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JP5772438B2 - 電気自動車 - Google Patents
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Description

本発明は、電気自動車用に関する。本明細書における電気自動車には、燃料電池車、及び、車輪駆動用のモータとエンジンを共に有するハイブリッド車も含まれる。
電気自動車は、車輪駆動用の大出力モータ、モータに供給する電力を蓄えるバッテリ(メインバッテリ)、メインバッテリの直流電力をモータ駆動に適した交流電力に変換するインバータなど、通常のエンジン車が有さない電気デバイスであり大電流を扱う電気デバイスを多く備える。そのため、従来のエンジン車には必要の無い、電気自動車特有の様々な対策が講じられる。例えば、特許文献1には、ハイブリッド車において、走行中にエンジン停止信号が制御装置に入力されるとエンジンが強制的に停止されるのでモータに大電流が流れてしまい、メインバッテリの放電量が上限を超え、その結果、バッテリの寿命が低下してしまうことを防止する技術が開示されている。
特開2007−216833号公報
電気自動車特有の対策の一つに、ドライバが走行中に誤って車両のメインスイッチをOFFしてしまったときの対策がある。ここで、車両のメインスイッチとは、一般には「イグニッションスイッチ」と呼ばれる、運転席に設けられているスイッチであり、電気自動車の場合は、ON状態で、インバータやモータで構成される電気系統と大出力のメインバッテリをつなぐリレーが閉じ(電気系統とメインバッテリが接続され)、OFF状態ではリレーが開放される。メインスイッチがOFFされると、制御系の電気回路はOFFされる。他方、モータは惰性で回転し続けるので逆起電力を発生する。電気回路がOFFされているため、逆起電力を適切に処理する回路が作動せず、放置された逆起電力によって何らかのデバイスが損傷する虞がある。なお、「メインスイッチがOFFされたとき」とは、別言すれば、運転席のスイッチ操作により駆動系(車輪駆動用モータ、あるいは、車輪駆動用モータとエンジン)が停止した場合、ということと等価である。
そのようなデバイスの一つに、インバータ(車輪駆動用モータに交流電力を供給するインバータ)を冷却する冷却装置の電動ポンプであり、冷媒を循環させるための電動ポンプがある。従来は、車両のメインスイッチがOFFされると、電動ポンプへの電力供給は直ちに停止していた。しかしながら、車両走行中にメインスイッチがOFFされた際に電動ポンプを直ちに停止すると、以下の理由により、電動ポンプが損傷する虞がある。走行中は、インバータが動作して発熱しているため、電動ポンプは相応の流量の冷媒を吐出している。その状態で電動ポンプを停止すると(電動ポンプへの電力供給を停止すると)、冷媒の流れの慣性力により電動ポンプがその出力軸側から逆駆動され、電動ポンプに逆起電力が発生する。逆起電力の大きさが電動ポンプの許容値を上回ってしまうと電動ポンプが損傷する。本明細書は、走行中に誤って車両のメインスイッチがOFFされた場合にインバータ冷却装置の電動ポンプを保護する技術を提供する。
本明細書が開示する電気自動車は、モータに電力を供給するインバータと、インバータを冷却する冷媒を循環させる電動ポンプと、電動ポンプを制御するコントローラを備える。コントローラは、運転席に備えられた車両のメインスイッチがOFFされたときに車速がゼロでない場合、車速がゼロになるまで電動ポンプの運転を継続する。なお、「車速がゼロになるまで」とは、車速が実質的にゼロであればよく、僅かな車速(例えば時速1.0km未満)は、ゼロと見なしてもよい。また、コントローラには、メインスイッチがOFFされても車速がゼロでない間はバッテリから電力が供給される。
本明細書が開示する電気自動車は、車速がゼロでない場合は、車両のメインスイッチがOFFされても、インバータ冷却用の電動ポンプを直ちには停止せず(電力供給を停止せず)、車速がゼロになるまで運転を継続する。電動ポンプが自力で回転し続けるので、逆起電力は発生しないか、発生しても僅かである。この電気自動車は、走行中に誤って車両のメインスイッチがOFFされた場合に電動ポンプが損傷してしまうことを防止する。なお、前述したように、本明細書が開示する技術は、燃料電池車や、車両駆動用のモータとエンジンを備えたハイブリッド車に適用することもできる。
