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JP5772020B2 - スイッチング制御装置 - Google Patents
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本発明は、PWM制御信号に対しデッドタイム期間を確保したPWM駆動信号をスイッチング素子に与えるスイッチング制御装置に関する。
多くのモータ駆動装置および電源装置は、出力電圧の大きさを制御する手段としてPWM制御を用いている。PWM制御は、キャリア周波数ごとにスイッチング素子をオンオフして電流の通断電を行うので、キャリア周波数およびその高調波の周波数成分を持つノイズが発生する。例えば、車両にモータ駆動装置や電源装置が搭載されていると、ラジオノイズが発生することになる。
これに対しては、PWM制御の周波数を非周期的に或いは規則性なく変化させる技術(特許文献1)、または電流制御信号の周波数を周期的に変化させる技術(特許文献2)が提案されている。これらの周波数拡散制御によれば、ノイズに含まれる周波数成分が分散化され、ラジオノイズの影響を軽減することができる。
特開2000−217395号公報(図3) 特開平07−099795号公報(図2)
モータ駆動装置や電源装置を起動する際に指令電圧を急激に立ち上げると、スイッチング素子に過大な電流が流れ或いはモータの起動に失敗する虞がある。このため、起動時には指令電圧すなわちPWM制御のデューティ比を徐々に高めるようにソフトスタートを行っている。また、動作を停止する停止前期間でも、モータのフリーランや急激な停止を避ける目的から指令電圧を徐々に下げることが行われている。本願発明者らは、こうした起動期間および停止前期間において上述したような周波数拡散制御を実行すると、周波数を拡散させているにもかかわらず、却ってラジオノイズが増加し或いはフィルタコイルの発熱が増加するなどの現象が生じることを発見した。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、起動期間および停止前期間を含めPWM制御に伴う周辺機器へのノイズの影響を極力低減できるスイッチング制御装置を提供することにある。
請求項1に記載した手段は、指令電圧に基づいてPWM制御信号を生成し、そのPWM制御信号に対しデッドタイム期間を確保したPWM駆動信号をスイッチング素子に与える。周波数拡散制御手段は、PWM制御信号のデューティ比が増大する起動期間およびPWM制御信号のデューティ比が減少する停止前期間において、それぞれPWM制御信号のキャリア周波数を一定に制御する。そして、起動期間および停止前期間以外のスイッチング動作期間では、PWM制御信号のキャリア周波数を時間経過とともに複数の周波数に切り替える周波数拡散制御を実行する。
PWM制御では、アーム短絡防止のためにデッドタイム期間を設け、当該期間では上下アームのスイッチング素子をオフさせるように制御する。一方、周波数拡散制御でキャリア周波数を変化させると、同じデューティ比であってもパルス幅が変化する。その結果、起動期間および停止前期間のようにデューティ比が小さい期間で周波数拡散制御を実行すると、周波数拡散制御によりキャリア周波数を高めた時にパルス幅がデッドタイム期間よりも小さくなり、PWM駆動信号のパルスが一時的に消滅する場合がある。
本手段を採用すれば、起動期間および停止前期間のようにデューティ比が小さい期間で周波数拡散制御を停止し、PWM制御信号のキャリア周波数を一定に制御するので、周波数の拡散周期の間にパルスが発生する期間とパルスが消滅する期間とが繰り返し現れることを防止できる。これにより、指令電圧の増加または減少に伴い出力電圧も単調に増加または減少するので、出力電圧のリプルが減少し、PWM制御に伴う周辺機器へのノイズの影響が低減され、主回路部品や負荷の発熱を抑えることができる。
具体的には、周波数拡散制御で用いる最も高いキャリア周波数をfcmaxとした場合、周波数拡散制御手段は、起動期間において、PWM制御信号のデューティ比が(fcmax×デッドタイム期間)よりも大きく設定された第1しきい値以上になったことを条件として周波数拡散制御を開始する。また、停止前期間において、PWM制御信号のデューティ比が(fcmax×デッドタイム期間)よりも大きく設定された第2しきい値以下になったことを条件として周波数拡散制御を停止する。
上述したように、キャリア周波数がfcmaxとなったときに最もパルスが消滅し易い。このときのオンパルス幅は1/fcmax×デューティ比である。従って、
1/fcmax×デューティ比>デッドタイム期間
