以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1〜図13は本発明によるベビーカー、車輪保持機構(車輪保持装置)および制動機構(制動装置)の一実施の形態を説明するための図である。このうち、図1には、ベビーカーの全体構成が示されている。図1に示されたベビーカー10は、一対の前脚22および一対の後脚24を有するフレーム部15と、フレーム部15に揺動可能に連結された手押しハンドル13と、を有するベビーカー本体11を備えている。ベビーカー本体11の各前脚22の下端には、前車輪35を回転可能に保持する車輪保持機構30が設けられており、各後脚24の下端には、後車輪45を回転可能に保持する車輪保持機構40が設けられている。前車輪35用の車輪保持機構30は、車軸を介して、前輪35を回転可能に保持している。後車輪45用の車輪保持機構30は、図3に示すように、車軸49を介して、後輪45を回転可能に保持している。
後車輪45用の車輪保持機構40は、車輪45の回転を可能にした状態および車輪45の回転を規制した状態を切り換えることができる制動機構50を有している。この制動機構50によって後輪45の回転を規制することにより、ベビーカー10の移動を規制して停止した状態に保つことが可能となる。後車輪45用の車輪保持機構40については、後に詳述する。
本実施の形態のベビーカー10では、ハンドル13をフレーム部15に対して揺動させることにより、操作者(保護者)が乳幼児の背面側からハンドル13を把持してベビーカー10を操縦し、乳幼児が進行方向の前方を向くようにしてベビーカー10を走行させること(図1の状態、および、図2の二点鎖線で示す状態)、並びに、操作者が乳幼児に対面する前脚側の位置からハンドル13を把持してベビーカー10を操縦し、ベビーカー10の後脚側が進行方向の前方となるようにしてベビーカー10を走行させること(図2の実線で示す状態)、の両方が可能となっている。すなわち、ハンドル13は、図2に実線で示す対面押し位置と、図2に二点鎖線で示す背面押し位置と、に解放可能に固定され得るように構成されている。
図1に示すように、前脚22および後脚24に取り付けられた車輪保持機構30,40は、キャスターとして構成されており、回転軸線Laを中心として車輪35,45を回転可能に保持するだけでなく、回転軸線Laに交差して延びる旋回軸線Lbを中心として、車輪45および車輪45を保持する軸部材(車軸)を旋回させることができる。また、各車輪保持機構30,40には、旋回軸線Lbを中心とした車輪35,45の旋回を規制するためのロック機構(図示せず)が、内蔵されている。
ロック機構による車輪35,45の旋回の規制及び規制解除は、例えばJP2008−254688A、JP2008−254688A、JP2010−234988A等に開示されているように、ハンドル13の位置に連動して行われるようになっていてもよい。具体的には、前脚22および後脚24のうちの移動方向の前方に位置する脚に取り付けられた車輪保持機構30,40については、旋回軸線Lbを中心とした車輪35,45の旋回が可能となり、移動方向の後方に位置する脚に取り付けられた車輪保持機構30,40については、旋回軸線Lbを中心とした車輪35,45の回動が規制されるようにしてもよい。このような態様によれば、操作者(保護者)が乳幼児の背面側からハンドル13を把持してベビーカー10を操縦する場合、および、操作者が乳幼児に対面する前脚側の位置からハンドル13を把持してベビーカー10を操縦する場合のいずれにおいても、走行中にベビーカー10を滑らかに旋回させることができる。
なお、ハンドル13をフレーム部15に対して揺動可能とする構成や、旋回軸線Lbを中心とした車輪35,45の回動を規制するロック機構は、既知の構成、例えば、上述したJP2008−254688A、JP2008−254688A、JP2010−234988A等に開示された構成を、採用することができる。したがって、本明細書においては、これ以上の詳細な説明を省略する。
また、本実施の形態において、ベビーカー10は、広く普及しているように、例えばJP2008−254688Aに開示されているように、折り畳み可能に構成されている。具体的な一例として、ベビーカー10は、以下のように構成され得る。
ベビーカー本体11(ベビーカー10)は、全体的に、前後方向に沿った横方向中心面を中心として概ね対称な構成となっている。図1に示すように、本実施の形態におけるフレーム部15は、それぞれ左右に配置された一対の前脚22と、それぞれ左右に配置された一対の後脚24と、それぞれ左右に配置された一対のアームレスト28と、それぞれ左右に配置された一対の連結部材26と、を有している。前脚22の上方端部は、対応する側(左側または右側)に配置されたアームレスト28に回動可能(揺動可能)に連結されている。同様に、後脚24の上方端部が、対応する側(左側または右側)に配置されたアームレスト28に回動可能(揺動可能)に連結されている。また、連結部材26の上方部分が、対応する側(左側または右側)に配置されたアームレスト28の後方部分に回動可能(揺動可能)に連結されている。
フレーム部15は、左前脚22と左連結部材26とを連結する左側方部材18、および、右前脚22と右連結部材26とを連結する右側方部材18をさらに有している。各側方部材18は、その前方部分を前脚22の中間部分に回動可能に連結され、その後方部分を連結部材26の下方部分に回動可能に連結されている。また、フレーム部15は、左後脚24と左連結部材26とを連結する左ブラケット16、および、右後脚24と右連結部材26とを連結する右ブラケット16と、をさらに有している。各ブラケット16は、その一部分において後脚24の中間部分に回動可能(揺動可能)に連結され、他の部分において連結部材26の下方部分に回動可能に連結されている。
