適宜組合せて使用できる。
ポリエーテルイミドの場合は、芳香族ジアミン成分としては前記熱硬化性ポリイミドで例示するものと同じものが例示できるが、芳香族テトラカルボン酸成分としては、例えば、ビスフェノール−A型テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができ、これらの中で適宜組合せて使用できる。
ポリアミドイミドの場合は、無水トリメリット酸と芳香族ジアミン成分から調製され、芳香族ジアミン成分としては前記熱硬化性ポリイミドで例示するものと同じものが例示できる。
導電材としては、電子伝導性導電材、イオン導電性材料等が例示される。電子伝導性導電材としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、Al、Ni、銅等のフィラーや、酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸K、酸化In、酸化錫−酸化In、酸化Sbなどの複合酸化物が挙げられる。また、イオン導電性材料としては、例えば、アンモニウム塩、スルホン酸塩、カチオン、ノニオン、アニオン系の界面活性材が挙げられる。
導電材のうち好ましくはカーボンブラックである。例えば、ガスブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。より少量の混合で所望の導電率を得るのに有効なものとしては、ケッチェンブラック、アセチレンブラックとオイルファーネスブラックである。なお、ケッチェンブラックとは、コンタクティブファーネス系のカーボンブラックである。
上記の導電材を適宜用いて、内層(基材層)の表面抵抗率を10〜10(Ω/□)、好ましくは10〜10(Ω/□)に制御する。導電材の含有量は、所望の内層の表面抵抗率などにより変動するが、通常、内層(基材層)中に1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%である。
上記表面抵抗率は、23℃、55%RHの環境下で、円形電極(例えば、三菱化学(株)製ハイレスターUPの「URSプローブ」)又は四探針電極(例えば、三菱化学(株)製ロレスタ)を用い測定することができる。測定条件としては、例えば、荷重2.0kg、電圧10V、チャージ時間10秒とする。
2.インクジェット用搬送ベルトの製造
本発明のインクジェット用搬送ベルトは、導電性ポリイミド系樹脂を含む内層(基材層)の外周表面に、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を含む外層(外表面層)を被覆することにより製造することができる。
内層を構成するポリイミド系樹脂が熱硬化性又は熱可塑性の場合に分けて、本発明の搬送ベルトの製造方法を説明する。
熱硬化性ポリイミドを用いて内層を構成する場合、熱硬化性ポリイミドは、ポリイミドになった時点では後から加熱しても可塑化しないので、その前駆体つまりポリアミド酸を用いてシームレスベルトに成形する。
この場合の典型的な製造方法としては、
(1)導電性ポリアミド酸溶液を遠心成型して、導電性ポリイミド系樹脂からなる円筒状のベルト(内層)を製造する工程、
(2)エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を、溶融押出を用いた成形法により円筒状に成形して、円筒状のベルト(外層)を製造する工程、及び
(3)上記(1)で製造されたベルト(内層)の外周表面に、上記(2)で製造されたベルト(外層)の内周表面をあわせて融着する工程が含まれる。
内層は、導電材含有ポリアミド酸溶液を回転成型して作成される。前記したように、溶媒中で芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分との重縮合によって得られたポリアミド酸溶液を準備し、該溶液に前記導電材を混合する。具体的には、ポリアミド酸溶液に導電材(カーボンブラック等)を加えて、ボールミル、ハイミキサー等を用いて十分に混合及び分散する。導電材を含むポリアミド酸溶液の固形分濃度は、通常10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%である。その固形分中の導電材の濃度は、通常2〜20重量%、好ましくは5〜15重量%である。導電材を含むポリアミド酸溶液を円筒状金型(ドラム)に流延して、ドラムを回転させながら加熱成型する。これにより、導電性ポリイミド系樹脂からなる円筒状のベルト(内層)が得られる。
ポリアミド酸溶液には、導電材(特に、カーボンブラック)との相溶性を助け、内層としての成形性を増し、更には外層との密着性も向上せしめるために、助剤を添加することができる。助剤として例えばフッ素系界面活性剤等が挙げられる。該フッ素系界面活性剤には、アニオン型、カチオン型、又は非イオン型があるが、アニオン型又は非イオン型のいずれかが好ましく使用される。これの添加量は微量であり、形成すべきベルトの有効成分全量に対し約0.01〜1.0重量%でよい。
導電材含有ポリアミド酸溶液の回転成型は、円筒状金型(ドラム)を回転しつつその内周表面に該溶液を注入して行うことができる。該溶液の粘度は、成形性や形成される内層の厚さを考慮して適宜設定できる。例えば、B型回転粘度計(25℃)により測定した粘度として、通常500〜2500cpsである。また、ドラムの回転速度・回転時間(注型時間)は、該粘度や予備加熱(有機極性溶媒を蒸発させる為の加熱処理を意味する)時間との関係から適宜決めればよい。最初はゆっくりと回転しつつ注入する。全量注入が終了したら、例えば、回転速度を2〜200rad/s、好ましくは10〜100rad/sに保持して、徐々に温度を上げ該金型を加熱する。加熱は約180℃以下で行い、有機溶媒を蒸発除去させてチューブ状(円筒状)のポリアミド酸ベルトを得る。なお、ドラム内周表面は鏡面仕上げされたものが好ましい。これにより、高い厚み精度でもって、かつ種々の大きさの直径を有する内層が容易に成形できる。
