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JP5826686B2 - 気体圧縮機 - Google Patents
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JP5826686B2 - 気体圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は気体圧縮機に関し、詳細には、ベーンロータリ形式の気体圧縮機の改良に関する。
従来、空気調和システムには,冷媒ガスなどの気体を圧縮して,空気調和システムに気体を循環させるための気体圧縮機が用いられている。
この気体圧縮機は、回転駆動されて気体を圧縮する圧縮機本体がハウジングの内部に収容され,圧縮機本体から高圧の気体が吐出される吐出室が区画して形成され,この吐出室からハウジングの外部に高圧の気体を排出するものである。
このような気体圧縮機の一例として、いわゆるベーンロータリ形式のものが知られている。
このベーンロータリ形式の気体圧縮機は、ハウジングの内部に圧縮機本体が収容されていて、圧縮機本体は、回転軸と一体的に回転する略円柱状のロータと、このロータを、その周面の外方から取り囲む輪郭形状の内周面を有するシリンダと、ロータの周面から外方に突出自在に設けられた複数枚の板状のベーンと、ロータの両端面から突出した回転軸を回転自在に支持する軸受がそれぞれ形成されているとともに、ロータおよびシリンダの両端面に接してこれら両端面を塞ぐサイドブロックとを備え、ロータの外周面とシリンダの内周面と両サイドブロックの各内側の面とによって、気体の吸入、圧縮、吐出が行われる空間であるシリンダ室が形成されている。
このシリンダ室は、ロータの周面から突出した各ベーンの突出側先端がシリンダの内周面に接することで、ロータの外周面とシリンダの内周面と両サイドブロックの各内側の面とロータの回転方向に沿って相前後する2つのベーンの面によって、複数の圧縮室に区画される。
シリンダの内周面の輪郭形状は、ロータの外周面とシリンダの内周面との間の間隔がロータの回転角度位置ごとに変化するように設定されている。
具体的には、ロータの回転方向の上流側では、上記間隔が小さい状態から急激に大きくなるように設定されていて、ロータの回転に伴って、圧縮室の容積が拡大して吸入部を通じて圧縮室内に気体が吸入される行程に対応している。
次いで、ロータの回転方向の下流に向かって、上記間隔が徐々に小さくなるように設定されていて、ロータの回転に伴って圧縮室の容積が減少し、圧縮室内の気体が圧縮される行程に対応している。
さらに、ロータの回転方向の下流側は、上記間隔がさらに小さくなるように設定されていて、ロータの回転に伴って圧縮室内の圧縮された気体が吐出部を通じて圧縮室の外部に吐出される行程に対応し、上記ロータの回転に伴って、吸入行程、圧縮行程、吐出行程をこの順序で繰り返すことにより、外部から吸入された低圧の気体を高圧の気体にして吐出させることができる(特許文献1)。
特開昭54−28008号公報
しかし、ベーンロータリ形式の圧縮機は、気体を急激に圧縮するため、圧縮室内で過圧縮が生じ易く、その分、動力の損失が大きくなったり、隣接する圧縮室間の圧力差が大きくなって、回転方向下流側の圧縮室から回転方向上流側の圧縮室へ気体が漏れ易くなるなどの原因により、他の形式の気体圧縮機よりも効率(成績係数またはCOP(Coefficient of Performance:冷房能力/動力))が低くなる傾向にあった。
そして、このような効率の低い傾向は、気体圧縮機の高回転運転時などにおいて特に問題となる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、圧縮室内の過圧縮を適切に防止することができる気体圧縮機を提供するものである。
本発明に係る第1の気体圧縮機は、圧縮室が圧縮気体を圧縮室から吐出する吐出部(以下、主吐出部という。)に臨む以前の段階で、過圧縮となる吐出圧力に達したとしても、その圧縮室は、主吐出部よりもロータの回転方向上流側に設けられた他の吐出部(以下、副吐出部という。)に臨んでいるため、圧縮室内の吐出圧力の気体は、副吐出部を通じて圧縮室から外部に吐出され、圧縮室内の気体が過圧縮となるのを適切に防止するものである。
しかも、本発明に係る第1の気体圧縮機は、ロータの回転により、特定の圧縮室の回転方向下流側(回転方向の前側)のベーンの圧縮室に向いた面(回転方向の後面)の延長線が副吐出部の全体を通過した段階からその延長線が主吐出部の全体を通過する段階までの期間中は常に、その特定の圧縮室の回転方向下流側のベーンの後面と回転方向上流側(回転方向の後ろ側)のベーンの圧縮室に向いた面(回転方向の前面)との間の範囲で開口した副吐出部の一部または全部の開口面積と主吐出部の一部または全部の開口面積との合計が、両吐出部のうち小さい方の全体の開口面積以上の広さとなるような位置に、その副吐出部が形成されているため、上述した期間中に過圧縮が発生しそうになっても、圧縮室から、副吐出部および主吐出部のうち少なくとも一方から、十分な広さの開口すなわち少なくとも開口面積が小さい方の吐出部の全部の開口面積以上の広さの開口を通って、円滑に圧縮気体を吐出部に吐出させるものである。
