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JP5788348B2 - 水素製造用改質触媒、該触媒を用いた水素製造装置及び燃料電池システム - Google Patents
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JP5788348B2 - 水素製造用改質触媒、該触媒を用いた水素製造装置及び燃料電池システム - Google Patents

水素製造用改質触媒、該触媒を用いた水素製造装置及び燃料電池システム Download PDF

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Description

本発明は、水素製造用改質触媒、及び該触媒を用いた水素製造装置に関し、特には、炭化水素などの水素源を原料とする燃料電池システムにおける水素製造において、安価で耐久が高く、幅広い条件での水素の製造が可能な水素製造用改質触媒、該触媒を用いた水素製造装置及び燃料電池システムに関する。
近年、環境意識が高まる中で、環境負荷の少ない水素を利用したエネルギーに注目が集まっている。水素を利用したエネルギー技術の一つとして、地球温暖化の原因と言われる二酸化炭素の直接排出やオゾン層破壊を伴うことなく水素と酸素の反応から電気エネルギーを取り出すことができる燃料電池が注目されている。燃料電池の水素源としては、天然ガス、液体燃料、石油系炭化水素など様々な原料が研究されており、特に、都市ガス、LPガス、ナフサ、ガソリン、灯油などに代表される炭化水素は、供給インフラが構築されて広域かつ多量に流通していることから、水素源として有望視されている。これらの炭化水素を原料とする燃料電池システムにおける水素製造は、システムの起動・停止を含めた様々な状態において効率的に行われることが求められる。
上記炭化水素から水素を得るには、水素製造用改質触媒の存在下、水蒸気改質反応を行うことが一般的であり、該水素製造用改質触媒としては、アルミナ等の担体にルテニウム、ロジウムなどの貴金属を担持した貴金属系触媒と、ニッケルを担持したニッケル系触媒が従来技術として知られている。ルテニウム、ロジウムといった貴金属を用いた貴金属系触媒は、水蒸気の使用量を低減できることから、炭化水素用の改質触媒として近年注目されている。例としては、アルミナにルテニウムを担持させたもの(非特許文献1参照)、アルミナ又はシリカにルテニウムを担持させたもの(特許文献1参照)、アルカリ土類金属アルミネートを含むアルミナにジルコニアとルテニウム成分を担持したもの(特許文献2参照)などが挙げられる。これらの触媒は炭素析出を抑制できるものの、高価な貴金属を使用するため触媒のコストが高いという問題がある。また、ニッケルを担持したニッケル系触媒では、例としては、金属ニッケルをアルミナ担体に担持したもの(特許文献3参照)が挙げられる。ニッケル系触媒は、貴金属系触媒に比べて安価であるので経済的に好ましいが、炭素析出による活性低下を引き起こし易いという欠点を有し、カーボン析出を抑えるためにはスチーム/カーボン比を高くして反応を行う必要があり、スチーム供給量の増加に伴ってエネルギー消費量が大きくなるという問題がある。また、高温でスチームの雰囲気に曝されると、ニッケルの凝集を引き起こして活性が低下するという問題がある。また、これらの貴金属系触媒とニッケル系触媒の双方の特徴を利用して、アルミナ担体に少なくともルテニウム成分を担持してなる上流側触媒層と、ニッケルを含有する下流側触媒層とから少なくともなることを特徴とする水蒸気改質方法(特許文献4参照)、いわゆる積層型の触媒系が提案されている。しかしながらこの積層型触媒系は、上流側と下流側の異なる触媒層の境界面で炭素析出が進みやすく、下流側触媒層におけるカーボン析出は依然として多いという問題がある。
また、炭化水素を原料とする燃料電池システムにおける水素製造においては、定常的な製造条件に限らず、システムの起動・停止に伴って生じる幅広い製造条件で水素を効率的に製造することが求められる。上記に挙げた水素製造用改質触媒は、水蒸気改質反応への適用を主に想定したものであるが、酸素が共存する部分酸化反応やオートサーマル反応においては、ルテニウムおよびニッケルの酸化と凝集による触媒劣化が進むため、水素の製造は水蒸気改質反応に限定されてしまい、幅広い条件で水素を効率的に製造することが困難であるという問題がある。これらの酸素が共存する水素製造反応においては、触媒にロジウムが使われることがある。例としては、ロジウムと、化学式MgO・xAlでかつ実質上アルミナの結晶構造が存在しないスピネルで構成された炭化水素改質用触媒(特許文献5参照)、セリウム酸化物を含む担体にロジウムを担持し、セリウムとロジウムの原子比を規定したオートサーマルリフォーミング触媒(特許文献6参照)が提案されているが、ロジウムは高価な金属であるので、安価に水素製造を行うためにはロジウム使用量の更なる低減が望まれる。
特開昭57−4232号公報 特開平5−220397号公報 特公昭53−12917号公報 特開2001−342004号公報 特開2001−276620号公報 特開2002−336702号公報
本発明は、上記従来技術の問題を解決する水素製造用改質触媒、及び該触媒を用いた水素製造装置に関し、特には、炭化水素などの水素源を原料とする燃料電池システムにおける水素製造において、安価で耐久が高く、幅広い条件での水素の製造が可能な水素製造用改質触媒、該触媒を用いた水素製造装置及び燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術が有する課題を鑑みて鋭意検討した結果、白金族金属とニッケルを、同一の担体上に含有させて、白金族金属がロジウムを含有し、かつロジウムが担体表層に分布することによって、高価な白金族金属の使用量を抑えつつ、触媒上の炭素析出および高温でスチームの雰囲気に曝されたときのニッケル凝集を抑制して、かつオートサーマル反応など酸素が共存する状態においても、水素を効率的に製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、アルミナを含有し、希土類金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物を担持した無機複合酸化物担体と、この担体に担持されたニッケル及び白金族金属と、を備える触媒であって、触媒は、ニッケル及び白金族金属が同じ担体に担持されており、白金族金属としてロジウムを含有し、エレクトロンプローブマイクロアナライザー(EPMA)により触媒断面の中心を通る担体直径方向にロジウムの線分析測定を行ったときに、検出された全ロジウムの特性X線強度に対する担体外表面から担体直径の10%以内の距離の範囲に検出されたロジウムの特性X線強度の割合が90%以上かつ担体外表面から担体直径の20%以内の距離の範囲に検出されたロジウムの特性X線強度の割合が95%以上である第1の水素製造用改質触媒を提供する。
上記第1の水素製造用改質触媒において、ニッケルの担持量はアルミナ100質量部に対してニッケル原子換算で1〜30質量部であり、ロジウムの担持量はアルミナ100質量部に対してロジウム原子換算で0.01〜3質量部であることが好ましい。
上記第1の水素製造用改質触媒において、白金族金属の担持量はアルミナ100質量部に対して白金族金属原子換算で0.01〜3質量部であることが好ましい。
上記第1の水素製造用改質触媒において、希土類金属酸化物の担持量はアルミナ100質量部に対して2〜30質量部であることが好ましい。
上記第1の水素製造用改質触媒において、アルカリ土類金属酸化物の担持量はアルミナ100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましい。
