以下、実施形態に係る端子成形金型装置の交換装置について説明する。
<1.電線処理装置の全体構成>
まず、端子成形金型装置の交換装置が適用された電線処理装置の全体構成を説明する。図1は電線処理装置10の概略構成を示す概略平面図である。この電線処理装置10は、切断ユニット112と、皮剥ユニット114と、電線搬送ユニット14と、端子圧着ユニット20とを備えている。
切断ユニット112は、巻回リール等に巻回された長尺電線Wを所定長に切断可能に構成されている。電線Wの切断の皮剥は、例えば、一対のV字状刃を用いて行われる。また、皮剥ユニット114は、電線Wの端部の被覆部を皮剥ぎ可能に構成されている。電線Wの被覆部の皮剥も、例えば、一対のV字状刃を用いて行われる。
端子圧着ユニット20は、端部の被覆部が皮剥された電線Wの端部に端子を圧着可能に構成されている。
電線搬送ユニット14は、電線Wの端部を把持及び把持解除可能な把持部15を複数備えている。複数の把持部15は、コンベア等の駆動によって、所定間隔をあけて切断ユニット112、ゴム栓挿入ユニット113、皮剥ユニット114及び端子圧着ユニット20の前方を通過可能に配設されており、切断ユニット112にて処理された電線Wの両端部を把持した状態で、ゴム栓挿入ユニット113、皮剥ユニット114から端子圧着ユニット20に向けて順次移動する。これにより、所定長に切断された電線Wが、U字状に曲げられると共に端部をゴム栓挿入ユニット113、皮剥ユニット114、端子圧着ユニット20側に向けた状態で、切断ユニット112から端子圧着ユニット20に向けて搬送される。また、必要に応じて、ゴム栓挿入ユニット113により、電線Wの端部にゴム栓が挿入される。なお、ゴム栓挿入ユニット113は省略されてもよい。
この電線処理装置10は、長尺電線Wを所定長に切断する処理、その端部の被覆部を皮剥ぎする処理、及び、電線Wの端部に端子を圧着する処理を連続的に行う装置である。上記端子圧着ユニット20に、端子成形金型装置32の交換装置30が組込まれている。
<2.端子圧着ユニットの全体構成>
端子圧着ユニット20の全体構成について説明する。端子圧着ユニット20は、上記電線搬送ユニット14に組込まれ、電線搬送ユニット14によって搬送される電線Wの端部に端子を圧着するユニットであり、端子圧着テーブル22及び圧着用プレス機構部28と、これらの間に配設される端子成形金型装置32を交換する交換装置30とを備えている。
端子圧着テーブル22は、板状部材であり、図示省略のスタンド等によって、電線搬送ユニット14による電線Wの搬送ラインLに沿って水平姿勢で支持されている。端子圧着テーブル22には、電線搬送ユニット14とは反対側の側部から電線搬送ユニット14に向けて凹むセット凹部23が形成されている。支持基部46(詳細は後述する)が本セット凹部23内に進退可能に配設される。支持基部46が本セット凹部23内に進入した状態で、支持基部46に対して端子成形金型装置32が回転することで、当該端子成形金型装置32が電線搬送ユニット14による搬送ラインLに沿って配設される。
なお、電線搬送ユニット14は、複数の把持部15を間欠的に移動させるため、切断ユニット112、ゴム栓挿入ユニット113、皮剥ユニット114及び端子圧着ユニット20は、各把持部15の停止期間中に各動作を行う。端子圧着ユニット20における端子圧着作業時間が、切断ユニット112、ゴム栓挿入ユニット113及び皮剥ユニット114における作業時間よりも長い場合には、次のようにして各処理時間の同期を行うとよい。
すなわち、図2に示すように、電線搬送ユニット14とそれぞれの端子圧着ユニット20との間に電線中継ユニット200を設ける。なお、図2等では、一方側の端子圧着ユニット20との関係で説明するが、他方の端子圧着ユニット20にも同様に電線搬送ユニット200を設けることができる。
電線中継ユニット200は、所定位置で把持部15から電線13の端部を受取った後、当該電線13の端部を端子圧着ユニット20に向けて移動させ、そして、当該電線13の端部に端子圧着作業を行った後、上記電線13を受取った位置よりも電線13の端部の搬送方向下流側の位置で把持部15に電線を受渡すように構成されている。
より具体的には、電線中継ユニット200は、電線を把持する把持部202と、搬送方向に移動機構部及びそれに直交する方向への移動機構部を含むXY移動機構部204を備えている。ここでは、電線中継ユニット200は、把持部202を昇降方向へ移動させる昇降移動機構部203をさらに備える。各移動機構部は、エアリンダ又はリニアモータ等により構成される。把持部202は、エアシリンダ又は電磁チャック等により構成される。
そして、複数の把持部202が搬送ラインに沿って搬送されており、いずれかの把持部202が端子圧着ユニット20の直ぐ上流側で停止するタイミングで、把持部202がこれに対向する受取り位置に配設される。この状態で、把持部202より電線13の端部を受取ると共に、当該把持部202による把持が解除される。
この後、図3に示すように、電線13と搬送ユニット14との干渉を避けるべく昇降移動機構部203により把持部202を上昇させると共に、XY移動機構部202の駆動により把持部202を端子圧着ユニット20による端子圧着位置に向けて移動させる。
そして、端子圧着後、図4に示すように、XY移動機構部202の駆動により把持部202を、上記受渡し位置よりも下流側の戻し位置に向けて移動させると共に、昇降移動機構部203により把持部202を下降させる。そして、その位置の把持部202に電線13の端部を受渡すと共に、把持部202による把持を解除する。
上記例では、把持部202の停止時間2回分と2回分の移動時間とを使って、電線13の端部の移動及び端子圧着作業を行える。このため、把持部202の停止時間1回分以上の時間を、端子圧着作業に用いることができる。これにより、搬送ラインに沿って行われる各処理時間が異なる場合でも、各処理時間を同期させて効率的な処理を行うことができる。
