以下、本発明の実施の形態の1つにおける画像読取装置について説明する。
画像読取装置は、例えば、画像形成装置に設けられている。画像形成装置は、例えば、スキャナ機能、複写機能、プリンタとしての機能、ファクシミリ機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)である。スキャナ機能は、画像読取装置により、セットされた原稿の画像を読み取ってそれをHDD(Hard Disk Drive)等に蓄積する機能である。複写機能は、さらにそれを用紙等に印刷(プリント)する機能である。プリンタとしての機能は、PC等の外部端末から印刷指示を受けるとその指示に基づいて用紙に印刷を行う機能である。ファクシミリ機能は、外部のファクシミリ装置等からファクシミリデータを受信してそれをHDD等に蓄積する機能である。データ通信機能は、接続された外部機器との間でデータを送受信する機能である。サーバ機能は、複数のユーザでHDD等に記憶したデータなどを共有可能にする機能である。
画像読取装置は、原稿を両面同時に読み取り可能である。画像読取装置は、原稿の裏面をCIS(Contact Image Sensor:密着型イメージセンサ)を用いて読み取る読取部を持つ。CISが画像を読み取る前には、シェーディング補正用の補正データの取得が行われる。CISに対向する位置に、対向面が設けられている。補正データは、その対向面を利用して取得される。
その対向面は、モータなどにより回転させることで切り替えることが可能である。具体的には、対向面は、CISから所定距離だけ離れた回転軸を中心に回転可能な柱状体であるローラの側周面に設けられている。本実施の形態では、回転軸に垂直な断面における輪郭に楕円弧部分を含むような形状のローラが用いられる。対向面には、白シェーディング面(白基準面)が含まれている。対向面には、ほかに、黒シェーディング面(黒基準面)や、原稿が通紙されるときに用いられる通紙面などが含まれていてもよい。
ローラには、清掃ブラシが設けられている。画像形成装置は、ローラを回転させながら、原稿の通紙、シェーディング補正用の補正データの取得、及び清掃ブラシによる清掃動作を一連の動作として行う。
ローラは、モータにより回転される。本実施の形態において、CISから対向面までの距離は、ローラが回転することに伴って変化する。CISからローラの対向面までの距離は、モータの回転量から特定される。
補正データとしては、原稿の読取面に相当する位置(通紙位置)におけるものが、演算により求められる。すなわち、ローラを回転させながら、対向面の読み取りが行われる。これにより、CISから対向面までの距離変動に応じた光量データの読み取り結果が得られる。互いに距離の異なる基準面について得られた、複数の系列の光量データを用いて、読取面(通紙位置)の補正データが演算され、取得される。
原稿読取時のシェーディング補正は、取得された読取面の補正データに基づいて行われる。したがって、読取面と基準面との間に原稿の厚み分のギャップがあっても、そのギャップに関係なく、適正なシェーディング補正を行うことが可能になる。特に、例えば光源として距離依存性の高いLED光源を使用する場合など、配光プロファイルの変化が大きいときでも、それに関係なく、高精度のシェーディング補正を行うことができる。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像読取装置を備えた画像形成装置を示す図である。
図1に示されるように、画像形成装置100は、スキャナ(画像読取装置の一例)200と、プリンタ400と、制御装置500と、操作部600とを備える。
スキャナ200には、表面読み取りのためのCCD(第2の読取手段の一例)201と、スキャナ制御部203とが設けられている。スキャナ200は、ADF(自動原稿搬送装置;搬送手段の一例)300を有する。ADF300には、裏面読取のためのCIS(読取手段の一例)301と、ADF制御部303とが設けられている。スキャナ200は、ADF300による1回の原稿搬送動作を行ったときにCCD201とCIS301とで原稿の両面を読み取り可能である。
プリンタ400は、例えば、電子写真方式により用紙に画像をプリントする。プリンタ400には、レーザダイオード(LD)401と、プリンタ制御部403とが設けられている。
