以下、本発明のスイッチング電源装置及びそれを用いた電源システムの第一実施形態について、図1〜図6に基づいて説明する。この実施形態の電源システム10は、図1に示すように、1つの直流入力電源12から電力の供給を受け、1つの負荷14に所定の電圧及び電流を出力するシステムであり、第一実施形態のスイッチング電源装置16が2台使用されている。以下、必要に応じて、各スイッチング電源装置の符号の末尾に、スイッチング電源装置の台数番号を表わす(1),(2)の符号を付して区別し、その他の関係する各構成についても、符号の末尾に(1),(2)を付して区別する。
スイッチング電源装置16は、図2に示すように、電力変換部18、電圧検出回路20、電流検出回路22及び制御部24を備えている。
電力変換部18は、一対の入力端子であるIN端子の間に供給された直流の入力電圧Viを断続する主スイッチング素子26と、主スイッチング素子26と相補的にオンオフして上記の断続電圧を整流する整流素子27とを備え、さらに、上記の整流電圧を平滑して直流の出力電圧Voを出力するローパスフィルタである出力平滑回路28とを備えている。ここでは、主スイッチング素子26、整流素子27は、いずれもNチャネルのMOS型FETである。出力平滑回路28は、インダクタ28aとコンデンサ28bとで構成されるローパスフィルタであり、出力端子である一対のOUT端子にコンデンサ28bの両端が引き出され、外部接続される負荷14に出力電圧Vo、出力電流Ioを供給する。出力電圧Voは、スイッチング素子26がスイッチングするオン時間及びオフ時間によって決まる。
電圧検出回路20は、出力電圧Vo又はこれに相当する電圧を検出する回路である。例えば、一対のOUT端子の間に2つの抵抗を直列に接続し、中点に発生する電圧を自己電圧信号Vaとして出力する。他の方法として、出力平滑回路28のインダクタ28aに補助巻線を設け、補助巻線に発生する電圧を利用して自己電圧信号Vaを得る方法も考えられる。
電流検出回路22は、出力電流Io又はこれに相当する電流を検出する回路である。例えば、出力平滑回路28のコンデンサ28bとOUT端子とを結ぶラインに電流検出用の抵抗を挿入し、出力電流Ioが流れることによって発生する電圧降下を検出し、自己電流信号Iaとして出力する。他の方法として、主スイッチング素子26に流れるスイッチング電流を、カレントトランス(又は抵抗)を介して電圧に変換し、その波高値又は平均値を検出して自己電流信号Iaを得る方法も考えられる。
制御部24は、主スイッチング素子26のオン時間及びオフ時間を規定する駆動パルスVgを生成し、その駆動パルスVgで主スイッチング素子26のオンオフを制御する回路ブロックであり、駆動パルス出力部30、電圧目標値設定部32、電流制御電圧出力部34を備えている。
駆動パルス出力部30は、自己電圧信号Vaと所定の電圧目標値Vrとの差を反転増幅する誤差増幅器30aと、一定周期の基準三角波電圧を出力する三角波発生回路30bとを備え、さらに、誤差増幅器30aの出力電圧と基準三角波電圧とを比較してパルス幅変調を行う比較器30cを備えている。駆動パルスVgは、図示しないバッファ回路等を通じて主スイッチング素子26の駆動端子に入力される。駆動パルス出力部30は、自己電圧信号Vaと所定の電圧目標値Vrとの差が小さくなるように駆動パルスVgのオン時間及びオフ時間を可変調整し、前記主スイッチング素子に向けて出力する。
また、この駆動パルス出力部30は、整流素子27を駆動する機能も備えており、駆動パルスVgのロジックを逆転させた反転パルスを出力する反転器30dが設けられ、反転パルスが、バッファ回路等を通じて整流素子27の駆動端子に入力される。整流素子27がダイオード素子の場合は、駆動回路は不要であり、反転器30dを省略することができる。
電圧目標値設定部32は、ここではデジタルプロセッサ内に設けられ、駆動パルス出力部30の電圧目標値Vrを規定する電圧制御情報Svを出力すると共に、自己電流信号Iaに対応した電流制御情報Siを出力する機能を備えている。電圧目標値設定部32は、通常、電圧目標値Vrをデフォルト値Vr0にする旨の電圧制御情報Svを出力する。そして、電流制御用ライン36(以下、CBライン36と言う。)の電圧(CBライン電圧Vbm)を検出し、図3(a)に示す所定の条件を満たした場合に、直前の電圧目標値Vrを補正量Vk1,Vk2だけ変化させる旨の電圧制御情報Svを出力する。電圧目標値Vrを補正するか否かの判断は、CBライン電圧Vbmを取得(サンプリング)する毎に繰り返し行われる。電圧制御情報Sv及び電流制御情報Siについては、後で詳しく説明する。
電流制御電圧出力部34は、電圧目標値設定部32が出力した電流制御情報Siに基づいてパルス電圧V38を生成するパルス発生器38と、パルス電圧V38を平滑して出力する平滑回路40とを備えている。
パルス発生器38は、電圧目標値設定部32と同様にデジタルプロセッサ内に設けられ、ここでは、クロック、カウンタ、パルス出力回路等を組み合わせて構成されたデジタルPWMにより、周期と時比率Dutyが制御されたパルス電圧V38を出力する。以下、パルス発生器38の動作を図4に基づいて説明する。