圧着用プレス機構部28は、端子成形金型装置32に対して往復直線運動を付与する機構であり、エアシリンダ、油圧シリンダ、モータとカムとの組合わせ機構等によって構成されている。この圧着用プレス機構部28は、端子圧着テーブル22上方であって、セット凹部23の一側方位置に配設されている。そして、上記のように端子成形金型装置32が電線搬送ユニット14による搬送ラインLに沿って配設された状態で、端子成形金型装置32の上方に圧着用プレス機構部28が配設される。これにより、圧着用プレス機構部28が下方の端子成形金型装置32に対して端子を圧着するためのプレス力を付与できるようになっている。なお、ここでは、圧着用プレス機構部28を支持するプレス支持柱28aが、セット凹部23の側方位置に立設状に配設されている。支持柱28aのうちセット凹部23側の面は、後述する圧着本体部36の旋回軌跡を避けるように、セット凹部23から遠ざかる側に凹む湾曲凹部に形成されている(図1参照)。
なお、本実施形態では、電線Wの両端に端子を圧着することを想定しているため、セット凹部23、圧着用プレス機構部28等の圧着構成が2つ設けられている。以下では、電線Wの一端側に端子を圧着する構成を中心に説明する。
<3.交換装置の説明>
端子成形金型装置32の交換装置30は、端子成形金型装置32を搭載した交換用ラック40を備えており、この交換用ラック40を端子圧着テーブル22及び圧着用プレス機構部28に対して出し入れすることで、端子成形金型装置32の交換を行う。
交換用ラック40自体は、手動にて端子圧着テーブル22に対するセット及び交換出し入れを行ってもよいが、本実施形態では、自動で端子圧着テーブル22に対するセット及び交換出し入れを行えるように構成されている。以下、各部構成について説明する。
<3.1.交換用ラック>
図5は交換用ラック40を示す側面図であり、図6は交換用ラック40を示す背面図であり、図7は交換用ラック40を示す平面図であり、図12及び図16は交換用ラック40における端子成形金型装置32の回転動作を示す説明図である。
この交換用ラック40は、交換用フレーム42と、端子成形金型装置32と、リール支持部48とを備えている。
交換用フレーム42は、本交換用ラック40の基本骨格をなす部分であり、柱部43と、下フレーム部44と、支持基部46とを備えている。
柱部43は、金属等で形成された棒状部材であり、上下方向に沿って配設される。
下フレーム部44は、金属等で形成された細長板状部材であり、その長手方向中央部に柱部43の下端部が直交姿勢で連結固定されている。この下フレーム部44の両端部には、車輪45が設けられている。そして、本交換用ラック40を本交換装置30から取外した状態で、車輪45を床面上に転がすことで、本交換用フレーム42を容易に移動させることができる。
支持基部46は、金属等で形成された細長板状部材に形成されている。支持基部46の幅寸法は、端子成形金型装置32の幅とほぼ同じであり、また、上記セット凹部23の幅ともほぼ同じである。
本支持基部46は、後述する一対のガイド部材上に移動可能に支持されることで、搬送ラインLに対して交差する方向に沿って、端子圧着テーブル22及び圧着用プレス機構部28に対して移動可能に支持される。もっとも、交換用フレーム42の下方に設けられた車輪等によって、支持基部46が搬送ラインLに対して交差する方向に沿って移動可能とされていてもよい。また、本実施形態では、支持基部46は、搬送ラインLに対して直交する方向に沿って移動する例で説明するが、搬送ラインLに対して45度等で斜めに交わる方向で移動する構成であってもよい。
支持基部46の一端部には、支軸部47が設けられており、この支軸部47によって端子成形金型装置32の金型支持基部34が回転可能に支持されている。なお、この支軸部47は、支持基部46の下方に突出している。そして、本支持基部46がセット凹部23に配設された状態で、当該支軸部47を利用して支持基部46の一定位置への固定が行われる。
また、支持基部46の一端部には、端子送り用凹部46gが形成されている。端子送り用凹部46gは、支持基部46の一端部においてその幅方向ほぼ全体に亘って凹む部分と、その凹み部分の一側方から支持基部46の長手方向に沿って凹むL字状の形状に形成されている。そして、後述する連鎖端子Tは、本端子送り用凹部46gを経由して端子成形金型装置32に向けて送られる。
また、支持基部46の他端部には、フレーム送り用突部46pが形成されている。フレーム送り用突部46pは、ここでは、短い棒状に形成されており、本フレーム送り用突部46pを利用して、端子圧着テーブル22及び圧着用プレス機構部28に対する交換用ラック40の出し入れが行われる。
端子成形金型装置32は、細長い長方形状の金型支持基部34と、圧着本体部36とを備えている。
金型支持基部34は、支持基部46とほぼ同幅に形成されており、また、金型支持基部34の長さ寸法は支持基部46の長さ寸法よりも短い。この金型支持基部34の一端部は、上記支軸部47を介して支持基部46の一端部の上面側に回転可能に支持されている。また、金型支持基部34の一端部には、下方より送られる連鎖端子Tを上下方向に沿って案内して端子成形金型装置32に導く連鎖端子ガイド部35が設けられている。連鎖端子ガイド部35は、金型支持基部34の一端部より下方に向けて延びる板部材によって形成されている。そして、本端子成形金型装置32の下方より送られる連鎖端子Tが、本連鎖端子ガイド部35内を通って金型支持基部34の一端部外方から金型支持基部34の一端部上方を通って圧着本体部36に送られる。金型支持基部34の一端部上方空間は、圧着本体部36に向けて連鎖端子Tを送る際に、当該連鎖端子Tを圧着本体部36に向けて水平方向に送る通過経路を確保するための空間として機能する。
圧着本体部36は、電線Wの端部に対して端子を圧着するための一対の圧着金型等を含んでおり、上記電線搬送ユニット14によって搬送される電線Wの端部に対して端子を圧着可能に構成されている。この圧着本体部36は、金型支持基部34の他端部上に取付固定されている。