上記第1の水素製造用改質触媒において、上記希土類金属酸化物に含まれる希土類元素と、上記アルカリ土類金属酸化物に含まれるアルカリ土類元素の組み合わせが、ストロンチウムとセリウム、マグネシウムとセリウム、バリウムとセリウム、ストロンチウムとランタン、及びバリウムとランタンから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また本発明は、第1の水素製造用改質触媒において、上記アルカリ土類金属酸化物が酸化ストロンチウムであり、上記白金族金属がロジウム及び白金である第2の水素製造用改質触媒を提供する。
ところで、水素源となる炭化水素には、その産出や輸送の過程などで少量の酸素分子が混入することがあり、一部の地方や海外の都市ガスでは、熱量調整のために少量の空気を混合するケースもある。このような場合、上記の原料には数百〜数千ppm程度の酸素分子が含まれていることがある。しかしながら、酸素分子を含有する炭化水素を原料とする場合は、高温の水素製造条件では酸素が酸化剤として触媒中の活性金属の酸化と凝集を促すため、ルテニウムやニッケルを用いた従来の触媒系は、酸素が共存する条件では触媒の機能低下を引き起こす。またルテニウムが酸化によって四酸化ルテニウム(融点40℃)を形成すると、ルテニウム成分が触媒中から揮発脱離してしまうという問題がある。
上記第2の水素製造用改質触媒によれば、酸素分子を含有する炭化水素を原料とする水素製造において上記の問題が生じにくく、安価で効率的な水素の製造が可能となる。
上記第2の水素製造用改質触媒において、ニッケルの担持量はアルミナ100質量部に対してニッケル原子換算で1〜30質量部であり、ロジウムの担持量はアルミナ100質量部に対してロジウム原子換算で0.01〜3質量部であり、白金の担持量はアルミナ100質量部に対して白金原子換算で0.001〜0.3質量部であることが好ましい。
上記第2の水素製造用改質触媒において、酸化ストロンチウムの担持量はアルミナ100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましい。
上記第2の水素製造用改質触媒において、希土類金属酸化物の担持量はアルミナ100質量部に対して2〜30質量部であることが好ましい。
本発明は、上記第1及び第2の水素製造用改質触媒を製造する方法であって、上記無機複合酸化物担体にロジウムを担持する前に、無機複合酸化物担体若しくはその前駆体を酸素の存在下で650〜1200℃の温度で焼成処理する工程を有する水素製造用改質触媒の製造方法を提供する。
本発明は、炭化水素化合物類を含有する水素原料を、上記本発明に係る第1又は第2の水素製造用改質触媒で改質して水素を得る水素製造方法を提供する。
本発明は、酸素分子及び炭化水素化合物類を含有し、酸素分子の含有量が5容積%以下である水素原料を、上記本発明に係る第2の水素製造用改質触媒で水蒸気改質して水素を得る水素製造方法を提供する。
本発明は、上記本発明に係る第1又は第2の水素製造用改質触媒を有する改質部、並びに、当該改質部に、酸素及びスチームから選択される少なくとも1種を含むガスと、炭化水素化合物類が含まれる水素原料とを供給する供給部を備え、部分酸化反応、自己熱改質反応及び水蒸気改質反応から選択される少なくとも1つの反応により水素原料から水素を含有する生成物を得る水素製造装置を提供する。
本発明は、上記水素製造装置において、改質部が、上記本発明に係る第2の水素製造用改質触媒を有し、供給部が、改質部に、スチームを含むガスと、酸素分子及び炭化水素化合物類が含まれる水素原料とを供給するものである、水蒸気改質反応により原料から水素を含有する生成物を得る水素製造装置を提供する。
本発明は、上記本発明に係る水素製造装置を具備する燃料電池システムを提供する。
本発明によれば、炭化水素などの水素源を原料とする水素製造において、安価で耐久が高く、幅広い条件での水素の製造が可能な水素製造用改質触媒及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、本発明の水素製造用改質触媒を用いた水素製造方法、水素製造装置及び燃料電池システムを提供することができる。
また、本発明の水素製造用改質触媒によれば、オートサーマル反応などの酸素が共存する状態においても、水素を効率的に製造することができる。さらに、本発明によれば、酸素分子及び炭化水素化合物類が含まれる水素原料であっても水素を効率的に製造することができる水素製造用改質触媒、並びに、それを用いた水素製造方法、水素製造装置及び燃料電池システムを提供することができる。
触媒AのEPMA測定の写真と、触媒に含まれるロジウムの触媒断面の担体径方向に対する特性X線強度を示すグラフである。 触媒BのEPMA測定の写真と、触媒に含まれるロジウムの触媒断面の担体径方向に対する特性X線強度を示すグラフである。 触媒CのEPMA測定の写真と、触媒に含まれるロジウムの触媒断面の担体径方向に対する特性X線強度を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る燃料電池システムの一例を示す概念図である。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本実施形態の水素製造用改質触媒は、アルミナを含有し、希土類金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物を担持した無機複合酸化物担体と、前記担体に担持されたニッケル及び白金族金属と、を備える触媒であって、触媒は、ニッケル及び白金族金属が同じ担体に担持されており、白金族金属としてロジウムを含有し、エレクトロンプローブマイクロアナライザー(EPMA)により触媒断面の中心を通る担体直径方向にロジウムの線分析測定を行ったときに、検出された全ロジウムの特性X線強度に対する担体外表面から担体直径の10%以内の距離の範囲に検出されたロジウムの特性X線強度の割合が90%以上かつ担体外表面から担体直径の20%以内の距離の範囲に検出されたロジウムの特性X線強度の割合が95%以上であることを特徴とする。
本実施形態の水素製造用改質触媒は、ニッケルとロジウムを含む白金族金属とが同じ担体に担持されており、さらにはロジウムが担体の表層に特定の割合以上分布することによって、高価なロジウムの使用量を抑えつつ、高温でスチームの雰囲気に曝されたときの触媒の性能低下を抑制することができる。
触媒の性能低下が抑制される効果の原因は明確ではないが、ニッケルと、ロジウムを含む白金族金属とが同一担体上に存在することによって、(1)それぞれの金属原子が他の金属原子の凝集を抑制する、(2)それぞれの金属原子の境界面が発生しないので、均一の反応場が提供される、(3)白金族金属上で活性化された水素分子が隣接するニッケルにスピルオーバーで供給されてニッケル上での炭素析出を抑制する、などの作用が理由として考えられる。また、相互の金属原子間の電子供与が行い易いので、(4)担体表層に分布するロジウムが担体中のニッケルの酸化を抑制してニッケルアルミネートの生成による触媒表面ニッケルの減少を抑制する、(5)共存するニッケルが白金族金属への硫黄付着を抑制する、などの作用も理由として考えられる。本実施形態の水素製造用改質触媒では、これらの作用が複合的に機能することによって、高価なロジウムの使用量を抑えつつ、高温でスチームの雰囲気に曝されたときの触媒の性能低下を抑制する効果がもたらされると推測する。
上述の効果を複合的かつ効率的に得るには、担体に担持された全ロジウム含有量のうち、担体の外表面から担体の中心方向に向かって担体直径の10%以内の距離の担体表層部に90質量%以上のロジウムが分布し、かつ20%以内の距離の担体表層部に95質量%以上のロジウムが分布することが好ましい。上記10%以内の距離の担体表層部に含まれるロジウムの割合が90質量%未満、或いは、上記20%以内の距離の担体表層部に含まれるロジウムの割合が95質量%未満であると、担体表層での触媒反応に機能しにくい担体内部に存在するロジウムの割合が多くなりすぎ、上述した効果が得られにくくなり、また高価なロジウムの使用量を抑えることができないので好ましくない。