の関係が成立するとき、すなわちPWM制御信号のデューティ比が(fcmax×デッドタイム期間)よりも大きいときにはパルスの消滅は生じない。第1しきい値および第2しきい値はこの条件式を満たしている。
従って、本手段によれば、上述した起動時のノイズを抑えるとともに、第1しきい値の設定レベルに応じて、パルスの消滅の虞がなくなった早い時点から周波数拡散制御を開始することが可能となる。また、第2しきい値の設定レベルに応じて、停止前パルスの消滅が発生する時点より前から周波数拡散制御を停止することが可能となる。
請求項2に記載した手段は、スイッチング素子から負荷に出力される電圧を検出する電圧検出手段を備えている。周波数拡散制御手段は、起動期間において、指令電圧に対する検出電圧の偏差が所定の収束判定値以下になったことを条件として周波数拡散制御を開始する。当該条件の下では、出力電圧が指令電圧(例えば定常運転時の目標電圧)に近付くので、PWM制御のデューティ比が上記パルスの消滅が生じない程度に大きくなっている場合が多いと考えられる。本手段によれば、上述した起動時のノイズの発生を抑えるとともに、パルスの消滅の可能性が低下した早い時点から周波数拡散制御を開始してノイズの分散化を図ることができる。
本発明の第1の実施形態を示すモータ駆動装置の概略構成図 電圧制御部の機能的ブロック構成図 デッドタイム期間を設定する場合の主回路の波形図 周波数拡散制御実行中のキャリア周波数、キャリア周波数の変化傾向線および負荷電流を示す波形図 周波数拡散制御実行中のキャリア周波数を詳細に示す図(1) 周波数拡散制御実行中のキャリア周波数を詳細に示す図(2) 周波数拡散制御実行中のキャリア周波数および負荷電流を示す波形図 始動期間または停止前期間における周波数拡散制御実行中の波形および周波数拡散制御停止中の波形を比較して示す図 本発明の第2の実施形態を示すスイッチング電源装置の概略構成図
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図8を参照しながら説明する。図1は、モータ駆動装置の概略構成図である。車両に搭載されたモータ駆動装置1は、ECU2(Electronic Control Unit)から送信される指令信号に基づいてPWM制御を行い、出力端子3に接続された直流モータ4(負荷)への印加電圧がECU2からの指令電圧に一致するように電圧追従制御を実行する。
主回路は、バッテリ5の正負端子間に直列に接続されたMOSトランジスタ7、8(スイッチング素子)と、出力ノード6と出力端子3との間に設けられたフィルタ9とから構成されている。フィルタ9は、コイル10とコンデンサ11とからなるLCフィルタである。駆動制御装置12(スイッチング制御装置)は、電圧制御部13とドライバ14、15とから構成されており、MOSトランジスタ7、8のゲートに対しPWM駆動信号Db1、Db2を出力する。
図2は、電圧制御部13の機能的ブロック構成図である。ECU2から送信される指令信号は一定周期を持つパルス信号であって、そのパルス幅(デューティ比)が指令電圧に対応している。このデューティ比は、後述するPWM制御のデューティ比とは別異のものである。デューティ検出部16は指令信号のデューティ比を検出し、指令電圧出力部17はこのデューティ比から指令電圧Vrを決定する。
駆動制御装置12は、出力端子3の電圧を検出するために、レベル変換部18とA/D変換器19とからなる電圧検出部20(電圧検出手段)を備えている。レベル変換部18は、出力端子電圧を分圧し、駆動制御装置12で用いる制御電源電圧(例えば5V)の電圧レベルに変換する。減算器21は、指令電圧Vrから検出電圧Vを減算して電圧偏差ΔVを出力する。
演算部22は、電圧偏差ΔVに対して例えば比例積分(PI)演算をすることにより、PWM制御における指令電圧信号Svを生成する。PWM制御部23は、周波数拡散制御部24から与えられるキャリア周波数fcを持つ三角波信号Scと上記指令電圧信号Svとを比較し、上アームのMOSトランジスタ7、下アームのMOSトランジスタ8に対するPWM制御信号Da1、Da2を生成する。
デッドタイム設定部25は、アーム短絡を防ぐために、PWM制御信号Da1、Da2に対しデッドタイム期間Tdを確保したPWM駆動信号Db1、Db2を生成する。図3は、デッドタイム期間を設定した場合の影響を説明するための波形図である。波形は、上から順にPWM制御信号Da1、Da2、マスク信号、出力ノード6の電圧を示している。デッドタイム設定前のPWM制御信号Da1、Da2は、互いに論理レベルが逆になる相補波形を有している。PWM制御信号Da1またはDa2がHレベル(オン)からLレベル(オフ)に変化すると、Tdの幅を持つマスク信号がHレベル(マスク状態)になる。その結果、他方アーム側のPWM駆動信号Db2またはDb1のHレベルへの変化がTdだけ遅れ、アーム短絡を防止する。
