以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[実施形態1]
図1は本発明を適用するハイブリッド車両の一例を示す略構成図である。
この図1に示すハイブリッド車両1は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式のハイブリッド車両1であって、駆動輪(前輪)6a,6bに駆動力を与えるための駆動系として、エンジン2と、エンジン2の出力軸としてのクランクシャフト2aにダンパ2bを介して接続された3軸式の動力分割機構3と、この動力分割機構3に接続された発電可能な第1モータジェネレータMG1と、動力分割機構3に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸3eにリダクション機構7を介して接続された第2モータジェネレータMG2とを備えている。これらクランクシャフト2a、動力分割機構3、第1モータジェネレータMG1、第2モータジェネレータMG2、リダクション機構7及びリングギヤ軸3eによって本発明でいう駆動力伝達系が構成されている。
また、上記リングギヤ軸3eは、ギヤ機構4及び前輪用のデファレンシャルギヤ5を介して駆動輪6a,6bに接続されている。
また、このハイブリッド車両1は、車両の駆動系全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下、ハイブリッドECU(Electronic Control Unit)という)10を備えている。
−エンジン及びエンジンECU−
エンジン2は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン2の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)11によって、燃料噴射制御、点火制御、吸入空気量調節制御などの運転制御が行われる。
エンジンECU11は、ハイブリッドECU10と通信を行っており、このハイブリッドECU10からの制御信号に基づいてエンジン2を運転制御するとともに、必要に応じてエンジン2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU10に出力する。なお、エンジンECU11は、クランクポジションセンサ56や水温センサ57等が接続されている。クランクポジションセンサ56は、クランクシャフト2aが一定角度回転する毎に検出信号(パルス)を出力する。このクランクポジションセンサ56からの出力信号に基づいてエンジンECU11はエンジン回転速度Neを算出する。また、水温センサ57はエンジン2の冷却水温度に応じた検出信号を出力する。
−動力分割機構−
動力分割機構3は、図1に示すように、外歯歯車のサンギヤ3aと、このサンギヤ3aと同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ3bと、サンギヤ3aに噛み合うとともにリングギヤ3bに噛み合う複数のピニオンギヤ3cと、これら複数のピニオンギヤ3cを自転かつ公転自在に保持するプラネタリキャリア3dとを備え、サンギヤ3aとリングギヤ3bとプラネタリキャリア3dとを回転要素とし差動作用を行う遊星歯車機構として構成されている。この動力分割機構3では、プラネタリキャリア3dにエンジン2のクランクシャフト2aが連結されている。また、サンギヤ3aに第1モータジェネレータMG1のロータ(回転子)がリングギヤ3bに上記リングギヤ軸3eを介して上記リダクション機構7が連結されている。
そして、このような構成の動力分割機構3において、プラネタリキャリア3dに入力されるエンジン2の出力トルクに対して、第1モータジェネレータMG1による反力トルクがサンギヤ3aに入力されると、出力要素であるリングギヤ3bには、エンジン2から入力されたトルクより大きいトルクが現れる。この場合、第1モータジェネレータMG1は発電機として機能する。第1モータジェネレータMG1が発電機として機能するときには、プラネタリキャリア3dから入力されるエンジン2の駆動力が、サンギヤ3a側とリングギヤ3b側とにそのギヤ比に応じて分配される。
一方、エンジン2の始動要求時にあっては、第1モータジェネレータMG1が電動機(スタータモータ)として機能し、この第1モータジェネレータMG1の駆動力がサンギヤ3a及びプラネタリキャリア3dを介してクランクシャフト2aに与えられてエンジン2がクランキングされる。
また、動力分割機構3において、リングギヤ3bの回転速度(出力軸回転速度)が一定であるときに、第1モータジェネレータMG1の回転速度を上下に変化させることにより、エンジン2の回転速度を連続的に(無段階に)変化させることができる。つまり、動力分割機構3が変速部として機能する。
−リダクション機構−
上記リダクション機構7は、図1に示すように、外歯歯車のサンギヤ7aと、このサンギヤ7aと同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ7bと、サンギヤ7aに噛み合うとともにリングギヤ7bに噛み合う複数のピニオンギヤ7cと、これら複数のピニオンギヤ7cを自転自在に保持するプラネタリキャリア7dとを備えている。このリダクション機構7では、プラネタリキャリア7dがトランスミッションケースに固定されている一方、サンギヤ7aが第2モータジェネレータMG2のロータ(回転子)に、リングギヤ7bが上記リングギヤ軸3eにそれぞれ連結されている。
−パワースイッチ−
ハイブリッド車両1には、ハイブリッドシステムの起動と停止とを切り替えるためのパワースイッチ51(図2照)が設けられている。パワースイッチ51は、例えば、跳ね返り式のプッシュスイッチあって、押圧操作されるごとに、スイッチOnとスイッチOffとが交互に切り替わるようになっている。ここで、ハイブリッドシステムとは、エンジン2及びモータジェネレータMG1,MG2を走行用の駆動力源とし、そのエンジン2の運転制御、モータジェネレータMG1,MG2の駆動制御、エンジン2及びモータジェネレータMG1,MG2の協調制御などを含む各種制御を実行することによってハイブリッド車両1の走行を制御するシステムである。
パワースイッチ51は、ドライバを含む搭乗者により操作された場合に、その操作に応じた信号(IG−On指令信号またはIG−Off指令信号)をハイブリッドECU10に出力する。ハイブリッドECU10は、パワースイッチ51から出力された信号などに基づいてハイブリッドシステムを起動または停止する。
具体的には、ハイブリッドECU10は、ハイブリッド車両1の停車中に、パワースイッチ51が操作された場合には、Pポジションで上記ハイブリッドシステムを起動する。これにより車両が走行可能な状態となる。なお、停車中のハイブリッドシステムの起動時には、Pポジションでハイブリッドシステムが起動されることから、アクセルオン状態であっても、駆動力が出力されることはない。車両が走行可能な状態とは、ハイブリッドECU10の指令信号により車両走行を制御できる状態であって、ドライバがアクセルオンすれば、ハイブリッド車両1が発進・走行できる状態(Ready−On状態)のことである。なお、Ready−On状態には、エンジン2が停止状態で、第2モータジェネレータMG2でハイブリッド車両1の発進・走行が可能な状態(EV走行が可能な状態)も含まれる。
また、ハイブリッドECU10は、例えば、ハイブリッドシステムが起動中で、停車時にPポジションであるときに、パワースイッチ51が操作(例えば、短押し)された場合にはハイブリッドシステムを停止する。
−シフト操作装置及び変速モード−
本実施形態のハイブリッド車両1には、図2に示すようなシフト操作装置9が設けられている。このシフト操作装置9は、運転席の近傍に配置され、変位操作可能なシフトレバー91が設けられている。また、シフト操作装置9には、パーキングポジション(Pポジション)、リバースポジション(Rポジション)、ニュートラルポジション(Nポジション)、ドライブポジション(Dポジション)、及び、シーケンシャルポジション(Sポジション)を有するシフトゲート9aが形成されており、ドライバが所望のポジションへシフトレバー91を変位させることが可能となっている。これらPポジション、Rポジション、Nポジション、Dポジション、Sポジション(下記の「+」ポジション及び「−」ポジションも含む)の各ポジションは、シフトポジションセンサ50によって検出される。
上記シフトレバー91が「Dポジション」に操作されている状態では、ハイブリッドシステムは「自動変速モード」とされ、エンジン2の動作点が後述する最適燃費動作ライン上となるように変速比が制御される電気式無段変速制御が行われる。
一方、上記シフトレバー91が「Sポジション」に操作されている状態では、ハイブリッドシステムは「手動変速モード(シーケンシャルシフトモード(Sモード))」とされる。このSポジションの前後には「+」ポジション及び「−」ポジションが設けられている。「+」ポジションは、マニュアルシフトアップを行う際にシフトレバー91が操作されるポジションであり、「−」ポジションは、マニュアルシフトダウンを行う際にシフトレバー91が操作されるポジションである。そして、シフトレバー91がSポジションにあるときに、シフトレバー91がSポジションを中立位置として「+」ポジションまたは「−」ポジションに操作(手動変速操作)されると、ハイブリッドシステムによって成立される擬似的な変速段(例えば第1モータジェネレータMG1の制御によってエンジン回転速度を調整することで成立される変速段)がアップまたはダウンされる。具体的には、「+」ポジションへの1回操作毎に変速段が1段ずつアップ(例えば1st→2nd→3rd→4th→5th→6th)される。一方、「−」ポジションへの1回操作毎に変速段が1段ずつダウン(例えば6th→5th→4th→3rd→2nd→1st)される。なお、この手動変速モードにおいて選択可能な段数は「6段」に限定されることなく、他の段数(例えば「4段」や「8段」)であってもよい。
なお、本発明における手動変速モードの概念は、上述した如くシフトレバー91がシーケンシャルポジション(Sポジション)にあるときに限らず、レンジ位置として「2(2nd)」や「3(3rd)」等を備えている場合に、これら「2(2nd)」や「3(3rd)」のレンジ位置にシフトレバーが操作されている場合も含まれる。例えば、シフトレバーがドライブポジションから「3(3rd)」のレンジ位置に操作された場合には自動変速モードから手動変速モードへ移行される。
また、運転席の前方に配設されているステアリングホイール9b(図2参照)には、パドルスイッチ9c,9dが設けられている。これらパドルスイッチ9c,9dはレバー形状とされ、手動変速モードにおいてシフトアップを要求する指令信号を出力するためのシフトアップ用パドルスイッチ9cと、シフトダウンを要求する指令信号を出力するためのシフトダウン用パドルスイッチ9dとを備えている。上記シフトアップ用パドルスイッチ9cには「+」の記号が、上記シフトダウン用パドルスイッチ9dには「−」の記号がそれぞれ付されている。そして、上記シフトレバー91が「Sポジション」に操作されて「手動変速モード」となっている場合には、シフトアップ用パドルスイッチ9cが操作(手前に引く操作)されると、1回操作毎に変速段が1段ずつアップされる。一方、シフトダウン用パドルスイッチ9dが操作(手前に引く操作)されると、1回操作毎に変速段が1段ずつダウンされる。
このように、本実施形態におけるハイブリッドシステムでは、シフトレバー91が「Dポジション」に操作されて「自動変速モード」になると、エンジン2が効率よく運転されるように駆動制御される。具体的には、エンジン2の運転動作点が、最適燃費ライン上となるようにハイブリッドシステムが制御される。一方、シフトレバー91が「Sポジション」に操作されて「手動変速モード(Sモード)」になると、リングギヤ軸3eの回転速度に対するエンジン2の回転速度の比である変速比を、ドライバの変速操作に応じて例えば6段階(1st〜6th)に変更することが可能となる。
−モータジェネレータ及びモータECU−
モータジェネレータMG1,MG2は、いずれも、発電機として駆動できるとともに電動機として駆動できる周知の同期発電電動機により構成されており、インバータ21,22及び昇圧コンバータ23を介してバッテリ(蓄電装置)24との間で電力のやりとりを行う。各インバータ21,22、昇圧コンバータ23及びバッテリ24を互いに接続する電力ライン25は、各インバータ21,22が共用する正極母線及び負極母線として構成されており、モータジェネレータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ24は、モータジェネレータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータジェネレータMG1,MG2により電力収支がバランスしている場合には、バッテリ24は充放電されない。