担体に含まれるロジウムの質量分布は、エレクトロン・プローブ・マイクロアナライザー(EPMA)によって触媒断面の中心を通る担体直径方向にロジウムの線分析測定を行ったときに、検出されるロジウムの特性X線強度の分布から求めることができる。具体的には、触媒断面の中心を通る担体直径方向にロジウムの線分析測定を行ったときに検出された全ロジウムの特性X線強度(cps)をI100、担体外表面から担体直径の10%以内の距離の範囲に検出されたロジウムの特性X線強度(cps)をI10、担体外表面から担体直径の20%以内の距離の範囲に検出されたロジウムの特性X線強度(cps)をI20とすると、下記式によって担体に担持されたロジウムの分布の割合をそれぞれ算出することができる。なお、R10は、担体の外表面から担体の中心方向に向かって担体直径の10%以内の距離の担体表層部に含まれるロジウムの含有割合(質量%)を示し、R20は、担体の外表面から担体の中心方向に向かって担体直径の20%以内の距離の担体表層部に含まれるロジウムの含有割合(質量%)を示す。
10=I10÷I100×100
20=I20÷I100×100
本実施形態の水素製造用改質触媒における担体は、アルミナを含有し、希土類金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物を担持した無機複合酸化物担体である。
アルミナとしては、特に組成や構造による制約を受けるものではないが、α−アルミナ、γ−アルミナ、及びこれらのアルミナと、シリカ、チタニア、ジルコニア等から選ばれる無機金属酸化物との混合物が挙げられる。アルミナのB.E.T.比表面積については特に限定されないが、担持されるニッケルおよび白金族金属が十分に分散できるようにB.E.T.比表面積が3〜200m/gであることが好ましい。B.E.T.比表面積が3m/gより小さいと、ニッケルおよび白金族金属が担体表層で十分に分散できず所定の触媒活性や触媒寿命が得られにくくなり、一方、B.E.T.比表面積が200m/gより大きいと、表面の空隙比率が高く十分な担体強度が得られにくくなるので好ましくない。
希土類金属酸化物としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム及びイッテルビウムなどから選択される1種又は2種以上の希土類金属の酸化物が挙げられる。希土類金属は、特にランタン、セリウムが好ましい。これらの希土類金属の酸化物は、塩化物、硝酸塩、酢酸塩などの希土類金属化合物を前駆体として焼成により得ることができる。
希土類金属酸化物の担持量は、アルミナ100質量部に対して2〜30質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましく、10〜18質量部であることがさらにより好ましい。希土類金属酸化物の上記担持量が30質量部より多いと、アルミナに対して過剰量に存在して、その含有量に比した添加効果が得られないので好ましくない。一方、希土類金属酸化物の上記担持量が2質量部よりも少ないと、その添加効果が低くなるので好ましくない。
アルカリ土類金属酸化物としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムなどから選択される1種又は2種以上のアルカリ土類金属の酸化物が挙げられる。アルカリ土類金属は、特にマグネシウム、ストロンチウム、バリウムが好ましい。これらのアルカリ土類金属の酸化物は、塩化物、硝酸塩、酢酸塩などのアルカリ土類金属化合物を前駆体として焼成により得ることができる。
アルカリ土類金属酸化物の担持量は、アルミナ100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜8質量部であることがより好ましく、1〜8質量部であることがさらにより好ましい。アルカリ土類金属酸化物の上記担持量が10質量部より多いと、アルミナに対して過剰量に存在して、その含有量に比した添加効果が得られないので好ましくない。一方、アルカリ土類金属酸化物の上記担持量が0.1質量部よりも少ないと、その添加効果が低くなるので好ましくない。
本実施形態における希土類金属酸化物に含まれる希土類元素と、アルカリ土類金属酸化物に含まれるアルカリ土類元素の組み合わせは、ストロンチウムとセリウム、マグネシウムとセリウム、バリウムとセリウム、ストロンチウムとランタン、及びバリウムとランタンから選択される少なくとも1種であることが好ましい。特に好ましくは、ストロンチウムとセリウム、バリウムとセリウムの組み合わせである。
ニッケルの担持量は、アルミナ100質量部に対してニッケル原子換算で1〜30質量部であることが好ましく、3〜25質量部であることがより好ましく、5〜20質量部であることがさらにより好ましい。ニッケルの上記担持量が30質量部より多いと、アルミナに対して過剰量に存在して、その含有量に比した添加効果が得られないので好ましくない。一方、ニッケルの上記担持量が1質量部よりも少ないと、その添加効果が低くなるので好ましくない。
本実施形態の水素製造用改質触媒は、白金族金属としてロジウムを含有する。すなわち、上記無機複合酸化物担体には少なくともニッケルとロジウムとが担持される。ロジウムの担持量は、アルミナ100質量部に対してロジウム原子換算で0.01〜3質量部であることが好ましく、0.05〜1質量部であることがより好ましく、0.05〜0.5質量部であることがさらにより好ましい。ロジウムの上記担持量が3質量部より多いと、高価なロジウム金属がアルミナに対して過剰量に存在して、その含有量に比した添加効果が得られないだけでなく、触媒価格が高額になるので好ましくない。一方、ロジウムの上記担持量が0.01質量部よりも少ないと、その添加効果が低くなるので好ましくない。
白金族金属は、ロジウムのほかに、ルテニウム、パラジウム及び白金などから選択される1種又は2種以上の白金族金属を含有することもできる。ロジウムも含めた白金族金属の総担持量は、アルミナ100質量部に対して白金族原子換算で0.01〜3質量部であることが好ましく、0.05〜2質量部であることがより好ましく、0.1〜1質量部であることがさらにより好ましい。白金族原子の上記総担持量が3質量部より多いと、アルミナに対して過剰量に存在して、その含有量に比した添加効果が得られないだけでなく、触媒価格が高額になるので好ましくない。一方、白金族原子の上記総担持量が0.01質量部よりも少ないと、その添加効果が低くなるので好ましくない。
本実施形態の水素製造用改質触媒においては、上記アルカリ土類金属酸化物が酸化ストロンチウムであり、上記白金族金属がロジウム及び白金であることが好ましい(以下、この触媒を、本実施形態に係る第2の水素製造用改質触媒という場合もある)。本実施形態に係る第2の水素製造用改質触媒によれば、酸素分子を含有する炭化水素を原料とする水素製造においても、安価で効率的な水素の製造が可能となる。
上記の効果の原因は明確ではないが、上述した(1)〜(5)の作用に加えて、白金および酸化ストロンチウムが存在することによって、(6)ニッケルの安定性を高めることで、酸素が共存する雰囲気下におけるニッケルの活性が向上する、などの作用が得られたためと推測する。
本実施形態に係る第2の水素製造用改質触媒において、ニッケルの担持量はアルミナ100質量部に対してニッケル原子換算で1〜30質量部であり、ロジウムの担持量はアルミナ100質量部に対してロジウム原子換算で0.01〜3質量部であり、白金の担持量はアルミナ100質量部に対して白金原子換算で0.001〜0.3質量部であることが好ましい。なお、本実施形態に係る水素製造用改質触媒においては、白金族原子の総担持量が、アルミナ100質量部に対して白金族原子換算で0.011〜3.3質量部であることが好ましく、0.05〜2質量部であることがより好ましく、0.1〜1質量部であることがさらにより好ましい。
ニッケルの上記担持量が30質量部より多いと、アルミナに対して過剰量に存在して、その含有量に比した添加効果が得られないので好ましくない。一方、ニッケルの上記担持量が1質量部よりも少ないと、その添加効果が低くなるので好ましくない。ロジウムの上記担持量が3質量部より多いと、高価なロジウム金属がアルミナに対して過剰量に存在して、その含有量に比した添加効果が得られないだけでなく、触媒価格が高額になるので好ましくない。一方、ロジウムの上記担持量が0.01質量部よりも少ないと、その添加効果が低くなるので好ましくない。
