以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰返さないものとする。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1の電動車両の充電システム10の構成を説明するブロック図である。
図1を参照して、電動車両の充電システム10は、電動車両100および電力変換設備200を含む。電力変換設備200は、電動車両100の外部に設置される。
電動車両100は、メインバッテリ110と、制御装置105と、電力変換ユニット120と、車両駆動部123とを含む。
車両駆動部123は、インバータ125と、モータジェネレータ130と、動力伝達ギヤ140と、駆動輪150とを含む。なお、電動車両がハイブリッド自動車である場合には、車両駆動部123は、さらに、エンジンおよび発電機を含む。
制御装置105は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリを内蔵した電子制御ユニット(ECU)により構成される。ECUは、メモリに記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、各センサによる検出値を用いた演算処理を行なうように構成される。あるいは、ECUの少なくとも一部は、電子回路等のハードウェアにより所定の数値・論理演算処理を実行するように構成されてもよい。制御装置105に対しては、電動車両100に設けられた、スイッチやタッチパネル等の図示しない操作部から各種のユーザ要求を入力することが可能である。また、制御装置105は、図示しない複数のセンサの出力によって、種々の車両状態を検知することが可能である。
メインバッテリ110は、電動車両100に搭載された「蓄電装置」の一例として示される。たとえば、メインバッテリ110の出力電圧は、200V程度である。メインバッテリ110は、代表的には、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池により構成される。あるいは、電気二重層キャパシタによって、あるいは二次電池とキャパシタ等の組合せ等によって「蓄電装置」を構成してもよい。
電力変換ユニット120は、メインバッテリ110の電圧および正極母線PL1の直流電圧VHの間で、双方向の直流電圧変換を実行するように構成される。図1の例では、電力変換ユニット120は、電力用半導体スイッチング素子Q3〜Q6、逆並列ダイオードD3〜D6を含む直流−交流変換回路と、絶縁トランス121と、電力用半導体スイッチング素子Q7〜Q10、逆並列ダイオードD7〜D10を含む交流−直流変換回路とを含んで構成される。電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」とも称する)としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタあるいは電力用バイポーラトランジスタ等の、オンオフが制御可能な任意の素子を用いることができる。
平滑コンデンサC0は、メインバッテリ110および電力変換ユニット120を接続する正極母線PL1および負極母線GL1の間に接続されて、直流電圧/電流に重畳された高調波成分を除去する。
モータジェネレータ130は、たとえば永久磁石型の三相同期電動機で構成される。インバータ125は、一般的な三相コンバータの構成を有する。インバータ125は、モータジェネレータ130が動作指令(代表的にはトルク指令値)に従って動作するように、正極母線PL2上の直流電力と、モータジェネレータ130に供給される交流電力との間で、双方向の直流/交流電力変換を実行する。すなわち、モータジェネレータ130の出力トルクは、インバータ125によって制御される。
モータジェネレータ130の出力トルクは、減速機や動力分割機構によって構成される動力伝達ギヤ140を介して、駆動輪150に伝達されて、電動車両100を走行させる。また、モータジェネレータ130は、電動車両100の回生制動時には、駆動輪150の回転力によって発電する。この発電電力は、インバータ125によって直流電力に変換され、メインバッテリ110の充電に用いられる。
なお、モータジェネレータ130のほかにエンジン(図示せず)が搭載されたハイブリッド自動車では、このエンジンおよびモータジェネレータ130を協調的に動作させることによって、電動車両100の必要な車両駆動力が発生される。この際には、エンジンの回転による発電電力を用いてメインバッテリ110を充電することも可能である。このように、電動車両100は、走行用電動機および蓄電装置を搭載する車両を包括的に示すものであり、エンジンおよび電動機により車両駆動力を発生するハイブリッド自動車と、エンジンを搭載しない電気自動車および燃料電池車等との両方を含むものである。
電動車両100は、さらに、充電インレット190と、充電リレーRA1,RA2と、システムリレーSR1,SR2とを含む。