制御装置500には、CCD201及びCIS301からの信号を処理する読取処理部501と、画像データの圧縮を行う圧縮IC503と、画像メモリ(DRAM)505と、画像メモリの制御を行うDRAM制御IC507と、画像データを伸長する伸長IC513と、プリンタでの画像出力を行う書き込み処理部515と、プログラムや定数を記憶する不揮発メモリ511と、画像処理の制御を行う画像制御部509とが設けられている。
不揮発メモリ511には、例えば、画像制御部509などにより実行され、画像形成装置100の種々の制御を行うための制御プログラム511aが記憶されている。
画像メモリ505は、圧縮メモリ505aと、ページメモリ505bとを含む。
操作部600には、オペレータに対して各種情報を表示するLCD(液晶表示装置)601と、タッチパネルやキーなどからなる操作制御部603とが設けられている。
画像制御部509は、CCD201やCIS301により、基準面の画像を読取って、所定の画像補正(シェーディング補正など)を行う機能を備える。これらの機能は、画像制御部509が、制御プログラム511aを実行し、画像形成装置100の各部を制御することなどにより行われる。
図2は、ADF300内のADF制御部303に接続される制御対象を示す図である。
CPUが取り付けられたADF制御部303と、ADF駆動基板305とは、例えばパラレル転送可能に接続されている。ADF駆動基板305は、各種モータ309、各種センサ311、及びその他の負荷307に接続されている。ADF駆動基板305は、モータ309や負荷307などへの出力やセンサ入力を行い、ADF制御部303と情報をやり取りする。
各種モータ309には、原稿トレイリフトアップダウンモータ309b、CIS対向板(ローラ)のローラ駆動モータ309c、及び原稿給紙のための給紙搬送モータ310などが含まれる。各種センサ311には、給紙搬送センサ311aと、カバー開閉検知センサ311bとが含まれる。その他の負荷307には、給紙クラッチ307a及びCIS301のCISランプ307bなどが含まれる。
ADF駆動基板305は、給紙搬送モータ310やローラ駆動モータ309cなどのドライブ回路を有する。ADF駆動基板305は、ADF制御部303からの駆動信号などに応じて、これらのモータを動作させる。
給紙搬送センサ311aは、通紙経路に設けられている。給紙搬送センサ311aは、原稿の所定場所の通過などを検出できるようになっている。給紙搬送センサ311aの検出結果に基づいて、通紙タイミング制御を含む原稿搬送制御が行われる。
原稿通紙中に紙詰まりが発生したときには、ADF300は、動作を緊急停止する。ADF300の通紙経路は、カバーで開閉されるようになっている。これにより、紙詰まりが発生しても、原稿を通紙経路から取り除きやすいようになっている。このカバーの開閉検出は、カバー開閉検知センサ311bによって検出される。カバー開閉検知センサ311bにより、カバーがすべて閉まっている状況であって原稿通紙経路上に紙がない状態であることが検出されると、ADF300は動作可能となる。
図3は、ADF制御部303の制御機構の構成を示す図である。
CPU303aは、例えば、メカニカルコントロール用に用いられる。CPU303aには、ROMやRAMなどが内蔵されている。CPU303aは、バスを介して、SRAM303bやASIC303cなどに接続されている。ASIC303cにより、入出力を拡張したり、追加のモータなどを制御したりできるようになっている。SRAM303bは、例えば、制御に用いられる種々の調整値などを記憶する。
図4は、スキャナ200の内部構成を示す図である。
図4に示されるように、スキャナ200は、大まかに、原稿台220を有するスキャナ本体と、スキャナ本体の上方に配置されたADF300を有している。スキャナ200は、原稿台220上に配置された原稿の読み取りが可能であるほか、ADF300を用いた原稿の読み取りも可能である。
スキャナ本体の内部には、光源210と、ミラー205a,205b,205cと、CCD201とが配置されている。光源210から出射されて原稿の表面(図4において下側となる面)で反射された光は、ミラー205a〜205cにより反射されてCCD201に入射する。原稿が搬送されながらその反射光がCCD201により読み取られることで、原稿の表面の画像が読み取られる。
ADF300は、原稿載置台321と、排紙トレイ323とを有している。原稿載置台321には、ADF300の内部に搬送されて読み取られる原稿が載置される。排紙トレイ323には、読み取られた原稿がADF300の内部から排出される。