そして、金型支持基部34の長手方向を支持基部46の長手方向に沿わせた姿勢、即ち、端子成形金型装置32を支持基部46の長手方向に沿って配設した姿勢では、圧着本体部36は支持基部46上に配設されている(図12参照)。この姿勢が待機姿勢である。なお、この状態では、連鎖端子ガイド部35は、端子送り用凹部46gのうち支持基部46の幅方向に沿って凹む凹部内に配設される。
また、端子成形金型装置32を回転させて、金型支持基部34の長手方向を支持基部46の長手方向に対して交差(ここでは直交)させて搬送ラインLに沿わせた姿勢、即ち、端子成形金型装置32を支持基板に対して交差(ここでは直交)させて搬送ラインLに沿わせた姿勢にすると、圧着本体部36は支持基部46の一端部から側方に突出する位置に配設される(図13参照)。この姿勢が作業姿勢である。なお、この状態では、連鎖端子ガイド部35は、端子成形金型装置32と一体となって支軸部47周りに回転して、端子送り用凹部46gのうち支持基部46の長手方向沿って凹む凹部内に配設される。
なお、上記金型支持基部34の一端部上面であって、上記支軸部47周りの位置に、姿勢変更用突部35bが突設されている。より具体的には、待機姿勢において、支持基部46の一端部の一方のコーナー部近傍の位置に姿勢変更用突部35bが突設されている。そして、この姿勢変更用突部35bを、支持基部46の一端部から他端部に向けて移動させると、例えば、端子成形金型装置32が支軸部47周りに待機姿勢から作業姿勢に回転する(図12及び図13参照)。
また、交換用フレーム42には、端子リール49を回転可能に支持するリール支持部48が設けられている。ここで、端子リール49は、巻回軸部49aと一対の鍔部49bとを有しており、複数の端子が連結帯を介して連結された連鎖端子Tが、巻回軸部49a周りであって一対の鍔部49b間に巻回収容されている。この端子リール49は、その一対の鍔部49bの方向に沿って扁平な全体形状を呈している。なお、各連鎖端子T間には、紙テープPが層間紙として介在している。この紙テープPにより、各層間での連鎖端子Tの絡みが抑制されている。
リール支持部48は、端子リール49を支持基部46の上記移動方向に沿わせた姿勢で回転可能に支持する。より具体的には、リール支持部48は、柱部43の長手方向中間部に突設された突片48aと、突片48aの端部に突設された支軸部48bとを備える。支軸部48bは、支持基部46の移動方向に対して直交する中心軸を有しており、従って、端子リール49を支持基部46の移動方向に対して直交する中心軸周りに回転可能に支持することで、端子リール49を支持基部46の上記移動方向に沿わせた姿勢で回転可能に支持する。これにより、平面視において、端子リール49の延在方向と支持基部46の延在方向とを同じ方向に揃えることができ、交換用ラック40の平面視における設置スペースを小さくすることができる。
また、このリール支持部48は、支持基部46の下方に設けられている。このため、リール支持部48に支持された端子リール49から引出される連鎖端子Tは、上記連鎖端子ガイド部35を通って上下方向に案内された後、圧着本体部36に向けて送られる。
また、この交換用フレーム42には、端子Tをガイドすると共にその状態を検出するガイド機構部120が設けられている。ここでは、上記柱部43から水平姿勢で延出するようにガイドフレーム43gが延設され、その先端部にガイド機構部120が設けられている。
ガイド機構部120は、図8〜図10に示すように、下ガイド部122と、上ガイド検出部124とを備える。
下ガイド部122は、金属板等により形成された部材であり、ここでは、端子Tの送り方向に沿って緩いカーブを描きつつ膨出する湾曲部が複数(ここでは2つ)形成された形状とされている。この下ガイド部122は、ガイドフレーム43gの先端部に一定位置及び一定姿勢で取付固定されている。
上ガイド検出部124は、上ガイド板部125と、ドグ部126とを備える。ドグ部126は長尺部材であり、その一端部がガイドフレーム43gの先端部に回転可能に支持されている。上ガイド板部125は、金属板等により形成された部材であり、細長板状部分の両端部がなだらかに湾曲しつつ反り返る形状に形成されている。上ガイド板部125は、上記ドグ部126の一端部に、下ガイド部122と対向するように取付固定されている。なお、ドグ部126は、下ガイド部122に対して斜め姿勢で固定されている。そして、外力が加えられない状態では、ドグ部126の上端部及び上ガイド板部125の同じ側の端部(端子Tの送り方向下流側の端部)の重みによって、上ガイド板部125は、その前記端子Tの送り方向下流側の端部を下向きにした姿勢(初期姿勢)となる。
また、ドグ部126の他端側には、当該ドグ部126と当接してドグを検出するスイッチSW1及びスイッチSW2が設けられている。このスイッチSW1及びスイッチSW2のオンオフ信号は、後述する制御ユニットに与えられる。
上記下ガイド部122と上ガイド検出部124との間に連鎖端子Tが存在していない場合には、下ガイド部122は、上記初期姿勢となる(図8参照)。この状態では、ドグ部126は、スイッチSW1及びSW2のいずれにも当接していない。
そして、上記下ガイド部122と上ガイド検出部124との間に連鎖端子Tが配設されると、図9に示すように、端子Tによって上ガイド板部125が持上げられ、上ガイド板部125は、下ガイド部122に対して平行姿勢(通常送り姿勢)となる。この状態で、ドグ部126がスイッチSW1に当接し、この当接に応じた信号がスイッチSW1から制御ユニットに送られる。
また、端子圧着の進行に伴い上記状態から端子Tがさらに引張られると、図10に示すように、端子Tによって上ガイド板部125のうち端子Tの送り方向下流側の端部が持上げられ、上ガイド板部125は、その端子Tの送り方向下流側の端部を持上げた姿勢(過引張り姿勢)となる。この状態で、ドグ部126がスイッチSW2に当接し、この当接に応じた信号がスイッチSWsから制御ユニットに送られる。