走行中に車両のメインスイッチがOFFされたときに車速がゼロでない場合、逆起電力による損傷を回避すればよいのだから、それまでと同じ回転数で電動ポンプを運転し続ける必要はない。コントローラは、メインスイッチがOFFされたときに車速がゼロでない場合、ポンプの回転数を、メインスイッチがOFFされる直前の回転数よりも低い回転数(かつゼロでない回転数)に変更することも好適である。あるいは、コントローラは、既定の回転数下限値まで、ポンプの回転数を徐々に低下させることも好適である。いずれの場合も、不必要に電動ポンプを高回転させることがない。
走行中に一時的に車両のメインスイッチがOFFされた後に運転者が気づけば再びONされることもあり得る。そのような場合に備えて、コントローラは、メインスイッチがOFFされたときに車速がゼロでない場合であってメインスイッチがOFFされた後に電動ポンプの運転を継続中にメインスイッチが再びONされた場合、メインスイッチがOFFされる前のポンプ制御に戻す。
ハイブリッド車の冷却装置のブロック図である。 コントローラが実行する処理のフローチャートである。 第2実施例のコントローラが実行する処理のフローチャートである。
(第1実施例)図1に、実施例のハイブリッド車の冷却装置100のブロック図を示す。冷却装置100は、車輪駆動用のモータ18とエンジン14を備えるハイブリッド車に搭載されている。モータ18は、動力分配器(不図示)とともに、ドライブトレイン15のケース内に配置されている。動力分配器は、モータ18の出力とエンジン14の出力を分配/合成して車軸に伝えるギアセットである。インバータ7が、バッテリ(不図示)の直流電力を交流電力に変換し、モータ18に供給する。インバータ7はまた、制動時にモータ18が発生する回生電力(交流電力)を、バッテリの充電に適した直流電力に変換する機能も有する。
冷却装置100は、インバータ7とモータ18を冷却する。冷却装置100は、インバータ7とモータ18(オイルクーラ9)とリザーブタンク8とラジエータ6を一巡する冷媒流路2内に冷媒を循環させて、インバータ7とモータ18を冷却する。本実施例のハイブリッド車は、厳密には、冷却装置100の冷媒が直接モータ18を冷却するのではない。モータ18を内蔵したドライブトレイン15には、オイルを冷媒とする独自の冷媒流路16及びポンプ17が備えられている。冷却装置100の冷媒は、オイルクーラ9にてオイルの熱を奪う。冷却されたオイルがモータ18を冷却する。即ち、冷却装置100の冷媒は、別の冷媒(オイル)を介して間接的にモータ18を冷却する。なお、冷媒は、例えばLLCである。LLC(Long Life Coolant)とは、ラジエータ液と俗称されている冷媒であり、エチレングリコール等の不凍液である。
ラジエータ6は、車両が走行している間に受ける空気によって冷媒を冷却する。リザーブタンク8は、冷媒流路2を循環する冷媒を一時的に貯めておくタンクである。冷媒流路2には上記の他に、冷媒を循環させるポンプ10が備えられている。ポンプ10は、バッテリの電力で動作する電動ポンプである。ポンプ10には、その回転数を計測する回転数センサ4が備えられている。また、ポンプ10の近傍には、冷媒流路2を流れる冷媒の温度を計測する温度センサ3が備えられている。
ポンプ10は、コントローラ12によって制御される。通常は、コントローラ12は、温度センサ3によって計測される冷媒の温度に応じて、ポンプ10を制御する。コントローラ12は、冷媒温度が高いほど、強い運転モード(高い冷媒吐出能力)でポンプ10を駆動する。本実施例では、ポンプ10の運転モードは次の5段階に分かれている。(5)から(1)の順に運転モードが強くなる(冷媒吐出能力が高くなる)。
(1)スーパーHi
(2)Hi
(3)Mid
(4)Lo
(5)スーパーLo
コントローラ12は、上位のコントローラであるHVコントローラ24から、車両のメインスイッチ26がOFFされたことを示す信号を受け取る。HVコントローラ24は、車速や冷媒温度、バッテリの充電状態(SOC:State Of Charge)などの情報に基づき、コントローラ12に対してモータへ出力する電力の目標値(あるいはモータが出力すべきトルクの目標値)を与えたり、メインスイッチ26の状態を伝える。
メインスイッチ26は、運転席に設けられているいわゆるイグニッションスイッチである。メインスイッチ26はロータリ式であり、次の4段階の状態を取り得る。
(1)OFF:車両システムが完全に停止した状態である(但し、時計やセキュリティシステムなど、常時通電を要するデバイスでは電力が供給される)。
(2)ACC−ON(Ready−OFF):いわゆるアクセサリ−オンであり、オーディオやヘッドライト、エアコンなどへは電力が供給された状態である(ただし、それらのデバイスのスイッチがOFFであればそれらのデバイスは作動しない)。なお、メインバッテリをインバータに接続するリレー(システムメインリレー)は開放されたままであり、走行駆動系には電力は供給されていない。