このような構成からなるフレーム部15に対し、ハンドル13が揺動可能に連結されている。ハンドル13は、U字の両端部を対応する側のブラケット16に回動可能(揺動可能)に連結されている。なお、ハンドル13のブラケット16に対する回動軸線(揺動中心)は、ブラケット16と連結部材26との回動軸線、および、連結部材26と側方部材18との回動軸線と一致している。また、背面押し位置にあるハンドル13は、アームレスト28または連結部材26と回動可能に連結されるようになる。
また、ベビーカー10の横方向(幅方向)に延びる部材として、一対の前脚22の間を連結するフットレスト17と、一対の車輪保持機構40の間を連結する後方連結部材19と、が設けられている。
以上のような全体構成を有したベビーカー10は、各構成部材を互いに回動させることにより、折り畳むことができる。具体的には、背面押し位置に配置されたハンドル13をいったん後上方に引き上げ、その後、下方に押し下げることによって、ブラケット16を後脚24に対し図2において時計回り方向に回動させる。この操作にともなって、アームレスト28および側方部材18は連結部材26に対し図2において時計回り方向に回動する。このような操作により、側面視においてハンドル13と前脚22とが接近して略平行に配置されるとともに、ハンドル13の配置位置が下げられるようになる。以上のようにして、ベビーカー10を折り畳むことができ、ベビーカーの前後方向および上下方向に沿った寸法を小型化することができる。一方、ベビーカー10を折り畳み状態から展開するには、上述した折り畳み操作と逆の手順を踏めばよい。
なお、本明細書中において、ベビーカーに対する「前」、「後」、「上」および「下」の用語は、特に指示がない場合、展開状態にあるベビーカー10に乗車する乳幼児を基準とした「前」、「後」、「上」および「下」を意味する。したがって、ベビーカー10の「前後方向」とは、図1における紙面の左下と右上とを結ぶ方向に相当する。そして、特に指示がない限り、「前」とは、乗車した乳幼児が向く側であり、図1における紙面の左下側がベビーカー10の前側となる。一方、ベビーカー10の「上下方向」とは前後方向に直交するとともにベビーカー10の接地面に直交する方向である。したがって、ベビーカー10の接地面が水平面である場合、「上下方向」とは垂直方向をさす。また、「横方向」とは幅方向であって、「前後方向」および「上下方向」のいずれにも直交する方向である。
次に、主に図3〜図13を参照しながら、後脚24の下端に設けられた車輪保持機構40について説明する。一対の後脚24の下端には、車輪保持機構40がそれぞれ設けられている。後輪用の二つの車輪保持機構40は互いに同一に構成されている。上述したように、車輪保持機構(車輪保持装置)40は、回転可能に保持された車輪(後輪)45を有し、且つ、この車輪45の回転を規制する制動機構50を含んだ機構である。具体的には、以下のように構成されている。
図3に示すように、車輪保持機構(車輪保持装置)40は、既に説明したように、車輪45を旋回可能且つ回転可能に保持している。具体的な構成として、車輪保持機構40は、制動機構50と、制動機構50に保持された車軸49と、車軸49に取り付けられた車輪45と、後脚24と制動機構50との間に配置されたキャスター部材41と、を有している。
キャスター部材41は、後脚24に固定された固定部42と、固定部40と旋回可能に連結され且つ制動部材50と固定された旋回部43と、を有している。この旋回部43は、車軸49によって画成される車輪45の回転軸線Laと交差する方向、典型的には回転軸線Laと直交する方向(旋回軸線Lb)を中心として、固定部42に対して回転可能となっている。そして、旋回部43が固定部42に対して回転することによって、車輪45が旋回軸線Lbを中心として旋回することができる。
旋回部43は、下方に向けて開口している収容部44を有している。収容部44aには、後に詳述する制動機構50の本体部材60の連結部62が下方から挿入される。制動機構50の本体部材60の連結部62には、車軸49が貫通する車軸用開口62aが形成されており、旋回部43にも、収容部44aに挿入された連結部62の車軸用開口62aに対面する位置に、貫通孔44bが形成されている。そして、車軸49は、本体部材60の車軸用開口62aおよび旋回部43の貫通孔44bを貫通して延びている。このように車軸49が、キャスター部材41の旋回部43および制動機構50の本体部材60の両方を貫通して延びているので、車軸49を利用して、キャスター部材41の旋回部43と制動機構50とをより安定して固定した状態に保つことができる。
なお、上述したように、キャスター部材41には、旋回部43の固定部42に対する回転を規制するためのロック機構が設けられている。このロック機構を含め、キャスター部材のその他の構成は、既知の構成、例えばJP2008−254688Aに開示された構成を採用することができる。したがって、本明細書においては、キャスター部材41に関する、これ以上の詳細な説明を省略する。
次に、制動機構50について説明する。図3〜5によく示されているように、制動機構50は、本体部材60と、本体部材60に対して一方向に摺動可能な摺動部材80と、本体部材60に揺動可能に取り付けられた揺動部材100と、を有している。摺動部材80は、本体部材60に対して、図4および図5に示された第1保持位置、および、図6に示された第2保持位置のいずれかに保持されるようになっている。本実施の形態において、摺動部材80は、本体部材60に保持されて、本体部材60に対して上下方向に摺動可能となっており、第2保持位置は、第1保持位置から摺動部材80の摺動方向dsに沿って一側(下側)にずれている。
