第1の実施の形態
以下、図1乃至図9を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。まず図1により、本実施の形態において、平坦面を有する基材31上に化粧シート33をラミネートして化粧板30を製造する化粧板の製造装置1全体について説明する。
化粧板製造装置
図1に示すように、化粧板30の製造装置1は、化粧シート33を供給する化粧シート供給ロール8と、化粧シート供給ロール8から供給される化粧シート33の裏面33bに接着剤32aを塗布する接着剤塗布機構46と、裏面33bに接着剤32aが塗布された化粧シート33と基材31とを加熱しながら挟圧する一対の圧着ロール2a、2bと、基材31と化粧シート33とを挟持するとともに冷却する一対の第1冷却ロール3a、3bおよび一対の第2冷却ロール4a、4bとを備えている。このうち接着剤塗布機構46は、図1に示すように、化粧シート供給ロール8からの化粧シート33が巻き掛けられるバックアップロール50と、バックアップロール50に巻き掛けられた化粧シート33の裏面33bに接着剤32aを塗布する接着剤塗布機47とを有している。また一対の圧着ロール2a、2bはバックアップロール50および接着剤塗布機47の下流側に設けられており、また一対の第1冷却ロール3a、3bおよび一対の第2冷却ロール4a、4bは一対の圧着ロール2a、2bの下流側に設けられている。
ここで図1に示すように、化粧シート33は、はじめに化粧シート供給ロール8からバックアップロール50に向って供給される。次に、接着剤塗布機47により化粧シート33の裏面33bに接着剤32aが塗布され、その後化粧シート33は、バックアップロール50により一対の圧着ロール2a、2bに向けて送られる。また基材31は、複数の搬送ロール6により、上流側から一対の圧着ロール2a、2bに向けて搬送される。そして、化粧シート33と基材31とが一対の圧着ロール2a、2bにおいて加熱されながら挟圧され、その後化粧シート33と基材31とが、一対の第1冷却ロール3a、3bおよび一対の第2冷却ロール4a、4bにより冷却され、これによって化粧板30が製造される。
図1に示すように、接着剤塗布機47は、バックアップロール50に巻き掛けられた化粧シート33の裏面33bに接着剤32aを塗布するダイヘッド47aと、ダイヘッド47aに接着剤32aを供給する接着剤供給部47bとを有している。このダイヘッド47aは、バックアップロール50の軸線方向に沿って延びるよう、バックアップロール50に対向して設けられている。この場合、接着剤32aは、その軟化温度以上に加熱された状態でダイヘッド47aにより化粧シート33の裏面33bに塗布される。
また図1に示すように、バックアップロール50近傍には、バックアップロール50の表面を加熱するバックアップロール用加熱ユニット40と、バックアップロール50の温度を検出するバックアップロール用検出ユニット45とが設けられている。
圧着ロール
次に図1を参照して、一対の圧着ロール2a、2bについて詳述する。図1に示すように、一対の圧着ロール2a、2bは、化粧シート33側の圧着ロール2aと、基材31側の圧着ロール2bとからなる。
一対の圧着ロール2a、2bの表面を構成する材料は特に限定されないが、好ましくは、一対の圧着ロール2a、2bの表面は各々ゴムなどの弾性体により覆われている。これによって、一対の圧着ロール2a、2bにより化粧シート33と基材31とを挟圧するとき、各圧着ロール2a、2bの表面を、化粧シート33または基材31からの押圧により圧縮変形させることができる。このため、化粧シート33と基材31とが一対の圧着ロール2a、2bによって挟圧されながら移動する距離(図1に示すニップ長さL1)が、ロールの表面が金属などの硬質物質からなる場合に比べて長くなる。このように一対の圧着ロール2a、2bの表面をゴムなどの弾性体によって覆うことにより、ニップ長さL1を長くすることができる。このことにより、基材31と化粧シート33をより時間をかけて均一に挟圧することができ、この結果、製造される化粧板30の鏡面性を向上させることができる。
一対の圧着ロール2a、2bの表面を構成する弾性体の材料は、特に限定されることはなく、所望の挟圧力、ニップ長さなどに応じて適宜選択される。弾性体としては、例えば、ウレタンゴム、EPDM、EPM、フッ素樹脂、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、シリコン樹脂、シリコーンゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、およびこれらの混合物などを挙げることができる。また、これらの弾性体を積層させて一対の圧着ロール2a、2bの表面を構成してもよい。
ところで、ゴムなどの弾性体と金属とは、比熱、熱伝導率および線膨張係数が大きく異なっている。このため後述するように圧着ロール2aの表面を加熱するとき、その表面が金属からなる場合に比べて、圧着ロール2aの表面における温度分布のばらつきが生じやすい。従って、表面が鏡面性を有する化粧板30を製造するためには、圧着ロール2aの軸線方向に沿って圧着ロール2aを適切に加熱するための手段を設けることが重要になる。なお圧着ロール2aは、例えば温度が20度から120度に変化するときにその直径が2%変化するような熱膨張特性を有している。
加熱ユニット
図1に示すように、一対の圧着ロール2a、2bのうち化粧シート側の圧着ロール2a近傍には、圧着ロール2aの表面を加熱する加熱ユニット10と、圧着ロール2aの表面の温度を検出する検出ユニット20とが設けられている。はじめに、図1および図2(a)(b)を参照して加熱ユニット10について説明する。
図2(a)は、加熱ユニット10を上方(矢印A)から見た場合を示す平面図であり、図2(b)は、加熱ユニット10を側方(矢印B)から見た場合を示す側面図である。図2(a)に示すように、加熱ユニット10は、圧着ロール2aの軸線方向に沿って並べられた複数のヒータ(加熱部)10a〜10iを有している。ここで、各ヒータ10a〜10iは、それぞれ圧着ロール2aに対向するよう設けられており、これらのヒータ10a〜10iにより、圧着ロール2aにおける当該ヒータ10a〜10iに対向する箇所(領域)がそれぞれ加熱される。各ヒータ10a〜10iは、例えば短波長赤外線ヒータや中波長赤外線ヒータ(カーボンヒータ)等の赤外線ヒータから構成されている。なお、各ヒータ10a〜10iとして、赤外線ヒータ以外の他のヒータを用いてもよい。
また、図2(a)に示すように、各ヒータ10a〜10iは、その全体が圧着ロール2aの回転方向(図2(a)における上下方向)および軸線方向(図2(a)における左右方向)に対して斜めに延びるよう配置されている。すなわち、各ヒータ10a〜10iの延びる方向と圧着ロール2aの軸線方向(図2(a)において二点鎖線で表示)との間の角度θが、0°<θ<90°または0°>θ>−90°の大きさとなっている。この場合、角度θは好ましくは30°≦θ≦60°または−30°≧θ≧−60°の範囲内となっており、例えば角度θは60°となっている。
また、各ヒータ10a〜10iの延びる方向は互いに平行となっている。図2(a)に示すように、各ヒータ10a〜10iはそれぞれ制御部22に接続されており、制御部22により、各ヒータ10a〜10iにおける圧着ロール2aに対する加熱の度合いがヒータ10a〜10i毎に互いに独立に制御される。
次に図2(a)(b)を参照して、各ヒータ10a〜10iと圧着ロール2aの表面との間の距離について説明する。図2(a)に示すように、各ヒータ10a〜10iはそれぞれ同一の長さs1を有している。この場合、図2(b)に示すように、ヒータ10aの端部から圧着ロール2aの表面までの距離はs3となっている。
本実施の形態における、ヒータ10aの端部から圧着ロール2aの表面までの距離s3について、図5(a)(b)に示す第1の比較例と比較して説明する。図5(a)(b)は、各ヒータ14a〜14iが、その全体が圧着ロール2aの回転方向(図5(a)における上下方向)と平行に延びるよう配置されている場合(第1の比較例)を示す平面図および側面図である。なお各ヒータ14a〜14iの長さt1は、本実施の形態における各ヒータ10a〜10iの長さs1と同一になっている。
上述のように、各ヒータ14a〜14iは、その全体が圧着ロール2aの回転方向と平行に延びるよう配置されており、このため、ヒータ14aの端部から圧着ロール2aの表面までの距離t3(図5(b)参照)は、本実施の形態におけるヒータ10aの端部から圧着ロール2aの表面までの距離s3(図2(b)参照)よりも大きくなっている。すなわち本実施の形態によれば、各ヒータ10a〜10iを、その全体が圧着ロール2aの回転方向および軸線方向に対して斜めに延びるよう配置することにより、各ヒータ14a〜14iを圧着ロール2aの回転方向と平行に延びるよう配置する場合(第1の比較例)に比べて、各ヒータ10a〜10iの端部と圧着ロール2aの表面との間の距離を小さくすることができる。これによって、各ヒータ10a〜10iにより圧着ロール2aの表面をより効率良く加熱することができる。
次に図2(a)を参照して、圧着ロール2aにおいて各ヒータ10a〜10iにより加熱される領域について説明する。前述のように、各ヒータ10a〜10iは、圧着ロール2aにおける当該ヒータ10a〜10iに対向する箇所(領域)をそれぞれ加熱する。この場合、図2(a)に示すように、本実施の形態において、圧着ロール2aの表面のうち例えばヒータ10hにより加熱される領域は符号s4により示される領域となっている。
本実施の形態におけるヒータ10hにより加熱される領域s4について、図5(a)に示す第1の比較例と比較して説明する。図5(a)に示すように、第1の比較例において、圧着ロール2aの表面のうち例えばヒータ14hにより加熱される領域は符号t4により示される領域となっている。
図2(a)および図5(a)から明らかなように、圧着ロール2aの表面のうちヒータ10hにより加熱される領域s4は、圧着ロール2aの表面のうちヒータ14hにより加熱される領域t4よりも大きい。すなわち本実施の形態によれば、各ヒータ10a〜10iを、その全体が圧着ロール2aの回転方向および軸線方向に対して斜めに延びるよう配置することにより、各ヒータ14a〜14iが圧着ロール2aの回転方向と平行に延びるよう配置されている場合に比べて、圧着ロール2aの表面において各ヒータ10a〜10iによりそれぞれ加熱される領域を大きくすることができる。この場合、例えば図2(a)に示すように、ヒータ10hにより加熱される領域s4とヒータ10iにより加熱される領域s5とが重複するよう各ヒータ10a〜10iの配置間隔およびθを決定することにより、圧着ロール2aの軸線方向に沿って圧着ロール2aの表面を隙間無く加熱することが可能となる。このことにより、圧着ロール2aの軸線方向に沿って圧着ロール2aの温度をより均一にすることができ、これによって、圧着ロール2aの直径をその軸線方向においてより均一にすることができる。
