本発明の1つの目的は、乗員をより適切に保護可能な車両衝突判定装置を提供することである。本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び最良の実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
第1の態様において、車両衝突判定装置は、
車両の前部に設けられた第1のセンサと、
前記第1のセンサの出力に基づき前記車両の前部衝突が発生したか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記第1のセンサの前記出力は、前記車両の後方向の第1の加速度と前記車両の右方向及び/又は左方向の第2の加速度とを有し、
前記判定部は、前記第1の加速度の積分値と前記第2の加速度の積分値とを用いて、前記前部衝突の厳しさを判定する。
第1の態様において、第1のセンサの出力は、車両の後方向の第1の加速度と車両の右方向及び/又は左方向の第2の加速度とを有している。言い換えれば、第1のセンサの出力は、2軸化されている。また、このような第1のセンサが車両の前部に設けられるので、判定部は、第1の加速度の積分値と第2の加速度の積分値とを用いて、例えばこれらの2つの積分値で定まる座標が例えば2次元マップ内の2次元閾値を超えるか否かで、前部衝突の厳しさを判定することができる。ここで、前部衝突は、車両の前部の前面(例えばフロントバンパーフェース)が障害物と衝突する前面衝突(前面側前部衝突)だけでなく、車両の前部の側面(例えばフロントフェンダ)が障害物と衝突する側面側前部衝突を含むことができる。このように、前部衝突の厳しさが判定され得るので、車両衝突判定装置は、その厳しさを例えばエアバッグ、ウエビング等に利用して、乗員をより適切に保護することができる。
第1の態様に従属する第2の態様において、
前記判定部は、前記前部衝突のモードを判定してもよい。
第2の態様において、判定部は、前部衝突のモードを判定することができる。具体的には、判定部は、第1の加速度の積分値と第2の加速度の積分値とで定まる座標が例えば2次元マップ内のどの領域に属しているのかを判定することによって、その領域に対応するモードを判定することができる。これにより、車両衝突判定装置は、例えば、前面側前部衝突と側面側前部衝突とを区別することができる。また、車両衝突判定装置は、前面衝突(前面側前部衝突)のうちの例えば自動車対自動車斜め前面衝突とODB前面衝突とを区別することができる。車両衝突判定装置は、前部衝突のモードに応じて、乗員をより一層適切に保護することができる。
第2の態様に従属する第3の態様において、車両衝突判定装置は、
前記車両の室に設けられた第2のセンサを
さらに備えてもよく、
前記第2のセンサの前記出力は、前記後方向の第3の加速度と前記右方向及び/又は前記左方向の第4の加速度とを有してもよく、
前記判定部が前記前部衝突の前記モードが所定のモードであると判定する時に、前記判定部は、前記第3の加速度の積分値と前記第4の加速度の積分値とを用いて、前記前部衝突の前記厳しさを判定してもよい。
ところで、前部衝突のモードによっては、判定部は、第1の加速度の積分値と第2の加速度の積分値とを用いて、前部衝突の厳しさを正確に判定し難いこともある。例えば、車両の前面の一部が例えばコンクリート壁等の障壁に対して斜めに衝突する障壁斜め前面衝突の厳しさは、障壁の例えば摩擦係数、車両の速度等に依存する。また、自動車対自動車オフセット前面衝突の厳しさは、他の車両(第2の車両)の前面の一部と衝突する車両(第1の車両)の前面の一部の長さ又は範囲、車両の速度等に依存する。さらに、自動車対自動車斜め前面衝突の厳しさは、車両(第1の車両)の進行方向に対する車両(第1の車両)と衝突する他の車両(第2の車両)の進行方向の角度、車両の速度等に依存する。
第3の態様において、判定部は、前部衝突のモードが所定のモードである時に、2軸化されている第2のセンサの出力(第3の加速度の積分値と第4の加速度の積分値)を用いることができる。このような第2のセンサが車両の室に設けられるので、判定部は、第3の加速度の積分値と第4の加速度の積分値とを用いて、例えばこれらの2つの積分値で定まる座標が例えば2次元マップ内の2次元閾値を超えるか否かで、前部衝突の厳しさを判定し易い。言い換えれば、前部衝突のモードが所定のモードである時に、判定部は、所定のモードの厳しさが例えば高いと常に判定してもよいが、判定部は、第2のセンサの出力を用いて所定のモードの厳しさを判定することが好ましい。
第3の態様に従属する第4の態様において、
前記判定部は、前記前部衝突の前記モードに応じて、複数のタイミングのうちの1つの対応するタイミングを決定してもよく、
前記判定部は、前記第3の加速度の前記積分値を用いて、現在の時刻が前記1つの対応するタイミングであるか否かを判定してもよく、
前記1つの対応するタイミングは、前記車両に設けられた運転席側のエアバッグ及び/又は助手席側のエアバッグを最初に展開させる第1回目の展開タイミングであってもよい。
第4の態様において、判定部は、前部衝突のモードに応じて、エアバッグを最初に展開させる第1回目の展開タイミングを決定することができる。これにより、車両衝突判定装置は、前部衝突のモードに応じて、エアバッグの保護力の開始タイミングをより適切に設定することができる。
第4の態様に従属する第5の態様において、
前記判定部は、前記第3の加速度の前記積分値と前記第4の加速度の前記積分値とを用いて判定された前記前部衝突の前記厳しさに応じて、前記第1回目の展開タイミングに後続する第2回目の展開タイミングを決定してもよい。
第5の態様において、判定部は、前部衝突の厳しさに応じて、第2回目の展開タイミングを決定することができる。これにより、車両衝突判定装置は、前部衝突の厳しさに応じて、エアバッグの硬さ又は内圧(保護力)をより適切に設定することができる。
第1〜第5の態様の何れか1つに従属する第6の態様において、
前記判定部は、前記前部衝突の前記厳しさに応じて、複数の拘束力のうちの1つの対応する拘束力を決定してもよく、
前記1つの対応する拘束力は、前記前部衝突が発生した後に前記車両に設けられたウエビングが乗員を拘束している間に発生してもよい。
第6の態様において、判定部は、前部衝突の厳しさに応じて、ウエビングが乗員を拘束する拘束力(保護力)をより適切に設定することができる。
第7の態様において、車両衝突判定装置は、
車両の前部に設けられた第1のセンサと、
前記第1のセンサの出力に基づき前記車両の前部衝突が発生したか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記第1のセンサの前記出力は、前記車両の後方向の第1の加速度と前記車両の右方向及び/又は左方向の第2の加速度とを有し、
前記判定部は、前記第1の加速度の積分値と前記第2の加速度の積分値とを用いて、前記前部衝突のモードを判定する。
第7の態様において、第1のセンサの出力は、車両の後方向の第1の加速度と車両の右方向及び/又は左方向の第2の加速度とを有している。言い換えれば、第1のセンサの出力は、2軸化されている。また、このような第1のセンサが車両の前部に設けられるので、判定部は、第1の加速度の積分値と第2の加速度の積分値とを用いて、例えばこれらの2つの積分値で定まる座標が例えば2次元マップ内のどの領域に属しているのかを判定することによって、その領域に対応するモードを判定することができる。ここで、前部衝突が例えば、前面衝突(前面側前部衝突)だけでなく、側面側前部衝突を含む時に、車両衝突判定装置は、前面側前部衝突と側面側前部衝突とを区別することができる。従って、車両衝突判定装置は、前部衝突のモードに応じて、乗員をより適切に保護することができる。
第2〜第7の態様の何れか1つに従属する第8の態様において、
前記判定部は、前記前部衝突の前記モードに応じて、前記車両に設けられた側部側のエアバッグを展開させるか否かを判定してもよい。
第8の態様において、判定部は、前部衝突の前記モードに応じて、側部側のエアバッグを展開させることができる。前部衝突のモードによっては、側部側のエアバッグを展開させることが好ましいので、車両衝突判定装置は、側部側のエアバッグで乗員をより適切に保護することができる。
第8の態様に従属する第9の態様において、
前記判定部は、前記前部衝突の前記モードに応じて、前記側部側の前記エアバッグを展開させるタイミングを決定してもよい。
第9の態様において、判定部は、前部衝突のモードに応じて、側部側のエアバッグを展開させるタイミングを決定することができる。これにより、車両衝突判定装置は、前部衝突のモードに応じて、側部側のエアバッグの保護力の開始タイミングをより適切に設定することができる。
第2〜第9の態様の何れか1つに従属する第10の態様において、車両衝突判定装置は、
