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JP5773280B2 - 抗酸菌の溶菌とその核酸の分離を同時に行う方法 - Google Patents
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抗酸菌の溶菌とその核酸の分離を同時に行う方法 Download PDF

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Description

本発明は、結核菌に代表される抗酸菌の溶菌とその核酸の分離を簡便な操作で同時に行う方法に関する。
結核は、日本でも復活の兆しを見せている細菌性疾患であり、その診断方法の改良は、極めて重要である。結核の診断方法としては、近年、数週間もの時間のかかる培養検査に代わって、短時間で高精度の結果が得られる遺伝子検査が行われるようになっている。
結核の遺伝子検査は、結核菌の遺伝子に特異的なプライマーを使用したPCRにより、喀痰試料中の結核菌の存在を同定することによって行われる。遺伝子検査を行うには、前処理として、試料中の検査対象の菌細胞を溶菌(破壊)し、次いでその核酸を分離することが必要である。
しかし、結核菌に代表される抗酸菌は、ミコール酸の脂質層を含む強固な細胞壁を持つため、大腸菌などの一般的な細菌と比較して溶菌が困難である。
抗酸菌の一般的な溶菌方法としては、超音波を使用して物理的に菌細胞を破壊する方法(特許文献1参照)、フェノールを溶菌剤として使用して菌細胞を破壊する方法、60〜100℃に加熱することで抗酸菌を溶菌する方法(特許文献2参照)が挙げられる。
これらの従来公知の抗酸菌の溶菌方法は、費用がかかったり、操作が煩雑であったり、安全性に欠けたり、溶菌効率が低かったりするという問題を有し、いずれも満足できるものではなかった。また、これらの方法は抗酸菌の溶菌後に別途その核酸の分離操作を行うことを必要とするので、操作全体が煩雑であるという問題があった。
WO 2007/094506 特開平6−319527
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は、簡便な操作で効率的に抗酸菌の溶菌とその核酸の分離を同時に行うことができる方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、まず、抗酸菌をカオトロピック塩と接触させて菌の細胞壁を柔らかくした後、これを特定の細孔径の細孔構造連続体内を繰り返し通過させることにより、細胞壁が効率的に破壊され、抗酸菌の溶菌と核酸の分離を同時に行うことができることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は、以下の(1)〜(6)の構成を有するものである。
(1)カオトロピック塩と抗酸菌を含む混合液を調製し、前記混合液の温度を35〜80℃にし、次に細孔径3070μmの細孔構造連続体を内部に溶着したチップを使用して前記混合液の吸引及び吐出を繰り返すことによって抗酸菌の溶菌とその核酸の分離を同時に行うことを特徴とする方法。
(2)混合液中のカオトロピック塩の濃度が2〜6Mであることを特徴とする(1)に記載の方法。
(3)混合液のpHが4.5〜6.5であることを特徴とする(1)または(2)に記載の方法。
(4)吸引及び吐出の繰り返しが3回以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項に記載の方法。
(5)混合液が0.1〜1.0Mの濃度の酢酸塩をさらに含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一項に記載の方法。
(6)混合液が0.05〜0.5Mの濃度のグッドの緩衝液をさらに含み、この緩衝液がpH4.5〜6.5に緩衝pH範囲を有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一項に記載の方法。
本発明の方法は、特定の細孔径の細孔構造連続体を内部に溶着したチップ内に、カオトロピック塩で細胞壁が柔らかくなった抗酸菌を繰り返し通過させるようにしているので、抗酸菌の溶菌とその核酸の分離を同時に簡単に効率的に行うことができる。
本発明の方法で使用するチップの構造の一例の概略図である。
以下、本発明の方法を詳細に説明する。