柱部43の下方部分には、紙テープPを巻取るための紙テープ巻取リール100が回転可能に支持されている。柱部43を挟んで紙テープ巻取リール100の反対側には、当該紙テープ巻取リール100と一体的に回転するギヤ部102が回転可能に支持されている。ここでは、圧着テーブル22側には、紙テープ巻取駆動部110が設けられている。紙テープ巻取駆動部110は、モータ等の回転駆動部111と当該回転駆動部111の駆動により回転駆動されるギヤ部112とを備える。そして、本交換用ラック40を対し圧着テーブル22にセットした状態で。交換用フレーム42のギヤ部102と紙テープ巻取駆動部110のギヤ部112とが噛合う。そして、後述する制御ユニットの指令に撚応じて紙テープ巻取駆動部110が回転駆動すると、その回転運動がギヤ部112及びギヤ部102を介して紙テープ巻取リール100に伝達される。これにより、紙テープ巻取リール100が回転駆動して、紙テープPを巻取る。
後述する制御ユニットは、上記スイッチSW2の検出信号に基づいて過引張り状態になったと判定されたときに、紙テープ巻取駆動部110を回転駆動させて、紙テープPを巻取る。これにより、端子リール49が端子Tを送込む方向に回転され、端子Tの過引張り状態が緩和される。端子リール49と端子成形金型装置32との間で端子Tが弛むと、ドグ部126が通常送り姿勢に復帰する。制御ユニットは、スイッチSW1及びスイッチSW2の検出信号に基づいて通常送り姿勢になったと判定されると、紙テープ巻取駆動部110の回転駆動を停止させて、紙テープPの巻取を停止する。後述する端子圧着処理中に、上記処理を繰返すことで、端子Tが適度な引張り状態で端子成形金型装置32に向けて送給される。
なお、図11に示す交換用ラック40Bのように、端子リール49に対して端子Tが逆方向に巻回されていてもよい。この場合でも、端子T及び紙テープPの取り回し経路を適宜設定することで、上記と同様に端子T及び紙テープPを連続的に送ることができる。
端子成形金型装置32が上記待機姿勢にある状態では、端子リール49から送られる連鎖端子Tは、捻られることなく、連鎖端子ガイド部35を通って圧着本体部36に送込まれた状態を維持する。この状態から、端子成形金型装置32が作業姿勢に回転すると、連鎖端子ガイド部35も端子成形金型装置32と共に回転する。このため、端子リール49から引出された連鎖端子Tは、端子成形金型装置32の回転角度に応じて(ここでは90度)捻られた後、連鎖端子ガイド部35に至り、その後、圧着本体部36に向けて送られる。連鎖端子Tは、端子リール49と連鎖端子ガイド部35との間の比較的長い寸法に亘って掛渡される部分で捻られるため、捻りの存在にも拘らず、円滑に搬送される。しかも、連鎖端子Tは、主に上下方向に沿って搬送される部分で捻られるため、その捻りが連鎖端子ガイド部35に引っかかり難く、この点からも、連鎖端子Tは、捻りの存在にも拘らず、円滑に搬送される。
上記交換用ラック40は、手動によっても、端子圧着テーブル22に対して交換出し入れできるし、また、手動によって、上記端子成形金型装置32を待機姿勢から作業姿勢に回転させて端子圧着テーブル22に対してセットすることもできる。本交換装置30は、これらを自動で行う構成を採用しているため、その各構成について説明する。
<3.2.端子成形金型装置を自動で交換出し入れするための構成>
交換用ラック40を自動で交換出し入れするための構成について説明する。図14は、本交換装置30において交換用ラック40を出し入れするための出入交換機構部50を示す概略平面図であり、図15は出入交換機構部50を示す概略側面図であり、図16は出入交換機構部50を示す概略背面図である。
出入交換機構部50は、複数の交換用ラック40を交換しつつ出し入れするものであり、ラック支持フレーム54と、交換移動機構部60と、ラック進退機構部64とを備えている。
すなわち、端子圧着テーブル22に対して電線搬送ユニット14の反対側に、出入支持フレーム52が設けられている。出入支持フレーム52は、金属棒状部材が立体的なフレーム構造をなるように組立てられたものであり、ここでは、出入支持フレーム52は直方体フレーム形状に形成されている。
ラック支持フレーム54は、複数の交換用ラック40を搬送ラインLから離れた位置で並列状態に支持する。ここでは、ラック支持フレーム54は、横支持フレーム54aと、垂下支持フレーム54bとを備えると共に、一対のガイド部材55を複数組(ここでは2組)備えている。
横支持フレーム54aは、出入支持フレーム52の前後部分で、搬送ラインLに沿って配設されている。各横支持フレーム54aの両端部及び中間部より垂下状に垂下支持フレーム54bが設けられている。そして、出入支持フレーム52の前後の垂下支持フレーム54b間に掛渡すように一対のガイド部材55が複数組設けられている。各組の一対のガイド部材55は、搬送ラインLに沿った姿勢で配設されており、それぞれ並列姿勢で並ぶように設けられている。これにより、各組の一対のガイド部材55に対して、ラック支持フレーム54を配設することで、支持基部46が並列状態で支持されることになる。
一対のガイド部材55は、支持基部46の幅に対応する間隔をあけて配設されており、一対のガイド部材55上に、支持基部46の両側縁部を載置することで、当該支持基部46は一対のガイド部材55間でその延在方向に沿って、端子圧着テーブル22に対して進出移動可能とされる。この際、交換用ラック40の車輪45は、床から浮いた状態であってもよいし、車輪45が床上を転がる構成であってもよい。また、ガイド部材55のうち支持基部46が接する部分にローラ等が設けられていてもよい。
なお、ラック支持フレーム54に対しては、その後方より交換用ラック40を出し入れできる。そして、交換用ラック40をラック支持フレーム54から取外すことで、さらに他の圧着本体部36等に交換すること、圧着本体部36に対するメンテナンス等を行えるようになっている。
交換移動機構部60は、ラック支持フレーム54を搬送ラインLに沿って移動させることにより、ラック支持フレーム54によって並列状態で支持された複数の交換用ラック40のうちの一つを、搬送ラインLにおける端子圧着受入位置に対応する位置、即ち、セット凹部23に対応する位置に配設する。