カウンタにはクロック信号が供給されており、カウンタがクロック数をカウントする。カウンタのカウント値がゼロにリセットされると、パルス発生器38の出力であるパルス電圧V38がハイレベルになる。その後、パルス電圧V38がハイレベルの状態でカウントが継続され、カウント値が第一レジスタ設定値D1に達すると、パルス電圧V38がローレベルに転じ、さらにカウント値が第二レジスタ設定値D2に達するとカウンタがリセットされ、パルス電圧V38がハイレベルに転じる。パルス発生器38は、上記の動作を繰り返すことによって、ハイレベルとローレベルを繰り返すパルス電圧V38を発生させる。従って、パルス電圧V38の周期と時比率Dutyは、第一及び第二レジスタ設定値D1,D2によって定めることができる。例えば、「D1=50、D2=100」のときは、時比率Duty=0.5のパルス電圧V38を出力する。
パルス発生器38は、ローレベルが0V、ハイレベルがVh(例えば5V)のパルスを発生する。第二レジスタ設定値D2は固定されており、パルス電圧V38の周期は一定である。第一レジスタ設定値D1は、電圧目標値設定部32が出力した電流制御情報Siによって規定され、その電流制御情報Siは、電流検出回路22で検出された自己電流信号Iaに対応して変化する。したがって、パルス電圧V38の時比率Dutyは、自己電流信号Iaに対応して変化する。ここでは、図5(a)に示すように、自己電流信号Iaと時比率Duty(及び電流制御情報Si)との関係が一次関数で定義され、「Ia=0Aのとき、Si=Duty=0」、「Ia=10Aのとき、Si=Duty=1.0」となっている。なお、この関係は一次関数以外の関数で定義されていてもよく、例えば、図5(b)に示すように、曲線的な関数でも構わない。
平滑回路40は、抵抗40aとコンデンサ40bとで成るローパスフィルタであり、コンデンサ40bのプラス出力がCBライン36に接続され、CBライン36には、CBライン36を外部に接続可能にする電流制御用端子(以下、CB端子と言う。)が設けられている。平滑回路40は、パルス電圧V38を平滑して直流の電圧を生成し、CBライン36に向けて出力する。CB端子が開放されているとき、平滑回路40の出力には、パルス電圧V38の波高値Vhに時比率dutyを乗算して求まる直流の電流制御電圧Vboが発生する。抵抗40aは、インダクタに置き換えても構わない。
次に、電圧目標値設定部32が出力する電圧制御情報Svについて説明する。電圧目標値設定部32は、CBライン電圧Vbmを検出し、電流制御情報Siに基づいて生成されるべき電流制御電圧Vbo(=Vh×Duty)と一致しない場合、その電圧差に応じて、電圧目標値Vrを補正する旨の電圧制御情報Svを出力する。
ここでは、図3(a)に示すように、電圧差ΔVb(=Vbo−Vbm)が第一基準値k1(k1>0)以上のときは、直前の電圧目標値Vrを補正量Vk1だけ低下させる旨の電圧制御情報Svを出力する。電圧差ΔVbが第二基準値−k2(k2>0)以下のときは、直前の電圧目標値Vrを補正量Vk2だけ上昇させる旨の電圧制御情報Svを出力する。それ以外のときは電圧目標値Vrを補正せず、直前の値が維持されるように電圧制御情報Svを出力する。電圧目標値Vrを補正するか否かの判断は、CBライン電圧Vbmを取得(サンプリング)する毎に繰り返し行う。
一般的には、第一及び第二基準値k1,k2を同じ値(例えば0.1)に設定し、補正量Vk1,Vk2を同じ値にするとよい。なお、図3(a)では、電圧差ΔVbの絶対値が基準値k1,k2以上の範囲で補正量Vk1,Vk2が一定の値になっているが、図3(b)に示すように。電圧差ΔVbの絶対値が大きくなるにつれて、補正量Vk1,Vk2が徐々に大きくなるようにしてもよい。
電源システム10は、上述したスイッチング電源装置16(1),16(2)の2台で構成され、図1に示すように、IN(1),IN(2)端子が入力電源12の両端に接続され、OUT(1),OUT(2)端子が共通の負荷14に対して互いに並列に接続され、並列運転を行う構成になっている。さらに、CB(1),CB(2)端子も互いに連結されている。負荷14に流れ込む負荷電流Io(all)は、スイッチング電源装置16(1),16(2)の出力電流Io(1),Io(2)を合計した電流であり、ここでは常に一定の値であるとする。
次に、電源システム10の動作について、図6のフローチャートに基づいて説明する。ここでスイッチング電源16(1),16(2)は、2台で合計9Aの負荷電流Io(all)を出力しており、初期状態で、一方の出力電流Io(1)が5A、他方の出力電流Io(2)が4Aであり、バランスがとれていないとする。
まず、各スイッチング電源装置16は、電圧目標値設定部32が電流検出回路22で測定された自己電流信号Iaを取得し、図5(a)に示す関係に基づき、自己電流信号Iaに対応する制御情報Siを作成する。(ステップS11,S12)。次に、「CB端子が開放された状態で、パルス発生器38が制御情報Siに基づいて生成したパルス電圧V38を出力した」と仮定し、この場合に平滑回路40から出力されるべき直流の電流制御電圧Vboを予測演算する(ステップS13)。
スイッチング電源装置16(1)の場合、出力電流Io(1)=Ia(1)=5Aなので、パルス発生器38(1)の第一レジスタ設定値D1を50にする旨の電流制御情報Si(1)が作成される(ステップS11,S12)。そして、「CB(1)端子が開放された状態で、パルス発生器38(1)から波高値Vh=5V、時比率Duty=0.5のパルス電圧V38(1)が出力された」と仮定し、電流制御電圧Vbo(1)として、波高値Vhに時比率Dutyを乗算した2.5Vが算出される(ステップS13)。
一方、スイッチング電源装置16(2)の場合、出力電流Io(2)=Ia(2)=4Aなので、パルス発生器38(2)の第一レジスタ設定値D1を40にする旨の電流制御情報Si(2)が作成される(ステップS11,S12)。そして、「CB(2)端子が開放された状態で、パルス発生器38(2)から波高値Vh=5V、時比率Duty=0.4のパルス電圧V38(2)が出力された」と仮定し、電流制御電圧Vbo(2)として、波高値Vhに時比率Dutyを乗算した2.0Vが算出される(ステップS13)。