(3)Ready−ON:システムメインリレーが閉じた状態(メインバッテリと走行駆動系の電気系が接続された状態)である。この状態では、インバータに電力が供給されている(ただし、インバータ内のスイッチング素子が作動しないかぎり、モータへは電力は供給されない)。
(4)Cell−Start:いわゆるセルスタート状態であり、セルモータが駆動し、エンジンを回転させる。Cell−Start状態で運転者が手を離すと、メインスイッチ26は、スプリングの反力によりRead−ON状態に戻る。
コントローラ12は、メインスイッチ26が「Ready−ON」状態において、アクセルが踏みこまれていれば、アクセル開度に応じてモータ18及び/又はエンジン14を駆動する。モータ18及び/又はエンジン14を駆動している間は、コントローラ12は、前述したように、冷媒温度に応じてポンプ10を制御する。
コントローラ12は、上位のHVコントローラ24から、メインスイッチ26がOFFされたことを示す信号を受信すると、冷却装置100に関して、図2に示すフローチャートの処理を実行する。なお、ここで、「メインスイッチ26がOFFされた」とは、前述した4段階のスイッチ状態において、(3)のReady−Onから、(1)のOFF、又は(2)のACC−ON(Ready−OFF)に切り換わったことを意味する。
図2のフローチャートに沿って、コントローラ12が実行する処理を説明する。HVコントローラ24からメインスイッチ26がOFFされたことを示す信号を受信すると、コントローラ12は、車速がゼロであるか否かを確認する(S2)。なお、コントローラ12には、車速センサ22の信号が送られる(図1参照)。車速がゼロである場合(S2:YES)、即ち、車両が停止している場合、コントローラ12は、直ちにポンプ10を停止する(S7)。ここで、ポンプ10を停止する、とは、ポンプ10への電力供給を停止することを意味する。
メインスイッチOFFを示す信号を受信したときに車速がゼロでない場合(S2:NO)、コントローラ12は、ポンプ10の運転モードをそれまでの運転モードから一段階下げる(S3)。例えば、メインスイッチ26がOFFされたときの運転モードが「スーパーHi」であった場合、コントローラ12は、ステップS3において、運転モードを「Hi」に変更する。また、例えば、メインスイッチ26がOFFされたときの運転モードが「Mid」であった場合、コントローラ12は、ステップS3において、運転モードを「Lo」に変更する。なお、メインスイッチ26がOFFされる直前の運転モードが「スーパーLo」であった場合、それ以上弱い運転モードは存在しないから、その場合コントローラ12は、運転モードを「スーパーLo」のまま維持する。即ち、コントローラ12は、ポンプ10を、冷媒吐出力の異なる複数段階の運転モードのいずれかに設定可能であり、メインスイッチ26がOFFされたときに車速がゼロでない場合、運転モードを一段階下げる。ただし、メインスイッチ26がOFFされたときに車速がゼロでない場合の運転モードが最低の運転モードの場合は、その運転モードを維持する。
ポンプ10の運転モードを一段階下げた後、コントローラ12は、車速がゼロになるまで、メインスイッチ26が再びONされたことを示す信号を受信したか否かをモニタする(S4、S5:NO)。メインスイッチ26が再びONされたことを示す信号もHVコントローラ24から送られる。車速がゼロになる前にメインスイッチ26が再びONされたことを示す信号を受信すると、コントローラ12は、通常のポンプ制御モードに戻る(S4:YES、S6)。別言すれば、コントローラ12は、メインスイッチがOFFされたときのポンプ運転モードに戻る。
他方、メインスイッチ26が再びONになることなく車速がゼロになったら(S5:YES)、コントローラ12は、ポンプ10を停止して(ポンプ10への電力供給を停止して)、処理を終了する(S7)。
上記説明したように、第1実施例のハイブリッド車は、メインスイッチ26がOFFされたときに車速がゼロであれば直ちにポンプ10を停止し、そうでなければポンプ10の運転を継続する。そのような処理を備えることによって、走行中に誤ってメインスイッチ26がOFFされた場合に、冷媒の慣性力によってポンプ10が逆駆動され、そのことによってポンプ10が損傷してしまうことを防止する。