図5および図6に示すように、摺動部材80は、揺動部材100と係合可能な操作片88を有している。揺動部材100は、第2保持位置から第1保持位置へ向けて摺動する摺動部材80の操作片88と係合可能な第1係合爪110と、第1保持位置から第2保持位置へ向けて摺動する摺動部材80の操作片88と係合可能な第2係合爪115と、を有している。揺動部材100は、第1係合爪110および第2係合爪115と摺動部材60の操作片88との係合により、摺動部材60が第1保持位置に保持されているとき第1位置に配置され、且つ、摺動部材60が第2保持位置に保持されているときに第2位置に配置される。
図3および図5に示すように、車輪45は、その回転軸線Laを中心として放射状に延び出る複数(図示する例では五つ)の突条46を有しており、揺動部材100は、突条46と係合し得るブレーキピン101を有している。揺動部材100が第1配置(規制解除位置)に配置されると、ブレーキピン101は突条46から離間して、車輪45の回転が可能となる。一方、揺動部材100が第2配置(解除位置)に配置されると、図6に示すように、ブレーキピン101は突条46の間に配置されて車輪45の回転が規制される。すなわち、摺動部材80が第2保持位置に保持されると、後輪45の回転が規制され、ベビーカー10の移動が規制される。
図示された制動機構50は、本体部材60に支持された付勢部材52を、さらに有している。付勢部材52は、摺動部材80の摺動方向(一方向)dsに沿って一側(下側、)から他側(上側)へ向けて摺動部材80を本体部材60に対して付勢する。そして、摺動部材80は、摺動方向dsに沿って上側から下側に向けて押圧される度に、付勢部材52の付勢力によって上側に戻されて保持されるようなになる位置が、図5に示された第1保持位置と図6に示された第2保持位置とで交互に変化するように、構成されている。付勢部材は、一例として、バネやゴム等の弾性部材から構成される。
また、図示された制動機構50は、本体部材60に動作可能に取り付けられた操作部材55を有している。この操作部材55を本体部材60に対して動作させることによって、摺動部材80を本体部材60に対して摺動させることができるようになっている。操作部材55は、操作レバーとして本体部材60に揺動可能に取り付けられている。操作部材55は、取り付けピン56を介して本体部材60に揺動可能に取り付けられている。また、操作部材55は、接続ピン57を介して摺動部材80に接続されている。操作部材55に設けられた接続ピン57が貫通するための穴55aは長穴となっている。このため、操作部材55の本体部材60に対する揺動動作が、摺動部材80の本体部材60に対する一方向dsへの摺動動作にスムースに変換されるようになっている。
以下、本体部材60、摺動部材80および揺動部材100の順で、これらの構成要素についてさらに詳述していく。
本体部材60は、第1部品61および第2部品77から形成されている。図8では、第2部品77が二点鎖線で示されている。また、図9〜図11には、第2部品77を取り除かれた本体部材60の第1部品61が、摺動部材80とともに示されている。第2部品77は、摺動部材80を収容するための収容空間を第1部品61とともに形成するためのカバーとして機能する。
この収容空間は、内部に収容された摺動部材80が一方向(摺動方向)dsのみに移動可能となるように構成されている。収容空間は上方に開口しており、図3〜図8に示すように、本体部材60の収容空間内に収容された摺動部材80は、本体部材60から上方に延び出ている。また、図5〜図7に示すように、本体部材80の収容空間を形成する部分には、摺動部材80の操作片88が通過し得る孔79が形成されている。この孔79は、摺動部材80の操作片88が一方向dsに摺動することに対応して、一方向dsに延びている。ここで説明する例では、操作片88がこの孔79の一側端および他側端に当接することによって、摺動部材80の一方向dsに沿った摺動可能範囲が画成されている。
第1部品61は、第2部品77を支持する本体部品として機能し、キャスター部材41と連結される上述の連結部62と、第2部品77を下方から支持する底部63と、底部63から上方に延び出した起立部65と、を有している。連結部62、底部63および起立部65は、一体的に形成されて第1部品61を構成している。連結部62には、車軸49が貫通するための貫通孔62aが形成されている。この貫通孔62aを貫通した車軸49の両側に、本体部材60を間に挟むようにして一対の車輪45が取り付けられている。また、起立部65の上方には、操作部材55を取り付けるための取り付けピン56が貫通する貫通孔66aが形成されている。さらに、第1部品61の起立部65および第2部品77には、揺動部材100を本体部材60に揺動可能に取り付けるための取り付けピン58が貫通する貫通穴66bが形成されている。なお、操作部材55を取り付けるための取り付けピン56が貫通する貫通孔66aは、操作部材55の揺動軸線Lcが車輪45の回転軸線Laと平行となるように形成されている。同様に、揺動部材100を取り付けるための取り付けピン58が貫通する貫通孔66bは、揺動部材100の揺動軸線Ldが車輪45の回転軸線Laと平行となるように形成されている。
