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JP5776311B2 - 定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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JP5776311B2 - 定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、そこに設置される定着装置と、に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置に設置される定着装置において、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短く、装置を高速化した場合であっても定着不良を生じさせないことを目的として、無端状のベルト部材(定着部材)の内周面に対向するようにパイプ状の金属熱伝導体からなる加熱部材を設置して、加熱部材をヒータで加熱することでベルト部材を全体的に加熱する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1の定着装置は、無端状のベルト部材、ベルト部材の内周面側に固設されてベルト部材を介して加圧回転体に圧接してニップ部を形成する固定部材、ベルト部材の内周面側に固設されるとともに加圧回転体に対向する位置に開口部(凹部)が形成されたパイプ状の加熱部材、加熱部材の内部に設置されたヒータ、固定部材を補給する補強部材、等で構成されている。そして、ニップ部に向けて搬送された記録媒体上のトナー像は、ニップ部にて熱と圧力とを受けて記録媒体上に定着される。
一方、特許文献1には、加熱部材がスプリングバックによってニップ部近傍の開口部が広がる不具合を防止するために、開口部の近傍における加熱部材の形状を保持する保持部材として2つのステーを設ける技術が開示されている。
上述した特許文献1の定着装置は、開口部の近傍における加熱部材の形状を保持する保持部材を設置しているため、加熱部材の変形によって生じる不具合を防止することができる反面、部品点数が増加したり、組み付け性が悪化したり、レイアウトや部品形状に制約が生じてしまったりしていた。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短く、装置を高速化した場合であっても定着不良が生じることなく、部品点数が比較的少なく、組み付け性が比較的良好で、レイアウトや部品形状の制約が比較的少なく、加熱部材がスプリングバック等により変形することのない、定着装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる定着装置は、所定方向に走行してトナー像を加熱・溶融するとともに、可撓性を有する無端状のベルト部材と、前記ベルト部材の内周面側に固設されて、当該ベルト部材を介して加圧回転体に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する固定部材と、前記ベルト部材の内周面に対向するように固設されて当該ベルト部材を加熱するとともに、前記加圧回転体に対向する位置に開口部を有する加熱部材と、前記加熱部材の内周面側に固設されて前記固定部材に当接して当該固定部材を補強する補強部材と、を備え、前記加熱部材は、その内部に向けて起立するように形成された起立部を具備し、前記固定部材は、前記加熱部材の前記起立部が嵌合する溝部が形成されて、前記加熱部材が変形しないように前記開口部の近傍における前記加熱部材の形状を保持するものである。
また、請求項2記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1に記載の発明において、前記加熱部材は、曲げ加工により形成されたパイプ状部材であって、前記開口部が形成された両端部の位置において内部に向けて起立するように形成された曲げ部を前記起立部として具備したものである。
また、請求項3記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項2に記載の発明において、前記固定部材と前記ベルト部材との間に介在されるとともに、低摩擦材料からなるシート状部材をさらに備え、前記シート状部材は、前記固定部材の前記溝部において前記曲げ部との間に挟み込まれるように保持されたものである。
また、請求項4記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項3に記載の発明において、前記シート状部材と前記ベルト部材との間に、混和ちょう度が300以上となる潤滑剤を介在させたものである。
また、請求項5記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、前記補強部材は、前記固定部材に形成された凹部に嵌合するとともに、前記加圧回転体の圧接方向に沿って延在するように形成された板状部材であって、前記補強部材の前記圧接方向の長さが、前記加熱部材の前記圧接方向の外径に対して、80%以上になるように形成されたものである。
また、請求項6記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記補強部材は、ビッカース硬度が200以上となる材料で形成されたものである。
また、請求項7記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明において、前記補強部材は、セラミック又はフェライト系ステンレス鋼で形成されたものである。
また、請求項8記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明において、前記固定部材は、耐熱性樹脂で形成された固定主部と、弾性材料で形成されるとともに前記固定主部に対して前記加圧回転体に対向する側に設置された弾性部と、を具備したものである。
また、この発明の請求項9記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の定着装置を備えたものである。
なお、本願において、固定部材や加熱部材や補強部材が「固設」された状態とは、固定部材や加熱部材や補強部材が回転駆動されることなく非回転で保持されている状態であるものと定義する。したがって、例えば、固定部材がスプリング等の付勢部材によってニップ部に向けて付勢されている場合であっても固定部材が非回転で保持されていれば、固定部材が「固設」された状態となる。
本発明は、ベルト部材を介して加圧回転体に圧接してニップ部を形成する固定部材と、加圧回転体に対向する位置に開口部を有する加熱部材と、固定部材を補強する補強部材と、を設けて、固定部材によって開口部の近傍における加熱部材の形状を保持するように形成している。これによって、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短く、装置を高速化した場合であっても定着不良が生じることなく、部品点数が比較的少なく、組み付け性が比較的良好で、レイアウトや部品形状の制約が比較的少なく、加熱部材がスプリングバック等により変形することのない、定着装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。 定着装置を示す構成図である。 定着装置を幅方向にみた図である。 ニップ部の近傍を示す拡大図である。 加熱部材に固定部材及びシート状部材を組み付ける状態を示す概略図である。 補強部材の厚さと、補強部材の撓み量と、の関係を示すグラフである。 別形態の定着装置におけるニップ部の近傍を示す拡大図である。
実施の形態.