充電リレーRA1,RA2は、正極母線PL1および負極母線GL1と、充電インレット190との間に配置される。充電インレット190は、充電ケーブル300によって、電力変換設備200と電気的に接続可能に構成される。
システムリレーSR1は、正極母線PL1と、インバータ125に接続される正極母線PL2との間に配置される。システムリレーSR2は、負極母線GL1と、インバータ125と接続される負極母線GL2との間に配置される。システムリレーSR1,SR2のオン時には、平滑コンデンサC0によって、インバータ125の直流リンク電圧が平滑化される。なお、平滑コンデンサC0をシステムリレーSR1,SR2よりも前段(メインバッテリ側)に配置することにより、システムリレーSR1,SR2がオフされた状態でのメインバッテリ110の充放電時にも、平滑コンデンサC0を活用することが可能となる。
なお、本実施の形態において、各リレーは、「開閉器」あるいは「開閉素子」の代表例として示される。すなわち、オフ(閉)およびオン(開)を制御可能な任意の素子を、リレーに代えて用いることができる。
制御装置105は、ユーザ要求および車両状態に基づいて、電動車両100が適切に走行するように、電動車両100の各搭載機器を制御する。図1の構成では、制御装置105は、充電リレーRA1,RA2およびシステムリレーSR1,SR2のオン・オフを制御するとともに、電力変換ユニット120およびインバータ125の動作を制御する。
電動車両100の走行時には、充電リレーRA1,RA2がオフされる一方で、システムリレーSR1,SR2がオンされる。これにより、メインバッテリ110と、正極母線PL2との間が電気的に接続されるため、メインバッテリ110の充放電を伴って、モータジェネレータ130による走行が可能となる。一方で、走行時には、充電インレット190を、メインバッテリ110から電気的に切離すことができる。
電動車両100の外部充電時には、充電インレット190が、充電ケーブル300によって、電力変換設備200のコネクタ290と電気的に接続される。具体的には、充電ケーブル300のコネクタ310が、電力変換設備200のコネクタ290と正常に接続され、かつ、充電ケーブル300のコネクタ320が充電インレット190と正常に接続されることによって、電力変換設備200のコネクタ290および充電インレット190が電気的に接続されるように、充電ケーブル300が構成される。充電ケーブル300が正常に接続された際には、コネクタ290および充電インレット190が電気的に接続された状態であることを示す信号(図示せず)が、少なくとも制御装置105に対して入力される。
外部充電時には、充電リレーRA1,RA2がオンされる一方で、システムリレーSR1,SR2がオフされる。これにより、正極母線PL2および負極母線GL2以降の車両走行系の機器(インバータ125およびモータジェネレータ130等)を電気的に切離した上で、電力変換設備200とメインバッテリ110との間に電気経路を形成することができる。
さらに、制御装置105は、少なくとも外部充電の際に、後述する電力変換設備200内の制御装置205との間で、情報あるいはデータを相互に通信できるように構成されている。
次に、電力変換設備200の構成について説明する。電力変換設備200は、直流電力源210および系統電源400の間に配置される。
直流電力源210は、代表的には、太陽電池や燃料電池等のクリーンエネルギによって直流電力を発生する電力源である。あるいは、定置型二次電池のように、電力を一時的に蓄える装置を直流電力源210として用いることも可能である。直流電力源210は、直流電圧Vpvを出力する。
系統電源400は、商用交流電源により構成される。以下では、系統電源400によって供給される交流電力の電圧は、交流電圧Vacで示される。
電力変換設備200は、コンバータ220と、インバータ230と、制御装置205とを含む。
制御装置205は、制御装置105と同様、電子制御ユニット(ECU)によって構成される。制御装置105および制御装置205は、情報・データ等を相互に通信可能に構成されている。制御装置105および205の間の通信経路は、無線によって構成されてもよく、充電ケーブル300の接続時に、いわゆる電力線通信によって形成されてもよい。
制御装置205に対しては、電力変換設備200に設けられた、スイッチやタッチパネル等の図示しない操作端から各種のユーザ要求を入力することが可能である。
コンバータ220は、直流電力源210の出力電圧Vpvと、電力線PLaの直流電圧との間で双方向の直流電圧変換を実行するように構成される。たとえば、コンバータ220は、昇圧チョッパにより構成される。すなわち、コンバータ220は、スイッチング素子Qa,Qb、逆並列ダイオードDa,DbおよびリアクトルL2を有するように構成される。