ADF300の内部には、原稿載置台321から排紙トレイ323まで繋がる通紙経路が設けられている。通紙経路に沿って、複数の搬送ローラ341〜348(以下、これらを区別せず搬送ローラ340ということがある)や、ローラ230,330、CIS301などが設けられている。
ローラ230は、光源210に対向する位置に配置されている。ローラ230は、CCD201のシェーディング補正などを行うことができるように配置されている。なお、ローラ230は設けられていなくてもよい。
CIS301は、原稿の表面の読み取り位置(ローラ230が配置されている位置)よりも原稿搬送方向下流側に、原稿の裏面に対向するようにして配置されている。ローラ330は、通紙経路を挟んでCIS301に対向するようにして配置されている。
搬送ローラ340は、給紙搬送モータ310(給紙モータ310a、レジストモータ310b、読取モータ310c、及び排紙モータ310d)により駆動される。すなわち、給紙モータ310aは、給紙クラッチ315を駆動させることで、ピックローラ341及び給紙ローラ342により、原稿載置台321の原稿を1枚ずつ給紙する。また、給紙モータ310aは、搬送ローラ343を駆動する。レジストモータ310bは、レジストローラ344を駆動する。読取モータ310cは、搬送ローラ345〜347や、ローラ230,330などを駆動する。排紙モータ310dは、排紙ローラ348を駆動する。
搬送ローラ343とレジストローラ344との間の通紙経路には、給紙搬送センサ311aが配置されている。給紙搬送センサ311aの検知結果に基づいて、適切なタイミングで原稿が搬送される。
スキャナ200は、ADF300により、原稿載置台321に置かれた原稿を図4の矢印“A”方向に引き込む。ローラ230が設けられている位置まで搬送された原稿に光源210から光が出射されると、CCD201は、原稿の表面の画像を、ミラー205a〜205cを介して読み込む。また、ADF300は、CIS301とローラ230との間に原稿を搬送し、CIS301で原稿の裏面の画像を読み込む。CCD201及びCIS301による原稿の画像の読み込みは、原稿を搬送しながら行われる。読み込みが終わった原稿は、排紙ローラ348によって排紙トレイ323上に排出される。
図5は、CIS301とローラ330との位置関係を説明する図である。
図5に示されるように、本実施の形態において、ローラ330は、回転軸335を中心に回転可能に配置されている。ローラ330は、例えば、ローラ駆動モータ309cによって駆動され、回転する。回転軸335は、原稿の搬送方向に対して略直交する方向(紙面に垂直な方向)が長手方向となるようにして配置されている。すなわち、ローラ330は、原稿搬送方向に交わる回転軸335で回転する。回転軸335は、CIS301のうち、ローラ330に対向するガラス面301aから所定の距離だけ離れるようにして、ガラス面301aに平行となるように位置している。
ローラ330は、ローラ本体331と、ローラ本体331から突出する清掃ブラシ(清掃部材の一例)333とを有している。
ローラ本体331は、柱状体である。ローラ本体331の側周面は、CIS301のシェーディング補正時において基準面となるように構成されている。すなわち、ローラ本体331は、CIS301の画像補正の基準となる基準面をその側周面に有している。
ローラ本体331は、回転軸335に直交する断面(以下、単にローラ断面ということがある。)における輪郭に楕円弧部分を含むように形成されている。ローラ断面の輪郭は、楕円弧と、その楕円弧が属する楕円の長軸に垂直な線分とで構成されている。すなわち、ローラ本体331は、回転軸335に平行な平坦面331bと、楕円柱面331aとで囲まれた形状を有している。ローラ本体331において、楕円柱面331aの一部が、例えば白色の基準面となっている。なお、楕円柱面331aの他の一部に、黒色の基準面が設けられていてもよい。
回転軸335は、ローラ断面においてローラ本体331の楕円弧が属する楕円の中心となる位置、すなわち楕円柱面331aの長軸と短軸が交差する位置に位置している。回転軸335からローラ本体331の楕円柱面331aまでの距離は、回転軸335回りに異なっている。すなわち、当該距離は、ローラ断面において短軸がある位置において最も短く、長軸がある位置において最も長くなる。