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、本実施の形態における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
各作像部4Y、4M、4C、4Kには、それぞれ、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kが配設されている。また、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの周囲には、それぞれ、帯電部75、現像部76、クリーニング部77、除電部(不図示である。)等が配設されている。そして、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に各色の画像が形成されることになる。
感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kは、不図示の駆動モータによって図1中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部75の位置で、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、現像装置76との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、各色のトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、クリーニング部77との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に残存した未転写トナーがクリーニング部77のクリーニングブレードによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト78上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト78上にカラー画像が形成される。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kは、それぞれ、中間転写ベルト78を感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト78は、2次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ82が、2次転写ローラ89との間に中間転写ベルト78を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト78上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト78には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体1の下方に配設された給紙部12から、給紙ローラ97やレジストローラ対98等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部12には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対98に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対98のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト78上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対98が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト21及び加圧ローラ31による熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2〜図5にて、画像形成装置本体1に設置される定着装置20の構成・動作について詳述する。
図2は、定着装置20を示す構成図である。図3は、定着装置20を幅方向にみた図である。図4は、定着装置20のニップ部の近傍を示す拡大図である。図5は、加熱部材22に固定部材26とシート状部材28とを組み付ける状態を示す概略図である。
図2及び図4に示すように、定着装置20は、ベルト部材としての定着ベルト21、固定部材26、加熱部材22、補強部材23(支持部材)、ヒータ25(熱源)、シート状部材28、加圧回転体としての加圧ローラ31、温度センサ40、接離機構51〜53、等で構成される。
ここで、ベルト部材としての定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状ベルトであって、図2中の矢印方向(反時計方向)に回転(走行)する。定着ベルト21は、内周面21a(固定部材26との摺接面である。)側から、基材層、弾性層、離型層が順次積層されていて、その全体の厚さが1mm以下に設定されている。
定着ベルト21の基材層は、層厚が30〜100μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。
定着ベルト21の弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。弾性層を設けることで、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、記録媒体P上のトナー像Tに均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。
