JP5792116B2 - 2軸混練押出機 - Google Patents
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Description
ところが、このような2軸混練押出機で樹脂などの材料を混練している際に、混練部分では周期的な加振力が発生する。従来の2軸混練押出機では、強固な一体型のフレーム部材を用いることで加振力(2軸混練押出機に対して作用する振動力)を抑制するようにしている。しかし、近年では、2軸混練押出機に対しても低コスト化や軽量化のニーズがあり、高コストである強固な一体型のフレーム部材に代わって、軽量化され、且つ低コストに対応したフレーム部材が用いられている。このような軽量化されたフレーム部材を複数用いた2軸混練押出機であっても、特許文献1に開示されている技術を用いることで加振力を抑制するようにしている。
そこで、本願発明者らは、混練ロータの一端側(ドライブエンド側、DE)で2点支持されると共に混練ロータの他端側(ウォーターエンド側、WE)で1点支持されている3点支持構造の2軸混練押出機で加振力を発生させる解析予測(解析シミュレーション)を行った。解析シミュレーションの結果、本願発明者らは、DE側においても大きな振動が発生することを見出した。
また、動吸振器などを用いた振動対策の場合、部品点数の増加によるコスト上昇が避けられず、性能チューニング等も大掛かりなものになるという問題がある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、加振力が大きい場合であっても、フレーム部材の必要部位だけに振動低減部材で補強をすることで、駆動部側(DE側)に配備されたフレーム部材およびそれに支持される混練ロータの振動を低コストで抑制することができ、据え付けやメンテナンス作業も容易に行える2軸混練押出機を提供することを目的とする。
本発明に係る2軸混練押出機は、内部が空洞とされたバレルと、当該バレル内に挿入される左右一対の混練ロータと、当該混練ロータを回転させる駆動部とを備え、前記混練ロータを回転自在に支持するフレーム部材が当該混練ロータの軸方向に少なくとも3個備えられた2軸混練押出機において、前記少なくとも3個のフレーム部材のうち、2個のフレーム部材が駆動部側に配備され、且つ前記2個のフレーム部材には、前記混練ロータの回転で発生する加振力による振動を低減させる振動低減部材が設けられており、前記振動低減部材は、前記2個のフレーム部材の上部を掛け渡すように締結されていることを特徴とする。
好ましくは、前記振動低減部材は、前記フレーム部材の上面若しくはフレーム部材の側面の上部のいずれかで締結されているとよい。
好ましくは、前記振動低減部材は、十字形状で一体成形されているとよい。
なお、本発明の2軸混練押出機の最も好ましい形態は、内部が空洞とされたバレルと、当該バレル内に挿入される左右一対の混練ロータと、当該混練ロータを回転させる駆動部とを備え、前記混練ロータを回転自在に支持するフレーム部材が当該混練ロータの軸方向に少なくとも3個備えられた2軸混練押出機において、前記少なくとも3個のフレーム部
材のうち、2個のフレーム部材が駆動部側に配備され、且つ前記2個のフレーム部材には、前記混練ロータの回転で発生する加振力による振動を低減させる振動低減部材が設けられており、前記振動低減部材は、前記2個のフレーム部材の上部を掛け渡すように、且つ互いに交差するように締結されていることを特徴とする。
図1に示すように、2軸混練押出機1(以降、混練機1とも呼ぶ。)は、水平方向に沿って内部が空洞とされたバレル2と、このバレル2内に挿入可能な左右一対の混練ロータ3(混練スクリュ)と、この混練ロータ3を回転駆動させる駆動部4とから構成されている。
第1フレーム部材5の一方側、すなわちバレル2から離れる側には、第1フレーム部材5から水平方向に所定の距離を空けて第2フレーム部材6が設置されている。