前記車両の側部に設けられた第3のセンサを
さらに備えてもよく、
前記判定部は、前記前部衝突の前記モードに応じて、前記車両に設けられた側部側のエアバッグの展開を禁止するか否かを判定してもよい。
第10の態様において、判定部は、前部衝突の前記モードに応じて、側部側のエアバッグの展開を禁止させることができる。前部衝突のモードによっては、第3のセンサの出力を用いて側部側のエアバッグが展開させることが好ましくないので、車両衝突判定装置は、側部側のエアバッグが誤って展開されることを回避することができる。或いは、側部側のエアバッグの展開が禁止されない時に、車両衝突判定装置は、第3のセンサの出力を用いて、側部側のエアバッグの保護力の開始タイミングをより一層適切に設定することができる。
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
以下に説明する最良の実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
図1は、車両に設けられた複数のセンサの配置例を表す平面図を示す。図1に示されるように、フロントセンサ(第1のセンサ)30は、車両100の前部に設けられている。車両100は、車両100の衝突を判定するユニット(車両衝突判定ユニット)20を備えることができ、ユニット20は、車両100の中央部に設けられている。なお、ユニット20は、車両100の室のフロアに設けることができ、ユニット20は、図2に示されるフロアセンサ(第2のセンサ)22を内蔵することができる。図1のユニット20は、フロントセンサ30の出力だけに基づき車両100の前部衝突が発生したか否かを判定してもよいが、好ましくは、ユニット20は、フロントセンサ30の出力及びフロアセンサ22の出力に基づき、車両100の前部衝突が発生したか否かを判定する。
なお、図2のフロアセンサ22は、ユニット20の外部である室(例えば図示せぬインストルメントパネル、ステアリングハンドル等)に設けられてもよい。代替的に、フロアセンサ22を内蔵するユニット20は、フロア以外の室(例えばインストルメントパネル、ステアリングハンドル等)に設けられてもよい。フロアセンサ(第2のセンサ)22は、中央センサ又はユニットセンサと呼ぶことができる。
ところで、車両100の前部が障害物と衝突する前部衝突は、車両100の前部の前面が障害物と衝突する「前面衝突(前面側前部衝突)」だけでなく、車両100の前部の側面が障害物と衝突する「側面側前部衝突」を含むことができる。従って、ユニット20は、フロントセンサ30の出力(及びフロアセンサ22の出力)に基づき運転席側のエアバッグ及び助手席側のエアバッグを制御することができるとともに、好ましくは、ユニット20は、側部側のエアバッグ(例えば、サイドエアバッグ、サイドカーテンエアバッグ等)を制御する。さらに好ましくは、ユニット20は、車両100の側部に設けられたサテライトインパクトセンサ(第3のセンサ)14,15,16,17の出力に基づき側部側のエアバッグを制御する。
なお、ユニット20は、サテライトインパクトセンサ(第3のセンサ)14,15,16,17の出力とは無関係に、フロントセンサ30の出力(及びフロアセンサ22の出力)に基づき側部側のエアバッグを展開させることができる。また、ユニット20は、フロントセンサ30の出力(及びフロアセンサ22の出力)とは無関係に、サテライトインパクトセンサ(第3のセンサ)14,15,16,17の出力に基づき側部側のエアバッグを展開させることができる。
図1の車両100は、サテライトセーフィングセンサ18を更に備えることができ、図1のサテライトセーフィングセンサ18は、車両100の中心線0B上に配置されている。ユニット20は、サテライトセーフィングセンサ18の出力を用いることができ、これにより、ユニット20は、例えば、側部側のエアバッグを展開させるべきか否かをより一層適切に判定することができる。
図1の車両100は、例えばサテライトセーフィングセンサ18を備えなくてもよい。言い換えれば、図1は、例示的な実施形態を示しているに過ぎず、本発明の少なくとも1つの目的に応じて、車両100は、少なくとも1つのセンサ30,22,14,15,16,17,18を備えることができ、ユニット20は、少なくとも1つのセンサ30,22,14,15,16,17,18の出力を利用することができる。
図2は、本発明に従う車両衝突判定装置の構成例を示す。車両衝突判定装置は、例えば、フロントセンサ(第1のセンサ)30及びユニット20を備えている。図2のユニット20は、フロアセンサ(第2のセンサ)22を有しているが、ユニット20は、例えばフロアセンサ22を有しなくてもよい。言い換えれば、車両衝突判定装置は、例えばフロントセンサ30及びユニット20の判定部24で構成することができる。判定部24は、フロントセンサ30の出力に基づき車両100の前部衝突が発生したか否かを判定することができる。
図2に示されるように、フロントセンサ30の出力は、2軸化されている。具体的には、図2のフロントセンサ30の出力は、車両100の前方向DF及び後方向DBの第1の加速度と車両100の右方向DR及び左方向DLの第2の加速度との両者を有している。但し、車両100の前方向DF及び後方向DBの第1の加速度は、車両100の後方向DBだけの第1の加速度(減速度a30)であってもよい。また、車両100の右方向DF及び左方向DLの第2の加速度は、車両100の右方向DRだけの第2の加速度であってもよく、或いは、車両100の左方向DLだけの第2の加速度であってもよい。
2軸化されているフロントセンサ30が車両100の前部に設けられるので、判定部24は、第1の加速度(減速度a30)の積分値と第2の加速度の積分値とを用いて、前部衝突の厳しさを判定することができる。このように、前部衝突の厳しさが判定され得るので、車両衝突判定装置は、その厳しさを例えば運転席側のエアバッグモジュール21及び助手席側のエアバッグモジュール23に利用して、乗員をより適切に保護することができる。また、判定部24は、前部衝突の厳しさをシートベルト装置の制御ユニット40に出力することができるので、車両衝突判定装置は、シートベルト装置のウエビング46で乗員をより適切に保護することができる。なお、車両100がシートベルト装置又は制御ユニット40を備え、且つユニット20が例えばエアバッグモジュール21,23を制御する時に、車両衝突判定装置又はユニット20は、SRS(Supplemental Restraint System)又はSRSユニットと呼ぶことができる。もちろん、制御ユニット40及びSRSユニット20は、例えば1つのECUで構成されてもよく、言い換えれば、1つのECUで、例えば巻取り装置44、エアバッグモジュール21,23等を制御することができる。
また、図2の判定部24は、第1の加速度(減速度a30)の積分値と第2の加速度の積分値とを用いて、前部衝突の厳しさに加えて、又は前部衝突の厳しさの代わりに、前部衝突のモードを判定することができる。これにより、判定部24は、例えば、前面側前部衝突と側面側前部衝突とを区別することができる。車両衝突判定装置は、前部衝突のモードに応じて、乗員をより一層適切に保護することができる。
図2を参照すると、判定部24は、好ましくは、フロアセンサ(第2のセンサ)22の出力も利用する。また、判定部24は、さらに好ましくは、他のセンサ14,15,16,17,18の出力も利用する。これらのセンサ22,14,15,16,17,18の出力を利用することによって得られる利点は、後述する。
図3は、図1の車両100の前部の構造例を表す斜視図を示す。図1の車両100のフロントセンサ30は、図3の車両100の前部110の任意の場所に設けられる。従って、車両100の前部110が障害物と衝突する前部衝突が起こる時に、フロントセンサ30は、他のセンサ22,14,15,16,17,18よりも、その前部衝突を早く検出することができる。言い換えれば、車両100の前部110は、前部衝突のエネルギを吸収することができるので、他のセンサ22,14,15,16,17,18は、フロントセンサ30よりも、その前部衝突の厳しさ及び/又はモードを検出し難い。
図3の車両100の前部110は、本明細書において、フロントボディとフロントボディに設けられるパネルとを有している。図3を参照すると、フロントボディに設けられるパネルは、前部110の側面を形成する例えば右側のフロントフェンダ145と前部110の前面を形成するフロントバンパーフェース124とを含んでいる。また、車両100の前部110又は例えば左側のアッパーメンバ113の隣には、例えば左側のサイドパネル又はフロントピラー(Aピラー)227が配置されている。
