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JP5786560B2 - 発泡積層シートの製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、発泡積層シートに関する。前記発泡積層シートは、発泡樹脂層を有しており、発泡壁紙、各種装飾材等として有用である。
従来、繊維質シートの上に少なくとも発泡樹脂層が積層されており、最表層からエンボス凹凸模様が賦型されている発泡積層シート(例えば発泡壁紙)が各種知られている。
例えば、特許文献1には、発泡化粧シートの製造方法として、「基材上に、少なくとも発泡剤含有樹脂層を形成後、前記発泡剤含有樹脂層を樹脂架橋し、次いで樹脂架橋後の発泡剤含有樹脂層を発泡させる発泡化粧シートの製造方法であって、
(1)前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分100重量部に対して無機粒子を70重量部以上含有し、且つ、厚さが60〜200μmであり、
(2)前記樹脂架橋は、少なくとも前記基材側から前記基材を透過させて発泡剤含有樹脂層に電子線を照射することにより行う、ことを特徴とする製造方法。」が記載されている。そして、[0052]段落には、おもて面にエンボス加工を行うことが記載されている。
特許文献1のような従来の発泡剤含有樹脂層の樹脂架橋は、電子線照射によって樹脂成分を架橋することにより発泡倍率を制御したり、発泡セルの均一性を高めたりすることを主な目的としている(特許文献1の[0003]段落参照)。かかる発泡積層シートは、発泡樹脂層の発泡倍率や発泡セルの均一性については要求性能を満たすものが多いが、発泡積層シートの表面強度が不十分であったり、エンボス凹凸模様の耐久性が不十分であったりする場合があることが指摘されている。例えば、エンボス凹凸模様の耐久性に関して、発泡積層シートに熱がかかった場合にエンボス凹凸模様が消失(いわゆるシボ戻り)することが指摘されている。
上記の問題に対し、発泡剤含有樹脂層への電子線照射量を増やすことが提案できるが、照射量を増やすと却って発泡特性が低下したり、繊維質シートに焼け変色が生じたりすることが問題となる。
よって、良好な発泡特性の発泡樹脂層が得られるとともに、エンボス凹凸模様の良好な耐久性が得られる、新たな発泡積層シートの製造方法の開発が求められている。
特開2008-246792号公報
本発明は、良好な発泡特性の発泡樹脂層が得られるとともに、エンボス凹凸模様の良好な耐久性が得られる、新たな発泡積層シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、発泡剤含有樹脂層及び発泡樹脂層に、それぞれ電子線照射を行う特定の製造方法によれば上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の発泡積層シートの製造方法に関する。
1.繊維質シートの上に少なくとも発泡樹脂層が積層されており、最表層からエンボス凹凸模様が賦型されている発泡積層シートの製造方法であって、
(1)繊維質シートの上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を積層する工程1、
(2)前記発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成する工程2及び
(3)最表層からエンボス凹凸模様を賦型する工程3を有し、
前記工程2に先立って前記発泡剤含有樹脂層に電子線照射Aを行い、且つ、前記工程3の後に最表層側から前記発泡樹脂層に電子線照射Bを行うことを特徴とする製造方法。
2.前記電子線照射Bは、電子線が前記繊維質シートに到達しない条件で行う、上記項1に記載の製造方法。
3.前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分として1)ポリエチレン及び2)エチレンとエチレン以外の成分とをモノマーとするエチレン共重合体の少なくとも1種を含有し、前記電子線照射Aは加速電圧が150〜250kVの電子線の照射であり、前記電子線照射Bは加速電圧が100〜150kVの電子線の照射である、上記項1又は2に記載の製造方法。
4.前記発泡剤含有樹脂層の上に絵柄模様層を形成する工程を有する、上記項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
5.前記発泡剤含有樹脂層は、その片面又は両面に非発泡樹脂層を有する、上記項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
6.前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分としてエチレン−メタクリル酸共重合体を含有する、上記項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
以下、本発明の発泡積層シートの製造方法について詳細に説明する。
本発明の発泡積層シートの製造方法は、繊維質シートの上に少なくとも発泡樹脂層が積層されており、最表層からエンボス凹凸模様が賦型されている発泡積層シートの製造方法であって、
(1)繊維質シートの上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を積層する工程1、
(2)前記発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成する工程2及び
(3)最表層からエンボス凹凸模様を賦型する工程3を有し、