なお、直流電力源210が充電されないシステム構成のときには、コンバータ220は、直流電力源210から電力線PLaへ向かう単一方向の直流電圧変換を行うように構成されてもよい。この際には、スイッチング素子Qaの配置を省略して、上アームをダイオードDaのみとする回路構成を適用することができる。あるいは、直流電力源210の出力電圧Vpvが安定的なものであるシステム構成のときには、コンバータ220の配置を省略してもよい。
電力線PLaおよび電力線PLbの間には、リレーRPVが配置される。リレーRPVの開閉は、制御装置205により制御される。リレーRPVをオフすることにより、コンバータ220および直流電力源210を、電力線PLbから電気的に切離すことができる。
電力線PLbおよび接地配線GLaの間には、平滑コンデンサC2が接続される。平滑コンデンサC2は、電力線PLbの直流電圧VIの高調波成分を除去する。
インバータ230は、電力線PLcおよび電力線PLdの間で双方向の直流/交流電力変換を実行するように構成される。たとえば、インバータ230は、スイッチング素子Qc〜Qfにより構成されるフルブリッジ回路からなる。スイッチング素子Qc〜Qfには、逆並列ダイオードDc〜Dfがそれぞれ接続されている。電力線PLdは、インバータ230を系統電源400に接続する。
電力線PLbおよび電力線PLcの間には、リレーRAC1が配置される。同様に、接地配線GLaおよび接地配線GLcの間には、リレーRAC2が配置される。リレーRAC1,RAC2の開閉は、制御装置205によって制御される。リレーRAC1,RAC2をオフすることにより、インバータ230および系統電源400を、電力線PLbから電気的に切離すことができる。
コネクタ290は、電力線PLbおよび接地配線GLaに電気的に接続される。コネクタ290は、充電ケーブル300のコネクタ310と電気的に接続可能に構成される。充電ケーブル300によって、コネクタ290および充電インレット190が電気的に接続されると、電力線PLbの直流電力を、電動車両100へ伝達することができる。反対に、電動車両100からの直流電力を電力線PLbへ伝達することもできる。
コンバータ220は、リレーRPVがオンされているときに、制御装置205により動作を制御される。具体的には、制御装置205からの制御信号に応答してスイッチング素子Qa,Qbのオンオフ比(デューティ比)が制御されることにより、電圧比(VI/Vpv)が制御される。一方、コンバータ220は、リレーRPVがオフされているときには、制御装置205によって停止される。この状態では、スイッチング素子Qa,Qbがオフに固定される。
インバータ230は、リレーRAC1,RAC2がオンされているときに、制御装置205により動作が制御される。インバータ230は、電力線PLdの交流電力(交流電圧Vac)を直流電力(直流電圧VI)に変換して電力線PLcに出力する第1の電力変換動作と、電力線PLcの直流電力を交流電力に変換して電力線PLdに出力する第2の電力変換動作との一方を選択的に実行できる。
第1の電力変換動作では、制御装置205は、スイッチング素子Qc〜Qfのデューティ制御によって、電力線PLcに出力される直流電圧(電流)を制御することができる。同様に、第2の電力変換動作では、制御装置205は、スイッチング素子Qc〜Qfのデューティ制御によって、電力線PLdに出力される交流電圧(電流)の位相および振幅を制御することができる。なお、インバータ230は、リレーRAC1,RAC2がオフされているときには、制御装置205によって停止される。この状態では、スイッチング素子Qc〜Qfがオフに固定される。
なお、図示を省略しているが、電動車両100および電力変換設備200の内部における各部位の電圧および電流は、適宜センサを設けることによって、制御装置105,205によって検知することが可能である。
次に、充電システム10の動作について説明する。
電力変換設備200は、本来は、直流電力源210からの直流電力を、系統電源400と同等の交流電力に変換するための、いわゆるパワーコンディショナとしての機能を有するものである。したがって、上記車両充電モードおよび車両発電モードのいずれも選択されていない場合における、電力変換設備200の通常動作は、以下のとおりである。
制御装置205によって、リレーRPV,RAC1,RAC2がオンされる。そして、コンバータ220は、制御装置205によるデューティ制御に従って、直流電力源210の出力電圧Vpvを直流電圧VIに変換して、電力線PLbへ出力する。インバータ230は、電力線PLbの直流電圧VIを交流電圧Vacに変換して、電力線PLdに出力するように動作する。交流電圧Vacの振幅および位相は、制御装置205によるスイッチング素子Qc〜Qfのオンオフ制御によって調整される。これにより、系統電源400と同等の交流電力が、電力変換設備200から出力される。以下では、直流電力源210からの直流電力を交流電力に変換して、系統電源400へ出力する動作状態を「通常モード」とも称する。