図3の車両100の前部110又はフロントボディは、左側のフロントサイドフレーム111及び右側のフロントサイドフレーム112を有している。左側のフロントサイドフレーム111及び右側のフロントサイドフレーム112は、左側のフロントサイドフレーム111の前端部111aと右側のフロントサイドフレーム112の前端部112aとの間に配置されたバンパービーム117で連結されている。図3において、例えば左側のフロントサイドフレーム111又は前端部111aは、左側のエクステンション部材121を有することができ、バンパービーム117は、バンパービーム117の中央に設けられたセンターエクステンション部材119を有することができる。なお、バンパービーム117又はセンターエクステンション部材119の前方に、フロントバンパーフェース124が配置されている。
図3において、例えば左側のアッパーメンバ113は、左側のフロントサイドフレーム111の外側に配置され、左側のアッパーメンバ113は、連結部材128を介して、左側のフロントサイドフレーム111に連結されている。また、左側のアッパーメンバ113は、連結部材128から左側のフロントサイドフレーム111の上側後方に、左側のフロントピラー227の下端部227aまで延びている。なお、例えば左側のアッパーメンバ113の前端部113aにかかった荷重は、左側のフロントピラー227まで伝えられる。
図3の左側及び右側のフロントサイドフレーム111,112並びに左側及び右側のアッパーメンバ113,114は、エンジンルーム115等の駆動部室の骨格を形成し、エンジンルーム115の境界を定めるバルクヘッドは、バルクヘッドアッパーフレーム129及びフロントバルクヘッドロアークロスメンバ118を有している。なお、バルクヘッドには、図示せぬラジエータ等が取り付けられ、バルクヘッドは、ラジエータサポート部と呼ぶことができる。また、左側及び右側のフロントサイドフレーム111,112は、図示せぬエンジン等を支えることができる。
図4は、図3の車両100の前部110の構造例及びフロントセンサ30の配置例を表す側面図を示す。図4に示されるように、フロントセンサ30は、例えばバルクヘッドアッパーフレーム129の先端部129a又は前部に設けられている。フロントバンパーフェース124に荷重がかる時に、まず、フロントバンパーフェース124、センターエクステンション部材119、左側のエクステンション部材121等が変形する。次に、例えば左側のフロントサイドフレーム111、バンパービーム117等が変形し、その後、バルクヘッドアッパーフレーム129等が、変形する。なお、左側のフロントサイドフレーム111の前端部11aに、左側のエクステンション部材121は、例えばボルト37で取り付けられている。
バルクヘッドアッパーフレーム129が変形を開始する前に、例えば左側のフロントサイドフレーム111の前端部111aが変形するので、例えばバルクヘッドアッパーフレーム129に設けられるフロントセンサ30は、バルクヘッドアッパーフレームの変形(車両100の前面衝突)を検出できるとともに、フロントセンサ30は、壊れ難い。なお、例えば左側のフロントサイドフレーム111は、車両100の前部衝突のエネルギを吸収することができるとともに、例えば左側のフロントサイドフレーム111の前端部111aにかかった荷重は、例えばダッシュパネル142又はダッシュロア142aに伝えられる。ダッシュパネル142は、エンジンルーム115と車両100の室(乗員室)とを区別する。
図3を参照すると、例えば右側のフロントフェンダ145に荷重がかる時に、まず、右側のアッパーメンバ114、右側のフロントサイドフレーム112等が変形し、その後、バルクヘッドアッパーフレーム129等が、変形する。従って、例えばバルクヘッドアッパーフレーム129に設けられるフロントセンサ30は、バルクヘッドアッパーフレーム129の変形(車両100の側面側前部衝突)を検出できるとともに、フロントセンサ30は、壊れ難い。また、図4のフロントセンサ30は、好ましくは、図1の車両100の中心線0B上に配置され、これにより、1つのフロントセンサ30は、車両100の側面側前部衝突をより適切に検出することができる。
図5(A)は、図1の車両100の車体骨格の構造例並びにフロアセンサ22、リアサテライトインパクトセンサ16,17及びサテライトセーフィングセンサ18の配置例を表す斜視図を示し、図5(B)は、図1の車両100の車体主要部の構造例及びフロントサテライトインパクトセンサ14,15の配置例を表す斜視図を示す。図5(A)に示されるように、車両100のボディは、フロントボディ200及びフロアボディ(リアボディ)210を含む。また、車両100の車体骨格は、左側のフロントサイドフレーム111、右側のフロントサイドフレーム112、バルクヘッドアッパーフレーム129、フロントバルクヘッドロアークロスメンバー118、ダッシュパネル142等だけでなく、例えば、左側のサイドシル213、右側のサイドシル212、ミドルクロスメンバ214、センタークロスメンバ215、センタートンネル216等も有している。
図5(A)のフロアボディ210は、フロントフロア219及びリアフロア221を有し、左側のフロントサイドフレーム111及び右側のフロントサイドフレーム112の各々は、ダッシュパネル142を介して、フロアボディ210(例えばフロントフロア219、対応する1つのサイドシル212,213等)に連結され、これにより、左側及び右側のフロントサイドフレーム111,112にかかった荷重は、分散される。
図5(A)に示されるように、ユニット20に内蔵されるフロアセンサ22は、フロアボディ210又はフロントフロア219(例えばセンタートンネル216の前部)に固定され、図5(A)のフロアセンサ22は、好ましくは、図1の車両100の中心線0B上に配置されている。フロアセンサ22は、例えば、図4に示されるダッシュロア142aに固定又は配置されてもよい。もちろん、フロアセンサ22は、中央センサ又はユニットセンサとして、例えば図示せぬインストルメントパネルに固定又は配置されてもよい。
図5(A)の左側及び右側のリアサテライトインパクトセンサ16,17は、フロアボディ210又はリアフロア221(例えばリアホイールハウス)に固定され、サテライトセーフィングセンサ18は、フロアボディ210又はフロントフロア219とリアフロア221との境界(例えばセンタートンネル216の後部に連結されるセンタークロスメンバ215の上部220)に固定されている。図5(A)の左側及び右側のリアサテライトインパクトセンサ16,17は、好ましくは、図1の車両100の中心線0Bに関して対称に配置され、サテライトセーフィングセンサ18は、図1の車両100の中心線0B上に配置されている。なお、サテライトセーフィングセンサ18は、例えばミドルクロスメンバ214等のクロスメンバ、センタートンネル216、或いは、リアフロア221に固定されてもよい。また、例えば左側のリアサテライトインパクトセンサ16は、例えば左側のサイドシル213の後部に固定されてもよい。
図5(B)の左側及び右側のフロントサテライトインパクトセンサ14,15は、例えば、フロアボディ210に連結される左側のサイドパネル209又はセンターピラー(Bピラー)228の根の部分に固定されている。図5(B)の左側及び右側のフロントサテライトインパクトセンサ14,15は、好ましくは、図1の車両100の中心線0Bに関して対称に配置されている。例えば左側のフロントサテライトインパクトセンサ14は、例えば左側のサイドシル213の前部に固定されてもよい。
図5(B)において、車両100の車体主要部は、図5(A)のボディ(フロントボディ200及びフロアボディ210)と、ボディに設けられるパネル(ルーフパネル203、左側及び右側のサイドパネル208,209、リアエンドパネル211等)と、を有している。なお、図5(B)の車体主要部は、ボディシェルと呼ぶことができる。或いは、図5(B)の車体主要部は、ボディシェルだけでなく、例えば、図示せぬ開閉可能なフード(ボンネット)、左側及び右側のフロントドア、左側及び右側のリアドア、リッド(トランクカバー)等の取り付け部品を含んでもよい。
図6(A)、図6(B)、図6(C)及び図6(D)の各々は、図1の車両100の前部衝突の厳しさが高くなる確率が高い前部衝突のモード例を示す。具体的には、図6(A)は、車両100の前面の全部が例えばコンクリート壁401と衝突するフルラップ前面衝突(前面側前部衝突)を示している。ここで、フルラップ前面衝突の試験方法又は条件は、例えば米国運輸省道路交通安全局(NHTSA: National Highway Traffic Safety Administration)によって定められ、車両100の速度は、例えば35[mph]≒56[km/h]である。従って、例えば米国用の車両100であって、例えば56[km/h]である速度(高速:第1の速度領域)を有する車両100がコンクリート壁401に衝突する時に、前部衝突の厳しさは、高く設定される必要がある。