清掃ブラシ333は、例えば、平坦面331bに対して略垂直な方向に突出するように形成されている。清掃ブラシ333は、その先端部にブラシ部333aを有している。清掃ブラシ333は、ローラ330の長手方向に沿って設けられている。回転軸335からブラシ部333aの先端部までの距離は、回転軸335からCIS301のガラス面301aまでの距離よりわずかに長くなっている。
ローラ330がローラ駆動モータ309cにより駆動されると、図において矢印R方向に回転する。
ローラ330が回転すると、それに伴って、CIS301からローラ本体331の側周面すなわち基準面までの距離(本実施の形態においては、ガラス面301aから楕円柱面331aまでの距離)が変化する。ローラ330は、原稿の読取動作時において回転し、CIS301のシェーディング補正動作など、読み取る原稿の画像補正に利用される。
また、ローラ330が回転し、清掃ブラシ333がCIS301に対面する位置に到達すると、ブラシ部333aがガラス面301aに接触する。ブラシ部333aがガラス面301aに接触しながら、ローラ330がさらに回転することで、ブラシ部333aにより、ガラス面301aが清掃される。これにより、ガラス面301aに付着したちりや汚れなどが取り除かれ、ちりや汚れなどによる読み取りトラブルが防止される。
[CIS301による原稿読取時の動作の説明]
ここで、CIS301により原稿が読み取られるとき、読み取る原稿の画像補正に用いる補正データの取得と、ADF300による原稿搬送動作と、清掃ブラシ333による清掃動作とが、一連の動作として行われる。これらの動作は、必要に応じて適時にローラ駆動モータ309cがローラ330を回転させながら行われる。
原稿の画像補正には、シェーディング補正が含まれる。シェーディング補正用の補正データは、CIS301によりローラ330の基準面の画像を読み取った結果に基づいて得られる。補正データの取得は、例えば、主に画像制御部509の制御に基づいて行われるが、これに限られず、他の部位による制御に基づいて行われてもよい。
補正データを得るために行われる基準面の読み取りは、ローラ330を回転させながら、すなわちCIS301のガラス面301aから楕円柱面331aまでの距離を変更しながら、例えば3回行われる。換言すると、CIS301から基準面までの距離が互いに異なる、例えば3つの状態のそれぞれにおいて、CIS301により、基準面の画像の読み取りが行われる。
本実施の形態において、基準面の画像の読み取りは、ローラ330が、次の3通りの姿勢(回転軸335周りの回転角)をとっているときにそれぞれ行われる。すなわち、図5において破線で示されている姿勢(回転角0度;以下、A姿勢ということがある。)、点線で示されている姿勢(回転角約60度;以下、B姿勢ということがある。)、実線で示されている姿勢(回転角90度;以下、C姿勢ということがある。)の3通りの姿勢である。なお、図5において、A姿勢及びB姿勢については、清掃ブラシ333の図示を省略している。
ローラ330がA姿勢であるとき、ガラス面301aから楕円柱面331a上の基準面までの距離(以下、単に距離ということがある)は、例えば、1.2ミリメートルである。ローラ330がB姿勢であるとき、距離は、例えば0.9ミリメートルである。ローラ330がC姿勢であるとき、距離は、例えば0.6ミリメートルである。なお、本実施の形態において、ガラス面301aから原稿の読取面までの距離は0.3ミリメートルであると想定されている。読取面までの距離は原稿の厚みによって異なるが、平均的な厚みの原稿を想定し、上記の値が想定されている。
画像制御部509は、このようにして例えば3回行われた基準面の画像の読み取り結果に基づいて、搬送される原稿の通紙位置に対応する補正データを演算する。画像制御部509は、演算した補正データを用いて、通紙位置に対応するシェーディング補正、すなわち上記読取面の位置についてのシェーディング補正を行う。
ここで、画像制御部509は、ローラ駆動モータ309cの動作に関する情報を取得し、その情報に基づいて、ローラ330がA〜C姿勢であることを特定する。これにより、画像制御部509は、CIS301のガラス面301aから楕円柱面331aまでの距離を特定でき、特定した距離についての上記の補正データの算出を行う。例えば、ローラ駆動モータ309cの回転量が、基準位置から、0度、60度、90度であるとき、それぞれローラ330の姿勢が、A姿勢、B姿勢、C姿勢であると特定できる。なお、予めローラ駆動モータ309cの回転量とそれに対応する距離のデータを記録しており、回転量を取得することで、それに対応する距離を特定できるようにしてもよい。