検出ユニット
次に図1および図3を参照して、検出ユニット20について説明する。図1および図3に示すように、検出ユニット20は、圧着ロール2aの軸線方向(図3の左右方向)に沿って設けられた複数の温度センサ20a〜20cを有している。これらの温度センサ20a〜20cは、それぞれ圧着ロール2aに対向するよう設けられており、各々の温度センサ20a〜20cにより当該温度センサ20a〜20cに対向する圧着ロール2aの軸線方向における箇所の温度が検出される。温度センサ20a〜20cとしては、接触式の温度センサまたは非接触式の温度センサのどちらを使用してもよい。また、図3においては3つの温度センサ20a〜20cが示されているが、検出ユニット20における温度センサの数が3つに限られることはなく、例えば各温度センサが各ヒータ10a〜10iに一対一で対応するよう、合計9個の温度センサを設けてもよい。
図3に示すように、各温度センサ20a〜20cはそれぞれ制御部22に接続されており、各温度センサ20a〜20cにより検出された温度の情報は制御部22に送られる。
各温度センサ20a〜20cは、それぞれ各ヒータ10a〜10iに対応するよう設けられている。より詳細には、温度センサ20aは3つのヒータ10a〜10cに対応するよう設けられており、温度センサ20bは3つのヒータ10d〜10fに対応するよう設けられており、温度センサ20cは3つのヒータ10g〜10iに対応するよう設けられている。
制御部22は、検出ユニット20の各温度センサ20a〜20cによる検出結果に基づいて、加熱ユニット10の各ヒータ10a〜10iにおける圧着ロール2aに対する加熱の度合いをヒータ10a〜10i毎に制御する。より詳細には、制御部22は、各温度センサ20a〜20cに対向する、圧着ロール2aの軸線方向に沿った複数の箇所(3つの箇所)の温度が略均一となるよう、加熱ユニット10の各ヒータ10a〜10iにおける圧着ロール2aに対する加熱の度合いをヒータ10a〜10i毎に制御する。更に詳しく説明すると、各温度センサ20a〜20cは、それぞれ各ヒータ10a〜10iに対応するよう設けられているので、制御部22は、例えば温度センサ20aにより検出された温度が他の温度センサ20b、20cにより検出された温度よりも小さい場合には、この温度センサ20aに対応するヒータ10a〜10cの出力をより大きくする制御を行う。
冷却ロール
次に図1を参照して、一対の第1冷却ロール3a、3bおよび一対の第2冷却ロール4a、4bについて説明する。図1に示すように、一対の第1冷却ロール3a、3bは、化粧シート33側の第1冷却ロール3aと、基材31側の第1冷却ロール3bとからなり、一対の第2冷却ロール4a、4bは、化粧シート33側の第2冷却ロール4aと、基材31側の第2冷却ロール4bとからなる。
このうち化粧シート33側の第1冷却ロール3aおよび第2冷却ロール4aは金属から形成されており、一方、基材31側の第1冷却ロール3bおよび第2冷却ロール4bはゴムなどの弾性体から形成されている。また、化粧シート33側の第1冷却ロール3aおよび第2冷却ロール4aは、その内部に、冷媒を通す通水管(図示せず)を各々有している。また化粧シート33側の第1冷却ロール3aおよび第2冷却ロール4aの端部には各々、当該通水管に冷媒を供給する供給側ロータリージョイントと、通水管からの冷媒を排出する排出側ロータリージョイントとを有するロータリージョイント3c、4cが設けられている。このようにして第1冷却ロール3aおよび第2冷却ロール4aの内部に冷媒を通すことにより、第1冷却ロール3aおよび第2冷却ロール4aの表面をそれぞれ冷却することができる。これによって、一対の第1冷却ロール3a、3bおよび一対の第2冷却ロール4a、4bにおいて、基材31と化粧シート33とを挟持するとともに冷却することができる。
化粧板
次に図4を参照して、化粧板30について詳述する。図4は、化粧板30の断面を示す図である。図4に示すように、化粧板30は、化粧シート33と基材31とを反応型ホットメルト接着剤等(例えば、PUR接着剤)の接着剤32aからなる接着剤層32を介して積層することにより形成されている。
(基材)
はじめに基材31について説明する。基材31の材料は特には限定されず、種々の板状の材料を用いることができる。例えば、高密度木質系繊維板、低密度木質系繊維板、パーティクルボード、木粉プラスチックパーティクルボード及び木粉プラスチックボード等の木質系板、プラスチック板(樹脂板)、紙積層板等を用いることができる。
基材31の厚さは、特に制限はないが、製造上の制限、及び重量の観点から、1〜50mmが好ましく、4〜30mmがより好ましく、4〜20mmがさらに好ましい。
高密度木質系繊維板は、JIS A5905−2003に規定される繊維板のうち、密度0.80g/cm3以上の木質系繊維板のことをいう。中密度繊維板は、前記JISに規定される繊維板のうち、密度0.80g/cm3未満であって、かつ、密度0.35g/cm3以上の木質系繊維板のことをいう。前記JISで規定される木質系繊維板は、主に木材等の植物繊維を成型したボードであり、一般に表面の硬度が高く、適切な密度のものを選択すれば、物体が衝突した際の凹みに対して強い、有用な材料である。また材料のコストも、プラスチックと比較して安価に入手可能である。
このような木質系繊維板としては、MDF(中密度繊維板)、ハードボード等が好ましく挙げられる。
低密度木質系繊維板は、JIS A5905−2003に規定される繊維板のうち、密度0.35g/cm3未満の木質系繊維板のことをいう。このような低密度木質系繊維板としては、インシュレーションボード、タタミボード、シージングボード等が挙げられる。
(接着剤層)
次に接着剤層32について説明する。接着剤層32を形成する接着剤32aとしては、反応型ホットメルト接着剤が好適に用いられる。この反応型ホットメルト接着剤のうち、PUR接着剤が特に好ましい。
PUR接着剤で使用可能なポリオール成分としては、例えば、ポリエステルジオール等のポリエステルポリオール、ポリエーテルジオール等のポリエーテルポリオール、又はこれらの混合物若しくは共重合物等が挙げられる。更に、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油ポリオール、多価アルコール等、又はこれらの混合物若しくは共重合物等が挙げられる。
また、ポリイソシアネート成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’―ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族あるいは脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。
これらの中で、加熱時の蒸気圧が低いジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を用いることが好ましい。
PUR接着剤としては、100〜130度で溶融し、粘度が1000〜30000mPa・sのものが好ましく、その中でも特に初期接着力に優れることからポリエステルポリオールベースのPUR接着剤が好適である。特に、かかるPUR接着剤は、ポリエステルポリオールにポリエーテルポリオールやその他のポリオール、例えばアクリルポリオールを併用して得られるものが好適である。
なお、ポリウレタン反応性ホットメルトは市販されているものも利用することができ、例えばDIC(株)製、タイホースFH−100が挙げられる。
接着剤層32の厚さは、例えば50〜150μmとなっている。
(化粧シート)
次に化粧シート33について説明する。化粧シート33は、化粧シート用基材34と、ベタ着色層35aと絵柄着色層35bとからなる着色層35と、化粧シート用接着剤層36と、透明樹脂層37とを順次積層することにより構成されており、さらに透明樹脂層37のうち化粧シート用接着剤層36あるいは着色層35と接している面と反対側の面には、電子線硬化型樹脂からなるトップコート層38が設けられている。なお前述の接着剤塗布機47からの接着剤32aは、化粧シート33のうち化粧シート用基材34側の面(裏面33b)に塗布される。
(化粧シート用基材)
このうち化粧シート用基材34は、化粧シート33のベースとなるものである。化粧シート用基材34に用いられる材料としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。このうち、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂を用いることが好ましい。これらの材料は、製造後の化粧シート33を焼却廃棄処分する際に塩素系のガスを発生させないため、安全性が高く、環境の面から好ましく用いられる。また、着色されたポリオレフィン系樹脂が、特に好ましく用いられる。この材料を用いることにより、化粧シート33の表面に形成される絵柄着色層35bの色調の安定性を確保することができ、また、化粧シート33が貼り付けられる基材31の表面色相がばらついていた場合に、ばらついた表面の色相を良好に隠蔽することができる。
また、化粧シート用基材34の材料には、必要に応じて着色剤、充填剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種の添加剤が配合されていてもよい。
化粧シート用基材34は、上述した樹脂材料を、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押出し法等の成膜方法によりシート状に成形することにより形成される。形成された化粧シート用基材34の厚さは、化粧シート33が使用される用途や要求される性能に基づいて適宜設定されるが、例えば20〜300μmとなっている。なお、化粧シート用基材34の表面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の易接着処理を施してもよい。これによって、後述する着色層35と化粧シート用基材34との接着性を向上させることができる。
(着色層)