定着ベルト21の離型層は、層厚が10〜50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等の材料で形成されている。離型層を設けることで、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保される。
また、定着ベルト21の直径は15〜120mmになるように設定されている。なお、本実施の形態では、定着ベルト21の直径が30mm程度に設定されている。
図2及び図4を参照して、定着ベルト21の内部(内周面側)には、固定部材26、ヒータ25(加熱手段)、加熱部材22、補強部材23、シート状部材28、等が固設されている。
ここで、固定部材26は、定着ベルト21の内周面にシート状部材28を介して摺接するように固設(固定)されている。そして、固定部材26が定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接することで、記録媒体Pが搬送されるニップ部が形成される。図3を参照して、固定部材26は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に固定支持されている。詳しくは、固定部材26は、図3の左右方向に対して移動できないように、図3の上下方向(圧接方向である。)に対して補強部材23とともに微小量だけ移動できるように、不図示のフランジ等を介して側板43に保持されている。なお、固定部材26の構成・動作については、後でさらに詳しく説明する。
図2及び図4を参照して、加熱部材22は、肉厚が0.1mmのパイプ状部材である。加熱部材22は、ニップ部を除く位置で定着ベルト21の内周面に直接的に対向するように形成され、ニップ部の位置には開口部22aが形成されている。そして、この加熱部材22の開口部22aの位置に、固定部材26が設置されている。図3を参照して、加熱部材22は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に固定支持されている。
そして、加熱部材22は、ヒータ25の輻射熱(輻射光)により加熱されて定着ベルト21を加熱する。すなわち、加熱部材22がヒータ25(加熱手段)によって直接的に加熱されて、加熱部材22を介して定着ベルト21がヒータ25によって間接的に加熱されることになる。加熱部材22の材料としては、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属熱伝導体(熱伝導性を有する金属である。)を用いることができる。加熱部材22の肉厚を0.2mm以下に設定することで、定着ベルト21(加熱部材22)の加熱効率を向上することができる。なお、本実施の形態では、加熱部材22は、肉厚が0.1mmのステンレスで形成している。
ヒータ25(熱源)は、ハロゲンヒータやカーボンヒータであって、その両端部が定着装置20の側板43に固定されている(図3を参照できる。)。そして、装置本体1の電源部により出力制御されたヒータ25の輻射熱によって、加熱部材22が加熱される。さらに、加熱部材22によって定着ベルト21がニップ部を除く位置で全体的に加熱されて、加熱された定着ベルト21の表面から記録媒体P上のトナー像Tに熱が加えられる。なお、ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に対向するサーミスタ等の温度センサ40によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。また、このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定することができる。
このように、本実施の形態における定着装置20は、定着ベルト21の一部のみが局所的に加熱されるのではなく、加熱部材22によって定着ベルト21が周方向にわたってほぼ全体的に加熱されることになるために、装置を高速化した場合であっても定着ベルト21が充分に加熱されて定着不良の発生を抑止することができる。すなわち、比較的簡易な構成で効率よく定着ベルト21を加熱できるために、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短縮化されるとともに、装置の小型化が達成される。
ここで、定着ベルト21と加熱部材22とのギャップδ(ニップ部を除く位置のギャップである。)は、0mmより大きく1mm以下とすることが好ましい(0mm<δ≦1mmである。)。これにより、加熱部材22と定着ベルト21とが摺接する面積が大きくなって定着ベルト21の磨耗が加速する不具合を抑止するとともに、加熱部材22と定着ベルト21とが離れ過ぎて定着ベルト21の加熱効率が低下する不具合を抑止することができる。さらに、加熱部材22が定着ベルト21に近設されることで、可撓性を有する定着ベルト21の円形姿勢がある程度維持されるため、定着ベルト21の変形による劣化・破損を軽減することができる。
また、加熱部材22と定着ベルト21(ベルト部材)とが摺接しても定着ベルト21の磨耗が軽減されるように、双方の部材21、22の間にはフッ素グリス、シリコーンオイル等の潤滑剤が塗布されている。なお、加熱部材22と定着ベルト21との摺動抵抗を低下させるために、加熱部材22の摺接面を摩擦係数の低い材料で形成したり、定着ベルト21の内周面21aにフッ素を含む材料からなる表面層を形成することもできる。