ニッケルの担持量及びロジウムの担持量のより好ましい範囲はそれぞれ、上述した範囲と同様である。
また、高価な貴金属の使用量を抑制して安価な触媒にするための観点から、白金の担持量は、アルミナ100質量部に対して白金原子換算で0.005〜0.2質量部であることがより好ましく、0.01〜0.1質量部であることがさらにより好ましい。また、ロジウムに対する白金のモル比(Pt/Rh)が0.05〜0.5mol/molであることが好ましい。白金を係る範囲のモル比となるように担持させることにより、導入する貴金属の使用量を抑制することができる。
上記第2の水素製造用改質触媒において、酸化ストロンチウムの担持量はアルミナ100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜8質量部であることがより好ましく、1〜8質量部であることがさらにより好ましい。酸化ストロンチウムの上記担持量が10質量部より多いと、アルミナに対して過剰量に存在して、その含有量に比した添加効果が得られないので好ましくない。一方、酸化ストロンチウムの上記担持量が0.1質量部よりも少ないと、その添加効果が低くなるので好ましくない。
上記第2の水素製造用改質触媒において、希土類金属酸化物の担持量はアルミナ100質量部に対して2〜30質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましく、10〜18質量部であることがさらにより好ましい。希土類金属酸化物の上記担持量が30質量部より多いと、アルミナに対して過剰量に存在して、その含有量に比した添加効果が得られないので好ましくない。一方、希土類金属酸化物の上記担持量が2質量部よりも少ないと、その添加効果が低くなるので好ましくない。
本実施形態に係る水素製造用改質触媒において、ニッケル、白金族金属、希土類金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物を担体に担持させる方法としては、特に制限はなく、通常の含浸法、ポアフィル法など公知の方法を用いることができる。通常、金属塩もしくは金属錯体として水や有機物などを含有する溶媒に溶解させた後、アルミナを含有する担体に含浸させる。含有させる金属塩もしくは金属錯体は、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、アセト酢酸塩などを用いることができる。含浸の回数や工程に関しては特に制限はなく、一度又は数度に分けて含有させることができる。ニッケルとロジウムは、同じ溶媒に溶解させた後、同時に触媒に含有させることが好ましい。また、上記第2の水素製造用改質触媒の場合、ニッケル、ロジウム及び白金は、同じ溶媒に溶解させた後、同時に触媒に含有させることが好ましい。
各金属を含有させた後の乾燥処理は、その条件については特に制限されないが、例えば、空気中、100℃以上で行うことが挙げられる。
本実施形態の水素製造用改質触媒が上述のEPMAによるロジウムの線分析測定において所定のX線強度分布を有するには、触媒にロジウムを導入する前、具体的には担体にロジウムを担持する前に、アルミナを含有し、希土類金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物を担持した無機複合酸化物担体若しくはその前駆体を、酸素の存在下で650〜1200℃の温度で予め焼成処理する方法が挙げられる。焼成温度は、700℃以上が好ましく、750℃以上がより好ましく、1000℃以下が好ましく、900℃以下がより好ましい。
無機複合酸化物担体の前駆体としては、例えば、アルミナを含む担体に上記希土類金属化合物を含浸したものを酸素の存在下400〜800℃で焼成し、これに上記アルカリ土類金属化合物を含浸したもの、アルミナを含む担体に上記希土類金属化合物及び上記アルカリ土類金属化合物を含浸したものなどが挙げられる。
上記の焼成処理を行うことで、後に触媒に導入されるロジウムが、無機複合酸化物担体の直径方向に対して担体表層に分布しやすくなり、また無機複合酸化物担体のシンタリングが引き金となって生じるロジウムの凝集による触媒性能の減少を抑制することができる。650℃よりも低い温度では、ロジウムを導入した後でロジウムが無機複合酸化物担体の内部方向に分布しやすくなるだけでなく、無機複合酸化物担体に含まれるアルミナの熱凝集が進みやすくなり、それがロジウムの凝集を引き起こし易くなるので好ましくない。一方、1200℃よりも高い温度で焼成処理を行うと、無機複合酸化物担体のB.E.T.比表面積が減少してしまうので好ましくない。
ロジウム導入後は、前述の無機複合酸化物担体若しくはその前駆体の焼成処理温度より低い温度で乾燥または焼成処理を行うことで、導入したロジウムが無機複合酸化物担体の表面に分布して固定化される。ロジウム導入後に無機複合酸化物担体の焼成処理温度よりも高い温度で乾燥または焼成処理を行うと、無機複合酸化物担体のシンタリングが引き金となって無機複合酸化物担体の表面に分布するロジウムの凝集が進み、触媒性能の減少が起こるので好ましくない。ロジウム導入後の乾燥または焼成温度は、前述の無機複合酸化物担体若しくはその前駆体の焼成処理温度に基づき設定することができるが、好ましくは100℃以上650℃未満の範囲であり、より好ましくは130〜600℃の範囲である。100℃よりも低い温度では、水分の脱離が不十分となって導入したロジウムが無機複合酸化物担体の表面で固定化されないので好ましくない。
本実施形態に係る水素製造用改質触媒は、必要に応じて還元処理や金属固定化処理を行うことができる。処理方法は特に制限はなく、例えば、水素流通下での気相還元処理や液相還元処理を行うことができる。
本実施形態に係る水素製造用改質触媒の製造方法としては、前述の条件を満たすものであれば特に制約を受けないが、たとえばアルミナに対して所定量の希土類金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物を導入して無機複合酸化物担体を形成した後、空気雰囲気下で650〜1200℃で焼成処理を行った後に、この焼成処理した無機複合酸化物担体にニッケル、及びロジウムを含む白金族金属を導入し、次いで乾燥または焼成処理を行う方法が挙げられる。
本実施形態に係る水素製造用改質触媒の形態については特に制限はなく、例えば、アルミナを含有する担体の形状をそのまま利用することができる。もしくは、打錠成形し粉砕後所定の範囲で整粒した触媒、粉末あるいは球形、リング状、タブレット状、円筒状などに成形した触媒として用いることができる。
次に、本実施形態に係る水素製造方法について説明する。本実施形態の水素製造方法は、炭化水素化合物類を含有する水素原料を、上述した本実施形態の水素製造用改質触媒で改質して水素を得る方法である。
具体的には、例えば、上述の水素製造用改質触媒の存在下に、酸素及びスチームから選択される少なくとも1種を含むガスと、炭化水素化合物類を含有する水素原料とを供給して、部分酸化反応、自己熱改質反応及び水蒸気改質反応から選択される少なくとも1つの水素製造反応により水素原料から水素を含有する生成物を得る方法が挙げられる。
水素製造用改質触媒を用いる反応形式としては、固定床式、移動床式、流動床式などが挙げられ、特に制約を受けるものではない。また、水素製造用改質触媒を用いる反応器も特に制約を受けるものではない。