次に着色層35について説明する。着色層35は、図4に示すように、ベタ着色層35aおよび/または絵柄着色層35bから構成されている。
ベタ着色層35aは、化粧シート用基材34の地肌の隠蔽等の目的で設けられ、通常は模様のない全ベタ状の着色層として形成される。一方、絵柄着色層35bは、図形、文字、記号、色彩、それらの組み合わせ等により、木目模様、石目模様、布目模様、皮絞模様、天然皮革の表面柄、幾何学図形、抽象柄等からなる模様ないし色彩を有しており、この絵柄着色層35bはベタ着色層35a上に、平面状、凹凸状、凸状の層として形成される。なお、絵柄着色層35bがベタ着色層35aの作用を兼ねる場合もあり、ベタ着色層35aのみ、または絵柄着色層35bのみから着色層35が構成されることもある。
また、着色層35を、図4に示すように、化粧シート用基材34の表面全面に設けたベタ着色層35aと、その表面に部分的に設けた絵柄着色層35bとから構成してもよい。
このように構成すれば、化粧シート33に所望の柄を付与することができる。一方、着色層35をベタ着色層35aと絵柄着色層35bとから構成し、絵柄着色層35bを化粧シート用基材34に設け、ベタ着色層35aを透明樹脂層36側に設けることも可能である。この場合には、ベタ着色層35aは、無色でも着色剤によって着色されていてもよいが、絵柄着色層35bの絵柄が外から見られるように、少なくとも透明性を有している必要がある。
着色層35は、バインダー樹脂を主成分とし、溶媒、その他の添加剤から構成される着色層35用塗工剤により形成される。溶媒として水または/および水溶性有機溶剤を用いた水系塗工剤や、溶媒として非水溶性有機溶剤等を用いた溶剤系塗工剤を用いることができる。なお、着色層35用塗工剤として、溶媒を用いたタイプの塗料の他、無溶剤タイプの塗料を用いることも可能である。
着色層35は、着色層35用塗工剤を塗工または印刷等によって設けた後、乾燥、硬化させて形成される。このうち、ベタ着色層35aは、塗工や印刷により設けられ、絵柄着色層35bは、通常、印刷により設けられる。着色層35用塗工剤を塗工する場合には公知の各種方法、例えばロールコート、カーテンフローコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、エアナイフコート、キスコート、ブレードコート、スムーズコート、コンマコート、スプレーコート、かけ流しコート、刷毛塗り等の方法を用いることができ、通常、乾燥時において1.0〜10.0μm程度の膜厚に塗工される。また、着色層35用塗工剤を印刷する場合は、グラビア、活版、フレキソ等の凸版印刷、平版オフセット, ダイリソ印刷等の平版印刷、シルクスクリーン等の孔版印刷、静電印刷、インキジェットプリント、転写シートからの転写印刷等の公知の各種方法や、その他に手描き法等を用いることができ、通常、乾燥時において1.0〜10.0μm程度の膜厚に塗工される。なお、絵柄着色層35bを、後述する透明樹脂層37を構成する材料の化粧シート用基材34側の面に印刷して設けてもよい。
また、着色層35は、金属薄膜により形成されていてもよい。金属薄膜は、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を用い、真空蒸着、スパッタリング等の方法で製膜される。これらを組み合わせて用いてもよい。金属薄膜は、化粧シート用基材34全面に設けることも、部分的にパターン状に設けることも可能である。
(化粧シート用接着剤層)
化粧シート用接着剤層36は、図4に示すように、着色層35と透明樹脂層37との間に設けられる層であって、着色層35が形成された化粧シート用基材34と透明樹脂層37との密着性を向上させるプライマー層ないしアンカー層としての役割を有する層であり、耐久性や長期にわたる外観維持性を向上させる作用を有している。こうした作用により、形成された絵柄を長期間保持することができ、極めて有効である。
化粧シート用接着剤層36は、樹脂組成物、溶媒、その他の添加剤とから構成される化粧シート用接着剤層36用塗工剤により形成される。溶媒は特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等の非水溶性有機溶剤、メタノール、エタノール、インプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール等の水溶性有機溶剤、水、またはこれらの混合溶剤等を用いることができる。なお、化粧シート用接着剤層36用塗工剤として溶媒を用いない無溶剤タイプの塗工剤を用いることも可能である。無溶剤タイプの塗工剤は、環境問題に配慮されたものであり、好ましく用いられる。
樹脂系組成物としては、ゴム系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等を挙げることができる。このうちウレタン系樹脂が好ましく用いられる。ウレタン系樹脂を用いることにより、より強力な接着強度を得ることができ、可撓性に優れた化粧シート33を提供することができる。
化粧シート用接着剤層36は、溶媒を用いる場合には、樹脂組成物と、必要に応じてその他の添加剤とを溶媒に含有させた後、それらを公知の方法により溶解、分散、混合させることにより調製される。
化粧シート用接着剤層36は、上述した化粧シート用接着剤層36用塗工剤を着色層35上に塗工し、乾燥、硬化させて形成される。塗工方法としては、公知の各種方法、例えば、ロールコート、グラビアコート、エアナイフコート、コンマコート等が用いられ、生産性の面から、グラビアコート、コンマコートが好ましく用いられる。化粧シート用接着剤層36は、乾燥後の塗工量が0.1〜20g/m2、好ましくは0.1〜10g/m2程度になるよう塗工される。
(透明樹脂層)
図4に示すように、化粧シート用接着剤層36を介して着色層35上に、透明樹脂層37が積層される。透明樹脂層37は、着色層35を擦り傷等から保護したり、化粧シート33の表面強度を向上させたり、塗装感を付与すること等を目的として積層される。
透明樹脂層37を構成する樹脂としては、上述した化粧シート用接着剤層36を介して着色層35上に密着性よく形成される透明な樹脂であれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル樹脂が好ましく挙げられる。ポリエステル樹脂は、製造後の化粧シート33を焼却廃棄処分する際に発生する有機ガスを安全性の高いものとすることができ、環境の面から好ましく用いられる。ここで、ポリエステル樹脂とは、酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸と、アルコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘイサンジオール等の脂肪族ジオールとのエステル化合物として得られた共重合体をいい、本発明で用いられる具体的な樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレン・テレフタレート・イソフタレート共重合体等を上げることができる。また、透明樹脂層37用の樹脂として使用できるポリエステル樹脂以外の樹脂としては、上述の化粧シート用基材34に使用される樹脂材料と同じものを使用することができる。こうした透明樹脂層37を形成する樹脂に、必要に応じて、着色剤、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、マット剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤等の公知の添加剤を添加してもよい。
透明樹脂層37の形成方法として、化粧シート用接着剤層36上に、別個に形成された無色ないし有色の透明樹脂フィルムをドライラミネーションや熱ラミネーション等の各種のラミネート法で積層して形成する方法、樹脂をエクストルージョンにより押出しコーティングすることにより成膜する方法、その他公知の方法を挙げることができる。この中でもあらかじめフィルムに製膜しておき、ドライラミネーションする方法が好ましい。
より寸法安定性、強度や結晶性を上げるために、フィルム製膜の際に延伸を行ってもよく、接着性を上げるために、プライマー剤のコーティングやコロナ処理等を行ってもよい。
透明樹脂層37の厚さは、通常10〜500μm程度であり、30〜300μm程度が好ましい。
透明樹脂層37の表面には、エンボスによる賦形を施すことができる。エンボス模様を形成することにより、化粧シートの意匠性を向上させることができる。こうしたエンボスによる模様は、特に限定されず、化粧シートの用途に応じた模様であればよい。例えば、木目導管溝、木目年輪凹凸、浮造年齢凹凸、木肌凹凸、砂目、梨地、ヘアライン、万線状溝、花崗岩の劈開面等の石材表面凹凸、布目の表面テクスチュア、皮絞、文字、幾何学模様等の模様が挙げられる。また表面に鮮映性を出すため、鏡面ロールで圧をかけてもよく、これによってより一層平滑性を増大させることができる。
この透明樹脂層37と、上述の化粧シート用基材34とをポリオレフィン系樹脂で形成した場合、塩化ビニル樹脂で形成された化粧シートのように廃棄・燃焼時にダイオキシンなどの有害ガスを発生することがない。このため、化粧シート33の環境負荷を低減することができ、従って、ポリオレフィン系樹脂が好ましく用いられる。
なお、本発明における透明樹脂層37の透明度については、本発明は厳格に規定することばなく実質的に透明であれば足り、多少の曇りや不透明感があってもかまわない。
(トップコート層)
トップコート層38は、その下に積層されている透明樹脂層37と同様に、着色層35を擦り傷等から保護し、ならびに、化粧シート33に耐摩擦性、耐汚染性、さらには耐薬品性を付与することができる層である。化粧シート33を鏡面仕上げにした場合、若しくは原色の着色層35を用いた場合には、蛍光灯などの光に起因する虹色の干渉縞が映ることを防止することができる層である。
トップコート層38は、電子線硬化型樹脂を主成分とし、溶媒、その他の添加剤とから構成されるトップコート層38用塗工剤により形成される。ここで、溶媒は特に限定されず、化粧シート用接着剤層36用塗工剤について説明したのと同様の溶媒を用いることが可能である。なお、トップコート層38用塗工剤として、溶媒を用いない無溶剤タイプの塗工剤を用いることも可能である。無溶剤タイプの塗工剤は、環境問題が配慮されたものであり、好ましく用いられる。