なお、本実施の形態では、加熱部材22の断面形状が略円形になるように形成したが、加熱部材22の断面形状が多角形になるように形成することもできる。
補強部材23(支持部材)は、ニップ部を形成する固定部材26を補強・支持するためのもので、定着ベルト21の内周面側に固設されている。図3を参照して、補強部材23は、幅方向の長さが固定部材26と同等になるように形成されていて、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に固定支持されている。そして、補強部材23が固定部材26、シート状部材28、定着ベルト21を介して加圧ローラ31(加圧回転体)に当接することで、ニップ部において固定部材26が加圧ローラ31の加圧力を受けて大きく変形する不具合を抑止している。
なお、補強部材23は、上述した機能を満足するために、ステンレスや鉄等の金属材料やセラミック等の機械的強度が高い材料で形成することが好ましい。
また、補強部材23における、ヒータ25に対向する面の一部又は全部に、断熱部材を設けたり、BA処理や鏡面研磨処理を施したりすることもできる。これにより、ヒータ25から補強部材23に向かう熱(補強部材23を加熱する熱)が加熱部材22の加熱に用いられることになるために、定着ベルト21(加熱部材22)の加熱効率がさらに向上することになる。
なお、補強部材23の構成・動作については、後でさらに詳しく説明する。
図2を参照して、ニップ部の位置で定着ベルト21の外周面に当接する加圧回転体としての加圧ローラ31は、直径が30mm程度であって、中空構造の芯金32上に弾性層33を形成したものである。加圧ローラ31(加圧回転体)の弾性層33は、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の材料で形成されている。なお、弾性層33の表層にPFA、PTFE等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。加圧ローラ31は定着ベルト21に圧接して、双方の部材間に所望のニップ部を形成する。また、図3を参照して、加圧ローラ31には不図示の駆動機構の駆動ギアに噛合するギア45が設置されていて、加圧ローラ31は図2中の矢印方向(時計方向)に回転駆動される。また、加圧ローラ31は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に軸受42を介して回転自在に支持されている。なお、加圧ローラ31の内部に、ハロゲンヒータ等の熱源を設けることもできる。
なお、加圧ローラ31の弾性層33を発泡性シリコーンゴム等のスポンジ状の材料で形成した場合には、ニップ部に作用する加圧力を減ずることができるために、固定部材26に生じる撓みを軽減することができる。さらに、加圧ローラ31の断熱性が高められて、定着ベルト21の熱が加圧ローラ31側に移動しにくくなるために、定着ベルト21の加熱効率が向上する。
また、本実施の形態では、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径と同等になるように形成したが、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径よりも小さくなるように形成することもできる。その場合、ニップ部における定着ベルト21の曲率が加圧ローラ31の曲率よりも小さくなるために、ニップ部から送出される記録媒体Pが定着ベルト21から分離され易くなる。
また、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径よりも大きくなるように形成することもできるが、定着ベルト21の直径と加圧ローラ31の直径との関係によらず、加圧ローラ31の加圧力が加熱部材22に作用しないように構成されている。
ここで、図2を参照して、本実施の形態における定着装置20には、定着ベルト21に対して加圧ローラ31を接離する接離機構51〜53が設けられている。
詳しくは、接離機構は、加圧レバー51、偏心カム52、加圧スプリング53、等で構成されている。加圧レバー51は、一端側に設けられた支軸51aを中心として定着装置20の側板43に回転自在に支持されている。加圧レバー51の中央部は、加圧ローラ31の軸受43(側板43に形成された長穴に移動可能に保持されている。)に当接している。また、加圧レバー51の他端側には加圧スプリング53が接続され、さらに加圧スプリング53の保持板に偏心カム52(不図示の駆動モータによって回転可能に構成されている。)が係合している。このような構成により、偏心カム52の回転により、加圧レバー51が支軸51aを中心にして回転して、加圧ローラ31が図2の破線矢印方向に移動することになる。すなわち、通常の定着工程時には、偏心カム52の回転方向の姿勢が図2の状態になって、加圧ローラ31は定着ベルト21を加圧して所望のニップ部を形成する。これに対して、通常の定着工程時以外のとき(ジャム処理時や待機時等である。)には、偏心カム52の回転方向の姿勢が図2の状態から180度回転して、加圧ローラ31は定着ベルト21から離脱する(又は、定着ベルト21を減圧する。)。
以下、上述のように構成された定着装置20の、通常時の動作について簡単に説明する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、ヒータ25に電力が供給されるとともに、加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。これにより、加圧ローラ31との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向に従動(回転)する。