本発明の方法は、特定の細孔径の細孔構造連続体を内部に溶着したチップを使用してカオトロピック塩と抗酸菌を含む混合液の吸引及び吐出を繰り返すことによって抗酸菌の溶菌とその核酸の分離を同時に行うことを特徴とするものである。
本発明の方法の溶菌対象となる抗酸菌としては、例えば、鳥型結核菌(Mycobacterium avium)、エム・イントラセルラレエ(M.intracellularae)、エム・ゴルドネエ(M.gordonae)、ヒト型結核菌(M.tuberculosis)、エム・カンサシイ(M.kansasii)、エム・フォルツイツム(M.fortuitum)、エム・ケロネエ(M.chelonae)、ウシ型結核菌(M.bovis)、エム・スクロフラセウム(M.scrofulaceum)、パラ結核菌(M.paratuberculosis)、チモテ菌(M.phlei)、エム・マリヌム(M.marinum)、エム・シミエー(M.simiae)、エム・スクロフラセウム(M.scrofulaceum)、エム・スズルガイ(M.szulgai)、らい菌(M.leprae)、エム・キセノピ(M.xenopi)、エム・ウルセランス(M.ulcerans)、鼠らい菌(M.lepraemurium)、エム・フラベセンス(M.flavescens)、エム・テレエ(M.terrae)、エム・ノンクロモジェニクム(M.nonchromogenicum)、エム・マルメンス(M.malmoense)、エム・アシアティクム(M.asiaticum)、エム・ヴァケエ(M.vaccae)、エム・ガストリ(M.gastri)、エム・トリビアル(M.triviale)、エム・ヘモフィラム(M.haemophilum)、エム・アフリカヌム(M.africanum)、エム・サーモレジスタブル(M.thermoresistable)及びスメグマ菌(M.smegmatis)を挙げることができる。
本発明の方法で使用されるカオトロピック塩は、タンパク質などの分子構造を不安定化する性質を持つ化学物質であり、生化学の分野において核酸抽出の際に細胞を溶解させる溶菌剤として使用される物質である。カオトロピック塩としては、従来公知のいかなるものも使用することができ、例えば、グアニジン塩、イソチアン酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、尿素、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化カルシウム、臭化アンモニウム、過塩素酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、アンモニウムイソチオシアネート、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウムであることができる。これらの中でも、細胞溶解性と核酸回収効率の点からグアニジン塩が好ましい。グアニジン塩としては、塩酸グアニジン、グアニジンチオシアン酸塩(チオシアン酸グアニジン)、グアニジン硫酸塩、イソチオシアン酸グアニジンが挙げられ、これらの中でも、溶菌効率の点から塩酸グアニジンまたはグアニジンチオシアン酸塩が好ましい。これらの塩は、単独で用いても複数組合わせて用いてもよい。
抗酸菌とカオトロピック塩は両者を含む混合液の状態で使用され、カオトロピック塩と抗酸菌を水や緩衝液などの適当な溶媒に溶解することによって容易に混合液に調製することができる。例えばカオトロピック塩と緩衝剤を脱イオン水に溶解させ、これに抗酸菌を一定濃度に調製した菌液を添加することにより、混合液を調製することができる。
混合液中のカオトロピック塩の濃度は、2〜6M(mol/L)であることが好ましく、さらに好ましくは3〜5M(mol/L)である。混合液中のカオトロピック塩の濃度が上記下限未満では、抗酸菌細胞壁の溶解効率が低下するおそれがあり、また、上記上限を超えると、カオトロピック塩が析出するおそれがある。
混合液のpHは、4.5〜6.5であることが好ましく、さらに好ましくは5.0〜6.0である。混合液のpHが上記下限未満になるかまたは上記上限を超えると、核酸の分離効率が低下するおそれがある。