なお、フルラップ前面衝突の試験方法又は条件は、例えば中国自動車技術研究所(CATARC: China Automotive Technology & Research Center)又はN−CAP(China New Car Assessment Programme)によって定められ、車両100の速度は、例えば50[km/h]である。従って、例えば中国用の車両100であって、例えば50[km/h]である速度(高速:第1の速度領域)を有する車両100がコンクリート壁401に衝突する時に、前部衝突の厳しさは、高く設定される必要がある。
このように、フルラップ前面衝突の試験方法又は条件は、基準、法律等によって定めることができ、前部衝突の厳しさは、車両100に求められる仕様に応じて、高く設定される。また、例えば26[km/h]である速度(中速:第1の速度領域よりも低い第2の速度領域)を有する車両100がコンクリート壁401に衝突する時に、前部衝突の厳しさは、低く設定されてもよい。加えて、例えば13[km/h]である速度(低速:第2の速度領域よりも低い第3の速度領域)を有する車両100がコンクリート壁401に衝突する時に、前部衝突の厳しさは、設定されなくてもよい。言い換えれば、例えば13[km/h]である速度を有する車両100がコンクリート壁401に衝突する時に、前部衝突は、厳しくないと設定されなくてもよい。
ここで、前部衝突の厳しさを判定するための56[km/h]、50[km/h]、26[km/h]、13[km/h]等の速度(高速、中速、低速)は、実施形態を容易に理解するために用いられているに過ぎず、他の速度に変更することができる。1例として、高速(第1の速度領域)は、例えば37[km/h](第1の基準値)又は例えば48[km/h](第1の基準値)以上であり、低速(第3の速度領域)は、例えば19[km/h](第2の基準値)以下であり、中速(第2の速度領域)は、第2の基準値よりも大きく、且つ第1の基準値よりも小さい。
図6(B)は、車両100の前面の一部が例えばコンクリート壁401に設けられたハニカム構造物410と衝突するODB前面衝突(前面側前部衝突)を示している。ここで、ODB前面衝突の試験方法又は条件は、例えば米国道路安全保険協会(IIHS: Insurance Institute for Highway Safety)によって定められ、車両100の速度は、例えば64[km/h]である。従って、例えば米国用の車両100であって、例えば64[km/h]である速度を有する車両100がハニカム構造物410に衝突する時に、前部衝突の厳しさは、高く設定される必要がある。
図6(C)及び図6(D)は、それぞれ、車両100の前面の一部(センター)が例えばポール402と衝突するポール前面衝突(前面側前部衝突)、及び車両100の前面がバンパ障壁403と衝突して車両100がバンパ障壁403のバンパ部の下に潜り込むアンダーライド前面衝突を示している。ポール前面衝突及びアンダーライド前面衝突が発生した直後は、車両100の減速度が小さいが、その後に、減速度が大きくなるので、このような前部衝突の厳しさも、高く設定される必要がある。
図7(A)、図7(B)及び図7(C)の各々は、図1の車両の前部衝突の厳しさが高くなる確率が中位である前部衝突のモード例を示す。具体的には、図7(A)は、車両100の前面の一部が例えば障壁404と衝突する障壁斜め前面衝突(前面側前部衝突)を示している。障壁斜め前面衝突の厳しさは、障壁404の例えば摩擦係数、車両100の速度等に依存するが、例えば車両100の速度が速い時に、障壁斜め前面衝突の厳しさは、一般に、高く設定されることが好ましい。また、図7(B)は、車両100の前面の一部(左側のフロントサイドフレーム111又は右側のフロントサイドフレーム112の外側)が例えば障壁405と衝突するナロー前面衝突(前面側前部衝突)を示し、例えば車両100の速度が速い時に、ナロー前面衝突の厳しさも、一般に、高く設定されることが好ましい。さらに、図7(C)は、車両100の前面の一部が他の車両500の前面の一部と衝突する自動車対自動車オフセット前面衝突(前面側前部衝突)を示している。自動車対自動車オフセット前面衝突の厳しさは、他の車両500の前面の一部と衝突する車両100の前面の一部の長さ420又は範囲420、車両100の速度等に依存するが、例えば車両100の速度が速い時に、自動車対自動車オフセット前面衝突の厳しさは、一般に、高く設定されることが好ましい。
図8(A)及び図8(B)の各々は、図1の車両100の前部衝突の厳しさが高くなる確率が低い前部衝突のモード例を示す。具体的には、図8(A)は、車両100の前面の一部が他の車両500の前面の一部と衝突する自動車対自動車前面衝突(前面側前部衝突)を示している。自動車対自動車斜め前面衝突の厳しさは、車両100の進行方向に対する車両100と衝突する他の車両500の進行方向の角度421、車両100の速度等に依存する。例えば他の車両500の進行方向の角度(衝突角度)421が例えば45度以上である時に、自動車対自動車斜め前面衝突の厳しさは、一般に、低く設定されることが好ましい。図8(B)は、車両100の前部110の側面(例えばフロントフェンダ)が他の車両500の前面の一部と衝突する自動車対自動車出会い頭側面側前部衝突(側面側前部衝突)を示している。例えば他の車両500の進行方向の角度421が例えば90度である時に、自動車対自動車出会い頭側面側前部衝突の厳しさも、一般に、低く設定されることが好ましい。例えば図8(A)及び図8(B)で示したように、例えば他の車両500の進行方向の角度421の範囲が例えば45度から90度までである時に、大きい衝突角度を有する自動車対自動車前部衝突の厳しさは、一般に、低く設定されることが好ましい。なお、例えば他の車両500の進行方向の角度421が例えば45度以下である時に、例えば図7(C)で示した0度の衝突角度を含む、小さい衝突角度を有する自動車対自動車前部衝突の厳しさは、一般に、高く設定されることが好ましい。
図9は、前部衝突の厳しさ及びモードの判定用の2次元マップ例を示す。前述の通り、図2の判定部24は、車両100の例えば後方向DBだけのフロントセンサ(第1のセンサ)30での第1の加速度(減速度a30)の積分値と、車両100の例えば右方向DF及び左方向DLのフロントセンサ30での第2の加速度の積分値とを用いて、前部衝突の厳しさを判定することができる。判定部24は、例えばこれらの2つの積分値で定まる座標が例えば図9の2次元マップ内の2次元閾値を超えるか否かで、車両100の前部衝突の厳しさを判定することができる。なお、2次元マップ又は2次元閾値は、例えば図2の記憶部26に記憶されている。また、例えば記憶部26は、判定部24の判定結果、演算結果等のデータを記憶することができる。
なお、車両100の前部衝突が厳しくない時に、車両衝突判定装置又は判定部24は、運転席側のエアバッグ及び助手席側のエアバッグを展開させなくてもよい。言い換えれば、車両100の前部衝突が厳しい時に、判定部24は、運転席側のエアバッグ及び助手席側のエアバッグを展開させることができ、この時に、判定部24は、前部衝突の厳しさに応じて、運転席側のエアバッグ及び助手席側のエアバッグの硬さ又は内圧(保護力)をより適切に設定することができる。もちろん、車両100の前部衝突が厳しい時に、判定部24は、運転席側のエアバッグ及び助手席側のエアバッグだけでなく、プリテンショナ41、荷重決定機構45等を制御することができ、判定部24は、前部衝突の厳しさに応じて、ウエビング46が乗員を拘束する拘束力(保護力)をより適切に設定することができる。ここで、前部衝突の厳しさは、複数のレベルに対応し、例えば、前部衝突の厳しさが例えば2つのレベルを含む時に、判定部24は、前部衝突の厳しさが高いか否か、及び/又は、前部衝突の厳しさが低いか否かを判定することができる。
図9の2次元マップは、複数の領域を含み、例えば第1の領域485だけを判定するためのマップであってもよい。具体的には、第1の領域485は、前部衝突の厳しさが低いことを表す領域である。また、第1の領域485に隣接する第2の領域は、前部衝突の厳しさがないことを表す領域である。第1の領域485と第2の領域486との境界は、2次元閾値(第1の2次元閾値)として設定され、フロントセンサ30での第1の加速度(減速度a30)の積分値とフロントセンサ30での第2の加速度の積分値とで定まる座標が2次元閾値(第1の2次元閾値)を超える時に、判定部24は、車両100の前部衝突(第1の領域485)の厳しさが低いことを判定することができる。