次に、各スイッチング電源装置16の電圧目標値設定部32が、ステップS12で作成した電流制御情報Siを出力し、パルス発生器38が発生したパルス電圧V38が平滑回路40で平滑され、CBライン36に向けて出力される。(ステップS14)。その結果、CB(1)端子とCB(2)端子が互いに連結されているので、CBライン電圧Vbm(1),Vbm(2)が等しくなり、その電圧値は、上記の電流制御電圧Vbo(1)=2.5V、Vbo(2)=2.0Vの平均値である2.25Vとなる。
次に、各スイッチング電源装置16は、電圧目標値設定部32がCBライン電圧Vbmを検出し、ステップS13で算出した電流制御電圧Vboと比較する(ステップS15,S16)。スイッチング電源装置16(1)の場合、ΔVb(1)=Vbo(1)−Vbm(1)=0.25Vであり、k1=0.1よりも大きいので、条件A1を満たす。一方、スイッチング電源装置16(2)の場合、ΔVb(2)=Vbo(2)−Vbm(2)=−0.25Vであり、−k2=−0.1よりも小さいので、条件A2を満たす。
次に、スイッチング電源装置16(1)は、条件A1を満たすのでステップS17に進み、電圧目標値設定部32(1)が、図3(a)の関係に基づき、直前の電圧目標値Vrを補正量Vk1だけ低下させる旨の電圧制御情報Sv1(1)を作成し出力する。その結果、主スイッチング素子26(1)のオン時間が短くなって出力電流Io(1)が減少し、当初の5Aが例えば4.8Aになる。
一方、スイッチング電源装置16(2)は、条件A2を満たすのでステップS18に進み、電圧目標値設定部32(2)が、図3(a)の関係に基づき、直前の電圧目標値Vrを補正量Vk2だけ上昇させる旨の電圧制御情報Sv1(2)を作成し出力する。その結果、主スイッチング素子26(2)のオン時間が長くなって出力電流Io(2)が増加し、当初の4Aが例えば4.2Aになる。負荷電流Io(all)は、9Aで一定である。
その後、上記のステップS11〜S18を何回か繰り返すうちに、出力電流Io(1)が5Aから徐々に減少し、出力電流Io(2)が4Aから徐々に増加し、やがてスイッチング電源装置16(1),16(2)の双方が条件Bを満たすようになり、出力電流Io(1),Io(2)が約4.5Aに収束してバランスされ、スイッチング電源装置16(1),16(2)の負担がほぼ均等化される。
ここで、出力電流バランスの精度について説明する。図3(a)のグラフから分かるように、第一規定値及び第二規定値の絶対値であるk1,k2を小さくすると、電圧差ΔVbの小さいときでもステップS17,S18が行われるようになるので、電流バランスの精度を相対的に高くすることができる。ただし、あまり小さくし過ぎると、各出力電流Io(1),Io(2)が収束するまでの時間が長くなる等、新たな弊害が発生するおそれがあるので注意する必要がある。また、スイッチング電源装置16の内部素子の特性ばらつきがあると、出力電流バランスの精度が悪くなるが、この問題については、スイッチング電源装置16を組み立てた後に試験を行い、各スイッチング電源装置16の電気特性のばらつき具合を測定し、必要に応じて電圧目標値設定部32に記録されたプログラムを書き換えるとよい(例えば、取得した自己電流信号Iaを補正する、図3に示す電圧制御情報Svに関する特性を補正する、図5に示す電流制御情報Siに関する特性を補正する)。電圧目標値設定部をデジタルプロセッサ内に設けると、ソフトの変更だけでキャリブレーションを行うことができ、出力電流バランスの精度を容易に確保することができる。
また、バランス制御の速度は、図3(a)の補正量Vk1,Vk2を大きくすれば、バランス制御のゲインが高くなるので、高速になる。ただし、あまり大きくし過ぎると、バランス制御系が発振するおそれがあるので注意が必要である。この場合、図3(b)に示すように、ΔVbの絶対値が大きいときは補正量Vk1,Vk2を大きくしておき、ΔVbの絶対値が小さくなると補正量Vk1,Vk2を小さくなるように設定すれば、出力電流Io(1),Io(2)を緩やかに収束させることができるので、発振の問題を回避しつつ、バランス制御の高速化を実現することができる。
以上説明したように、スイッチング電源装置16は、従来に比べて、出力電流制御用の回路を構成する部品の点数を格段に少なくすることができる。また、電圧目標値設定部32がデジタルプロセッサ内に設けてあるので、プログラムを書き換えるだけで、使用部品の個体差をキャンセルし出力電流Ioの制御の精度を向上させたり、電流制御のゲイン及び位相特性を自在に調整したりすることができる。また、スイッチング電源装置16を単体で使用する際、CB端子に対して外部から所定の直流電圧を印加してCBライン電圧Vbmを規定することにより、スイッチング電源装置16を定電流電源として使用することも可能である。
また、電源システム10は、スイッチング電源装置16を2台用意して並列運転する構成なので、各スイッチング電源装置16の出力電流Ioが精度よく均等化される。また、並列台数が3台以上でも、上記と同様に出力電流Ioのバランス制御が行われ、それと同時に、N+1冗長運転も実現できる。