すなわち、本発明に係る第1の気体圧縮機は、ハウジングの内部に圧縮機本体を収容した気体圧縮機において、前記圧縮機本体は、回転軸と一体的に回転する略円柱状のロータと、前記ロータを、前記ロータの外周面の外方から取り囲む輪郭形状の内周面を有し、所定の吐出部が設けられたシリンダと、前記ロータの外周面から前記シリンダの内周面に向けて突出自在に設けられた複数の板状のベーンと、前記ロータおよび前記シリンダの両端を塞ぐ2つのサイドブロックとを備え、前記ベーンは、前記シリンダの内周面と前記ロータの外周面との間に形成された空間を仕切ることにより複数の圧縮室を形成するものであり、これら形成された各圧縮室が前記ロータの1回転の期間に、気体の吸入、圧縮および前記吐出部からの吐出を1サイクルのみ行うように、前記シリンダの内周面の輪郭形状が、前記ロータの外周面と前記シリンダの内周面とが最も遠い遠隔部が前記シリンダの内周面と前記ロータの外周面とが最も近接する近接部の前記ロータの回転中心を挟んで対向する位置よりも前記回転方向の上流側に偏った非対称に設定され、前記吐出部の、前記ロータの回転方向上流側に、前記圧縮室の内部の気体の圧力が吐出圧力に達したとき、前記圧縮室の内部の気体を吐出させる副吐出部が1つ以上形成され、前記ロータの回転により、前記圧縮室における前記回転方向下流側のベーンの前記圧縮室に向いた面の延長線が前記副吐出部の全体を通過した段階から前記延長線が前記吐出部の全体を通過する段階までの期間は常に、前記回転方向下流側のベーンの前記圧縮室に向いた面と前記回転方向上流側のベーンの前記圧縮室に向いた面との間の範囲で開口した前記副吐出部の一部または全部の開口面積と前記吐出部の一部または全部の開口面積との合計が、前記吐出部と前記副吐出部とのうち小さい方の全体の開口面積以上の広さとなるように、前記回転方向下流側のベーンの前記圧縮室に向いた面の延長線が前記吐出部に重なっているか又は前記吐出部の下流側の縁部に接しているとき、前記回転方向上流側のベーンの前記圧縮室に向いた面の延長線が前記副吐出部に重なっているか又は前記副吐出部の上流側の縁部に接する位置に、前記副吐出部が形成されていることを特徴とする。
本発明に係る気体圧縮機によれば、圧縮室内の過圧縮を適切に防止することができる。
なお、本発明に係る気体圧縮機によれば、ロータの1回転の期間に、気体の吸入、圧縮および吐出部からの吐出を1サイクルのみ行うため、気体を緩やかに圧縮することが可能となり、必要な動力を削減することができる。
本発明に係る気体圧縮機の一実施形態であるベーンロータリコンプレッサの横断面図である。 図1に示したベーンロータリコンプレッサのコンプレッサ部のA−A線に沿った断面図である。 実施形態1のコンプレッサにおける主吐出部と副吐出部との位置関係を模式的に示した図であり、(a)は圧縮室の回転方向の下流側のベーンの後面の延長線が副吐出部の吐出孔の全体を通過した段階の状態、(b)は圧縮室の回転方向の下流側のベーンの後面の延長線が主吐出部の吐出孔の全体を通過した段階の状態、をそれぞれ示す。 図3に示した期間中における、1つの圧縮室に開口する主吐出部の吐出孔と副吐出部の吐出孔と模式的に示した図であり、(a)は図3相当の断面、(b)は(a)における矢視Bによる各吐出孔の開口、をそれぞれを示す。 変形例1のコンプレッサにおける第1の副吐出部と第2の副吐出部との位置関係を模式的に示した図であり、(a)は圧縮室の回転方向の下流側のベーンの後面の延長線が第2の副吐出部の吐出孔の全体を通過した段階の状態、(b)は圧縮室の回転方向の下流側のベーンの後面の延長線が第1の副吐出部の吐出孔の全体を通過した段階の状態、をそれぞれ示す。 図5に示した期間中における、1つの圧縮室に開口する主吐出部の吐出孔と副吐出部の吐出孔と模式的に示した図であり、(a)は図5相当の断面、(b)は(a)における矢視Bによる各吐出孔の開口、をそれぞれを示す。 実施形態1のコンプレッサの変形例2を示す、図6相当の図であり、(a)は図5相当の断面、(b)は(a)における矢視Bによる各吐出孔の開口、をそれぞれを示す。 実施形態2のコンプレッサを示す、図6,7相当の図であり、(a)は図5相当の断面、(b)は(a)における矢視Bによる各吐出孔の開口、をそれぞれを示す。
以下、本発明に係る気体圧縮機の具体的な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
本発明に係る第1の気体圧縮機の一実施形態である電動ベーンロータリコンプレッサ100(以下、単にコンプレッサ100という。)は、自動車等に設置された、蒸発器、気体圧縮機、凝縮器および膨張弁を有する空気調和システムにおける気体圧縮機として用いられている。この空気調和システムの作動媒体は、冷媒ガスG(気体)である。
コンプレッサ100は、図1に示すように、本体ケース11とフロントカバー12とから主に構成されているハウジング10の内部に、モータ90と圧縮機本体60とが収容された構成である。
本体ケース11は、略円筒形状であり、その円筒形状の一方の端部が塞がれたように形成され、他方の端部は開口して形成されている。
フロントカバー12は、この本体ケース11の開口側の端部に接した状態でこの開口を塞ぐように蓋状に形成されていて、この状態で締結部材により本体ケース11に締結されて本体ケース11と一体化され、内部に空間を有するハウジング10を形成する。