その後、給紙部12から記録媒体Pが給送されて、2次転写ローラ89の位置で、記録媒体P上に未定着のカラー画像が担持(転写)される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、不図示のガイド板に案内されながら図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。
そして、加熱部材22(ヒータ25)によって加熱された定着ベルト21による加熱と、補強部材23によって補強された固定部材26と加圧ローラ31との押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、ニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
以下、本実施の形態における定着装置20において特徴的な構成・動作について、詳しく説明する。
図4を参照して、加熱部材22には、加圧ローラ31(加圧回転体)に対向する位置に開口部22aが形成されている。そして、加熱部材22が変形しないように、この開口部22aの近傍における加熱部材22の形状(姿勢)を保持するように固定部材26が構成されている。すなわち、固定部材26は、定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接して所望のニップ部を形成する機能の他に、加熱部材22が変形しないように開口部22aの近傍における加熱部材22の形状を保持する機能を有している。
ここで、加熱部材22は、曲げ加工により略C字状に形成されたパイプ状部材である。そして、加熱部材22には、固定部材26の一部が挿設されるように内開口部22aが形成されている。さらに、加熱部材22には、開口部22aが形成された両端部(周方向の両端部である。)の位置において内部に向けて起立するように曲げ部22bが形成されている。
一方、固定部材26には、加熱部材22の曲げ部22bが嵌合する溝部26aが形成されている。すなわち、固定部材26の溝部26aに、加熱部材22の曲げ部22bが嵌まり込むように、双方の部材22、26が組み付けられることになる。
このような構成により、曲げ加工により略C字状に形成された加熱部材22においてスプリングバック(開口部22aが広がる方向の変形である。)が生じそうになっても、開口部22aの近傍に形成された曲げ部22bが固定部材26の溝部26aに嵌合してその近傍の形状が強制的に維持されているため、加熱部材22のスプリングバックによる変形が抑止される。したがって、加熱部材22にスプリングバックが生じて定着ベルト21が加熱部材22に部分的に強く当接して、定着ベルト21にキズがついたり異常音が発生したり、定着ベルト21がスリップしたりする2次的な不具合が抑止される。
本実施の形態において、固定部材26は、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂材料で形成されていて、加圧ローラ31側の面が加圧ローラ31の曲率にならうように凹状に形成されている。これにより、記録媒体Pは加圧ローラ31の曲率にならうようにニップ部から送出されるために、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト21に吸着して分離しないような不具合を抑止することができる。
なお、本実施の形態では、ニップ部を形成する固定部材26の形状を凹状に形成したが、ニップ部を形成する固定部材26の形状を平面状に形成することもできる。すなわち、固定部材26の摺接面(加圧ローラ31に対向する面である。)が平面形状になるように形成することができる。これにより、ニップ部の形状が記録媒体Pの画像面に対して略平行になって、記録媒体Pにシワが生じる不具合が抑止される。さらに、ニップ部の出口側における定着ベルト21の曲率が大きくなるために、ニップ部から送出された記録媒体Pを定着ベルト21から容易に分離することができる。
さらには、固定部材26の摺接面を、搬送方向に沿って平面状から凹状に連続的に変化するように形成することもできる。その場合には、上述した双方の摺接面の形状による効果に加えて、定着ベルト21と記録媒体Pとの密着性が高まって定着性が向上するという効果が発揮される。
このように、本実施の形態における固定部材26は、定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接して所望のニップ部を形成する機能の他に、加熱部材22が変形しないように開口部22aの近傍における加熱部材22の形状を保持する機能を有している。そのため、加熱部材22が変形しないように開口部22aの近傍における加熱部材22の形状を保持する保持部材を別に設ける場合に比べて、装置全体の部品点数が少なくなるとともに、装置の組み付け性が向上することになる。
また、このような構成によって、加熱部材22の開口部22aが固形部材26によって塞がれることになるため、開口部22aから加熱部材22の内部に異物が進入する不具合も防止されることになる。特に、異物として加熱部材22と定着ベルト21との間に介在された潤滑剤が加熱部材22の内部に進入してしまうと、潤滑剤の不足により双方の部材21、22の摺動抵抗が増加して双方の部材21、22の磨耗劣化が早まる不具合や、加熱部材22の内部に進入した潤滑剤がヒータ25に付着してヒータ25の機能を低下させてしまったり潤滑剤が気化したりする不具合が生じてしまうことになる。特に、潤滑剤として浸透力が高いフッ素グリスを用いる場合には、上述したような開口部22aを固定部材26で塞ぐように設置することによる効果が高くなる。