電子線硬化型樹脂としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、アクリルポリオール及びポリエステルアクリレートの少なくとも1種と硬化剤を用いて架橋反応して得られる樹脂、さらに後述する電子線硬化型樹脂をそのまま又は硬化剤を用いて架橋硬化させた樹脂が挙げられる。トップコート層38用塗工剤には、これらの樹脂から選ばれた少なくとも1種の架橋性樹脂を用いることができる。これらの樹脂の中で、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、アクリルポリオール及びポリエステルアクリレートより選ばれた少なくとも1種と硬化剤と架橋反応して得られる樹脂を用いることが好ましい。
トップコート層38を形成するには、上記した架橋性樹脂に用いる官能基または/および重合性二重結合を有する樹脂、プレポリマーまたはオリゴマーを硬化剤または重合触媒等を混合した混合物として塗布することもできる。またこの混合物の硬化が進行して塗布に適切な粘性に達したのちに塗布することもできる。
トップコート層38は、トップコート層38用塗工剤を透明樹脂層37の上に塗工した後、電子線を照射して樹脂を架橋させ、硬化させることにより形成される。塗工方法としては、ロールコート、グラビアコート等の、上述した着色層35を全面ベタの態様で形成する塗工方法と同様の方法が用いられる。
トップコート層38の厚さについては特に限定することはないが、乾燥時において3μm以上とすることが好ましく、6μm以上とすることが特に好ましい。なお、トップコート層38の厚さの上限については、本発明は特に限定することなく、適宜設定すればよいが、通常の場合20μm以下とすればよい。これ以上厚くしても、コスト高となり、またフレキシブル性等に影響が生じる可能性があるからである。
以上、本発明の化粧シート33の構成について説明したが、これのみに限定されることはなく、例えば、化粧シート33に導電性を付与するための導電層や、各層間の密着性等を向上するためのプライマー層などを、必要に応じて任意に設けてもよい。
例えば、化粧用シート33を構成する化粧用基材シート34の裏面33bに、必要に応じて、接着剤32との接着性を高める接着用プライマー層(図示せず)を設けることができる。接着用プライマーのバインダー樹脂は、化粧用基材シート34との密着力が得られるものであればよく、例えばポリウレタン系樹脂を利用できる。
接着用プライマー層は、上記樹脂以外に、シリカ微粉末などの充填剤、光安定剤、等の添加剤をその組成物として含んでいてもよい。また、少なくとも樹脂の両末端にイソシアネート基を持つ樹脂成分をその組成物として含んでいてもよい。プライマー層は、これらの組成物を、塗工して、必要に応じ乾燥、硬化させることで形成され、その塗布量(厚さ)は例えば0.01〜10μmの範囲内となっている。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、化粧板30の製造方法について説明する。
まず、図1に示すように、平坦面を有する基材31を準備し、搬送ロール6により一対の圧着ロール2a、2bの間まで送り出す。他方、化粧シート33を巻きつけた化粧シート供給ロール8を準備し、次に、化粧シート供給ロール8からの化粧シート33をバックアップロール50に巻き掛ける。その後、図1に示すように、バックアップロール50において、接着剤塗布機47のダイヘッド47aにより化粧シート33の裏面33bに接着剤32aを塗布する。次に、裏面33bに接着剤32aが塗布された化粧シート33を一対の圧着ロール2a、2bの間に送る。
その後、図1に示すように、一対の圧着ロール2a、2bの間において、裏面33bに接着剤32aが塗布された化粧シート33を基材31上に積層させる。次に、積層された基材31と化粧シート33を、一対の圧着ロール2a、2bにより加熱しながら挟圧する。この場合、前述のように、一対の圧着ロール2a、2bの表面は各々ゴムなどの弾性体により覆われており、このため一対の圧着ロール2a、2bにおけるニップ長さL1が、ロールの表面が金属などの硬質物質からなる場合に比べて長くなっている。このことにより、基材31と化粧シート33をより時間をかけて均一に挟圧することができる。
次に、図1に示すように、加熱しながら挟圧された基材31と化粧シート33を、一対の第1冷却ロール3a、3bおよび一対の第2冷却ロール4a、4bにより挟持して冷却する。これにより、基材31と化粧シート33の間に介在されている接着剤32aを硬化させることができ、この結果、接着剤層32が形成される。これによって、化粧シート33と、基材31と、化粧シート33と基材31の間に介在された接着剤層32とからなる化粧板30を得ることができる。
この間、化粧シート33側の圧着ロール2aの表面は、加熱ユニット10の各ヒータ10a〜10iにより加熱されている。この場合、まず検出ユニット20の各温度センサ20a〜20cにより、圧着ロール2aの軸線方向における中央部分および両端部分の合計3箇所の温度を検出する。各温度センサ20a〜20cにより検出された温度の情報は制御部22に送られる。
制御部22は、各温度センサ20a〜20cにより検出される、圧着ロール2aの軸線方向における中央部分および両端部分の3箇所の温度が略均一となるよう、加熱ユニット10の各ヒータ10a〜10iにおける圧着ロール2aに対する加熱の度合いをヒータ10a〜10i毎に制御する。この際に、制御部22は、各ヒータ10a〜10iと各温度センサ20a〜20cとの対応関係に基づいて、各ヒータ10a〜10iの出力を制御する。すなわち制御部22は、ある温度センサにより検出された温度が他の温度センサにより検出された温度よりも高かったり低かったりする場合には、この温度センサに対応するヒータの出力を変更するよう各ヒータ10a〜10iの制御を行う。このような制御を行うことにより、圧着ロール2aの軸線方向に沿って当該圧着ロール2aの温度が均一となるよう圧着ロール2aを加熱することができる。このため、圧着ロール2aの軸線方向における圧着ロール2aの膨張率の程度を均一にすることができ、これによって、圧着ロール2aの直径をその軸線方向において均一にすることができる。このことにより、積層された基材31と化粧シート33を全面にわたって均一に挟圧することができ、この結果、表面が鏡面性を有する化粧板30を得ることができる。
このように本実施の形態によれば、一対の圧着ロール2a、2bのうち化粧シート33側の圧着ロール2a近傍に、当該圧着ロール2aの軸線方向に沿って並べられた複数のヒータ10a〜10iを有する加熱ユニット10が設けられている。このため、各ヒータ10a〜10iにおける当該圧着ロール2aに対する加熱の度合いをヒータ10a〜10i毎に調整することができ、このことにより、圧着ロール2aの軸線方向に沿って当該圧着ロール2aの温度が均一となるよう圧着ロール2aを加熱することができる。このため、圧着ロール2aの軸線方向における圧着ロール2aの膨張率の程度を均一にすることができ、これによって、圧着ロール2aの直径をその軸線方向において均一にすることができる。このことにより、積層された基材31と化粧シート33を全面にわたって均一に挟圧することができ、この結果、表面が鏡面性を有する化粧板30を得ることができる。
また本実施の形態によれば、加熱ユニット10の各ヒータ10a〜10iは、その全体または少なくとも一部分が化粧シート33側の圧着ロール2aの回転方向および軸線方向に対して斜めに延びるよう配置されている。このため、各ヒータ10a〜10iが圧着ロール2aの回転方向に平行に延びるよう配置されている場合に比べて、当該圧着ロール2aの軸線方向において、各ヒータ10a〜10iによりそれぞれ加熱される領域を大きくすることができる。このことにより、各加熱部10a〜10iによって、圧着ロール2aの軸線方向に沿って圧着ロール2aの表面を隙間無く加熱することができる。従って、圧着ロール2aの軸線方向に沿って圧着ロール2aの温度をより均一にすることができ、これによって、圧着ロール2aの直径をその軸線方向においてより均一にすることができる。
また本実施の形態によれば、上述のように、加熱ユニット10の各ヒータ10a〜10iは、その全体または少なくとも一部分が化粧シート33側の圧着ロール2aの回転方向および軸線方向に対して斜めに延びるよう配置されている。このため、各ヒータが圧着ロール2aの回転方向と平行に延びるよう配置されている場合に比べて、各ヒータ10a〜10iと圧着ロール2aの表面との間の距離を小さくすることができる。このことにより、各ヒータ10a〜10iにより圧着ロール2aの表面を効率良く加熱することができる。
第2の比較例
次に、本願発明の効果を第2の比較例と比較して説明する。第2の比較例として、図6に、圧着ロール2aの回転方向(図6の上下方向)に平行に延びるよう当該圧着ロール2aに対向して配置されるヒータ15a〜15lを有する加熱ユニット15を示す。図6に示す第2の比較例において、各ヒータ15a〜15lの長さt4は、各ヒータ15a〜15lの端部から圧着ロール2aの表面までの距離が図2(b)に示すヒータ10aの端部から圧着ロール2aの表面までの距離s3と等しくなるよう選択されている。このため、図5(a)(b)に示す上述の第1の比較例の場合から明らかなように、各ヒータ15a〜15lの長さt4は、各ヒータ10a〜10iの長さs1よりも短くなっている。このため第2の比較例において、各ヒータ15a〜15lのうちの1本から得られる熱量は、本願発明のヒータ10a〜10iのうちの1本から得られる熱量よりも小さくなっている。従って、本願発明のヒータ10a〜10iにより圧着ロール2aに与えられる熱量と同等の熱量を得るためには、設けられるヒータの数をより多くする必要があり、例えば図6に示すように、第2の比較例においては計12本のヒータ15a〜15lが設けられている。このため、装置の製造コストやメンテナンスコストが大きくなってしまうことが考えられる。
これに対して本願発明によれば、加熱ユニット10の各ヒータ10a〜10iは、その全体または少なくとも一部分が化粧シート33側の圧着ロール2aの回転方向および軸線方向に対して斜めに延びるよう配置されている。このため、各ヒータが圧着ロール2aの回転方向と平行に延びるよう配置されている場合に比べて、各ヒータ10a〜10iと圧着ロール2aの表面との間の距離を小さくすることができ、これによって、各ヒータ10a〜10iにより圧着ロール2aの表面を効率良く加熱することができる。このことにより、設けられるヒータの数を少なくすることができ、これによって、装置の製造コストやメンテナンスコストを小さくすることができる。
第3の比較例