次に、本発明の第二実施形態のスイッチング電源装置及びそれを用いた電源システムについて、図7〜図11に基づいて説明する。ここで、第一実施形態と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。第二実施形態の電源システムは、図1の電源システム10とほぼ同様の構成であるが、上記のスイッチング電源装置16に代えて第二実施形態のスイッチング電源装置42が2台使用されている。
スイッチング電源装置42は、図7に示すように、上記の電圧目標値設定部32に代えて電圧目標値設定部44が設けられ、上記の電流制御電圧出力部34に代えて電流制御電圧出力部46が設けられている。その他の構成は同じである。以下、構成の異なる部分について説明する。
電圧目標値設定部44は、ここではデジタルプロセッサ内に設けられ、駆動パルス出力部30の電圧目標値Vrを規定する電圧制御情報Svを出力すると共に、自己電流信号Iaに対応した電流制御情報Siを出力する機能を備えている。電圧目標値設定部44は、通常、電圧目標値Vrをデフォルト値Vr0にする旨の電圧制御情報Svを出力する。そして、CBライン36の電圧(CBライン電圧Vbm)を検出し、図8(a)に示す所定の条件を満たす場合に、直前の電圧目標値Vrを補正量Vk2だけ変化させる旨の電圧制御情報Svを出力する。電圧目標値Vrを補正するか否かの判断は、CBライン電圧Vbmを取得(サンプリング)する毎に繰り返し行われる。電圧制御情報Svについては、後で詳しく説明する。電流制御情報Siについては、上記と同様である。
電流制御電圧出力部46は、電圧目標値設定部44が出力した電流制御情報Siに基づいてパルス電圧V38を生成するパルス発生器38と、パルス電圧V38を平滑して出力する平滑回路40と、平滑回路40の出力を増幅する増幅回路48を備えている。すなわち、上記の電流制御電圧出力部34の構成に加えて、新たに増幅回路48が設けられている。
増幅回路48はエミッタフォロアの一種であり、図9(a)に示すように、ベースが平滑回路40の出力端に接続され、コレクタが直流電源Vccに接続されたNPN型の出力トランジスタ50と、出力トランジスタ50のエミッタとグランドとの間に接続された出力抵抗52とで構成され、出力トランジスタ50のエミッタがCBライン36に接続されている。したがって、出力トランジスタ50のベース・エミッタ間飽和電圧が小さいとして無視すれば、増幅回路48は、平滑回路40が出力する直流の電流制御電圧Vboを、CBライン36に向けて出力することができる(電圧増幅率は1倍)。なお、出力トランジスタ50のベース・エミッタ間飽和電圧の影響をキャンセルして温度補償を行う場合、図9(b)に示すように、出力トランジスタ50のベース側にPNP型の補助トランジスタ54と補助抵抗56とを設けるとよい。
次に、電圧目標値設定部44が出力する電圧制御情報Svについて説明する。電圧目標値設定部44は、CBライン電圧Vbmを検出し、電流制御情報Siに基づいて生成されるべき電流制御電圧Vbo(=Vh×Duty)と一致しない場合、その電圧差に応じて、電圧目標値Vrを補正する旨の電圧制御情報Svを出力する。
ここでは、図8(a)に示すように、電圧差ΔVbが第二基準値−k2(k2>0)以下のときに、直前の電圧目標値Vrを補正量Vk2だけ上昇させる旨の電圧制御情報Svを出力する。それ以外のときは電圧目標値Vrを補正せず、直前の値が維持されるように電圧制御情報Svを出力する。電圧目標値Vrを補正するか否かの判断は、CBライン電圧Vbmを取得(サンプリング)する毎に繰り返し行う。
補正量Vk2については、図8(b)に示すように、電圧差ΔVbが負の方向に大きくなるにつれて、徐々に大きくなるようにしてもよい。なお、スイッチング電源装置42の場合、電圧差ΔVbが正の値にならないので、第一基準値k1及び補正量Vk1が規定されていない。
第二実施形態の電源システムは、上述したスイッチング電源装置42(1),42(2)の2台で構成され、図1と同様に、IN(1),IN(2)端子が入力電源12の両端に接続され、OUT(1),OUT(2)端子が共通の負荷14に対して互いに並列に接続され、並列運転を行う構成になっている。さらに、CB(1),CB(2)端子も互いに連結されている。負荷14に流れ込む負荷電流Io(all)は、スイッチング電源装置42(1),42(2)の出力電流Io(1),Io(2)を合計した電流であり、ここでは常に一定の値であるとする。
次に、この電源システムの動作について、図10のフローチャートに基づいて説明する。ここでスイッチング電源42(1),42(2)は、2台で合計9Aの負荷電流Io(all)を出力しており、初期状態で、一方の出力電流Io(1)が5A、他方の出力電流Io(2)が4Aであり、バランスがとれていないとする。また、出力トランジスタ50(1),50(2)のベース・エミッタ間飽和電圧は十分小さいとして無視する。
図10のフローチャートの各ステップは、上述した図6のフローチャートと同様のステップについては同一の符号が付してあり、異なる点は、「条件A1の場合のステップS17」が削除されている点である。以下、各ステップについて順番に説明する。
まず、ステップS11,S12が行われ、スイッチング電源装置42(1)の場合、出力電流Io(1)=Ia(1)=5Aなので、図5(a)の関係に基づき、パルス発生器38(1)の第一レジスタ設定値D1を50にする旨の電流制御情報Si(1)が作成される。そして、「CB(1)端子が開放された状態で、パルス発生器38(1)から波高値Vh=5V、時比率Duty=0.5のパルス電圧V38(1)が出力された」と仮定し、電流制御電圧Vbo(1)として、波高値Vhに時比率Dutyを乗算した2.5Vが算出される(ステップS13)。
