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JP5776574B2 - エンジン制御用のセンサ信号の処理装置 - Google Patents
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本発明は、エンジン制御用のセンサ信号の処理装置に関する。
車両用エンジンの制御において、クランク角度に応じたきめ細かな制御を行う場合には、クランク角度に同期した正確なセンサ信号を取得することが要求される。一方、センサから得るセンサ信号によりエンジンを制御する際に、マイクロコンピュータなどの制御装置で処理するのにデジタル信号に変換することが必要となる。この場合、センサから出力されるアナログのセンサ信号をデジタル信号に変換する関係でアンチエイリアシングフィルタとしてのアナログフィルタを介した状態で信号処理をする。このとき、センサ信号をアナログフィルタでフィルタリングすると位相遅れが発生するので、これを補正する必要がある。このような補正をする方法として、例えば特許文献1に示される技術がある。
特開2008−169728号公報
上記した技術では、デジタルフィルタにより遅れを補正する構成を採用しているが、アナログフィルタ回路を構成するディスクリート部品は初期公差や、温度公差、あるいは耐久公差があるためアナログフィルタ回路の遅延時間を一律に決定することができない。このため、デジタルフィルタを用いた構成では、これらの公差を補償する補正処理はできないという課題がある。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、センサ信号をアナログフィルタによりフィルタリングした際に発生する遅延を補正する際に、アナログフィルタを構成する部品の初期公差や、温度公差あるいは経年などの耐久公差による遅延時間の変化を考慮した補正をすることができるようにしたセンサ信号の処理装置を提供することにある。
請求項1のエンジン制御用のセンサ信号の処理装置は、車両のエンジンを制御するために用いられるセンサからのセンサ信号が入力されるアナログフィルタ回路と、前記アナログフィルタ回路が出力するアナログのセンサ信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記アナログフィルタ回路への入力時及び出力時の前記センサ信号からフィルタリングによる遅延時間を検出する遅延時間検出手段と、前記遅延時間検出手段により検出された前記遅延時間の情報を用いて前記A/D変換手段が出力するデジタル信号の位相遅れを補正する補正手段とを備える。
そして、前記車両のエンジンを制御するために用いられる複数のセンサが設けられ、前記センサ信号が入力される前記アナログフィルタ回路および前記A/D変換手段は、前記複数のセンサのそれぞれに対応して複数設けられ、前記遅延時間検出手段は、前記複数のアナログフィルタ回路のうちの一つに入力されるセンサ信号について前記遅延時間を検出するように設けられ、前記補正手段は、前記遅延時間検出手段により検出された前記遅延時間の情報を用いてすべての前記A/D変換手段が出力するデジタル信号の位相遅れを補正する
これにより、センサからのセンサ信号に対して、A/D変換後に必要な遅延時間の補正をする場合に、アナログフィルタ回路の遅延時間を直接検出しているので、温度変動やばらつきあるいは経年変化に対する位相遅れの補正を確実に行える。
第1実施形態を示す全体の電気的構成図 アナログフィルタ回路の入力信号および出力信号の波形図 遅延時間の検出と補正処理のフローチャート 第2実施形態を示す遅延時間の検出と補正処理のフローチャート 第3実施形態を示す全体の電気的構成図 遅延時間の検出と補正処理のフローチャート 第4実施形態を示す遅延時間の検出と補正処理のフローチャート
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1〜図3を参照して説明する。
図1において、エンジン制御用のセンサ信号の処理装置である電子制御装置1は、エンジンの回転状態を検出するセンサであるCPS(cylinder pressure sensor)2およびシリンダの回転位置を検出するNE(number of engine speed)センサ3からのセンサ信号を入力してこれを処理する。CPS2は、シリンダの回転に伴う内圧のセンサ信号を回転軸の2回転分を1周期(クランク角度で720°CA(crank angle))として出力する。NEセンサ3は、クランク角度で1°CA毎にピークを有する角度信号を出力する。