該ポリアミド酸ベルトをドラム状金属製金型から離型し、イミド化のために加熱する。加熱温度は約250〜450℃で行うが、最初は低温で徐々に昇温し高温で加熱するのが良い。この加熱は熱風であっても減圧下であっても良い。これにより、表面抵抗率10〜1010(Ω/□)を有するポリイミド系樹脂からなる円筒状のベルト(内層)を得る。得られたベルトの内径は通常5〜60cm程度であり、厚みは60〜100μm、より好ましくは50〜80μmである。
エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を含む外層の成形方法は特に限定はなく、通常の溶融押出成形法等により筒状に成形することができる。例えば、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を、単軸押出機(シリンダー温度:280〜320℃)を用いて環状ダイにて円筒状のベルト(外層)を製膜できる。製膜したベルトの内径は通常5〜60cm程度であり、厚みは10〜150μm、より好ましくは40〜70μmである。
次いで、ベルト(内層)の外周表面に、ベルト(外層)の内周表面をあわせて融着する。具体的には、金属(アルミニウム等)製円筒状芯体の外周面に、必要に応じ離型材(例えば、シリコーン系離型材等)を塗布し焼成した後、ベルト(内層)を被覆し、さらにベルト(外層)を被覆し加熱する。通常、加熱炉等を用いて、180℃〜350℃にて、1〜3時間程度焼成することにより、2つのベルトを融着させる。その後芯体から融着した多層ベルトを取り外し、必要に応じ所定の幅にカットしてインクジェット用搬送ベルトを作製する。該多層ベルトの内層(導電層)の表面抵抗率は、通常10〜10(Ω/□)であり、好ましくは104〜10(Ω/□)、より好ましくは10〜10(Ω/□)である。
熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド又はポリアミドイミドを用いて内層を構成する場合、これらの樹脂は加熱することによって可塑化するので、あえて熱硬化性ポリイミドの場合のように2段階成形の必要はない。通常の押出成形機によって、環状ダイスから吐出して一挙にシームレスベルトを得ることができる。ポリイミドでありながら、両者熱的特性に差を有するのは有機基の相違による。例えば有機基の結合部分で2個以上の酸素原子が主鎖結合に関与するような場合には、熱可塑性を有している。このポリイミドの可塑化温度は、一般には350〜450℃であり、この温度で押出成形ができる。
この場合の典型的な製造方法としては、(4)導電材を含む熱可塑性ポリイミド系樹脂を内層とし、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を外層になるように、共押出成形する方法が挙げられる。或いは、(5)導電材を含む熱可塑性ポリイミド系樹脂を、押出を用いた成形法により円筒状に成形して、円筒状のベルト(内層)を製造する工程、(6)エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を、溶融押出を用いた成形法により円筒状に成形して、円筒状のベルト(外層)を製造する工程、及び(7)上記(5)で製造されたベルト(内層)の外周表面に、上記(6)で製造されたベルト(外層)の内周表面をあわせて融着する工程を含む方法が挙げられる。
熱可塑性ポリイミドからなる円筒状のベルト(内層)は、次のようにして製造できる。前記した熱可塑性ポリイミド形成に用いられる芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸成分とをポリアミド酸に変化し、さらに無水酢酸等によって脱水してイミド化する。沈殿形成により粉末として熱可塑性ポリイミド樹脂を取り出し、ペレット化してもよい。熱可塑性ポリイミドと導電材(特に、カーボンブラック等)との混合は、二軸押出機(バレル温度約350〜450℃)で加熱混練して十分に分散混合し、ペレットに造粒するのが好ましい。均一混合した後の熱可塑性ポリイミドの表面抵抗率は10〜1010(Ω/□)程度となる。導電材を含む熱可塑性ポリイミド中の導電材の濃度は、通常2〜20重量%、好ましくは5〜10重量%である。なお、熱可塑性のポリエーテルイミド又はポリアミドイミドを用いた場合も、上記の熱可塑性ポリイミドに代えて同様に調製することができる。
このようにして得られた導電材を含む熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド又はポリアミドイミドは、本発明の多層ベルトの内層として使用する。この内層に外層を積層する方法としては、例えば、ベルト(内層)と外層とを同時に積層する方法(上記(4)の方法)、又は別途外層を形成した後に内層と外層をあわせて融着する方法(上記(5)〜(7)の方法)が挙げられる。
まず、内層と外層とを同時に積層する方法としては、例えば次のような方法が挙げられる。2層押出成形用のサーキュラーマンドレルダイを2台分の押出機が合流する吐出口の先端にセットする。該ダイスのノズル幅を外層用及び内層用各々調整して内層用押出機(バレル温度約350〜450℃)には、前記混練ペレットを、外層用押出機(バレル温度約280〜320℃)からはエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を供給して共押出成形を行う。内層及び外層の厚さは、ノズル幅、押出成形条件を適宜設定して調節することができる。吐出後のチューブの形状を精度よく保持するために、ダイ出口にエヤーリング等のマンドレルを使用してもよい。連続したチューブであるので、インクジェット用搬送ベルトとして使用する場合には、必要な幅で横断しベルトとして使用できるようにする。