フロントカバー12には、ハウジング10の内部と外部とを通じさせて、空気調和システムの蒸発器から低圧の冷媒ガスGをハウジング10の内部に導入する吸入ポート12aが形成されている。
一方、本体ケース11には、ハウジング10の内部と外部とを通じさせて、高圧の冷媒ガスGをハウジング10の内部から空気調和システムの凝縮器に吐出する吐出ポート11aが形成されている。
本体ケース11の内部に設けられたモータ90は、永久磁石のロータ90aと電磁石のステータ90bとを備えた多相ブラシレス直流モータを構成している。
ステータ90bは本体ケース11の内周面に嵌め合わされて固定され、ロータ90aには回転軸51が固定されている。
そして、モータ90は、フロントカバー12に取付けられた電源コネクタ90cを介して供給された電力によってステータ90bの電磁石を励磁することにより、ロータ90aおよび回転軸51をその軸心回りに回転駆動させる。
なお、電源コネクタ90cとステータ90bとの間に、インバータ回路90dなどを備えた構成を採用することもできる。
なお、本実施形態のコンプレッサ100は上述したとおり電動のものであるが、本発明に係る気体圧縮機は電動のものに限定されるものではなく、機械式のものであってもよく、本実施形態のコンプレッサ100を仮に機械式のものとした場合は、モータ90を備える代わりに、回転軸51をフロントカバー12から外部へ突出させて、その突出した回転軸51の先端部に、車両のエンジン等から動力の伝達を受けるプーリーや歯車等を備えた構成とすればよい。
モータ90とともにハウジング10の内部に収容された圧縮機本体60は、回転軸51の延びた方向に沿ってモータ90と並んで配置されており、ボルト等の締結部材15により、本体ケース11に固定されている。
圧縮機本体60は、モータ90によって回転される回転軸51と、回転軸51と一体的に回転する略円柱状のロータ50と、このロータ50を、その外周面52(図2参照)の外方から取り囲む輪郭形状の内周面41を有するシリンダ40と、ロータ50の外周面52からシリンダ40の内周面41に向けて突出自在に設けられた5枚の板状のベーン58と、ロータ50およびシリンダ40の両端を塞ぐ2つのサイドブロック(フロントサイドブロック20、リヤサイドブロック30)とを備えている。
ここで、回転軸51は、フロントカバー12に形成された軸受12b、圧縮機本体60の各サイドブロック20,30にそれぞれ形成された軸受27,37により、回転自在に支持されている。
圧縮機本体60は、図1に示すように、ハウジング10の内部の空間を、圧縮機本体60を挟んだ左側の空間と右側の空間とに仕切っている。
そして、両サイドブロック20,30の外周面にはそれぞれOリング等のシール部材が外周面の全周に亘って設置されていて、これらのシール部材が本体ケース11の内周面の全周に接することで、図1の圧縮機本体60を挟んだ左右の空間間の気密を保持している。
これらハウジング10の内部に仕切られた2つの空間のうち圧縮機本体60を挟んだ図1の左側の空間は、吸入ポート12aを通じて蒸発器から低圧の冷媒ガスGが導入される低圧雰囲気の吸入室13であり、圧縮機本体60を挟んだ図1の右側の空間は、吐出ポート11aを通じて高圧の冷媒ガスGが凝縮器に吐出される高圧雰囲気の吐出室14である。
圧縮機本体60の内部には、図2に示すように、シリンダ40の内周面41とロータ50の外周面52と両サイドブロック20,30とに囲まれた略C字状の単一のシリンダ室42が形成されている。
具体的には、シリンダ40の内周面41とロータ50の外周面52とが、回転軸51の軸回りの1周(角度360[度])の範囲で1箇所だけ近接するように、シリンダ40の内周面41の輪郭形状が設定されていて、これにより、シリンダ室42は単一の空間を形成している。
なお、シリンダ40の内周面41の輪郭形状のうちシリンダ40の内周面41とロータ50の外周面52とが最も近接した部分として形成された近接部48は、シリンダ40の内周面41とロータ50の外周面52とが最も離れた部分として形成された遠隔部49から、ロータ50の回転方向W(図2において時計回り方向)に沿って下流側に角度270[度]以上(360[度]未満)離れた位置に形成されている。
シリンダ40の内周面41の輪郭形状は、遠隔部49から回転方向Wに沿って近接部48に至るまで、ロータ50の外周面51とシリンダ40の内周面41との間の距離が単調に減少するような形状に設定されている。
ベーン58はロータ50に形成されたベーン溝59に嵌め込まれていて、ベーン溝59に供給された冷凍機油Rによる背圧により、ロータ50の外周面52から外方に突出する。
また、ベーン58は単一のシリンダ室42を複数の圧縮室43に仕切るものであり、ロータ50の回転方向Wに沿って相前後する2つのベーン58によって1つの圧縮室43が形成される。したがって、5枚のベーン58が回転軸51回りに角度72[度]の等角度間隔で設置された本実施形態においては、5つの圧縮室43が形成される。
ただし、シリンダ室42の上流側端部および下流側端部は、近接部48と1枚のベーン58とによっても圧縮室43が仕切られるため、ロータ50の回転中の多くの期間は6つの圧縮室43が形成されており、ベーン58が近接部48を通過するときのみ、5つの圧縮室43が形成される期間がある。