電子制御装置1は、マイクロコンピュータ4を主体として構成されるもので、マイクロコンピュータ4は、入力段にA/D変換手段であるA/D変換回路4aおよび遅延時間検出手段であるインプットキャプチャ4bを備えている。A/D変換回路4aにはアナログフィルタ回路5が接続され、抵抗6aおよびコンデンサ6bからなる入力回路6を介してCPS2に接続されている。
アナログフィルタ回路5は、入力段にバッファ回路5aが設けられ、その出力側に抵抗5b、5c、コンデンサ5d、5eからなるローパスフィルタが設けられ、出力段にバッファ回路5fが設けられたディスクリート部品による構成である。アナログフィルタ回路5は、CPS2からのセンサ信号を入力すると所定の低域周波数を通過させてA/D変換回路4aに入力するもので、A/D変換に先立って高い周波数領域の信号をカットするアンチエイリアシングフィルタ機能を担うものである。
インプットキャプチャ4bには、比較手段としての比較回路7が接続されている。比較回路7は、2個の比較器7a、7bを備えると共に、基準電圧Vsを生成する抵抗7c、7dを備えている。一方の比較器7aは、入力回路6の出力信号S1が入力され、基準電圧Vsと比較してインプットキャプチャ4bに入力する。他方の比較器7bは、アナログフィルタ回路5の出力信号S2が入力され、基準電圧Vsと比較してインプットキャプチャ4bに入力する。
NEセンサ3の出力端子は、抵抗8a、8bおよびコンデンサ8cからなる入力回路8を介して波形整形回路9に接続される。波形整形回路9は、比較器9aおよび抵抗9b、9cからなり、NEセンサ3のセンサ信号を比較器9aにおいて抵抗9b、9cにより設定される基準電圧Vpと比較して波形整形した信号をマイクロコンピュータ4に入力する。これにより、マイクロコンピュータ4は、NEセンサ3からクランク角度にして1°CA毎に角度信号が入力される。
また、図示はしていないが、この他に、エンジンの温度を検出する温度検出信号および気筒判別信号が電子制御装置1に入力されるようになっており、マイクロコンピュータ4に入力される。
次に、上記構成の作用について図2および3も参照して説明する。
アナログフィルタ回路5は、前述のようにA/D変換回路4aの入力段のアンチエイリアシングを行うもので、センサ信号に重畳されている所定周波数以上の高周波信号をカットする。実際には、センサ信号の周波数に対して非常に高い周波数で、しかも振幅は小さいので、入力信号S1と出力信号S2との間で位相の差は発生するが、波形としては大きく変化することはない。
アナログフィルタ回路5を介してCPS2のセンサ信号をマイクロコンピュータ4に入力する際に発生する遅延時間(位相遅れ)Tdは、アナログフィルタ回路5への入力信号S1と出力信号S2とから位相差を直接検出している。図2(c)には、入力信号S1と出力信号S2を示している。これらから遅延時間(位相遅れ)Tdを検出するために、マイクロコンピュータ4ではインプットキャプチャ4bを用いる。そして、それに先立って比較回路7により波形整形を行う。
比較回路7では、基準電圧Vsとして電源電圧Vdを抵抗7c、7dにより分圧して生成し、これを各比較器7a、7bに設定している。各比較器7a、7bでは、入力信号S1および出力信号S2が基準電圧Vsを超えるとハイレベルの信号を出力する。マイクロコンピュータ4のインプットキャプチャ4bは、比較器7a、7bからの信号が入力されると、それらの信号の立ち上がりタイミングを検出し、両者の立ち上がり時刻の差から位相差を検出する。検出した位相差(遅延時間Td)のデータは内部のRAMなどのメモリに記憶され、後述する補正の際に読み出して使用する。
一方、アナログフィルタ回路5からのアナログの出力信号S2は、マイクロコンピュータ4のA/D変換回路4aに入力され、所定のタイミングでA/D変換してデジタル信号を得る。マイクロコンピュータ4は、NEセンサ3から波形整形回路9を介して入力されるクランク角度の1°CA毎の検出信号のうち、5°CA毎の信号に対応してA/D変換処理を行う。そして、この時得られたデジタル信号について、前述のようにしてメモリに記憶した遅延時間Tdのデータに基づいて、信号の位相遅れを補正する。マイクロコンピュータ4は、このようにして得られたCPS2からの信号に基づいて、エンジンの制御を行う。
次に、上記の遅延時間検出と補正の処理動作について図3のフローチャートを参照して説明する。
図3に示すフローチャートは、マイクロコンピュータ4が実行する処理内容である。マイクロコンピュータ4は、NEセンサ3から入力されるクランク角度1°CA毎の信号に応じてフローチャートを実行するようにプログラムされている。