モータジェネレータMG1,MG2は、いずれも、モータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)13により駆動制御される。このモータECU13には、モータジェネレータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータジェネレータMG1,MG2のロータ(回転軸)の各回転位置を検出するMG1回転速度センサ(レゾルバ)26及びMG2回転速度センサ27からの信号や電流センサにより検出されるモータジェネレータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU13からは、インバータ21,22へのスイッチング制御信号が出力されている。例えば、モータジェネレータMG1,MG2のいずれかを発電機として駆動制御(例えば、第2モータジェネレータMG2を回生制御)したり、電動機として駆動制御(例えば、第2モータジェネレータMG2を力行制御)したりする。また、モータECU13は、ハイブリッドECU10と通信を行っており、このハイブリッドECU10からの制御信号にしたがって上述した如くモータジェネレータMG1,MG2を駆動制御するとともに、必要に応じてモータジェネレータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU10に出力する。
−バッテリ及びバッテリECU−
バッテリ24は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)14によって管理されている。このバッテリECU14には、バッテリ24を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ24の端子間に設置された電圧センサ24aからの端子間電圧、バッテリ24の出力端子に接続された電力ライン25に取り付けられた電流センサ24bからの充放電電流、バッテリ24に取り付けられたバッテリ温度センサ24cからのバッテリ温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ24の状態に関するデータを通信によりハイブリッドECU10に出力する。
また、バッテリECU14は、バッテリ24を管理するために、電流センサ24bにて検出された充放電電流の積算値に基づいて電力の残容量SOC(State of Charge)を演算し、また、その演算した残容量SOCとバッテリ温度センサ24cにて検出されたバッテリ温度Tbとに基づいてバッテリ24を充放電してもよい最大許容電力である入力制限Win,出力制限Woutを演算する。なお、バッテリ24の入力制限Win,出力制限Woutは、バッテリ温度Tbに基づいて入力制限Win,出力制限Woutの基本値を設定し、バッテリ24の残容量SOCに基づいて入力制限用補正係数と出力制限用補正係数とを設定し、上記設定した入力制限Win,出力制限Woutの基本値に上記補正係数を乗じることにより設定することができる。
−ハイブリッドECU及び制御系−
上記ハイブリッドECU10は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)40、ROM(Read Only Memory)41、RAM(Random Access Memory)42及びバックアップRAM43などを備えている。ROM41は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU40は、ROM41に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。RAM42は、CPU40での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリである。バックアップRAM43は、例えばIG−Off時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
以上のCPU40、ROM41、RAM42及びバックアップRAM43は、バス46を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース44及び出力インターフェース45と接続されている。
入力インターフェース44には、上記シフトポジションセンサ50、上記したパワースイッチ51、アクセルペダルの踏み込み量に応じた信号を出力するアクセル開度センサ52、ブレーキペダルの踏み込み量に応じた信号を出力するブレーキペダルセンサ53、車体速度に応じた信号を出力する車速センサ54等が接続されている。
これにより、ハイブリッドECU10には、シフトポジションセンサ50からのシフトポジション信号、パワースイッチ51からのIG−On信号やIG−Off信号、アクセル開度センサ52からのアクセル開度信号、ブレーキペダルセンサ53からのブレーキペダルポジション信号、車速センサ54からの車速信号等が入力されるようになっている。
また、入力インターフェース44及び出力インターフェース45には、上記エンジンECU11、モータECU13、バッテリECU14、後述するGSI(Gear Shift Indicator)−ECU16が接続されており、ハイブリッドECU10は、これらエンジンECU11と、モータECU13と、バッテリECU14と、GSI−ECU16との間で各種制御信号やデータの送受信を行っている。
−ハイブリッドシステムにおける駆動力の流れ−
このように構成されたハイブリッド車両1は、ドライバによるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて、駆動輪6a,6bに出力すべきトルク(要求トルク)を計算し、この要求トルクに対応する要求駆動力により走行するように、エンジン2とモータジェネレータMG1,MG2とが運転制御される。具体的には、燃料消費量の削減を図るために、要求駆動力が比較的低い運転領域にあっては、第2モータジェネレータMG2を利用して上記要求駆動力が得られるようにする。一方、要求駆動力が比較的高い運転領域にあっては、第2モータジェネレータMG2を利用すると共に、エンジン2を駆動し、これら駆動源(走行駆動力源)からの駆動力により、上記要求駆動力が得られるようにする。
より具体的には、車両の発進時や低速走行時等であってエンジン2の運転効率が低い場合には、第2モータジェネレータMG2のみにより走行(以下、「EV走行」ともいう)を行う。また、車室内に配置された走行モード選択スイッチ(EV優先モードのスイッチ)によってドライバがEV走行モードを選択した場合にもEV走行を行う。
一方、通常走行(以下、HV走行ともいう)時には、例えば上記動力分割機構3によりエンジン2の駆動力を2経路に分け(トルクスプリット)、その一方の駆動力で駆動輪6a,6bの直接駆動(直達トルクによる駆動)を行い、他方の駆動力で第1モータジェネレータMG1を駆動して発電を行う。このとき、第1モータジェネレータMG1の駆動により発生する電力で第2モータジェネレータMG2を駆動して駆動輪6a,6bの駆動補助を行う(電気パスによる駆動)。
このように、上記動力分割機構3が差動機構として機能し、その差動作用によりエンジン2からの動力の主部を駆動輪6a,6bに機械的に伝達し、そのエンジン2からの動力の残部を第1モータジェネレータMG1から第2モータジェネレータMG2への電気パスを用いて電気的に伝達することにより、電気的に変速比が変更される電気式無段変速機としての機能が発揮される。これにより、駆動輪6a,6b(リングギヤ軸3e)の回転速度及びトルクに依存することなく、エンジン回転速度及びエンジントルクを自由に操作することが可能となり、駆動輪6a,6bに要求される駆動力を得ながらも、燃料消費率が最適化されたエンジン2の運転状態を得ることが可能となる。
また、高速走行時には、さらにバッテリ24からの電力を第2モータジェネレータMG2に供給し、この第2モータジェネレータMG2の出力を増大させて駆動輪6a,6bに対して駆動力の追加(駆動力アシスト;力行)を行う。
さらに、減速時には、第2モータジェネレータMG2が発電機として機能して回生発電を行い、回収した電力をバッテリ24に蓄える。なお、バッテリ24の充電量が低下し、充電が特に必要な場合には、エンジン2の出力を増加して第1モータジェネレータMG1による発電量を増やしてバッテリ24に対する充電量を増加する。また、低速走行時においても必要に応じてエンジン2の駆動量を増加する制御を行う場合もある。例えば、前述のようにバッテリ24の充電が必要な場合や、エアコン等の補機を駆動する場合や、エンジン2の冷却水の温度を所定温度まで上げる場合などである。
また、本実施形態のハイブリッド車両1においては、車両の運転状態やバッテリ24の状態によって、燃費を向上させるために、エンジン2を停止させる。そして、その後も、ハイブリッド車両1の運転状態やバッテリ24の状態を検知して、エンジン2を再始動させる。このように、ハイブリッド車両1においては、パワースイッチ51がON位置であってもエンジン2は間欠運転(エンジン停止と再始動を繰り返す運転)される。
なお、本実施形態において、エンジン間欠運転は、例えば、Sモード時の変速段がエンジン間欠運転許可段以上である場合に許可(エンジン間欠許可)され、Sモード時の変速段が上記エンジン間欠運転許可段よりも低い場合に禁止(エンジン間欠禁止)される。
−手動変速モードの基本制御−
次に、上述した「手動変速モード」におけるハイブリッドシステムの基本制御について説明する。
図3は、ドライバによりシフトレバー91がSポジションに操作されており、かつ、アクセルオン状態にあるときにハイブリッドECU10により実行される手動変速モードの基本制御の手順を示すフローチャートである。このフローチャートは所定時間(例えば数msec)毎に繰り返し実行される。
まず、ステップST1において、シフトポジションセンサ50からの出力信号により認識される変速段(手動変速モードで選択されている変速段;以下、「シフトポジションSP」という場合もある)、アクセル開度センサ52からの出力信号により求められるアクセル開度Acc、車速センサ54からの出力信号により求められる車速V、MG1回転速度センサ26、MG2回転速度センサ27からの出力信号により求められるモータジェネレータMG1,MG2の回転速度Nm1,Nm2、充放電要求パワーPb、バッテリ24の充放電に許容される電力である入力制限Win、出力制限Woutといった制御に必要なデータの入力処理が実行される。
上記モータジェネレータMG1,MG2の回転速度Nm1,Nm2の情報は、モータECU13からハイブリッドECU10に入力される。また、充放電要求パワーPbとしては、バッテリ24の残容量SOC等に基づいて、バッテリECU14によってバッテリ24を充放電すべき電力として設定されるものが、このバッテリECU14からハイブリッドECU10に入力される。さらに、バッテリ24の充電に許容される電力である充電許容電力としての入力制限Win、及び、その放電に許容される電力である放電許容電力としての出力制限Woutは、バッテリ温度センサ24cにより検出されたバッテリ温度Tbとバッテリ24の残容量SOCとに基づいて設定されたものが、このバッテリECU14からハイブリッドECU10に入力される。
ステップST1のデータ入力処理の後、ステップST2に進み、入力されたシフトポジションSP、アクセル開度Acc及び車速Vに基づいてリングギヤ軸3eに出力すべき要求トルクTrを設定した上で、エンジン2に要求される要求パワーPeを設定する。
本実施形態では、シフトポジションSPとアクセル開度Accと車速Vと要求トルクTrとの関係が予め定められた要求トルク設定マップがROM41に記憶されており、この要求トルク設定マップが参照されて、シフトポジションSP、アクセル開度Acc及び車速Vに対応した要求トルクTrが抽出される。
図4に要求トルク設定マップの一例を示す。この4の要求トルク設定マップは、車速V及びアクセル開度Accをパラメータとしてドライバの要求トルクを求めるマップであって、異なるアクセル開度Accに対応させて複数の特性ラインが示されている。これら特性ラインのうち、最上段に示された特性ラインがアクセル開度が全開(Acc=100%)に相当している。また、アクセル開度Accの全閉に相当する特性ラインは、「Acc=0%」で示されている。これら特性ラインは、車速Vが高速になるほど、制動力を発生させるためのドライバの要求トルクが相対的に高まる特性を有する。
そして、上記要求パワーPeは、図4の要求トルク設定マップから求められた要求トルクTrにリングギヤ軸3eの回転速度Nrを乗じたもの(Tr×Nr)と、充放電要求パワーPb(ただし放電要求側を正とする)と、ロスLossとの総和として計算される。
次に、ステップST3に進み、ステップST2で設定した要求パワーPeに基づいてエンジン2の仮の目標運転動作点(運転ポイント)である仮目標回転速度Netmpと仮目標トルクTetmpとを設定する。本実施形態では、通常走行用(HV走行用)運転動作点の設定制約として予め定められたエンジン2を効率よく動作させるための動作ライン(以下、「最適燃費動作ライン」という場合もある)と要求パワーPeとに基づいてエンジン2の仮目標回転速度Netmpと仮目標トルクTetmpとを設定するものとしている。
図5に、エンジン2の最適燃費動作ラインと、回転速度NeとトルクTeとの相関曲線(要求パワーライン)とを例示する。この図5に示すように、仮目標回転速度Netmp及び仮目標トルクTetmpは、上記最適燃費動作ラインと、要求パワーPe(Ne×Te)が一定となることを示す相関曲線(要求パワーライン)との交点(図中における点X)として求めることができる。