起立部65は、摺動部材80に対面するようになる面として、言い換えると、摺動部材80を収容するための収容空間を形成するための面として、摺動部材80と係合して、収摺動部材80を第1保持位置または第2保持位置に保持するための係合面68を有している。図12に示すように、この係合面68は、第1隆起部70と、第1隆起部70の下方に位置する第2隆起部69と、を有している。第1隆起部70は、摺動部材60の摺動方向dsおよび車輪45の回転軸線Laの両方に直交する方向からの観察において、凸条の第1〜第3の角部70a〜70cおよび一つの凹条の第4角部70dを有した平面形状で、隆起している。係合面68の構成は、摺動部材80との係合によって、摺動部材80を第1保持位置または第2保持位置に保持するためのものであり、詳しくは、摺動部材80の対応する構成とともに、後述する。
次に、摺動部材80について詳述する。摺動部材80は、本体部材60に摺動可能に支持されたスライダー81と、スライダー81に支持された係合部品91と、を有している。スライダー81は、揺動部材100と係合する上述の操作片88を有している。図9〜図11に示されているように、操作片88は、摺動方向dsと交差する方向、好ましくは摺動方向dsと直交する方向、さらに好ましくは車輪45の回転軸線Laと平行な方向に向けて、本体部材60から突出している。図示された例では、摺動部材80は、回転軸線Laと平行な方向に沿った両側に向けて突出する一対の操作片88を有している。
本体部材60の外方に位置する各操作片88の先端部には、板状の頭部87が設けられている。なお、図3および図4以外の図面では省略しているが、本体部材60の第2部品77には、操作片88および頭部87を覆うためのカバー78が、設けられている。カバー78は、摺動部材80の操作片88の移動経路の少なくとも一部の区間に亘って延びている。このようなカバー78を設けることによって、本体部材60から露出して移動する操作片88および頭部87に、例えば外部の衣類等が絡まってしまうことを防止することができ、操作片88および頭部87の安定した摺動を確保することができる。
図8に示すように、スライダー81は、摺動方向に延びる細長状の部材として構成されている。スライダー81の上方部分には、操作部材55と接続されるための接続ピン57が貫通する貫通孔80aが形成されている。また、摺動部材80の摺動方向dsおよび車輪45の回転軸線Laの両方に直交する方向に延びる横断孔85が、スライダー81に形成されている。さらに、スライダー81には、下方に開口した受け孔83が形成されている。
一方、係合部品91は、図8に示されているように、スライダー81の横断孔85内に挿入された軸部95と、軸部95から延び出て本体部材60の係合面68と係合する腕部92と、を有している。係合部品91の腕部92は、スライダー81と本体部材60の係合面68との間を延びている。なお、スライダー81の係合面68に対面する側の面には、スペーサー突起82が設けられている。この結果、腕部92を配置するためのスペースが、本体部材60の起立部65と摺動部材80との間に確保されている。
スライダー81の受け孔83内には、付勢部材52が挿入されている。図示された例において圧縮バネとして構成された付勢部材52が、図8に示すように、本体部材60の底部63と、受け孔83を横切って延びる係合部品91の軸部95と、の間を延びている。結果として、付勢部材52は、係合部品91の軸部95を介し、スライダー81を摺動方向(上下方向)に沿って下側(一側)から上側(他側)に付勢している。
図8〜図11に示すように、係合部品91の腕部92は、その長手方向の両端となる部分に、係合片93bおよび姿勢保持片93aを有している。係合片93bおよび姿勢保持片93aは、スライダー81から離間する側へ向けて、すなわち、起立部65の側へ向けて突出している。係合片93bおよび姿勢保持片93aは、その突出方向に直交する断面において、円形状の断面形状となっている。そして、係合部品91の係合片93bと本体部材60の係合面68との係合によって、摺動部材80が摺動方向dsに沿って上側(他側)から下側(一側)に向けて押し切る度に、付勢部材52の付勢力によって上側に戻されて保持されるようなになる位置が、図5に示された第1保持位置と図6に示された第2保持位置とで交互に変化するようになる。なお、姿勢保持片93aは、本体部材60の起立部65に対する腕部92の姿勢(傾斜)を維持し、すなわち、腕部92が摺動方向dsに沿って延びるようにし、係合片93bと係合面68との安定した係合を確保するようになっている。
以下、係合片93bと係合面68との係合について詳述する。まず、図9に示すように、スライダー81の横断孔85は、摺動方向(一方向)dsにおける上側(他側)を平坦面85aとして構成されている。一方、係合部品91の軸部95は、その長手方向に直交する断面において、直線からなる長辺部95aと、長辺部95aよりも短い直線からなる短辺部と、摺動方向における一側に配置され、例えば弧(円弧または楕円弧)からなる曲線部95cと、によって囲まれた断面形状を有している。また、スライダー81の横断孔85の大きさは、係合部品91の軸部95の大きさよりも大きくなっている。このため、軸部95は、その長手方向を中心として、横断孔85内において回動し得るようになっている。
そして、係合部品91の軸部95は、付勢部材52によって、下方から上方へ向けて付勢されている。したがって、係合部品91に付勢部材52からの付勢力しか働いていない場合には、横断孔85の上側平坦面85aから軸部95の下側端までの摺動方向に沿った長さx(図9〜図11)が短くなるよう、図9に示された状態、すなわち、軸部95の長辺部95aが横断孔85の上側平坦面に接触した状態へと軸部95の向きが付勢される。この結果、摺動方向dsに直交する方向に沿った係合片93bの位置は、図10や図11に示された位置から、図9に示された位置へ向けて付勢されるようになる。