一方、内層と外層を別個に成形しこれらをあわせて融着する方法としては、まず導電性ポリイミド系樹脂を一層のチューブラー成形用サーキュラーダイを通して押し出して、円筒状ポリイミドベルトを成形する。次に、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を、溶融押出を用いた成形法により円筒状に成形して、円筒状のベルト(外層)を製造する(上記工程(2)を参照)。最後に、円筒状ポリイミドベルトの外周面上に、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体の円筒状ベルトを加熱して該ベルトを層状に融着させる。又は、予め円筒状ベルトに成形されたエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を、円筒状ポリイミドベルトの外周面上に被嵌した後、加熱して融着する。通常、加熱炉等を用いて、180℃〜350℃にて、1〜3時間程度焼成することにより、2つのベルトを融着させる。その後芯体から融着した多層ベルトを取り外し、必要に応じ所定の幅にカットしてインクジェット用搬送ベルトを作製する。該多層ベルトの内層(導電層)の表面抵抗率は、通常10〜10(Ω/□)であり、好ましくは104〜10(Ω/□)、より好ましくは10〜10(Ω/□)である。
上記のようにして得られるインクジェット用搬送ベルトの膜厚は、通常60〜350μm、好ましくは90〜200μmである。内層は、通常50〜200μm、好ましくは60〜100μmであり、外層は、通常10〜150μm、好ましくは30〜100μmである。
本発明のインクジェット用搬送ベルトは、耐久性、搬送性、吸着性、耐磨耗性及びインククリーニング性に優れており、記録媒体(用紙)を問わずに吸着性が良好である。そのため、インクジェット記録装置における搬送ベルトとして用いられる。該インクジェット記録装置は、該搬送ベルトに記録媒体(用紙)を静電吸着し搬送させる機構を有している。
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例に記載の表面抵抗率及びポリアミド酸の固形分濃度は、以下のようにして測定した。
[表面抵抗率]
表面抵抗率は、23℃、55%RH環境下で、円形電極(例えば、三菱化学(株)製ハイレスターUPの「URSプローブ」)又は四探針電極(例えば、三菱化学(株)製ロレスタ)を用い、荷重2.0kg、電圧10V、チャージ時間10秒の条件で測定した。ベルト周方向に等間隔に4点、軸方向に等間隔に4点、計16点を測定し、その平均値として表した。
[ポリアミド酸溶液の固形分濃度]
カーボンブラック分散ポリアミド酸溶液の固形分濃度は、次のように算出された値である。試料を金属カップ等の耐熱性容器で精秤しこの時の試料の重量をA(g)とする。試料を入れた耐熱性容器を電気オーブンに入れて、120℃×15分、180℃×15分、260℃×30分、及び280℃×30分で順次昇温しながら加熱、乾燥し、得られる固形分の重量(固形分重量)をB(g)とする。同一試料について5個のサンプルのA及びBの値を測定し(n=5)、次式にあてはめて固形分濃度を求めた。その5個のサンプルの平均値を、固形分濃度として採用した。
固形分濃度=B/A×100(%)
実施例1
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの当量をN−メチルピロリドン溶媒中で常温にて重合反応して得られたポリアミド酸溶液に、更に溶媒のN,N−ジメチルアセトアミドを混合し、稀釈した。次に、この中に100℃で2時間乾燥したDBP(ジブチルフタレート)吸油量が100ml/100gのカーボンブラック(三菱カーボンMA−100、三菱化学(株)製)を添加し、ボールミルで1時間(25℃)十分混合した。得られたスラリー状液体の組成は、ポリアミド酸固形分15重量%、カーボンブラック18.0重量%(対ポリアミド酸固形分)、その他が溶媒量であり、溶液粘度は800cps(25℃)であった。
これを、内面を鏡面仕上げした金属製回転ドラム(幅400mm内径82mm;両サイドに幅20mmの枠を有する)の内面に、ゆっくりと回転しつつ注入し全量注入した。徐々に回転をスピードアップし、最後には340回/分にして30分間回転を続行した。そして、この状態を維持して、該ドラムを加熱し150℃に到達させ、更にその温度で80分間回転を続けて溶媒を蒸発させて乾燥した。これにより、半乾燥状態である、厚さ50±4μm、幅380mmのポリアミド酸のチューブ状シームレスベルトを得た。これを該ドラムから取り出した。
そして、前記ポリアミド酸ベルトを金属製マンドレルに被嵌して、全部を熱風乾燥機中に入れ徐々に昇温した。まず、300℃に到達したらその温度で20分間加熱し、更に昇温して400℃に到達したらその温度で20分間加熱した。この加熱により厚さ65±5μm、内径60mm、幅320mmのポリイミドベルトを得た。この内層となるベルトの表面抵抗率は1×10(Ω/□)であった。
エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(テフゼル290、三井デュポンフルオロケミカル(株)製)を、φ40mm単軸押出機(シリンダー温度:280〜320℃)を用いて環状ダイにて外径53mmφ、厚み55±5μmの円筒状のチューブを製膜した。
別途、外径60mm、長さが400mmのアルミニウム製円筒状芯体の外周面に離型材としてシリコーン系離型剤を塗布し、380℃で1時間焼成した。この円筒状芯体に、前記作製した導電性ポリイミドベルトを被覆し、さらにエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体チューブを被覆した。これを、加熱炉において200℃で1時間、その後300℃で1時間焼成することにより、チューブをベルト上に融着被覆した。その後、芯体から樹脂ベルトを取り外し、幅300mmにカットし、総膜厚120μm(外層55μm、内層65μm)、内層表面抵抗率1×10(Ω/□)のインクジェット用搬送ベルトを作製した。