ベーン58によりシリンダ室42を仕切って得られた圧縮室43の内部の容積は、回転方向Wに沿って圧縮室43が遠隔部49から近接部48に至るまで、単調に小さくなる。
このシリンダ室42の、ロータ50の回転方向Wの上流側の部分には、フロントサイドブロック20に形成された、吸入室13に通じる吸入孔23が臨んでいる。
一方、シリンダ室42の、ロータ50の回転方向Wの下流側の部分には、シリンダ40に形成された2つの吐出部45,46に各別に通じた2つの吐出孔45b,46bがそれぞれ臨んでいる。
各圧縮室43は、ロータ50の1回転の期間に、吸入孔23を通じた冷媒ガスGの吸入、冷媒ガスGの圧縮および吐出部45,46への冷媒ガスGの吐出を1サイクルだけ行うように、シリンダ40の内周面41の輪郭形状が設定されている。
ロータ50の回転方向Wの上流側では、シリンダ40の内周面41とロータ50の外周面52との間隔が小さい状態から急激に大きくなるように内周面41の輪郭形状が設定されていて、遠隔部49を含んだ角度範囲ではロータ50の回転方向Wへの回転に伴って圧縮室43の容積が拡大して吸入孔23を通じて圧縮室43内に冷媒ガスGが吸入される行程(吸入行程)となる。
次いで、ロータ50の回転方向Wの下流に向かって、シリンダ40の内周面41とロータ50の外周面52との間隔が徐々に小さくなるように内周面41の輪郭形状が設定されていて、その範囲ではロータ50の回転に伴って圧縮室43の容積が減少し、圧縮室43内の冷媒ガスGが圧縮される行程(圧縮行程)となる。
さらに、ロータ50の回転方向Wの下流側は、シリンダ40の内周面41とロータ50の外周面52との間隔がさらに小さくなって冷媒ガスGの圧縮がさらに進み、冷媒ガスGの圧力が吐出圧力に達すると冷媒ガスGは後述する吐出孔45b,46bを通じて吐出部45,46に吐出される行程(吐出行程)となる。
そして、ロータ50の回転に伴って、各圧縮室43が吸入行程、圧縮行程、吐出行程をこの順序で繰り返すことにより、吸入室13から吸入された低圧の冷媒ガスGを高圧にして圧縮機本体60から吐出させる。
各吐出部45,46は、シリンダ40と両サイドブロック20,30と本体ケース11とによって囲まれた空間(以下、吐出チャンバ45a,46aという。)と、吐出チャンバ45a,46aと圧縮室43とを通じさせる吐出孔45b,46bと、圧縮室43内の冷媒ガスGの圧力が吐出チャンバ45a,46a内の圧力(吐出圧力)以上のとき、差圧により吐出チャンバー45a,46aの側に反るように弾性変形して吐出孔45b,46bを開き、冷媒ガスGの圧力が吐出チャンバ45a,46a内の圧力(吐出圧力)未満のとき弾性力により吐出孔45b,46bを閉じる吐出弁45c,46cと、吐出弁45c,46cが吐出チャンバー45a,46aの側に過度に反るのを防止する弁サポート45d,46dとを備えている。
なお、2つの吐出部45,46のうち、ロータ50の回転方向Wの下流側に設けられている吐出部、すなわち近接部48に近い側の吐出部45の吐出チャンバ45aは、リヤサイドブロック30に形成された吐出路38を介して、リヤサイドブロック30の外面(吐出室14に向いた面)に取り付けられたサイクロンブロック70に通じている。
同様に、2つの吐出部45,46のうち、ロータ50の回転方向Wの上流側に設けられている吐出部、すなわち近接部48から遠い側の吐出部46の吐出チャンバ46aは、リヤサイドブロック30に形成された吐出路39を介して、サイクロンブロック70に通じている。
サイクロンブロック70は主に、冷媒ガスGと混ざった冷凍機油Rを冷媒ガスGから分離するものであり、各吐出チャンバ45a,46aに吐出されて、吐出路38,39を通って導入された冷媒ガスGを、螺旋状に旋回させることで冷凍機油Rを遠心分離する。
そして、冷媒ガスGから分離された冷凍機油Rは吐出室14の底部に溜まり、冷凍機油Rが分離された後の高圧の冷媒ガスGは吐出室14に吐出された後、吐出ポート11aを通って凝縮器に吐出される。
吐出室14の底部に溜められた冷凍機油Rは、吐出室14の高圧雰囲気により、リヤサイドブロック30に形成された油路34aおよびリヤサイドブロック30に形成された背圧供給用の凹部であるサライ溝31,32を通じて、並びに、リヤサイドブロック30に形成された油路34a,34b、シリンダ40に形成された油路44、フロントサイドブロック20に形成された油路24およびフロントサイドブロック20に形成された背圧供給用の凹部であるサライ溝21,22を通じて、それぞれ、ロータ50のベーン溝59に供給され、ベーン58を外方に突出させる背圧となる。
なお、冷凍機油Rは、ベーン58とベーン溝59との間の隙間や、ロータ50とサイドブロック20,30との間の隙間等から滲みだして、ロータ50と両サイドブロック20,30との間の接触部分や、ベーン58とシリンダ40や両サイドブロック20,30との間の接触部分などにおける潤滑や冷却の機能も発揮し、その冷凍機油Rの一部が、圧縮室43内の冷媒ガスGと混ざるため、サイクロンブロック70により、冷凍機油Rの分離が行われる。