こうしてエンジン2の仮目標回転速度Netmpと仮目標トルクTetmpとを設定した後、ステップST4に進み、上記入力したシフトポジションSPと車速Vとに基づいてエンジン2の回転速度Neの下限値であるエンジン下限回転速度Neminを設定する。
本実施形態に係るハイブリッド車両1では、シフトポジションSPとしてシーケンシャルポジションが選択されているときに、車速VとシフトポジションSP(1st〜6th)に応じてエンジン下限回転速度Neminが予め設定されている。
図6は、シフトポジションSPと車速V(またはリングギヤ軸3eの回転速度)と、エンジン下限回転速度Neminとの関係が予め定められたエンジン下限回転速度設定マップである。このエンジン下限回転速度設定マップは、ハイブリッドECU10のROM41に記憶されており、エンジン下限回転速度Neminとしては、与えられた車速VとシフトポジションSPとに対応したものが当該マップから抽出・設定される。
すなわち、シフトポジション1st〜6thには、それぞれ異なるエンジン2の運転ポイント設定制約(目標回転速度設定制約)が対応づけられている。具体的に、エンジン下限回転速度Neminは、同一の車速Vに対してシフトポジションSPの段数が大きくなるほど(1stから6thに至るほど)小さな値に設定される。これは、アクセル開度Accが小さい場合やアクセルOFF時において、エンジン2のフリクションを利用し、その抵抗分をエンジンブレーキ(駆動輪6a,6bに対する制動力)として機能させる場合に変速段が低い(変速比が大きい)ほどエンジン回転速度の低下を制限することで、十分な制動力が発生されるようにし、手動変速機(マニュアルトランスミッション)を備えた車両と同等のエンジンブレーキを模擬するためである。このエンジン下限回転速度Neminが設定されていることにより、図7に示すように変速段及び車速に応じてエンジンブレーキトルク(駆動輪6a,6bに対して制動力として作用するトルク)の大きさが異なり、同一車速(所定車速以上における同一車速)であっても変速段が低い側(変速比が大きい側)であるほどエンジンブレーキトルクとしては大きく得られるようになっている。
このようにしてエンジン下限回転速度Neminを設定した後、ステップST5に進み、仮目標回転速度Netmp及びエンジン下限回転速度Neminのうち高い側をエンジン2の目標回転速度Neとして設定すると共に、ステップST2で設定した要求パワーPeを目標回転速度Neで除することによりエンジン2の目標トルクTeを設定する。
その後、ステップST6に進み、上記設定した目標回転速度Neとリングギヤ軸3eの回転速度Nrと動力分割機構3のギヤ比ρ(サンギヤ3aの歯数/リングギヤ3bの歯数)とを用いて第1モータジェネレータMG1の目標回転速度Nm1を計算した上で、この計算した目標回転速度Nm1と現在の回転速度Nm1とに基づいて第1モータジェネレータMG1の指令トルクTm1を設定する。
このようにして第1モータジェネレータMG1の指令トルクTm1を設定した後、ステップST7に進み、バッテリ24の入出力制限Win,Woutと、指令トルクTm1及び現在の第1モータジェネレータMG1の回転速度Nm1の積として得られる第1モータジェネレータMG1の消費電力(発電電力)との偏差を第2モータジェネレータMG2の回転速度Nm2で除することにより第2モータジェネレータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを計算する。
次いで、ステップST8において、上記要求トルクTrと指令トルクTm1と動力分割機構3のギヤ比ρとリダクション機構7のギヤ比Grとに基づいて第2モータジェネレータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを計算し、ステップST9において、第2モータジェネレータMG2の指令トルクTm2を、上記ステップST7にて計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値として設定する。このようにして第2モータジェネレータMG2の指令トルクTm2を設定することにより、リングギヤ軸3eに出力するトルクをバッテリ24の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。
こうしてエンジン2の目標回転速度Ne及び目標トルクTe、各モータジェネレータMG1,MG2の指令トルクTm1,Tm2を設定した後、ステップST10に進み、エンジン2の目標回転速度Ne及び目標トルクTeをエンジンECU11に、各モータジェネレータMG1,MG2の指令トルクTm1,Tm2をモータECU13にそれぞれ送信して、これらエンジン2及び各モータジェネレータMG1,MG2の制御を実行する。つまり、目標回転速度Neと目標トルクTeとを受信したエンジンECU11は、目標回転速度Neと目標トルクTeとを得るためのエンジン制御(燃料噴射制御、点火制御、吸入空気量調節制御等)を実行する。また、指令トルクTm1,Tm2を受信したモータECU13は、指令トルクTm1を用いて第1モータジェネレータMG1が駆動されると共に指令トルクTm2を用いて第2モータジェネレータMG2が駆動されるようにインバータ21,22のスイッチング素子のスイッチング制御を行う。
以上の動作が繰り返されることにより、ハイブリッド車両1では、シフトポジションSPとしてSポジションが選択されているときに(手動変速モードが選択されているときに)、シフトポジションSP(1st〜6th)に基づいて要求トルクTrやエンジン2の目標運転動作点(目標回転速度Ne及び目標トルクTe)が設定された上で、要求トルクTrに基づくトルクがリングギヤ軸3eに出力されるようにエンジン2と各モータジェネレータMG1,MG2とが制御され、それにより、ドライバの加減速要求に応答性よく対応することが可能となる。
−変速指示装置−
本実施形態に係るハイブリッド車両1には、手動変速モード(Sモード)において、ドライバに対して変速を促す変速指示(変速案内)を行う変速指示装置が搭載されている。以下、この変速指示装置について説明する。
図8に示すように、車室内の運転席前方に配置されたコンビネーションメータ6には、スピードメータ61、タコメータ62、ウォータテンパラチャゲージ63、フューエルゲージ64、オドメータ65、トリップメータ66、及び、各種のウォーニングインジケータランプなどが配置されている。
そして、このコンビネーションメータ6には、ハイブリッド車両1の走行状態に応じて燃費向上等を図る上で適した変速段(ギヤポジション)の選択を指示する変速指示装置が設けられている。以下、この変速指示装置について説明する。
コンビネーションメータ6には、変速指示用の表示部として、変速段をアップ指示する際に点灯するシフトアップランプ67、変速段をダウン指示する際に点灯するシフトダウンランプ68が配置されている。これらシフトアップランプ67及びシフトダウンランプ68は、例えばLED等で構成されており、GSI−ECU16(図1参照)によって点灯及び消灯が制御される。これらシフトアップランプ67、シフトダウンランプ68及びGSI−ECU16によって、本発明でいう変速指示部が構成されている。なお、GSI−ECU16を備えさせず、上記エンジンECU11または図示しないパワーマネージメントECUがシフトアップランプ67及びシフトダウンランプ68の点灯及び消灯を制御する構成としてもよい。
−Sモード時のシフト指示制御−
まず、この例のハイブリッド車両1にあっては、上述したように、エンジン2を駆動した状態で走行を行うHV走行と、第2モータジェネレータMG2の動力のみで走行を行うEVとを使い分けている。ここで、従来の変速指示制御では、EV走行時での変速案内(上記変速指示装置によるシフト指示)については特に考慮されておらず、このため、例えば、EV走行時において、エンジン2が停止状態であるのにも関わらず、HV走行時と同様な燃費重視の変速案内が行われてしまう場合があり、こうした状況になると、ドライバが煩わしさを感じる場合がある。
このような点を考慮して、本実施形態では、SモードでのEV走行時には、HV走行時よりも変速案内(シフト指示の表示)の機会を減らすことで、ドライバが感じる煩わしさを低減できるようにする。これを実現するための具体的な制御(Sモード時のシフト指示制御)の一例について図10のフローチャートを参照して説明する。
図10の制御ルーチンはハイブリッドECU10において所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返して実行される。
図10のSモード時のシフト指示制御を説明する前に、この制御に用いる変速線マップについて図11を参照して説明する。この図11の変速線マップは、要求トルクと車速V及びアクセル開度Accとをパラメータとし、それら要求トルクと車速V及びアクセル開度Accとに応じて、適正な変速段(最適な燃費となる推奨変速段)を求めるための複数の領域(変速切替ラインにて区画された第1変速段(1st)から第6変速段(6th)までの領域)が設定されたマップであって、ハイブリッドECU10のROM41に記憶されている。
次に、図10のSモード時のシフト指示制御について説明する。
この図10の制御ルーチンが開始されると、まずは、ステップST101において、シフトポジションセンサ50の出力信号に基づいてSモード(手動変速モード)が選択されているか否かを判定する。その判定結果が否定判定(NO)である場合はリターンする。ステップST101の判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST102に進む。
ステップST102では、現在のハイブリッド車両1の走行状態が「EV走行」であるか否かを判定する。このステップST102の判定結果が否定判定(NO)である場合、つまり、エンジン2を駆動した状態での「HV走行」である場合はステップST111に進む。なお、「EV走行」の判定は、例えば、ハイブリッドECU10からモータECU13に送信する指令信号等に基づいて行う。
ステップST111では、車速センサ54の出力信号から現在の車速Vを求めるとともに、アクセル開度センサ52の出力信号から現在のアクセル開度Accを求め、それら車速V及びアクセル開度Accを用いて、図4に示す要求トルク設定マップを参照して要求トルクTrを求める。この要求トルクTrと上記車速VまたはアクセルAccとに基づいて図11に示す変速線マップを参照して推奨変速段(目標変速段)を求める。そして、その推奨変速段と現変速段とを比較し、推奨変速段と現変速段とが同じであるか否かを判定する。その判定結果が肯定判定(YES)である場合([現変速段=推奨変速段]である場合)は、上記変速指示装置によるシフトアップ指示を非実施とする(ステップST112)。
なお、現変速段については、例えば、動力分割機構3の入力軸(プラネタリキャリア3d)の回転速度(エンジン回転速度)と、リングギヤ軸3eの回転速度(車速センサ54または出力軸回転速度の出力信号から認識)との比(変速比)を算出し、その算出した変速比から認識することができる。また、シフトポジションセンサ50の出力信号に基づいて、シフトレバー91をSポジションに操作したときに設定される変速段とそのSポジションでの「+」または「−」ポジションへの操作回数等によって認識することも可能である。
上記ステップST111の判定結果が否定判定(NO)である場合(推奨変速段と現変速段とが異なる場合)はステップST113に進む。ステップST113では、現変速段が推奨変速段よりも低い変速段(現変速段<推奨変速段)であるか否か判定する。その判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST114に進む。
ステップST114では、ハイブリッドECU10からGSI−ECU16に対してシフトアップ指令を実施するための制御信号を送信してシフトアップランプ67を点灯する(図9(a)参照)。このシフトアップランプ67を点灯(シフトアップ指示)はステップST111の判定結果が肯定判定(YES)となるまで継続される。そして、このようなシフトアップランプ67の点灯によるシフトアップ指示(変速案内)に応じて、ドライバがシフトレバー91を「+」ポジションへ操作、または、シフトアップ用パドルスイッチ9cを操作すると、ハイブリッドシステムではシフトアップ動作が行われる。このシフトアップ動作により、現変速段と推奨変速段とが同じになった時点(ステップST111の判定結果が肯定判定(YES)になった時点)で、シフトアップランプ67を消灯して、上記変速指示装置によるシフト指示を非実施とする(ステップST112)。
上記ステップST111及びステップST113の判定結果がともに否定判定(NO)である場合、つまり、現変速段が推奨変速段よりも高い変速段(現変速段>推奨変速段)である場合はステップST115に進む。