実施例2
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)との当量をN−メチルピロリドン溶媒中で常温にて重合反応して得られたポリアミド酸溶液に、更に溶媒のN,N−ジメチルアセトアミドを混合し、稀釈した。次に、この中に100℃で2時間乾燥したDBP(ジブチルフタレート)吸油量が100ml/100gのカーボンブラック(三菱カーボンMA−100、三菱化学(株)製)を添加し、ボールミルで1時間(25℃)十分混合した。得られたスラリー状液体の組成は、ポリアミド酸固形分15重量%、カーボンブラック18.5重量%(対ポリアミド酸固形分)、その他が溶媒量であり、溶液粘度は800cps(25℃)であった。
これを、内面を鏡面仕上げした金属製回転ドラム(幅400mm内径82mm;両サイドに幅20mmの枠を有する)の内面に、ゆっくりと回転しつつ注入し全量注入した。徐々に回転をスピードアップし、最後には340回/分にして30分間回転を続行した。そして、この状態を維持して、該ドラムを加熱し180℃に到達させ、更にその温度で80分間回転を続けて溶媒を蒸発させて乾燥した。これにより、半乾燥状態である、厚さ50±4μm、幅380mmのポリアミド酸のチューブ状シームレスベルトを得た。これを該ドラムから取り出した。
そして、前記ポリアミド酸ベルトを金属製マンドレルに被嵌して、全部を熱風乾燥機中に入れ徐々に昇温した。まず、300℃に到達したらその温度で20分間加熱し、更に昇温して400℃に到達したらその温度で20分間加熱した。この加熱により厚さ65±5μm、内径60mm、幅320mmのポリイミドベルトを得た。この内層となるベルトの表面抵抗率は1×10(Ω/□)であった。
エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(フルオンLM-ETFE AH-2000、旭硝子(株)製)を、φ40単軸押出機(シリンダー温度:260〜320℃)を用いて環状ダイにて外径53mmφ、厚み55±5μmの円筒状のチューブを製膜した。
別途、外径60mm、長さが400mmのアルミニウム製円筒状芯体の外周面に離型材としてシリコーン系離型剤を塗布し、380℃で1時間焼成した。この円筒状芯体に、前記作製した導電性ポリイミドベルトを被覆し、さらにエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体チューブを被覆した。これを、加熱炉において200℃で1時間、その後300℃で1時間焼成することにより、チューブをベルト上に融着被覆した。その後、芯体から樹脂ベルトを取り外し、幅300mmにカットし、総膜厚120μm(外層55μm、内層65μm)、内層表面抵抗率1×10(Ω/□)のインクジェット用搬送ベルトを作製した。
比較例1
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの当量をN−メチルピロリドン溶媒中で常温にて重合反応して得られたポリアミド酸溶液に、更に溶媒のN,N−ジメチルアセトアミドを混合し、稀釈した。次に、この中に100℃で2時間乾燥したDBP吸油量が100ml/100gのカーボンブラック(三菱カーボンMA−100、三菱化学(株)製)を添加し、ボールミルで1時間(25℃)十分混合した。得られたスラリー状液体の組成は、ポリアミド酸固形分15重量%、カーボンブラック18.0重量%(対ポリアミド酸固形分)、その他が溶媒量であり、溶液粘度は800cps(25℃)であった。
これを、内面を鏡面仕上げした金属製回転ドラム(幅400mm内径82mm;両サイドに幅20mmの枠を有する)の内面に、ゆっくりと回転しつつ注入し全量注入した。その後、徐々に回転をスピードアップし、最後には340回/分にして30分間回転を続行した。そして、この状態を維持して、該ドラムを加熱し150℃に到達させ、更にその温度で80分間回転を続けて溶媒を蒸発させて乾燥した。これにより、半乾燥状態である、厚さ50±4μm、幅380mmのポリアミド酸のチューブ状シームレスベルトを得た。これを該ドラムから取り出した。
そして、前記ポリアミド酸ベルトを金属製マンドレルに被嵌して、全部を熱風乾燥機中に入れ徐々に昇温した。まず、300℃に到達したらその温度で20分間加熱し、更に昇温して400℃に到達したらその温度で20分間加熱した。この加熱により厚さ65±5μm、内径60mm、幅320mmのポリイミドベルトを得た。この内層となるベルトの表面抵抗率は1×10(Ω/□)であった。
ポリフッ化ビニリデン(KFポリマー#1000、(株)クレハ製)を、φ40mm単軸押出機(シリンダー温度:180〜230℃)を用いて環状ダイにて外径60mmφ、厚み55μm±5μmの円筒状のチューブを製膜した。
別途、外径60mm、長さが400mmのアルミニウム製円筒状芯体の外周面に離型材としてシリコーン系離型剤を塗布し、380℃で1時間焼成した。この円筒状芯体に、前記作製した導電性ポリイミドベルトを被覆し、さらにポリフッ化ビニリデンチューブを被覆した。これを、加熱炉において、100℃で1時間、その後200℃で1時間焼成することにより、チューブをベルト上に融着被覆した。その後、芯体から樹脂ベルトを取り外し、幅300mmにカットし、総膜厚120μm(外層55μm、内層65μm)、内層表面抵抗率1×10(Ω/□)のインクジェット用搬送ベルトを作製した。
比較例2