図9の2次元マップの縦軸dv30(DB)は、車両100の後方向DBのフロントセンサ30での第1の加速度(減速度a30)の積分値に相当し、具体的には、判定部24は、フロントセンサ30の出力(第1の加速度)を1階区間積分して、後方向1階区間積分値を演算又は生成する。なお、判定部24は、後方向1階区間積分値(dv30(DB))の代わりに、フロントセンサ30の出力(第1の加速度)を2階区間積分して、後方向2階区間積分値を演算又は生成してもよい。但し、後方向2階区間積分値の演算量は、後方向1階区間積分値の演算量よりも多くなってしまう。また、後方向1階区間積分値又は後方向2階区間積分値の代わりに、後方向1階全積分値又は後方向2階全積分値が用いられてもよいが、この時には、2次元マップの各領域を設定又は区別することは、難しい。
図9の2次元マップの横軸dv30(DL)は、車両100の左方向DLのフロントセンサ30での第2の加速度の積分値に相当し、具体的には、判定部24は、フロントセンサ30の出力(第2の加速度)を1階区間積分して、左方向1階区間積分値を演算又は生成する。なお、判定部24は、左方向1階区間積分値(dv30(DL))の代わりに、フロントセンサ30の出力(第2の加速度)を2階区間積分して、左方向2階区間積分値を演算又は生成してもよい。ここで、第2の加速度が例えば正である時に、フロントセンサ30の出力は、車両100の左方向DLの第2の加速度を示し、左方向1階区間積分値(又は左方向2階区間積分値)は、正を示す。一方、第2の加速度が例えば負である時に、フロントセンサ30の出力は、車両100の右方向DRの第2の加速度を示し、右方向1階区間積分値(又は右方向2階区間積分値)は、負を示す。また、左方向1階区間積分値又は左方向2階区間積分値の代わりに、左方向1階全積分値又は左方向2階全積分値が用いられてもよい。
このように、フロントセンサ30の出力が、車両100の少なくとも後方向DBの第1の加速度だけでなく、車両100の右方向DR及び左方向DLの第2の加速度との両者を有する時に、「前面衝突(前面側前部衝突)」だけでなく「側面側前部衝突」も含む前部衝突は、図9の2次元マップに反映される。従って、2次元マップの第1の領域485は、前部衝突のうちの側面側前部衝突(車両100の例えば右側のフロントフェンダ145に他の車両500が衝突する自動車対自動車出会い頭側面側前部衝突)を示す。言い換えれば、判定部24は、車両100の前部衝突(第1の領域485)の厳しさが低いことを判定するとともに、前部衝突のモード(例えば図8(B)の自動車対自動車出会い頭側面側前部衝突を含む側面側前部衝突)を判定することができる。
図9に示されるように、2次元マップは、第2の領域486に隣接する第3の領域480と第3の領域480に隣接する第4の領域481とを更に含み、例えば第3領域480と第4の領域481とを区別するためのマップであってもよい。具体的には、第3の領域480は、前部衝突の厳しさが低いことを表す領域である。また、第4の領域481は、前部衝突の厳しさが高いこと表す領域である。第3の領域480と第4の領域481との境界は、2次元閾値(第2の2次元閾値)として設定され、フロントセンサ30での第1の加速度(減速度a30)の積分値とフロントセンサ30での第2の加速度の積分値とで定まる座標が2次元閾値(第2の2次元閾値)を超える時に、判定部24は、車両100の前部衝突(第4の領域485)の厳しさが高いことを判定することができる。
加えて、判定部24は、フロントセンサ30での第1の加速度(減速度a30)の積分値とフロントセンサ30での第2の加速度の積分値とで定まる座標が例えば2次元マップ内のどの領域に属しているのかを判定することによって、その領域に対応するモードを判定することができる。例えば、座標が例えば2次元マップ内の第3領域480又は第4の領域481に属している時に、判定部24は、前部衝突のモード(第1の前面側前部衝突)を判定することができる。第1の前面側前部衝突は、前部衝突のうちの前面側前部衝突であって、例えば図6(A)のフルラップ前面衝突、図6(C)のポール前面衝突等を含む。
図9の2次元マップは、第2の領域486に隣接する第5の領域482と第5の領域482に隣接する第6の領域483とを更に含み、例えば第5の領域482と第6の領域483とを区別するためのマップであってもよい。具体的には、第5の領域482は、前部衝突の厳しさが低いことを表す領域である。また、第6の領域483は、前部衝突の厳しさが高いこと表す領域である。第5の領域482と第6の領域483との境界は、2次元閾値(第3の2次元閾値)として設定され、フロントセンサ30での第1の加速度(減速度a30)の積分値とフロントセンサ30での第2の加速度の積分値とで定まる座標が2次元閾値(第3の2次元閾値)を超える時に、判定部24は、車両100の前部衝突(第6の領域483)の厳しさが高いことを判定することができる。また、例えば、座標が例えば2次元マップ内の第5の領域482又は第6の領域483に属している時に、判定部24は、前部衝突のモード(第2の前面側前部衝突)を判定することができる。第2の前面側前部衝突は、前部衝突のうちの前面側前部衝突であって、例えば図6(B)のODB前面衝突等を含む。
また、図9の2次元マップは、第2の領域486に隣接する第7の領域484を更に含み、例えば第7の領域484を判定するためのマップであってもよい。具体的には、第7の領域484は、前部衝突の厳しさが高い可能性があることを表す領域である。言い換えれば、第7の領域484は、前部衝突の厳しさが高い領域と前部衝突の厳しさが低い領域とが混在する領域であり、第7の領域484に、例えば第3の領域480と第4の領域481との境界(第2の2次元閾値)のような境界(第4の2次元閾値)を設定することは、難しい。
従って、第2の領域486と第7の領域484との境界は、2次元閾値(第5の2次元閾値)として設定されてもよく、フロントセンサ30での第1の加速度(減速度a30)の積分値とフロントセンサ30での第2の加速度の積分値とで定まる座標が2次元閾値(第5の2次元閾値)を超える時に、判定部24は、車両100の前部衝突(第7の領域484)の厳しさが常に高いことを判定してもよい。また、例えば、座標が例えば2次元マップ内の第7の領域484に属している時に、判定部24は、前部衝突のモード(第3の前面側前部衝突又は所定のモード)を判定することができる。第3の前面側前部衝突又は所定のモードは、前部衝突のうちの前面側前部衝突であって、例えば図7(A)の障壁斜め前面衝突、図7(C)の障壁斜め前面衝突、図8(A)の自動車対自動車斜め前面衝突等を含む。
図10は、運転席側のエアバッグ及び/又は助手席側のエアバッグを最初に展開させる第1回目の展開タイミングの決定用の1次元閾値例を示す。判定部24が図9の2次元マップを用いて前部衝突のモードを判定することができるので、判定部24は、判定された前部衝突のモードに応じた第1回目の展開タイミングを例えば図10に示す1次元閾値で決定することができる。これにより、車両衝突判定装置又は判定部24は、前部衝突のモードに応じて、運転席側及び/又は助手席側のエアバッグの保護力の開始タイミングをより適切に設定することができる。なお、1次元閾値は、例えば図2の記憶部26に記憶されている。
図9が例えば4つのモード(第1の前面側前部衝突(第3領域480及び第4の領域481)、第2の前面側前部衝突(第5の領域482及び第6の領域483)、第3の前面側前部衝突(第7の領域484)、側面側前部衝突(第1の領域485))を示す時に、図10は、好ましくは、例えば4つの1次元閾値TH1,TH2,TH3,TH4を示す。但し、図9が例えば4つのモードを示す時に、図10は、例えば3つの1次元閾値を示してもよい。言い換えれば、図10に示す1次元閾値の数は、図9に示すモードの数よりも少なくてもよく、従って、1つの1次元閾値が複数のモードに共用されてもよい。
図10の縦軸ds22(DB)は、車両100の後方向DBのフロアセンサ22での第3の加速度(減速度a22)の積分値に相当する。ところで、図2のユニット20は、フロントセンサ22の出力だけでなく、フロアセンサ22の出力も利用している。言い換えれば、車両衝突判定装置は、車両100の室に設けられたフロアセンサ22をさらに備えることができる。図2のフロアセンサ22の出力は、車両100の前方向DF及び後方向DBの第3の加速度と車両100の右方向DR及び左方向DLの第4の加速度との両者を有している。但し、車両100の前方向DF及び後方向DBの第3の加速度は、車両100の後方向DBだけの第3の加速度(減速度a22)であってもよい。また、車両100の右方向DF及び左方向DLの第4の加速度は、車両100の右方向DRだけの第4の加速度であってもよく、或いは、車両100の左方向DLだけの第4の加速度であってもよい。さらに、図2のフロアセンサ22の出力は、2軸化されているが、2次元化されなくてもよく、フロアセンサ22の出力は、少なくとも後方向DBだけの第3の加速度(減速度a22)を有している。
