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JP5807656B2 - 青果物用包装袋および青果物包装体 - Google Patents
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JP5807656B2 - 青果物用包装袋および青果物包装体 - Google Patents

青果物用包装袋および青果物包装体 Download PDF

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Description

本発明は、青果物用包装袋および青果物包装体に関するものである。
青果物は、大気よりも適度な低酸素、高二酸化炭素環境下においては呼吸が抑制されて劣化や追熟が軽減され、過度な低酸素、高二酸化炭素環境下においては異常代謝によって異臭、トロケなどの劣化が促進されることが知られている。
近年、この原理を利用して青果物の鮮度保持を行う包装の実用化が進んでいる。これは、青果物を包装し、青果物自身の呼吸速度と包材のガス透過速度のバランスによって包装内のガス濃度を青果物の保存に適した雰囲気にするものであり、MA(Modified Atmosphere)包装と呼ばれている。
しかしながら、通常、青果物の包装用に使用されているポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルムのようなフィルムを包装袋としてそのまま使用すると、ガス透過速度不足によって包装体内の酸素が不足することに起因して青果物が異常呼吸を行い、青果物の劣化が促進される。そのため、包装袋の酸素透過速度を包装した青果物の呼吸速度に適したものにするため、フィルムに微細孔等を加工しなくてはならなかった。
そこで、例えば、特許文献1では、少なくとも最内層が熱融着性樹脂層からなる多層フィルムに、孔径が数μm〜数十μmの微細な貫通あるいは未貫通の孔を無数に形成することにより、その多層フィルムの酸素透過度を制御する青果物の鮮度保持包材について記載されている。しかしながら、この方法では、フィルムに無数の傷をつけるため、フィルムが白っぽくなって透明性が低下し、中には異物が付着しているように見えて見栄えが悪くなるという欠点があり、加工に関しても、ダイヤモンドの粉末を付着させた特殊なロールにフィルムを押し付けてフィルムを削るため、きわめて特殊な装置が必要であり、多種多様な青果物の呼吸速度や特性に合わせた多種類のフィルムを量産することが困難であった。
したがって、加工が容易で青果物の呼吸速度等の特性に合わせた酸素透過速度を有し、さらに、フィルムの見栄えが悪くないMA包装を実現可能な青果物用包装袋の開発が求められている。
特開平9−252718号公報
本発明の目的は、フィルムへの加工が容易であり、加工を施してもフィルムの見栄えが悪くなることなくMA効果による青果物の鮮度保持が可能である青果物用包装袋、およびかかる青果物用包装袋で包装された青果物を備える青果物包装体を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜()に記載の本発明により達成される。
(1) バナナおよびホウレンソウのうちの少なくとも1種の青果物を包装するために用いられ、合成樹脂フィルムで構成される青果物用包装袋であって、
前記青果物は、100〜450g/袋で包装され、
前記合成樹脂フィルムは、1個以上の長尺状をなす開口部を有し、
当該青果物用包装袋に対して1/2の容積の前記青果物を、前記青果物用包装袋で包装した状態Aにおける、前記開口部の最大幅Wは、0.001mm以上、25mm以下、前記開口部の長さLは、0.01mm以上、25mm以下、
前記合成樹脂フィルムの厚さTは、0.01mm以上、0.1mm以下、
前記状態Aにおける、前記開口部の最大幅Wと、前記合成樹脂フィルムの厚さTとの比W/Tは、0.01以上、2500以下、
前記状態Aにおける、前記開口部の長さLと、前記開口部の最大幅Wとの比L/Wは、0.2以上、2500以下、
前記状態Aにおける、包装される前記青果物100gあたりに対する開口部の長さの合計ΣL(100g)は、0.025mm以上、10mm以下、
かつ、包装される前記青果物100gあたりに対する開口部の最大幅の合計ΣW(100g)は、0.0025mm以上、10mm以下であることで、
当該青果物用包装袋で前記青果物を包装した青果物包装体の内部における酸素濃度および二酸化炭素濃度が、それぞれ、0.04〜19%および2〜26%に設定されるよう構成されていることを特徴とする青果物用包装袋。