なお、原稿が通紙されるときには、ローラ330は、上述のA姿勢のローラ330に対して回転軸335について対称となる姿勢(通紙姿勢;回転角が180度の状態)となる。すなわち、原稿の通紙時には、ローラ330は、ローラ断面においてローラ本体331の楕円弧が属する楕円の長軸が原稿の通紙方向と略一致するような姿勢となる。これにより、楕円柱面331aとCIS301のガラス面301aとの距離が最も広くなり、原稿にローラ330が触れにくくなるため、スムーズに原稿を搬送できる。なお、ローラ330は、原稿の通紙時にA姿勢となるようにしてもよい。
図6は、スキャナ200の読取動作時の動作を説明するフローチャートである。
ステップS101において、画像制御部509は、読取動作をスタートするか否かを判断する。すなわち、画像制御部509は、シェーディング補正を開始するか否かを判断する。画像制御部509は、例えば、原稿載置台321に原稿が載置されている状態で、読み取りを開始するためのスタートボタンが操作された場合などにおいて、読取動作をスタートすると判断する。読取動作をスタートすると判断されたとき、ステップS102の処理に進む。なお。このとき、ローラは、A姿勢となっている。
ステップS102において、画像制御部509は、ローラ330を必要に応じて回転させ、ローラ330をA姿勢とする。なお、ローラ330がA姿勢であるときには、このステップの動作は実質的には行われなくてもよい。
ステップS103において、画像制御部509は、ローラ330がA姿勢である状態で、CIS301によりローラ330の基準面を読み取る。これにより、距離が距離A(1.2ミリメートル)である状態についてのデータ取得が行われる。
ステップS104において、画像制御部509は、ローラ330を回転させてB姿勢をとるようにし、CIS301によりローラ330の基準面を読み取る。これにより、距離が距離B(0.9ミリメートル)である状態についてのデータ取得が行われる。
ステップS105において、画像制御部509は、ローラ330を回転させてC姿勢をとるようにし、CIS301によりローラ330の基準面を読み取る。これにより、距離が距離C(0.6ミリメートル)である状態についてのデータ取得が行われる。
ステップS106において、画像制御部509は、距離A,距離B,距離Cのそれぞれについて取得されたデータに基づいて、読み取り位置における補正データの演算を行う。すなわち、画像制御部509は、読取面における補正データを演算する。このような演算処理の詳細については、後述する。これにより、読取面における補正データが得られる。
ステップS107において、画像制御部509は、ローラ330をC姿勢の位置から回転させて、ローラ330が通紙姿勢をとるようにする。
ステップS108において、画像制御部509は、原稿を通紙させ、CIS301により読み取る。このとき、画像制御部509は、演算して得られた補正データを用いて、読み取る画像についてシェーディング補正を行う。
ステップS109において、画像制御部509は、ローラ330を回転させる。これにより、清掃ブラシ333がガラス面301a側に位置するようになる。
ステップS110において、画像制御部509は、ローラ330の回転を続け、清掃ブラシ333により、ガラス面301aの清掃を行う。
ステップS111において、画像制御部509は、最後のページについて読み取りが終わったか否か、すなわち読み取られるべきページがなくなったか否かを判断する。
ステップS111で最後のページについて読み取りが終わったのでなければ、ステップS113において、画像制御部509は、シェーディング補正の補正データを取得しなおすことが必要か否かを判断する。必要であれば、ステップS103からステップS106までの処理を再度行った後、次のページの読み取り及び清掃を行う(ステップS107からステップS110)。他方、必要でなければ、そのまま、次のページの読み取りを行い、既に演算済みの補正データを用いてシェーディング補正を行う。補正データを取得する必要があるか否かは、例えば、CISの光源の点灯時間や、前回補正データを演算してから読み取った原稿の枚数などに応じて判断されるようにすればよい。また、種々のセンサ(温度センサ、照度センサなど)の入力に応じて、上述の判断が行われるようにしてもよい。
ステップS111において最後のページについて読み取りが終わったときは、一連の処理が終了する。
図7は、CIS301により基準面を読み取ったときの光量データについて説明する図である。図8は、CIS301から基準面までの距離と光量との関係を説明する図である。