リヤサイドブロック30に形成された2つのサライ溝31,32のうち、ロータ50の回転方向Wの上流側の部分(吸入行程および圧縮行程に対応する部分)に形成されたサライ溝31に供給される冷凍機油Rは、油路34aから、軸受37と回転軸51の外周面との間の狭い隙間を通過してサライ溝31に供給されるため、軸受37と回転軸51の外周面との間の狭い隙間を通過する際の圧力損失により、吐出室14の雰囲気である高圧(吐出圧力に近い圧力)よりも低い中圧(吸入室13の雰囲気である吸入圧よりも高い圧力)となる。
フロントサイドブロック20に形成された2つのサライ溝21,22のうち、ロータ50の回転方向Wの上流側の部分に形成されたサライ溝21に供給される冷凍機油Rについても、サライ溝31に供給される冷凍機油Rと同様に中圧となる。
一方、2つのサライ溝31,32のうち、ロータ50の回転方向Wの下流側の部分(主に吐出行程に対応する部分)に形成されたサライ溝32に供給される冷凍機油Rは、油路34aから圧力損失なく供給されるため、吐出室14の雰囲気である高圧に近い圧力(中圧よりも高い圧力)となる。
2つのサライ溝21,22のうち、ロータ50の回転方向Wの下流側の部分に形成されたサライ溝22に供給される冷凍機油Rについても、サライ溝32に供給される冷凍機油Rと同様に高圧となる。
そして、ロータ50の両端面まで貫通したベーン溝59が、ロータ50の回転により、各サイドブロック20,30のサライ溝21,31,22,32にそれぞれ通じたときに、その通じたサライ溝21,31,22,32からベーン溝59に冷凍機油Rが供給されて、供給された冷凍機油Rの圧力がベーン58を突出させる背圧となる。
次に、本実施形態のコンプレッサ100における2つの吐出部45,46について、詳しく説明する。
まず、ロータ50の回転方向Wに沿って、近接部48の直前の上流側に形成された吐出部45は、ロータ50の1回転ごとに、吸入、圧縮および吐出という圧縮サイクルを1サイクルしか行わない、単一の吐出部しか備えない構成の気体圧縮機における本来の単一の吐出部に対応するものであり、主たる吐出部ということができる。
そこで、以下の説明においては、主たる吐出部45と副次的な吐出部46との区別を明確にするために、必要に応じて、吐出部45を主吐出部45と称し、主吐出部45に対して回転方向Wの上流側に形成された吐出部46を副吐出部46と称する場合がある。
この主吐出部45は、前述したように吐出弁45cの作用により、主吐出部45の吐出孔45bに臨んだ圧縮室43(この圧縮室43を他の圧縮室43と区別する必要があるときは、圧縮室43Aという。)の内部の冷媒ガスGの圧力が吐出チャンバ45a内の圧力(吐出圧力)以上の高圧になると、その圧縮室43内の冷媒ガスGが吐出孔45bを通って吐出チャンバ45aに吐出されるように構成されている。
この圧縮室43Aに対してロータ50の回転方向Wに沿って上流側において圧縮室43Aに隣接する圧縮室43(この圧縮室43を他の圧縮室43と区別する必要があるときは、圧縮室43Bという。)は、圧縮室43Aが主吐出部45の吐出孔45bに臨んでいるとき、圧縮室43Aの容積よりも大きいが、圧縮室43Bが主吐出部45の吐出孔45bに臨む位置まで回転する以前に、その圧縮室43Bの内部で圧縮された冷媒ガスGの圧力が、上述した吐出圧力に達する場合も起こりうる。
このような場合、仮に吐出部が1つ(主吐出部45のみ)しか形成されていない気体圧縮機では、ロータ50のさらなる回転により圧縮室43Bの容積がさらに小さくなるため、圧縮室43Bの内部の冷媒ガスGの圧力が吐出圧力を超えるが、圧縮室43Bが主吐出部45の吐出孔45bに臨む位置まで回転する以前は、吐出圧力を超えた冷媒ガスGが吐出されないため、この圧縮室43Bを仕切っている2つのベーン58,58のうち回転方向Wの上流側のベーン58の冷凍機油Rによるベーン溝59からの背圧とベーン58に作用する遠心力との合力によるシリンダ40へのベーン58の押付荷重よりも、圧縮室43A,43Bの内部圧力による、ベーン58を先端側のシリンダ40から押し戻す荷重が上回ると、そのベーン58の突出側先端部がシリンダ40の内周面41から瞬間的に離れるチャタリングを生じることになる。
しかし、本実施形態のコンプレッサ100は、圧縮室43Bの内部の冷媒ガスGの圧力が主吐出部45の吐出孔45bに臨む以前の段階で吐出圧力に達したとき、その圧縮室43Bの内部の冷媒ガスGを圧縮室43Bの外部に吐出させる副吐出部46が、主吐出部45の、ロータ50の回転方向Wの上流側に設けられているため、圧縮室43Bの内部の冷媒ガスGの圧力が主吐出部45の吐出孔45bに臨む以前の段階で吐出圧力に達した場合であっても、その圧縮室43Bの内部の冷媒ガスGは、副吐出部46の吐出孔46bを通じて吐出チャンバ46aに吐出され、圧縮室43B内の冷媒ガスGの圧力が吐出圧力を超える過圧縮を適切に防止することができる。
したがって、圧縮室43Bを仕切っているベーン58がチャタリングを発生することもない。