) 当該青果物用包装袋に対して3/4の容積の前記青果物を、前記青果物用包装袋で包装した状態Bにおける、前記開口部の最大幅Wは、0.0013mm以上、33mm以下である上記()に記載の青果物用包装袋。
) 上記(1)または(2)に記載の青果物用包装袋と、該青果物用包装袋で包装された青果物とを有することを特徴とする青果物包装体。
本発明の青果物用包装袋のように、1個以上の長尺状をなす開口部を有する構成とすることで、包装する青果物の呼吸速度等の特性に合わせた酸素透過速度および炭酸ガス透過速度を実現することができる。その結果、包装体が青果物の保存に適した酸素濃度および炭酸ガス濃度を維持することができるようになる。すなわち、MA(Modified Atmosphere)包装が実現可能となる。また、合成樹脂フィルムに、長尺状をなす開口部を形成するだけで、MA包装が実現可能となるため、すなわちMA効果を得ることができるため、合成樹脂フィルムの見栄えが悪くなるのを的確に防止することができる。
特に、本発明では、青果物用包装袋に対して1/2の容積の青果物を、青果物用包装袋で包装した状態Aにおける、長尺状をなす開口部の最大幅Wは、0.001mm以上、25mm以下となっている。これにより、包装体は、青果物の保存により適した酸素濃度および炭酸ガス濃度を維持することができるようになる。そのため、包装袋は、より優れたMA効果を発揮するものとなる。
以下、本発明の青果物用包装袋および青果物包装体について、好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の青果物用包装袋は、この袋中に密閉した状態で青果物を包装するために用いられるものであり、本発明の青果物包装体(以下、単に「包装体」と言うこともある。)は、青果物用包装袋と、この青果物用包装袋(以下、単に「包装袋」と言うこともある。)で密閉した状態で包装された青果物と、を有している。
青果物としては、特に限定されず、例えば、バナナ、マンゴー、ウメ、リンゴ、イチゴ、ミカン、ブドウ、和梨、西洋梨のような果実類、ダイコン、ニンジン、ナガイモ、ゴボウのような根菜類、トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、エダマメ、オクラのような果菜類、緑豆モヤシ、大豆モヤシ、トウミョウのような芽物類、シイタケ、シメジ、エリンギ、マイタケ、マツタケのような菌茸類(キノコ類)、ブロッコリー、ホウレンソウ、コマツナ、チンゲンサイ、レタス、アスパラガスのような葉茎菜類、キク、ユリ、カーネーション等の花卉または苗が挙げられ、これらの何れであっても、包装袋で包装することができる。
青果物用包装袋は、このような青果物を包装するために用いられ、合成樹脂フィルムで構成されるものであり、通常、開口部を有するシール袋である。
このような青果物用包装袋の製作方法には、各種方法が挙げられ特に限定されないが、例えば、2枚の合成樹脂フィルムを重ね合わせた状態、または1枚の合成樹脂フィルムを折り重ねた状態で、3辺または2辺を熱シールにより融着させて袋を形成し、1辺において開口する開口部を設ける構成とすることで袋体としての形状が形成される。
合成樹脂フィルムの材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ナイロン(ポリアミド)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペートおよびポリ乳酸等が挙げられる。また、合成樹脂フィルムは、半合成樹脂フィルムであってもよく、その材質としては、例えば、セロハン等が挙げられる。これらのうちのいずれかの材質を単独あるいはラミネートして用いればよい。なお、青果物用包装袋は、これらフィルムと金属箔、紙や不織布とを貼り合わせた袋でもよい。
また、この合成樹脂フィルムは、延伸加工、防曇加工や印刷が施されていてもよく、銀、銅のような無機系抗菌剤や、キチン、キトサン、アリルイソチオシアネートのような有機系抗菌剤が塗布されたものであってもよいし、これらがフィルム中に練り込まれているものであってもよい。
かかる構成の青果物用包装袋において、開口部を介して青果物が袋内に配置され、その後、開口部を密閉することで、青果物用包装袋により青果物が包装される。
なお、開口部を密閉する密閉方法としては、特に限定されず、例えば、開口部を金属または樹脂製かしめ、輪ゴム、テープおよびジッパー等で縛る方法、または開口部をのり付け、または熱圧着(ヒートシール)する方法等が挙げられる。