ステップST115では、ハイブリッドECU10からGSI−ECU16に対してシフトダウン指令を実施するための制御信号を送信してシフトダウンランプ68を点灯する(図9(b)参照)。このシフトダウンランプ68の点灯(シフトダウン指示)はステップST111の判定結果が肯定判定(YES)となるまで継続される。そして、このようなシフトダウンランプ68の点灯によるシフトダウン指示(変速案内)に応じて、ドライバがシフトレバー91を「−」ポジションへ操作、または、シフトダウン用パドルスイッチ9dを操作すると、ハイブリッドシステムではシフトダウン動作が行われる。このシフトダウン動作により、現変速段と推奨変速段とが同じになった時点(ステップST111の判定結果が肯定判定(YES)になった時点)で、シフトダウンランプ68を消灯して、上記変速指示装置によるシフト指示を非実施とする(ステップST112)。
一方、上記ステップST102の判定結果が肯定判定(YES)である場合、つまり、ハイブリッド車両1の現在の走行状態が「EV走行」である場合は、上記変速指示装置によるシフト指示を禁止して変速案内を行わないようにする(ステップST103)。
以上のように、本実施形態によれば、SモードにおいてHV走行時とEV走行時とで変速案内(変速指示)を異ならせて(SモードにおいてEV走行時とHV走行時とで、同一のアクセル踏み込み量及び車速に対して変速の案内の態様を異ならせて)、EV走行時には変速案内がされない(シフト指示表示がされない)ようにしているので、例えば、EV走行時でエンジン2が停止状態であるのにも関わらず、HV走行時と同様な燃費重視の変速案内が行われるということがなくなって、EV走行中にドライバが感じる煩わしさを低減することができる。しかも、HV走行中(エンジン運転中)には、適切な推奨変速段への変速を促すシフト指示(変速案内)を的確に出すことができるので、エンジン2の燃料消費率の改善を図ることができる。
(変形例1−1)
上記した図10のフローチャートのステップST103の処理(シフト指示禁止)に替えて、図12に示すサブルーチン(EV走行中シフト指示制御)を実行してもよい。この図12の制御ルーチンについて説明する。なお、この図12の制御ルーチンはハイブリッドECU10において実行可能である。
図12の制御ルーチンが開始されると、まずは、ステップST131において、EV走行が継続中であるか否かを判定する。その判定結果が否定判定(NO)である場合は、このサブルーチンの処理を終了して図10のメインルーチンに戻る。ステップST131の判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST132に進む。
ステップST132では、第2モータジェネレータMG2の運転点がEV走行を継続できない運転点に近づいたか否かを判定する。
具体的には、図13に示すEV走行中指示許可判定マップ(詳細は後述する)に基づいて、第2モータジェネレータMG2の運転点がEV走行中シフト指示許可領域に入ったか否かを判定する。例えば図13に示すように、第2モータジェネレータMG2の運転点がPxである状態から運転点Pyに遷移してEV走行中シフト指示許可領域に入った場合、「第2モータジェネレータMG2の運転点がEV走行を継続できない運転点に近づいた」と判定してステップST133に進む。ステップST132の判定結果が否定判定(NO)である場合(EV走行の継続が可能である場合)は、上記変速指示装置によるシフトアップ指示を非実施(ステップST134)としてステップST131に戻る。
ステップST133ではシフト指示を行う。具体的には、上記図10のフローチャートのステップST111〜ステップST115と同様な処理を実行する。つまり、図11に示す変速線マップを参照して推奨変速段(目標変速段)を求め、その推奨変速段と現変速とが同じである場合は上記変速指示装置によるシフト指示を非実施とする。なお、このシフト指示非実施も変速案内に含まれる。一方、現変速段が推奨変速段よりも低い変速段(現変速段<推奨変速段)である場合は、シフトアップランプ67を点灯してシフトアップ指示を出す。また、現変速段が推奨変速段よりも高い変速段(現変速段>推奨変速段)である場合はシフトダウンランプ68を点灯してシフトダウン指示を出す。
このようなステップST132〜ST134の処理はEV走行が継続されている間において繰り返して実行される。そして、ハイブリッド車両1の走行状態がEV走行でなくなった場合(ステップST131の判定結果が否定判定(NO)になった場合)には、このサブルーチンを終了して図10のメインルーチンに戻る。
以上のように、この変形例によれば、SモードでのEV走行時において、第2モータジェネレータMG2の運転点が、EV走行を継続できない運転点(境界ラインCL)に近づいた場合のみに限って変速案内(変速指示)を行うので、EV走行時の変速案内の機会をHV走行時よりも減らすことができる。これにより、EV走行中にドライバが感じる煩わしさを低減することができる。
(EV走行中指示許可判定マップ)
図13に示すマップには、第2モータジェネレータMG2によるEV走行領域とEV走行非継続領域(EV走行を継続できない領域)とを区画する境界ライン(モータ特性ライン)CLと、その境界ラインCLの内側(低トルク・低回転側)の帯状のEV走行中シフト指示許可領域Fsとが設定されている。このEV走行中シフト指示許可領域Fsは、第2モータジェネレータMG2の運転点が境界ラインCL(EV走行が継続できない領域との境界ライン)に所定の程度(EV走行からHV走行に移行することが予測される程度)に近づいたことを判定するための領域であって、実験・計算等によって適合されている。なお、図13のマップはハイブリッドECU10のROM41内に記憶されている。
[実施形態2]
図14は本発明を適用するハイブリッド車両の他の例を示す概略構成図である。
この例のハイブリッド車両100は、FR(フロントエンジン・リアドライブ)方式のハイブリッド車両であって、駆動装置101が搭載されている。なお、駆動装置101の構成の一部(電気式差動部120、機械変速部130等)が、本発明でいう「変速部」に相当する。
駆動装置101は、車両走行用の駆動力を発生するエンジン110、電気式差動部120、及び、機械式変速部130などを備え、エンジン110からの動力を、ダンパ(図示せず)、入力軸111、電気式差動部120、機械式変速部130、出力軸112、及び、ディファレンシャル装置140を介して左右の駆動輪(後輪)150L,150Rに伝達するようになっている。これらエンジン110のクランクシャフト、電気式差動部120及び機械式変速部130などによって本発明でいう駆動力伝達系が構成されている。
また、図15に示すように、ハイブリッド車両100には、制御系として、ハイブリッドECU201、エンジンECU202、モータECU203、バッテリECU204、及び、GSI−ECU205などを備えている。これら、ハイブリッドECU201と、エンジンECU202と、モータECU203と、バッテリECU204と、GSI−ECU205とは互いに通信可能に接続されている。
なお、上記電気式差動部120、及び、機械式変速部130については、軸心に対して略対称的に構成されているので、図14では下側半分を省略している。
次に、エンジン110、モータジェネレータMG1,MG2、電気式差動部120、機械式変速部130、及び、ECU201〜205などの各部について以下に説明する。
−エンジン−
この例のエンジン110も、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する公知の動力装置(内燃機関)であって、吸気通路に設けられたスロットルバルブのスロットル開度(吸入空気量)、燃料噴射量、点火時期などの運転状態を制御できるように構成されている。また、燃焼後の排気ガスは排気通路(図示せず)を経て図示しない酸化触媒による浄化が行われた後に外気に放出される。
−電気式差動部−
電気式差動部120は、第1モータジェネレータMG1と、入力軸111に入力されたエンジン110の出力とを機械的に分配/合成する機械的機構であって、エンジン110の出力を第1モータジェネレータMG1及び伝達軸123に分配するか、もしくは、エンジン110の出力と第1モータジェネレータMG1の出力とを合成して伝達軸123に出力する動力分割機構121と、伝達軸123と一体的に回転するように設けられた第2モータジェネレータMG2とを備えている。
(モータジェネレータ)
第1モータジェネレータMG1は、入力軸111に対して回転自在に支持された永久磁石からなるロータ(回転子)と、3相巻線が巻回されたステータ(固定子)とを備えた交流同期発電機であって、発電機(ジェネレータ)として機能するとともに電動機(電動モータ)としても機能する。また、第2モータジェネレータMG2も同様に、永久磁石からなるロータ(回転子)と、3相巻線が巻回されたステータ(固定子)とを備えた交流同期発電機であって、電動機(電動モータ)として機能するとともに発電機(ジェネレータ)としても機能する。
これらの第1モータジェネレータMG1及び第2モータジェネレータMG2には、それぞれ、ロータ(回転軸)の回転角度を検出するMG1回転速度センサ(レゾルバ)216、MG2回転速度センサ(レゾルバ)217(図15参照)が設けられている。これら回転速度センサ107,108の出力信号(回転角度検出値)は、ハイブリッドECU201に入力され、各モータジェネレータMG1,MG2の駆動制御などに用いられる。
図15に示すように、第1モータジェネレータMG1、及び、第2モータジェネレータMG2は、それぞれ、インバータ301を介してバッテリ(蓄電装置)302に接続されている。インバータ301はモータECU203によって制御される。
インバータ301は、各モータジェネレータMG1,MG2のそれぞれの制御用のIPM(Intelligent Power Module:インテリジェントパワーモジュール)を備えている。その各IPMは、複数(例えば6個)の半導体スイッチング素子(例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)などによって構成されている。
モータECU203は、ハイブリッドECU201からの出力要求に応じてインバータ301を制御して、各モータジェネレータMG1,MG2の力行または回生を制御する。具体的には、例えば、バッテリ302からの直流電流を、モータジェネレータMG1,MG2を駆動する交流電流に変換する一方、エンジン1の動力により第1モータジェネレータMG1で発電された交流電流、及び、回生ブレーキにより第2モータジェネレータMG2で発電された交流電流を、バッテリ302を充電するための直流電流に変換する。また、第1モータジェネレータMG1で発電された交流電流を走行状態に応じて、第2モータジェネレータMG2の駆動用電力として供給する。
(動力分割機構)
動力分割機構121は、所定のギヤ比ρ0を有するシングルピニオン型の遊星歯車機構122と、切替クラッチC0及び切替ブレーキB0とを備えている。遊星歯車機構122は、サンギヤS0、複数のピニオンギヤP0、これら複数のピニオンギヤP0を自転及び公転可能に支持するプラネタリキャリアCA0、ピニオンギヤP0を介してサンギヤS0と噛み合うリングギヤR0を回転要素として備えている。サンギヤS0の歯数をZS0、リングギヤR0の歯数をZR0とすると、上記ギヤ比ρ0はZS0/ZR0である。
この動力分割機構121において、プラネタリキャリアCA0は入力軸111つまりエンジン110のクランクシャフトに連結されており、サンギヤS0は第1モータジェネレータMG1のロータ(回転軸)に連結されている。また、リングギヤR0は伝達軸123に連結されている。
切替ブレーキB0はサンギヤS0とトランスミッションケース101Aとの間に設けられている。切替クラッチC0はサンギヤS0とプラネタリキャリアCA0との間に設けられている。
これら切替クラッチC0及び切替ブレーキB0が解放されると、サンギヤS0、プラネタリキャリアCA0、リングギヤR0がそれぞれ相互に相対回転可能な差動作用が働く差動状態となり、エンジン110の出力が第1モータジェネレータMG1と伝達軸123とに分配されるとともに、その分配されたエンジン110の出力の一部により第1モータジェネレータMG1から発生した電気エネルギによって図15に示すバッテリ302が充電される。また、その第1モータジェネレータMG1から発生した電気エネルギにより第2モータジェネレータMG2が回転駆動されるので、例えば無段変速状態とされて、エンジン110の回転速度に関わらず伝達軸123の回転が連続的に変化させられる。すなわち、電気式差動部120は、電気的に変速比γ0(入力軸111の回転速度/伝達軸123の回転速度)が最小値γ0minから最大値γ0maxまで変化する差動状態、例えば変速比γ0が最小値γ0minから最大値γ0maxまで連続的に変化する電気的な無段変速機として機能する。
一方、切替クラッチC0が係合してサンギヤS0とプラネタリキャリアCA0とが一体的に係合すると、遊星歯車機構122を構成する3つの要素、つまり、サンギヤS0、プラネタリキャリアCA0及びリングギヤR0が一体回転する非差動状態となり、エンジン110の回転速度Neと伝達軸123の回転速度とが一致する状態となるので、電気式差動部120は変速比γ0が「1」に固定された変速機として機能する定変速状態(有段変速状態)となる。