さらに本実施形態のコンプレッサ100は、ロータ50の回転方向Wへの回転により、図3に示すように、圧縮室43(例えば、圧縮室43Bとする。)の回転方向Wの下流側のベーン58の当該圧縮室43Bに向いた面58b(以下、単に後面58bという。)の延長線L1が、副吐出部46の吐出孔46bの全体を通過した段階(図3(a)の状態)からその延長線L1が主吐出部45の吐出孔45bの全体を通過した段階(図3(b)の状態)までの期間中は常に、図4に示すように、当該圧縮室43Bの回転方向Wの下流側のベーン58(図3(a),(b)、図4(a),(b)の各図において、実線で描かれた2つのベーン58,58のうち図示右側のベーン58)の後面58bと回転方向Wの上流側のベーン58(図3(a),(b)、図4(a),(b)の各図において、実線で描かれた2つのベーン58,58のうち図示左側のベーン58)の圧縮室43Bに向いた面58a(以下、単に前面58aという。)との間の範囲で、圧縮室43Bに開口した副吐出部46の吐出孔46bの一部または全部の開口面積S2と主吐出部45の吐出孔45bの一部または全部の開口面積S1との合計S(=S1+S2)が、これら両吐出部45,46の吐出孔45b,46bのうち小さい方の全体の開口面積以上の広さとなるような位置に、副吐出部46の吐出孔46bが形成されている。
なお、図3,4は、シリンダ40の内周面41を平面状に記載し、また、各ベーン58が内周面41に対して、ともに直交し、互いに平行となる姿勢、位置関係に記載しているが、このような模式的な記載は、各吐出部45,46の吐出孔45b,46bと圧縮室43との位置関係を分かりやすく説明する便宜によるものであり、シリンダ40の内周面41の輪郭形状が曲線であり、各ベーン58が内周面41に対して角度90[度]以外の傾斜した角度で接している実施形態1についての説明が、模式的に記載した図3,4によって不整合等が生じるものではない。
ここで、吐出孔45b,46bの開口面積とは、シリンダ40の内周面41に沿った面上での面積であってもよいし、その吐出孔45b,46bをベーン58が通過するときの、ベーン58の後面58bの延長線L1または前面58aの延長線L2に直交する面へ投影面積であってもよい。
なお、本実施形態のコンプレッサ100における主吐出部45の吐出孔45bの全体の開口面積SA1と副吐出部46の吐出孔46bの全体の開口面積SA2とは等しく設定されているため、本実施形態のコンプレッサ100においては、SA1≦SまたはSA2≦Sとなるように、副吐出部46の吐出孔46bが形成されている。
本実施形態のコンプレッサ100は、このように副吐出部46の吐出孔46bが、圧縮室43に開口した副吐出部46の吐出孔46bの一部または全部の開口面積S2と主吐出部45の吐出孔45bの一部または全部の開口面積S1との合計S(=S1+S2)が、これら両吐出部45,46の吐出孔45b,46bの一方の全体の開口面積SA1以上または開口面積SA2以上の広さとなる(SA1≦SまたはSA2≦S)ような位置に形成されているため、上述した期間中(圧縮室43の回転方向Wの下流側のベーン58の後面58bの延長線L1が、副吐出部46の吐出孔46bの全体を通過した段階(図3(a)の状態)からその延長線L1が主吐出部45の吐出孔45bの全体を通過する段階(図3(b)の状態)までの期間中)に、その圧縮室43の内部の冷媒ガスGが、吐出圧力を超える過圧縮になりそうになっても、その圧縮室43から、副吐出部46の吐出孔46bおよび主吐出部45の吐出孔45bのうち少なくとも一方から、十分な広さSの開口、すなわち主吐出部45の吐出孔45bの全体の開口面積SA1以上または副吐出部46の吐出孔46bの全体の開口面積SA2以上の開口面積Sの開口(吐出孔45b,46b)を通って、圧縮室43から冷媒ガスGを主吐出部45の吐出チャンバ45a乃至副吐出部46の吐出チャンバ46aに円滑に、かつ途切れることなく吐出させることができる。
なお、本実施形態1のコンプレッサ100によれば、ロータ50の1回転の期間に、冷媒ガスGの吸入、圧縮および吐出を1サイクルのみ行うため、ロータ50の1回転の期間に、冷媒ガスGの吸入、圧縮および吐出を2サイクル行うものに比べて、冷媒ガスGを緩やかに圧縮することが可能となり、必要な動力を削減するとともに、回転方向に相前後して隣接する圧縮室43,43の間の差圧を少なくし、ベーン58とサイクロンブロック20,30間の微小隙間から冷媒ガスGが回転方向上流側に隣接した圧縮室43に漏れて効率が低下するのを抑制することができる。
しかも、シリンダ40の内周面41の近接部48は、遠隔部49からロータ50の回転方向Wに沿って下流側に角度270[度]以上離れた位置に形成されているため、近接部48が遠隔部49から角度180[度]程度離れた位置に形成された輪郭形状の内周面41を有する気体圧縮機よりも一層緩やかに冷媒ガスGを圧縮することが可能となり、効率低下の程度を一層少なくすることができる。
本実施形態のコンプレッサ100は、主吐出部45の吐出孔45bの全体の開口面積SA1と副吐出部46の吐出孔46bの全体の開口面積SA2とは等しく設定されているものであるが、本発明に係る気体圧縮機は、2つの吐出部(吐出孔)の開口面積が同じであるものに限定されるものではなく、いずれか一方の吐出部(吐出孔)が他方の吐出部(吐出孔)よりも大きい開口面積で形成されているものであってもよく、この場合、圧縮室に開口する吐出部(吐出孔)の開口面積の合計Sが、全体の開口面積SA1またはSA2が小さい方の吐出部(吐出孔)の当該開口面積SA1またはSA2よりも大きくなるように、2つ目の吐出部(副吐出部(吐出孔))の設置位置が設定されていればよい。