周波数拡散制御部24(周波数拡散制御手段)は、PWM制御信号Da1、Da2のキャリア周波数fcを時間経過とともに複数の周波数に切り替える。また、起動期間および停止前期間の判定または周波数拡散制御の開始タイミングを判定するために、デューティ検出部16から出力される指令信号のデューティ比、減算器21から出力される電圧偏差ΔVおよび指令電圧信号Svを入力する。ただし、後述する起動期間および停止前期間の判定方法に応じて必要なものだけを入力する構成とすればよい。周波数拡散方法は、キャリア周波数fcを連続的にまたは離散的に増減させる方法であればどのような方法であってもよいが、ここでは図4ないし図7を用いて周波数拡散の一例を示す。
図4は、キャリア周波数fc(途中以降は波形を省略)、キャリア周波数fcの増減傾向を直線により模式的に示す変化傾向線、負荷電流ILを示している。図5に上下2段に続く波形およびこれに連続する図6に示す波形は、より詳細なキャリア周波数fcの変化を示している。図5および図6に示す括弧内の数字は、当該キャリア周波数fcを用いるPWM周期の数を表している。図7は、キャリア周波数fcの増減行程を間引いて示すとともに、キャリア周波数fcの変化に対応した負荷電流ILを示している。
周波数拡散制御部24は、f1(fcmin)からf5(fcmax)までの離散的な5つの相異なるキャリア周波数fcを順次切り替える。例えば、図5の上段において、最初にf1のキャリア周波数fcを三角波信号Scのn1周期分だけ使用し、次にf2のキャリア周波数fcに切り替えて三角波信号Scのn2周期分だけ使用し、さらにf3のキャリア周波数fcに切り替えて三角波信号Scのn3周期分だけ使用するというように変更する。
一旦f5まで高めた後f1まで低下させた時点で、そのf1のキャリア周波数fcの使用周期を三角波信号Scのn1周期からn1−1周期に減少させ、次にf5まで高めた後f2まで低下させた時点で、そのf2のキャリア周波数fcの使用周期を三角波信号Scのn2周期からn2−1周期に減少させる。やがて、図6に示すようにf1のキャリア周波数fcの使用周期が三角波信号Scの1周期にまで減少すると、それ以降は上述した変化とは逆に各キャリア周波数fcの使用周期を1ずつ増加させていく。
その結果、図4に変化傾向線で示すように、各キャリア周波数fcの使用周期を順次減少させる期間では、5段階に亘るキャリア周波数fcの上下変化周期が徐々に短くなり、やがて各キャリア周波数fcの使用周期を増加させる期間では、5段階に亘るキャリア周波数fcの上下変化周期が徐々に長くなる。この全体としての周期はTp(fpHz)である。
次に、始動期間および停止前期間における周波数拡散制御について図8を参照しながら説明する。図8は、PWM制御信号Da1、Da2のPWMデューティ比が小さい場合における(a)周波数拡散制御実行中のキャリア周波数fcと(b)PWM駆動信号Db1、および(c)周波数拡散制御停止中のキャリア周波数fcと(d)PWM駆動信号Db1を示している。
モータ駆動装置1を起動する際に指令電圧を急激に立ち上げると、直流モータ4に速度起電力が発生していないためにMOSトランジスタ7、8に過大な電流が流れる。このため、起動時には指令電圧を徐々に高めるようにソフトスタートを行っている。また、駆動停止する停止前期間でも、直流モータ4のフリーランや急激な停止を避けるため指令電圧を徐々に下げることが行われる。すなわち、こうした起動期間および停止前期間では、指令電圧すなわちPWM駆動信号Db1のデューティ比が小さくなる。
PWM制御信号Da1のHレベルの幅(オン期間)がデッドタイム期間Tdよりも短くなると、PWM駆動信号Db1の全幅がマスクされてしまい、PWM駆動信号Db1のHレベルパルス(オンパルス)が消滅する。PWM制御信号Da1のデューティ比をDR(0〜1の範囲)とすれば、PWM制御信号Da1のオン期間はDR/fcとなるので、DR/fc≦Tdの条件下でパルスの消滅が生じる。つまり、デューティ比が小さいほど或いはキャリア周波数fcが高いほどパルスの消滅が生じ易い。
図8(b)では、周波数拡散制御を実行した結果、高い方から2つのキャリア周波数f4とf5に切り替わった期間でPWM駆動信号Db1のオンパルスが消滅していることが分かる。一方、低い方から3つのキャリア周波数f1、f2、f3に切り替わった期間では、PWM駆動信号Db1のパルス幅はPWM制御信号Da1のパルス幅からTdだけ狭まるが、パルスの消滅は生じない。