ここでは、交換移動機構部60は、エアシリンダ、油圧シリンダ等のリニアアクチュエータによって構成された交換駆動部61を備えている。ここでは、出入支持フレーム52の前後一方側(ここでは後方側の部分)に交換駆動部61が設けられている。交換駆動部61は、出入支持フレーム52に搬送ラインLに沿った姿勢で固定された本体部61aと、当該本体部61aに対して搬送ラインLに沿った方向に往復移動可能な可動部61bとを備えている。上記ラック支持フレーム54の一方(ここでは後方)の横支持フレーム54aが交換駆動部61の可動部61bに連結されている。ラック支持フレーム54の他の部分(前側の部分)等は、リニアガイド62によって搬送ラインLに沿って移動可能に支持するとよい。そして、上記交換駆動部61の駆動によって、ラック支持フレーム54が複数の交換用ラック40と共に搬送ラインLに沿って移動し、並列状態で支持される複数の交換用ラック40のうちの一つをセット凹部23に対応する位置に配設できるようになっている。
なお、ラック支持フレーム54を搬送ラインLに沿って移動させる構成は上記例に限られない。例えば、ラック支持フレーム54の前後部分がリニアガイドによって支持され、その間の部分が、リニアアクチュエータ等の交換駆動部によって移動駆動される構成等であってもよい。
ラック進退機構部64は、複数の交換用ラック40のうち、端子圧着受入位置に対応する位置に配設されたもの、即ち、セット凹部23に対応する位置に配設されたものを搬送ラインLに対して進退移動させる。
すなわち、ラック進退機構部64は、エアシリンダ、油圧シリンダ等のリニアアクチュエータによって構成されたラック進退駆動部65備えている。ラック進退駆動部65は、支持基部46の移動方向に沿った状態で出入支持フレーム52に固定された本体部65aと、当該本体部65aによって支持基部46の移動方向に沿って往復移動される可動部65bとを備えている。ラック進退駆動部65の本体部65aが配設固定される位置は、端子圧着受入位置に対応する位置、即ち、セット凹部23の外方位置である。可動部65bには、側方(ラック支持フレーム54の移動方向)から見て下方に開口するU字状の送り片66が形成されている。そして、ラック支持フレーム54によって支持された支持基部46の他端部のフレーム送り用突部46pが、送り片66にその側方から嵌り込むような高さ位置にて、ラック進退駆動部65が出入支持フレーム52に対してブラケット67を介して固定されている。
そして、交換用ラック40をラック支持フレーム54に対して装着、或は、取外しする際には、その対象となる一対のガイド部材55間の部分が、上記ラック進退駆動部65からいずれかの外側方に外れた位置に配設される。これにより、送り片66と干渉せずに、交換用ラック40をラック支持フレーム54に対して装着、或は、取外しすることができる。
また、複数の交換用ラック40のうちの一つを端子圧着テーブル22に向けて移動させる際には、交換移動機構部60の駆動によってラック支持フレーム54を搬送ラインLに沿って移動させて、対象となる交換用ラック40をラック進退駆動部65に対応する位置、ここでは、直下の位置に配設する。すると、送り片66内にフレーム送り用突部46pが配設される。この状態で、ラック進退駆動部65の駆動によって送り片66を端子圧着テーブル22に向けて移動させると、送り片66が交換用ラック40を端子圧着テーブル22に向けて押す。これにより、交換用ラック40が端子圧着テーブル22に向けて移動し、支持基部46がセット凹部23に向けて移動し、後述するように端子成形金型装置32が端子圧着テーブル22にセットされる。また、この状態から、ラック進退駆動部65の駆動によって送り片66を出入支持フレーム52の後方に向けて移動させると、送り片66が交換用ラック40を出入支持フレーム52の後方に向けて押す。これにより、交換用ラック40が出入支持フレーム52内に向けて移動して、一対のガイド部材55間でラック支持フレーム54内に戻る。このようにして、ラック支持フレーム54と端子圧着テーブル22との間で、交換用ラック40の出し入れが行われる。
<3.3.端子成形金型装置を自動でセットするための構成>
交換用ラック40を端子圧着テーブル22に自動でセットするための構成について説明する。図17は端子圧着テーブル22部分を示す概略平面図であり、図18はラック固定機構部70を示す概略図であり、図20は姿勢変更機構部80を示す概略図であり、図21は姿勢変更動作を示す概略図であり、図22は金型装置固定機構部76を示す概略図である。
端子圧着テーブル22には上記したようにセット凹部23が形成されており、このセット凹部23に向けて支持基部46が移動する。セット凹部23は、支持基部46のうち端子成形金型装置32が配設される部分を配設可能な程度の長さ寸法に形成されている。また、セット凹部23の幅寸法は、支持基部46の幅寸法よりも小さく(僅かに小さく)設定され、セット凹部23の両側部の上面にガイドレール23rが設けられている。そして、支持基部46がセット凹部23に向けて移動すると、一対のガイドレール23r間に挟まれると共に、その両側縁部をセット凹部23の両側縁部の上面に配設した状態となる。
端子圧着テーブル22のうちセット凹部23の近傍部分に、ラック固定機構部70、姿勢変更機構部80及び金型装置固定機構部76が設けられている。