前記工程2に先立って前記発泡剤含有樹脂層に電子線照射Aを行い、且つ、前記工程3の後に最表層側から前記発泡樹脂層に電子線照射Bを行うことを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の発泡積層シートの製造方法は、特に工程2に先立って発泡剤含有樹脂層に電子線照射Aを行うことにより、発泡剤含有樹脂層の溶融張力を調整することができるため発泡樹脂層を形成する際の発泡倍率及び発泡セルの均一性を確保することができる。また、工程3の後に最表層側から前記発泡樹脂層に電子線照射Bを行うことにより表面強度を確保することができるため、発泡積層シートに熱をかけた場合でも、エンボス凹凸模様の消失(シボ戻り)が抑制されている。
以下、本発明の製造方法の各工程について説明する。
≪第1工程≫
第1工程は、繊維質シートの上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を積層する。
積層態様としては限定されず、繊維質シートの上に発泡剤含有樹脂層を1層積層する態様のほか、発泡剤含有樹脂層の上に絵柄模様層や表面保護層を積層する態様や、発泡剤含有樹脂層の片面又は両面に非発泡樹脂層を積層する態様などが挙げられる。
これらの各層は、印刷、塗布などのコーティング、押出し製膜等を組み合わせることで積層することができる。印刷、コーティング等は常法に従って行うことができる。
(繊維質シート)
繊維質シート(いわゆる裏打紙)としては、壁紙用一般紙(パルプ主体のシートを既知のサイズ剤でサイズ処理したもの);難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m2程度が好ましく、50〜120 g/m2程度がより好ましい。
(発泡剤含有樹脂層)
本発明では、発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分として1)ポリエチレン及び2)エチレンとエチレン以外の成分とをモノマーとするエチレン共重合体(以下、「エチレン共重合体」と略記する)の少なくとも1種を含有することが好ましい。
ポリエチレンは、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が広く使用できるが、この中でも低密度ポリエチレンが好ましい。
エチレン共重合体は融点及びMFRの観点で押出し製膜に適している。エチレン共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。これらのエチレン共重合体は単独又は2種以上を混合して使用できる。これらのエチレン共重合体の中でも特にエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも1種が好ましく、これらと他の樹脂とを併用する場合には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体及びエチレン−メタクリル酸共重合体の少なくとも1種の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
エチレン共重合体は、エチレン以外のモノマーの含有量としては、5〜25質量%が好ましく、9〜20質量%がより好ましい。このような共重合比率を採用することにより、押出し製膜性がより高まる。具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルの共重合比率(VA量)としては9〜25質量%が好ましく、9〜20質量%がより好ましい。エチレン−メチルメタクリレート共重合体は、メチルメタクリレートの共重合比率(MMA量)としては5〜25質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。また、エチレン−メタクリル酸共重合体は、アクリル酸の共重合比率(MAA量)としては2〜15質量%が好ましく、5〜11質量%がより好ましい。
本発明では、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分は、JIS K 6922に記載の190℃、荷重21.18Nの条件で測定したMFR(メルトフローレート)が10〜25g/10分であることが好ましい。MFRが上記範囲内の場合には、発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する際の温度上昇が少なく、非発泡状態で製膜できるため、後に絵柄模様層を形成する場合には、平滑な面に印刷処理をすることができて柄抜け等が少ない。MFRが大きすぎる場合は、樹脂が軟らかすぎることにより、形成される発泡樹脂層の耐傷性が不十分となるおそれがある。
発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物としては、例えば、上記樹脂成分、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤、発泡助剤、架橋助剤等を含む樹脂組成物を好適に使用できる。その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として使用できる。
熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率の観点からは、7倍以上、好ましくは7〜10倍程度であり、熱分解型発泡剤は、樹脂成分100質量部に対して、1〜20質量部程度とすることが好ましい。
発泡助剤は、金属酸化物及び/又は脂肪酸金属塩が好ましく、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等を使用することができる。これらの発泡助剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、0.3〜10質量部程度が好ましく、1〜5質量部程度がより好ましい。