こうしたパルスの発生と消滅が繰り返されると、出力電圧のリプル電圧ひいては負荷電流ILのリプル電流が大きくなり、直流モータ4の起動トルクや制動トルクに大きな変動が生じ、トルクリプルや騒音の原因となる。そのため、周波数を拡散させているにもかかわらず、却ってラジオノイズが増加する。また、フィルタ9のコイル10等に生じるAC損は、(リプル電流実効値2×(ACR−DCR))(ただし、ACR:鉄損を表す等価抵抗、DCR:直流抵抗)で表されるので、コイル10、直流モータ4等での発熱が増加する現象が生じる。
そこで、周波数拡散制御部24は、起動期間および停止前期間のようにデューティ比が小さい期間では、同図(c)に示すように周波数拡散制御を停止し、PWM制御信号Da1、Da2のキャリア周波数fcを一定に制御する。このときのキャリア周波数fcは、同図(D)に示すように起動期間または停止前期間の全期間においてDR/fc>Tdの条件が成立することが最も好ましい。
しかし、起動期間で単調にデューティ比DRが増加し、停止前期間で単調にデューティ比DRが減少する場合、起動期間または停止前期間の少なくとも一部の期間でDR/fc>Tdの条件が成立すれば、当該期間で起動トルクまたは制動トルクが発生し且つパルスの発生と消滅が繰り返される事態を防止できる。なお、起動期間で用いるキャリア周波数と停止前期間で用いるキャリア周波数とは異なっていてもよい。
続いて、起動期間の判定方法について説明する。第1の判定方法として、周波数拡散制御部24は、デューティ検出部16から出力される指令信号のデューティ比が0から立ち上がったことにより起動開始を判定し、電圧偏差ΔVが所定の収束判定値以下になったときに起動期間が終了したと判定して周波数拡散制御を開始する。起動期間では、指令電圧出力部17から出力される指令電圧Vrは徐々に増加し、出力端子電圧Vがそれに追従するように電圧偏差ΔVを維持しつつフィードバック制御が行われる。
従って、電圧偏差ΔVが収束判定値以下になったときとは、指令電圧Vrが目標電圧に達し且つ出力端子電圧Vも目標電圧に整定した時点、つまり起動期間が終了した時点となる。一般に、定常状態で用いる目標電圧を出力するには、DR>fc・Tdを満たすデューティ比DRが必要になると考えられるため、上述したパルスの消滅は生じない。
第2の判定方法として、周波数拡散制御で用いる最も高いキャリア周波数をfcmax(=f5)とした場合、周波数拡散制御部24は、デューティ検出部16から出力される指令信号のデューティ比が0から立ち上がったことにより起動開始を判定する。そして、指令電圧信号Svを参照し、PWM制御信号Da1のデューティ比がfcmax・Tdよりも大きく設定された第1しきい値Dt1以上になったときに起動期間が終了したと判定して周波数拡散制御を開始する。
また、周波数拡散制御部24は、指令電圧信号Svを参照し、PWM制御信号Da1のデューティ比がfcmax・Tdよりも大きく設定された第2しきい値Dt2以下になったときに停止前期間に入ったと判定して周波数拡散制御を停止する。この第2の判定方法によれば、起動期間および停止前期間においてDR/fc>Tdの条件が成立するので、上述したパルスの消滅は生じない。
以上説明したように、モータ駆動装置1は、上下アームを構成するMOSトランジスタ7、8をデッドタイム期間を設けてPWM制御することにより、直流モータ4への印加電圧を制御する。この場合、PWM制御に伴うスイッチングノイズの周波数成分を分散化してノイズレベルを低減するため、周波数拡散制御部24によりキャリア周波数fcを5段階に切り替えている。
本実施形態では、起動期間および停止前期間のようにデューティ比が小さい期間で周波数拡散制御を停止しキャリア周波数fcを一定に制御するので、デッドタイム期間の存在にかかわらず、キャリア周波数fcの拡散周期Tpの間に出力ノード6にパルスが発生する期間とパルスが消滅する期間とが繰り返し現れることを防止できる。
これにより、指令電圧Vrの増加または減少に伴い、直流モータ4に印加される出力電圧が単調に増加または減少するので、出力電圧のリプルが減少し、定常運転期間に加え起動期間および停止前期間においてもPWM制御に伴うノイズ(例えば車両内の周辺機器であるラジオへのノイズ)を低減することができる。出力電圧のリプルが減少することにより、負荷電流ILのリプル分も低減するので、コイル10、MOSトランジスタ7、8などの主回路部品や負荷である直流モータ4などの発熱も抑えることができる。
周波数拡散制御部24は、電圧偏差ΔVが収束判定値以下になったときに起動期間が終了したと判定する(第1の判定方法)ので、パルスの消滅の虞がなくなった時点つまり目標電圧に整定した時点から周波数拡散制御を開始できる。これにより、パルスの消滅の可能性が低下した早い時点から周波数拡散制御を開始してPWMノイズの低減を図ることができる。