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)との当量をN−メチルピロリドン溶媒中で常温にて重合反応して得られたポリアミド酸溶液に、更に溶媒のN,N−ジメチルアセトアミドを混合し、稀釈した。次に、この中に100℃で2時間乾燥したDBP吸油量が100ml/100gのカーボンブラック(三菱カーボンMA−100、三菱化学(株)製)を添加し、ボールミルで1時間(25℃)十分混合した。得られたスラリー状液体の組成は、ポリアミド酸固形分15重量%、カーボンブラック18.5重量%(対ポリアミド酸固形分)、その他が溶媒量であり、溶液粘度は800cps(25℃)であった。
これを、内面を鏡面仕上げした金属製回転ドラム(幅400mm内径82mm;両サイドに幅20mmの枠を有する)の内面に、ゆっくりと回転しつつ注入し全量注入した。徐々に回転をスピードアップし、最後には340回/分にして30分間回転を続行した。そして、この状態を維持して、該ドラムを加熱し180℃に到達させ、更にその温度で80分間回転を続けて溶媒を蒸発させて乾燥した。これにより、半乾燥状態である、厚さ50±4μm、幅380mmのポリアミド酸のチューブ状シームレスベルトを得た。これを該ドラムから取り出した。
そして、前記ポリアミド酸ベルトを金属製マンドレルにこれを被嵌して、全部を熱風乾燥機中に入れ徐々に昇温した。まず、300℃に到達したらその温度で20分間加熱し、更に昇温して400℃に到達したらその温度で20分間加熱した。この加熱により厚さ65±5μm、内径60mm、幅320mmのポリイミドベルトを得た。この内層となるベルトの表面抵抗率は1×10(Ω/□)であった。
テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下「FEP」と表記する)(ネオフロンFEP NP-21、ダイキン工業(株)製)を、φ40mm単軸押出機(シリンダー温度:280〜360℃)を用いて環状ダイにて外径53mmφ、厚み55μm±5μmの円筒状のチューブを製膜した。
別途、外径60mm、長さが400mmのアルミニウム製円筒状芯体の外周面に離型材としてシリコーン系離型剤を塗布し、380℃で1時間焼成した。この円筒状芯体に、前記作製した導電性ポリイミドベルトを被覆し、さらにFEPチューブを被覆した。これを、加熱炉において200℃で1時間、その後300℃で1時間焼成することにより、チューブをベルト上に融着被覆した。その後、芯体から樹脂ベルトを取り外し、幅300mmにカットし、膜厚120μm(外層55μm、内層65μm)、内層表面抵抗率1×10(Ω/□)のインクジェット用搬送ベルトを作製した。
比較例3
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの当量をN−メチルピロリドン溶媒中で常温にて重合反応して得られたポリアミド酸溶液に、更に溶媒のN,N−ジメチルアセトアミドを混合し、稀釈した。次に、この中に100℃で2時間乾燥したDBP吸油量が100ml/100gのカーボンブラック(三菱カーボンMA−100、三菱化学(株)製)を添加し、ボールミルで1時間(25℃)十分混合した。得られたスラリー状液体の組成は、ポリアミド酸固形分15重量%、カーボンブラック18.0重量%(対ポリアミド酸固形分)、その他が溶媒量であり、溶液粘度は800cps(25℃)であった。
これを、内面を鏡面仕上げした金属製回転ドラム(幅400mm内径82mm;両サイドに幅20mmの枠を有する)の内面に、ゆっくりと回転しつつ注入し全量注入した。徐々にスピードアップし、最後には340回/分にして30分間回転を続行した。そして、この状態を維持して、該ドラムを加熱し150℃に到達させ、更にその温度で80分間回転を続けて溶媒を蒸発させて乾燥した。これにより、半乾燥状態である、厚さ50±4μm、幅380mmのポリアミド酸のチューブ状シームレスベルトを得た。これを該ドラムから取り出した。
そして、前記ポリアミド酸ベルトを金属製マンドレルにこれを被嵌して、全部を熱風乾燥機中に入れ徐々に昇温した。まず、300℃に到達したらその温度で20分間加熱し、更に昇温して400℃に到達したらその温度で20分間加熱した。この加熱により厚さ65±5μm、内径60mm、幅320mmのポリイミドベルトを得た。
この内層となるベルトの表面抵抗率は1×10(Ω/□)であった。
テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下「PFA」と表記する)(テフロン(登録商標)350J、三井デュポンフルオロケミカル(株)製)を、φ40単軸押出機(シリンダー温度:280〜420℃)を用いて環状ダイにて外径53mmφ、厚み55μm±5μmの円筒状のチューブを製膜した。
別途、外径60mm、長さが400mmのアルミニウム製円筒状芯体の外周面に離型材としてシリコーン系離型剤を塗布し、380℃で1時間焼成した。この円筒状芯体に、前記作製した導電性ポリイミドベルトを被覆し、さらにPFAチューブを被覆した。これを、加熱炉において、300℃、4時間で熱融着処理を施した。その後、芯体から樹脂ベルトを取り外し、幅300mmにカットし、総膜厚120μm(外層55μm、内層65μm)、内層表面抵抗率1×10(Ω/□)のインクジェット用搬送ベルトを作製した。
比較例4
実施例1と同様にして、内層となるポリイミドベルトを得た。得られたポリイミドベルトは厚さ65μ±5μ、内径60mm、幅320mmであった。また、ベルトの表面抵抗率は1×10Ω/□であった。
一方、外層となるポリイミドチューブは以下の要領で作成した。熱可塑性ポリイミド(オーラムPL450C、三井化学(株)製)を、φ40単軸押出機(シリンダー温度:370〜420℃)を用いて環状ダイにて外径60mmφ、厚み55μm±5μmの円筒状のチューブを製膜した。