図17及び図18に示すように、ラック固定機構部70は、交換用ラック40を上記セット凹部23に対して一定位置に固定する。より具体的には、ラック固定機構部70は、エアシリンダ或は油圧シリンダ等のアクチュエータによって構成された抑付駆動部72と、当該抑付駆動部72によって進退駆動可能に配設された抑付部74とを備える(図17及び図18参照)。抑付駆動部72は、ラック固定機構部70は、セット凹部23のうち支軸部47の一側方であって端子圧着テーブル22の下方位置に固定されている。抑付部74は、細長棒状部材に形成されており、その一側面に支軸部47を配設可能な凹部74gが形成されている。抑付部74は、ラック固定機構部70によって、支持基部46の下方に突出する支軸部47に向けて進退駆動される。そして、抑付部74が退避した状態で、セット凹部23に向けて支持基部46が移動し、支軸部47が凹部74gと対向する位置に配設される。この状態で、抑付駆動部72の駆動によって抑付部74が進出駆動すると、支軸部47が凹部74gに嵌り込んだ状態で、抑付部74が支軸部47を抑え付ける。これにより、支持基部46のうち抑え付けられた側の側縁部が、上記ガイドレール23rに押付けられる。これにより、支持基部46がその幅方向に沿ってがたつきが無いように固定される。また、支軸部47が凹部74gに嵌り込むことによって、支持基部46の長手方向においても、支持基部46の位置決め固定が図られる。なお、交換用ラック40を退避させる際には、抑付駆動部72の駆動によって抑付部74が退避駆動され、上記固定状態が解除される。
図17,図20及び図21に示すように、姿勢変更機構部80は、支持基部46が搬送ラインLに進出移動した状態で、端子成形金型装置32を待機姿勢から作業姿勢に姿勢変更させると共に、支持基部46が搬送ラインLから退避移動する前に、端子成形金型装置32を作業姿勢から待機姿勢に姿勢変更させるように構成されている。
より具体的には、姿勢変更機構部80は、姿勢変更駆動部82と、係止駆動部84と、作動片86とを備えている。
姿勢変更駆動部82は、エアシリンダ或は油圧シリンダ等のリニアアクチュエータによって構成されており、セット凹部23の一側方であって端子圧着テーブル22の上方位置に固定されている。
係止駆動部84は、エアシリンダ或は油圧シリンダ等のリニアアクチュエータによって構成されている。この係止駆動部84は、上記姿勢変更駆動部82によってセット凹部23の延在方向、即ち、支持基部46の進退方向に沿って往復直線駆動される。
作動片86は、セット凹部23の側方から見て下方に開口するU字状の部材に形成されており、その開口を下方に向けた姿勢で、係止駆動部84によって昇降移動可能に支持されている。この作動片86は、姿勢変更駆動部82によって、係止駆動部84と共にセット凹部23の延在方向に沿って往復直線駆動される。
支持基部46がセット凹部23に配設された状態で、作動片86は、姿勢変更用突部35bの上方位置に配設される。なお、姿勢変更用突部35bは、作動片86のU溝内から外れない程度に十分に長く設定されている。この状態で、係止駆動部84の駆動によって作動片86が下降し、その開口内に姿勢変更用突部35bが配設される。この状態で、姿勢変更駆動部82の駆動によって、係止駆動部84と共に作動片86が搬送ラインLから退避移動する。すると、姿勢変更用突部35bも搬送ラインLから退避移動する。この際、作動片86には、セット凹部23を横切る方向に延びる溝が形成されており、姿勢変更用突部35bは当該溝に嵌り込み、当該溝の延在方向に沿って移動できる。このため、姿勢変更用突部35bは、セット凹部23の幅方向に沿って移動しつつセット凹部23の延在方向に沿って移動して、支軸部47を中心とする弧状軌跡を描いて移動することができる。これにより、そして、姿勢変更用突部35bが作動片86により押されて弧状軌跡を描いて移動することで、端子成形金型装置32は待機姿勢から作業姿勢に姿勢変更することができる。また、作動片86が逆方向に移動することで、端子成形金型装置32は作業姿勢から待機姿勢に姿勢変更することができる。この状態で、作動片86を上昇移動させることで、作動片86と姿勢変更用突部35bとの係止を解除して、支持基部46をセット凹部23から退避移動させることができるようになる。
なお、図19に示すように、ラック130とピニオンギヤ部132を用いて端子成形金型装置32の姿勢変更を行ってもよい。この場合、支軸部47にピニオンギヤ部132を一体的に取付ると共に、当該ピニオンギヤ部132と噛合可能な位置にラック130を配設し、このラック130を、リニアモータ或はエアシリンダ等の直線駆動機構或はモータ等により回転駆動される別のピニオンギヤにより往復駆動して、端子成形金型装置32の姿勢変更を行えばよい。この場合、支持基部46がセット凹部23に配設されると、ラック130を別途の移動機構によって移動させてピニオンギヤ部122に噛合させるようにしてもよい。支持基部46がセット凹部23に配設されると、ラック130とピニオンギヤ部132とが噛合う位置関係としてもよい。
図17及び図22に示すように、金型装置固定機構部76は、端子成形金型装置32が作業姿勢に姿勢変更した状態で、端子成形金型装置32に係止して当該姿勢を維持するように構成されている。ここでは、金型装置固定機構部76は、受片77と、ロック機構部78とを備えている。受片77は、端子圧着テーブル22上に固定され、端子成形金型装置32が待機姿勢から作業姿勢に姿勢変更した状態で、端子成形金型装置32に当接してそれ以上の回転を規制する受片として構成されている。ロック機構部78は、端子成形金型装置32が上記作業姿勢に姿勢変更した状態で、上記受片77の反対側の側部に設けられている。すなわち、端子圧着テーブル22のうち端子成形金型装置32が作業姿勢にある状態で、受片77の反対側の側部に対応する位置にロック用孔部22hが形成されている。ロック機構部78は、ロック片79aとロック駆動部79bとを備えている。ロック片79aは、爪部を有する長尺状の片であり、上記端子圧着テーブル22の下方であってロック用孔部22hに対応する位置で、回転可能に支持され、爪部を端子圧着テーブル22の上面より下方に退避させた非ロック姿勢と(図22の実線参照)、爪部を端子圧着テーブル22の上面に突出させて端子成形金型装置32の側部に係止可能なロック姿勢との間で姿勢変更可能とされている。ロック駆動部79bは、エアシリンダ或は油圧シリンダ等のリニアアクチュエータによって構成されており、上記ロック片79aを非ロック姿勢とロック姿勢との間で揺動駆動する。