一方、スイッチング電源装置42(2)の場合、出力電流Io(2)=Ia(2)=4Aなので、パルス発生器38(2)の第一レジスタ設定値D1を40にする旨の電流制御情報Si(2)が作成される(ステップS11,S12)。そして、「CB(2)端子が開放された状態で、パルス発生器38(2)から波高値Vh=5V、時比率Duty=0.5のパルス電圧V38(2)が出力された」と仮定し、電流制御電圧Vbo(2)として、波高値Vhに時比率Dutyを乗算した2.0Vが算出される(ステップS13)。
次に、各スイッチング電源装置42の電圧目標値設定部44が、ステップS12で作成した電流制御情報Siを出力し、パルス発生器38が生成したパルス電圧V38が平滑回路40で平滑され、増幅回路48を介してCBライン36に向けて出力可能になる。(ステップS14)。
増幅回路48(1),48(2)は、CB(1)端子とCB(2)端子が互いに連結されているので、図11に示すように、ベース電位が高い出力トランジスタ50(1)だけが導通する。したがって、トランジスタ50(1)側の電流制御電圧Vbo(1)=2.5VだけがCBライン36(1),36(2)に現れ、CBライン電圧Vbm(1),Vbm(2)が共に2.5Vとなる。このとき、出力抵抗52(1),52(2)に流れる電流は、全て直流電源Vcc(1)から出力トランジスタ50(1)を通じて供給される。
次に、ステップS15,S16を行い、各電圧目標値設定部44がCBライン電圧Vbmを検出し、ステップS13で算出した電流制御電圧Vboと比較する。スイッチング電源装置16(2)の場合、ΔVb(2)=Vbo(2)−Vbm(2)=−0.5Vであり、−k2=−0.1よりも小さいので、条件A2を満たす。一方、スイッチング電源装置42(1)の場合、ΔVb(1)=Vbo(1)−Vbm(1)≒0Vであり、−k2=−0.1よりも大きいので、条件Bを満たす。
次に、スイッチング電源装置42(2)は、条件A2を満たすのでステップS18に進み、電圧目標値設定部44(2)が、図8(a)の関係に基づき、直前の電圧目標値Vrを補正量Vk2だけ上昇させる旨の電圧制御情報Sv1(2)を作成し出力する。その結果、主スイッチング素子26(2)のオン時間が長くなって出力電流Io(2)が増加し、当初の4Aが例えば4.1Aになる。
一方、スイッチング電源装置42(1)は、条件Bを満たすので、電圧目標値設定部44(1)は、図8(a)の関係に基づき、電圧目標値Vrを補正せずに直前の値を維持させる。したがって、出力電流Io(1)を自発的に変化させる動作は行われない。ただし、負荷電流Io(all)は9Aで一定であり、9Aのうちの4.1Aを出力電流Io(2)が受け持つことになるので、受動的に出力電流Io(1)が4.9Aに減少する。
その後、上記のステップS11〜S16,S18を何回か繰り返すうちに、出力電流Io(1)が5Aから徐々に減少し、出力電流Io(2)が4Aから徐々に増加し、やがてスイッチング電源装置42(1),42(2)の双方が条件Bを満たすようになり、出力電流Io(1),Io(2)がそれぞれ約4.5Aに収束してバランスされ、スイッチング電源装置42(1),42(2)の負担がほぼ均等化される。
以上説明したように、第二実施形態のスイッチング電源装置42及びこれを用いた電源システムは、上記のスイッチング電源装置16及び電源システム10と同様の作用効果を得ることができ、さらに、並列運転するスイッチング電源装置42の台数が多い場合でも容易に対応できるという利点がある。例えば、第一実施形態のスイッチング電源装置16を並列運転した場合、特定の1台の電流制御電圧出力部34(k)が、他の全ての電流制御電圧出力部34(2)〜34(n)に向かって電流を流さなければならない状況を考えると、1台当たりの負担を一定以下に抑えるため、並列運転の台数nを制限する必要がある。これに対して、スイッチング電源装置42及びこれを用いた電源システムの場合、増幅回路48の電流増幅作用によって、並列運転の台数nが多くても対応することができる。
また、この電源システムは、負荷14の直近の電圧(出力電圧Vo)が上昇する方向にのみ制御が行われるので、負荷14が過渡的な電圧低下を嫌うような場合に有利である。例えば、第一実施形態の電源システム10の場合、スイッチング電源装置16が出力電圧Voを低下させる機能を持っているため、電流のバランス制御を行う過程で電流バランスの制御系に外乱が入ると(例えば、CBライン36にノイズが侵入すると)、出力電圧Voが不必要に低下して負荷14に悪影響を与える可能性がある。これに対して、この実施形態の電源システムの場合、この種の外乱が入ったとしても、出力電圧Voが低下しないので安心である。
なお、スイッチング電源装置42を用いた電源システムの場合、主体的に出力電流Ioの制御を行うのが一方のスイッチング電源装置42だけなので、図1の電源システム10に比べると、バランス制御が収束するまでの時間が相対的に長くなる。この点については、上述したように、補正量Vk2を大きくしてバランス制御のゲインを高くする等して、制御の高速化を図るとよい。
次に、本発明の第三実施形態のスイッチング電源装置及びそれを用いた電源システムについて、図12〜図16に基づいて説明する。ここで、第一実施形態と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。第三実施形態の電源システムは、図1の電源システム10とほぼ同様の構成であるが、上記のスイッチング電源装置16に代えて第三実施形態のスイッチング電源装置58が2台使用されている。