さらに、ヒートシールに適さない合成樹脂フィルムを用いる場合には、開口部にシーラント層をラミネートあるいはコーティングすることで形成すればよい。例えば、アクリル樹脂をコーティングしたセロハンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)に線状低密度ポリエチレン(LLDPE)ポリスチレンとEVAをラミネートしたフィルムが挙げられ、これらを合成樹脂フィルムとして用いることができる。
このような青果物の包装袋による包装は、青果物の収穫の後に行われ、包装体とした状態で、輸送した後に、市場や量販店で陳列して販売される。
この青果物用包装袋において、本発明では、合成樹脂フィルムは、1個以上の長尺状をなす開口部(長孔)を有している。このような切れ込みを有することで、包装する青果物の呼吸速度等の特性に合わせた酸素透過速度および炭酸ガス透過速度を実現することができる。その結果、包装体が青果物の保存に適した酸素濃度および炭酸ガス濃度を維持することができるようになる。すなわち、MA(Modified Atmosphere)包装が実現可能となる。また、合成樹脂フィルムに、切れ込みを形成するだけで、MA包装が実現可能となるため、すなわちMA効果を得ることができるため、合成樹脂フィルムの見栄えが悪くなるのを的確に防止することができる。
なお、本願明細書中において、「長尺状をなす開口部」とは、青果物を包装袋で包装する前において、その長辺の長さが幅(短辺)よりも大きくなっているものを言い、かかる関係を満足すれば、その形状はいかなるものであってもよい。
具体的には、長尺状をなす開口部(以下、単に「開口部」と言うこともある)の形状としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、1本の直線型(I字型)をなす形状であってもよいし、S字型、U字型、半円形、波型のような曲線部を有する形状、V字型、X字型、L字型、H字型、T字型、W字型、コ字型のような角部を有する形状であってもよいが、中でも、1本の直線型をなす形状であるのが好ましい。開口部をかかる形状を有するものとすることで、包装袋に対して1/2の容積の青果物を、包装袋で包装した状態とした際に、その開口部の最大幅Wを、容易に0.001mm以上、25mm以下に設定することが可能となる。
また、開口部の形状は、それぞれ、同一である必要はなく、上述したような形状のものが組み合わされていてもよい。さらに、開口部が合成樹脂フィルムに2つ以上形成されている場合、複数の開口部は、同一であっても異なっていてもよい。
さらに、合成樹脂フィルムへの開口部の加工は、カッターのような鋭利な刃物を用いて切ることで切れ込み(スリット)を形成するようにしてもよいし、所望の形状の開口部ができるようにした型でパンチ孔を打ち抜くことで行うようにしてもよい。また、その他、レーザーによる貫通孔の加工によっても形成可能である。
また、開口部の加工時期は、特に限定されず、合成樹脂フィルムの製作時に行ってもよいし、合成樹脂フィルムを袋状とするのとほぼ同時、または袋状とした後に行ってもよい。
より具体的には、例えば、ロールの状態のフィルムに開口部を加工する場合、開口部は、印刷やスリット等の形成と同時並行して加工することもでき、横ピロー機や縦ピロー機等の自動包装機で青果物を包装する際に加工することもできる。また、開口部の加工は、手作業でも可能であり袋1枚でも容易に作製可能である。
このような開口部を1個以上有する包装袋を備える包装体では、その内部における酸素濃度は、0.04〜19%であり、炭酸ガス濃度は、2〜26%であることが好ましく、酸素濃度は、0.1〜10%であり、炭酸ガス濃度は、5〜15%であることがより好ましい。酸素濃度が前記下限値未満であったり二酸化炭素(炭酸ガス)濃度が前記上限値を超えると、包装する青果物の種類によっては、青果物はガス障害を起こして異臭、トロケおよび内部褐変等の劣化を生じやすくなるおそれがある。これに対して、酸素濃度が前記上限値を超えたり、二酸化炭素濃度が前記下限値未満であったりすると、青果物の呼吸抑制効果が小さくなる傾向を示し、青果物を長時間包装する必要がある場合等には、黄化防止、褐変防止および内容成分の減少等が起こる可能性がある。
以上のように、包装袋を1個以上の開口部を有する構成とすることで、包装する青果物の呼吸速度等の特性に合わせた酸素透過速度および炭酸ガス透過速度を実現することができる。その結果、包装体が上述したような酸素濃度および炭酸ガス濃度を維持することができるようになる。すなわち、MA(Modified Atmosphere)包装が実現可能となる。