さらに、第2フレーム部材6の一方側(図1で右側であってバレル2から最も離れた場所)には、混練ロータ3を回転駆動させるための駆動部4が設けられ、駆動部4と混練ロータ3とが直接連結されている。この駆動部4で発生した回転駆動力を混練ロータ3に伝達し、この混練ロータ3を回転駆動させている。このように混練機1は、左右一対の混練ロータ3を回転駆動させることで、PEやPPなどの樹脂材料を溶融しながら混練するようになっている。
以降、2軸混練押出機1の構成を詳しく説明する。
混練室11の中途部には、バレル2支持部材が下方に向けて突出するように形成されている。このバレル2支持部材は、下端側がフランジ状に形成され、直接コンクリートの基礎土台Mに対してアンカーボルトや逆L字型のレール状固定具などの締結具Sで固定されている。混練室11のウォータエンド側(他方側)には、混練室11の内周面と混練ロータ3との間に形成される材料の流路を開閉して、材料の混練度を調整するゲート式の混練度調整部17が設けられている。この空洞部に一対の混練ロータ3が回転自在に備えられている。
混練翼部18は、バレル2の混練室11に相当する位置に配備されている。混練翼部18は、材料を混ぜ合わせるのに適した翼を有しており、混練室11内で材料を混練する構成となっている。
混練ロータ3におけるドライブエンド側の端部には、混練ロータ3を回転駆動させる駆動部4が配備されている。この駆動部4の内部には、図示は省略するが、回転駆動力を発生させる駆動モータと、この駆動モータで発生した回転駆動力を減速しつつ一対の混練ロータ3に向けて分配する減速機とで構成されている。駆動部4は、内部で回転駆動力を分配し、分配された回転駆動力を2本の動力伝達軸19から出力する構成となっている。動力伝達軸19と混練ロータ3との間には、回転駆動力を伝達するカップリング20がそれぞれ設けられている。
また、第2スクリュ翼部15よりウォータエンド側の混練ロータ3は、ストレート円筒状の軸部として形成されている。この円筒状の軸部には、混練ロータ3を回転自在に支持する軸受部21が設けられている。混練ロータ3のウォータエンド側の端部には、混練ロータ3の内部に冷却水を送る冷却水供給部9が備えられている。この冷却水供給部9から混練ロータ3の内部に冷却水を供給することで、混練ロータ3の温度を調整できるようになっている。
このバレル2のドライブエンド(DE)側には、第1フレーム部材5(DE1)と第2フレーム部材6(DE2)とが連結部材7を介して一体的に連結されており、バレル2のウォータエンド(WE)側には、第3フレーム部材8(WE3)が連結されている。第1フレーム部材5は、バレル2のドライブエンド側端面に直接連結されており、第2フレーム部材6は、第1フレーム部材5から少し隔てた位置(例えば、1〜1.5m程度の間隔)に配置されている。なお、第2フレーム部材6と、第1フレーム部材5との間隔は、2軸混練押出機1の寸法によって異なる。
第1フレーム部材5及び第2フレーム部材6の下端側には、混練ロータ3側(上側)から基礎土台M側(下側)に向かって脚部が備えられている。この脚部の下端は、フランジ状に形成され、複数の締結具S(例えば、アンカーボルト)を用いて基礎土台Mに固定できるようになっている。
この第3フレーム部材8の上端側には、水平(軸心)方向に沿って軸孔が形成され、混練ロータ3のストレート筒状部を挿入できるようになっている。また、この軸孔の内周面には、それぞれ混練ロータ3を回転自在に支持する軸受部21が備えられている。
上に起立状に配備されており、直接コンクリートの基礎土台Mに対してアンカーボルトや逆L字型のレール状固定具などの締結具Sで固定されている。第1フレーム部材5〜第3フレーム部材8は、混練ロータ3やバレル2に加わる静荷重及び動的荷重を基礎土台Mに対して支持するものである。また、第2フレーム部材6〜第3フレーム部材8との間、即ち、本実施形態の2軸混練押出機1の全体の長さ(全長)は、約7mである。なお、2軸混練押出機1の全体の長さ(全長)は、当業者が通常実施する2軸混練押出機の範囲であれば、いずれの長さでもよい。例えば、約10m程度の長さであってもよい。