すなわち、マイクロコンピュータ4は、プログラムを開始すると、まず、クランク角度のカウンタを加算して1°CA分進角させ(A1)、進めたクランク角度のカウンタ値が5の倍数から「1」減じた値(=(5×i−1)°CAか?)であるか否かを判定する(A2)。この角度に該当しない場合には、続いてクランク角度のカウンタ値が5の倍数(5×i)であるか否かを判断し(A3)、ここでも該当しない場合には処理を終了する。
そして、クランク角度のカウンタ値が(5×i−1)°CAとなって、マイクロコンピュータ4がステップA2で「YES」と判断すると、比較回路7から入力される信号をインプットキャプチャ4bによりエッジの検出を行う(A4)。アナログフィルタ回路5への入力信号S1と出力信号S2とがそれぞれ比較回路7で基準電圧Vsと比較され、その比較結果である波形整形された信号がインプットキャプチャ4bに入力されると、その立ち上がりタイミングのエッジが検出される。マイクロコンピュータ4は、それらのエッジの時間差を遅延時間Tdとして算出し(A5)、これを内部に設けられたメモリであるRAMに記憶させ(A6)、プログラムを終了する。
次に、クランク角度のカウンタ値が1°CA進んで、(5×i)°CAとなって、マイクロコンピュータ4がステップA3で「YES」と判断すると、アナログフィルタ回路5を通過してアンチエイリアシングのフィルタリングがされた出力信号S2を取り込み(A7)、A/D変換回路4aによりデジタル信号に変換する(A8)。この後、マイクロコンピュータ4は、RAMから先に記憶した遅延時間Tdを読み出し(A9)、この遅延時間TdのデータによりA/D変換により得られたデジタル信号の位相遅れを補正し(A10)、処理を終了する。
以後、クランク角度のカウンタ値が(5×i−1)°CAあるいは(5×i)°CAとなる毎に、マイクロコンピュータ4は、上記の処理を繰り返し実行し、クランク角度5°CA毎にアナログフィルタ回路5の出力信号をA/D変換して遅延時間の補正を行う。これにより、アナログフィルタ回路5を構成する各部品の初期公差・温度公差・耐久公差による位相遅れが発生する場合でも、その都度その遅延時間Tdを検出して補正をすることにより、クランク角度に正確に同期したCPS2のセンサ信号を取得することが可能となる。
このような本実施形態によれば、入力されるセンサ信号に対し、アナログフィルタ回路5の通過前後の信号S1、S2を比較回路7で比較し、マイクロコンピュータ4のインプットキャプチャ4bにより立ち上がりタイミングを検出して両者の位相差を遅延時間(位相遅れ時間)Tdとして算出し内部のメモリであるRAMへ保存する。RAMに保存された遅延時間Tdを使用してA/D変換されたデジタル信号を補正することで、アナログフィルタ回路5に用いる抵抗5b、5c、コンデンサ5d、5eの特性にかかわらず、正確に位相補正をすることができる。また、これによって、アナログフィルタ回路5に用いる抵抗5b、5c、コンデンサ5d、5eの調整をすることなく、安価に位相補正の精度を向上させることができる。
また、上記実施形態によれば、アナログフィルタ回路5の出力信号S2の遅延時間Tdについて、A/D変換を実施する毎にこれに先立って遅延時間Tdを検出するようにしているので、アナログフィルタ回路5を構成する部品の公差に起因した遅延時間Tdの変動に確実に追随してCPS2のセンサ信号の補正をすることができる。
そして、アナログフィルタ回路5の入力信号S1および出力信号S2について、比較回路7により波形整形をした信号としてマイクロコンピュータ4に入力するので、簡単且つ安価な構成で遅延時間Tdを正確に検出することができる。
また、マイクロコンピュータ4においては、比較回路7からの信号をインプットキャプチャ4bにより入力してエッジを検出するので、マイクロコンピュータ4が備えている機能を利用して迅速に検出動作を行え、ソフトウエア処理をすることに比べて開始タイミングが遅れることに起因した不具合の発生を回避できる。
(第2実施形態)
図4は本発明の第2実施形態を示すもので、第1実施形態とは、遅延時間Tdの検出動作とCPS2のセンサ信号の補正動作とを同時に行うようにしたところが異なる。
すなわち、マイクロコンピュータ4は、クランク角度が1°CA進む毎にプログラムを実行してカウント値を加算する(B1)が、カウンタ値が(5×i)°CAとなって、マイクロコンピュータ4がステップB2で「YES」と判断すると、第1実施形態と同様にして比較回路7から入力される信号をインプットキャプチャ4bによりエッジの検出を行い(B3)、それらのエッジの時間差を遅延時間Tdとして算出する(B4)。