次に、通常モード以外の動作モードにおいて、電動車両100および電力変換設備200がどのように動作するかを説明する。
図2は、電動車両100の各動作モードにおける動作を説明するための図である。
図1、図2を参照して、電動車両100は、動作モードとしてモードM1〜M3を有する。モードM1では、充電ケーブル300によって電動車両100および電力変換設備200が接続された状態で、電力変換設備200からの電力によって、電動車両100のメインバッテリ110を充電することができる。モードM1では動作内容としては「車両充電」を実行する。この時の使用電源としては系統電源400(および直流電力源210)電力が供給される。
そして、インバータ230は、電圧VIを一定に制御するように動作する。また車両における電力変換ユニット120は、外部から車両のメインバッテリ110に送られる充電電力を制御する。
またモードM2では、やはり充電ケーブル300によって電動車両100および電力変換設備200が接続された状態で、動作内容としては車両充電が実行される。しかし、この時の使用電源としては直流電力源210のみであり、系統電源400からは電力が供給されない。
このときインバータ230は、動作停止とされ、リレーRAC1,RAC2もオフ状態に制御される。また車両における電力変換ユニット120は、電圧VHを一定に保つように制御される。
またモードM3では、電動車両100および電力変換設備200が電気的に接続された状態で、充電システム10は、メインバッテリ110の電力を用いて、系統電源400と同等の交流電力を出力するように動作する。以下では、このような動作内容を「車両放電」とも称する。
そして、インバータ230は、電圧Vacを一定に制御するように動作する。また車両における電力変換ユニット120は、車両のメインバッテリ110から外部へ送られる放電電力を制御する。
モードM1〜M3の各々は、たとえば、充電ケーブル300によって電動車両100および電力変換設備200が接続されている場合に、制御装置105および/または制御装置205に入力されたユーザ要求に応じて起動される。
まず、モードM1(車両充電)での充電システム10の動作について説明する。
電力変換設備200は、リレーRAC1,RAC2をオンした状態でインバータ230を動作させることによって、系統電源400からの電力を用いてメインバッテリ110の充電電力を発生することができる。具体的には、インバータ230は、電力線PLdの交流電圧Vacを、直流電圧VIに変換して電力線PLcに出力するように制御される。これにより、系統電源400からの交流電力を源とする直流電力が電力線PLbに発生され、かつ、コネクタ290および充電ケーブル300を介して、充電インレット190へ伝達される。モードM1(車両充電)での直流電圧VIの指令値は、メインバッテリ110の充電に適した値に設定される。
電動車両100では、充電インレット190に伝達された直流電力が、電力変換ユニット120によってメインバッテリ110の充電電力に変換される。これにより、系統電源400からの電力によって、メインバッテリ110を外部充電することができる。
一方で、電力変換設備200は、リレーRPVをオンした状態でコンバータ220を動作させることによって、直流電力源210からの電力を用いてメインバッテリ110の充電電力を発生することも可能である。具体的には、コンバータ220は、直流電力源210からの直流電圧Vpvを、直流電圧VIに変換して電力線PLbに出力するように制御される。これにより、直流電力源210からの直流電力が電力線PLbに発生され、かつ、コネクタ290および充電ケーブル300を介して、充電インレット190へ伝達される。
リレーRPVと、リレーRAC1,RAC2とは、制御装置205によって独立に制御される。リレーRPVをオフし、リレーRAC1,RAC2をオンすることにより、直流電力源210を用いることなく、系統電源400の電力のみによって、メインバッテリ110を充電することができる。
あるいは、リレーRPVとリレーRAC1,RAC2との両方をオンすることによって、系統電源400からの電力および直流電力源210からの電力の両方を用いて、メインバッテリ110を外部充電することも可能である。
次にモードM2(PVのみ充電)での充電システム10の動作について説明する。
モードM2では、リレーRPVをオンする一方でリレーRAC1,RAC2をオフすることにより、系統電源400からの電力を用いることなく、直流電力源210の電力のみを用いてメインバッテリ110を充電することができる。この場合には、系統電源400を用いない、すなわち、電気料金が発生しない外部充電が実現できる。
次に、モードM3(車両放電)での充電システム10の動作について説明する。