また、合成樹脂フィルムに、それぞれ、開口部を形成するだけで、MA包装が実現可能となるため、すなわちMA効果を得ることができるため、合成樹脂フィルムの見栄えが悪くなるのを的確に防止することができる。
さらに、本発明では、青果物用包装袋に対して1/2の容積の青果物を、包装袋で包装した状態(以下、この状態を「状態A」と言う。)における、開口部の最大幅Wが0.001mm以上、25mm以下に設定される。
このように、青果物を包装袋で包装していない状態ではなく、青果物を包装袋で包装した状態での開口部の幅が包装袋内における酸素濃度および炭酸ガス濃度に関与し、さらに、この開口部の最大幅を規定することで、酸素濃度および炭酸ガス濃度を青果物の保存に適した範囲内に確実に設定することができるようになることが本発明者の検討により判ってきた。そして、さらなる本発明者の検討により、状態Aにおける、開口部の最大幅Wを前記範囲内に設定することで、包装体が青果物の保存により適した酸素濃度および炭酸ガス濃度を確実に維持することができるようになり、その結果、包装袋がより優れたMA効果を発揮するものとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、状態Aにおける、開口部の最大幅Wは、0.001mm以上、25mm以下に設定されるが、好ましくは0.01mm以上、1mm以下に設定される。開口部の最大幅Wを前記範囲内に設定することにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。
さらに、青果物用包装袋に対して3/4の容積の青果物を、包装袋で包装した状態Bにおける、開口部の最大幅Wは、0.0013mm以上、33mm以下であるのが好ましく、0.015mm以上、1.5mm以下であるのがより好ましい。このように状態Aばかりでなく、青果物用包装袋に対して3/4の容積の青果物を、包装袋で包装した状態Bにおける、開口部の最大幅Wを前記範囲内に設定することにより、包装袋で包装する青果物の容積に関係することなく、包装袋により優れたMA効果を発揮させることができるようになる。
なお、包装袋の容積は、例えば、包装袋を水で満水とした状態で開口部を密閉した際に、包装体中に収納される水の体積を測定することにより求められる。また、包装される青果物の容積は、この青果物をラップ等で包装し、この状態で、満水とした容器中にその全体が水中に存在するようになるまで浸すことで、かかる容器から溢れ出た水の体積を測定することにより求められる。
また、開口部の幅とは、上述したような形状の開口部を合成樹脂フィルムに形成すると、開口部は長辺と短辺とを有するものとなるが、この開口部の短辺の長さ(大きさ)のことを言い、開口部の最大幅Wとは、開口部中における短辺の長さの最大値のことを言う。さらに、後述する開口部の長さとは、開口部の長辺の長さのことを言う。
さらに、合成樹脂フィルムに、複数(2つ以上)の開口部を形成する場合、開口部の最大幅Wは、開口部の最大幅の合計から求められる平均値を表し、開口部の長さLは、開口部の長さの合計から求められる平均値を表すこととする。
また、合成樹脂フィルムの厚さ(平均厚さ)Tは、0.01mm以上、0.1mm以下であるのが好ましく、0.01mm以上、0.065mm以下であるのがより好ましい。合成樹脂フィルムの厚さTを前記範囲内に設定することにより、上述したような範囲内の最大幅Wを有する開口部から酸素および炭酸ガスを確実に透過させることができる。また、前記下限値未満となるとフィルムの材質によっては、強度が十分に得られなくなるおそれがある。さらに、前記上限値を超えると、コストが高くなるおそれがある。
さらに、前記状態Aにおける、開口部の最大幅Wと、合成樹脂フィルムの厚さTとの比W/Tは、0.01以上、2500以下であるのが好ましく、0.25以上、40以下であるのがより好ましい。W/Tを前記範囲内に設定することにより、包装袋を、より確実にMA効果を発揮するものとすることができる。また、W/Tを前記下限値未満に設定した場合には、合成樹脂フィルムの種類によっては、フィルムに加工を施しにくくなる可能性があり、前記上限値を超えると、合成樹脂フィルムの種類によっては、開口部が開きやすくなり、切り込み全体の幅が大きくなる傾向を示すため、目的とする酸素透過速度および炭酸ガス透過速度を超えてしまうおそれがある。
また、状態Aにおける、開口部の長さLは、0.01mm以上、25mm以下であるのが好ましく、0.1mm以上、5mm以下であるのがより好ましい。開口部の最大幅Wを前記範囲内に設定するばかりでなく、開口部の長さLを前記範囲内に設定することにより、包装体が青果物の保存により適した酸素濃度および炭酸ガス濃度をより確実に維持することができるようになり、その結果、包装袋がさらに優れたMA効果を発揮するものとなる。