また、切替クラッチC0に替えて切替ブレーキB0が係合すると、サンギヤS0が非回転状態(非差動状態)となって、リングギヤR0がプラネタリキャリアCA0よりも増速回転されるので、電気式差動部120は変速比γ0が「1」よりも小さい値に固定された増速変速機として機能する定変速状態(有段変速機)となる。
以上のように、この例では、切替クラッチC0及び切替ブレーキB0は、電気式差動部120を、変速比が連続的変化可能な電気的な無段変速機として作動する無段変速状態と、無段変速機として作動させずに変速比変化をロックする状態、すなわち、1種類または2種類の変速比の単段または複数段の変速機として作動可能な定変速状態とに選択的に切り替える差動状態切替装置として機能する。なお、その無段変速状態と有段変速状態との切り替えは、車両状態やエンジン110の運転状態などに基づいてハイブリッドECU201によって制御される。
上記電気式差動部120は、切替クラッチC0及び切替ブレーキB0がともに解放され、かつ、第1モータジェネレータMG1が反力を発生しない自由回転状態にされた場合には、電気式差動部120内の動力伝達経路における動力伝達を遮断する動力伝達遮断状態となる。一方、第1モータジェネレータMG1が反力を発生し、または、切替クラッチC0もしくは切替ブレーキB0のいずれか一方が係合された場合には、電気式差動部120内の動力伝達経路における動力伝達を可能とする動力伝達可能状態となる。
そして、電気式差動部120が動力伝達遮断状態または動力伝達可能状態とされることにより、駆動装置101全体が動力伝達遮断状態または動力伝達可能状態となる。ただし、この例では、第2モータジェネレータMG2と駆動輪150L,150Rとの間の動力伝達経路は遮断されることがないので、駆動装置101全体を動力伝達遮断状態とするには第2モータジェネレータMG2は自由回転状態とする。
上記切替クラッチC0及び切替ブレーキB0は、従来の車両用有段式自動変速機においてよく用いられている油圧式摩擦係合装置であって、互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型や、回転するドラムの外周面に巻き付けられた1本または2本のバンドの一端が油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成され、それが介装されている両側の部材を選択的に連結するようになっている。
−機械式変速部−
機械式変速部130は、前進5段・後進1段の有段式自動変速機であって、図14に示すように、シングルピニオン型の第1遊星歯車機構131、シングルピニオン型の第2遊星歯車機構132、及び、シングルピニオン型の第3遊星歯車機構133を備えている。
第1遊星歯車機構131は、第1サンギヤS1、第1ピニオンギヤP1、その第1ピニオンギヤP1を自転及び公転可能に支持する第1プラネタリキャリアCA1、第1ピニオンギヤP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、所定のギヤ比ρ1を有している。
第2遊星歯車機構132は、第2サンギヤS2、第2ピニオンギヤP2、その第2ピニオンギヤP2を自転及び公転可能に支持する第2プラネタリキャリアCA2、第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、所定のギヤ比ρ2を有している。
第3遊星歯車機構133は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転及び公転可能に支持する第3プラネタリキャリアCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、所定のギヤ比ρ3を有している。
以上の第1サンギヤS1の歯数をZS1、第1リングギヤR1の歯数をZR1、第2サンギヤS2の歯数をZS2、第2リングギヤR2の歯数をZR2、第3サンギヤS3の歯数をZS3、第3リングギヤR3の歯数をZR3とすると、上記ギヤ比ρ1はZS1/ZR1、上記ギヤ比ρ2はZS2/ZR2、上記ギヤ比ρ3はZS3/ZR3である。
この例の機械式変速部130では、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して伝達軸123に選択的に連結されるとともに、第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース101Aに選択的に連結される。また、第1プラネタリキャリアCA1は第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース101Aに選択的に連結され、第3リングギヤR3は第3ブレーキB3を介してトランスミッションケース101Aに選択的に連結される。さらに、第1リングギヤR1と第2プラネタリキャリアCA2と第3プラネタリキャリアCA3とが一体的に連結されて出力軸112に連結され、第2リングギヤR2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して伝達軸123に選択的に連結される。
切替クラッチC0、第1クラッチC1、第2クラッチC2、切替ブレーキB0、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び、第3ブレーキB3は、従来の車両用自動変速機においてよく用いられている油圧式摩擦係合要素であって、例えば、互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型や、回転するドラムの外周面に巻き付けられた1本または2本のバンドの一端が油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成され、それが介装されている両側の部材を選択的に連結するためのものである。
以上のように構成された駆動装置101においては、例えば、図16の係合作動表に示すように、切替クラッチC0、第1クラッチC1、第2クラッチC2、切替ブレーキB0、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、及び、第3ブレーキB3が選択的に係合作動させられることにより、第1変速段(1st)〜第5変速段(5th)のいずれか1つの変速段が選択的に成立させられ、後進変速段またはニュートラルが選択的に成立させられることによって、略等比的に変化する変速比γ(γ=入力軸回転速度Nin/出力軸回転速度Nout)が各変速段毎に得られるようになっている。
特に、この例では、電気式差動部120に切替クラッチC0及び切替ブレーキB0が設けられており、それら切替クラッチC0及び切替ブレーキB0のいずれか一方が係合させられることによって、電気式差動部120は前述した無段変速機として作動可能な無段変速状態に加え、変速比が一定の変速機として作動可能な定変速状態を構成することが可能である。したがって、この例の駆動装置101では、切替クラッチC0及び切替ブレーキB0のいずれか一方を係合させることで、定変速状態とされた電気式差動部120と機械式変速部130とで有段変速機が構成され、切替クラッチC0及び切替ブレーキB0の双方を解放することで無段変速状態とされた電気式差動部120と機械式変速部130とで無段変速機が構成される。
例えば、駆動装置101が有段変速機として機能する場合には、図16に示すように、切替クラッチC0、第1クラッチC1及び第3ブレーキB3の係合により、変速比γ1が最大値である第1変速段(1st)が成立し、切替クラッチC0、第1クラッチC1及び第2ブレーキB2の係合により、変速比γ2が第1変速段よりも小さい値である第2変速段(2nd)が成立する。
また、切替クラッチC0、第1クラッチC1及び第1ブレーキB1の係合により、変速比γ3が第2変速段よりも小さい値である第3変速段(3rd)が成立し、切替クラッチC0、第1クラッチC1及び第2クラッチC2の係合により、変速比γ4が第3変速段よりも小さい値(例えば「1.000」)である第4変速段(4th)が成立する。さらに、第1クラッチC1、第2クラッチC2及び切替ブレーキB0の係合により、変速比γ5が第4変速段よりも小さい値である第5変速段(5th)が成立する。
一方、第2クラッチC2及び第3ブレーキB3の係合により、変速比γRが第1変速段(1st)と第2変速段(2nd)との間の値である後進変速段(R)が成立する。なお、ニュートラル「N」状態とする場合には、例えば切替クラッチC0のみが係合される。
一方、駆動装置101が無段変速機として機能する場合には、切替クラッチC0及び切替ブレーキB0がともに解放される。これにより、電気式差動部120が無段変速機として機能し、この電気式差動部120に直列に連結された機械式変速部130が有段変速機として機能することによって、機械式変速部130の第1変速段、第2変速段、第3変速段、第4変速段の各変速段に対し、その機械式変速部130に入力される回転速度すなわち伝達軸123の回転速度が無段的に変化させられて各変速段は無段的な変速比幅が得られる。これによって機械式変速部130の各変速段の間が無段的に連続変化可能な変速比となって駆動装置101全体としてのトータル変速比γTが無段階に得られるようになる。
図17は、無段変速部または第1変速部として機能する電気式差動部120と、有段変速部または第2変速部として機能する機械式変速部130とを備えた駆動装置101において、変速段毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。
この図17の共線図は、横軸方向において各遊星歯車機構122,131,132,133のギヤ比ρの相対関係を示し、縦軸方向において相対的回転速度を示す2次元座標であり、3本の横軸のうちの下側の横線X1が回転速度「0」を示し、上側の横線X2が回転速度「1.0」すなわち入力軸111に連結されたエンジン110のエンジン回転速度Neを示し、横軸XGが伝達軸123の回転速度を示している。
また、電気式差動部120を構成する遊星歯車機構122の3つの要素に対応する3本の縦線Y1、Y2、Y3のうち、縦線Y1は、第2回転要素(第2要素)RE2に対応するサンギヤS0を表し、縦線Y2は、第1回転要素(第1要素)RE1に対応するプラネタリキャリアCA0を表している。縦線Y3は、第3回転要素(第3要素)RE3に対応するリングギヤR0の相対回転速度を表しており、それらの間隔は遊星歯車機構122のギヤ比ρ0に応じて定められている。すなわち、縦線Y1とY2との間隔を「1」に対応するとすると、縦線Y2とY3との間隔はギヤ比ρ0に対応する。
さらに、機械式変速部130の5本の縦線Y4、Y5、Y6、Y7、Y8のうち、縦線Y4は、第4回転要素(第4要素)RE4に対応し、かつ、相互に連結された第1サンギヤS1及び第2サンギヤS2を表し、縦線Y5は、第5回転要素(第5要素)RE5に対応する第1プラネタリキャリアCA1を表している。縦線Y6は、第6回転要素(第6要素)RE6に対応する第3リングギヤR3を表し、縦線Y7は、第7回転要素(第7要素)RE7に対応し、かつ、相互に連結された第1リングギヤR1、第2プラネタリキャリアCA2及び第3プラネタリキャリアCA3を表している。第8回転要素(第8要素)RE8に対応し、かつ、相互に連結された第2リングギヤR2及び第3サンギヤS3を表しており、それらの間隔は3つの遊星歯車機構(第1〜第3)131,132,133のギヤ比ρ1,ρ3,ρ3に応じてそれぞれ定められている。すなわち図17に示すように、各遊星歯車機構(第1〜第3)131,132,133ごとに、そのサンギヤとプラネタリキャリアとの間が「1」に対応するものとされ、プラネタリキャリアとリングギヤとの間がρに対応する。
図17の共線図を用いて表現すれば、この例の駆動装置101は、図14に示す電気式差動部(無段変速部)120において、遊星歯車機構122の3回転要素(要素)の1つである第1回転要素RE1(プラネタリキャリアCA0)が入力軸111に連結されるとともに、切替クラッチC0を介して他の回転要素の1つであるサンギヤS0と選択的に連結される。これ以外の回転要素の1つである第2回転要素RE2(サンギヤS0)が第1モータジェネレータMG1に連結されるとともに、切替ブレーキB0を介してトランスミッションケース101Aに選択的に連結される。また、残りの回転要素である第3回転要素RE3(リングギヤR0)が伝達軸123及び第2モータジェネレータMG2に連結されて、入力軸111の回転を前記伝達軸123を介して機械式変速部(有段変速機)30へ伝達する(入力させる)ように構成されている。このとき、Y2とX2の交点を通る斜めの直線L0によりサンギヤS0の回転速度とリングギヤR0の回転速度との関係が示される。
例えば、上記切替クラッチC0及び切替ブレーキB0の解放により無段変速状態に切り替えられたときは、第1モータジェネレータMG1の発電による反力を制御することによって、直線L0と縦線Y1との交点で示されるサンギヤS0の回転が上昇または下降させられると、直線L0と縦線Y3との交点で示されるリングギヤR0の回転速度が下降または上昇させられる。また、切替クラッチC0の係合によりサンギヤS0と第1プラネタリキャリアCA1とが連結されると、上記3つ回転要素が一体回転するロック状態となるので、直線L0は横線X2に一致し、エンジン回転速度Neと同じ回転で伝達軸123が回転する。また、切替ブレーキB0の係合によってサンギヤS0の回転が停止させられると、直線L0は図17に示す状態となり、その直線L0と縦線Y3との交点で示される第1リングギヤR0すなわち伝達軸123の回転速度は、エンジン回転速度Neよりも増速された回転で自動変速部20へ入力される。