なお、副吐出部(吐出孔)のデッドボリュームに溜まった冷媒ガスGによる、回転方向Wの上流側の圧縮室への影響を抑制する観点から、副吐出部(吐出孔)の開口面積を主吐出部(吐出孔)の開口面積よりも小さく設定することが好ましい。
(変形例1)
また、本実施形態のコンプレッサ100は、主吐出部45に対して、ロータ50の回転方向Wの上流側に、副吐出部46を1つだけ設けたものであるが、本発明に係る気体圧縮機はこの形態に限定されるものではなく、副吐出部46に対して、ロータ50の回転方向Wの上流側にさらに別の副吐出部を設けた構成を採用することもできる。
この場合、図5に示すように、ロータ50の回転方向Wへの回転により、圧縮室43(例えば、圧縮室43Cとする。)の回転方向Wの下流側のベーン58の当該圧縮室43Cに向いた面58b(以下、単に後面58bという。)の延長線L1が、さらに設けられた副吐出部47(以下、第2の副吐出部47という。)の吐出孔47b(全体の開口面積をSA3とする。)の全体を通過した段階(図5(a)の状態)からその延長線L1が副吐出部46(以下、第1の副吐出部46という。)の吐出孔46bの全体を通過した段階(図5(b)の状態)までの期間中は常に、図6に示すように、当該圧縮室43Cの回転方向Wの下流側のベーン58(図5(a),(b)、図6(a),(b)の各図において、実線で描かれた2つのベーン58,58のうち図示右側のベーン58)の後面58bと回転方向Wの上流側のベーン58(図5(a),(b)、図6(a),(b)の各図において、実線で描かれた2つのベーン58,58のうち図示左側のベーン58)の圧縮室43Cに向いた面58a(以下、単に前面58aという。)との間の範囲で、圧縮室43Cに開口した第2の副吐出部47の吐出孔47bの一部または全部の開口面積S3と第1の副吐出部46の吐出孔46bの一部または全部の開口面積S2との合計S′(=S2+S3)が、これら両副吐出部46,47の吐出孔46b,47bのうち小さい方の全体の開口面積(SA2またはSA3)以上の広さとなるような位置に、第2の副吐出部47の吐出孔47bが形成されていればよい。
そして、このように構成されたコンプレッサ100によれば、圧縮室43の回転方向Wの下流側のベーン58の後面58bの延長線L1が、第2の副吐出部47の吐出孔47bの全体を通過した段階(図5(a)の状態)からその延長線L1が第1の副吐出部46の吐出孔46bの全体を通過する段階(図5(b)の状態)までの期間中)に、その圧縮室43の内部の冷媒ガスGが、吐出圧力を超える過圧縮になりそうになっても、その圧縮室43から、第2の副吐出部47の吐出孔47bおよび第1の副吐出部46の吐出孔46bのうち少なくとも一方から、十分な広さS′の開口、すなわち第1の副吐出部46の吐出孔46bの全体の開口面積SA2以上または第2の副吐出部47の吐出孔47bの全体の開口面積SA3以上の開口面積S′の開口(吐出孔46b,47b)を通って、圧縮室43から冷媒ガスGを第1の副吐出部46の吐出チャンバ46a乃至第2の副吐出部47の吐出チャンバ47aに円滑に、かつ途切れることなく吐出させることができる。
(変形例2)
なお、上記実施形態のコンプレッサ100において、上述した期間中(圧縮室43の回転方向Wの下流側のベーン58の後面58bの延長線L1が、副吐出部46の吐出孔46bの全体を通過した段階(図3(a)の状態)からその延長線L1が主吐出部45の吐出孔45bの全体を通過する段階(図3(b)の状態)までの期間中)のうち特定の期間中においては、図7に示すように、副吐出部46の吐出孔46bの全部(開口面積SA2)と主吐出部45の吐出孔45bの全部(開口面積SA1)とが同時に、1つの圧縮室43に開口する(S=SA1+SA2)ように、副吐出部46の吐出孔46bの設置位置を設定してもよい。
このように、副吐出部46の吐出孔46bの全部と主吐出部45の吐出孔45bの全部とが同時に、1つの圧縮室43に開口するように、副吐出部46の吐出孔46bの設置位置を設定されたコンプレッサ100によれば、圧縮室43に、副吐出部46の吐出孔46bの全部と主吐出部45の吐出孔45bの全部とが同時に開口した期間中に、より広い面積Sの開口を通じて、圧縮室43から冷媒ガスGを一層円滑に吐出させることができる。
なお、上述した実施形態1および変形例1,2のコンプレッサ100における主吐出部45、副吐出部46,47の各吐出孔45b,46b,47bは、いずれもシリンダ40の内周面41における開口の形状が円形であるものとして説明したが、本発明に係る各吐出部(吐出孔)の開口の形状は、この形態のものに限定されるものではなく、矩形状を始めとして如何なる形状をも採用することができる。ただし、加工の容易性の観点からは、吐出部(吐出孔)の形状は円形であることが好ましい。
(実施形態2)
図1,2は本発明に係る第2の気体圧縮機の一実施形態である電動ベーンロータリコンプレッサ100′(以下、単にコンプレッサ100′という。)をも表すものであり、この実施形態2のコンプレッサ100′の前提となる構成は、実施形態1のコンプレッサ100と同じである。
すなわち、実施形態2のコンプレッサ100′は、副吐出部46の設置位置の差異を除いて、実施形態1のコンプレッサ100と同じ構成である。