図10に示す1次元閾値を利用するために、判定部24は、フロアセンサ22の出力(第3の加速度)を2階区間積分して、後方向2階区間積分値を演算又は生成する。なお、判定部24は、後方向2階区間積分値(ds22(DB))の代わりに、フロアセンサ22の出力(第3の加速度)を1階区間積分して、後方向1階区間積分値を演算又は生成してもよい。後方向2階区間積分値の演算量は、後方向1階区間積分値の演算量よりも多くなってしまうが、後方向2階区間積分値の演算量は、運転席側及び/又は助手席側のエアバッグの保護力の開始タイミングをより一層適切に設定することができる。また、後方向2階区間積分値又は後方向1階区間積分値の代わりに、後方向2階全積分値又は後方向1階全積分値が用いられてもよい。
図10の横軸tは、時間又は現在の時刻に相当する。言い換えれば、判定部24は、図10の横軸tを設定するために、積分値等を生成する必要がない。また、横軸tに時間又は現在の時刻が用いられるので、各1次元閾値TH1,TH2,TH3,TH4を設定又は区別することは、容易である。
図10の実線は、第1の前面側前部衝突、具体的には、例えば図6(C)のポール前面衝突又は図9の第4の領域481に対応する。従って、判定部24は、第1の前面側前部衝突に応じた第1の1次元閾値TH1を設定して、第3の加速度の後方向2階区間積分値(ds22(DB))を用いて、現在の時刻が第1回目の展開タイミングであるか否かを判定する。例えば時刻t1で、第3の加速度の後方向2階区間積分値(図10の実線)が第1の1次元閾値TH1を超える。図2の判定部24は、時刻t1で、運転席側のエアバッグモジュール21の第1のインフレータ21−1を作動させるとともに、助手席側のエアバッグモジュール23の第1のインフレータ23−1を作動させることができる。なお、第1の1次元閾値TH1は、第2〜第4の1次元閾値TH2,TH3,TH4よりも低く、最も低く設定され、これにより、前部衝突のモードが第1の前面側前部衝突である時に、運転席側及び助手席側のエアバッグを最も早く展開させることが可能となる。同様に、判定部24は、前部衝突のモードに応じて、プリテンショナ41の作動を開始するタイミングを決定することができ、前部衝突のモードが第1の前面側前部衝突である時に、判定部24は、プリテンショナ41を最も早く作動させることができる。
図10の一点鎖線は、第2の前面側前部衝突、具体的には、例えば図6(B)のODB前面衝突又は図9の第6の領域483に対応する。従って、判定部24は、第2の前面側前部衝突に応じた第2の1次元閾値TH2を設定する。例えば時刻t2で、第3の加速度の後方向2階区間積分値(図10の一点鎖線)が第2の1次元閾値TH2を超える。図2の判定部24は、時刻t2で、運転席側のエアバッグモジュール21の第1のインフレータ21−1を作動させるとともに、助手席側のエアバッグモジュール23の第1のインフレータ23−1を作動させることができる。なお、第2の1次元閾値TH2は、第1の1次元閾値TH1よりも高く設定されるが、第3及び第4の1次元閾値TH3,TH4よりも低く設定され、第2の1次元閾値TH2は、2番目に低く設定される。図10に示されるように、1例として、時刻t1と時刻t2とには差が存在するので、判定部24は、第1の前面側前部衝突又は第2の前面側前部衝突に応じて、第1回目の展開タイミングをより適切に決定することができる。同様に、前部衝突のモードが第2の前面側前部衝突である時に、判定部24は、プリテンショナ41を作動させるタイミングも、より適切に決定することができる。
前部衝突のモードが第3及び第4の前面側前部衝突である時に、判断部24は、運転席側及び助手席側のエアバッグ、プリテンショナ41等を早く制御しなくてもよく、図10の第4の1次元閾値TH4は、第1〜3の1次元閾値TH1,TH2,TH3よりも高く、側面側前部衝突、具体的には、図9の第1の領域485に対応する。また、図10の第3の1次元閾値TH3は、第1及び第2の1次元閾値TH1,TH2よりも高く、第3の前面側前部衝突、具体的には、図9の第7の領域484に対応する。第7の領域484は、前部衝突の厳しさが高い領域と前部衝突の厳しさが低い領域とが混在する領域であり、第7の領域484に、例えば第3の領域480と第4の領域481との境界(第2の2次元閾値)のような境界(第4の2次元閾値)を設定することが好ましい。具体的には、図2のフロアセンサ22の出力は、2軸化されていることが好ましい。以下に、その好ましい理由を説明する。
図11は、図9の所定のモード(第7の領域484)を有する前部衝突(第3の前面側前部衝突)の厳しさの判定用の2次元マップ例を示す。図11の2次元マップ(第2の2次元マップ)は、例えば2つの領域484−1,484−2を有し、これらの2つの領域は、図9の2次元マップ(第1の2次元マップ)の第7の領域484に対応する。図11の2次元マップが生成されるので、図11の2次元マップ又は図9の第7の領域484に、図11の領域484−1(前部衝突の厳しさが低い領域)と領域484−2(前部衝突の厳しさが高い領域)との境界(第4の2次元閾値)を設定することができる。なお、図11の2次元マップ又は2次元閾値(第4の2次元閾値)は、例えば図2の記憶部26に記憶されている。
図11の2次元マップの縦軸dv22(DB)は、車両100の後方向DBのフロアセンサ22での第3の加速度(減速度a22)の積分値に相当し、具体的には、判定部24は、フロアセンサ22の出力(第2の加速度)を1階区間積分して、後方向1階区間積分値を演算又は生成する。なお、判定部24は、後方向1階区間積分値(dv22(DB))の代わりに、フロアセンサ22の出力(第3の加速度)を2階区間積分して、後方向2階区間積分値を演算又は生成してもよい。但し、後方向2階区間積分値の演算量は、後方向1階区間積分値の演算量よりも多くなってしまう。
図11の2次元マップの横軸dv22(DL)は、車両100の左方向DLのフロントセンサ30での第2の加速度の積分値に相当し、具体的には、判定部24は、フロアセンサ22の出力(第4の加速度)を1階区間積分して、左方向1階区間積分値を演算又は生成する。なお、判定部24は、左方向1階区間積分値(dv22(DL))の代わりに、フロアセンサ22の出力(第4の加速度)を2階区間積分して、左方向2階区間積分値を演算又は生成してもよい。ここで、第4の加速度が例えば正である時に、フロアセンサ22の出力は、車両100の左方向DLの第4の加速度を示し、左方向1階区間積分値(又は左方向2階区間積分値)は、正を示す。一方、第4の加速度が例えば負である時に、フロアセンサ22の出力は、車両100の右方向DRの第2の加速度を示し、右方向1階区間積分値(又は右方向2階区間積分値)は、負を示す。
判定部24が例えば図9の2次元マップを用いて前部衝突のモードが所定のモード又は第7の領域484であると判定する時に、判定部24は、例えば図11の2次元マップ内の第3の加速度の積分値と第4の加速度の積分値とを用いて、前部衝突の厳しさを判定することができる。所定のモード又は第3の前面側前部衝突(図9の第7の領域484)は、前部衝突のうちの前面側前部衝突であって、例えば図7(A)の障壁斜め前面衝突、図7(C)の障壁斜め前面衝突、図8(A)の自動車対自動車斜め前面衝突等を含む。
前部衝突のモードによっては、判定部24は、第1の加速度の積分値と第2の加速度の積分値とを用いて、前部衝突の厳しさを正確に判定し難いこともある。例えば、図7(A)の障壁斜め前面衝突の厳しさは、障壁の例えば摩擦係数、車両100の速度等に依存する。また、図7(C)の自動車対自動車オフセット前面衝突の厳しさは、他の車両500の前面の一部と衝突する車両100の前面の一部の長さ420又は範囲420、車両100の速度等に依存する。さらに、図8(A)の自動車対自動車斜め前面衝突の厳しさは、車両100の進行方向に対する車両100と衝突する他の車両500の進行方向の角度421、車両100の速度等に依存する。
判定部24は、車両100の前部衝突のモードが所定のモードである時に、2軸化されているフロアセンサ(第2のセンサ)22の出力(第3の加速度の積分値と第4の加速度の積分値)を用いることができる。このようなフロアセンサ22が車両100の室(乗員室)に設けられるので、判定部24は、第3の加速度の積分値と第4の加速度の積分値とを用いて、例えばこれらの2つの積分値で定まる座標が例えば図11の2次元マップ内の2次元閾値(領域484−1と領域484−2との境界である第4の2次元閾値)を超えるか否かで、車両100の前部衝突の厳しさを判定し易い。言い換えれば、車両100の前部衝突のモードが所定のモードである時に、判定部24は、所定のモードの厳しさが例えば高い(図9の領域484)と常に判定してもよいが、判定部24は、フロアセンサ22の出力を用いて所定のモードの厳しさ(図11の領域484−1又は領域484−2)を判定することが好ましい。