そして、ロック片79aが非ロック姿勢にある状態で、端子成形金型装置32がロック片79aの上方を通って作業姿勢に姿勢変更して、受片77に当接する。この状態で、ロック駆動部79bの駆動によってロック片79aを非ロック姿勢からロック姿勢に姿勢変更させて、受片77の反対側から爪部を端子成形金型装置32に係止させると、端子成形金型装置32がロック姿勢に維持される。なお、この状態で、端子成形金型装置32の上方に圧着用プレス機構部28が配設され、圧着用プレス機構部28の駆動によって端子成形金型装置32が端子圧着動作を行えるようになる。
また、上記状態で、ロック駆動部79bの駆動によってロック片79aをロック姿勢から非ロック姿勢に姿勢変更させると、端子成形金型装置32を作業姿勢から待機姿勢に姿勢変更させることができるようになる。
なお、端子成形金型装置32の姿勢変更を行わせる構成は上記例に限られない。姿勢変更機構部は、交換用ラック40自体に搭載されていてもよい。また、姿勢変更を行うタイミングは、支持基部46がセット凹部23に移動して停止した状態でなくてもよい。支持基部46がセット凹部23、即ち、搬送ラインLに対して進出移動する途中又は退避移動する途中で端子成形金型装置32の姿勢変更を行うようにしてもよい。
<4.動作説明>
端子成形金型装置32の交換装置30の動作について説明する。なお、本交換装置30は、マイクロプロセッサと、マイクロプロセッサと結合された主記憶部と、補助記憶部とを含むマイクロコンピュータによって構成される制御ユニットを備えている。下記の各動作は、補助記憶部に格納されたプログラムに記述された指示に従って行われる。
まず、図23に示すように、一方の端子成形金型装置32によって搬送ラインLに沿って搬送される電線Wの端部に対して端子を圧着可能な状態であるとする。この状態では、一方の支持基部46が搬送ラインLに対して進出移動した状態(セット凹部23にセットされた状態)であり、他方の支持基部46は搬送ラインLに対して離れた位置にある状態(ラック支持フレーム54で支持された状態)である。この状態では、圧着本体部36において端子を圧着する際の端子の配設方向は、搬送ラインLに対して直交する方向である。すなわち、圧着本体部36の一対の端子圧着金型の溝は、搬送ラインLに対して直交する方向に延在している。このため、圧着本体部36の側方から連鎖端子の形態で端子を供給することができる。また、搬送ラインLに対して直交する姿勢で搬送される電線Wの端部に当該端子を圧着することができる。このため、端子圧着を行う際に、電線Wの端部の方向変換等を行わなくてもよく、従って、電線搬送ユニット14の構成を簡略化することができる。
そして、圧着対象となる端子を交換する際、即ち、端子成形金型装置32を交換する際には、次のように動作する。
すなわち、図24に示すように、ロック機構部78の駆動により受片77を非ロック状態にした状態で、姿勢変更駆動部82の駆動によって端子成形金型装置32を作業姿勢から待機姿勢に姿勢変更させる。この後、係止駆動部84の駆動によって作動片86と姿勢変更用突部35bとの係止を解除する。また、抑付駆動部72の駆動によって、抑付部74による支持基部46の抑付けを解除する。
この後、図25に示すように、ラック進退駆動部65の駆動によって、進出していた支持基部46を含む交換用ラック40をラック支持フレーム54に向けて退避移動させる。
次に、図26に示すように、交換駆動部61の駆動によって、ラック支持フレーム54を搬送ラインLに沿って移動させて、並列状態にある複数(2つ)の支持基部46を含む交換用ラック40のうちの一つを端子圧着受入位置(ここでは、セット凹部23の位置)に対応する位置(ここでは、ラック進退駆動部65に対応する位置)に移動させる。すると、前記一方側の支持基部46の姿勢変更用突部35bが送り片66内から側方に外れ、代りに、前記他方側の支持基部46の姿勢変更用突部35bが送り片66内にその側方より配設される。
次に、図27に示すように、ラック進退駆動部65の駆動によって、他方の支持基部46を含む交換用ラック40をラック支持フレーム54から端子圧着テーブル22に向けて進出移動させる。そして、抑付駆動部72の駆動によって、抑付部74により支持基部46を抑付け固定する。
そして、図28に示すように、係止駆動部84の駆動によって作動片86と姿勢変更用突部35bとを係止させ、この状態で、姿勢変更駆動部82の駆動によって端子成形金型装置32を待機姿勢から作業姿勢に姿勢変更させる。そして、ロック機構部78の駆動により受片77を端子成形金型装置32に係止させると、端子成形金型装置32のセットが完了し、その上方の圧着用プレス機構部28の力を受けて圧着本体部36が端子圧着動作を行えるようになる。
この状態で、電線搬送ユニット14によって搬送される電線Wの端部に対する端子圧着が行われる。
以上のように構成された端子成形金型装置32の交換装置30によると、交換用ラック40全体を移動させることで、端子成形金型装置32及び端子リール49を共に搬送ラインLに対して進退移動させて、それらを一括して交換することができる。また、端子成形金型装置32を搬送ラインLから進退移動させる際には、端子成形金型装置32は支持基部46の移動方向に沿った待機姿勢とされる。このため、その移動軌跡を小さくすることができ、その設置面積をなるべく小さくすることができる。また、端子成形金型装置32を搬送ラインLから退避移動させた状態でも、複数の端子成形金型装置32を、支持基部46の移動方向に沿って配設した並列姿勢で待機させることができ、その待機エリアのコンパクト化も図ることができる。
また、端子成形金型装置32を搬送ラインLに向けて進出移動させて電線Wの端部に対して端子を圧着する際には、端子成形金型装置32を作業姿勢に姿勢変更することで、搬送ラインLに沿って搬送される電線Wの端部を、その向きを変更しなくても一対の金型間に配設して端子圧着することができる。このため、電線搬送ユニット14或はその周辺に電線Wの端部の向きを変更する構成等を組込まなくてもよく、構成の簡易化が図られる。