機械式変速部130では、図17に示すように、第1クラッチC1と第3ブレーキB3とが係合させられることにより、第8回転要素RE8の回転速度を示す縦線Y8と横線X2との交点と第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6と横線X1との交点とを通る斜めの直線L1と、出力軸112と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第1速の出力軸112の回転速度が示される。
同様に、第1クラッチC1と第2ブレーキB2とが係合させられることにより決まる斜めの直線L2と出力軸112と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第2速の出力軸112の回転速度が示され、第1クラッチC1と第1ブレーキB1とが係合させられることにより決まる斜めの直線L3と出力軸112と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第3速の出力軸112の回転速度が示される。また、第1クラッチC1と第2クラッチC2とが係合させられることにより決まる水平な直線L4と出力軸112と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第4速の出力軸112の回転速度が示される。
上記第1速〜第4速では、切替クラッチC0が係合させられているので、エンジン回転速度Neと同じ回転速度で第8回転要素RE8に電気式差動部120からの動力が入力される。一方、切替クラッチC0に替えて切替ブレーキB0が係合させられると、電気式差動部120からの動力がエンジン回転速度Neよりも高い回転速度で入力されることから、第1クラッチC1、第2クラッチC2、及び、切替ブレーキB0が係合させられることにより決まる水平な直線L5と出力軸112と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第5速の出力軸112の回転速度が示される。また、第2クラッチC2と第3ブレーキB3とが係合させられることにより決まる斜めの直線LRと出力軸112と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で後進Rの出力軸112の回転速度が示される。
以上の駆動装置101を構成するクラッチC0〜C2、ブレーキB0〜B3の係合または解放は、油圧制御回路160及びハイブリッドECU201(図15参照)によって制御される。
−シフト操作装置−
本実施形態のハイブリッド車両100には、運転席の近傍に、図18(a)に示すようなシフト操作装置170が配置されている。シフト操作装置170にはシフトレバー171が変位可能に設けられている。
この例のシフト操作装置170には、図18(b)に示すように、パーキングポジション(Pポジション)、リバースポジション(Rポジション)、ニュートラルポジション(Nポジション)、ドライブポジション(Dポジション)、及び、シーケンシャルポジション(Sポジション)が設定されており、ドライバが所望の変速ポジションへシフトレバー171を変位させることが可能となっている。これらPポジション、Rポジション、Nポジション、Dポジション、Sポジション(下記の「+」ポジション及び「−」ポジションも含む)の各ポジションは、シフトポジションセンサ215によって検出される。
上記シフトレバー171が「Dポジション」に操作されている状態では、ハイブリッドシステムは「自動変速モード」とされる。
一方、上記シフトレバー171が「Sポジション」に操作されている状態では、ハイブリッドシステムは「手動変速モード(シーケンシャルシフトモード(Sモード))」とされる。このSポジションの前後には「+」ポジション及び「−」ポジションが設けられている。「+」ポジションは、マニュアルシフトアップを行う際にシフトレバー171が操作されるポジションであり、「−」ポジションは、マニュアルシフトダウンを行う際にシフトレバー171が操作されるポジションである。そして、シフトレバー171がSポジションにあるときに、シフトレバー171がSポジションを中立位置として「+」ポジションまたは「−」ポジションに操作(手動変速操作)されると、有段変速状態の駆動装置101の変速段がアップまたはダウンされる。具体的には、「+」ポジションへの1回操作毎に変速段が1段ずつアップ(例えば、1st→2nd→3rd→4th→5th)される。一方、「−」ポジションへの1回操作毎に変速段が1段ずつダウン(例えば、5th→4th→3rd→2nd→1st)される。
また、本実施形態においても、上記した[実施形態1]と同様に、ステアリングホイール9bにパドルスイッチ9c,9d(図2参照)が設けられており、そのシフトアップ用パドルスイッチ9cが操作(手前に引く操作)されると、1回操作毎に変速段が1段ずつアップされる。一方、シフトダウン用パドルスイッチ9dが操作(手前に引く操作)されると、1回操作毎に変速段が1段ずつダウンされるようになっている。
−変速指示装置−
本実施形態に係るハイブリッド車両100においても、上記した[実施形態1]と同様な変速指示装置が搭載されている。
すなわち、本実施形態のハイブリッド車両100においても、図8に示すコンビネーションメータ6が車室内の運転席前方に配置されている。このコンビネーションメータ6には、スピードメータ61、タコメータ62、ウォータテンパラチャゲージ63、フューエルゲージ64、オドメータ65、トリップメータ66、及び、各種のウォーニングインジケータランプなどが配置されている。
そして、このコンビネーションメータ6には、ハイブリッド車両100の走行状態に応じて燃費向上等を図る上で適した変速段(ギヤポジション)の選択を指示する変速指示装置が設けられている。以下、この変速指示装置について説明する。
コンビネーションメータ6には、変速指示用の表示部として、変速段をアップ指示する際に点灯するシフトアップランプ67、変速段をダウン指示する際に点灯するシフトダウンランプ68が配置されている。これらシフトアップランプ67及びシフトダウンランプ68は、例えばLED等で構成されており、GSI−ECU205(図15参照)によって点灯及び消灯が制御される。これらシフトアップランプ67、シフトダウンランプ68及びGSI−ECU205によって、本発明でいう変速指示部が構成されている。なお、GSI−ECU205を備えさせず、エンジンECU202または図示しないパワーマネージメントECUがシフトアップランプ67及びシフトダウンランプ68の点灯及び消灯を制御する構成としてもよい。
−ECU−
ハイブリッドECU201は、エンジン110の運転を制御するエンジンECU202と、モータジェネレータMG1,MG2の駆動を制御するモータECU203と、バッテリ302を管理するバッテリECU204との間で制御信号やデータ信号を送受信し、エンジン110の運転制御、モータジェネレータMG1,MG2の駆動制御、並びに、エンジン110及びモータジェネレータMG1,MG2の協調制御などを含む各種制御を実行する電子制御装置である。
ハイブリッドECU201は、CPU、ROM、RAM及びバックアップRAMなどを備えている。
ROMには、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMはCPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMはエンジン110の停止時などにおいて保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
なお、エンジンECU202、モータECU203、バッテリECU204、及び、GSI−ECU205においても、CPU、ROM、RAM及びバックアップRAMなどを備えている。
図15に示すように、ハイブリッドECU201には、エンジン110の出力軸であるクランクシャフト11の回転速度(エンジン回転速度)を検出するエンジン回転速度センサ211、出力軸112の回転速度を検出する出力軸回転速度センサ212、エンジン110のスロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ213、アクセルペダルの開度を検出するアクセル開度センサ214、シフトポジションセンサ215、MG1回転速度センサ216、MG2回転速度センサ217、パワースイッチ218、バッテリ302の充放電電流を検出する電流センサ219、バッテリ温度センサ220、及び、ハイブリッド車両100の車速を検出する車速センサ221などが接続されている。さらに、ハイブリッドECU201には、エンジン冷却水温を検出する水温センサ、吸入空気量を検出するエアフロメータなどのエンジン110の運転状態を示すセンサなどが接続されており、これらの各センサからの信号がハイブリッドECU201に入力される。なお、エンジン110の運転状態を示すセンサ類などはエンジンECU202に接続されていてもよい。
また、ハイブリッドECU201には、バッテリECU204との通信によりバッテリ302の状態に関するデータ等が入力される。バッテリECU204は、バッテリ302を管理するために、上記電流センサ219にて検出された充放電電流の積算値や、上記バッテリ温度センサ220にて検出されたバッテリ温度などに基づいて、バッテリ302の残容量SOCや、バッテリ302の入力制限(充電制限)Win及び出力制限(放電制限)Woutなどを演算する。
また、ハイブリッドECU201は、駆動装置101の変速制御等を行う指令信号(ソレノイド制御信号等)を油圧制御回路160に出力する。この指令信号に基づいて、油圧制御回路160のリニアソレノイドバルブなどの励磁・非励磁等が制御され、例えば、所定の変速段(第1速(1st)〜第5速(5th))を構成するように、駆動装置101のクラッチC0〜C2及びブレーキB0〜B3が所定の状態(図16参照)に係合または解放される。
さらに、ハイブリッドECU201は、下記の[走行制御]、[自動変速制御]及び[Sモード時のシフト指示制御]を実行する。
[走行制御]
ハイブリッドECU201は、上記した各種センサの出力信号に基づいて、エンジンECU202及びモータECU203に出力要求を送信して駆動力を制御する。具体的には、アクセル操作量Acc及び車速Vに基づいてドライバの要求トルク(駆動力)Trをマップ(例えば、図4に示すような要求トルク設定マップ)等を参照して算出し、その要求トルクTrが得られるように、エンジンECU202及びモータECU203に出力要求を送信して、エンジン110及びモータジェネレータMGの駆動を制御することによりハイブリッド車両HVの走行制御を行う。
例えば、発進時や低速走行時等であってエンジン110の運転効率が悪い場合には、モータジェネレータMGのみにより走行(以下、「EV走行」ともいう)を行う。また、車室内に配置された走行モード選択スイッチによってドライバがEV走行モードを選択した場合にもEV走行を行う。なお、エンジン110が運転された状態で走行を行う状態をHV走行という。
HV走行時には、要求トルクTrに見合う動力がエンジン110から出力されるようにエンジン110を駆動して、そのエンジン110の動力で走行(エンジン走行)を行う。
また、HV走行での高速走行時には、さらにバッテリ(走行用バッテリ)302からの電力をモータジェネレータMGに供給し、このモータジェネレータMGの出力を増大させて駆動輪150L,150Rに対して駆動力の追加(駆動力アシスト;力行)を行う。さらに、減速時(コースト走行時)には、モータジェネレータが発電機として機能して回生発電を行い、回収した電力をバッテリ302に蓄える制御を行う。
なお、バッテリ302の充電量が低下し、充電が特に必要な場合には、エンジン110の出力を増加してモータジェネレータMGによる発電量を増やしてバッテリ302に対する充電量を増加する。また、低速走行時においても、必要に応じてエンジン110の駆動量を増加する制御を行う場合もある。例えば、前述のようにバッテリ302の充電が必要な場合や、エアコン等の補機を駆動する場合や、エンジン110の冷却水の温度を所定温度まで上げる場合などである。
[変速制御]
本実施形態では、車両走行状態(アクセル開度Acc及び車速V)に応じて駆動装置101を自動変速する自動変速モードと、ドライバの操作に応じて駆動装置101を手動変速するSモード(手動変速モード)とを選択することが可能である。その各モードについて説明する。なお、Sモードでは駆動装置101は有段変速作動する。
(自動変速モード)
まず、この例の変速制御に用いる変速線マップについて図19を参照して説明する。
図19に示す変速線マップは、車速V及び要求トルクをパラメータとし、それら車速V及び要求トルクに応じて、適正な変速段(最適な燃費となる推奨変速段)を求めるための複数の領域が設定されたマップであって、ハイブリッドECU201のROM内に記憶されている。変速線マップの各領域は複数の変速線(変速段の切り替えライン)によって区画されている。図19に示す変速線マップにおいて、シフトアップ線(変速線)を実線で示し、シフトダウン線(変速線)を破線で示している。また、シフトアップ及びシフトダウンの各切り替え方向を図中に数字と矢印とを用いて示している。