別途、外径60mm、長さが400mmのアルミニウム製円筒状芯体の外周面に離型材としてシリコーン系離型剤を塗布し、380℃で1時間焼成した。この円筒状芯体に、前記作製した導電性ポリイミドベルトを被覆し、さらに熱可塑性ポリイミドチューブを被覆した。これを、加熱炉において、390℃、2時間で熱融着処理を施した。その後、芯体から樹脂ベルトを取り外し、幅300mmにカットし、総膜厚120μm(外層55μm、内層65μm)、内層表面抵抗率1×10(Ω/□)のインクジェット用搬送ベルトを作製した。
比較例5
エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(フルオンETFE C−55AXB、旭硝子(株)製)80重量%及びカーボンブラック(三菱カーボンMA-100、三菱化学(株)製)20重量%を配合した後、2軸スクリュー押出機に投入し(シリンダー温度295〜340℃)、ペレット状原料Aを作製した。
このペレット状原料Aを内層用50mmφ単軸押出機(シリンダー温度:280〜320℃)に投入し、またエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(テフゼル290、三井デュポンフルオロケミカル(株)製)を、外層用φ40mmφ単軸押出機(シリンダー温度:280〜320℃)に投入し、2層押出成形用のサーキュラーマンドレルダイを上記2台の押出機が合流する吐出口の先端にセットした。該ダイスのノズル幅を外層用及び内層用各々調整して共押出成形を行い、外径60mmφ、総厚み150±10μm(外層50μm、内層100μm)、内層表面抵抗率1×10(Ω/□)のインクジェット用搬送ベルトを作製した。
比較例6
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの当量をN−メチルピロリドン溶媒中で常温にて重合反応して得られたポリアミド酸溶液に、更に溶媒のN,N−ジメチルアセトアミドを混合し、稀釈した。次に、この中に100℃で2時間乾燥したDBP(ジブチルフタレート)吸油量が100ml/100gのカーボンブラック(三菱カーボンMA−100、三菱化成(株)製)を添加し、ボールミルで1時間(25℃)十分混合した。得られたスラリー状液体の組成は、ポリアミド酸固形分15重量%、カーボンブラック14.0重量%(対ポリアミド酸固形分)、その他が溶媒量であり、溶液粘度は800cps(25℃)であった。
これを、内面を鏡面仕上げした金属製回転ドラム(幅400mm内径82mm;両サイドに幅20mmの枠を有する)の内面に、ゆっくりと回転しつつ注入し全量注入した。徐々に回転をスピードアップし、最後には340回/分にして30分間回転を続行した。そして、この状態を維持して、該ドラムを加熱し150℃に到達させ、更にその温度で80分間回転を続けて溶媒を蒸発させて乾燥した。これにより、半乾燥状態である、厚さ50±4μm、幅380mmのポリアミド酸のチューブ状シームレスベルトを得た。これを該ドラムから取り出した。
そして、前記ポリアミド酸ベルトを金属製マンドレルに被嵌して、全部を熱風乾燥機中に入れ徐々に昇温した。まず、300℃に到達したらその温度で20分間加熱し、更に昇温して400℃に到達したらその温度で20分間加熱した。この加熱により厚さ65±5μm、内径60mm、幅320mmのポリイミドベルトを得た。この内層となるベルトの表面抵抗率は2×1010(Ω/□)であった。
エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(テフゼル290、三井デュポンフルオロケミカル(株)製)を、φ40単軸押出機(シリンダー温度:280〜320℃)を用いて環状ダイにて外径53mmφ、厚み55±5μmの円筒状のチューブを製膜した。
別途、外径60mm、長さが400mmのアルミニウム製円筒状芯体の外周面に離型材としてシリコーン系離型剤を塗布し、380℃で1時間焼成した。この円筒状芯体に、前記作製した導電性ポリイミドベルトを被覆し、さらにエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体チューブを被覆した。これを、加熱炉において200℃で1時間、その後300℃で1時間焼成することにより、チューブをベルト上に融着被覆した。その後、芯体から樹脂ベルトを取り外し、幅300mmにカットし、総膜厚120μm(外層55μm、内層65μm)、内層表面抵抗率2×1010(Ω/□)のインクジェット用搬送ベルトを作製した。
比較例7
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの当量をN−メチルピロリドン溶媒中で常温にて重合反応して得られたポリアミド酸溶液に、更に溶媒のN,N−ジメチルアセトアミドを混合し、稀釈した。次に、この中に100℃で2時間乾燥したDBP吸油量が360ml/100gのケッチンブラックックEC(ライオン(株)製)を添加し、ボールミルで1時間(25℃)十分混合しスラリー状の液体を得た。得られたスラリー状液体の組成は、ポリアミド酸固形分13%(重量)、カーボンブラック8.0%(重量)対ポリアミド酸固形分、その他が溶媒量であり、溶液粘度は500cps(25℃)であった。
これを、内面を鏡面仕上げした金属製回転ドラム(幅400mm内径82mm;両サイドに幅20mmの枠を有する)の内面に、ゆっくりと回転しつつ注入し全量注入した。徐々に回転をスピードアップし、最後には340回/分にして30分間回転を続行した。そして、この状態を維持して、該ドラムを加熱し150℃に到達させ、更にその温度で80分間回転を続けて溶媒を蒸発させて乾燥した。これにより、半乾燥状態である、厚さ50±4μm、幅380mmのポリアミド酸のチューブ状シームレスベルトを得た。これを該ドラムから取り出した。