電動車両100において、制御装置105は、充電リレーRA1,RA2をオンするとともに、電力変換ユニット120を動作させる。一方で、システムリレーSR1,SR2はオフされる。電力変換ユニット120は、制御装置105によって、メインバッテリ110の出力電圧を直流電圧VHに変換して正極母線PL1に出力するように制御される。正極母線PL3の直流電圧VHは、充電インレット190および充電ケーブル300を介して、電力変換設備200のコネクタ290へ伝達される。
電力変換設備200では、電力線PLbの直流電圧VIが、電動車両100からの直流電圧VHと同等となる。制御装置205は、少なくともリレーRAC1,RAC2をオンするとともに、インバータ230を動作させる。インバータ230は、通常モードと同様に、電力線PLbの直流電圧VI(VI=VH)を交流電圧Vacに変換して、電力線PLdに出力するように動作する。これにより、電力変換設備200は、電動車両100のメインバッテリ110の電力を用いて、通常モードと同等の交流電力を発生することができる。
なお、モードM3(車両放電)では、リレーRPVをオンすることによって、直流電力源210からの電力、および、電動車両100(メインバッテリ110)からの電力の両方を用いて交流電力を発生することも可能である。あるいは、リレーRPVをオフすることによって、直流電力源210からの電力を用いることなく、電動車両100(メインバッテリ110)からの電力のみによって交流電力を発生することも可能である。
実施の形態1による充電システム10では、交流電力を直流電力に変換するインバータ230を外部充電に使用する。これにより、電動車両100の搭載部品を増やすことなく、電力変換設備200の回路要素を共有することによってメインバッテリ110の外部充電を実現することができる。
[実施の形態2]
図3は、実施の形態2の電動車両の充電システム10Aの構成を説明するブロック図である。
図3を参照して、電動車両の充電システム10Aは、電動車両100Aおよび電力変換設備200を含む。電力変換設備200については、実施の形態1において説明した図1の電力変換設備200と同様な構成であるので、ここでは説明は繰返さない。
電動車両100Aは、図1に示した電動車両100の構成において、制御装置105に代えて制御装置105Aを含み、充電インレット190に代えて充電インレット190Aを含み、正極母線PL3および負極母線GL3と充電インレット190Aとの間に設けられる交流直流電力変換ユニット122をさらに含む。
充電インレット190Aは、図1で示した充電インレット190に設けられており電線部530が接続されるDCポート222に加えて、交流電源400Aに電線部430を介して接続されるACポート221が設けられる点が、充電インレット190とは異なる。
交流直流電力変換ユニット122は、電力用半導体スイッチング素子Q11〜Q14、逆並列ダイオードD11〜D14を含んで構成される。交流直流電力変換ユニット122は、充電インレット190AのACポート221から入力された交流電力を直流電力に変換して正極母線PL3および負極母線GL3に出力することが可能である。また、交流直流電力変換ユニット122は、正極母線PL3および負極母線GL3の直流電力を交流電力に変換して充電インレット190AのACポート221へ出力することも可能である。
図4は充電インレット190Aの形状を示す図である。実施の形態2においては、充電インレット190Aは、交流電力を受電するためのACポート221および直流電力を受電するためのDCポート222が一体となった構造となっている。充電ケーブル502の端部に設けられたコネクタ320Aは、充電インレット190Aに対応した形状を有する。
図3、図4を参照して、ACポート221は、交流電力を伝達するための電力用端子T1,T2と、接地端子T3と、通信用端子T4,T5とを含む。DCポート222は、直流電力を伝達するための電力用端子T11,T12と、通信用端子T13,T14とを含む。
直流電力を送電する電線部530または交流電力を送電する充電ケーブル402のコネクタ320Aが充電インレット190Aに接続されることによって、コネクタ410に含まれる対応する端子が、上記の端子T1〜T5,T11〜T14にそれぞれ電気的に接続される。これによって、電力変換設備200から車両100への電力の供給、および電力変換設備200と車両100との間での信号伝達が可能となる。なお、図4における端子の種類、数および配列は一例であり、他の構成としてもよい。また、制御装置205と制御装置105Aとの間の通信については、図4に示すような専用の通信端子を使用するものでなくてもよく、電力線通信や無線通信を使用するものであってもよい。
図3では、説明の便宜のために充電ケーブル402と充電ケーブル502の両方がコネクタ320Aに接続されているように記載したが、実際には、充電ケーブル402と充電ケーブル502のいずれか一方がコネクタ320Aに接続されている。