水素製造反応において原料となる炭化水素化合物類は、炭素数1〜40、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜6の有機化合物を含有する。具体的には、飽和脂肪族炭化水素、不飽和脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素などを挙げることができ、また飽和脂肪族炭化水素、不飽和脂肪族炭化水素については、鎖状、環状の形状を問わず使用することができる。このような炭化水素化合物類は置換基を含むことができる。置換基としては、鎖状、環状のどちらをも使用でき、例として、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基及びアラルキル基等を挙げることができる。また、これらの炭化水素化合物類はヒドロキシ基、アルコキシ基、ヒドロキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基などのヘテロ原子を含有する置換基により置換されていてもよい。
炭化水素化合物類の具体例としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの鎖状の飽和脂肪族炭化水素とその構造異性体、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテンなどの鎖状の不飽和脂肪族炭化水素とその構造異性体、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの環状炭化水素とその構造異性体、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、ビフェニルなどの芳香族炭化水素などを挙げることができる。また、これらを単品または混合物として含有する材料を使用することができる。例えば、都市ガス、天然ガス、LPG、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油などを挙げることができる。
またヘテロ原子を含有する置換基を有する炭化水素化合物類として、アルコール類、エーテル類、バイオ燃料等を含む原料も使用できる。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノールなどを挙げることができ、エーテル類としては、例えば、ジメチルエーテルなどを挙げることができ、バイオ燃料としては、例えば、バイオガス、バイオエタノール、バイオディーゼル、バイオジェットなどを挙げることができる。
また、上記原料に水素、水、二酸化炭素、一酸化炭素、酸素、窒素などを含む原料も使用できる。例えば、原料の前処理として水素化脱硫を実施する場合、反応に用いた水素の残留分を特に分離することなくそのまま使用することもできる。
原料として使用する炭化水素化合物に含有される硫黄濃度は、硫黄原子の質量として、好ましくは50質量ppb以下、より好ましくは20質量ppb以下、さらに好ましくは10質量ppb以下である。硫黄濃度が50質量ppbを超えると硫黄による改質触媒の被毒が進み、炭素析出を促すので好ましくない。必要であれば水素製造反応の前処理として、原料を脱硫処理して硫黄濃度を下げることが好ましい。原料の脱硫処理の方法に特に制限はなく、一般に工業的に利用されている水素化脱硫や吸着分離などの公知の技術を単独または複数用いることができる。例えば、所定の脱硫触媒と水素の存在下で水素化脱硫処理を行い、生成した硫化水素を吸収剤で除去する方法などを例示できる。脱硫処理の実施方法にも特に制限はなく、例えば、水素製造反応の直前で実施してもよく、独立の脱硫処理プロセスで予め処理を行った原料を使用してもよい。
本実施形態においては、酸素分子及び炭化水素化合物類を含有する水素原料を用いることができる。この場合、上述した本実施形態に係る第2の水素製造用改質触媒を用いた水蒸気改質反応を行うことが好ましい。水素原料における酸素分子の含有量は気体で5容積%以下であることが好ましく、2容積%以下であることがより好ましく、1容積%以下であることがさらにより好ましい。これらの濃度は、本実施形態に係る第2の水素製造用改質触媒を有する改質部の入口において満たされることが好ましい。炭化水素化合物類を含有する水素原料に含まれる酸素分子が5容積%よりも多く含まれる場合、水蒸気改質反応においても本発明の効果を得ることができるが、この場合は原料である炭化水素化合物の自己酸化が起こりやすくなり、水素の製造効率が低下するだけでなく、原料の安定性・安全性確保の観点からも好ましくない。
本実施形態において、水素製造用改質触媒に導入される流通原料の空間速度は、ガス空間速度(以下GHSVと記す)が、好ましくは10〜10,000h−1、より好ましくは50〜5,000h−1、さらに好ましくは100〜3,000h−1の範囲である。GHSVが10,000h−1よりも高いと、原料と触媒の接触時間が十分に確保できないので反応転化が進まず好ましくない。一方、GHSVが10h−1よりも低いと、触媒量に対する水素製造量が少なく水素製造効率が低くなるので好ましくない。また液空間速度(以下LHSVと記す)では、好ましくは0.05〜5.0h−1、より好ましくは0.1〜2.0h−1、さらに好ましくは0.2〜1.0h−1の範囲である。LHSVが5.0h−1よりも高いと、原料と触媒の接触時間が十分に確保できないので反応転化が進まず好ましくない。一方、LHSVが0.05h−1よりも低いと、触媒量に対する水素製造量が少なく水素製造効率が低くなるので好ましくない。
本実施形態の水素製造方法の反応温度は特に限定されるものではないが、好ましくは200〜1000℃、より好ましくは250〜900℃、さらに好ましくは300〜800℃の範囲である。1000℃よりも高い温度では、触媒に含有される金属の凝集が進みやすく触媒の早期性能低下を伴うので好ましくない。一方、200℃よりも低い温度では、水素製造に十分な反応速度を得られないので好ましくない。
本実施形態の水素製造方法の反応圧力は特に限定されるものではないが、好ましくは大気圧〜20MPa、より好ましくは大気圧〜5MPa、さらに好ましくは大気圧〜1MPaである。大気圧よりも低い圧力や、20MPaよりも高い圧力でも実施することは可能であるが、その場合は製造設備が減圧および高圧に対応する必要があり、経済的に好ましくない。
本実施形態において、水蒸気改質反応を行うに際し、水蒸気改質反応に導入するスチームの量は、原料炭化水素化合物類に含まれる炭素原子モル数に対する水分子モル数の比(スチーム/カーボン比:以下S/Cと記す)が、好ましくは0.3〜10、より好ましくは0.5〜5、さらに好ましくは1.5〜3.5の範囲となるように設定される。S/Cが0.3より小さい場合は水蒸気改質反応に必要なスチームが不足し、また、コーク析出が促進され触媒の性能低下が著しく加速されるので好ましくない。一方、S/Cが10より大きい場合は、スチーム供給に要するエネルギーや余剰スチームの生成・回収に要するコストが大きくなるので好ましくない。
また本実施形態においては、本実施形態に係る水素製造用改質触媒を用いることで、部分酸化反応及びオートサーマル反応など酸素が共存する状態においても、水素を効率的に製造できることができる。これらの反応に導入する酸素の量は、原料炭化水素化合物類に含まれる炭素原子モル数に対する酸素分子モル数の比(酸素/カーボン比:以下O/Cと記す)が、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.3以下である。O/Cが0.8より大きい場合は、二酸化炭素および水の生成反応が進み、水素の生成量が減少するので好ましくない。
本実施形態の水素製造方法によれば、本実施形態に係る水素製造用改質触媒による水素製造反応によって、都市ガス、天然ガス、LPG、ナフサ、灯油等の炭化水素燃料から、水素を主成分として含む改質ガスを得ることができる。また、水素製造反応で得られた水素を含有する混合ガスは、固体酸化物形燃料電池のような場合であれば、そのまま燃料電池用の燃料として用いることができる。また、リン酸形燃料電池や固体高分子形燃料電池のように、一酸化炭素の除去が必要な場合には、一酸化炭素除去工程を併用することにより燃料電池用の燃料として好適に用いることができる。
次に、本実施形態に係る水素製造装置及び燃料電池システムについて説明する。