また、支持基部46が搬送ラインLに進出移動する途中又は進出移動した状態で、端子成形金型装置32を待機姿勢から作業姿勢に姿勢変更させると共に、支持基部46が前記搬送ラインLから退避する前又は退避移動する途中で、端子成形金型装置32を作業姿勢から待機姿勢に姿勢変更させる姿勢変更駆動部82を備えているため、支持基部46を搬送ラインLに対して進退移動させることで、端子成形金型装置32の姿勢を自動的に変更させることができる。
また、リール支持部48が支持基部46の下方に設けられ、リール支持部48に支持された端子リール49から引出される連鎖端子Tを上下方向に沿って案アイして端子成形金型装置32に導く連鎖端子ガイド部35が、端子成形金型装置32と一体的に回転するため、端子成形金型装置32を作業姿勢に姿勢変更した状態でも、連鎖端子Tを円滑に端子成形金型装置32に向けてガイドすることができる。
また、複数の交換用ラック40を搬送ラインLから離れた位置で並列状態に支持するラック支持フレーム54と、ラック支持フレーム54で支持された交換用ラック40のうちの一つを端子圧着受入位置に対応する位置に配設するようにラック支持フレーム54を移動させる交換移動機構部60と、端子圧着受入位置に配設された交換用ラック40を搬送ラインLに対して進退移動させるラック進退機構部64とを備えているため、複数の交換用ラック40を自動的に交換することができ、便利である。
なお、上記実施形態では、図29に示すように、圧着本体部36は、支軸部47周りに旋回して、圧着用プレス機構部28の下方位置に配設される。このため、圧着用プレス機構部28に対して、その前後の方向Q(つまり、電線13の端部のセット方向)に沿って圧着本体部36をセットする必要がある。
一般的な圧着本体部36としては、その側方から圧着用プレス機構部がセットされるタイプがあり、そのようなタイプの圧着本体部36を本実施形態に適用できるようにするための構成について説明する。
まず、端子成形金型装置32の圧着本体部36のうち上型(クリンパともよばれる)を昇降させる力を受ける可動部分130の上部には、図30に示すように、セット凹部132が形成されている。セット凹部132は、可動部分130の一側方より可動部分130の中央部に向けて凹む凹形状に形成されている。セット凹部130の上方開口部は、その底部よりも幅狭に形成されており、その内側(下側)には一対のセット溝部133が形成されている。
上記セット凹部130は、圧着用プレス機構部のプレス力付与部140が挿入嵌め込みされる部分である。すなわち、プレス力付与部140は、短円柱状部分の下端部に円板状の鍔部142が形成された形状とされている。そして、上記セット凹部130に、その側方開口側からの第1の方向より挿入嵌め込みされる。そして、鍔部142が一対のセット溝部133に嵌め込まれることで、圧着用プレス機構部による昇降駆動に伴って、プレス力付与部140と共に可動部分130が昇降駆動される。本実施形態における圧着用プレス機構部28も、上記と同様のプレス力付与部140を備えている(図31及び図33参照)。
上記可動部分130の上方には、次のプレス力中継機構部150が取付けられている。
プレス力中継機構部150は、図30〜図33に示すように、中継嵌め込み部152と、中継セット凹部156が形成された中継本体部154とを備える。
中継本体部154は、金属等によりブロック状に形成され、その上部に、上記セット凹部130と同様形状の中継セット凹部156が形成されている。但し、この中継セット凹部156の側方開口方向は、上記セット凹部130の側方開口方向(第1の方向)とは異なっている。すなわち、この中継セット凹部156の側方開口方向は、圧着本体部36を支軸部47周りに回転させる際に、当該圧着本体部36が圧着用プレス機構部28の下方に移動する際に、当該圧着本体部36の移動方向に向けて開口している。従って、プレス力付与部140を、上記第1の方向とは異なる方向で、かつ、端子成形金型装置32が圧着用プレス機構部28の下方に移動する際の移動方向に沿った方向で、プレス力付与部140を中継セット凹部156に挿入嵌め込みできるようになっている。
なお、中継セット凹部156の両側部のうち、端子成形金型装置32が回転する円の内周側の側部156aは、中継セット凹部156の側方開口方向に向けて外向き傾斜するように延在している。つまり、端子成形金型装置32の旋回に応じて、プレス力付与部140は中継セット凹部156の前記内周側の側部側より弧状を描きつつ中継セット凹部156内に挿入嵌め込みされるため、その弧状軌跡分、前記側部を傾斜させるようにして、プレス力付与部140が中継セット凹部156内に円滑に嵌め込まれるようにしている。
また、中継本体部154の底部には、円状の有底凹部157が形成されている。この有底凹部157と中継セット凹部156との間にネジ挿通孔158が形成されている。
中継嵌め込み部152は、金属等により形成されており、短円柱状部分の両端部に円板状の鍔部152a、152bが形成された形状とされている。
一方の鍔部152aは、上記有底凹部157内にはめ込み可能に形成されている。また、この鍔部152aには、上記ネジ挿通孔158と対応するネジ孔152asが形成されている。そして、ネジSが記ネジ挿通孔158を通ってネジ孔152asにネジ締めされることで、中継嵌め込み部152が中継本体部154に対して引寄せられるように固定される。
また、他方の鍔部152bは、上記セット凹部130の一対の溝部133内に挿入嵌め込み可能に形成されている。そして、鍔部152bを一対の溝部133に挿入嵌め込みした状態で、上記ネジSを締付けると、他方の鍔部152bが中継本体部154に引寄せられ、プレス力中継機構部150が可動部分130の上部に取付固定される。
この中継機構部150を用いると、プレス力付与部140の挿入嵌め込み方向を変換することができる。これにより、圧着本体部36として、元々その側方よりプレス力付与部140を挿入嵌め込み可能な構成を流用して、圧着本体部36の上記旋回移動に伴って、プレス力付与部140を中継嵌め込み部152に容易に嵌め込むようにすることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。