交流電源400Aからの交流電力を用いた充電(以下、「AC充電」とも称する。)は、汎用的な商用電源(AC100VまたはAC200V)を用いてメインバッテリ110を充電することを意図した充電方式である。そのため、一般家庭においてメインバッテリ110の充電が可能であるという利点を有する。しかし、車両100が受電可能な交流電力は、一般的に商用電源の定格電力容量により制限されるので、メインバッテリ110を十分に充電するには数時間程度の時間が必要となる。
一方、電力変換設備200からの直流電力を用いた充電(以下、「DC充電」とも称する。)は、メインバッテリ110を短時間で充電する、いわゆる高速充電を意図した充電方式とすることができる。また、定常的に電動車両100Aに充電を行なう方式である。そのため、車両100に供給される直流電力は、一般的に、上記の交流電力よりも十分に大きな電力容量とされることが望ましい。もちろん直流電力源210が小容量である場合には、交流電源400Aと同程度の電力容量であってもよい。
図5は、図3中の充電ケーブル402の外観図である。図5を参照して、充電ケーブル402は、充電コネクタ320A2と、プラグ420と、電線部430とを含む。また、充電コネクタ320A2は、操作スイッチ414と、カプラ部415と、係止爪416とをさらに含む。プラグ420は、図3の交流電源400Aに接続される。
カプラ部415には、図4の端子T1〜T5に対応する複数の接続端子(図示せず)が設けられ、車両100Aの充電インレット190Aに接続されることによって、電線部430内の電力線、接地線および信号線が、車両100A側の電力線、接地線および信号線と接続される。
操作スイッチ414は、充電コネクタ320A2の抜け防止のための係止爪416を動作させるための解除ボタンであり、操作スイッチ414の操作に連動して係止爪416が動作する。
具体的には、充電コネクタ320A2が充電インレット190Aに接続されると、係止爪受け部に係止爪416が引っ掛かり、充電コネクタ320A2が充電インレット190Aから誤って抜けてしまうことが防止される。そして、操作スイッチ414が押下されると、係止爪416が係止爪受け部から外れることによって、充電コネクタ320A2を充電インレット190Aから引き抜くことが可能となる。
図6は、図3中の充電ケーブル502の外観図である。図6を参照して、充電ケーブル502には、充電コネクタ320A1と、電線部530とを含む。また、充電コネクタ320A1は、操作スイッチ514と、カプラ部515,518と、係止爪516とをさらに含む。コネクタ310は、図3のコネクタ290に接続される。
カプラ部515は、図4の端子T1〜T5が充電または放電中に他に接触不可能であるように覆う蓋の役割を果たす。カプラ部518は、図4の端子T11〜T14に対応する複数の接続端子(図示せず)が設けられ、車両100Aの充電インレット190Aに接続されることによって、電線部530内の電力線、接地線および信号線が、車両100A側の電力線、接地線および信号線と接続される。
操作スイッチ514は、充電コネクタ320A1の抜け防止のための係止爪516を動作させるための解除ボタンであり、操作スイッチ514の操作に連動して係止爪516が動作する。
具体的には、充電コネクタ320A1が充電インレット190Aに接続されると、係止爪受け部に係止爪516が引っ掛かり、充電コネクタ320A1が充電インレット190Aから誤って抜けてしまうことが防止される。そして、操作スイッチ514が押下されると、係止爪516が係止爪受け部から外れることによって、充電コネクタ320A1を充電インレット190Aから引き抜くことが可能となる。
図5および図6に示した充電ケーブルは充電インレット190Aに接続することが可能である。そして、図5に示した充電ケーブル402の充電コネクタ320A2を充電インレット190Aに接続した場合には、充電インレット190Aの端子T11〜T14は露出した状態である。一方で、充電ケーブル502の充電コネクタ320A1を充電インレット190Aに接続した場合には、端子T11〜T14に電線部530の内部の電力線、接地線および信号線が接続され、端子T1〜T5はカプラ部515で覆われる。この状態では、端子T1〜T5は露出していないので接触することはできない。
このため、図3に示したように、ACポート221を介して外部と電力を授受する場合には、DCポート部分に電力が漏れないように充電インレット190Aの内側配線部のDCポート部分にはリレーRA1,RA2を設けている。これに対し、DCポート222を介して外部と電力を授受する場合には、ACポート部分は覆われているので電力が漏れない。このためACポート221側にはリレーは設ける必要がない。
図7は、電動車両100Aの各動作モードにおける動作を説明するための図である。
図3、図7を参照して、電動車両100Aは、動作モードとしてモードM1〜M4を有する。モードM1〜M3については、図2で説明したモードM1〜M3と同じであるので説明は繰返さない。なおモードM1〜M3では、交流直流電力変換ユニット122は動作停止している。