なお、これらの発泡助剤とEMAAとADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、発泡工程において、EMAAのアクリル酸部分と発泡助剤が反応することにより本来の発泡助剤の効果が損なわれるという問題がある。そのため、EMAAとADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、特開2009-197219号公報に説明されている通り、発泡助剤としてカルボン酸ヒドラジド化合物を用いることが好ましい。このとき、カルボン酸ヒドラジド化合物はADCA発泡剤1質量部に対して0.2〜1質量部程度用いることが好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して0〜100質量部程度が好ましく、20〜70質量部程度がより好ましい。
顔料については、無機顔料として、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。また、有機顔料として、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100質量部に対して10〜50質量部程度が好ましく、15〜30質量部程度がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層の厚さは40〜100μm程度が好ましく、発泡後の発泡樹脂層の厚さは300〜700μm程度となることが好ましい。
(非発泡樹脂層A及びB)
発泡剤含有樹脂層は、その片面又は両面に非発泡樹脂層を有していてもよい。
例えば、発泡剤含有樹脂層の裏面(繊維質シートが積層される面)には、繊維質シートとの接着力を向上させる目的で非発泡樹脂層B(接着樹脂層)を有してもよい。
接着樹脂層の樹脂成分としては、特に限定はないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましい。EVAは公知又は市販のものを使用することができる。特に、酢酸ビニル成分(VA成分)が10〜46質量%であるものが好ましく、15〜41質量%であるものがより好ましい。
接着樹脂層の厚さは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましい。
発泡剤含有樹脂層の上面には、絵柄模様層を形成する際の絵柄模様を鮮明にしたり発泡樹脂層の耐傷性を向上させたりする目的で非発泡樹脂層Aを有してもよい。
非発泡樹脂層Aの樹脂成分としては、ポリオレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、その中でもポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の樹脂単体、炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン(メタ)アクリル酸系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、アイオノマー等の少なくとも1種が挙げられる。
非発泡樹脂層Aの厚さは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましい。
発泡剤含有樹脂層がその片面又は両面に非発泡樹脂層を有する場合には、Tダイ押出し機による同時押出し製膜が好適である。例えば、両面に非発泡樹脂層を有する場合には、3つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより3層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。
なお、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合であって、発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する場合には、押出し機の押出し口(いわゆるダイス)に無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これが発泡剤含有樹脂層表面の異物となり易い。そのため、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合には、上記のように3層同時押出し製膜することが好ましい。即ち、発泡剤含有樹脂層を非発泡樹脂層によって挟み込んだ態様で同時押出し製膜することにより、前記目やにの発生を抑制することができる。
(絵柄模様層)
発泡剤含有樹脂層上(又は非発泡樹脂層A上)には、必要に応じて絵柄模様層を形成してもよい。即ち、本発明の製造方法は、絵柄模様層を形成する工程を有してもよい。
絵柄模様層は、発泡積層シートに意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、目的に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用してもよい。
着色剤としては、例えば、前記の発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。
結着材樹脂は、絵柄模様層を形成する下層の樹脂の種類に応じて設定できる。例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は混合物の状態で使用できる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
(表面保護層)
本発明では、発泡剤含有樹脂層又は絵柄模様層の表面に艶調整及び/又は絵柄模様層の保護を意図して表面保護層を有してもよい。
表面保護層の種類は限定的ではない。艶調整を目的とする表面保護層であれば、例えば、シリカなどの既知フィラーを含む表面保護層がある。表面保護層の形成方法としては、グラビア印刷などの公知の方法が採用できる。なお、絵柄模様層と表面保護層との密着性が十分に得られない場合には、絵柄模様層の表面を易接着処理(プライマー処理)した後に表面保護層を設けることもできる。