混合液のpHを上述の範囲に維持するためには、溶液に適当な緩衝剤を添加することが好ましい。かかる緩衝剤の一例として、酢酸塩を挙げることができる。酢酸塩の中でも、酢酸カリウム、酢酸ナトリウムなどの一価の金属の酢酸塩が特に効果的である。これらの酢酸塩の混合液中の濃度は、0.1〜1.0M(mol/L)であることが緩衝効果の点で好ましい。また、かかる緩衝剤の別の例として、MES(2−モルホリノエタンスルホン酸)、ACES(N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸)、PIPES(ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸))などの酸性側に緩衝能を持つグッドの緩衝液を挙げることができる。これらのグッドの緩衝液の混合液中の濃度は、0.05〜0.5M(mol/L)であることが緩衝効果の点で好ましい。
本発明の方法では、カオトロピック塩と抗酸菌を含む混合液をそのまま常温で使用することも可能であるが、特定の温度に加熱して使用することが好ましい。加熱温度は、35〜80℃であり、好ましくは40〜75℃である。加熱すると、カオトロピック塩の溶解効果が向上しやすいが、加熱温度が高すぎると、液の蒸発が増加し、カオトロピック塩の濃度変化が生じるおそれがある。また、細孔構造連続体への核酸の吸着能が低下するおそれがある。
加熱方法としては、特に限定されないが、混合液を適当なチューブに入れ、ヒートブロック、ウォーターバス、マイクロウェーブオーブン、エアーバス等の公知の加熱手段で加熱する方法が挙げられる。抗酸菌は、最初から混合液に添加しておいてもよいし、混合液が所定の温度に加熱されてから添加してもよい。
本発明の方法は、細孔径3070μmの細孔構造連続体を内部に溶着したチップを使用して上記の混合液を繰り返し吸引及び吐出することにより、抗酸菌と細孔構造連続体内の細孔が接触し、抗酸菌の溶菌だけでなく、その核酸の分離も同時に行うことを特徴とする。
本発明の方法で使用するチップの構造の一例の概略図を図1に示す。本発明で使用するチップ1は、基本的に従来公知の構成(例えば図1に示す細長い逆円錐形状の中空体)を有するが、その内部が先端部から一定の長さにわたって細孔構造連続体2を溶着していることを特徴とする。細孔構造連続体は、連続した細孔構造を有するものであり、その細孔径は3070μmである。細孔径が上記範囲から逸脱すると、抗酸菌の溶菌と核酸の分離を効果的に行うことができない。細孔構造体の材質は特に限定されないが、シリカが好ましい。そのような構造体は「モノリスシリカ」または「シリカモノリス」とも呼ばれている。モノリスシリカは、三次元ネットワーク状の骨格と細孔流路を一体化した構造を持ち、しかも合成の際にミクロサイズの貫通孔、及び骨格表面のナノサイズの細孔を制御することができる特性を有する。
細孔構造連続体は一般的にゾル−ゲル法で製造されることができ、例えば金属アルコキシドを部分的に加水分解して反応性モノマーを作り、このモノマーを重縮合してコロイド状オリゴマーを作ってゾルを生成し、さらに加水分解して重合と架橋を促進させ、三次元構造を作ってゲルを生成することにより製造されることができる。細孔構造連続体は、チップ内部に収納されるサイズに整形された後、例えば超音波を使用してチップ内部に溶着される。
細孔構造連続体を内部に溶着したチップは、シリンジなどに装着されてカオトロピック塩と抗酸菌を含む混合液の吸引及び吐出を繰り返す。吸引及び吐出の繰り返し回数は3回以上が好ましい。3回未満では、抗酸菌の溶菌と核酸の分離を十分に果たすことができないおそれがある。繰り返し回数に上限はないが、最大20回程度すれば十分である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
参考例1
(1)抗酸菌の準備
抗酸菌としては、ウシ型結核菌Mycobacterium bovis BCG株(以下、BCG株と略す)を使用した。BCG株を3%小川培地(日水製薬製)中で35℃で2週間培養した後、抗酸菌培養用の液体培地であるMycoBroth(極東製薬工業製)に接種し、37℃で6日間さらに培養した。分散性の高い菌液を得るため、培養後の液体培地を孔径5μmの親水性フィルターでろ過した後、濁度計でOD600を測定しながら、マクファーランド比濁法に従ってマクファーランド1の濃度に菌液を調整した。次に、液体培地中に既に遊離している核酸を除去するため、この菌液1.0mLを1.5mLのチューブに加え、遠心分離操作で菌体だけを沈殿させ、上清を取り除いて1.0mLのリン酸緩衝液で菌体を再懸濁させた。
(2)カオトロピック塩の溶液の準備