モードM4は、車両が非常発電動作を実行するためのモードである。モードM4を実行する場合は車両駆動部123には、エンジンおよび発電機や燃料電池などの発電手段が搭載されていることが好ましい。
そして、インバータ230はオフ状態に制御され、リレーRAC1,RAC2もオフ状態に制御される。そして車両100A側では、電力変換ユニット120は放電電力を制御する。また、交流直流電力変換ユニット122は電動車両100Aを発電装置として動作させるために、正極母線PL3および負極母線GL3の直流電力を交流電力に変換して充電インレット190AのACポート221から外部へ出力する。
上記のモードM1〜M4の切換えに伴う制御は、制御装置105Aによって実行される。
実施の形態2の充電システム10Aおよび電動車両100Aのような構成とすれば、自宅や事業所などに設置された電力変換設備200を介して、系統電源400から車両100Aに充電したり、車両100Aから系統電源400に電力を放電したりすることができる。加えて、充電インレット190AのACポート221を介して一般の商用交流電源400Aから車両100Aに充電したり、車両100Aから電気負荷に電力を放電したりすることができる。したがって、災害時などに自宅以外の場所で電気製品を使用する場合に便利である。そして充電インレット190AのDCポート222のみにリレーを設け、ACポート221にはリレーを設けない構成とすることで部品点数を減らすことができる。
[実施の形態3]
実施の形態3では、補機バッテリにメインバッテリから送電するDC/DCコンバータを外部DC充電用のDC/DCコンバータと共用することで部品点数を減らす例を紹介する。
図8は、実施の形態3の電動車両100Bの構成を示したブロック図である。図8を参照して、電動車両100Bは、メインバッテリ110と、制御装置105Bと、電力変換ユニット120Bと、リレーRA1,RA2と、充電インレット190と、車両駆動部123とを含む。なお、充電インレット190には、図1の電力変換設備200と同様なDC電圧供給源が接続される。
車両駆動部123は、図1で示した構成と同様であり、インバータと、モータジェネレータと、動力伝達ギヤと、駆動輪とを含む。なお、電動車両がハイブリッド自動車である場合には、車両駆動部123は、さらに、エンジンおよび発電機を含む。
電力変換ユニット120Bは、電力用半導体スイッチング素子Q3〜Q6、逆並列ダイオードD3〜D6を含む直流−交流変換回路と、絶縁トランス121Bと、タップ切換部600と、電力用半導体スイッチング素子Q7〜Q10、逆並列ダイオードD7〜D10を含む交流−直流変換回路とを含んで構成される。
絶縁トランス121Bは、メインバッテリ110と反対側の巻線に中間タップが設けられており、タップ切換部600によって一次/二次電圧比を変えることができる。
タップ切換部600は、リレーRB3,RA3を含む。リレーRB3,RA3のいずれか一方を選択的にオンすることによって、絶縁トランス121Bの巻線比を変えることが可能である。
電動車両100Bは、さらに、リレーRB1,RB2と、補機バッテリ602と、補機バッテリ602から電力供給を受ける補機負荷604とを含む。
制御装置105Bは、外部充電時にはリレーRA1,RA2およびRA3をオンし、リレーRB1,RB2およびRB3をオフする。そして、制御装置105Bは、電力変換ユニット120Bによって充電インレット190から受けた直流電力を電圧変換してメインバッテリ110に出力する。
制御装置105Bは、外部充電を行なわない時にはリレーRA1,RA2およびRA3をオフし、リレーRB1,RB2およびRB3をオンする。そして、制御装置105Bは、電力変換ユニット120Bによってメインバッテリ110の直流電力を電圧変換して補機バッテリ602に出力する。
図9は、制御装置105が実行する制御を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は、所定のメインルーチンから呼び出されて実行される。
図8、図9を参照して、処理が開始されると、まずステップS101において、コネクタ320が充電インレット190に接続されたか否かが判断される。この接続判断は、充電インレット190に設けられた図示しない接続検出部からの信号に基づいて行われる。
ステップS101において、コネクタ320の接続が検出されない場合には再びステップS101の処理が行なわれ、コネクタ320の接続が検出された場合にはステップS102に処理が進む。
ステップS102では、制御装置105Bは、動作モードがDC充電モードであるか否かを判断する。図8の車両100Bについても図2と同様な動作モードが適用される。DC充電モードは、図2のモードM1,M2に対応する。ステップS102において動作モードがDC充電モードであった場合には、ステップS103に処理が進む。