ここで、加熱部材22の加熱効率を高くするためには、加熱部材22の肉厚は0.2mm以下に設定することが好ましい。
上述したように、金属板を曲げ加工することにより形成する略パイプ状の加熱部材22は、その肉厚を薄くすることができるために、ウォームアップ時間を短縮することができる。しかし、加熱部材22自身の剛性は小さくなっているため、加圧ローラ31の加圧力が加熱部材22に作用すると、その加圧力に抗しきれずに、撓んだり、変形してしまう。そして、パイプ状の加熱部材22が変形してしまうと所望のニップ幅が得られずに、定着性が低下するという問題が生じてしまう。これに対して、本実施の形態では、薄肉の加熱部材22に加圧ローラ31の加圧力が直接的に作用しにくくなるように開口部22aを設けているために、そのような問題が生じにくくなる。
図4を参照して、加熱部材22の開口部22aの近傍において、固定部材26と定着ベルト21との間には、耐熱性・耐摩耗性に優れた低摩擦材料からなるシート状部材28が介在(設置)されている。本実施の形態におけるシート状部材28は、厚さが1mm以下の多孔質フッ素樹脂材料で形成されている。そして、シート状部材28は、その両端部が、固定部材26の溝部26aにおいて加熱部材22の曲げ部22bとの間に挟み込まれるように保持されている。
このように、固定部材26と定着ベルト21と間に低摩擦材料からなるシート状部材28を設置することで、双方の部材21、26の摺動抵抗が増加して双方の部材21、26の磨耗劣化が早まる不具合を軽減することができる。
また、本実施の形態では、シート状部材28と定着ベルト21との間に、混和ちょう度が300以上となるフッ素グリス、シリコーンオイル等の潤滑剤を介在させている。具体的には、多孔質材料からなるシート状部材28の摺動面(定着ベルト21に摺接する面である。)に、潤滑剤を含浸させている。これにより、上述したシート状部材28による磨耗劣化を軽減する効果がさらに確実に発揮されることになる。これは、本願発明者が、実験を重ねた結果、混和ちょう度が300以上となる潤滑剤を用いたときに、定着ベルト21の磨耗劣化を低減する効果が経時においても安定的に発揮されやすいことを知得したことによるものである。
なお、潤滑剤の「混和ちょう度」とは、潤滑剤の硬さを表す単位であって、含油成分が多いほどその値が高くなる。
図5は、加熱部材22に固定部材26とシート状部材28とを組み付ける状態を示す概略図である。
まず、加工が容易な0.1mm厚のステンレス板に曲げ加工を施して、パイプ状の加熱部材22を形成する。このとき、ステンレス板を曲げ加工によって図5の破線に示す形状に加工しようとしても、パイプ状に形成されたステンレス板のスプリングバックによって図5の実線の形状に開いてしまう。加熱部材22の開口部22aにはL字状の曲げ部22bがあり、この曲げ部22bを固定部材26で固定することによって、所望の形状の加熱部材22(図5の破線で示す形状のものである。)を形成することができる。具体的に、加熱部材22の内周面側からシート状部材28を間に挟むように固定部材26をセットして、固定部材26の溝部26aに加熱部材22の曲げ部22bを嵌合させる。
図4及び図5を参照して、本実施の形態では、固定部材26の非摺接面(ニップ部を形成する摺接面に対して反対側に位置する面である。)に、補強部材23の先端部が嵌合するための凹部26bが形成されている。
補強部材23は、加圧ローラ31の圧接方向(図2の左右方向である。)に沿って延在するように形成されて、加熱部材22の内周面側に固設された板状部材であって、固定部材26に当接して固定部材26(ニップ部形成部材)を補強・支持するように構成されている。このような補強部材23としての機能を満足させるために、補強部材23をビッカース硬度が200以上となる材料で形成することが好ましい。具体的に、補強部材23の好適な材料として、SUS430(ビッカース硬度:250)等のフェライト系ステンレス鋼や、セラミック(ビッカース硬度:1500以上)等を用いることができる。
また、本実施の形態では、副作用が生じない範囲で補強部材23の強度を確実に確保するために、図2を参照して、補強部材の圧接方向の長さM2が、加熱部材22の圧接方向の外径M1に対して、80%以上になるように形成されている(80≦M2/M1×100<100である。)。
以下、その理由について詳述する。
本実施の形態における定着装置20において、幅方向中央部のニップ部におけるニップ幅と、幅方向端部のニップ部におけるニップ幅と、の偏差が大きくなり過ぎると、局所的な画像不良が発生する。すなわち、ニップ幅が広い部分では、未定着トナー像に対して熱量が過剰に供給されることにより、定着工程後の画像に光沢ムラが発生する。これに対して、ニップ幅が狭い部分では、熱量が不足することにより、未定着トナー像が充分に溶融せずに記録媒体Pに定着されないため、画像ハガレが発生する。また、ニップ幅の偏差が大きくなると、記録媒体Pの搬送バランスが崩れて、記録媒体Pにシワが発生しやすくなる。したがって、このような問題を発生させないためには、幅方向におけるニップ幅の偏差が大きくなり過ぎないように、加圧ローラ31や補強部材23の撓み量が所定値以下になるように維持する必要がある。本願発明者はシュミレーションや実験を重ねた結果、補強部材23の撓み量を約0.083mm以下に抑えられれば、上述した不具合が発生しないことを知得した。