スイッチング電源装置58は、図12に示すように、上記の電圧目標値設定部32に代えて電圧目標値設定部60が設けられ、上記の電流制御電圧出力部34に代えて電流制御電圧出力部62が設けられている。その他の構成は同じである。以下、構成の異なる部分について説明する。
電圧目標値設定部60は、ここではデジタルプロセッサ内に設けられ、駆動パルス出力部30の電圧目標値Vrを規定する電圧制御情報Svを出力すると共に、自己電流信号Iaに対応した電流制御情報Siを出力する機能を備えている。電圧目標値設定部60は、通常、電圧目標値Vrをデフォルト値Vr0にする旨の電圧制御情報Svを出力する。そして、CBライン36の電圧(CBライン電圧Vbm)を検出し、図13(a)に示す所定の条件を満たす場合に、直前の電圧目標値Vrを補正量Vk1だけ変化させる旨の電圧制御情報Svを出力する。電圧目標値Vrを補正するか否かの判断は、CBライン電圧Vbmを取得(サンプリング)する毎に繰り返し行われる。電圧制御情報Svについては、後で詳しく説明する。電流制御情報Siについては、上記と同様である。
電流制御電圧出力部62は、電圧目標値設定部60が出力した電流制御情報Siに基づいてパルス電圧V38を生成するパルス発生器38と、パルス電圧V38を平滑して出力する平滑回路40と、平滑回路40の出力を増幅する増幅回路64を備えている。すなわち、上記の電流制御電圧出力部34の構成に加えて、新たに増幅回路64が設けられている。
増幅回路64はエミッタフォロアの一種であり、図14(a)に示すように、ベースが平滑回路40の出力端に接続され、コレクタがグランドに接続されたPNP型の出力トランジスタ66と、出力トランジスタ66のエミッタと直流電源Vccとの間に接続された出力抵抗68とで構成され、出力トランジスタ66のエミッタがCBライン36に接続されている。したがって、出力トランジスタ66のベース・エミッタ間飽和電圧が小さいとして無視すれば、増幅回路64は、平滑回路40が出力する直流の電流制御電圧Vboを、CBライン36に向けて出力することができる(電圧増幅率は1倍)。なお、出力トランジスタ66のベース・エミッタ間飽和電圧の影響をキャンセルして温度補償を行う場合、図14(b)に示すように、出力トランジスタ66のベース側にNPN型の補助トランジスタ70と補助抵抗72とを設けるとよい。
次に、電圧目標値設定部60が出力する電圧制御情報Svについて説明する。電圧目標値設定部66は、CBライン電圧Vbmを検出し、電流制御情報Siに基づいて生成されるべき電流制御電圧Vbo(=Vh×Duty)と一致しない場合、その電圧差に応じて、電圧目標値Vrを補正する旨の電圧制御情報Svを出力する。
ここでは、図13(a)に示すように、電圧差ΔVbが第一基準値k1(k1>0)以上のときに、直前の電圧目標値Vrを補正量Vk1だけ低下させる旨の電圧制御情報Svを出力する。それ以外のときは電圧目標値Vrを補正せず、直前の値が維持されるように電圧制御情報Svを出力する。電圧目標値Vrを補正するか否かの判断は、CBライン電圧Vbmを取得(サンプリング)する毎に繰り返し行う。
補正量Vk1については、図13(b)に示すように、電圧差ΔVbが正の方向に大きくなるにつれて、徐々に大きくなるようにしてもよい。なお、スイッチング電源装置58の場合、電圧差ΔVbが負の値にならないので、第二基準値k2及び補正量Vk2が規定されていない。
第三実施形態の電源システムは、上述したスイッチング電源装置58(1),58(2)の2台で構成され、図1と同様に、IN(1),IN(2)端子が入力電源12の両端に接続され、OUT(1),OUT(2)端子が共通の負荷14に対して互いに並列に接続され、並列運転を行う構成になっている。さらに、CB(1),CB(2)端子も互いに連結されている。負荷14に流れ込む負荷電流Io(all)は、スイッチング電源装置58(1),58(2)の出力電流Io(1),Io(2)を合計した電流であり、ここでは常に一定の値であるとする。
次に、この電源システムの動作について、図15のフローチャートに基づいて説明する。ここでスイッチング電源58(1),58(2)は、2台で合計9Aの負荷電流Io(all)を出力しており、初期状態で、一方の出力電流Io(1)が5A、他方の出力電流Io(2)が4Aであり、バランスがとれていないとする。また、出力トランジスタ66(1),66(2)のベース・エミッタ間飽和電圧は十分小さいとして無視する。
図15のフローチャートの各ステップは、上述した図6のフローチャートと同様のステップについては同一の符号が付してあり、異なる点は、「条件A2の場合のステップS18」が削除されている点である。以下、各ステップについて順番に説明する。
まず、ステップS11,S12が行われ、スイッチング電源装置58(1)の場合、出力電流Io(1)=Ia(1)=5Aなので、図5(a)の関係に基づき、パルス発生器38(1)の第一レジスタ設定値D1を50にする旨の電流制御情報Si(1)が作成される。そして、「CB(1)端子が開放された状態で、パルス発生器38(1)から波高値Vh=5V、時比率Duty=0.5のパルス電圧V38(1)が出力された」と仮定し、電流制御電圧Vbo(1)として、波高値Vhに時比率Dutyを乗算した2.5Vが算出される(ステップS13)。