次に、自動変速制御の基本動作について説明する。
ハイブリッドECU201は、車速センサ221の出力信号から車速Vを求めるとともに、アクセル開度センサ214の出力信号からアクセル開度Accを求め、それら車速V及びアクセル開度Accに基づいて、図19の変速線マップを参照して推奨変速段(目標変速段)を算出し、その推奨変速段と現状の変速段(現変速段)とを比較して変速操作が必要であるか否かを判定する。
その判定結果により、変速の必要がない場合(推奨変速段と現変速段とが同じで、変速段が適切に設定されている場合)には、油圧制御回路160に変速指令を出力せずに現変速段を維持する。
一方、推奨変速段と現変速段とが異なる場合には変速制御を行う。例えば、駆動装置101(有段変速状態)の変速段が「第3変速段」の状態で走行している状況から、車両の走行状態が変化して、例えば図19に示すシフトダウン変速線[3→2]を跨ぐと、変速線マップから算出される推奨変速段が「第2変速段」となり、その第2変速段を設定する変速指令を油圧制御回路160に出力して、第3変速段から第2変速段への変速(3→2シフトダウン変速)を行う。
ここで、駆動装置101の現在の変速段(現変速段)、例えば、駆動装置101を構成しているクラッチC0〜C2及びブレーキB0〜B3のそれぞれの係合・解放状態(図16参照)から認識することができる。それらクラッチC0〜C2及びブレーキB0〜B3の係合・解放状態は油圧スイッチ等によって検出することができる。また、駆動装置101の入力軸111の回転速度と出力軸112の回転速度との比(変速比)を求め、その変速比から現変速段を求めることができる。
なお、自動変速モードが選択されている場合、ハイブリッド車両100の運転状態(車速V、アクセル開度Acc等)によって、駆動装置101が無段変速作動する場合もある。
(Sモード)
次に、Sモードについて説明する。
まず、本実施形態では、上記シフト操作装置170のシフトレバー171(図18参照)がDポジションからSポジション(Sモード)に切り替えられると、シフトポジションセンサ107からハイブリッドECU201にSモード信号が出力されて、シーケンシャルシフトマチックによるレンジの切り替え操作が可能なSモードに移行する。
Sモードが設定された場合、ハイブリッドECU201は、例えば現在の駆動装置101(有段変速状態)の変速段を上限変速段とし、その上限変速段(下限変速比)を最も高い側の変速段(最も低い側の変速比)とする制限変速段(制限変速比)範囲内で自動変速を行う制御(レンジホールド制御)を実行する。
具体的には、Sモードに切り替えられたときの変速段が、例えば第3変速段(3rd)である場合、その第3変速段を上限変速段とし、第3変速段(3rd)〜第1変速段(1st)の間において、駆動装置101の自動変速(上記した変速線マップに基づく自動変速制御)が可能な状態になる。
また、上限変速段が第3変速段である状態で、シフトレバー171が「−」側に一回操作(シフトダウン操作)された場合は、上限変速段が第2変速段(2nd)に変更されるとともに、その第2変速段(2nd)〜第1変速段(1st)の間において、駆動装置101の自動変速(上記した変速線マップに基づく自動変速制御)が可能な状態になる。
一方、上限変速段が第3変速段である状態で、シフトレバー171が「+」側に一回操作(シフトアップ操作)された場合は、上限変速段が第4変速段(4th)に変更されるとともに、その第4変速段(4th)〜第1変速段(1st)の間において、駆動装置101の自動変速(上記した変速線マップに基づく自動変速制御)が可能な状態になる。
なお、シフトレバー171がDポジションからSポジション(Sモード)に切り替えたときの上限変速段については、その切り替え時の駆動装置101の変速段(例えば第3変速段)よりも1段低い変速段(第2変速段)または1段高い変速段(第4変速段)を上限変速段とするようにしてもよい。
−Sモード時のシフト指示制御−
本実施形態においても、SモードでのEV走行時には、HV走行時よりも変速案内(シフト指示の表示)の機会を減らすことで、ドライバが感じる煩わしさを低減できるようにする。これを実現するための具体的な制御(Sモード時のシフト指示制御)の例について図20のフローチャートを参照して説明する。
図20の制御ルーチンはハイブリッドECU201において所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返して実行される。
図20の制御ルーチンが開始されると、まずは、ステップST201において、シフトポジションセンサ215の出力信号に基づいてSモード(手動変速モード)が選択されているか否かを判定する。その判定結果が否定判定(NO)である場合はリターンする。ステップST201の判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST202に進む。
ステップST202では、現在のハイブリッド車両100の走行状態が「EV走行」であるか否かを判定する。このステップST202の判定結果が否定判定(NO)である場合、つまり、エンジン110を駆動した状態での「HV走行」である場合はステップST211に進む。なお、「EV走行」の判定は、例えば、ハイブリッドECU201からモータECU13に送信する指令信号等に基づいて行う。
ステップST211では、車速センサ221の出力信号から現在の車速Vを求めるとともに、アクセル開度センサ214の出力信号から現在のアクセル開度Accを求め、それら車速V及びアクセル開度Accを用いてマップ(例えば、図4に示すような要求トルク設定マップ)を参照して要求トルクTrを求める。この要求トルクTrと上記車速VまたはアクセルAccとに基づいて図19に示す変速線マップを参照して推奨変速段(目標変速段)を求める。そして、その推奨変速段と駆動装置101(有段変速状態)の現変速段とを比較し、推奨変速段と現変速段とが同じであるか否かを判定する。その判定結果が肯定判定(YES)である場合([現変速段=推奨変速段]である場合)は、上記変速指示装置によるシフトアップ指示を非実施とする(ステップST212)。なお、車速Vは、出力軸回転速度センサ212の出力信号から算出するようにしてもよい。
上記ステップST211の判定結果が否定判定(NO)である場合(推奨変速段と現変速段とが異なる場合)はステップST213に進む。ステップST213では、現変速段が推奨変速段よりも低い変速段(現変速段<推奨変速段)であるか否か判定する。その判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST214に進む。
ステップST214では、ハイブリッドECU201からGSI−ECU16に対してシフトアップ指令を実施するための制御信号を送信してシフトアップランプ67を点灯する(図9(a)参照)。このシフトアップランプ67を点灯(シフトアップ指示)はステップST211の判定結果が肯定判定(YES)となるまで継続される。そして、このようなシフトアップランプ67の点灯によるシフトアップ指示(変速案内)に応じて、ドライバがシフトレバー171を「+」ポジションへ操作(またはシフトアップ用パドルスイッチ9cを操作)すると、ハイブリッドシステムではシフトアップ動作が行われる。このシフトアップ動作により、現変速段と推奨変速段とが同じになった時点(ステップST211の判定結果が肯定判定(YES)になった時点)で、シフトアップランプ67を消灯して、上記変速指示装置によるシフト指示を非実施とする(ステップST212)。
上記ステップST211及びステップST213の判定結果がともに否定判定(NO)である場合、つまり、現変速段が推奨変速段よりも高い変速段(現変速段>推奨変速段)である場合はステップST215に進む。
ステップST215では、ハイブリッドECU201からGSI−ECU16に対してシフトダウン指令を実施するための制御信号を送信してシフトダウンランプ68を点灯する(図9(b)参照)。このシフトダウンランプ68の点灯(シフトダウン指示)はステップST211の判定結果が肯定判定(YES)となるまで継続される。そして、このようなシフトダウンランプ68の点灯によるシフトダウン指示(変速案内)に応じて、ドライバがシフトレバー171を「−」ポジションへ操作(またはシフトダウン用パドルスイッチ9d)を操作すると、ハイブリッドシステムではシフトダウン動作が行われる。このシフトダウン動作により、現変速段と推奨変速段とが同じになった時点(ステップST211の判定結果が肯定判定(YES)になった時点)で、シフトダウンランプ68を消灯して、上記変速指示装置によるシフト指示を非実施とする(ステップST212)。
一方、上記ステップST202の判定結果が肯定判定(YES)である場合、つまり、ハイブリッド車両100の現在の走行状態が「EV走行」である場合は、ステップST203においてEV走行中シフト指示制御のサブルーチンを実行する。このEV走行中シフト指示制御サブルーチンについて図21を参照して説明する。
この図21のサブルーチンが開始されると、まずは、ステップST231において、EV走行が継続中であるか否かを判定する。その判定結果が否定判定(NO)である場合は、このサブルーチンの処理を終了して図20のメインルーチンに戻る。ステップST231の判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST232に進む。
ステップST232では、駆動装置101(有段変速状態)の現変速段が第3変速段(3rd)以下(現変速段≦第3変速段)であるか否かを判定する。その判定結果が否定判定(NO)である場合は、変速指示を禁止(変速案内を禁止)した後、このサブルーチンの処理を終了して図20のメインルーチンに戻る。ステップST232の判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST233に進む。
ステップST233ではシフト指示を行う。具体的には、上記図20のフローチャートのステップST211〜ステップST215と同様な処理を実行する。つまり、図19に示す変速線マップを参照して推奨変速段(目標変速段)を求め、その推奨変速段と現変速とが同じであるである場合は上記変速指示装置によるシフト指示を非実施とする。なお、このシフト指示非実施も変速案内に含まれる。一方、現変速段が推奨変速段よりも低い変速段(現変速段<推奨変速段)である場合は、シフトアップランプ67を点灯してシフトアップ指示(変速案内)を出す。また、現変速段が推奨変速段よりも高い変速段(現変速段>推奨変速段)である場合はシフトダウンランプ68を点灯してシフトダウン指示(変速案内)を出す。
このようなステップST232〜ST234の処理はEV走行が継続されている間において繰り返して実行される。そして、ハイブリッド車両100の走行状態がEV走行でなくなった場合(ステップST231の判定結果が否定判定(NO)になった場合)には、このサブルーチンを終了して図20のメインルーチンに戻る。
以上のように、本実施形態によれば、SモードでのEV走行時において、駆動装置101(変速部)の全変速段(前進5速)について変速案内(変速指示)を行うのではなく、変速案内を行う変速段を第3変速段までに限定(3rd〜1stに限定)しているので、EV走行時の変速案内の機会(変速を促す変速指示の機会)をHV走行時よりも減らすことができる。これにより、EV走行中にドライバが感じる煩わしさを低減することができる。
なお、以上の実施形態では、駆動装置101(変速部)の変速段が前進5段である場合に、変速指示(変速案内)を許可する変速段を第3変速段(3rd)以下に限定しているが、これに限られることなく、変速指示(変速案内)を許可する変速段を第4変速段以下、または、第2変速段以下としてもよい。また、駆動装置101(変速部)の変速段の段数についても、前進5段に限られることなく、例えば前進6段や前進8段などの他の任意の前進段(複数段)の変速部が動力伝達系に設けられたハイブリッド車両にも本発明は適用可能である。
なお、この[実施形態2]で説明したSモード時のシフト指示制御(図20及び図21の制御ルーチン)は、上記した[実施形態1]にも適用し得る。
(変形例2−1)
上記した図20のフローチャートのステップST203で実行するEV走行中シフト指示制御のサブルーチンの他の例について図22を参照して説明する。この図22のサブルーチンもハイブリッドECU201において実行可能である。
図22のサブルーチンが開始されると、まずは、ステップST241において、EV走行が継続中であるか否かを判定する。その判定結果が否定判定(NO)である場合は、このサブルーチンの処理を終了して図20のメインルーチンに戻る。ステップST241の判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST242に進む。
ステップST242では、第2モータジェネレータMG2が最適効率となる変速段(最適効率変速段)を求める。