さらに、前記状態Aにおける、開口部の長さLと、開口部の最大幅Wとの比L/Wは、0.2以上、2500以下であるのが好ましく、2以上、500以下であるのがより好ましい。比L/Wを前記範囲内に設定することにより、包装体が青果物の保存により適した酸素濃度および炭酸ガス濃度をより確実に維持することができるようになり、その結果、包装袋がさらに優れたMA効果を発揮するものとなる。
また、合成樹脂フィルムにおける、包装袋に包装される青果物100gあたりに対する開口部の最大幅の合計を、ΣW(100g)としたとき、このΣW(100g)は、0.0025mm以上、10mm以下であるのが好ましく、0.005mm以上、5mm以下であるのがより好ましい。前記下限値未満であると、合成樹脂フィルムの厚さ等によっては、包装した青果物が酸欠(嫌気)状態になり、トロケ(水浮き)やアルコール発酵による異臭発生等の劣化を生じ易くなるおそれがある。また、これに対して、前記上限値を超えると、合成樹脂フィルムの厚さ等によっては、包装袋内が充分な低酸素濃度および高二酸化炭素濃度にならず、顕著な鮮度保持効果(MA効果)が得られないおそれがある。
さらに、合成樹脂フィルムにおける、包装袋に包装される青果物100gあたりに対する開口部の長さの合計を、ΣL(100g)としたとき、このΣL(100g)は、0.025mm以上、10mm以下であるのが好ましく、0.05mm以上、10mm以下であるのがより好ましい。前記下限値未満であると、合成樹脂フィルムの厚さによっては、包装した青果物が酸欠(嫌気)状態になり、トロケ(水浮き)やアルコール発酵による異臭発生等の劣化を生じ易くなるおそれがある。また、これに対して、前記上限値を超えると、合成樹脂フィルムの厚さによっては、包装袋内が充分な低酸素濃度および高二酸化炭素濃度にならず、顕著な鮮度保持効果(MA効果)が得られないおそれがある。
なお、合成樹脂フィルムに、複数(2つ以上)の開口部を形成する場合、これらは合成樹脂フィルムの所定の位置に偏在することなく、合成樹脂フィルムの全面に均一に形成されているのが好ましい。これにより、包装体内における酸素濃度および炭酸ガス濃度に偏りが生じるのを的確に抑制または防止することができる。
また、本発明では、青果物用包装袋により、包装すべき青果物の種類によっても異なるが、青果物は、好ましくは50g〜1200g/袋程度、より好ましくは100g〜450g/袋程度で包装される。さらに、青果物用包装袋の容積に対して、青果物は、好ましくは7/8〜1/8の容積/袋程度、より好ましくは5/8〜1/4の容積/袋程度で包装される。
以上、本発明の青果物用包装袋および青果物包装体の実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の青果物用包装袋および青果物包装体を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、青果物用包装袋としては、前記実施形態で説明したシール袋に限らず、例えば、ガゼット袋等の形態の袋であってもよく、さらには、トレー、カップ等に青果物を充填し、これを青果物用包装袋で包装する形態のものであってもよい。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
1.青果物用包装袋が有する開口部の最大幅Wの検討
1−1.青果物用包装袋の製造、および青果物用包装袋による青果物の包装
(実施例1A)
合成樹脂フィルムとして防曇加工を施した厚さ0.04mmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用意した後、この合成樹脂フィルムにデザインナイフを4箇所で押し当てることで、4個の切れ込み(開口部)を設けた。
次に、この合成樹脂フィルムを折り重ねた後、折り重ねて形成された辺を除く対向する2辺を熱シールにより融着させることで、内寸130×280mmの包装袋を作製した。
この袋に、エクアドル産バナナ(グリーンチップの状態)3本(合計450g)を入れて開口部をヒートシールで密封することで実施例1Aの包装体を得た。
なお、水を満水にすることにより求められた包装袋の容積は、1115mmであり、この包装袋で558mmのバナナ(3本の合計)を包装した状態Aにおける、切れ込みの最大幅W(4個の切れ込みの平均値)は、1.5mmであった。また、切れ込みの長さL(4個の切れ込みの平均値)は、4.5mmであった。さらに、この包装袋で837mmのバナナを包装した状態Bにおける、切れ込みの最大幅W(4個の切れ込みの平均値)は、1.8mmであった。また、切れ込みの長さL(4個の切れ込みの平均値)は、4.3mmであった。