(第2実施例)次に、第2実施例の電気自動車を説明する。第2実施例の電気自動車のハードウエア構成は第1実施例の電気自動車(ハイブリッド車)と同じである。従って以下の説明においてハードウエア構成を示す際は図1の符号を用いる。第2実施例の電気自動車は、コントローラ12が実行する処理が第1実施例とは異なる。図3に、第2実施例のハイブリッド車のコントローラ12が実行する処理のフローチャートを示す。
HVコントローラ24からメインスイッチ26がOFFされたことを示す信号を受信すると、コントローラ12は、車速がゼロであるか否かを確認する(S12)。車速がゼロである場合(S12:YES)、即ち、車両が停止している場合、コントローラ12は、直ちにポンプ10を停止する(S18)。メインスイッチOFFを示す信号を受信したときに車速がゼロでない場合(S12:NO)、コントローラ12は、ポンプ10の回転数が予め定められた下限回転数であるか否かをチェックする(S13)。ポンプ10の回転数が予め定められた下限回転数を上回っている場合(S13:NO)、コントローラ12は、ポンプ10の回転数を所定の回転数だけ下げる(S14)。下限回転数の一例は、第1実施例における最低の運転モード(スーパーLo)の回転数である。また、所定の回転数は、例えば100[rpm]である。他方、ポンプ10の回転数が予め定められた下限回転数の場合(S13:YES)、コントローラ12は、ステップS14をスキップしてステップS15に移る。
コントローラ12は、車速がゼロでない間(S16:NO)、上記したステップS13、S14の処理を繰り返す。即ち、コントローラ12は、車速がゼロでない間(S16:NO)、下限回転数となるまで、ポンプ10の回転数を所定回転数ずつ下げる。また、コントローラ12は、車速がゼロでない間にメインスイッチ26が再びONされたことを示す信号を受信すると、通常のポンプ制御モードに戻る(S15:YES、S17)。別言すれば、コントローラ12は、メインスイッチがOFFされたときのポンプ運転モードに戻る。
車速がゼロになると、即ち、車両が停止すると、コントローラ12は、ポンプ10の運転を停止する(S16:YES、Y18)。
第2実施例のハイブリッド車は、メインスイッチ26がOFFされたときに車速がゼロであれば直ちにポンプ10を停止し、そうでなければポンプ10の運転を継続する。車速がゼロでない間、コントローラ12は、下限回転数までポンプ10の回転数を徐々に下げる。そのような処理を備えることによって、走行中に誤ってメインスイッチ26がOFFされた場合に、ポンプ10が損傷してしまうことを防止するとともに、ポンプ10を無駄に高回転に維持しない。
実施例の技術に関する留意点を述べる。実施例の電気自動車は、メインスイッチがOFFされたときに車速がゼロでなければポンプの駆動を継続した。「車速がゼロ」とは、実質的に車速がゼロであればよい。例えば、実施例の電気自動車は、車速が5[km/h]未満のときに「車速がゼロ」と判断するものであってもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:冷媒流路
3:温度センサ
4:回転数センサ
6:ラジエータ
7:インバータ
8:リザーブタンク
9:オイルクーラ
10:ポンプ
12:コントローラ
14:エンジン
15:ドライブトレイン
16:冷媒流路
17:ポンプ
18:モータ
100:冷却装置

Claims (3)

  1. 車輪駆動用のモータを備えた電気自動車であり、
    モータに電力を供給するインバータと、
    インバータを冷却する冷媒を循環させる電動ポンプと、
    電動ポンプを制御するコントローラと、
    を備えており、
    コントローラは、運転席に備えられた車両のメインスイッチがOFFされたときに車速がゼロでない場合、車速がゼロになるまで電動ポンプの運転を継続するとともに、
    コントローラは、メインスイッチがOFFされたときに車速がゼロでない場合であってメインスイッチがOFFされた後に電動ポンプの運転を継続中にメインスイッチが再びONされた場合、メインスイッチがOFFされる前のポンプ制御に戻ることを特徴とする電気自動車。
  2. コントローラは、メインスイッチがOFFされたときに車速がゼロでない場合、電動ポンプの回転数を、メインスイッチがOFFされる直前の回転数よりも低い回転数に変更することを特徴とする請求項1に記載の電気自動車。
  3. コントローラは、メインスイッチがOFFされたときに車速がゼロでない場合、電動ポンプの回転数を徐々に低下させることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車。
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