また、周波数拡散制御部24は、PWM制御信号Da1のデューティ比がfcmax・Tdよりも大きく設定された第1しきい値Dt1以上になったときに起動期間が終了したと判定する(第2の判定方法)こともできる。これにより、目標電圧の大きさにかかわらず、パルスの消滅の虞がなくなった早い時点から周波数拡散制御を開始することができる。この第2の判定方法は、停止前期間においても採用することができ、同様の効果が得られる。
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態を示すスイッチング電源装置31の概略構成図である。図1と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。スイッチング電源装置31は、入力電圧Vinを降圧して出力電圧Voutを生成するシリーズレギュレータである。駆動制御装置32(スイッチング制御装置)は、電圧制御部33とドライバ14、15とから構成されており、MOSトランジスタ7、8のゲートに対しPWM駆動信号Db1、Db2を出力する。
電圧制御部33は、指令電圧Vrを生成する指令電圧生成部(図示せず)を有しているが、第1の実施形態と同様にECU2などの外部から与えられる指令信号に基づいて指令電圧Vrを生成する構成としてもよい。電圧制御部33の動作は、既述した電圧制御部13の動作と同様である。本実施形態によっても第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形、拡張を行うことができる。
周波数拡散制御部24は、起動開始から所定の制限時間が経過した時点で起動期間が終了したと判定できない場合に周波数拡散制御を開始する保護機能を備えてもよい。
主回路は、デッドタイム期間を確保しつつスイッチング電源をPWM制御するものであればよい。従って、直流モータその他の負荷を駆動するためのHブリッジやブラシレス直流モータを駆動するための三相ブリッジなどのインバータ回路、種々のチョッパ回路、種々のスイッチング電源回路などであってもよい。
指令電圧は、第1の実施形態に示すように外部から与えてもよいし、第2の実施形態に示すようにスイッチング制御装置の内部で生成してもよい。
起動期間におけるPWM制御信号のデューティ比は、単調増加である必要はなく、一部においてデューティ比が増大する期間を含んでいればよい。同様に、停止前期間におけるPWM制御信号のデューティ比は、単調減少である必要はなく、一部においてデューティ比が減少する期間を含んでいればよい。
周波数拡散制御は、PWM制御のキャリア周波数fcを変更するものであればよく、その拡散方法は図4ないし図6に示すものに限られない。
スイッチング素子は、MOSトランジスタに限られず、バイポーラトランジスタやIGBTであってもよい。
図面中、4は直流モータ(負荷)、7、8はMOSトランジスタ(スイッチング素子)、12、32は駆動制御装置(スイッチング制御装置)、20は電圧検出部(電圧検出手段)、24は周波数拡散制御部(周波数拡散制御手段)である。

Claims (2)

  1. 指令電圧に基づいてPWM制御信号を生成し、そのPWM制御信号に対しデッドタイム期間を確保したPWM駆動信号をスイッチング素子に与えるスイッチング制御装置において、
    前記PWM制御信号のデューティ比が増大する起動期間および前記PWM制御信号のデューティ比が減少する停止前期間において、それぞれ前記PWM制御信号のキャリア周波数を一定に制御し、前記起動期間および停止前期間以外のスイッチング動作期間において、前記PWM制御信号のキャリア周波数を時間経過とともに複数の周波数に切り替える周波数拡散制御を実行する周波数拡散制御手段を備え
    前記周波数拡散制御で用いる最も高いキャリア周波数をfcmaxとした場合、前記周波数拡散制御手段は、前記起動期間において、前記PWM制御信号のデューティ比が(fcmax×デッドタイム期間)よりも大きく設定された第1しきい値以上になったことを条件として前記周波数拡散制御を開始し、前記停止前期間において、前記PWM制御信号のデューティ比が(fcmax×デッドタイム期間)よりも大きく設定された第2しきい値以下になったことを条件として前記周波数拡散制御を停止することを特徴とするスイッチング制御装置。
  2. 前記スイッチング素子から負荷に出力される電圧を検出する電圧検出手段を備え、
    前記周波数拡散制御手段は、前記起動期間において、前記指令電圧に対する前記検出電圧の偏差が所定の収束判定値以下になったことを条件として前記周波数拡散制御を開始することを特徴とする請求項1記載のスイッチング制御装置。
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