(実施例2A〜実施例4A、比較例1A、比較例2A)
合成樹脂フィルムに設ける4個の切れ込み(開口部)を、その最大幅W(4個の切れ込みの平均値)が表1に示した大きさになるように形成したこと以外は、前記実施例1Aと同様にして、実施例2A〜実施例4A、比較例1A、比較例2Aの包装体を得た。
1−2.青果物の保管
各実施例および各比較例の青果物包装体について、それぞれ、20℃で5日間保管した。
1−3.評価
各実施例および各比較例の青果物包装体について、それぞれ、合成樹脂フィルムに形成した切れ込みの最大幅Wおよび長さLに基づいて、W/T、L/W、ΣW(100g)およびΣL(100g)を算出するとともに、5日後における包装体内の酸素濃度(%)および二酸化炭素濃度(%)を測定した。
さらに、各実施例および各比較例の青果物包装体について、それぞれ、5日後の包装体内の青果物の外観、色調、食味および臭い等を観察し、以下に示す評価基準に従って評価した。
・評価基準
◎ :良好
○ :やや良好
△ :悪い
× :著しく悪い
これらの評価結果を表1に示す。
Figure 0005807656
表1から明らかなように、最大幅Wが適切な範囲となるように合成樹脂フィルムに、切り込みを形成することで、大気よりも適度な低酸素、かつ高二酸化炭素な環境を維持することができ、バナナの劣化および追熟が軽減される結果となった。
さらに、W、W/TおよびΣW(100g)をより適切な範囲に設定することにより、バナナの劣化および追熟をより軽減させることが可能であった。
2.青果物用包装袋が有する開口部の長さLの検討
2−1.青果物用包装袋の製造、および青果物用包装袋による青果物の包装
(実施例1B)
合成樹脂フィルムとして防曇加工を施した厚さ0.02mmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用意した後、この合成樹脂フィルムにデザインナイフを8箇所で押し当てることで、8個の切れ込み(開口部)を設けた。
次に、この合成樹脂フィルムを折り重ねた後、折り重ねて形成された辺を除く対向する2辺を熱シールにより融着させることで、内寸130×280mmの包装袋を作製した。
この袋に、エクアドル産バナナ(グリーンチップの状態)3本(合計450g)を入れて開口部をヒートシールで密封することで実施例1Bの包装体を得た。
なお、水を満水にすることにより求められた包装袋の容積は、1115mmであり、この包装袋で558mmのバナナ(3本の合計)を包装した状態Aにおける、切れ込みの最大幅W(8個の切れ込みの平均値)は、0.05mmであった。また、切れ込みの長さL(8個の切れ込みの平均値)は、0.08mmであった。さらに、この包装袋で837mmのバナナを包装した状態Bにおける、切れ込みの最大幅W(8個の切れ込みの平均値)は、0.08mmであった。また、切れ込みの長さL(8個の切れ込みの平均値)は、0.11mmであった。
(実施例2B〜実施例4B)
合成樹脂フィルムに設ける8個の切れ込み(開口部)を、その長さL(8個の切れ込みの平均値)が表2に示した大きさになるように形成したこと以外は、前記実施例1Bと同様にして、実施例2B〜実施例4Bの包装体を得た。
2−2.青果物の保管
各実施例の青果物包装体について、それぞれ、20℃で5日間保管した。
2−3.評価
各実施例の青果物包装体について、それぞれ、合成樹脂フィルムに形成した切れ込みの最大幅Wおよび長さLに基づいて、W/T、L/W、ΣW(100g)およびΣL(100g)を算出するとともに、5日後における包装体内の酸素濃度(%)および二酸化炭素濃度(%)を測定した。
さらに、各実施例の青果物包装体について、それぞれ、5日後の包装体内の青果物の外観、色調、食味および臭い等を観察し、上述した評価基準に従って評価した。
これらの評価結果を表2に示す。
Figure 0005807656
表2から明らかなように、長さLがより適切な範囲となるように合成樹脂フィルムに、切り込みを形成することで、大気よりもより適度な低酸素、かつ高二酸化炭素な環境を維持することができ、バナナの劣化および追熟がより軽減される結果となった。
3.青果物としてホウレンソウを包装した際の青果物用包装袋の検討
3−1.青果物用包装袋の製造、および青果物用包装袋による青果物の包装
(実施例1C)