一方、スイッチング電源装置58(2)の場合、出力電流Io(2)=Ia(2)=4Aなので、パルス発生器38(2)の第一レジスタ設定値D1を40にする旨の電流制御情報Si(2)が作成される(ステップS11,S12)。そして、「CB(2)端子が開放された状態で、パルス発生器38(2)から波高値Vh=5V、時比率Duty=0.5のパルス電圧V38(2)が出力された」と仮定し、電流制御電圧Vbo(2)として、波高値Vhに時比率Dutyを乗算した2.0Vが算出される(ステップS13)。
次に、各スイッチング電源装置58の電圧目標値設定部60が、ステップS12で作成した電流制御情報Siを出力し、パルス発生器38が生成したパルス電圧V38が平滑回路40で平滑され、増幅回路64を介してCBライン36に向けて出力可能になる。(ステップS14)。
増幅回路64(1),64(2)は、CB(1)端子とCB(2)端子が互いに連結されているので、図16に示すように、ベース電位が低い出力トランジスタ66(2)だけが導通する。したがって、トランジスタ66(2)側の電流制御電圧Vbo(2)=2.0VだけがCBライン36(1),36(2)に現れ、CBライン電圧Vbm(1),Vbm(2)が共に2.0Vとなる。このとき、出力抵抗68(1),68(2)に流れる電流は、全て出力トランジスタ66(2)のコレクタ電流となって増幅回路64(2)に流れ込む。
次に、ステップS15,S16を行い、各電圧目標値設定部60がCBライン電圧Vbmを検出し、ステップS13で算出した電流制御電圧Vboと比較する。スイッチング電源装置58(1)の場合、ΔVb(1)=Vbo(1)−Vbm(1)=0.5Vであり、k1=0.1よりも大きいので、条件A1を満たす。一方、スイッチング電源装置58(2)の場合、ΔVb(2)=Vbo(2)−Vbm(2)≒0Vであり、k1=0.1よりも小さいので、条件Bを満たす。
次に、スイッチング電源装置58(1)は、条件A1を満たすのでステップS17に進み、電圧目標値設定部60(1)が、図13(a)の関係に基づき、直前の電圧目標値Vrを補正量Vk1だけ低下させる旨の電圧制御情報Sv1(1)を作成し出力する。その結果、主スイッチング素子26(1)のオン時間が短くなって出力電流Io(1)が減少し、当初の5Aが例えば4.9Aになる。
一方、スイッチング電源装置58(2)は、条件Bを満たすので、電圧目標値設定部60(2)は、図13(a)の関係に基づき、電圧目標値Vrを補正せずに直前の値を維持させる。したがって、出力電流Io(2)を自発的に変化させる動作は行われない。ただし、負荷電流Io(all)は9Aで一定であり、9Aのうちの4.9Aを出力電流Io(1)が受け持つことになるので、受動的に出力電流Io(2)が4.1Aに増加する。
その後、上記のステップS11〜S17を何回か繰り返すうちに、出力電流Io(1)が5Aから徐々に減少し、出力電流Io(2)が4Aから徐々に増加し、やがてスイッチング電源装置58(1),58(2)の双方が条件Bを満たすようになり、出力電流Io(1),Io(2)がそれぞれ約4.5Aに収束してバランスされ、スイッチング電源装置58(1),58(2)の負担がほぼ均等化される。
以上説明したように、第三実施形態のスイッチング電源装置58及びこれを用いた電源システムは、第二実施形態のスイッチング電源装置42及びそれを用いた電源システムと同様の作用効果を得ることができる。
また、この電源システムは、負荷14の直近の電圧(出力電圧Vo)が低下する方向にのみ制御が行われるので、負荷14が過渡的な電圧上昇を嫌うような場合に有利である。例えば、他の実施形態の電源システムの場合、スイッチング電源装置16,42が出力電圧Voを上昇させる機能を持っているため、電流バランスの制御系に外乱が入ると(例えば、CBライン36にノイズが侵入すると)、出力電圧Voが不必要に上昇して負荷14に悪影響を与える可能性がある。これに対して、この実施形態の電源システムの場合、この種の外乱が入ったとしても、出力電圧Voが上昇しないので安心である。
次に、本発明の第四実施形態のスイッチング電源装置及びそれを用いた電源システムについて、図17に基づいて説明する。ここで、第一実施形態と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。第四実施形態の電源システムは、図1の電源システム10とほぼ同様の構成であるが、上記のスイッチング電源装置16に代えて第四実施形態のスイッチング電源装置74が2台使用されている。
スイッチング電源装置74は、図17に示すように、上記の電圧目標値設定部32に代えて電圧目標値設定部76が設けられ、上記の電流制御電圧出力部34に代えて電流制御電圧出力部78が設けられている。その他の構成は同じである。以下、構成の異なる部分について説明する。
電圧目標値設定部78は、ここではデジタルプロセッサ内に設けられ、駆動パルス出力部30の電圧目標値Vrを規定する電圧制御情報Svを出力すると共に、自己電流信号Iaに対応した電流制御情報Siを出力する機能を備えている。電圧目標値設定部78は、電圧目標値設定部32と同様に、図3(a)の関係に基づく電圧制御情報Svを出力する。一方、電流制御情報Siは、後述する電流制御電圧出力部78が生成すべき電流制御電圧Vboを直接的に指定する情報である。
電流制御電圧出力部78は、電圧目標値設定部32が出力したデジタル信号である電流制御情報Siを直流の電圧(電流制御電圧Vbo)に変換して出力するデジタル・アナログ変換器であり、図17に示すように、理想的なデジタル・アナログ変換器17aと出力インピーダンス78bとで表わされる。デジタル・アナログ変換器78aは、電流制御情報Siに基づいて、自己電流信号Iaに対応した(例えば比例した)電流制御電圧Vboを生成し、所定の出力インピーダンス78aを介してCBライン36に向けて出力する。