次に、本願発明の効果を第3の比較例と比較して説明する。第3の比較例として、図7に、圧着ロール2aの軸線方向(図7の左右方向)に平行に延びるよう当該圧着ロール2aに対向して配置されるヒータ16a、16bを有する加熱ユニット16を示す。図7に示す第3の比較例においては、加熱ユニット16から圧着ロール2aに対する加熱の度合いが、圧着ロール2aの軸線方向に沿って均一となっている。
ところで圧着ロール2aにおいては一般に、その軸線方向の中央部分と両端部分で圧着ロール2aから外気への放熱量が異なっている。これは、圧着ロール2aの軸線方向の両端部分においては側方から外気への放熱が生じているのに対し、圧着ロール2aの軸線方向の中央部分においてはそのような放熱が生じていないためである。ここで上述のように、第3の比較例においては、加熱ユニット16から圧着ロール2aに対する加熱の度合いが、圧着ロール2aの軸線方向に沿って均一となっている。このため第3の比較例においては、圧着ロール2aの軸線方向の両端部分における温度が、圧着ロール2aの軸線方向の中央部分における温度よりも低くなると考えられる。このため、圧着ロール2aの軸線方向の両端部分と中央部分で圧着ロール2aの直径が相違し、これによって、得られる化粧板30の鏡面性が劣化することが考えられる。
これに対して本願発明によれば、一対の圧着ロール2a、2bのうち化粧シート33側の圧着ロール2a近傍に、当該圧着ロール2aの軸線方向に沿って並べられた複数のヒータ10a〜10iを有する加熱ユニット10が設けられており、このため、各ヒータ10a〜10iにおける当該圧着ロール2aに対する加熱の度合いをヒータ10a〜10i毎に調整することができる。このことにより、圧着ロール2aの軸線方向の中央部分と両端部分で圧着ロール2aから外気への放熱量が異なる場合であっても、当該圧着ロール2aに対する加熱の度合いをヒータ10a〜10i毎に調整することにより、圧着ロール2aの表面の温度をその軸線方向において均一にすることができる。これによって、圧着ロール2aの熱膨張の程度をその軸線方向において均一にすることができ、従って、圧着ロール2aの直径をその軸線方向において均一にすることができる。このことにより、積層された基材31と化粧シート33を全面にわたって均一に挟圧することができ、この結果、表面が鏡面性を有する化粧板30を得ることができる。
なお本実施の形態において、一対の圧着ロール2a、2bのうち化粧シート33側の圧着ロール2a近傍に、圧着ロール2aの表面を加熱する加熱ユニット10と、圧着ロール2aの表面の温度を検出する検出ユニット20とが設けられている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図1において二点鎖線で示すように、一対の圧着ロール2a、2bのうち基材31側の圧着ロール2b近傍にも、圧着ロール2bの表面を加熱する加熱ユニット10と、圧着ロール2bの表面の温度を検出する検出ユニット20とを設けてもよい。さらに、圧着ロール2bの上流側に、基材31を加熱する加熱ユニット(図示せず)を設けてもよい。
また本実施の形態において、加熱ユニット10の各ヒータ10a〜10iが、その全体が圧着ロール2aの回転方向および軸線方向に対して斜めに延びるよう配置されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、加熱ユニットとして、図8に示すように、加熱ユニット11は、その一部分が圧着ロール2aの回転方向および軸線方向に対して斜めに延びるよう配置されるヒータ11a〜11hを有していてもよい。また図9に示すように、加熱ユニット12は、直線状ではなく湾曲状に延びるよう配置されるヒータ12a〜12iを有していてもよい。この場合、各ヒータ12a〜12iは、その全体が圧着ロール2aの回転方向および軸線方向に対して斜めになるよう配置されるとともに、ロール状の圧着ロール2aの表面に沿って湾曲するよう延びていてもよく、これによって、各ヒータ12a〜12iの端部から圧着ロール2aの表面までの距離を小さくすることができ、このことにより、圧着ロール2aの表面をより効率良く加熱することができる。
また本実施の形態において、各ヒータ10a〜10iにおける圧着ロール2aに対する加熱の度合いが、各温度センサ20a〜20cからの情報に基づいて制御部22により制御される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、各ヒータ10a〜10iにおける圧着ロール2aに対する加熱の度合いを予め設定しておいてもよい。
検出ユニットの変形例
また本実施の形態において、検出ユニット20が、圧着ロール2aの軸線方向に沿って設けられた複数の温度センサ20a〜20cからなる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、検出ユニット20は、複数の温度センサ20a〜20cの代わりに、圧着ロール2aの直径を検出する複数の変位センサ(図示せず)を有していてもよい。
このような変形例において、検出ユニット20の各変位センサは、当該変位センサに対向する圧着ロール2aの軸線方向における箇所(中央部分の箇所および両端部分の箇所)の直径を検出する。この際に、各変位センサは、それぞれ各ヒータ10a〜10iに対応するよう設けられている。より詳細には、第1の変位センサは3つのヒータ10a〜10cに対応するよう設けられ、第2の変位センサは3つのヒータ10d〜10fに対応するよう設けられ、第3の変位センサは3つのヒータ10g〜10iに対応するよう設けられている。
検出ユニット20として複数の変位センサが用いられる場合、制御部22は、各変位センサにより検出される、圧着ロール2aの軸線方向における中央部分および両端部分の3箇所の直径が略均一となるよう、加熱ユニット10の各ヒータ10a〜10iにおけるロール50に対する加熱の度合いをヒータ10a〜10i毎に制御する。この際に、制御部22は、各ヒータ10a〜10iと各変位センサとの対応関係に基づいて、各ヒータ10a〜10iの出力を制御する。すなわち制御部22は、ある変位センサにより検出された直径が他の変位センサにより検出された直径よりも大きかったり小さかったりする場合には、この変位センサに対応するヒータの出力を変更するよう各ヒータ10a〜10iの制御を行う。このような制御が行われることにより、圧着ロール2aをその軸線方向に沿って均一の直径のものとすることができる。
第2の実施の形態
次に図1および図10乃至図12を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。ここで図10は、図1に示すダイヘッドおよびバックアップロールを左右方向(矢印C)から見たときの位置関係を示す図であり、図11は、図1に示すバックアップロール用加熱ユニットを矢印Dの方向から見た場合を示す図であり、図12は、バックアップロール用検出ユニットを示す図である。
図1および図10乃至図12に示す第2の実施の形態は、バックアップロール近傍に、当該バックアップロールの軸線方向に沿って並べられた複数のバックアップロール用加熱部を有するバックアップロール用加熱ユニットが設けられている点が異なるのみであり、他の構成は、図1乃至図9に示す第1の実施の形態と略同一である。図1および図10乃至図12に示す第2の実施の形態において、図1乃至図9に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
化粧板30の表面における鏡面性を確保する上で、一対の圧着ロール2a、2bにおいて基材31と化粧シート33を全面にわたって均一に挟圧することに加えて、基材31と化粧シート33の間に介在される接着剤層32の厚さを全面にわたって均一にすることも重要である。このため、接着剤層32を構成する接着剤32aを、その膜厚が均一になるよう接着剤塗布機47により化粧シート33に塗布することが重要になる。
接着剤塗布機
図1乃至図9に示す第1の実施の形態において説明したように、接着剤塗布機47は、バックアップロール50に巻き掛けられた化粧シート33の裏面33bに接着剤32aを塗布するダイヘッド47aと、ダイヘッド47aに接着剤32aを供給する接着剤供給部47bとを有している(図1)。このダイヘッド47aは、バックアップロール50の軸線方向(幅方向)に沿って延びるよう、バックアップロール50に対向して設けられている。この場合、接着剤32aは、その軟化温度以上に加熱された状態でダイヘッド47aにより化粧シート33の裏面33bに塗布される。
また図1に示すように、バックアップロール50近傍には、バックアップロール50の表面の加熱を行うためのバックアップロール用加熱ユニット40と、バックアップロール50の表面の温度を検出するためのバックアップロール用検出ユニット45とが設けられている。後述するように、バックアップロール用加熱ユニット40によるバックアップロール50に対する加熱の度合いは、バックアップロール用検出ユニット45による検出結果に基づいて制御部22により制御される。バックアップロール用加熱ユニット40は、好ましくは、バックアップロール50が回転しているときに当該バックアップロール50の表面を加熱するよう、制御部22により制御される。
また図1に示すように、バックアップロール50近傍には、化粧シート33の裏面33bに塗布された接着剤32aの厚さを検出するための膜厚検出ユニット48が設けられている。膜厚検出ユニット48は、化粧シート33の幅方向(化粧シート33の搬送方向に直交する方向)に沿って設けられた複数、例えば9個の膜厚センサ(図示せず)を有しており、各膜厚センサは、各膜厚センサに対向する箇所における化粧シート33に塗布された接着剤32aの膜厚を検出することができる。
図10に示すように、ダイヘッド47aは、バックアップロール50の軸線方向に沿って延びるよう、当該バックアップロール50に対向して設けられている。ここで、ダイヘッド47aとバックアップロール50との間には、所定の大きさの間隔L2が設けられており、化粧シート33に塗布される接着剤32aの膜厚は、概してこのダイヘッド47aとバックアップロール50との間の間隔L2の大きさにより決定される。このため、化粧シート33に塗布される接着剤32aの膜厚を均一にするためには、バックアップロール50の軸線方向において間隔L2を均一にする必要がある。