図11の実線は、図9の領域484に属する第3の前面側前部衝突のうちの例えば図7(A)の障壁斜め前面衝突に対応し、判定部24は、図11の領域484−2に属する前部衝突の厳しさが高いと判定することができる。また、図11の一点鎖線は、図9の領域484に属する第3の前面側前部衝突のうちの例えば図8(A)の自動車対自動車斜め前面衝突に対応し、判定部24は、図11の領域484−1に属する前部衝突の厳しさが低いと判定することができる。このように、判定部24は、図9及び図11の例えば2つの2次元マップを用いて、前面側前部衝突のうちの例えば自動車対自動車斜め前面衝突(領域484−1)とODB前面衝突(領域482,483)とを区別することができる。
図12は、側部側のエアバッグを展開させるタイミングの決定用の1次元閾値例を示す。
判定部24が図9の2次元マップを用いて前部衝突のモードを判定することができるので、判定部24は、判定された前部衝突のモードに応じたタイミングを例えば図12に示す1次元閾値で決定することができる。これにより、車両衝突判定装置又は判定部24は、前部衝突のモードに応じて、側部側のエアバッグの保護力の開始タイミングをより適切に設定することができる。
なお、図12の1次元閾値は、例えば図2の記憶部26に記憶されている。また、判定部24は、サテライトインパクトセンサ14,15,16,17の出力とは無関係に、フロントセンサ30の出力に基づき判定された前部衝突のモードを例えば図2の左の側部側のエアバッグモジュール25及び右の側部側のエアバッグモジュール27を利用することができる。ここで、例えば左の側部側のエアバッグモジュール25は、例えば左の側部側のエアバッグを展開させることができる。
図9が例えば4つのモード(第1の前面側前部衝突(第3領域480及び第4の領域481)、第2の前面側前部衝突(第5の領域482及び第6の領域483)、第3の前面側前部衝突(第7の領域484)、側面側前部衝突(第1の領域485))を示す時に、図12は、好ましくは、例えば3つの1次元閾値THS1,THS2,THS3を示す。前部衝突のモードによっては、側部側のエアバッグを展開させることが好ましいので、第1の前面側前部衝突(第3領域480及び第4の領域481)以外の前部衝突が発生する時に、車両衝突判定装置又は判定部24は、側部側のエアバッグで乗員をより適切に保護することができる。もちろん、側部側のエアバッグだけを展開させる時には、図9の2次元マップは、少なくとも3つのモード(第2の前面側前部衝突、第3の前面側前部衝突及び側面側前部衝突)を含んでいればよく、また、判定部24は、前部衝突の厳しさ(図9の第3領域480及び第4の領域481、図11の領域484−1及び領域484−2)を判定しなくてもよい。
図12の縦軸dv22(DL)は、車両100の左方向DLのフロアセンサ22での第4の加速度の積分値に相当する。図12に示す1次元閾値を利用するために、判定部24は、フロアセンサ22の出力(第4の加速度)を1階区間積分して、左方向1階区間積分値を演算又は生成する。なお、判定部24は、左方向1階区間積分値(dv22(DL))の代わりに、フロアセンサ22の出力(第4の加速度)を2階区間積分して、左方向2階区間積分値を演算又は生成してもよい。但し、左方向2階区間積分値の演算量は、左方向2階区間積分値の演算量よりも多くなってしまう。また、左方向1階区間積分値又は左方向2階区間積分値の代わりに、左方向1階全積分値又は左方向2階全積分値が用いられてもよい。
図12の横軸tは、時間又は現在の時刻に相当する。言い換えれば、判定部24は、図12の横軸tを設定するために、積分値等を生成する必要がない。また、横軸tに時間又は現在の時刻が用いられるので、各1次元閾値THS1,THS2,THS3を設定又は区別することは、容易である。
図12の実線は、第2の前面側前部衝突、具体的には、例えば図6(B)のODB前面衝突又は図9の第6の領域483に対応する。従って、判定部24は、第2の前面側前部衝突に応じた第3の1次元閾値THS3を設定して、第4の加速度の左方向1階区間積分値(dv22(DL))を用いて、現在の時刻が側部側のエアバッグを展開させるタイミングであるか否かを判定する。例えば時刻t3で、第4の加速度の後方向1階区間積分値(図12の実線)が第3の1次元閾値THS3を超える。図2の判定部24は、時刻t3で、右の側部側のエアバッグモジュール27の図示せぬインフレータを作動させることができる。これにより、右の側部側のエアバッグを展開させることが可能となる。なお、第3の1次元閾値THS3は、第1及び第2の1次元閾値TH1,TH2よりも高く設定されている。
図12の第1の1次元閾値THS1は、第2及び第3の1次元閾値TH2,TH3よりも低く設定され、側面側前部衝突、具体的には、図9の第1の領域485に対応する。これにより、全部衝突が側面側前部衝突である時に、判定部24は、例えば右の側部側のエアバッグを最も早く展開させることが可能となる。また、図12の第2の1次元閾値THS2は、第1の1次元閾値THS1よりも高く、第3の前面側前部衝突、具体的には、図9の第7の領域484に対応する。
図12は、例えば3つの1次元閾値THS1,THS2,THS3を示しているが、3つの1次元閾値THS1,THS2,THS3は、図12の横軸tに関して対称に配置されてもよい。言い換えれば、図12の縦軸は、例えば左方向1階区間積分を示しているが、第4の加速度が例えば負である時に、判定部24は、右方向1階区間積分を演算して、左の側部側のエアバッグモジュール25の図示せぬインフレータを制御することができる。これにより、左の側部側のエアバッグを展開させることが可能となる。
ところで、判定部24は、フロントセンサ(第1のセンサ)30の出力(図9)とは無関係に、サテライトインパクトセンサ(第3のセンサ)14,15,16,17の出力に基づき側部側のエアバッグを展開させることができる。図2のサテライトインパクトセンサ14,15,16,17の出力は、車両100の右方向DR及び左方向DLの加速度(第5の加速度)を有している。但し、例えば右のサテライトインパクトセンサ15,17の出力は、車両100の左方向DLだけの加速度(第5の加速度)であってもよい。また、例えば左のサテライトインパクトセンサ14,16の出力は、車両100の右方向DRだけの加速度(第5の加速度)であってもよい。
例えば、車両100の側部の側面である例えば右側のフロントドア及び右側のリアドアが障壁又は他の車両500と衝突する「側部衝突(図示せず)」が発生する時に、例えば右のサテライトインパクトセンサ15,17の出力は、閾値(図示せず)を超える左方向DLの加速度(第5の加速度)を有する。この時には、判定部24は、右の側部側のエアバッグモジュール27を制御して、右の側部側のエアバッグを展開させることができる。好ましくは、例えば右のサテライトインパクトセンサ15,17の出力が閾値を超える左方向DLの加速度を有し、且つサテライトセーフィングセンサ(第4のセンサ)18の出力が閾値(図示せず)を超える左方向DLの加速度(第6の加速度)を有する時に、判定部24は、右の側部側のエアバッグモジュール27を制御する。
このように、車両100の側部衝突が発生する時に、判定部24は、サテライトインパクトセンサ14,15,16,17の出力に基づき側部側のエアバッグを展開させることができる。また、車両100の前部衝突(図9)が発生する時に、判定部24は、フロントセンサ(第1のセンサ)30の出力に基づき側部側のエアバッグを展開させることができる。
但し、車両100の側部衝突が発生しないで、車両100の前部衝突が発生する時に、サテライトインパクトセンサ14,15,16,17の出力は、閾値を超える左方向DL及び/又は右方向DRの加速度(第5の加速度)を有することもある。前部衝突のモードによっては、サテライトインパクトセンサ14,15,16,17の出力を用いて側部側のエアバッグが展開させることが好ましくないので、判定部24は、側部側のエアバッグが誤って展開されることを回避することができる。或いは、多重衝突を考慮すると、車両100の前部衝突が発生した後に車両100の側部衝突が発生する時に、サテライトインパクトセンサ14,15,16,17の出力を用いて側部側のエアバッグが展開させることが好ましく、側部側のエアバッグの保護力の開始タイミングをより一層適切に設定することができる。