一方、図2を参照して、補強部材23の厚さNを厚くすることによって、補強部材23の強度を確保して撓み量を抑えることは可能であるが、厚さNに応じて補強部材23の熱容量が大きくなる。定着ベルト21の加熱効率等の観点からすると補強部材23の体積をできる限り小さくすることが望ましいため、補強部材23の強度を確保しながら補強部材23の体積を小さくするには、補強部材23の厚さNをなるべく薄く設定して、その分だけ圧接方向(図2の左右方向えだる。)における補強部材23の長さM2を長く設定するほうが、効果的である。
しかし、従来の定着装置(特許文献1を参照できる。)においては、加熱部材に固定部材を配置するための開口部が設けられており、開口部の開きを防止するために2つのステーで開口部を挟み込んで固定しているため、補強部材の形状(特に、圧接方向の長さである。)に対する制約が大きかった。
これに対して、本実施の形態における定着装置20は、加熱部材22の開口部22aの開きを固定部材26によって制限する構成になっているため、開口部を挟み込む2つのステーの設置が不要となって、その分だけ圧接方向における補強部材23の長さM2を長く設定することが可能となっている。
図6は、補強部材23の厚さN(横軸)と、補強部材23の撓み量(縦軸)と、の関係を示すグラフである。
図6において、「●」印で示すグラフは本実施の形態における定着装置のものを示し、「○」印で示すグラフは従来の定着装置のものを示す。
図6より、従来の定着装置では、圧接方向において、加熱部材の外径に対する補強部材の長さの比率が約74.4%になっていて、ニップ部に加圧ローラ31による荷重がかかったときの補強部材23の撓み量を0.083mm以下に維持するために必要な補強部材の厚さが7mm以上になるのがわかる。これに対して、本実施の形態における定着装置20は、圧接方向において、加熱部材22の外径M1に対する補強部材23の長さM2の比率が約82.0%に設定できて、ニップ部に加圧ローラ31による荷重がかかったときの補強部材23の撓み量を0.083mm以下に維持するために必要な補強部材の厚さが4mmになるのがわかる。このように、本実施の形態における定着装置20の構成によれば、補強部材23の厚さを大幅に減らしても、補強部材23における充分な強度を確保することが可能となることがわかる。
また、加熱部材22の内部の限られたスペースの中で、高荷重に耐え得る強度を確保するには、ビッカーズ硬度が200未満の材料で補強部材23を形成することはできない。そのため、本実施の形態では、補強部材23を、SUS430等のフェライト系ステンレス鋼や、セラミックで形成している。
補強部材23をSUS430で形成した場合には、補強部材23を比較的安価に形成することができる。また、そのような場合には、SUS430からなる薄い板状の一般材を重ね合わせて補強部材23を成形することもできて、特に、プレス加工等で外形を加工した後にスポット溶接等の固定方法により一体化するという方法で補強部材23を成形することで部品コストをさらに下げることができる。
また、補強部材23をセラミックで形成した場合には、さらに大きな機械的強度を確保できることに加えて、補強部材23自体の熱容量をさらに小さくすることができるため、定着ベルト21の加熱効率に対して有利な方向に作用することになる。
なお、本実施の形態では、固定部材26を1つの材料のみで形成したが、固定部材26を複数の材料で形成することもできる。
具体的に、図7に示すように、固定部材26を、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂で形成された固定主部26A(剛体部)と、フッ素ゴム等の弾性材料で形成されるとともに固定主部26Aに対して加圧ローラ31に対向する側に設置された弾性部26Bと、で形成することもできる。この場合、固定部材26の弾性部26Bにおける対向面(加圧ローラ31に対向する面である。)が、図4等で説明した固定部材26のものと同様に、凹状等の所望の形状に形成されることになる。そして、このように固定部材26に弾性部26Bを設けることで、平滑度の低い記録媒体P(表面性が粗い記録媒体である。)が通紙される場合であっても、記録媒体Pの繊維に対してトナー像をならわせて均一に加熱することができるため、定着工程後の画像に光沢ムラ(柚子肌画像)が生じにくくなる。
以上説明したように、本実施の形態においては、定着ベルト21(ベルト部材)を介して加圧ローラ31(加圧回転体)に圧接してニップ部を形成する固定部材26と、加圧ローラ31に対向する位置に開口部22aを有する加熱部材22と、固定部材26を補強する補強部材23と、を設けて、固定部材26によって開口部22aの近傍における加熱部材22の形状を保持するように形成している。これによって、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短く、定着装置20(画像形成装置1)を高速化した場合であっても定着不良が生じることなく、部品点数が比較的少なく、組み付け性が比較的良好で、レイアウトや部品形状の制約が比較的少なく、加熱部材22がスプリングバック等により変形する不具合を抑止することができる。