発泡積層シートの表面強度(耐スクラッチ性など)、耐汚染性、絵柄模様層の保護等を目的として表面保護層を形成する場合には、電離放射線硬化型樹脂を樹脂成分として含有するものが好適である。電離放射線硬化型樹脂としては、電子線照射によってラジカル重合(硬化)するものが好ましい。
表面保護層の厚みは限定的ではないが、0.1〜15μm程度が好ましい。
本発明では、後記する工程2に先立って発泡剤含有樹脂層に電子線照射Aを行う。電子線照射Aは、発泡剤含有樹脂層の溶融張力を調整することにより発泡樹脂層を形成する際の発泡倍率及び発泡セルの均一性を確保することが目的である。
電子線照射Aは、繊維質シートの上に発泡剤含有樹脂層を積層した後(必要に応じて、絵柄模様層、表面保護層も積層した後)に繊維質シート側又は最表層側から電子線を照射する態様でもよく、又は、発泡剤含有樹脂層のみを予め作成し、繊維質シートの上に積層する前に発泡剤含有樹脂層に電子線を照射する態様でもよい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。
電子線照射Aの条件は、加速電圧は150〜250kVが好ましく、175〜200kVがより好ましい。また、照射量は10〜70kGyが好ましく、20〜60kGyがより好ましい。
≪工程2≫
工程2は、発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成する。
発泡時の加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。本発明では、電子線照射Aにより発泡剤含有樹脂層の溶融張力が調整されていることにより、発泡倍率及び発泡セルの均一性を確保することができる。
発泡後の発泡樹脂層の厚さは300〜700μm程度である。
≪工程3≫
工程3は、最表層からエンボス凹凸模様を賦型する。
エンボス凹凸模様は、エンボス加工(エンボス版を用いた凹凸賦型)により賦型する。エンボス模様としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
本発明では、工程3の後に最表面層側から発泡樹脂層に電子線照射Bを行う。電子線照射Bは、発泡積層シートの表面強度を確保することが目的である。電子線照射Bを行うことにより、発泡積層シートに熱がかかった際にエンボス凹凸模様の消失が抑制されている。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。
電子線照射Bは、電子線が繊維質シートに到達しない条件が好ましい。かかる条件を満たすことにより、電子線照射による繊維質シート焼けを防止することができる。具体的には、加速電圧は100〜150kVが好ましく、100〜140kVがより好ましい。また、照射量は10〜70kGyが好ましく、20〜60kGyがより好ましい。
本発明の発泡積層シートの製造方法は、特に工程2に先立って発泡剤含有樹脂層に電子線照射Aを行うことにより、発泡剤含有樹脂層の溶融張力を調整することができるため発泡樹脂層を形成する際の発泡倍率及び発泡セルの均一性を確保することができる。また、工程3の後に最表層側から前記発泡樹脂層に電子線照射Bを行うことにより表面強度を確保することができるため、発泡積層シートに熱をかけた場合でも、エンボス凹凸模様の消失(シボ戻り)が抑制されている。
試験例1における「壁紙製品規格協議会制定の表面強化性能規定に記載された方法による試験」に用いる摩擦子(図1中の図−1)及びホルダー(図1中の図−2)の説明図である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
3種3層Tダイ押出し機を用いて、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Bの順に厚み8μm/70μm/8μmになるように繊維質シートの上に押出し製膜した。これにより、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層B/繊維質シートからなる積層体を得た。繊維質シートとしては、壁紙用紙「WK-665、興人製」を用いた。
押出し条件は、非発泡樹脂層Aを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は130℃とし、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物を収容したシリンダー温度は120℃とし、非発泡樹脂層Bを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は120℃とした。また、ダイス温度はいずれも120℃とした。
各層は、それぞれ以下の成分を用いて形成した。
非発泡樹脂層Aは、EMAA「ニュクレルN1560、三井・デュポンポリケミカル製」により形成した。
発泡剤含有樹脂層は、EMAA「ニュクレルN1110H、三井・デュポンポリケミカル製」100質量部、炭酸カルシウム「ホワイトンH、白石工業製」30質量部、着色剤「タイピュアR350、デュポン製」20質量部、発泡剤「ビニホールAC♯3、永和化成工業製」5質量部、発泡助剤「ADHS、大塚化学製」5質量部により形成した。
非発泡樹脂層Bは、EVA「ウルトラセン750、東ソー製」により形成した。
積層体の非発泡樹脂層A側から電子線照射A(195kV、50kGy)を行った。
次に非発泡樹脂層Aをコロナ放電処理した後、グラビア印刷機により絵柄印刷として水性インキ(「ハイドリック」、大日精化工業製)を用いて織物絵柄を印刷し、更に同印刷機により水性インキ(「ALTOP」、大日精化工業製)をコートして表面保護層を形成した。