この後、マイクロコンピュータ4は、アナログフィルタ回路5を通過してアンチエイリアシングのフィルタリングがされた出力信号S2を取り込み(B5)、A/D変換回路4aによりデジタル信号に変換する(B6)。この後、マイクロコンピュータ4は、ステップB4で算出した遅延時間TdのデータによりA/D変換により得られたデジタル信号を補正し(B7)、処理を終了する。
以後、クランク角度のカウンタ値が(5×i)°CAとなる毎に、マイクロコンピュータ4は、上記の処理を繰り返し実行し、アナログフィルタ回路5の出力信号をA/D変換して遅延時間の補正を行う。
このような第2実施形態によっても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、この実施形態では、遅延時間Tdの検出動作とセンサ信号の補正の処理を一括して行うので、他のクランク角度のカウント値のときにマイクロコンピュータ4の処理負担を軽減でき、これにより他の処理を実行することができる。
(第3実施形態)
図5および図6は本発明の第3実施形態を示すもので、第1実施形態と異なるところは、エンジンの制御に用いる複数のセンサが設けられる構成としたところである。
図5において、全体構成としては、図1の第1実施形態の構成に比べて、電子制御装置1aは、センサとしてのCPS2に加えて、他のセンサとして3個のCPS10〜12を設けている。これは、例えばエンジンが4気筒の場合に、各気筒に対応してCPSが設けられている状況に対応している。そして、増設した3個のCPS10〜12のそれぞれに対応してアナログフィルタ回路13〜15が設けられている。さらに、マイクロコンピュータ4の内部には、増設した各CPS10〜12に対応してA/D変換回路4c〜4eが増設されている。
なお、これらCPS10〜12を増設したことに対して、遅延時間を検出するためのインプットキャプチャ4bは増設せずそのままの構成とし、CPS2に対応したものを設けているだけである。例えば、CPS2、10〜12に対応して設けられたアナログフィルタ回路5、13〜15のそれぞれを構成している各部品の温度公差・耐久公差による位相遅れが大きく異ならない範囲である場合には、一つのアナログフィルタ回路5の遅延時間Tdを代表して計測することをもってすべての遅延時間Tdとして補正をすることができる。
マイクロコンピュータ4は、各気筒に対応したCPS2、10〜12のそれぞれについて、第1実施形態と同様の遅延時間検出と補正処理を実施する。図6(a)に示すように、各気筒に設けられたCPS2のセンサ信号について、マイクロコンピュータ4は、各気筒のクランク角度のカウンタ値が(5×i−1)°CAになると、CPS2の遅延時間Tdを算出して(C1〜C6)、プログラムを終了する。その後、各気筒のクランク角度のカウンタ値が1°CA進んで、(5×i)°CAとなると、マイクロコンピュータ4は、ステップC3で「YES」と判断し、各CPS2、10〜12についてアナログフィルタ回路5、13〜15を通過してアンチエイリアシングのフィルタリングがされた出力信号を取り込み(図6(b)〜(e)、D1a〜D1d)、A/D変換回路4a、4c〜4eによりデジタル信号に変換する(図6(b)〜(e)、D2a〜D2d)。この後、マイクロコンピュータ4は、RAMから先に記憶した遅延時間Tdを読み出し(図6(b)〜(e)、D3a〜D3d)、この遅延時間TdのデータによりA/D変換により得られたデジタル信号を補正し(図6(b)〜(e)、D4a〜D4d)、処理を終了する。
以後、各気筒について、クランク角度のカウンタ値が(5×i−1)°CAあるいは(5×i)°CAとなる毎に、マイクロコンピュータ4は、上記の処理を繰り返し実行し、クランク角度5°CA毎にアナログフィルタ回路5、13〜15の出力信号をA/D変換して遅延時間の補正を行う。これにより、アナログフィルタ回路5、13〜15を構成する各部品の温度公差・耐久公差による位相遅れが発生する場合でも、その都度その遅延時間Tdを検出して補正をすることにより、クランク角度に正確に同期したCPS2のセンサ信号を取得することが可能となる。
このような本実施形態によれば、各気筒に対応して設けられたCPS2、10〜12について、一つのCPS2の遅延時間を検出してRAMに保存し、4個のCPS2、10〜12のセンサ信号に対し、アナログフィルタ回路5の遅延時間Tdを使用してA/D変換されたデジタル信号を補正することで、各アナログフィルタ回路5、13〜15に用いる部品の特性にかかわらず、正確に位相補正をすることができる。
(第4実施形態)
図7は本発明の第4実施形態を示すもので、以下第1実施形態と異なる部分について説明する。この実施形態においては、第1実施形態と同じタイミングで遅延時間Tdの算出処理と補正処理を行うが、遅延時間Tdの算出過程において複数回の遅延時間情報の平均値を再計算してこれを遅延時間Td(ave)として利用するようにしている。