ところが、近年では、生産コスト削減を目的とした装置の大型化や、多様化する樹脂材料の混練性能を確保するための最適スクリュ形状の開発に伴い、これまでにない大きな加振力(2軸混練押出機1に対して作用する振動力)が発生するケースも出てきている。このような大きな加振力は、2軸混練押出機1の装置寿命に影響してしまうという問題がある。特に、ドライブエンド側のフレーム部材(第1フレーム部材5,第2フレーム部材6)は、軽量化のため小型化されており、混練ロータ3の振動による影響を受け易くなっている。その結果、ドライブエンド側のフレーム部材5,6が撓んでしまい、軸受部21などの各部材に大きな負荷がかかる虞がある。
図2は、混練ロータ3が回転している際の振動をコンピュータシュミレーションで解析して、得られた結果を示した図である。
図2に示すように、2軸混練押出機1の振動状態については、第3フレーム部材8(WE3)と第1フレーム部材5(DE1)との間の振動が大きく、それぞれの混練ロータ3は、軸心方向のいずれの位置であっても同位相で振動する。各部位ごとで見ると、第3フレーム部材8(WE3)と第1フレーム部材5(DE1)との間では同位相で振動し、第1フレーム部材5(DE1)と第2フレーム部材6(DE2)との間では逆位相で振動することが知見された。
本発明の2軸混練押出機1では、第1フレーム部材5と、第2フレームとの間に振動低減部材22,23を連結することで、第1フレーム部材5と第2フレーム部材6とが一体化され剛性が増し、混練ロータ3の振動を抑制することができる。
実施例及び比較例に用いられる混練機1は、上述のように第1フレーム部材5、第2フレーム部材6、バレル2支持部材、第3フレーム部材8の4つを備えており、これらで混練機1による荷重を支持するように構成されている2軸混練押出機1である。
[事例1]
図4に示すように、振動低減部材22,23は、2本の長尺の部材であり、第1フレーム部材5の上部と第2フレーム部材6の上部を掛け渡すように締結されている。この2本の振動低減部材22,23は、それぞれ第1フレーム部材5の上面の角側から第2フレーム部材6の上面の対面しない角側に向けて交差するように固定されている。このように、振動低減部材22,23は、フレーム部材の上方を交差するように連結されるため、それぞれの振動低減部材22,23の形状が異なっている。
[事例2]
図5に示す振動低減部材24は、図4に示すような2本からなる短冊状(断面形状:70mm×100mm)の振動低減部材22が十字形状で交差するように一体的に成形されたものである。即ち、この振動低減部材24は、振動低減部材24の中央から4つの梁部が略同じ長さで水平方向に突出するように形成されている。この振動低減部材24を十字形状に一体的に成形することで、振動低減部材24の剛性をさらに上げることができ、且つ2本からなる振動低減部材24同士の干渉することもなくなる。
上面左側から第2フレーム部材6の上面右側に掛け渡される。図5に示す振動低減部材24の両端部には、図4に示す振動低減部材22,23と同様に、円筒状の孔が複数設けられおり、ボルトなどの締結具Sが貫通可能となっている。十字状に成形された振動低減部材24は、円筒状の孔を貫通した締結具Sによって、第1フレーム部材5の上面及び第2フレーム部材6の上面に固定される。
[事例3]
図6に示す振動低減部材25は、2本の長尺の部材であり、第1フレーム部材5の側面と第2フレーム部材6の側面を繋ぐように締結されている。
一方、図示はしないが、振動を抑制する方法として、短冊状の直方体(断面形状:70mm×100mm)で形成された振動低減部材22を第1フレーム部材5の上面の角側から第2フレーム部材6の上面の対面する角側に向けて、非交差状に掛け渡すように固定する方法がある。即ち、2本の振動低減部材22が平行状態で配置されつつ、それぞれの2本の振動低減部材22が固定されている方法である。この方法も、振動を抑制する方法の一つとして挙げられる。
コンピュータシュミレーションを通じて、混練ロータ3を加振したときのDE側の軸受部21にかかる荷重の数値解析を行った。