次に、係合部品91の係合片93bが接触するようになる本体部材60の係合面63について説明する。係合面68には、摺動部材80の側へ向けて突出した第1隆起部70と、第1隆起部70の下方に位置する第2隆起部69が設けられている。第1隆起部70は、三つの凸状角部70a,70b,70cと一つの凹状角部70dによって画成される四角形を面取りしてなる平面形状を有している。図12に示すように、第1状角部70aは、摺動方向dsにおいて最も他側(上側)に位置し且つ摺動方向dsに直交する方向において最も一方の側(図12における左側)に位置している。第2凸状角部70bは、摺動方向dsに直交する方向において最も他方の側(図12における右側)に位置している。また、第4凹状角部70dは、摺動方向dsに直交する方向において第2凸状角部70bと第3凸状角部70cとの間に配置されている。また、第2隆起部69の第1隆起部70に対面する側の輪郭は、第1隆起部70の第2隆起部69に対面する側の輪郭と相補的に形成されている。
ところで、図12には、付勢部材52に付勢された摺動部材が第1保持位置に保持されている場合に、係合部品91の係合片93bが配置されるようになる位置(係合片の付勢位置)が、実線で示されている。係合片の付勢位置は、摺動方向dsにおいて第1凸状角部70aよりも上側(他側)に位置し、摺動方向dsに直交する方向において第1凸状角部70aと第3凸状角部70cとの間に位置している。
以上の構成からなる摺動部材80および本体部材60においては、摺動部材80を本体部材60に対して、摺動方向に沿って摺動可能範囲内における他側端(上側端)から一側端(下側端)まで、摺動させる度に、係合片93bは、図12の矢印に沿って第1隆起部70の周囲の半周だけ移動する。なお、本実施の形態では、摺動部材80の摺動可能範囲の一側端(下側端)は、摺動部材80の操作片88が本体部材60の孔79の一側端(下側端)に接触することによって決定され、摺動部材80の摺動可能範囲の他側端(上側端)は、摺動部材80の操作片88が本体部材60の孔79の他側端(上側端)に接触することによって決定される。
まず、摺動部材80が摺動方向に沿って最も他側となる第1保持位置に配置されている場合、図8、図9および図12に示すように、摺動部材80の係合片93bは、本体部材60の第1隆起部70よりも上方に位置し、第1隆起部70から離間している。この状態から摺動部材80を摺動方向dsに沿って他側(上側)から一側(下側)へ向けて押すと、係合片93bが、第1隆起部70に接触し、第1隆起部70の第1凸状角部70aと第2凸状角部70bとを結ぶ斜面上を摺動する。このとき、摺動部材80の係合部品91は、付勢部材52の付勢力に抗し、軸部95の長辺部95aが横断孔85の平坦面85aと面接触している図9の状態から、図10に示すように軸部95の軸線方向を中心として回動する。とりわけ、係合片93が第2凸状角部70bの近傍を通過する際には、図10に示すように、軸部95の短辺部95bが横断孔85の平坦面85aと面接触するようになる。そして、摺動部材80がさらに一側に向けて摺動し、係合片93bが第1隆起部70の第2凸状角部70bを越えると、付勢部材52からの付勢力によって、軸部95の軸線方向を中心としてそれまでとは逆向きに回動する。この状況を、操作者は、手応えまたは音により、把握することができる。
ここで、或いは、摺動可能範囲の一側端(下側端)まで摺動部材80を移動させた後、摺動部材80の摺動方向dsにおける一側へ向けた押圧を解除する。すると、摺動動部材80は付勢部材52からの押圧により他側(上側)へ向けて移動する。そして、係合片93bが、第1隆起部70の第2凸状角部70bと第4凹状角部70dとの間の斜面及び/又は第2隆起部69に案内され、図12における点線の位置へ誘導されて凹状の第4角部70dに収まる。そして、付勢部材52の付勢力によって係合片93bは凹状の第4角部70dに収容された状態に維持される。このときの摺動部材80の位置が、図6に示された第2保持位置である。
第2保持位置にある摺動部材80を摺動方向dsに沿って他側から一側へ向けと再び押すと、係合片93bは、第1隆起部70の凹部70dと第3凸状角部70cとを結ぶ斜面および第2隆起部69に案内されながら、第1隆起部70の第3凸状角部70cを越える。この状況を、操作者は、手応えまたは音により、把握することができる。ここで、或いは、摺動可能範囲の一側端(下側端)まで摺動部材80を移動させた後、摺動部材80の摺動方向dsにおける一側へ向けた押圧を解除する。すると、摺動動部材80は、摺動可能範囲の他側端(上側端)まで付勢部材52からの押圧により他側(上側)へ向けて移動し、係合片93は第1隆起部70から離間した図12の実線の位置まで移動する。このときの摺動部材80の位置が、図5に示された第1保持位置である。
なお、係合片93が、第1隆起部70の第3凸状角部70cと第1凸状角部70aとを結ぶ斜面に案内されて、第1凸状角部70aの近傍を通過する際、図11に示すように、軸部95の長辺部95aと曲線部95cとの接続部のみが横断孔85の平坦面85aと接触するように、軸部95が回動している。そしてその後、摺動部材80が第1保持位置まで移動すると、係合片93bは、第1隆起部70の第1凸状角部70aと第2凸状角部70bとを結ぶ斜面の他側(上側)に配置されるようになる。
以上のようにして、摺動部材80を本体部材60に対して摺動方向dsに沿って他側から一側へ向けて摺動させる度に、付勢部材52の付勢力によって他側に戻されて保持されるようなになる位置が、第1保持位置と第2保持位置とで交互に変更されるようになる。
次に、図3〜図8に戻って、揺動部材100について詳述する。既に説明したように、揺動部材100は、摺動部材80の操作片88と係合して、摺動部材80が第1保持位置に保持されているときに第1位置に配置され、摺動部材80が第2保持位置に保持されているときに図6に示された第2位置に配置されるようになる。