合成樹脂フィルムとして防曇加工を施した厚さ0.08mmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを用意した後、この合成樹脂フィルムにデザインナイフを10箇所で押し当てることで、10個の切れ込み(開口部)を設けた。
次に、この合成樹脂フィルムを折り重ねた後、折り重ねて形成された辺を除く対向する2辺を熱シールにより融着させることで、内寸130×280mmの包装袋を作製した。
この袋に、およそ200gのホウレンソウを入れて開口部をヒートシールで密封することで実施例1Cの包装体を得た。
なお、水を満水にすることにより求められた包装袋の容積は、1116mmであり、この包装袋で558mmのホウレンソウを包装した状態Aにおける、切れ込みの最大幅W(10個の切れ込みの平均値)は、1.3mmであった。また、切れ込みの長さL(10個の切れ込みの平均値)は、3.0mmであった。さらに、この包装袋で837mmのホウレンソウを包装した状態Bにおける、切れ込みの最大幅W(10個の切れ込みの平均値)は、1.8mmであった。また、切れ込みの長さL(10個の切れ込みの平均値)は、3.5mmであった。
(実施例2C〜実施例4C、比較例1C、比較例2C)
合成樹脂フィルムに設ける10個の切れ込み(開口部)を、その最大幅W(10個の切れ込みの平均値)が表3に示した大きさになるように形成したこと以外は、前記実施例1Cと同様にして、実施例2C〜実施例4C、比較例1C、比較例2Cの包装体を得た。
3−2.青果物の保管
各実施例および各比較例の青果物包装体について、それぞれ、20℃で5日間保管した。
3−3.評価
各実施例および各比較例の青果物包装体について、それぞれ、合成樹脂フィルムに形成した切れ込みの最大幅Wおよび長さLに基づいて、W/T、L/W、ΣW(100g)およびΣL(100g)を算出するとともに、5日後における包装体内の酸素濃度(%)および二酸化炭素濃度(%)を測定した。
さらに、各実施例の青果物包装体について、それぞれ、5日後の包装体内の青果物の外観、色調、食味および臭い等を観察し、上述した評価基準に従って評価した。
これらの評価結果を表3に示す。
Figure 0005807656
表3から明らかなように、最大幅Wが適切な範囲となるように合成樹脂フィルムに、切り込みを形成することで、大気よりも適度な低酸素、かつ高二酸化炭素な環境を維持することができ、ホウレンソウの劣化および追熟が軽減される結果となった。
さらに、W、W/TおよびΣW(100g)をより適切な範囲に設定することにより、ホウレンソウの劣化および追熟をより軽減させることが可能であった。

Claims (3)

  1. バナナおよびホウレンソウのうちの少なくとも1種の青果物を包装するために用いられ、合成樹脂フィルムで構成される青果物用包装袋であって、
    前記青果物は、100〜450g/袋で包装され、
    前記合成樹脂フィルムは、1個以上の長尺状をなす開口部を有し、
    当該青果物用包装袋に対して1/2の容積の前記青果物を、前記青果物用包装袋で包装した状態Aにおける、前記開口部の最大幅Wは、0.001mm以上、25mm以下、前記開口部の長さLは、0.01mm以上、25mm以下、
    前記合成樹脂フィルムの厚さTは、0.01mm以上、0.1mm以下、
    前記状態Aにおける、前記開口部の最大幅Wと、前記合成樹脂フィルムの厚さTとの比W/Tは、0.01以上、2500以下、
    前記状態Aにおける、前記開口部の長さLと、前記開口部の最大幅Wとの比L/Wは、0.2以上、2500以下、
    前記状態Aにおける、包装される前記青果物100gあたりに対する開口部の長さの合計ΣL(100g)は、0.025mm以上、10mm以下、
    かつ、包装される前記青果物100gあたりに対する開口部の最大幅の合計ΣW(100g)は、0.0025mm以上、10mm以下であることで、
    当該青果物用包装袋で前記青果物を包装した青果物包装体の内部における酸素濃度および二酸化炭素濃度が、それぞれ、0.04〜19%および2〜26%に設定されるよう構成されていることを特徴とする青果物用包装袋。
  2. 当該青果物用包装袋に対して3/4の容積の前記青果物を、前記青果物用包装袋で包装した状態Bにおける、前記開口部の最大幅Wは、0.0013mm以上、33mm以下である請求項に記載の青果物用包装袋。
  3. 請求項1または2に記載の青果物用包装袋と、該青果物用包装袋で包装された青果物とを有することを特徴とする青果物包装体。
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