次に220℃で35秒加熱して発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層とした後、織物調の凹凸パターンを有する金属ロール(エンボス版)を押し当ててエンボス凹凸模様を賦型した。
次に表面保護層側から電子線照射B(125kV、50kGy)を行った。電子線照射Bは、繊維質シートには到達していない。これにより、発泡積層シートを得た。
実施例2
発泡剤含有樹脂層を、EVA「ウルトラセン633、東ソー製」100質量部、炭酸カルシウム「ホワイトンH、白石工業製」30質量部、着色剤「タイピュアR350、デュポン製」20質量部、発泡剤「ビニホールAC♯3、永和化成工業製」5質量部、発泡助剤「アデカスタブOF-010、ADEKA製」5質量部、架橋助剤「オプスターJUA702 JSR製」1質量部により形成した以外は実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
実施例3
非発泡樹脂層Aを、LDPE「ペトロセン202、東ソー製」により形成するとともに、発泡剤含有樹脂層を、LDPE「ぺトロセン208、東ソー製」100質量部、炭酸カルシウム「ホワイトンH、白石工業製」30質量部、着色剤「タイピュアR350、デュポン製」20質量部、発泡剤「ビニホールAC♯3、永和化成工業製」5質量部、発泡助剤「アデカスタブOF-010、ADEKA製」5質量部、架橋助剤「オプスターJUA702 JSR製」1質量部により形成した以外は実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
実施例4
電子線照射Aを繊維質シート側から行った以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
実施例5
非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Bを製膜後、製膜樹脂シートに電子線照射Aを行った後で、繊維質シートと貼り合せた以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
比較例1
電子線照射Bを行わない以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを作製した。
比較例2
電子線照射Bを行わない以外は、実施例2と同様にして発泡積層シートを作製した。
比較例3
電子線照射Bを行わない以外は、実施例3と同様にして発泡積層シートを作製した。
試験例1
実施例及び比較例で作製した発泡積層シートの1)表面強度及び2)凹凸模様の耐熱性について調べた。
各試験方法及び評価方法は次の通りとした。
≪表面強度≫
壁紙製品規格協議会制定の表面強化性能規定に記載された方法により試験を行った。
具体的には、JIS L0849で規定する摩擦試験機II形の摩擦子を所定のもの(図1中の図−1参照)と取替え、摩擦子の爪の先端面が試験片台と水平であり又摩擦子が左右に動かないように所定のホルダー(図1中の図−2参照)に取り付けた。試験片は、摩擦子の往復方向と平行になるように試験片の裏打紙面に両面テープを用いて貼り付け、試験片が動かないように試験片台にしっかりと固定した。試験は試験片上に摩擦子を静かに置き、移行距離120mmの間を毎分30回の往復速度で5回往復した。
全く変化がない場合を◎、表面形状に変化はないが艶が僅かに変化している場合を○、表面形状が僅かに変化している場合を△、表面に樹脂層の破れが確認されるものを×と評価した。
≪凹凸模様の耐熱性≫
得られた発泡積層シートを200℃のオーブン中に2分間投入し、凹凸模様の変化(シボ戻りの有無等)を目視にて評価した。
シボ戻りが軽微である場合を○、シボ戻りが明らかである場合を△、シボ戻りが明らかで、表面荒れが生じている場合を×と評価した。
各試験の評価結果を下記表1に示す。
Figure 0005786560

Claims (6)

  1. 繊維質シートの上に少なくとも発泡樹脂層が積層されており、最表層からエンボス凹凸模様が賦型されている発泡積層シートの製造方法であって、
    (1)繊維質シートの上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を積層する工程1、
    (2)前記発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成する工程2及び
    (3)最表層からエンボス凹凸模様を賦型する工程3を有し、
    前記工程2に先立って前記発泡剤含有樹脂層に電子線照射Aを行い、且つ、前記工程3の後に最表層側から前記発泡樹脂層に電子線照射Bを行うことを特徴とする製造方法。
  2. 前記電子線照射Bは、電子線が前記繊維質シートに到達しない条件で行う、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分として1)ポリエチレン及び2)エチレンとエチレン以外の成分とをモノマーとするエチレン共重合体の少なくとも1種を含有し、前記電子線照射Aは加速電圧が150〜250kVの電子線の照射であり、前記電子線照射Bは加速電圧が100〜150kVの電子線の照射である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記発泡剤含有樹脂層の上に絵柄模様層を形成する工程を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記発泡剤含有樹脂層は、その片面又は両面に非発泡樹脂層を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分としてエチレン−メタクリル酸共重合体を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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