なお、本実施の形態における定着装置20には、定着ベルト21と固定部材26との間にシート状部材28を設置しているが、定着ベルト21と固定部材26との間に潤滑剤を介在したり、固定部材26の摺接面にフッ素樹脂コーティング等の低摩擦表面処理を施したりすることで双方の部材21、26の摺動抵抗を充分に低下できる場合等には、シート状部材28を設置しなくてもよい。このような場合には、加熱部材22の曲げ部22bは、シート状部材28の両端を挟み込むことなく、固定部材26の溝部26aに直接的に嵌合することになる。そして、このような場合であっても、本実施の形態と同様に、加熱部材22のスプリングバックを抑止する効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、加圧回転体として加圧ローラ31を用いた定着装置に対して本発明を適用したが、加圧回転体として加圧ベルトを用いた定着装置に対しても本発明を適用することができる。そして、そのような場合にも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、ベルト部材として複層構造の定着ベルト21を用いたが、ベルト部材としてポリイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、金属等からなる無端状の定着フィルムを用いることもできる。そして、その場合にも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、加熱部材22にヒータが内設されたヒータ加熱方式の定着装置20に対して本発明を適用した。これに対して、加熱部材22を加熱する加熱手段として励磁コイルを用いた電磁誘導加熱方式の定着装置(特に、励磁コイルが加熱部材22に内設されたものである。)や、加熱部材22を加熱する加熱手段として抵抗発熱体を用いた定着装置(特に、抵抗発熱体が加熱部材22に内設されたものである。)に対しても、本発明を適用することができる。そして、そのような場合にも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1 画像形成装置本体(装置本体)、
20 定着装置、
21 定着ベルト(ベルト部材)、
22 加熱部材(パイプ状部材)、
22a 開口部、 22b 曲げ部、
23 補強部材、
25 ヒータ、
26 固定部材、
26a 溝部、 26b 凹部、
26A 固定主部、 26B 弾性部、
28 シート状部材、
31 加圧ローラ(加圧回転体)、 P 記録媒体。
特開2010−96782号公報

Claims (9)

  1. 所定方向に走行してトナー像を加熱・溶融するとともに、可撓性を有する無端状のベルト部材と、
    前記ベルト部材の内周面側に固設されて、当該ベルト部材を介して加圧回転体に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する固定部材と、
    前記ベルト部材の内周面に対向するように固設されて当該ベルト部材を加熱するとともに、前記加圧回転体に対向する位置に開口部を有する加熱部材と、
    前記加熱部材の内周面側に固設されて前記固定部材に当接して当該固定部材を補強する補強部材と、
    を備え、
    前記加熱部材は、その内部に向けて起立するように形成された起立部を具備し、
    前記固定部材は、前記加熱部材の前記起立部が嵌合する溝部が形成されて、前記加熱部材が変形しないように前記開口部の近傍における前記加熱部材の形状を保持することを特徴とする定着装置。
  2. 前記加熱部材は、曲げ加工により形成されたパイプ状部材であって、前記開口部が形成された両端部の位置において内部に向けて起立するように形成された曲げ部を前記起立部として具備したことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記固定部材と前記ベルト部材との間に介在されるとともに、低摩擦材料からなるシート状部材をさらに備え、
    前記シート状部材は、前記固定部材の前記溝部において前記曲げ部との間に挟み込まれるように保持されたことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記シート状部材と前記ベルト部材との間に、混和ちょう度が300以上となる潤滑剤を介在させたことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記補強部材は、前記固定部材に形成された凹部に嵌合するとともに、前記加圧回転体の圧接方向に沿って延在するように形成された板状部材であって、
    前記補強部材の前記圧接方向の長さが、前記加熱部材の前記圧接方向の外径に対して、80%以上になるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記補強部材は、ビッカース硬度が200以上となる材料で形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記補強部材は、セラミック又はフェライト系ステンレス鋼で形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置。
  8. 前記固定部材は、耐熱性樹脂で形成された固定主部と、弾性材料で形成されるとともに前記固定主部に対して前記加圧回転体に対向する側に設置された弾性部と、を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の定着装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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