ところで、図1乃至図9に示す第1の実施例における圧着ロール2aの場合と同様に、バックアップロール50において、その軸線方向の中央部分と両端部分でバックアップロール50から外気への放熱量が異なっていることが考えられる。このため、バックアップロール50をその軸線方向において均一に加熱すると、バックアップロール50の温度がその軸線方向において不均一になり、これによってバックアップロール50の直径がその軸線方向において不均一になるおそれがある。バックアップロール50の直径がその軸線方向において不均一になると、上述の間隔L2が不均一になり、この結果、化粧シート33に塗布される接着剤32aの膜厚が不均一になる。
また、バックアップロール50を長時間使用すると、経年劣化などによりバックアップロール50の真円度や真直度等の加工精度が悪化し、若しくはバックアップロール50の組付精度が悪化し、これによってバックアップロール50の軸線方向においてバックアップロール50の直径にばらつきが生じることが考えられる。バックアップロール50の直径にばらつきが生じると、ダイヘッド47aとバックアップロール50との間の間隔L2がばらつくことになり、これによって、化粧シート33に塗布される接着剤32aの膜厚もばらつくおそれがある。
本実施の形態においては、バックアップロール50の表面をバックアップロール用加熱ユニット40によって適切に加熱し、これによって、バックアップロール50の直径をその軸線方向において均一に保ち、このことにより、化粧シート33に塗布される接着剤32aの膜厚を全面にわたって均一にすることを目的とする。
バックアップロール用加熱ユニット
バックアップロール用加熱ユニット40について説明する。図11に示すように、バックアップロール用加熱ユニット40は、バックアップロール50の軸線方向(図11の左右方向)に沿って設けられた複数のヒータ(バックアップロール用加熱部)40a〜40iを有している。ここで、各々のヒータ40a〜40iは図1および図11に示すように、それぞれ化粧シート33および接着剤32aを介してバックアップロール50に対向するよう設けられており、これらのヒータ40a〜40iにより、バックアップロール50において当該ヒータ40a〜40iに対向する箇所がそれぞれ加熱される。各ヒータ40a〜40iは、例えば短波長赤外線ヒータや中波長赤外線ヒータ(カーボンヒータ)等の赤外線ヒータから構成されている。なお、各ヒータ40a〜40iとして、赤外線ヒータ以外の他のヒータを用いてもよい。
また図11に示すように、各ヒータ40a〜40iは、その全体がバックアップロール50の回転方向(図11における上下方向)および軸線方向(図11における左右方向)に対して斜めに延びるよう配置されている。すなわち、各ヒータ40a〜40iの延びる方向とバックアップロール50の軸線方向(図11において二点鎖線で表示)との間の角度φは、0°<φ<90°または0°>φ>−90°の大きさとなっている。この場合、角度φは好ましくは30°≦φ≦60°または−30°≧φ≧−60°の範囲内となっており、例えば角度φは60°となっている。
また、各ヒータ40a〜40iの延びる方向は互いに平行となっている。図11に示すように、各ヒータ40a〜40iはそれぞれ制御部22に接続されており、制御部22により、各ヒータ40a〜40iにおけるバックアップロール50に対する加熱の度合いがヒータ40a〜40i毎に互いに独立して制御される。
バックアップロール用検出ユニット
次に、バックアップロール用検出ユニット45について説明する。図1に示すように、バックアップロール用検出ユニット45は、化粧シート33が巻き掛けられていない箇所においてバックアップロール50と対向するよう設けられており、このバックアップロール用検出ユニット45は、図12に示すように、バックアップロール50と対向するよう並べられた複数の温度センサ45a〜45cを有している。各温度センサ45a〜45cは、当該温度センサ45a〜45cに対向するバックアップロール50の軸線方向における箇所(中央部分の箇所および両端部分の箇所)の温度を検出する。ここで各温度センサ45a〜45cは、それぞれ各ヒータ40a〜40iに対応するよう設けられている。より詳細には、第1の温度センサ45aは3つのヒータ40a〜40cに対応するよう設けられ、第2の温度センサ45bは3つのヒータ40d〜40fに対応するよう設けられ、第3の温度センサ45cは3つのヒータ40g〜40iに対応するよう設けられている。
なお、図12においては3つの温度センサ45a〜45cが示されているが、バックアップロール用検出ユニット45における温度センサの数はバックアップロール用加熱ユニット40におけるヒータ40a〜40iの数と同一であってもよく、あるいはバックアップロール用加熱ユニット40におけるヒータ40a〜40iの数よりも多くてもよい。図12に示すように、各温度センサ45a〜45cはそれぞれ制御部22に接続されており、各温度センサ45a〜45cにより検出されたバックアップロール50の温度に係る情報は制御部22に送られる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、バックアップロール50において化粧板33の裏面33bに、化粧板33の幅方向における膜厚が均一になるよう接着剤32aを塗布する方法について説明する。
はじめに、化粧シート33を巻きつけた化粧シート供給ロール8を準備し、次に、化粧シート33をバックアップロール50に巻き掛ける。そして図1に示すように、バックアップロール50において、接着剤塗布機47のダイヘッド47aにより化粧シート33の裏面33bに接着剤32aを塗布する。
この間、バックアップロール用加熱ユニット40の各ヒータ40a〜40iにより化粧シート33および接着剤32aを介してバックアップロール50の表面を加熱する。この場合、まずバックアップロール用検出ユニット45の各温度センサ45a〜45cにより、バックアップロール50の軸線方向における中央部分および両端部分の3箇所において、バックアップロール50の温度を検出する。各温度センサ45a〜45cにより検出されたバックアップロール50の温度に係る情報は制御部22に送られる。
制御部22は、各温度センサ45a〜45cにより検出される、バックアップロール50の軸線方向における中央部分および両端部分の3箇所の温度が略均一となるよう、バックアップロール用加熱ユニット40の各ヒータ40a〜40iによるバックアップロール50に対する加熱の度合いをヒータ40a〜40i毎に制御する。この際に、制御部22は、各ヒータ40a〜40iと各温度センサとの対応関係に基づいて、各ヒータ40a〜40iの出力を制御する。すなわち制御部22は、ある温度センサにより検出された温度が他の温度センサにより検出された温度よりも大きかったり小さかったりする場合には、この温度センサに対応するヒータの出力を変更するよう各ヒータ40a〜40iの制御を行う。このような制御を行うことにより、バックアップロール50の熱膨張の程度をその軸線方向の各箇所において均一にすることができ、これによって、バックアップロール50の直径をその軸線方向において均一にすることができる。このことにより、バックアップロール50とダイヘッド47aとの間の間隔の大きさをバックアップロール50の軸線方向に沿って均一にすることができ、これによって、化粧シート33に塗布される接着剤32aの膜厚を化粧シート33の幅方向に沿って均一とすることができる。なお、前述の膜厚検出ユニット48を用いて、化粧シート33に塗布される接着剤32aの膜厚が化粧シート33の幅方向に沿って均一となっているかどうかを確認してもよい。
このように本実施の形態によれば、バックアップロール50近傍に、当該バックアップロール50の軸線方向に沿って並べられた複数のヒータ40a〜40iを有するバックアップロール用加熱ユニット40が設けられている。このため、各ヒータ40a〜40iにおける当該バックアップロール50に対する加熱の度合いをヒータ40a〜40i毎に調整することができ、このことにより、バックアップロール50上で化粧シート33に塗布される接着剤32aの膜厚が均一となるよう、バックアップロール50の軸線方向における各箇所の直径を調整することができる。
また本実施の形態によれば、バックアップロール用加熱ユニット40の各ヒータ40a〜40iは、その全体または少なくとも一部分がバックアップロール50の回転方向および軸線方向に対して斜めに延びるよう配置されている。このため、各ヒータがバックアップロール50の回転方向と平行に延びるよう配置されている場合に比べて、各ヒータ40a〜40iとバックアップロール50の表面との間の距離を小さくすることができ、これによって、各ヒータ40a〜40iによりバックアップロール50の表面を効率良く加熱することができる。
なお本実施の形態において、バックアップロール用加熱ユニット40の各ヒータ40a〜40iが、その全体がバックアップロール50の回転方向および軸線方向に対して斜めに延びるよう配置される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図1乃至図9に示す第1の実施の形態において図8および図9に示す加熱ユニット11および加熱ユニット12の場合と同様に、バックアップロール用加熱ユニット40は、その一部分がバックアップロール50の回転方向および軸線方向に対して斜めに延びるよう配置される複数のヒータ(図示せず)を有していてもよく、直線状ではなく湾曲状に延びるよう配置される複数のヒータ(図示せず)を有していてもよい。
また本実施の形態において、各ヒータ40a〜40iにおけるバックアップロール50に対する加熱の度合いが、各温度センサ45a〜45cからの情報に基づいて制御部22により制御される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、各ヒータ40a〜40iにおけるバックアップロール50に対する加熱の度合いを予め設定しておいてもよい。
また本実施の形態において、各ヒータ40a〜40iにおけるバックアップロール50に対する加熱の度合いが、温度センサ45a〜45cを有するバックアップロール用検出ユニット45からの情報に基づいて制御部22により制御される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、各ヒータ40a〜40iにおけるバックアップロール50に対する加熱の度合いを、バックアップロール50の軸線方向に沿って当該バックアップロール50と対向するよう並べられた複数の変位センサを有するバックアップロール用検出ユニット(図示せず)からの情報に基づいて、制御部22により制御してもよい。以下、変位センサが設けられる場合(変形例)について説明する。
変形例