そして、前記ポリアミド酸ベルトを金属製マンドレルに被嵌して、全部を熱風乾燥機中に入れ徐々に昇温した。まず、300℃に到達したらその温度で20分間加熱し、更に昇温して400℃に到達したらその温度で20分間加熱した。この加熱により厚さ65±5μm、内径60mm、幅320mmのポリイミドベルトを得た。この内層となるベルトの表面抵抗率は5×10(Ω/□)であった。
エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(テフゼル290、三井デュポンフルオロケミカル(株)製)を、φ40単軸押出機(シリンダー温度:280〜320℃)を用いて環状ダイにて外径53mmφ、厚み55±5μmの円筒状のチューブを製膜した。
別途、外径60mm、長さが400mmのアルミニウム製円筒状芯体の外周面に離型材としてシリコーン系離型剤を塗布し、380℃で1時間焼成した。この円筒状芯体に、前記作製した導電性ポリイミドベルトを被覆し、さらにエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体チューブを被覆した。これを、加熱炉において200℃で1時間、その後300℃で1時間焼成することにより、チューブをベルト上に融着被覆した。その後、芯体から樹脂ベルトを取り外し、幅300mmにカットし、総膜厚120μm(外層55μm 内層65μm)、内層表面抵抗率5×10(Ω/□)のインクジェット用搬送ベルトを作製した。
試験例1
上記実施例及び比較例で得られたインクジェット用搬送ベルトについて、耐久性(耐屈曲性)、搬送性、吸着性(誘電率)、耐摩耗性、クリーニング性、及び搬送ベルト運転時の吸着性の評価及びベルト表面汚れについて評価した。その結果を表1及び表2に示す。評価方法は以下の通りである。
[耐久性の評価]
MIT試験
内層および外層の接着性の確認、およびベルトのワレを評価するため、耐屈曲性試験を行った。耐屈曲性が低いとベルト端部からベルトが破断する。
使用機器:(株)東洋精機製作所製MIT試験機
測定方法:ASTM D-2176準拠 折曲角度135°、折曲スピード175cpm、荷重300g
評価基準は下記の通り。
MIT試験回数;
A:30,000以上
B:10,000以上〜30,000未満
C:10,000未満
引張弾性率
引張弾性率が高い搬送ベルトを用いた場合、該ベルトを駆動させた際の応力による周長変化および環境変化による寸法変動を抑えることができる。
引張弾性率は、(株)島津製作所製オートグラフを用いて、JIS K-7127に準拠(試験スピード50mm/min、25mmx25mm短冊試験片)して評価した。
引張弾性率;
A:5.0GPa以上
B:2.0GPa以上5.0GPa未満
C:2.0GPa未満
[搬送性(平面性)の評価]
26℃環境下
紙の搬送は静電吸着にて行うため、ベルトの平面性が必要であり、凹凸が大きいと用紙との接触面積が減少するため搬送力が低下し、画像不良につながる恐れがある。
26℃環境下における搬送性(平面性)は、次のようにして評価した。ベルトの幅方向の長さより長い2本の30φの金属性シャフトをベルトに通し、該2本の金属製シャフトの両端がベルトの幅方向に出るように配置する。一方のシャフトを固定し、他方のシャフトの両端に2.0kgの錘をつけてベルトを張架した(図1を参照)。この状態で、26℃環境下でベルト平面より垂直方向に取り付けたレーザー変位計(LK−030、(株)キーエンス製)にてベルト表面を走査し、凹凸の絶対値を測定した。評価基準は下記の通り。
凹凸の絶対値;
A:0.2mm以下
B:0.2mm超〜0.3mm以下
C:0.3mm超(吸着不良を起こす)
80℃熱風下
近年の環境への意識の高まりから、インクには水性の顔料及び染料インクが主に使用されている。しかしこれらインクは水性であるため印刷速度向上のためには乾燥工程が必要になり、ベルトには耐熱性が必要とされる。ベルトの耐熱性が低いと熱膨張による変形を起こしベルト平面性が悪化する。これによりベルトへの用紙の吸着性が劣るため搬送不良となり画像不良につながる。
80℃熱風下における搬送性(平面性)は、次のようにして評価した。ベルトの幅方向の長さより長い2本の30φの金属性シャフトをベルトに通し、該2本の金属製シャフトの両端がベルトの幅方向に出るように配置する。一方のシャフトを固定し、他方のシャフトの両端に2.0kgの錘をつけてベルトを張架した(図1を参照)。この状態で、ベルト表面に対して垂直方向から80℃の熱風を10秒間あてた後、垂直方向に取り付けたレーザー変位計(LK−030、(株)キーエンス製)にてベルト表面を走査し、ベルト平面の凹凸の悪化の程度を凹凸の絶対値として測定した。
凹凸の絶対値(80℃熱風下);
A:0.2mm以下
B:0.2mm超〜0.3mm以下
C:0.3mm超(吸着不良を起こす)
[吸着性の評価]
用紙を静電吸着させるため、静電容量(C)が大きい程、吸着力が強い。静電吸着力は静電容量に比例し、静電容量は下記(式1)の通り誘電率に比例する。
C=εS/d
(C:静電容量{F}、ε:誘電率、S:面積{m2}、d:厚み{m})・・・(式1)
そのため、外層の誘電率が高いほど静電吸着力が強い。
誘電率は、JIS K6911相互誘電ブリッジ法を用いて測定した。評価基準は下記の通り。
誘電率(23℃、1kHz);
A:5.0以上
B:2.5以上5.0未満
C:2.5未満
[耐摩耗性の評価]
ベルトが用紙に対し耐摩耗性が高いと、ベルト表面の削れが少なくなり長期にわたる運転においても十分な用紙搬送力を有する。
耐摩耗性は次のようにして評価した。ベルトに0.2kg/cm2の圧力でA4用紙に密着させた状態で、ベルトを用紙の縦方向280mmに310mm/secにて1000回スライドさせ、スライド前後におけるベルトの重量差を測定し、この重量差を磨耗量とした。評価基準は下記の通り。
重量差;
A:1mg未満
B:1mg以上5mg未満
C:5mg以上
[インククリーニング性の評価]