図7及び図8を参照しながら、読み取り位置における補正データの演算方法について説明する。
図7において、横軸は、主走査方向(原稿の通紙方向に直交する方向)のCIS301の画素の位置に対応する値(例えば、主走査方向の一方の端部から数えて当該画素までの画素数)を示す。また、縦軸は、基準面の読取時のCIS301で得られる光量の大きさを示す。図7においては、CIS301のガラス面301aから基準面までの距離が1.2ミリメートル、0.6ミリメートル、0.3ミリメートルのそれぞれである場合に基準面を読み取って得られる光量データ(生データ)が実線により示されている。
図8において、横軸は、CIS301のガラス面301aから基準面までの距離を示し、縦軸は、基準面の読取時のCIS301で得られる光量の大きさを示す。図8においては、CIS301の2つの画素(画素位置Aの画素、画素位置Bの画素)についての、距離と光量との関係が示されている。なお、ここで距離と光量との関係が示されている2つの画素は、図7において示されている画素位置Aの画素と画素位置Bの画素に対応している。
図7に示されるように、主走査方向中央部は光量が大きくなり、主走査方向両端部は比較的光量が小さくなる。このように配光プロファイルが不均一であるので、CIS301で読み取る画像について、シェーディング補正を行う必要がある。本実施の形態では、CIS301の光源として、例えばLED(発光ダイオード)が用いられている。このようなLED光源は距離依存性が高いものであるため、配光プロファイルの不均一性は、距離の変化に応じて変化する。すなわち、例えば、距離が0.6ミリメートルである場合の光量データと、距離が1.2ミリメートルである場合の光量データとでは、後者の方が、主走査方向中央部の光量に対して両端部の光量が小さくなる度合いが大きくなる。
ここで、原稿の読取面について、距離は0.3ミリメートルであるところ、距離が0.3ミリメートルとなる位置に基準面を用意することはできない。すなわち、読取面におけるシェーディング補正の補正データを、CIS301で直接読み取ることで求めることはできない。そのため、本実施の形態では、上述のようにローラ330を回転させながら得た、距離が1.2ミリメートル、0.9ミリメートル、0.6ミリメートルのそれぞれである場合にCIS301で基準面を読み取って得た、距離A〜Cの3系列の光量データ(生データ)に基づいて演算を行うことで、読取面における補正データが求められる。
図8に示されるように、例えば、画素位置Aについて、3系列の光量データ901a,901b,901cが得られると、最小自乗法などにより、その光量データ901a,901b,901cについて近似をとり、2次関数が求められる。近似する関数が求められると、距離が0.3ミリメートルである場合における光量データ905が、外挿により求められる。同様に、例えば画素位置Bについても、3系列の光量データ911a,911b,911cについて2次関数が求められ、距離が0.3ミリメートルである場合における光量の光量データ915が、外挿により求められる。
このようにして、距離が0.3ミリメートルである読取面における光量データは、距離A〜Cの3系列の光量データを用いて、外挿を行うことにより得られる。読取面の光量データは、それぞれの画素において演算される。これにより、図7において破線で示されるように、読取面における光量データが求められ、これに対応する補正データが演算により得られる。シェーディング補正では、光量が落ち込む主走査方向両端部のゲインが、主走査方向中央部よりも比較的大きくされて、画像の読み取りが行われる。上記のようにして取得された読取面における補正データを用いてシェーディング補正が行われるので、適正に画像が補正される。
なお、図7においては、二点鎖線により、距離が0ミリメートルである場合における仮想的な光量データと、距離が0.3ミリメートルである場合すなわち読取面における仮想的な光量データが示されている。上述のようにして外挿により求められた読取面における光量データは、二点鎖線で示されている仮想的な光量データによく一致している。すなわち、上述のようにして演算が行われることで、本来直接測定できない読取面の位置における光量データを、良好な精度で求めることができる。