具体的には、図23に示すように、第2モータジェネレータMG2の最適効率ラインと、要求パワーPmg2(Nmg2×Tr)が一定となることを示す相関曲線(要求パワーライン)との交点(図中における点Y)を求め。この交点の第2モータジェネレータMG2の回転速度Nmg2を求める。次に、第2モータジェネレータMG2の回転速度Nmg2(機械式変速部130の入力軸回転速度)と現在の車速V(車速センサ221の出力信号から認識)とに基づいて、第2モータジェネレータMG2と駆動輪150L,150Rとの間の動力伝達系の変速比を求める。そして、その変速比を基に駆動装置101の前進5速のうち、最適効率となる最適効率変速段を求める。なお、第2モータジェネレータMG2の回転速度Nmg2はMG2回転速度センサ217の出力信号から求めることができる。
次に、ステップST243において、上記ステップST242で求めた最適効率変速段に対して、駆動装置101(有段変速状態)の現変速段が2段以上乖離したか否かを判定する。その判定結果が否定判定(NO)である場合(現変速段が最適効率変速段と同じであるか、または、現変速段が最適効率変速段に対して1段だけずれている場合)は、上記変速指示装置によるシフトアップ指示を非実施(ステップST245)としてステップST241に戻る。
一方、ステップST243の判定結果が肯定判定(YES)である場合(現変速段が最適効率変速段に対して2段以上乖離した場合)はステップST244に進む。
ステップST244ではシフト指示を行う。具体的には、上記図20のフローチャートのステップST211〜ステップST215と同様な処理を実行する。つまり、図19に示す変速線マップを参照して推奨変速段(目標変速段)を求め、その推奨変速段と現変速とが同じであるである場合は上記変速指示装置によるシフト指示を非実施とする。なお、このシフト指示非実施も変速案内に含まれる。一方、現変速段が推奨変速段よりも低い変速段(現変速段<推奨変速段)である場合は、シフトアップランプ67を点灯してシフトアップ指示(変速案内)を出す。また、現変速段が推奨変速段よりも高い変速段(現変速段>推奨変速段)である場合はシフトダウンランプ68を点灯してシフトダウン指示(変速案内)を出す。
このようなステップST242〜ST245の処理はEV走行が継続されている間において繰り返して実行される。そして、ハイブリッド車両100の走行状態がEV走行でなくなった場合(ステップST241の判定結果が否定判定(NO)になった場合)には、このサブルーチンを終了して図20のメインルーチンに戻る。
この例によれば、手動変速モードでのEV走行中において、第2モータジェネレータMG2が最適効率となる変速段に対して現変速段が2段以上乖離した場合に限って変速指示(変速案内)を行うので、EV走行時の変速案内の機会をHV走行時よりも減らすことができる。これにより、EV走行中にドライバが感じる煩わしさを低減することができる。しかも、EV走行時において第2モータジェネレータMG2の運転点を最適効率ライン(図23参照)に近づけることが可能になるので、第2モータジェネレータMG2の運転効率を高めることができ、エネルギ消費を抑制することができる。
なお、この(変形例2−1)で説明したSモード時のシフト指示制御(図20及び図21の制御ルーチン)は、上記した[実施形態1]にも適用し得る。
(変形例2−2)
上記した図20のフローチャートのステップST203で実行するEV走行中シフト指示制御サブルーチンの別の例について図24を参照して説明する。この図24のサブルーチンもハイブリッドECU201において実行可能である。
図24の制御ルーチンが開始されると、まずは、ステップST251において、EV走行が継続中であるか否かを判定する。その判定結果が否定判定(NO)である場合は、このサブルーチンの処理を終了して図20のメインルーチンに戻る。ステップST251の判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST252に進む。
ステップST252では、第2モータジェネレータMG2の運転点がEV走行を継続できない運転点に近づいたか否かを判定する。具体的には、上記した図13のEV走行中指示許可判定マップ(ハイブリッドECU201のROM内に記憶)に基づいて、第2モータジェネレータMG2の運転点がEV走行中シフト指示領域に入ったか否かを判定する。例えば、図13に示すように、第2モータジェネレータMG2の運転点がPxである状態から運転点Pyに遷移した場合、「第2モータジェネレータMG2の運転点がEV走行を継続できない運転点に近づいた」と判定してステップST253に進む。ステップST252の判定結果が否定判定(NO)である場合は、上記変速指示装置によるシフトアップ指示を非実施(ステップST254)としてステップST251に戻る。
ステップST253ではシフト指示を行う。具体的には、上記図20のフローチャートのステップST211〜ステップST215と同様な処理を実行する。つまり、図19に示す変速線マップを参照して推奨変速段(目標変速段)を求め、その推奨変速段と現変速とが同じであるである場合は上記変速指示装置によるシフト指示を非実施とする。なお、このシフト指示非実施も変速案内に含まれる。一方、現変速段が推奨変速段よりも低い変速段(現変速段<推奨変速段)である場合は、シフトアップランプ67を点灯してシフトアップ指示(変速案内)を出す。また、現変速段が推奨変速段よりも高い変速段(現変速段>推奨変速段)である場合はシフトダウンランプ68を点灯してシフトダウン指示(変速案内)を出す。
このようなステップST252〜ST254の処理はEV走行が継続されている間において繰り返して実行される。そして、ハイブリッド車両100の走行状態がEV走行でなくなった場合(ステップST251の判定結果が否定判定(NO)になった場合)には、このサブルーチンを終了して図20のメインルーチンに戻る。
以上のように、この変形例によれば、SモードでのEV走行時において、第2モータジェネレータMG2の運転点が、EV走行を継続できない運転点(境界ラインCL)に近づいた場合のみに限って変速指示(変速案内)を行うので、EV走行時の変速案内の機会をHV走行時よりも減らすことができる。これにより、EV走行中にドライバが感じる煩わしさを低減することができる。
ここで、この[実施形態2]において、SモードでのEV走行中には変速案内がされない(シフト指示表示がされない)ようにしてもよい。
[実施形態3]
上記した[実施形態1]及び[実施形態2]では、2つのモータジェネレータMG1,MG2が搭載されたハイブリッド車両HVに本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限られることなく、1つのモータジェネレータが搭載されたハイブリッド車両にも適用可能である。その一例について図25を参照して説明する。
この例のハイブリッド車両は、FR(フロントエンジン・リアドライブ)方式のハイブリッド車両400であって、エンジン401、モータジェネレータ(MG)403、変速機(有段式の自動変速機(例えば前進5段))405、モータジェネレータ403を駆動するインバータ411、モータジェネレータ403を駆動する電力を供給するとともに、モータジェネレータ403で発電された電力を蓄電するバッテリ412、及び、ECU410などを備えており、エンジン401とモータジェネレータ403とが第1クラッチ402を介して連結されている。また、モータジェネレータ403と変速機405とが第2クラッチ404を介して連結されている。これらエンジン401のクランクシャフト、第1クラッチ402、モータジェネレータ403、第2クラッチ404及び変速機405などによって本発明でいう駆動力伝達系が構成されている。
この図25に示すハイブリッド車両400にあっては、第1クラッチ402を遮断(解放)し、第2クラッチ404を接続(係合)することにより、モータジェネレータ403のみによって駆動輪(後輪)406L,406Rを駆動するEV走行が可能である。
また、第1クラッチ402及び第2クラッチ404の両方を接続(係合)することにより、エンジン401の駆動力によって駆動輪406L,406Rを駆動するHV走行が可能であるとともに、モータジェネレータ403による充電またはアシストトルクを発生させることが可能である。
ここで、この実施形態のハイブリッド車両400においても、図2に示すようなシフト操作装置9やパドルスイッチ9c,9dなどを備えており、そのシフト操作装置9のシフトレバー91がDポジションからSポジション(Sモード)に切り替えられると、シフトポジションセンサ(図示せず)からECU410にSモード信号が出力されて、シーケンシャルシフトマチックによるレンジの切り替え操作が可能なSモードに移行するように構成されている。
さらに、この実施形態のハイブリッド車両400においても、変速指示用の表示部として、変速段をアップ指示する際に点灯するシフトアップランプ67、変速段をダウン指示する際に点灯するシフトダウンランプ68が配置されたコンビネーションメータ6(図8参照)などの変速指示装置を構成する機能部が装備されている。
そして、この実施形態のハイブリッド車両400においても、上記した[実施形態2]で説明したSモード時のシフト指示制御(図20及び図21の制御ルーチン)と同等な制御を実行することにより、シーケンシャルシフトモード(Sモード)でのEV走行時において、変速機405の複数変速段(前進5速)の中の所定の変速段までに限(第3変速段(3rd)まで限定)して変速案内を行うようにしてもよい。
また、上記した[実施形態2]の(変形例2−1)で説明したEV走行中シフト指示制御(図22の制御ルーチン)と同等な制御を実行することにより、SモードでのEV走行中において、モータジェネレータ403が最適効率となる変速段に対して現変速段が2段以上乖離した場合に限って変速案内(変速指示)を行うようにしてもよい。
また、上記した[実施形態2]の(変形例2−2)で説明したEV走行中シフト指示制御(図24の制御ルーチン)と同等な制御を実行することにより、SモードでのEV走行中において、第2モータジェネレータ403の運転点が、EV走行を継続できない運転点(境界線CL)に近づいた場合のみに限って変速案内(変速指示)を行うようにしてもよい。
さらに、図25に示すハイブリッド車両400において、SモードでのEV走行中には変速案内がされない(シフト指示表示がされない)ようにしてもよい。
以上のように、本実施形態においても、SモードにおいてHV走行時とEV走行時とで同一のアクセル踏み込み量及び車速に対して変速の案内(変速指示)の態様を異ならせることにより、EV走行時には変速案内の機会(シフト指示の機会)を減らすことができるので、EV走行中にドライバが感じる煩わしさを低減することができる。
−他の実施形態−
本発明において、手動変速操作が可能な状態(手動変速モード)においてEV走行時とHV走行時とで、同一のアクセル踏み込み量及び車速に対して変速の案内の態様を異ならせることにより、例えば、HV走行時は燃費を最適とするための変速指示がなされ、EV走行時には運転性能を重視した変速指示がなされるようにしてもよい。
本発明において、手動変速操作が可能な状態(手動変速モード)でのEV走行時(またはEV走行優先時)には、HV走行時(またはHV走行優先時)よりも、変速が案内される機会を減らすように案内制約を設けてもよい。このような案内制約を設けた場合も、変速指示による燃費やエネルギ効率の改善と、変速指示に基づく変速を行うことによるドライバの煩わしさの低減とを両立させることができる。
以上の[実施形態1]では、FF方式のハイブリッド車両HVに本発明を適用する例を示したが、これに限らず、FR方式または4WD方式のハイブリッド車両に本発明を適用してもよい。
以上の[実施形態1]では、2個のモータジェネレータMG1,MG2と動力分割機構3とを備えた、いわゆるスプリット方式のハイブリッド車両HVに本発明を適用する例を示したが、これに限らず、いわゆるシリーズ方式またはパラレル方式のハイブリッド車両に本発明を適用してもよい。なお、シリーズ方式のハイブリッド車両とは、エンジンが発電機による発電のみに用いられ、駆動輪がモータのみにより駆動されるハイブリッド車両であり、パラレル方式のハイブリッド車両とは、エンジン及びモータにより駆動輪が駆動されるハイブリッド車両である。
以上の[実施形態1]〜[実施形態3]では、2つのモータジェネレータまたは1つのモータジェネレータが搭載されたハイブリッド車両の制御に、本発明を適用した例を示したが、3つ以上のモータジェネレータを備え、そのうちの少なくとも1つが車両の走行駆動力のアシストを行うハイブリッド車の制御にも本発明は適用可能である。
なお、本発明において、変速システムとしては、レンジホールドタイプのもの(選択された変速段に対し、低い変速段側への自動変速が可能なもの)やギヤホールドタイプ(選択された変速段が維持されるもの)に対しても適用可能である。ここでいうレンジホールドタイプとは、シフトレバーがシーケンシャルポジション(Sポジション)にある場合に、ハイブリッドECU10等が、現在の変速段を上限変速段とし、その上限変速段を最も高い側の変速段(最も低い側の変速比)とする制限変速段範囲内で自動変速を行う制御である。例えば、手動変速モードにおける変速段が、第3速段(3rd)である場合、その第3速段を上限変速段とし、第3速段(3rd)〜第1速段(1st)の間において自動変速が可能な状態である。