図7は、DE側の軸受部21の位置での水平方向振動速度の結果をまとめたものである。
「補強なし」とは、第1フレーム部材5と第2フレーム部材6との間に、振動低減部材22,23を用いないことであり、即ち、第1フレーム部材5と第2フレーム部材6とがそれぞれ独立した状態のことである。
このような状態で混練ロータ3が回転すると、DE側の軸受部21にかかる荷重が最も大きい。図3に示すように、2軸の混練ロータ3が回転する際の反力が軸受部21を介してフレーム部材に伝達し、軸受の特定の位置に荷重がかかる。そのため、フレーム部材(
DE1,DE2)5,6は片持ち状態となり、フレーム部材(DE1,DE2)5,6の上端側(上部)の振動変位が大きくなる。「補強なし」の解析結果を振動速度100%とし、後述する振動低減部材22,23を用いた場合の解析結果と比較するときの基準とする。
「平行梁」とは、第1フレーム部材5の上面左(右)側と、第2フレーム部材6の上面左(右)側との間に、短冊状の振動低減部材22を直線上に架ける状態のことであり、即ち、第1フレーム部材5と、第2フレーム部材6とに架けられた2本の振動低減部材22が軸心方向に沿った状態のことである。
「クロス梁」は、「平行梁」と異なり、第1フレーム部材5と第2フレーム部材6との間に連結されている振動低減部材22,23が交差するように掛け渡されており、逆位相の加振力に伴うせん断力を振動低減部材の伸縮剛性で受けることができる。それ故、2つのフレーム部材(DE1,DE2)5,6が水平方向で互いに逆方向に変形することを防止することができる。
このように、第1フレーム部材5(DE1)の上部と、第2フレーム部材6(DE2)の上部との間を振動低減部材22,23で交差するように連結することで、駆動部4側(DE側)に設置されたフレーム部材(DE1,DE2)5,6及びそれに支持される混練ロータ3の振動を抑制することができる。この振動低減部材22,23は、鋼などの金属製の角材で製作されており、製作するコストを低くすることができる。また、振動低減部材22,23はボルトなどの締結具Sで固定されているため、脱着が容易であり、フレーム部材5,6に備えられた軸受けを交換することなどのメンテナンス作業も容易に行うことができる。
2 バレル
3 混練ロータ
4 駆動部
5 第1フレーム部材(DE1)
6 第2フレーム部材(DE2)
7 連結部材
8 第3フレーム部材(WE3)
9 冷却水供給部
10 第1スクリュ室
11 混練室
12 第2スクリュ室
13 ホッパ
14 第1スクリュ翼部
15 第2スクリュ翼部
16 バレル支持部材
17 混練度調整部
18 混練翼部
19 動力伝達軸
20 カップリング
21 軸受部
22 振動低減部材(下側)
23 振動低減部材(上側)
24 振動低減部材(十字形状)
25 振動低減部材(S字形状)
26 梁部
27 連結部
M 基礎土台
S 締結具
Claims (3)
- 内部が空洞とされたバレルと、当該バレル内に挿入される左右一対の混練ロータと、当該混練ロータを回転させる駆動部とを備え、前記混練ロータを回転自在に支持するフレーム部材が当該混練ロータの軸方向に少なくとも3個備えられた2軸混練押出機において、
前記少なくとも3個のフレーム部材のうち、2個のフレーム部材が駆動部側に配備され、且つ前記2個のフレーム部材には、前記混練ロータの回転で発生する加振力による振動を低減させる振動低減部材が設けられており、
前記振動低減部材は、前記2個のフレーム部材の上部を掛け渡すように、且つ互いに交差するように締結されている
ことを特徴とする2軸混練押出機。 - 前記振動低減部材は、前記フレーム部材の上面若しくはフレーム部材の側面の上部のいずれかで締結されていることを特徴とする請求項1に記載の2軸混練押出機。
- 前記振動低減部材は、十字形状で一体成形されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の2軸混練押出機。
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