以上説明したように、本実施の形態においては、CIS301から基準面までの距離が異なる3つの系列の光量データを用いて、外挿により読取面における光量データを算出し、得られた読取面における光量データを用いて、読取面における補正データが演算により取得される。これにより、読取面に基準面を位置させなくても、精度良く補正データを求め、適正にシェーディング補正を行うことができる。CIS301の光源として距離依存性の高いLED光源を使用する場合であっても、読取面における補正データを求めることができるので、適正に画像を読み取ることができる。
読取面に基準面を位置させなくても、読取面における補正データが得られる。わざわざユーザが基準面を読取面の位置にセットすることが必要なく、ローラ駆動モータ309cによりローラ330を回転させることで、適正に補正データを得ることができる。したがって、例えば原稿間(像間)において補正データを取得し直すことも、容易にかつ速やかに行うことができ、画像形成装置100の生産性を向上させることができる。
ローラ330には清掃ブラシ333が設けられているので、ローラ330の回転に伴い、CIS301が清掃される。したがって、常に良好な状態で原稿が読み取り可能になる。
CIS301から基準面までの距離は、ローラ駆動モータ309cの回転量に基づいて特定される。そのため、基準面までの距離を測定するためのセンサや、ローラの位置を把握するためのエンコーダなどを別途設ける必要がなくなるので、画像形成装置100の製造コストを低減できる。
[その他]
予め指定された原稿の厚みに応じて、想定する読取面のCISからの距離を変更し、その距離における補正データを得るようにしてもよい。ADFに原稿の厚みセンサを設け、厚みセンサによる原稿の厚みに関する検出結果に応じて、想定する読取面のCISからの距離を変更してもよい。
光量データは、3系列より多く読み取られてもよい。2系列の光量データを読み取るようにしてもよい。読取面における光量データは、読み取って得た光量データを直線近似することにより算出されてもよいし、3次以上の関数で近似することにより算出されてもよい。
ローラは、楕円柱面を有しないものであってもよい。例えば、ローラは、他種の曲面状の基準面を外周面に有し、回転軸を中心に回転することで、CISから基準面までの距離が変化するように構成されていてもよい。また、ローラは、回転軸からの距離が異なる複数の平面状の基準面を有するものであってもよい。CISからの距離が異なる各基準面について光量データを得ることで、上述の実施の形態のようにして読取面における補正データを演算することができる。
また、例えば、ローラは、多角柱型であったり、円柱型であったりしてもよい。このような場合、ローラは、例えばその中心軸から回転軸が偏心するようにして設けられ、ローラが回転するのに伴い、CISから基準面までの距離が変化するように構成されていればよい。
画像読取装置を備えた画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やこれらの複合機(MFP)などいずれであってもよい。また、画像形成機能を有しない画像読取装置にも本発明は適用可能である。
画像読取装置は、CCDに代えて、CISを2つ備えたものであってもよい。この場合、CISの一方に対して上述の実施の形態のようなローラが設けられていてもよいし、2つのCISのそれぞれに上述の実施の形態のようなローラが設けられていてもよい。CCDに対して設けられているローラも、上述の実施の形態のような構成を有するものとしてもよいし、他の構成としてもよい。
画像読取装置は、原稿を読み取るための読取部として、CIS及び上述の実施の形態のようなローラの組合せを1組のみ有していてもよい。この場合、ADFによる1回の原稿搬送動作で、原稿の片面を読み取ることができる。なお、ADFの通紙経路に原稿の反転機構を設け、1枚の原稿が、裏表を代えて読取部を2回通過するようにすることで、1つのCISを用いて原稿の両面を容易に読み取りできるように構成されていてもよい。
上記の画像読取装置の特徴を適宜組み合わせてもよい。ローラを回転させてCISなどとローラの基準面との距離を変更しながら読み取ったデータに基づいて、原稿の通紙位置に対応する補正データを演算することで、その補正データを用いて、適切にシェーディング補正を行うことができる。
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。上記のフローチャートで文章で説明された処理は、そのプログラムに従ってCPUなどにより実行される。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。