本実施形態の水素製造装置は、上述した本実施形態に係る水素製造用改質触媒を有する改質部、並びに、当該改質部に、酸素及びスチームから選択される少なくとも1種を含むガスと、炭化水素化合物類が含まれる水素原料とを供給する供給部を備え、部分酸化反応、自己熱改質反応及び水蒸気改質反応から選択される少なくとも1つの反応により水素原料から水素を含有する生成物を得るものである。
本実施形態の水素製造装置において、改質部が本実施形態の第2の水素製造用改質触媒を有し、供給部が改質部にスチームを含むガスと、酸素分子及び炭化水素化合物類が含まれる水素原料とを供給するものであり、水蒸気改質反応により原料から水素を含有する生成物を得ることができる。
本実施形態に係る燃料電池システムは、上記水素製造装置と燃料電池スタックを備え、例えば、図1の構成を備える。図1は本実施形態の燃料電池システムの一例を示す概略図である。
図1において、燃料タンク3内の燃料は燃料ポンプ4を経て脱硫器5に流入する。脱硫器5内には例えば銅−亜鉛系あるいはニッケル−亜鉛系の収着剤などを充填することができる。この時、必要であれば改質器7の下流、シフト反応器9の下流及び一酸化炭素選択酸化反応器10の下流、及びアノードオフガスの少なくともいずれかからの水素含有ガスを添加できる。脱硫器5で脱硫された燃料は水タンク1から水ポンプ2を経た水と混合した後、気化器6に導入されて気化され、改質器7に送り込まれる。
改質器7の触媒として本実施形態の触媒を用い、改質器7内に充填される。改質器反応管は燃料タンク3からの燃料(炭化水素化合物類が含まれる水素原料)及びアノードオフガスを燃料とするバーナー18により加温され、好ましくは200〜1000℃、より好ましくは300〜900℃、さらに好ましくは400〜800℃の範囲に調節される。
本実施形態において、供給部20は、水タンク1、水ポンプ2、燃料タンク3、及び脱硫器5から構成されているが、改質部7に酸素及びスチームから選択される少なくとも1種を含むガスと、炭化水素化合物類が含まれる水素原料とを供給するものであれば、他の構成を有していてもよい。
このようにして製造された水素と一酸化炭素を含有する改質ガスは、シフト反応器9、一酸化炭素選択酸化反応器10を順次通過させることで燃料電池の特性に影響を及ぼさない程度まで一酸化炭素濃度が低減される。これらの反応器に用いる触媒の例としては、シフト反応器9には鉄−クロム系触媒および/あるいは銅−亜鉛系触媒、一酸化炭素選択酸化反応器10にはルテニウム系触媒等を挙げることができる。
上述した水蒸気改質用触媒、水素製造装置及び燃料電池システムによれば、炭化水素などの水素源を原料とする水素製造において、安価で耐久が高く、幅広い条件で水素を効率的に製造することが可能となる。
以下に実施例を挙げて本発明の効果をさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、担持された各成分の「アルミナに対する外率」とは、アルミナの質量を100質量%とした場合の各成分の質量割合をいい、この外率で示される各成分の質量%はアルミナ100質量部に対する質量部で言い換えることができる。
[触媒の調製]
参考例1(触媒A)>
細孔容積0.43ml/g、B.E.T.比表面積182m/gで2〜3mmφの球形に成形されたγ−アルミナ担体を、150℃で6時間乾燥した後、硝酸セリウムを含む水溶液を含浸させ、150℃で8時間乾燥した後、400℃で5時間空気焼成した。これに硝酸バリウムを含む水溶液を含浸させ、150℃で8時間乾燥した後、空気の雰囲気下800℃で5時間焼成処理を行って、アルミナに対して外率で、酸化セリウムの担持量が16質量%、酸化バリウムの担持量が7質量%である、酸化物担持担体Aを得た。
次に、得られた酸化物担持担体Aに対して、硝酸ニッケル及び硝酸ロジウムを含む水溶液を含浸させ、150℃で8時間乾燥した後、600℃で5時間空気焼成した。その結果、アルミナに対して外率で、ニッケル担持量が13質量%、ロジウム担持量が0.25質量%、酸化セリウムの担持量が16質量%、酸化バリウムの担持量が7質量%の触媒を得た。これを「触媒A」とした。この触媒AのEPMA測定の写真と、触媒に含まれるロジウムの触媒断面の担体直径方向に対する特性X線強度を示すグラフを図1に示す。なお、図1のグラフにおいて、横軸(担体直径方向)の0.5が直径の中心であり、0.0と1.0が担体の外表面を示す。また、縦軸(Rh検出強度)は担体直径方向におけるロジウム分布の割合を示す。
EPMA測定は、測定する触媒を樹脂包埋して、測定面を研磨した後にカーボン蒸着処理を行ったサンプルを、電子プローブマイクロアナライザー(日本電子株式会社製電子線アナライザーJXA−8900R)を用いて、加速電圧20kV、プローブ電流0.1μA、ビーム径10μmφ、ステップ幅10μmの線分析条件で行った。
<実施例2(触媒B)>
参考例1における硝酸バリウムの代わりに、硝酸ストロンチウムを用いた以外は参考例1と同様の方法で、アルミナに対して外率で、酸化セリウムの担持量が16質量%、酸化ストロンチウムの担持量が4質量%である、酸化物担持担体Bを得た。
次に、得られた酸化物担持担体Bに対して、参考例1と同様の手順でニッケル及びロジウムを導入して、アルミナに対して外率で、ニッケル担持量が13質量%、ロジウム担持量が0.25質量%、酸化セリウムの担持量が16質量%、酸化ストロンチウムの担持量が4質量%の触媒を得た。これを「触媒B」とした。この触媒BのEPMA測定の写真と、触媒に含まれるロジウムの触媒断面の担体径方向に対する特性X線強度を示すグラフを図2に示す。
<実施例3(触媒C)>
実施例2において、酸化ストロンチウムの担持量を7質量%とした以外は実施例2と同様の方法で酸化物担持担体Cを得た。
次に、得られた酸化物担持担体Cに対して、硝酸ニッケル、硝酸ロジウム及び塩化白金酸を含む水溶液を含浸させ、150℃で8時間乾燥した後、600℃で5時間空気焼成した。その結果、アルミナに対して外率で、ニッケル担持量が13質量%、ロジウム担持量が0.25質量%、白金担持量が0.06質量%、酸化セリウムの担持量が16質量%、酸化ストロンチウムの担持量が7質量%の触媒を得た。これを「触媒C」とした。この触媒CのEPMA測定の写真と、触媒に含まれるロジウムの触媒断面の担体径方向に対する特性X線強度を示すグラフを図3に示す。
参考例4(触媒D)>
参考例1における硝酸バリウムの代わりに、硝酸マグネシウムを用いた以外は同様の方法で、アルミナに対して外率で、酸化セリウムの担持量が12質量%、酸化マグネシウムの担持量が7質量%、ニッケル担持量が13質量%、ロジウム担持量が0.25質量%の触媒を得た。これを「触媒D」とした。EPMA測定の結果は参考例1と同様の傾向を示した。
参考例5(触媒E)>
参考例1における硝酸セリウムの代わりに、硝酸ランタンを用いた以外は同様の方法で、アルミナに対して外率で、酸化ランタンの担持量が16質量%、酸化バリウムの担持量が4質量%、ニッケル担持量が8質量%、ロジウム担持量が0.25質量%の触媒を得た。これを「触媒E」とした。EPMA測定の結果は参考例1と同様の傾向を示した。
<実施例6(触媒F)>
実施例2における硝酸セリウムの代わりに、硝酸ランタンを用いた以外は同様の方法で、アルミナに対して外率で、酸化ランタンの担持量が12質量%、酸化ストロンチウムの担持量が8質量%、ニッケル担持量が15質量%、ロジウム担持量が0.20質量%の触媒を得た。これを「触媒F」とした。EPMA測定の結果は実施例2と同様の傾向を示した。
[ロジウムの分布の評価]
担体の外表面から担体の中心方向に向かって担体直径の10%以内の距離の担体表層部に含まれるロジウムの含有割合(質量%)(表中「表層10%以内のRh含有率」と記す)R10、及び、担体の外表面から担体の中心方向に向かって担体直径の20%以内の距離の担体表層部に含まれるロジウムの含有割合(質量%)(表中「表層20%以内のRh含有率」と記す)R20をそれぞれ下記式に従って算出した。
10=I10÷I100×100
20=I20÷I100×100
上記式中、I100は、検出された全ロジウムの特性X線強度(cps)を示し、I10は、担体外表面から担体直径の10%以内の距離の範囲に検出されたロジウムの特性X線強度(cps)を示し、I20は、担体外表面から担体直径の20%以内の距離の範囲に検出されたロジウムの特性X線強度(cps)をそれぞれ示す。