温度センサ45a〜45cを有するバックアップロール用検出ユニット45の場合と同様に、複数の変位センサを有するバックアップロール用検出ユニット(図示せず)は、バックアップロール50のうち化粧シート33が巻き掛けられていない箇所に対向するよう設けられており、また各変位センサ(例えば3つの変位センサ、図示せず)は、当該変位センサに対向するバックアップロール50の軸線方向における箇所(中央部分の箇所および両端部分の箇所)の直径を検出する。ここで各変位センサは、それぞれ各ヒータ40a〜40iに対応するよう設けられている。より詳細には、第1の変位センサは3つのヒータ40a〜40cに対応するよう設けられ、第2の変位センサは3つのヒータ40d〜40fに対応するよう設けられ、第3の変位センサは3つのヒータ40g〜40iに対応するよう設けられている。
制御部22は、各変位センサにより検出される、バックアップロール50の軸線方向における中央部分および両端部分の3箇所の直径が略均一となるよう、バックアップロール用加熱ユニット40の各ヒータ40a〜40iにおけるバックアップロール50に対する加熱の度合いをヒータ40a〜40i毎に制御する。この際に、制御部22は、各ヒータ40a〜40iと各変位センサとの対応関係に基づいて、各ヒータ40a〜40iの出力を制御する。すなわち制御部22は、ある変位センサにより検出された直径が他の変位センサにより検出された直径よりも大きかったり小さかったりする場合には、この変位センサに対応するヒータの出力を変更するよう各ヒータ40a〜40iの制御を行う。このような制御を行うことにより、バックアップロール50の直径をその軸線方向に沿って均一にすることができる。このことにより、バックアップロール50とダイヘッド47aとの間の間隔の大きさをバックアップロール50の軸線方向に沿って均一にすることができ、これによって、化粧シート33に塗布される接着剤32aの膜厚を化粧シート33の幅方向に沿って均一とすることができる。
第3の実施の形態
次に図13乃至図15を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。ここで図13は、本発明の第3の実施の形態における化粧板の製造装置を示す正面図であり、図14は、本発明の第3の実施の形態において、化粧シート側の圧着ロールを示す斜視図であり、図15は、本発明の第3の実施の形態において、化粧シート側の圧着ロールに設けられたロータリージョイントを示す図である。
図13乃至図15に示す第3の実施の形態は、一対の冷却ロールのうち化粧シート側の圧着ロールは、内部に熱媒を通す通水管を有する金属製圧着ロールからなる点が異なるのみであり、他の構成は、図1乃至図9に示す第1の実施の形態および図10乃至図12に示す第2の実施の形態と略同一である。図13乃至図15に示す第3の実施の形態において、図1乃至図9に示す第1の実施の形態および図10乃至図12に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
圧着ロール
図13乃至図15を参照して、一対の圧着ロール60a、60bについて詳述する。図1に示すように、一対の圧着ロール60a、60bは、化粧シート33側の圧着ロール60aと、基材31側の圧着ロール60bとからなる。
図14に示すように、一対の圧着ロール60a、60bのうち化粧シート33側の圧着ロール60aの表面63は金属を含んでおり、この圧着ロール60aはその内部に、熱媒を通す複数の通水管64を有している。このように、圧着ロール60aの表面63が、一般に比熱の小さい金属を含むことにより、圧着ロール60aの表面63の熱伝導性を高くすることができ、これによって、圧着ロール60aの表面63の温度をその軸線方向において容易に均一にすることが可能となる。なお、化粧シート33側の圧着ロール60aの表面63の最表面に、ゴムまたは樹脂が巻きつけられていてもよい。これによって、圧着ロール60aにおける化粧シート33に対するグリップ力を向上させることができ、また、圧着ロール60aからの化粧シート33の離型性を確保することもできる。
一対の圧着ロール60a、60bのうち基材31側の圧着ロール60bの表面は、図1乃至図9に示す第1の実施の形態における圧着ロール2bの場合と同様に、ゴムなどの弾性体により覆われている。
図14に示すように、一対の圧着ロール60a、60bのうち、化粧シート33側の圧着ロール60aの表面63は金属から形成されており、この圧着ロール60aはその内部に、熱媒を通す複数の通水管64を有している。このように、圧着ロール60aの表面63が、一般に比熱の小さい金属から形成され、かつ内部に熱媒を通すことにより、圧着ロール60aの表面63の温度をその軸線方向において容易に均一にすることが可能となる。なお、化粧シート33側の圧着ロール60aの表面63の外周に、ゴムまたは樹脂が巻きつけられていてもよく、コーティングが施されていてもよい。また、基材31側の圧着ロール60bの表面は、図1乃至図9に示す第1の実施の形態における圧着ロール2bの場合と同様に、ゴムなどの弾性体により覆われている。これらによって、圧着ロール60aにおける化粧シート33に対するグリップの向上や、圧着ロール60aからの化粧シート33の離型性の向上を確保できる。
また図13および図15に示すように、当該圧着ロール60aの端部には、圧着ロール60aの回転軸62を介して通水管64に熱媒を供給し、および通水管64からの熱媒を排出するロータリージョイント61が設けられている。この場合、図15に示すようにロータリージョイント61は、回転軸62の一側62aに設けられ、通水管64に熱媒を供給する供給側ロータリージョイント61aと、回転軸62の他側62bに設けられ、通水管64からの熱媒を排出する排出側ロータリージョイント61bとからなる。このように、ロータリージョイント61を用いて圧着ロール60a内部の通水管64に熱媒を循環させることにより、圧着ロール60aの表面63を均一に加熱することができる。なお供給側ロータリージョイント61aから通水管64への熱媒の供給量は、供給バルブ(図示せず)により調整される。
また図14に示すように、圧着ロール60aの内部には、表面63の温度を測定する熱電対65が埋め込まれている。後述するように、圧着ロール60aの表面63の加熱の度合いは、熱電対65からの温度の情報に基づき制御部22により制御される。
熱媒としては、液体または気体など各種の流体を用いることができるが、例えば水を使用することができる。この場合、熱媒の経路となる各ロータリージョイント61a、61b、回転軸62および通水管64の内面には、適切な防錆処理が施されていることが好ましい。この際に用いる防錆剤が特に限定されることはなく、一般的な防錆剤を用いることができる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、化粧板30の製造方法について説明する。
まず、図13に示すように、平坦面を有する基材31を準備し、搬送ロール6により一対の圧着ロール60a、60bの間まで送り出す。他方、化粧シート33を巻きつけた化粧シート供給ロール8を準備し、次に、化粧シート供給ロール8からの化粧シート33をバックアップロール50に巻き掛ける。その後、図13に示すように、接着剤塗布機構46のバックアップロール50において、接着剤塗布機構46の接着剤塗布機47のダイヘッド47aにより化粧シート33の裏面33bに接着剤32aを塗布する。次に、裏面33bに接着剤32aが塗布された化粧シート33を一対の圧着ロール60a、60bの間に送る。
その後、図13に示すように、一対の圧着ロール60a、60bの間において、裏面33bに接着剤32aが塗布された化粧シート33を基材31上に積層させる。次に、積層された基材31と化粧シート33を、一対の圧着ロール60a、60bにより加熱しながら挟圧する。次に、図13に示すように、加熱しながら挟圧された基材31と化粧シート33を、一対の第1冷却ロール3a、3bおよび一対の第2冷却ロール4a、4bにより挟持して冷却する。これにより、基材31と化粧シート33の間に介在されている接着剤32aを硬化させることができ、この結果、接着剤層32が形成される。これによって、化粧シート33と、基材31と、化粧シート33と基材31の間に介在された接着剤層32とからなる化粧板30を得ることができる。
この間、化粧シート側の圧着ロール60aの表面63は、その内部の通水管64内を循環する熱媒により加熱されている。この場合、まず熱電対65により、圧着ロール2aの表面63近傍の温度を検出する。熱電対65により検出された温度の情報は制御部22に送られる。制御部22は、熱電対65からの情報に基づき供給バルブを調整し、これによって供給側ロータリージョイント61aから通水管64への熱媒の供給量を調整する。このことにより、熱媒による圧着ロール60aに対する加熱の度合いを制御することができ、これによって、圧着ロール60aの表面63を所定の温度に制御することができる。この場合、前述のように、圧着ロール60aの表面63は、一般に比熱の小さい金属を含んでおり、このため、圧着ロール60aの表面63の温度をその軸線方向において容易に均一にすることができる。
このように本実施の形態によれば、一対の圧着ロール60a、60bのうち化粧シート33側の圧着ロール60aの表面63は金属を含んでおり、この圧着ロール60aはその内部に、熱媒を通す複数の通水管64を有している。また当該圧着ロール60aの回転軸62の一側62aには、通水管64に熱媒を供給する供給側ロータリージョイント61aが設けられ、回転軸62の他側62bには、通水管64からの熱媒を排出する排出側ロータリージョイント61bが設けられている。このため、圧着ロール60aの表面63の温度をその軸線方向において均一にすることができ、これによって、圧着ロール60aの熱膨張の程度をその軸線方向において均一にすることができる。従って、圧着ロール60aの直径をその軸線方向において均一にすることができる。このことにより、積層された基材31と化粧シート33を一対の圧着ロール60a、60bによって全面にわたって均一に挟圧することができ、この結果、表面が鏡面性を有する化粧板30を得ることができる。