マイクロコンピュータ4は、図7のプログラムを開始すると、クランク角度のカウンタ値が(5×i−1)°CAになったときに(E1〜E3を実行して、E2で「YES」)、CPS2のセンサ信号が通過するアナログフィルタ回路5の出力を取り込んで遅延時間Tdを算出する(E4、E5)。マイクロコンピュータ4は、この後、これまでに検出した遅延時間Tdのデータの平均遅延時間Td(ave)を読み出し(E7)、この平均遅延時間Td(ave)と検出した遅延時間Tdにより平均遅延時間Td(ave)を再計算し(E7)、これをRAMに記憶する(E8)。
次に、クランク角度のカウンタ値が1°CA進んで、(5×i)°CAとなったときには(E3で「YES」)、マイクロコンピュータ4は、前述同様に、アナログフィルタ回路5の出力信号S2を取り込み(E9)、A/D変換回路4aによりデジタル信号に変換する(E10)。続いて、マイクロコンピュータ4は、RAMに記憶した平均遅延時間Td(ave)を読み出し(E11)、A/D変換により得られたデジタル信号を補正して(E12)、処理を終了する。
これにより、過去に検出した複数回の遅延時間Tdのデータの平均値を求めることで、偶発的なノイズなどによる遅延時間Tdの変動を吸収して遅延時間Tdのデータの検出精度を高めることができ、遅延時間の補正を確実に行うことができる。
上記の場合、平均遅延時間Td(ave)の再計算処理では、過去の一定時間(例えば5分間)の平均遅延時間の情報を使用し、新たに算出した遅延時間Tdの値との平均値を計算する方法や、あるいは過去の所定回数の遅延時間Tdのデータの平均値を再計算する方法などがある。また、A/D変換処理に先立って複数回の遅延時間検出処理を行い、その平均値を算出することで平均遅延時間Td(ave)とすることもできる。
このような第4実施形態によっても第1実施形態と同様の効果を得ることができると共に、さらに、精度の高い遅延時間の検出を行なってA/D変換したデジタル信号の補正処理を行うことができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は、上述した一実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能であり、例えば、以下のように変形または拡張することができる。
上記各実施形態では、アナログフィルタ回路5で発生する遅延時間の検出を、A/D変換を実施する毎に行う場合を示したが、これに限らず、例えば、アナログフィルタ回路5を構成する部品の遅延時間特性として比較的変化が少ない場合には、一度検出した遅延時間のデータを複数回の補正の処理に使用することもできる。この場合には、遅延時間の特性が急激な変化をすることがなく、比較的安定していることが条件となる。これによって、遅延時間の検出の頻度をたとえば一定時間毎に行うなどの条件を設定することができ、マイクロコンピュータ4による遅延時間の検出処理の負担を軽減させることができる。
A/D変換手段は、マイクロコンピュータ4に付随するA/D変換回路4aを用いる構成としたが、マイクロコンピュータ4とは別途にA/D変換回路を設ける構成としても良い。
第3実施形態においては、複数のアナログフィルタ回路5、13〜15に対して1個のアナログフィルタ回路の遅延時間を検出して補正しているが、各アナログフィルタ回路5、13〜15に対応して個別に遅延時間を検出してそれぞれのセンサ信号について補正する構成としても良い。
A/D変換を行うタイミングを、クランク角度にして5°CA間隔としているが、これ以外に、10°CAや20°CAなど適宜の角度で実施することができる。
センサとしてCPS2の場合を示したが、他のエンジン制御に用いるセンサのセンサ信号の遅延時間の補正にも適用することができる。センサとしては、例えば、ノックセンサなどに適用できる。
図面中、1、1aは電子制御装置(センサ信号の処理装置)、2、10〜12はCPS(センサ)、3はNEセンサ、4はマイクロコンピュータ(補正手段)、4a、4c〜4eはA/D変換回路(A/D変換手段)、4bはインプットキャプチャ(遅延時間検出手段)、5、13〜15はアナログフィルタ回路、7は比較回路(比較手段)である。

Claims (9)

  1. 車両のエンジンを制御するために用いられるセンサからのセンサ信号が入力されるアナログフィルタ回路と、
    前記アナログフィルタ回路が出力するアナログのセンサ信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、