各触媒のEPMA測定のX線強度の分布から求めた、触媒A〜Fの担体の表層10%および20%の範囲に含有されるロジウム質量の、触媒に含まれる全ロジウム含有量に対する含有率を表1に示す。触媒A〜Fは、いずれも全ロジウム含有量のうち90質量%以上が担体の表層10%以内の範囲に分布し、かつ95質量%以上が表層20%の範囲に分布していることが分かる。
<比較例1(触媒G)>
参考例1における酸化物担持担体Aに対して、硝酸ロジウムを含む水溶液を含浸させ、150℃で8時間乾燥した後、600℃で5時間空気焼成した。その結果、アルミナに対して外率で、ロジウム担持量が0.5質量%、酸化セリウムの担持量が16質量%、酸化バリウムの担持量が7質量%の触媒を得た。これを「触媒G」とした。
<比較例2(触媒H)>
参考例1における酸化物担持担体Aに対して、硝酸ニッケルを含む水溶液を含浸させ、150℃で8時間乾燥した後、600℃で5時間空気焼成した。その結果、アルミナに対して外率で、ニッケル担持量が26質量%、酸化セリウムの担持量が16質量%、酸化バリウムの担持量が7質量%の触媒を得た。これを「触媒H」とした。
<比較例3(触媒I)>
比較例1、比較例2で得られた触媒D、触媒Eを、それぞれ50mlずつ等量に混合した。その結果、アルミナに対して外率で、ニッケル担持量が13質量%、ロジウム担持量が0.25質量%、酸化セリウムの担持量が16質量%、酸化バリウムの担持量が7質量%の混合触媒を得た。これを「触媒I」とした。
[水蒸気改質反応による触媒評価(評価J)]
上記の触媒を、固定床のマイクロリアクターを用いて水蒸気改質反応で評価した。触媒1ccを反応管(内径約9mm)に充填して、これを管状電気炉内に設置して、大気圧で反応温度450℃、スチーム/カーボン比(モル比)2.7の条件で、プロパンガスを原料としてGHSV5,000h−1で導入した。これを「評価J」とした。
反応生成ガスは、ガスクロマトグラムを用いて組成の分析を行い、反応生成ガスに含まれる炭素成分のモル数を基準に、下記式(1)で求められるプロパン転化率を算出して、原料のプロパン転化率を求めた。これを「初期転化率」とした。
なお、式(1)において「C1化合物」とは炭素数1の化合物の総称であり、具体的にはCO、CO、CHのことを意味する。
プロパン転化率(%)=(反応生成ガスに含まれるC1化合物のモル数)÷(反応生成ガスに含まれる炭素原子の総モル数)×100 ・・・ 式(1)
この後、反応管内に充填した触媒に対して800℃でスチームを4時間流通して熱劣化処理を行った後で、上記と同様の条件でプロパンガスを導入して、同様にプロパン転化率を求めた。これを「劣化後転化率」とした。これらの結果を表1に示す。
[オートサーマル改質反応による触媒評価(評価K)]
評価Gで使用したマイクロリアクターを用いてオートサーマル改質反応で評価した。触媒1ccを反応管(内径約9mm)に充填して、これを管状電気炉内に設置して、大気圧で反応温度400℃、スチーム/カーボン比(モル比)2.7、酸素/カーボン比(モル比)0.3の条件で、プロパンガスを原料としてGHSV1,500h−1で導入した。これを「評価K」とした。評価G同様に初期転化率を求めた後、反応管内に充填した触媒に対して800℃でスチームを4時間流通して熱劣化処理を行った後で、上記と同様の条件でプロパンガスを導入して、同様に劣化後転化率を求めた。これらの結果を表1に示す。
触媒A〜Fは、いずれも白金族がロジウムを含有し、ニッケルと白金族金属が同じ担体に含有される触媒であるが、評価Jの水蒸気改質反応、および酸素が共存する評価Kのオートサーマル反応において、800℃でスチームを4時間流通して熱劣化処理を行った後の劣化後転化率が、ニッケルと白金族金属が同じ担体に含有されない触媒G〜Iよりも高い値を示した。これらの結果から、本発明によって提供される水素製造用改質触媒は、水蒸気改質反応に加えて、オートサーマル反応などの酸素が共存する状態においても、水素を効率的に製造できることができるので、幅広い条件で水素を効率的に製造することが可能であることが分かる。
また触媒A〜Fは、いずれもロジウム含有量が触媒Gの半分以下であるにも関わらず、劣化後転化率が触媒Gよりも高い値を示した。これらの結果から、本発明によって提供される水素製造用改質触媒は、高価なロジウムの使用量を比較例1の触媒Gよりも低減した状態であっても高い耐久を確保することができ、安価で耐久が高い水素の製造が可能であることが分かる。
以上の実施例から、本発明の水素製造用改質触媒によって、炭化水素を原料とする燃料電池システムにおける水素製造において、安価で耐久が高く、幅広い条件で水素を効率的に製造することが可能となることを示す。
<実施例7(触媒C)>
上記実施例3と同様にして触媒Cを得た。
<実施例8(触媒L)>
実施例3における硝酸セリウムの代わりに硝酸ランタンを用いて、酸化ストロンチウムの担持量を4質量%とした以外は、実施例3と同様の方法で、アルミナに対して外率で、酸化ランタンの担持量が16質量%、酸化ストロンチウムの担持量が4質量%である、酸化物担持担体Lを得た。
次に、得られた酸化物担持担体Lに対して、実施例3と同様の手順で、アルミナに対して外率で、ニッケル担持量が8質量%、ロジウム担持量が0.25質量%、白金担持量が0.03質量%、酸化ランタンの担持量が16質量%、酸化ストロンチウムの担持量が4質量%の触媒を得た。これを「触媒L」とした。EPMA測定の結果は実施例3と同様の傾向を示した。
<実施例9(触媒M)>
実施例3において、酸化ストロンチウムの担持量を8質量%とした以外は実施例3と同様の方法で酸化物担持担体Mを得た。
次に、得られた酸化物担持担体Mに対して、実施例3と同様の手順で、アルミナに対して外率で、ニッケル担持量が15質量%、ロジウム担持量が0.2質量%、白金担持量が0.1質量%、酸化セリウムの担持量が12質量%、酸化ストロンチウムの担持量が8質量%の触媒を得た。これを「触媒M」とした。EPMA測定の結果は実施例3と同様の傾向を示した。
各触媒のEPMA測定のX線強度の分布から求めた、触媒C、L、Mの担体の表層10%および20%の範囲に含有されるロジウム質量の、触媒に含まれる全ロジウム含有量に対する含有率を表2に示す。触媒C、L、Mは、いずれも全ロジウム含有量のうち90質量%以上が担体の表層10%以内の範囲に分布し、かつ95質量%以上が表層20%の範囲に分布していることが分かる。
<比較例4(触媒N)>
実施例3における酸化物担持担体Cに対して、硝酸ロジウムを含む水溶液を含浸させ、150℃で8時間乾燥した後、600℃で5時間空気焼成した。その結果、アルミナに対して外率で、ロジウム担持量が0.5質量%、酸化セリウムの担持量が16質量%、酸化ストロンチウムの担持量が7質量%の触媒を得た。これを「触媒N」とした。
<比較例5(触媒O)>
実施例3における酸化物担持担体Cに対して、硝酸ニッケル及び塩化白金酸を含む水溶液を含浸させ、150℃で8時間乾燥した後、600℃で5時間空気焼成した。その結果、アルミナに対して外率で、ニッケル担持量が26質量%、白金担持量が0.1質量%、酸化セリウムの担持量が16質量%、酸化ストロンチウムの担持量が7質量%の触媒を得た。これを「触媒O」とした。
<比較例6(触媒P)>
比較例4、比較例5で得られた触媒N、触媒Oを、それぞれ50mlずつ等量混合した。その結果、アルミナに対して外率で、ニッケル担持量が13質量%、ロジウム担持量が0.25質量%、白金担持量が0.05質量%、酸化セリウムの担持量が16質量%、酸化ストロンチウムの担持量が7質量%の混合触媒100mlを得た。これを「触媒P」とした。
[酸素原子を含有する原料ガスの水蒸気改質反応による触媒評価1(評価Q)]
上記の触媒を、固定床のマイクロリアクターを用いて水蒸気改質反応で評価した。触媒1ccを反応管(内径約9mm)に充填して、これを管状電気炉内に設置して、大気圧で反応温度450℃、スチーム/カーボン比(モル比)2.5の条件で、プロパンガスに空気10容量%(酸素分子2.0容量%)を混合したガスを原料としてGHSV10,000h−1で導入した。これを「評価Q」とした。