インククリーニング性が劣ると、ベルト表面にインクが残り、用紙への裏移りなどを発生させ、画像不良となる。クリーニング性の観点からベルト表面はインクに対して離型性が高くなければならない。インククリーニング性は次にようにして評価した。
インクカートリッジLCO9BK(ブラザー工業株式会社製)を用いて、各種外層に対する接触角を測定した。測定装置は接触角計CA-S(協和界面化学株式会社製)を用いて23℃、55%RH環境下にて測定を行った。評価基準は下記の通り。
接触角;
A:60°以上
B:60°未満
[搬送ベルト運転時の評価]
用紙吸着性:
実施例及び比較例のインクジェット用搬送ベルトをインクジェット画像形成装置に装着して画像を形成し、インクジェット用搬送ベルトの表面に対する用紙の吸着性を観察し、100枚印字後の用紙吸着性を評価した。結果を下記表2に示す。なお、表中の「A」は吸着性が十分であることを意味し、「B」は、吸着性が不十分であり剥離が発生することを意味する。
表面汚れ:
100枚印字後の表面汚れ(インク残、紙粉、裏面汚れ)についてベルトにテープを貼り、汚れをテープに転写させて、表面汚れについて評価を行った。結果を下記表2に示す。なお、表中の「A」は目視でも殆ど汚れがないことを意味し、「B」は、部分的な紙粉及び外層削れと考えられる樹脂粉が見られることを意味し「C」は、テープ上にインク汚れが全面に見られることを意味する。
Figure 0005765880
Figure 0005765880

Claims (12)

  1. エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を含む外層、及び導電性ポリイミド系樹脂を含む内層を有する少なくとも2層からなる多層シームレスベルトからなるインクジェット用搬送ベルトであって、該外層の厚みが10〜150μmであり、該内層の表面抵抗率が1×10〜1×10(Ω/□)であるインクジェット用搬送ベルト。
  2. 導電性ポリイミド系樹脂が、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミド、ポリエーテルイミド及びポリアミドイミドからなる群より選ばれる樹脂、並びに導電性カーボンブラックを含有する請求項1に記載のインクジェット用搬送ベルト。
  3. 前記外層の内周表面が化学的に処理されてなる請求項1又は2に記載のインクジェット用搬送ベルト。
  4. 前記外層に含まれるエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体が、赤外線分光測定により1720〜1800cm-1に吸収を示す請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット用搬送ベルト。
  5. 前記外層と内層の厚みの比率(外層/内層)が、1/5〜〜1/1である請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット用搬送ベルト。
  6. 前記外層(外表面層)の表面抵抗率が、1014〜1017(Ω/□)である請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット用搬送ベルト。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット用搬送ベルトを含むインクジェット記録装置。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット用搬送ベルトに記録媒体を静電吸着し搬送させる機構を含む請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 多層シームレスベルトからなるインクジェット用搬送ベルトの製造方法であって、
    (1)導電性ポリアミド酸溶液を遠心成型して、導電性ポリイミド系樹脂からなる円筒状のベルト(内層)を製造する工程、
    (2)エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を、溶融押出を用いた成形法により円筒状に成形して、円筒状のベルト(外層)を製造する工程、及び
    (3)上記(1)で製造されたベルト(内層)の外周表面に、上記(2)で製造されたベルト(外層)の内周表面をあわせて融着する工程、
    を含む製造方法。
  10. 内層の表面抵抗率が1×10 〜1×10 (Ω/□)であり、外層の厚みが10〜150μmである多層シームレスベルトからなるインクジェット用搬送ベルトの製造方法であって、
    (4)導電材を含む熱可塑性ポリイミド系樹脂を内層とし、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を外層になるように、共押出成形する工程
    を含む製造方法。
  11. 内層の表面抵抗率が1×10 〜1×10 (Ω/□)であり、外層の厚みが10〜150μmである多層シームレスベルトからなるインクジェット用搬送ベルトの製造方法であって、
    (5)導電材を含む熱可塑性ポリイミド系樹脂を、押出を用いた成形法により円筒状に成形して、円筒状のベルト(内層)を製造する工程、
    (6)エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体を、溶融押出を用いた成形法により円筒状に成形して、円筒状のベルト(外層)を製造する工程、及び
    (7)上記(5)で製造されたベルト(内層)の外周表面に、上記(6)で製造されたベルト(外層)の内周表面をあわせて融着する工程
    を含む製造方法。
  12. 前記多層シームレスベルトの内層の表面抵抗率が1×10〜1×10(Ω/□)であり、外層の厚みが10〜150μmである、請求項に記載の製造方法。
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