    前記アナログフィルタ回路への入力時及び出力時の前記センサ信号からフィルタリングによる遅延時間を検出する遅延時間検出手段と、
    前記遅延時間検出手段により検出された前記遅延時間の情報を用いて前記A/D変換手段が出力するデジタル信号の位相遅れを補正する補正手段と、
    を備え
    前記車両のエンジンを制御するために用いられる複数のセンサが設けられ、
    前記センサ信号が入力される前記アナログフィルタ回路および前記A/D変換手段は、前記複数のセンサのそれぞれに対応して複数設けられ、
    前記遅延時間検出手段は、前記複数のアナログフィルタ回路のうちの一つに入力されるセンサ信号について前記遅延時間を検出するように設けられ、
    前記補正手段は、前記遅延時間検出手段により検出された前記遅延時間の情報を用いてすべての前記A/D変換手段が出力するデジタル信号の位相遅れを補正することを特徴とするエンジン制御用のセンサ信号の処理装置。
  2. 請求項1に記載のエンジン制御用のセンサ信号の処理装置において、
    前記エンジンの回転を検出する回転センサのセンサ信号を入力し、エンジンの回転角度信号を取得する回転角度検出手段を設け、
    前記A/D変換手段は、前記回転角度検出手段が検出する所定回転角度毎に検出する回転角度信号のタイミングでアナログのセンサ信号をデジタル信号に変換し、
    前記遅延時間検出手段は、前記回転角度検出手段が所定回転角度毎に検出する回転角度信号のタイミングで前記遅延時間の検出を行うことを特徴とするエンジン制御用のセンサ信号の処理装置。
  3. 請求項1に記載のエンジン制御用のセンサ信号の処理装置において、
    前記エンジンの回転を検出する回転センサのセンサ信号を入力し、エンジンの回転角度信号を取得する回転角度検出手段を設け、
    前記A/D変換手段は、前記回転角度検出手段が検出する所定回転角度毎に検出する回転角度信号のタイミングでアナログのセンサ信号をデジタル信号に変換し、
    前記遅延時間検出手段は、一定時間が経過した後に、前記回転角度検出手段が回転角度の信号を検出したときに前記遅延時間の検出を行うことを特徴とするエンジン制御用のセンサ信号の処理装置。
  4. 請求項2または3に記載のエンジン制御用のセンサ信号の処理装置において、
    前記遅延時間検出手段は、前記A/D変換手段による変換処理と同じタイミングで前記遅延時間の検出を行うことを特徴とするエンジン制御用のセンサ信号の処理装置。
  5. 請求項2または3に記載のエンジン制御用のセンサ信号の処理装置において、
    前記遅延時間検出手段は、前記A/D変換手段による変換処理に先行して検出される回転角度の信号のタイミングで前記遅延時間の検出を行うことを特徴とするエンジン制御用のセンサ信号の処理装置。
  6. 請求項に記載のエンジン制御用のセンサ信号の処理装置において、
    前記エンジンの回転を検出する回転センサのセンサ信号を入力し、エンジンの回転角度信号を取得する回転角度検出手段を設け、
    前記A/D変換手段は、前記回転角度検出手段が検出する所定回転角度毎に検出する回転角度信号のタイミングでアナログのセンサ信号をデジタル信号に変換し、
    前記遅延時間検出手段は、前記回転角度検出手段による回転角度の信号の複数回の検出時に前記遅延時間の検出を行い、得られた複数個の前記遅延時間を平均することで遅延時間を算出することを特徴とするエンジン制御用のセンサ信号の処理装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のエンジン制御用のセンサ信号の処理装置において、
    前記遅延時間検出手段は、前記アナログフィルタ回路への入力時及び出力時の前記センサ信号をそれぞれ所定の基準レベルと比較する比較手段を備え、前記比較手段による比較結果出力から前記遅延時間を検出することを特徴とするエンジン制御用のセンサ信号の処理装置。
  8. 請求項に記載のエンジン制御用のセンサ信号の処理装置において、
    前記遅延時間検出手段は、インプットキャプチャ機能を備え、前記比較手段の比較結果出力を前記インプットキャプチャ機能により捕捉することを特徴とするエンジン制御用のセンサ信号の処理装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載のエンジン制御用のセンサ信号の処理装置において、
    前記センサは、筒内圧センサ(CPS;cylinder pressure sensor)であることを特徴とするエンジン制御用のセンサ信号の処理装置。
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