反応生成ガスは、ガスクロマトグラムを用いて組成の分析を行い、反応生成ガスに含まれる炭素成分のモル数を基準に、下記式(2)で求められるプロパン転化率を算出して、原料のプロパン転化率を求めた。これを「初期転化率」とした。
なお、式(2)において「C1化合物」とは炭素数1の化合物の総称であり、具体的にはCO、CO、CHのことを意味する。
プロパン転化率(%)=(反応生成ガスに含まれるC1化合物のモル数)÷(反応生成ガスに含まれる炭素原子の総モル数)×100 ・・・ 式(2)
同じ原料を336時間継続して流し続けた後、反応温度450℃に保持したまま、同様にプロパン転化率を求めた。これを「劣化後転化率」とした。
[酸素原子を含有する原料ガスの水蒸気改質反応による触媒評価2(評価R)]
上記の評価Qにおいて、プロパンガスに空気2.0容量%(酸素分子0.4容量%)を混合したガスを原料とした以外は、同じ条件で「初期転化率」および「劣化後転化率」を求めた。
これらの結果を表2に示す。

触媒C、L、Mは、いずれも白金族金属としてロジウムおよび白金を含有し、ニッケルと白金族金属が同じ担体に含有される触媒であるが、評価Qおよび評価Rにおいて、ニッケルと白金族金属が同じ担体に含有されない触媒N〜Pよりも、初期転化率および劣化後転化率が高い値を示し、特に酸素分子の含有量の多い評価Qにおいて顕著な差異が確認された。これらの結果から、本発明によって提供される水素製造用改質触媒は、酸素分子を含有する炭化水素の水蒸気改質反応において水素を効率的に製造することが可能であることが示される。
また触媒C、L、Mは、いずれもロジウム含有量が触媒Nの半分以下であるにも関わらず、劣化後転化率が触媒Nよりも高い値を示した。これらの結果から、本発明によって提供される水素製造用改質触媒は、高価なロジウムの使用量を比較例4の触媒Nよりも低減した状態であっても高い耐久を確保することができ、安価で耐久が高い水素の製造が可能であることが示される。
以上の実施例から、本発明の水素製造用改質触媒によって、酸素原子を含有する炭化水素化合物を原料とする水素製造において、安価で耐久が高く、水素を効率的に製造することが可能となることが示される。
本発明の水素製造用改質触媒は、炭化水素などの水素源を原料とする水素製造において、安価で耐久が高く、幅広い条件で水素を効率的に製造することが可能となるため、産業上きわめて有用である。特に、燃料電池システムに有用である。また、本発明の水素製造用改質触媒によれば、酸素原子を含有し、炭化水素などの水素源を原料とする水素製造においても、安価で耐久が高く、水素を効率的に製造することが可能となる。
1…水タンク、2…水ポンプ、3…燃料タンク、4…燃料ポンプ、5…脱硫器、6…気化器、7…改質器、8…空気ブロアー、9…シフト反応器、10…一酸化炭素選択酸化反応器、11…アノード、12…カソード、13…固体高分子電解質、14…電気負荷、15…排気口、16…固体高分子形燃料電池、17…加温用バーナー、20…供給部。

Claims (16)

  1. アルミナを含有し、希土類金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物を担持した無機複合酸化物担体と、前記担体に担持されたニッケル及び白金族金属と、を備える触媒であって、
    前記アルカリ土類金属酸化物は酸化ストロンチウムを含み、
    前記触媒は、前記ニッケル及び前記白金族金属が同じ担体に担持されており、前記白金族金属としてロジウムを含有し、エレクトロンプローブマイクロアナライザー(EPMA)により触媒断面の中心を通る担体直径方向にロジウムの線分析測定を行ったときに、検出された全ロジウムの特性X線強度に対する担体外表面から担体直径の10%以内の距離の範囲に検出されたロジウムの特性X線強度の割合が90%以上かつ担体外表面から担体直径の20%以内の距離の範囲に検出されたロジウムの特性X線強度の割合が95%以上である、水素製造用改質触媒。
  2. 前記ニッケルの担持量は前記アルミナ100質量部に対してニッケル原子換算で1〜30質量部であり、前記ロジウムの担持量は前記アルミナ100質量部に対してロジウム原子換算で0.01〜3質量部である、請求項1に記載の水素製造用改質触媒。
  3. 前記白金族金属の担持量は前記アルミナ100質量部に対して白金族金属原子換算で0.01〜3質量部である、請求項1又は2に記載の水素製造用改質触媒。
  4. 前記希土類金属酸化物の担持量は前記アルミナ100質量部に対して2〜30質量部である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水素製造用改質触媒。
  5. 前記アルカリ土類金属酸化物の担持量は前記アルミナ100質量部に対して0.1〜10質量部である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水素製造用改質触媒。
  6. 前記希土類金属酸化物に含まれる希土類元素と、前記アルカリ土類金属酸化物に含まれるアルカリ土類元素の組み合わせが、ストロンチウムとセリウム、又は、ストロンチウムとランタンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水素製造用改質触媒。
  7. 記白金族金属がロジウム及び白金である、請求項1に記載の水素製造用改質触媒。
  8. 前記ニッケルの担持量は前記アルミナ100質量部に対してニッケル原子換算で1〜30質量部であり、前記ロジウムの担持量は前記アルミナ100質量部に対してロジウム原子換算で0.01〜3質量部であり、前記白金の担持量は前記アルミナ100質量部に対して白金原子換算で0.001〜0.3質量部である、請求項7に記載の水素製造用改質触媒。
  9. 前記酸化ストロンチウムの担持量は前記アルミナ100質量部に対して0.1〜10質量部である、請求項7又は8に記載の水素製造用改質触媒。
  10. 前記希土類金属酸化物の担持量は前記アルミナ100質量部に対して2〜30質量部である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の水素製造用改質触媒。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の水素製造用改質触媒を製造する方法であって、
    前記無機複合酸化物担体にロジウムを担持する前に、前記無機複合酸化物担体若しくはその前駆体を酸素の存在下で650〜1200℃の温度で焼成処理する工程を有する、水素製造用改質触媒の製造方法。
  12. 炭化水素化合物類を含有する水素原料を、請求項1〜10のいずれかに記載の水素製造用改質触媒で改質して水素を得る、水素製造方法。
  13. 酸素分子及び炭化水素化合物類を含有し、前記酸素分子の含有量が5容積%以下である水素原料を、請求項7〜10のいずれかに記載の水素製造用改質触媒で水蒸気改質して水素を得る、水素製造方法。
  14. 請求項1〜10のいずれかに記載の水素製造用改質触媒を有する改質部、並びに、当該改質部に、酸素及びスチームから選択される少なくとも1種を含むガスと、炭化水素化合物類が含まれる水素原料とを供給する供給部と、を備え、
    部分酸化反応、自己熱改質反応及び水蒸気改質反応から選択される少なくとも1つの反応により前記水素原料から水素を含有する生成物を得る、水素製造装置。
  15. 前記改質部が、請求項7〜10のいずれか一項に記載の水素製造用改質触媒を有し、
    前記供給部が、前記改質部に、スチームを含むガスと、酸素分子及び炭化水素化合物類が含まれる水素原料とを供給するものである、水蒸気改質反応により前記原料から水素を含有する生成物を得る、請求項14に記載の水素製造装置。
  16. 請求項14又は15に記載の水素製造装置を具備する、燃料電池システム。
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