なお本実施の形態において、図14に示すように、圧着ロール60aの内部において、通水管64が圧着ロール60aの軸線方向に沿って延びている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、例えば、圧着ロール60aの軸線方向の中央部分の箇所と両端部分の箇所とで圧着ロール60aの表面から通水管64までの距離が異なるよう、通水管64を屈曲・湾曲させてもよい。これによって、圧着ロール60a表面の当該中央部分と当該両端部分とにおいて、熱媒から加熱される度合いを異ならせることができる。また、このように屈曲・湾曲した通水管と、圧着ロール60aの軸線方向に沿って延びる通水管とを圧着ロール60a内部にそれぞれ所定本数設けるとともに、各通水管に選択的に熱媒を通すことができるよう各通水管に開閉弁などの通水選択手段(図示せず)を設けてもよい。このことにより、圧着ロール60a表面の当該中央部分と当該両端部分とにおいて圧着ロール60a表面から外気への放熱量が異なる場合であっても、圧着ロール60a表面に対する加熱の度合いを当該中央部分と当該両端部分で独立に調整することができ、これによって、圧着ロール60aの表面63の温度をその軸線方向において均一にすることができる。従って、圧着ロール60aの直径をその軸線方向において均一にすることができる。このことにより、積層された基材31と化粧シート33を全面にわたって均一に挟圧することができ、この結果、表面が鏡面性を有する化粧板30を得ることができる。
また本実施の形態において、圧着ロール60aの回転軸62の一側62aに、通水管64に熱媒を供給する供給側ロータリージョイント61aが設けられ、圧着ロール60aの回転軸62の他側62bに、通水管64からの熱媒を排出する排出側ロータリージョイント61bが設けられている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、供給側ロータリージョイント61aおよび排出側ロータリージョイント61bをともに回転軸62の一側62aまたは他側62bに設けてもよい。
また本実施の形態において、図10乃至図12に示す第2の実施の形態の場合と同様に、バックアップロール50近傍に設けられたバックアップロール用加熱ユニット40は、バックアップロール50の軸線方向に沿って並べられた複数のヒータ(バックアップロール用加熱部)40a〜40iを有していてもよい。この場合、各ヒータ40a〜40iは、その全体がバックアップロール50の回転方向および軸線方向に対して斜めに延びるよう配置されている。
また、バックアップロール50近傍に設けられたバックアップロール用検出ユニット45は、バックアップロール50と対向するよう並べられた複数の温度センサ45a〜45cを有していてもよい。また、各ヒータ40a〜40iは、各温度センサ45a〜45cからの情報に基づき制御部22により制御されてもよい。
また、複数の変位センサを有するバックアップロール用検出ユニット(図示せず)が設けられていてもよい。この場合、各ヒータ40a〜40iは、各変位センサからの情報に基づき制御部22により制御される。
これらバックアップロール用加熱ユニット40、バックアップロール用検出ユニット45および制御部22は、図10乃至図12に示す第2の実施の形態の場合と略同一であるので、詳細な説明は省略する。
また上記各実施の形態において、一対の圧着ロール2a、2b;60a、60bが設けられている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、複数対の圧着ロールが設けられていてもよい。この場合、複数対の圧着ロールのうち少なくとも最も上流側に設けられている一対の圧着ロールは、第1または第2の実施の形態における一対の圧着ロール2a、2b、または、第3の実施の形態における一対の圧着ロール60a、60bから構成されている。
また上記各実施の形態において、接着剤塗布機構46が、化粧シート供給ロール8からの化粧シート33が巻き掛けられるバックアップロール50と、バックアップロール50に巻き掛けられた化粧シート33の裏面33bに接着剤32aを塗布する接着剤塗布機47とから構成されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、接着剤塗布機構46が、化粧シート供給ロール8からの化粧シート33を、その進行方向において化粧シート33に一定の張力を印加しながら化粧シート33を送る一対のガイドロール(図示せず)と、一対のガイドロールの略中間に設けられ、化粧シート33の裏面33bに接着剤32aをキスコート式で塗布するコーティング装置(図示せず)とを有していてもよい。
また、当該コーティング装置による接着剤32aの塗布方法がキスコート式に限られることはなく、コーティング装置の形状および動作の違いによって、様々なタイプや方式を用いることができる。例えば、正回転ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ダイコーター(ファウンテン型)、キスコーター、浸漬コーティング、スクリーンコーティング、スピンコーター、キャストコーティング 、スプレイコーティング、押出コーティング、ロッドコーティング、3本リバースコーター、2本リバースコーター(スリットリバースコーター)、キスリバースコーター、ダイレクトグラビアコーター、リバースグラビアコーター、キスリバースグラビアコーター、スムージングバー、ダイレクトロールコーターなどを用いることができる。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
ロールの加熱
はじめに、上述の第1の実施の形態における加熱ユニット10を用いてロールを加熱し、そのときのロールの直径および温度を測定した結果、および、上述の第3の実施の形態における通水管64を用いてロールを加熱し、そのときのロールの直径および温度を測定した結果について説明する。用いたロールおよび加熱方法と、その場合の温度測定結果およびロール直径測定結果を表1に示す。
ロールとしては、表1に示すように、表面がシリコーンゴムから形成されているロール、または、表面がクロムメッキされた鉄から形成されているロールを用いた。各ロールの直径は200mm、軸線方向における長さは1000mmであった。
加熱方法としては、図2に示す本発明の加熱ユニット10を用いてロールを加熱する方法(表1における「分割型ヒータ式」)、または、図14に示す本発明の通水管64を用いてロールを加熱する方法(表1における「通水管式」)を用いた。また、比較のため、図5に示す従来の加熱ユニット14を用いてロールを加熱する方法(表1における「従来型ヒータ式」)を用いた場合についても測定を行った。
ロールを加熱する際の設定温度は、表1に示すように、25,40,60,70または90度とした。
なお表1の最も左の列に示されている記号は、測定に用いたロールの表面の材質、加熱方法および設定温度を表す記号である。当該記号において、「R」はロールの表面の材質がシリコーンゴムであることを表し、「M」はロールの表面の材質がクロムメッキされた鉄であることを表している。また「S」は、加熱方法が分割型ヒータ式であることを表し、「B」は、加熱方法が従来型ヒータ式であることを表し、「T」は、加熱方法が通水管式であることを表している。また当該記号中の数字は、ロールを加熱する際の設定温度を表している。
従って、例えば記号「RS40」は、表面の材質がシリコーンゴムであるロールを、図2に示す本発明の加熱ユニット10を用いて設定温度40度で加熱したことを表している。
表1に示すように、本発明の加熱ユニット10を用いた場合のロール軸線方向におけるロール表面温度のばらつきは、従来の加熱ユニット14を用いた場合のロール軸線方向におけるロール表面温度のばらつきよりも概して小さくなっていた。また表1に示すように、本発明の加熱ユニット10を用いた場合のロール軸線方向におけるロール直径のばらつきも、従来の加熱ユニット14を用いた場合のロール軸線方向におけるロール直径のばらつきよりも概して小さくなっていた。
化粧板の製造
次に、表1に示すロールを用いて化粧板30を製造した結果について説明する。
基材31として、大きさが巾500mm×長さ1800mm、厚さが18mmのMDFを準備し、この基材31にバフ研磨処理を施すことにより基材31に平坦面を形成した。
化粧シート33として、大日本印刷株式会社製のPIAFORTEからなる厚さ0.2mmのものを準備した。接着剤32aとして、DIC株式会社製のポリエステル系PUR接着剤を使用した。
使用した圧着ロールおよび冷却ロールの組合せを表1に示す。表1における「圧着ロールおよび冷却ロール」の列において、数字「1」は、最も上流に設置された圧着ロール2a、2bを表しており、数字「2」、「3」、「4」は、最も上流に設置された圧着ロール2a、2bよりも下流側に配置されたロールを上流側から順に表している。なお表2における記号(例えば「RS40」)の意味は、表1における記号の意味と同一となっている。例えば、実施例1においては、最も上流に設置される圧着ロール2a、2bとして、表面がシリコーンゴムから形成されるとともに、本発明の加熱ユニット10を用いて設定温度40度で加熱されるロール(RS40)を用いており、またその下流側のロールとして、表面がクロムメッキされた鉄から形成されるとともに、従来の加熱ユニット14を用いて設定温度40度で加熱されるロール(MB40)を用いている。
表2に示すように、実施例1〜5においては、最も上流に配置される圧着ロール2a、2bとして、本発明の加熱ユニット10を用いて設定温度40度または70度で加熱される、シリコーンゴムからなる表面を有するロールを用いた。また表2に示すように、比較例1〜4においては、最も上流に配置される圧着ロール2a、2bとして、従来の加熱ユニット14を用いて設定温度25度、40度または70度で加熱される、シリコーンゴムからなる表面を有するロールを用いた。
はじめに、接着剤供給部47bにおいて接着剤32aを120度に加熱し、次に、加熱された接着剤32aをダイヘッド47aから化粧シート33の裏面33bに膜厚0.1mmで塗布した。その後、裏面33bに接着剤32aが塗布された化粧シート33を一対の圧着ロール2a、2bの間に送った。
次に、一対の圧着ロール2a、2bの間において、裏面33bに接着剤32aが塗布された化粧シート33を基材31上に積層し、その後、積層された基材31と化粧シート33を、一対の圧着ロール2a、2bにより加熱しながら挟圧した。
次に、基材31と化粧シート33を、表2に示すロールでさらに挟圧するとともに冷却した。このようにして、化粧板30を製造した。
得られた化粧板30の表面の鏡面性を目視により判定した。この結果、表2に示すように、実施例1〜5の場合、すなわち、最も上流に配置される圧着ロール2a、2bとして、本発明の加熱ユニット10を用いて設定温度40度または70度で加熱されるとともにシリコーンゴムからなる表面を有するロールを用いた場合、化粧板30の表面が十分に鏡面性を有していることを確認した。