カオトロピック塩としてのグアニジンチオシアン酸及び緩衝剤としての酢酸カリウムを脱イオン水に溶解させ、緩衝剤を含有するカオトロピック塩の溶液を調製した。
(3)混合液の調製
(2)で調製したカオトロピック塩の溶液500μLに、(1)で準備したマクファーランド1の菌液をリン酸緩衝液で1000倍に希釈したものを混合した。混合液中のグアニジンチオシアン酸の濃度は、5Mであり、酢酸カリウムの濃度は、0.8Mであり、溶液のpHは5.5であった。
(4)抗酸菌の溶菌及び核酸の分離抽出
次に、図1に記載のような細孔構造連続体を内部に溶着したチップを使用して、混合液中の抗酸菌の溶菌とその核酸の分離抽出を行った。具体的には市販の250μLチップ内に細孔構造連続体(モノリスシリカ、細孔径30μm、切断面積3.14平方mm、厚さ1mm)を溶着したものをテルモ製の1mLシリンジに装着し、混合液を100μL/秒の速度で10回吸引および吐出し、混合液中の抗酸菌を溶菌し、その核酸をチップ中の細孔構造連続体に吸着させた。混合液を完全に出し切った後に、洗浄液500μLの入ったチューブにチップを移動させ、洗浄液を100μL/秒の速度で3回吸引および吐出して洗浄した。この洗浄工程をもう一度繰り返した。最後に溶出液100μLの入ったチューブにチップを移動させ、溶出液を100μL/秒の速度で5回吸引および吐出して、チップ中の細孔構造連続体に吸着した抗酸菌の核酸を溶出した。溶出効率の低下を抑えるため、吸引および吐出の間は、チップ内の細孔構造連続体に空気が接触しないように注意した。なお、洗浄液としては、70%エタノール中の0.8M酢酸カリウム溶液を使用し、溶出液としては、10mM水酸化カリウム水溶液を使用した。
(5)リアルタイムPCRによる、抗酸菌遺伝子の検出及び定量
次に、(4)で得た核酸溶出液を対象として、リアルタイムPCRにより抗酸菌遺伝子の検出及び定量を行った。PCRの試薬組成、並びにPCR条件は、以下に示す通りであった。
試薬組成:
オリゴ1 250nM、
オリゴ2 1500nM、
オリゴ3(5’末端をBODIPY−FL標識されている)250nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO 4mM、
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
溶出液 1μL
(ミリQ水で全量を10μLに調整する)
(オリゴ1〜オリゴ3の配列は、配列表の配列番号1〜3に示される通りである。)
PCR条件:
熱変性:94℃・2分、98℃・0秒、アニーリング:60℃・5秒(蛍光検出)、50サイクル
上記試薬組成は、BCG株を特異的に検出できるプライマーとプローブの組み合わせである。陽性コントロールとして、BCG株からフェノール・クロロホルム法で抽出したゲノムDNAを10mMトリス緩衝液で1μL中に1000コピー含むように希釈したものを使用した。リアルタイムPCRは、増幅産物とプローブがハイブリダイゼーションするとプローブに標識された蛍光色素の蛍光が消光することに基づいてサンプル中の特定の核酸配列を検出するものである。核酸の増幅及び検出には、ロシュ・ダイアグノスティック社製ライトサイクラー(登録商標)を使用した。測定モードは、530nmを利用し、得られたリアルタイム検出データを利用して、アニーリング時のQProbe消光率を算出した。さらに、消光率2%に達したサイクル数を求めて、SYBR Green Iを用いたリアルタイム定量PCR法と同様にして解析を行った。抗酸菌の核酸の回収効率は、陽性コントロールを100%としてそれに対する百分率で表示した。なお、抗酸菌の核酸の回収効率は、30%以上であれば良好と考えられる。結果を表1に示す。
実施例2
(3)で得た混合液を1.5mLのスクリュー付蓋のあるチューブに入れ、ヒートブロック上で65℃で5分間加熱したものを使用して(4)で吸引及び吐出を行った以外は、参考例1と同様にして、抗酸菌の核酸の回収効率を表示した。結果を表1に示す。
参考例3
(4)の細孔構造連続体の細孔径を10μmに変更した以外は、実施例2と同様にして、抗酸菌の核酸の回収効率を表示した。結果を表1に示す。
参考例4
(4)の細孔構造連続体の細孔径を20μmに変更した以外は、実施例2と同様にして、抗酸菌の核酸の回収効率を表示した。結果を表1に示す。
実施例5
(4)の細孔構造連続体の細孔径を40μmに変更した以外は、実施例2と同様にして、抗酸菌の核酸の回収効率を表示した。結果を表1に示す。