図13に示すように、揺動部材100は、一対の板状部105と、一対の板状部105を結ぶ連結軸部103と、各板状部105から外方に延び出たブレーキピン101と、を有している。揺動部材100が第2位置に保持されているとき、図6に示すように、ブレーキピン101が車輪45の隣り合う二つの突条46の間に入り込み、車輪45の回転を規制する。一方、揺動部材100が第1位置に保持されているとき、図5に示すように、ブレーキピン101が車輪45の突条46から離間して、車輪45の回転が可能となる。
一対の板状部105は、摺動部材80の一対の操作片88に対応して、本体部材60を挟むようにして配置されている。そして、各板状部105には、揺動部材100を本体部材60に揺動可能に取り付けるための取り付けピン58が貫通する貫通孔106が、形成されている。既に上述したように、揺動部材100の揺動軸線Ldは、車輪45の回転軸線Laと平行になっている。なお、板状部105には、操作片88と係合する第1係合爪110および第2係合爪115が形成されている。操作片88と第1係合爪110または第2係合爪115との係合により、摺動部材80の摺動に応じて、揺動部材100が揺動するようになっている。この第1係合爪110および第2係合爪115については後に詳述する。
一対のブレーキピン101は、揺動軸線Ldと平行な方向に沿って両外方に向けて延び出している。図1に示すように、車輪保持機構40は、車輪45の回転軸線Laに沿った両外方に車輪45を保持している。各車輪45の車輪保持機構40と対面する側に、車輪45の回転軸線Laから法線状に延び出す突条46(図6参照)が形成されている。そして、一対のブレーキピン101は、対応する側の突条46と係合することができるようになっている。一対のブレーキピン101および連結軸部103は、車輪45の回転軸線Laに沿って一直線上に揃えられている。図13に示すように、板状部105とブレーキピン101との間には、ブレーキピン101を補強するための補強リブ107が形成されている。
連結軸部103は、本体部材60の下方を通過している。一方、図8に示されているように、底部63によって形成される本体部材60の下面には、連結軸部103を受けるための受け部(凹部)64が形成されている。揺動部材100の揺動軸線Ldに沿って観察した場合、受け部64の輪郭は、揺動部材100の揺動時における連結軸部103の移動軌跡に沿っている。また、図8によく示されているように、受け部64の両端は壁部64aおよび壁部64bによって画成されている。そして、揺動部材100が第1位置(規制解除位置)に配置された際に、連結軸部103が一方の壁部64aに隣接する位置に配置され、第1位置を越えての揺動部材100の揺動が規制されるようになっている。また、揺動部材100が第2位置(規制位置)に配置された際に、連結軸部103が他方の壁部64bに隣接する位置に配置され、第2位置を越えての揺動部材100の揺動が規制されるようになっている。すなわち、揺動部材100の本体部材60に対する揺動は、揺動部材100と本体部材60との接触により、第1位置(規制解除位置)と第2位置(規制位置)との間に規制される。
次に、揺動部材100の板状部105に形成された第1係合爪110および第2係合爪115について説明する。なお、第1係合爪110および第2係合爪115および板状部105は、車輪45の回転軸線Laに直交する面上、本例では、摺動部材80の各操作片88の突出方向に直交する面上を延びている。そして、板状部105の一部をなす第1係合爪110および第2係合爪115の側端面が、操作片88の側面と接触するようになる。
第1係合爪110は、摺動部材80の操作片88に摺動方向(一方向)dsにおける他側(上側)から接触する当接面111を有している。図6に示すように、摺動部材80が第2保持位置に保持されている際、当接面111は、摺動部材80の摺動時における操作片88の移動経路ra上に位置する。このため、当接面111は、第2保持位置から第1保持位置に向けて摺動する摺動部材80の操作片88と接触する。摺動部材80が第1保持位置に移動すると、当接面111は、摺動方向における他側(上側)から操作片88に隣接する位置まで移動する。このときの揺動部材100の位置が、図5に示された第1位置(規制解除位置)である。
なお、図5に示された状態において、付勢部材52によって一方向他側に付勢された摺動部材80は、操作片88が本体部材60の孔79の他側端に当接することによって、第1保持位置に保持されることになる。このとき、揺動部材100は、第1係合爪110が一方向dsの他側(上側)から操作片88に当接することにより、第2位置へ向けた第1位置からの揺動が規制される。同時に、揺動部材100の連結軸部103が本体部材60の壁部64aに当接することによって、揺動部材100の第1位置を越えた揺動、言い換えると、揺動部材100の第1位置から第2位置側とは逆側へ向けた揺動が規制される。このような制動機構50によれば、車輪45の回転が可能な状態を安定して維持することができる。
図5に示すように、第2係合爪115は、第1係合爪110から離間して設けられている。第1係合爪110および第2係合爪115の間には、くぼみ109が形成されている。図5に示すように、第1保持位置に保持された摺動部材80の操作片88は、第1係合爪110および第2係合爪115の間のくぼみ109内に配置され得るようになっている。なお、操作片88の先端には頭部87が設けられている。図5に二点鎖線で示すように、頭部87は、第1係合爪110の一部分および第2係合爪115の一部分を覆うように延びている。このような頭部87によれば、操作片88と、第1係合爪110または第2係合爪115との間に、衣類等が挟まれてしまうことを効果的に防止することができ、操作片88と、第1係合爪110または第2係合爪115との安定した係合を確保することができる。