具体的には、判定部24は、好ましくは、前部衝突のモードに応じて、側部側のエアバッグの展開を禁止するか否かを判定する。図9の第1の前面側前部衝突(第3領域480及び第4の領域481)が発生する時に、車両衝突判定装置又は判定部24は、サテライトインパクトセンサ14,15,16,17の出力を用いて側部側のエアバッグが展開させることを禁止する。もちろん、第1の前面側前部衝突が発生した後に、座標(dv30(DL),dv30(DB))が再び第2の領域486に戻る時には、判定部24は、サテライトインパクトセンサ14,15,16,17の出力を用いて側部側のエアバッグが展開させることを禁止しない。また、図9の第1の前面側前部衝突以外の前部衝突(第2の前面側前部衝突、第3の前面側前部衝突、側面側前部衝突)が発生する時に、判定部24は、サテライトインパクトセンサ14,15,16,17の出力を用いて側部側のエアバッグが展開させることを禁止しない。
図13は、衝突発生の決定用の1次元閾値例を示す。図13の縦軸a30(DB)は、車両100の後方向DBのフロントセンサ30での第1の加速度(減速度a30)に相当する。図13の横軸tは、時間又は現在の時刻に相当する。例えば前部衝突が発生する時に、フロントセンサ30の出力は、1次元閾値THFを超える後方向DBの加速度(第1の加速度)を有する。図13において、例えば時刻t0で、フロントセンサ30の出力は、1次元閾値THFを超える。例えば時刻t0以降、判定部24は、座標(dv30(DL),dv30(DB))を例えば図9の2次元マップにプロットすることを開始してもよく、現在の時刻での座標(dv30(DL),dv30(DB))が図9の2次元マップ内のどの領域に属しているのかを判定することによって、前部衝突の厳しさ及び/又はモードを判定することを開始してもよい。同様に、例えば時刻t0以降、判定部24は、現在の時刻での値(ds22(DB))が例えば図10の1次元閾値を超えるか否かを判定することを開始してもよく、また、判定部24は、座標(dv22(DL),dv22(DB))を例えば図11の2次元マップのどの領域に属しているのかを判定することを開始してもよく、さらに、判定部24は、現在の時刻での値(dv22(DL))が例えば図12の1次元閾値を超えるか否かを判定することを開始してもよい。
なお、図13の縦軸a30(DB)は、第1の加速度(減速度a30)の代わりに、第1の加速度(減速度a30)の2乗と例えば車両100の左方向DBのフロントセンサ30での第2の加速度の2乗との加算値の平方根を採用してもよい。図13の1次元閾値THFは、例えば図2の記憶部26に記憶されている。
図14(A)、図14(B)及び図14(C)の各々は、前部衝突の厳しさに応じたエアバッグの制御例を示し、図14(D)は、前部衝突の厳しさに応じたウエビング46の制御例を示す。前部衝突の厳しさが高い時に、判定部24は、例えば運転席側のエアバッグモジュール21の第1のインフレータ21−1及び第2のインフレータ21−2をほぼ同時に作動させることができる。具体的には、図14(A)に示すように、判定部24は、例えば時刻T1で第1のインフレータ21−1を作動させ、その後、時刻T2で第2のインフレータ21−2を作動させる。時刻T2と時刻T1との間隔は、例えば5[ms]である。
前部衝突が、第1の前面側前部衝突、具体的には、例えば図6(C)のポール前面衝突又は図9の第4の領域481に対応する時に、図14(A)の時刻T1は、例えば図10の時刻t1に対応する。また、図14(A)の時刻T2は、例えば図10の時刻t1から例えば5[ms]だけ経過した時点に対応する。また、前部衝突が、第2の前面側前部衝突、具体的には、例えば図6(B)のODB前面衝突又は図9の第6の領域483に対応する時に、図14(A)の時刻T1は、例えば図10の時刻t2に対応する。また、図14(A)の時刻T2は、例えば図10の時刻t2から例えば5[ms]だけ経過した時点に対応する。
前部衝突の厳しさが低い時に、判定部24は、例えば運転席側のエアバッグモジュール21の第1のインフレータ21−1を作動させる時刻T1と第2のインフレータ21−2を作動させる時刻T4との間隔は、時刻T2と時刻T1との間隔よりも長く設定する(図14(B)参照)。時刻T4と時刻T1との間隔は、例えば40[ms]である。なお、判定部24は、前部衝突のモードに応じて時刻T4と時刻T1との間隔を変更してもよい。また、時刻T2と時刻T1との間隔及び時刻T4と時刻T1との間隔は、例えば図2の記憶部26に記憶されている。代替的に、前部衝突の厳しさが低い時に、判定部24は、例えば時刻T1で第1のインフレータ21−1だけを作動させてもよい(図14(C)参照)。
なお、前部衝突の厳しさは、例えば時刻T2までに判定又は確定されればよい。即ち、例えば図10の1次元閾値で決定した第1回目の展開タイミング(時刻T1)から例えば5[ms]だけ経過した時点(時刻T2:第1回目の展開タイミングに後続する第2回目の展開タイミング)までに、座標(dv30(DL),dv30(DB))又は座標(dv22(DL),dv22(DB))が図9の領域481,483又は図11の領域484−2に入る時に、判定部24は、前部衝突の厳しさが高いと判定又は確定することができる。一方、時刻T2まで座標(dv30(DL),dv30(DB))又は座標(dv22(DL),dv22(DB))が図9の領域481,483又は図11の領域484−2に入らない時に、判定部24は、前部衝突の厳しさが低いと判定又は確定することができる。
図2のシートベルト装置は、例えば制御ユニット40及びウエビング46だけでなく、例えば巻取り装置(リトラクタ)44及びバックルスイッチ48を有している。図2の巻取り装置44は、例えばプリテンショナ41、ロック機構42、電動モータ43及び荷重決定機構45を含んでいる。判定部24が衝突の厳しさを判定する時に、シートベルト装置は、前部衝突の厳しさに応じて、ウエビング46が乗員を拘束する拘束力(保護力)をより適切に設定することができる。
例えば図13の時刻t0で判定部24は、前部衝突が発生したことを判定し、その判定結果を制御ユニット40に出力する。制御ユニット40は、その判定結果に応じて、例えば電動モータ43を最大電流で駆動し、ウエビング46を巻取り装置44に引き込むとともに、制御ユニット40は、プリテンショナ41のインフレータ(図示せず)を作動させ、ウエビング46を巻取り装置44に引き込む。その後、乗員が前方向DFに移動し始めるので、制御ユニット40は、ロック機構42を作動させて、荷重決定機構45の例えばトーションバー(図示せず)の一端がロックされ、ウエビング46の引き出しを制限する。荷重決定機構45は、例えばトーションバーだけでなく、エネルギを吸収可能な例えばプレート(図示せず)も含み、トーションバーにねじれ変形が発生するとともに、プレート(EAプレート)に弾性変形が発生する。
トーションバー及びプレート(EAプレート)の双方が選択されることにより、図14(D)の実線で示されるように、ウエビング46での拘束力(引き出し荷重)Fは、例えば時刻T0から徐々に増加し、その後、ウエビング46での拘束力Fは、例えばほぼ一定になる。なお、乗員の体重が重い時に、即ち乗員が大人である時に、トーションバー及びプレート(EAプレート)の双方が選択される技術は、例えば特開2011−079387号公報によって開示されている。
但し、前部衝突が発生する前に、例えば大人である乗員に対してトーションバー及びプレート(EAプレート)の双方が選択されている場合であっても、図2の制御ユニット40は、前部衝突が発生した後であって前部衝突の厳しさが低い時に、トーションバーのみが選択されるように、荷重決定機構45を制御することができる。具体的には、図14(D)の例えば時刻T3で、判定部24は、前部衝突の厳しさが低いことを判定又は確定させ、これに応じて、制御ユニット40は、例えば時刻T3で、荷重決定機構45にプレート(EAプレート)の係止を解除させる。これにより、例えば時刻T3で、トーションバーだけが選択され、図14(D)の点線で示されるように、ウエビング46での拘束力(引き出し荷重)Fは、減少する。このように、例えば時刻T3以降、前部衝突の厳しさに応じて、複数の拘束力Fのうちの1つの対応する拘束力(図14(D)の点線又は実線)が決定又は選択される。
なお、乗員の体重が軽い時に、即ち乗員が子供である時に、前部衝突が発生する前からトーションバーのみが選択されることにより、時刻T3までのウエビング46での拘束力Fは、例えば時刻T0から低い拘束力(図14(D)の一点鎖線)まで増加し、その後、ほぼ一定になる。もちろん、前部衝突が発生する前に、例えば子供である乗員に対してトーションバーのみが選択されている場合であっても、図2の制御ユニット40は、前部衝突が発生した後であって前部衝突の厳しさが低い時に、例えばトーションバーの両端をロックする強さを変化させて、低い拘束力(図14(D)の一点鎖線)をさらに減少させてもよい。
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。