実施例6
(4)の細孔構造連続体の細孔径を50μmに変更した以外は、実施例2と同様にして、抗酸菌の核酸の回収効率を表示した。結果を表1に示す。
実施例7
(4)の細孔構造連続体の細孔径を70μmに変更した以外は、実施例2と同様にして、抗酸菌の核酸の回収効率を表示した。結果を表1に示す。
実施例8
カオトロピック塩としてグアニジンチオシアン酸の代わりに塩酸グアニジンを使用した以外は、実施例2と同様にして、抗酸菌の核酸の回収効率を表示した。結果を表1に示す。
実施例9
抗酸菌の溶菌及びその核酸の分離の工程での吸引・吐出回数を5回に変更した以外は、実施例2と同様にして、抗酸菌の核酸の回収効率を表示した。結果を表1に示す。
実施例10
抗酸菌の溶菌及びその核酸の分離の工程での吸引・吐出回数を20回に変更した以外は、実施例2と同様にして、抗酸菌の核酸の回収効率を表示した。結果を表1に示す。
実施例11
加熱温度を40℃に変更した以外は、実施例2と同様にして、抗酸菌の核酸の回収効率を表示した。結果を表1に示す。
実施例12
加熱温度を75℃に変更した以外は、実施例2と同様にして、抗酸菌の核酸の回収効率を表示した。結果を表1に示す。
参考例13
加熱温度を95℃に変更した以外は、実施例2と同様にして、抗酸菌の核酸の回収効率を表示した。結果を表1に示す。
比較例1
(4)の細孔構造連続体の細孔径を120μmに変更した以外は、実施例2と同様にして、抗酸菌の核酸の回収効率を表示した。結果を表1に示す。
比較例2
(4)の細孔構造連続体の細孔径を5μmに変更した以外は、実施例2と同様にして、抗酸菌の核酸の回収効率を表示した。結果を表1に示す。
比較例3
(2)のカオトロピック塩の溶液の代わりにミリQ水を使用した以外は、実施例2と同様にして、抗酸菌の核酸の回収効率を表示した。結果を表1に示す。
比較例4
抗酸菌の溶菌及びその核酸の分離の工程での吸引・吐出回数を1回に変更した以外は、実施例2と同様にして、抗酸菌の核酸の回収効率を表示した。結果を表1に示す。
Figure 0005773280
表1から、特定の細孔径の細孔構造連続体を内部に溶着したチップを使用して、特定の混合液の温度で吸引及び吐出を繰り返した実施例2及び512では、本発明の細孔径の範囲外の細孔構造連続体で処理された比較例1及び2、カオトロピック塩の溶液を使用しなかった比較例3、並びに吸引及び吐出を繰り返さなかった比較例4と比較して、核酸の回収効率が顕著に高いことが理解できる。
本発明の方法は、強固な細胞壁のために溶菌が困難であった抗酸菌の溶菌とその核酸の分離を同時に効率良く、しかも簡便な操作で低コストかつ安全に行うことができるので、結核菌の遺伝子検査の前処理などに極めて有用である。
配列番号1は、実施例でオリゴ1として記載した設計されたポリヌクレオチドの配列である。
配列番号2は、実施例でオリゴ2として記載した設計されたポリヌクレオチドの配列である。
配列番号3は、実施例でオリゴ3として記載した設計されたポリヌクレオチドの配列である。

Claims (6)

  1. カオトロピック塩と抗酸菌を含む混合液を調製し、前記混合液の温度を35〜80℃にし、次に細孔径3070μmの細孔構造連続体を内部に溶着したチップを使用して前記混合液の吸引及び吐出を繰り返すことによって抗酸菌の溶菌とその核酸の分離を同時に行うことを特徴とする方法。
  2. 混合液中のカオトロピック塩の濃度が2〜6Mであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 混合液のpHが4.5〜6.5であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 吸引及び吐出の繰り返しが3回以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  5. 混合液が0.1〜1.0Mの濃度の酢酸塩をさらに含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  6. 混合液が0.05〜0.5Mの濃度のグッドの緩衝液をさらに含み、この緩衝液がpH4.5〜6.5に緩衝pH範囲を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
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