図5に示すように、第2係合爪115は、摺動部材80が第1保持位置に保持されている場合に、摺動部材80の操作片88に対面する位置に配置される第1面116と、この第1面116に隣接する第2面117と、を有している。第2係合爪115の第1面116は、第1保持位置に保持された摺動部材80に対し、摺動部材80の摺動方向dsにおける一側(下側)から対面する。このため、第2係合爪115の第1面116は、第1保持位置から第2保持位置に向けて摺動する摺動部材80の操作片88と接触する。
摺動部材80が第2保持位置に移動すると、図6に示すように、揺動部材100の第2係合爪115は、操作片88の一方向(摺動方向)dsに沿った移動経路raから、当該一方向dsと交差する、とりわけ直交する側方にずれた位置に配置される。このときの揺動部材100の位置が、ブレーキピン101が車輪45の突条46と係合するようになる第2位置である。
なお、摺動部材80を第2保持位置に保持するためには、一方向dsに沿って第2保持位置を越えた他側(下側)の位置まで、揺動部材100をいったん押し込む必要がある。すなわち、図6に示された状態から、図7に示すように揺動部材100をさらに下方に押し込む必要がある。この際、図6に示すように、揺動部材100は、操作片88の一方向(摺動方向)dsに沿った移動経路raから、当該一方向dsと交差する、とりわけ直交する側方にずれた位置に配置されている。すなわち、揺動部材100は、操作片88の一方向(摺動方向)dsに沿った移動経路ra上に位置していない。このため、揺動部材100は、第1位置から第2位置へ向かう際、第2位置を越えて移動する必要がない。さらにここで説明する形態では、揺動部材100の連結軸部103が本体部材60に形成された受け部64の壁部64bに当接することにより、揺動部材100が第2位置を越えて移動することができなくなっている。
このような態様によれば、図6に示すように、ブレーキピン101と係合する突条46の深さを、第2位置にある揺動部材100のブレーキピン101の位置よりも深くする必要がない。したがって、図6に示すように、第2位置にある揺動部材100のブレーキピン101が、隣り合う二つの突条46の間の谷部の近傍に位置するようにすることができ、ブレーキピン101と突条46との安定した係合を確保して、車輪45の回転を安定して規制することができる。また、突条46の長さを長くしたり、これにともなってブレーキピン101の移動ストロークを長くしたりする必要がない。これにより、制動部材50を小型化することも可能となる。また、制動部材50を大型化させる必要がないので、これまでの既存の車輪保持機構およびベビーカーに対して、この制動部材50を適用することもできる。
また、図6に示すように、摺動部材80が第2保持位置に保持されたとき、揺動部材100の第2係合爪115は、操作片88の一方向(摺動方向)dsに沿った移動経路raから、当該一方向dsと交差する、とりわけ直交する側方にずれた位置に配置される。そして、第2位置にある揺動部材100は、第2係合爪115が操作片88へ一方向dsと交差する方向から当接することによって、第1位置へ向けた第2位置からの揺動が規制されるようになる。したがって、摺動部材80が第2保持位置に保持されている間、揺動部材100が第2位置に保持され、ブレーキピン101と車輪40の突条46との係合が確保され続け、車輪45の回転が規制される。
このような態様によれば、例えばベビーカー10が傾斜面上に位置している等の理由から、ベビーカー10の車輪45を回転させようとする力が働いたとしても、意図せず偶発的にブレーキピン101と車輪40の突条46との係合が解除されることを効果的に防止することができる。したがって、ベビーカー10をより安定して停止した状態に維持することができる。
とりわけ、ここで説明する形態では、第2係合爪115は、第1面116に隣接する第2面117を有している。そして、摺動部材80が第2保持位置に保持されているとき、第2面117が、摺動部材80の操作片88に一方向(摺動方向)dsと直交する側方から対面する位置に配置され、この第2面117が操作片88に当接することによって、揺動部材100の第1位置(規制解除位置)へ向けた第2位置(規制位置)からの揺動が規制される。図6に示すように、揺動部材100の揺動時における第2面117の移動経路rbは、摺動部材80の摺動方向(一方向)dsと交差しており、摺動部材80の摺動時における操作片88の移動経路raを横切っている。そして、第2保持位置に保持された摺動部材80の操作片88は、揺動部材100の揺動時における第2面117の移動経路rb上に位置する。このため、操作片88が第2係合爪115の第2面117と係合することにより、揺動部材100を第2位置に極めて安定して保持して車輪45の回転を規制することができる。
さらに、ここで説明する形態では、第2係合爪115の第2面117は、摺動部材80が第2保持位置に保持されているときに、摺動部材80の摺動方向(一方向)dsと平行に延びている。これにより、操作片88が第2面117からの力を分散して受けることができる。したがって、制動機構50の破損等も効果的に防止され、揺動部材100を第2位置に極めて安定して保持し、車輪45の回転を規制することができる。なおこのよう作用効果を期待する観点からは、摺動部材80が第2保持位置に保持されている場合に、第2面117と対向するようになる操作片88の面が、摺動部材80が第2保持位置に保持されている場合に、第2面117と平行に延びることが好ましい。