第四実施形態の電源システムは、上述したスイッチング電源装置74(1),74(2)の2台で構成され、図1と同様に、IN(1),IN(2)端子が入力電源12の両端に接続され、OUT(1),OUT(2)端子が共通の負荷14に対して互いに並列に接続され、並列運転を行う構成になっている。さらに、CB(1),CB(2)端子も互いに連結されている。
この電源システムは、上記の電源システム10と同様に、図6のフローチャートに従って出力電流Io(1),Io(2)のバランス制御が行われる。
以上説明したように、第四実施形態のスイッチング電源装置74及びこれを用いた電源システムは、上記のスイッチング電源装置16及び電源システム10と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本発明のスイッチング電源装置は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、電力変換回路は、降圧チョッパ方式のコンバータに限定されず、その他のチョッパ方式、シングルエンディッドフォワード方式、フライバック方式、ブリッジ方式のコンバータでもよい。また、DC−DCコンバータ、AC−DCコンバータのいずれであってもよいし、入出力絶縁型か非絶縁型かも問わない。ただし、入出力絶縁型の場合、制御部内の各部、電圧検出回路、電流検出回路を、それぞれ入力側ブロックと出力側ブロックに区分して絶縁し、入力側及び出力側ブロックの間の信号や情報のやり取りについては、入出力が絶縁された信号伝達素子(例えば、フォトカプラ、フォトリレー、トランス、コンデンサ等)を通じて行うとよい。
また、スイッチング電源装置の駆動パルス出力部は、駆動パルス出力部30のようにアナログ信号処理によってパルス幅変調を行う構成にしてもよいが、デジタル信号処理によってパルス幅変調を行う構成にしても構わない。
また、図2のスイッチング電源装置16は、図3(a)もしくは図3(b)の関係に基づいて動作する電圧目標値設定部32が使用されているが、図8(a)もしくは図8(b)の関係に基づいて動作する電圧目標値設定部44に置き換えることができる。この場合、第一実施形態の電源システム10は、図10のフローチャートに従って出力電流のバランス制御が行われる。同様に、電圧目標値設定部32を、図13(a)もしくは図13(b)の関係に基づいて動作する電圧目標値設定部60に置き換えることができる。この場合、第一実施形態の電源システム10は、図15のフローチャートに従って出力電流のバランス制御が行われる。
また、図7のスイッチング電源装置42は、図8(a)の関係に基づいて動作する電圧目標値設定部44が使用されているが、図3(a)の関係に基づいて動作する電圧目標値設定部32に置き換えることができる。この場合、増幅回路48が設けられている関係で電圧差ΔVbが正の値にならないので、スイッチング電源装置42としての動作は実質的に同じである。同様に、図12のスイッチング電源装置58は、図13(a)の関係に基づいて動作する電圧目標値設定部60が使用されているが、図3(a)の関係に基づいて動作する電圧目標値設定部32に置き換えることができる。この場合、増幅回路64が設けられている関係で電圧差ΔVbが負の値にならないので、スイッチング電源装置58としての動作は実質的に同じである。したがって、電圧目標値設定部32に置き換えた電源システムの場合も、それぞれ、図10、図15のフローチャートに従って、出力電流のバランス制御が行われる。
また、増幅回路は、上記の増幅回路48,64のようなエミッタフォロアに限定されず、オペアンプ等を使用して構成してもよい。例えば、図18に示す増幅回路80は、オペアンプとダイオードとで構成された逆流防止機能付きボルテージフォロアであり、トランジスタ等で構成された増幅回路48と同様の機能及び動作を実現することができる。
また、図17のスイッチング電源装置74は、電流制御電圧出力部78の内部が、デジタル・アナログ変換器78aが出力インピーダンス78bを介して電流制御電圧Vboを出力するという構成であるが、図19に示すように、デジタル・アナログ変換器78aが増幅回路82を介して電流制御電圧Vboを出力するという構成に変更してもよい。増幅回路82は、例えば上記の増幅回路48,64,80等と同じものでよい。
また、図2のスイッチング電源装置16を並列運転させる電源システムを構成し、特定の1台を「補正量Vk1,Vk2=ゼロ」に設定してマスタ電源とし、その他を「補正量Vk1,Vk2=ゼロ以外の値」に設定してスレーブ電源とすることによって、いわゆるマスタ・スレーブ運転が可能になる。マスタ電源は、電圧目標値Vrがデフォルト値Vr0に維持されるので、出力電圧Voがデフォルト値Vr0に基づいて定まる一定の値に保持される。そして、各スレーブ電源が自己の電圧目標値Vrを変化させることによって全てのスイッチング電源装置(マスタ電源及びスレーブ電源)の出力電流がバランスされ、その結果、各スレーブ電源の出力電圧Voがマスタ電源の出力電圧Voに近づく。したがって、マスタ電源の電圧目標値設定部32に記録されているデフォルト値Vr0を書き換えることによって、全てのスイッチング電源装置の出力電圧Voを一律に可変することができる。
また、図9(a)や図14(a)のような増幅回路を用いる場合において、トランジスタのベース・エミッタ間飽和電圧の値や温度特性が無視できない場合には、電流制御電圧Vboを予測演算する際に、ベース・エミッタ間飽和電圧の影響を含めた形で予測演算を行えばよい。