ステップS103では、制御装置105Bは、リレーRA1〜RA3を接続状態(オン)とし、リレーRB1〜RB3を非接続状態(オフ)に制御する。
ステップS103による接続状態の設定が完了すると、ステップS104に処理が進み、制御装置105Bは、電力変換ユニット120Bを制御して、充電インレット190からメインバッテリ110へDC充電を開始する。
一方、ステップS102において動作モードがDC充電モードではなかった場合には、ステップS105に処理が進む。
ステップS105では、制御装置105Bは、動作モードがDC放電モードであるか否かを判断する。DC放電モードは、図2のモードM3に対応する。ステップS105において動作モードがDC充電モードであった場合には、ステップS106に処理が進む。
ステップS106では、制御装置105Bは、リレーRA1〜RA3を接続状態(オン)とし、リレーRB1〜RB3を非接続状態(オフ)に制御する。
ステップS106による接続状態の設定が完了すると、ステップS107に処理が進み、制御装置105Bは、電力変換ユニット120Bを制御して、メインバッテリ110から車両外部にDC放電を開始する。
一方、ステップS105において動作モードがDC放電モードではなかった場合には、ステップS108に処理が進む。
ステップS108では、制御装置105Bは、リレーRB1〜RB3を接続状態(オン)とし、リレーRA1〜RA3を非接続状態(オフ)に制御する。
ステップS108による接続状態の設定が完了すると、ステップS109に処理が進み、制御装置105Bは、電力変換ユニット120Bを制御して、メインバッテリ110から補機バッテリ602に充電(および/または補機負荷604への電力供給)を開始する。
図8に示した構成とすれば、車両外部からメインバッテリ110と補機バッテリ602に対して同時に充電を行なうことはできないが、絶縁トランス121Bの電圧比を変更可能とし、リレーRB1,RB2を設けることによって、補機バッテリ602への電力送電を行なうことができる。これにより、外部充電に使用する電力変換ユニット120Bを補機バッテリ602とメインバッテリ110との間で電圧変換を行なうDC/DCコンバータとして兼用することができる。
最後に本実施の形態1〜3について再び図を参照して総括する。電動車両100、100A,100Bは、メインバッテリ110と、直流電力源210および系統電源400の間に設けられた電力変換設備200に対して、充電ケーブル300または500によって電気的に接続可能に構成された充電インレット190、190Aと、充電インレットに伝達された直流電力をメインバッテリ110の充電電力に変換するための第1の電力変換ユニット120とを備える。第1の電力変換ユニット120は、充電インレット190、190Aに伝達された直流電力を交流電力に変換するための第2の電力変換ユニット128と、第2の電力変換ユニットからの交流電力を一次側に受ける絶縁トランス121,121Bと、絶縁トランス121,121Bの二次側に伝達される交流電力をメインバッテリ110を充電するための直流電力に変換する第3の電力変換ユニット129とを含む。
好ましくは、電動車両100、100A,100Bは、第2の電力変換ユニット128と充電インレット190,190Aとの間に設けられ、電力伝達経路を開閉可能な開閉手段(リレーRA1,RA2)をさらに備える。
図4に示すように、より好ましくは、充電インレット190Aは、外部から直流電力を入力するための直流端子T11,T12と、外部から交流電力を入力するための交流端子T1〜T3とを含む。開閉手段(リレーRA1,RA2)は、直流端子T11,T12と第2の電力変換ユニット128との間に設けられる。電動車両100Aは、交流端子T1〜T3に直結され、外部から与えられた交流電力を直流電力に変換して第2の電力変換ユニット128の開閉手段に接続されている端子に変換後の直流電力を出力する第4の電力変換ユニット122をさらに備える。
図8に示すように、好ましくは、絶縁トランス121Bは、複数のタップが設けられた巻線を有する。第1の電力変換ユニット120Bは、複数のタップを切換えることによって絶縁トランス121Bの電圧比を変更するタップ切換部600をさらに含む。第2の電力変換ユニット128および第3の電力変換ユニット129は、充電インレット190からメインバッテリ110に充電が行なわれる際の電力伝達方向とは逆方向にも電力伝達が可能に構成される。電動車両100Bは、補機バッテリ602と、第2の電力変換ユニット128と充電インレット190との間に設けられた電力伝達経路と補機バッテリ602とを接続するための開閉可能な開閉手段(リレーRB1,RB2)と、外部充電モードと補機使用モードとの切換えに応じて、開閉手段と第2の電力変換ユニット128と第3の電力変換ユニット129とタップ切換部600とを連動して制御する制御装置105Bとをさらに備える。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。