なお、このような操作片88を用いた揺動部材100の第1位置へ向けた第2位置からの揺動規制は、摺動部材80が、摺動方向(一方向)の一側へ向け、第2保持位置を越えて摺動可能範囲内の一側端まで移動する間にも発揮されることが好ましい。すなわち、図7に示すように、摺動部材80が摺動可能範囲内の最も一側に位置する場合、ここで説明する形態では、摺動部材80の操作片88が長孔97の一側端に当接している場合においても、第2係合爪117が、操作片88の一方向に沿った移動経路raから側方にずれた位置に配置され、第2係合爪117が操作片88へ一方向dsと交差する方向から当接することによって、揺動部材100の第2位置からの揺動が規制されることが好ましい。また、摺動部材80が摺動可能範囲内の最も一側に位置する摺動部材80の操作片88が、揺動部材100の揺動時における第2面117の移動経路rb上に位置していることが好ましい。
ところで、上述のJP2005−14894Aに開示された制動機構では、操作部材のブレーキピンを車輪に設けられた二つの突起部の間に嵌め込むことにより、ブレーキピンと突起部との係合状態を維持するように構成されていた。このような従来の構成を採用すると、突起部の形状が制約され、車輪の回転位置によっては、ブレーキピンが突起部の頂部に衝突して、ブレーキピンを二つの突起部間に嵌め込むことができないこともある。この場合、車輪の回転を規制してベビーカーにブレーキを掛けるためには、単にブレーキピンを操作するだけでなく、車輪の回転位置を予め調節するといった手間が必要となっていた。これに対して、本実施の形態による制動機構50では、このような従来の不具合を回避することも可能となり、ベビーカー10の車輪45の回転を規制した状態およびベビーカー10の車輪45の回転を可能にした状態の切り換えを極めて容易に行うことが可能となる。
以上のような本実施の形態においては、摺動部材80が第2保持位置に保持されているとき、第2位置(規制位置)に位置する揺動部材100の第2係合爪115が、操作片88の一方向dsに沿った移動経路raから側方にずれた位置に配置され、第2係合爪115が一方向dsと交差する方向から操作片88へ当接することによって、揺動部材100の第2位置からの第1位置へ向けた揺動が規制される。このため、車輪45の回転を安定して規制することが可能となる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、変形の一例について説明する。
上述した実施の形態において、制動機構50が車輪保持機構40に組み込まれている例を示したが、これに限られない。制動機構50が、例えば後方連結部材19に支持され、別途に構成された車輪保持機構の車輪または車軸と係合して、車輪の回転を規制するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態において、第1保持位置と第2保持位置とのいずれかに摺動部材80が保持されることを可能にする構成の一具体例を説明した。しかしながら、上述の構成は一例に過ぎず、例えばWO2010/143300に開示された構成を採用する等、摺動部材80を第1保持位置または第2保持位置の保持するための構成を適宜変更することができる。
さらに、上述した実施の形態において、揺動部材100の揺動にともなってブレーキピン101と車輪45の突条46とが係合し、車輪45の回転が規制されるようなる構成の一具体例を説明した。しかしながら、上述の構成は一例に過ぎず、車輪45の回転を規制するための揺動部材100と車輪45または車軸49との係合は、どのような構成で実現されてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、操作レバーとして構成された操作部材55を介して、摺動部材80を動作させる例を示したがこれに限られない。操作部材55の構成を適宜変更してもよいし、操作部材を省略してもよい。
さらに、上述した実施の形態では、制動機構50がキャスター部材41を介して脚24に固定される例を示した。しかしながら、制動機構50が直接脚24に固定されてもよい。すなわち、制動機構50を有した車輪保持機構40が、車輪を旋回不可能に保持するようにしてもよい。
さらに上述した説明では、左右の後脚24にそれぞれ設けられた車輪保持機構40が同一に構成されている例を示したが、これに限られない。例えば、一方の車輪保持機構40の摺動部材80の動作を他方の車輪保持機構40の摺動部材80に伝達する伝達機構が設けられていてもよい。このような変形例によれば、一方の車輪保持機構40を操作することによって、左右両方の車輪保持機構40を操作することが可能となる。
さらに、上述した車輪保持機構40が、前脚22に取り付けられるようにしてもよいし、前脚22および後脚24に取り付けられるようにしてもよい。さらに、上述した車輪保持機構40が、片側の後脚24のみに取り付けられるようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態において説明したベビーカー10のベビーカー本体11の構成は、単なる例に過ぎない。例えば、折り畳み不可能にフレーム部15を構成するようにしてもよい。また、上述した実施の形態において説明したベビーカー10のベビーカー本体11において、ハンドル13が背面押し位置と対面押し位置との間を揺動可能に構成されている例を示したが、これに限られず、ハンドル13が背面押し位置に固定されたままに構成されていてもよい。
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。