したがって、実施形態2のコンプレッサ100′についての説明は、実施形態1のコンプレッサ100の説明との重複をさけるため、上述した差異以外の構成およびその構成による作用・効果についての説明は省略し、差異に関わる構成、および差異に関わる構成による作用・効果についてのみ行うものとする。
本実施形態2のコンプレッサ100′は、ロータ50の回転方向Wへの回転により、図8に示すように、圧縮室43の回転方向Wの下流側のベーン58の後面58bの延長線L1が主吐出部45の吐出孔45bの、内周面41上での中心45mを通過したとき、副吐出部46の吐出孔46bの、内周面41上での中心46mが、圧縮室43における回転方向Wの上流側のベーン58の前面58aの延長線L2よりも回転方向Wの下流側に配置されるような位置に、副吐出部46の吐出孔46bが形成されている。
なお、本実施形態2のコンプレッサ100′における各吐出部45,46の各吐出孔45b,46bの内周面41上における形状は円形であるが、本発明に係る第2の気体圧縮機においては、吐出部(吐出孔)の開口の形状は円形に限定されるものではなく、矩形や三角形を始めとして、如何なる形状のものをも採用することができる。
この場合、ベーンの前面や後面の延長線との位置関係の比較対象となる吐出部(吐出孔)の「中心」としては、その吐出部(吐出孔)の、シリンダの内周面上における開口形状(矩形や三角形を始めとした種々の形状)の「重心」が適用される。
以上のように構成された実施形態2のコンプレッサ100′によれば、副吐出部46の吐出孔46bの開口面積の略1/2となる開口の中心および主吐出部45の吐出孔45bの開口面積の略1/2となる開口の中心が、いずれも、1つの圧縮室43を仕切る2つのベーン58,58の内側の面の間(上流側のベーン58の前面58aと下流側のベーン58の後面58bとの間)の範囲に含まれるような位置関係で副吐出部46の吐出孔46bが設置されているため、圧縮室43の回転方向Wの下流側のベーン58の後面58bの延長線L1が、副吐出部46の吐出孔46bの全体を通過した段階(図3(a)の状態)からその延長線L1が主吐出部45の吐出孔45bの全体を通過する段階(図3(b)の状態)までの期間中)に、その圧縮室43の内部の冷媒ガスGが吐出圧力を超える過圧縮になりそうになっても、その圧縮室43から、副吐出部46の吐出孔46bおよび主吐出部45の吐出孔45bのうち少なくとも一方から、十分な広さの開口を通って、圧縮室43から冷媒ガスGを主吐出部45の吐出チャンバ45a乃至副吐出部46の吐出チャンバ46aに円滑に、かつ途切れることなく吐出させることができる。
上述した実施形態1,2および変形例1,2の各コンプレッサ100,100′においては、ベーン58を5枚有するものとして説明したが、本発明に係る各気体圧縮機はこの形態に限定されるものではなく、ベーンの数は2枚、3枚、4枚、6枚等適宜選択可能であり、そのように選択された枚数のベーンを適用した気体圧縮機によっても、上述した実施形態とコンプレッサ100,100′と同様の作用・効果を得ることができる。
20 フロントサイドブロック
30 リヤサイドブロック
40 シリンダ
42 シリンダ室
43,43A,43B,43C 圧縮室
45 主吐出部(吐出部)
46,47 副吐出部(吐出部)
48 近接部
49 遠隔部
50 ロータ
51 回転軸
58 ベーン
58a 前面
58b 後面
60 圧縮機本体
70 サイクロンブロック
100,100′ 電動ベーンロータリコンプレッサ(気体圧縮機)
G 冷媒ガス(気体)
L1,L2 延長線
R 冷凍機油
S 広さ,面積
S1,S2,S3,SA1,SA2,SA3 開口面積
W 回転方向

Claims (3)

  1. ハウジングの内部に圧縮機本体を収容した気体圧縮機において、
    前記圧縮機本体は、回転軸と一体的に回転する略円柱状のロータと、前記ロータを、前記ロータの外周面の外方から取り囲む輪郭形状の内周面を有し、所定の吐出部が設けられたシリンダと、前記ロータの外周面から前記シリンダの内周面に向けて突出自在に設けられた複数の板状のベーンと、前記ロータおよび前記シリンダの両端を塞ぐ2つのサイドブロックとを備え、
    前記ベーンは、前記シリンダの内周面と前記ロータの外周面との間に形成された空間を仕切ることにより複数の圧縮室を形成するものであり、
    これら形成された各圧縮室が前記ロータの1回転の期間に、気体の吸入、圧縮および前記吐出部からの吐出を1サイクルのみ行うように、前記シリンダの内周面の輪郭形状が、前記ロータの外周面と前記シリンダの内周面とが最も遠い遠隔部が前記シリンダの内周面と前記ロータの外周面とが最も近接する近接部の前記ロータの回転中心を挟んで対向する位置よりも前記回転方向の上流側に偏った非対称に設定され、
    前記吐出部の、前記ロータの回転方向上流側に、前記圧縮室の内部の気体の圧力が吐出圧力に達したとき、前記圧縮室の内部の気体を吐出させる副吐出部が1つ以上形成され、
    前記ロータの回転により、前記圧縮室における前記回転方向下流側のベーンの前記圧縮室に向いた面の延長線が前記副吐出部の全体を通過した段階から前記延長線が前記吐出部の全体を通過する段階までの期間は常に、前記回転方向下流側のベーンの前記圧縮室に向いた面と前記回転方向上流側のベーンの前記圧縮室に向いた面との間の範囲で開口した前記副吐出部の一部または全部の開口面積と前記吐出部の一部または全部の開口面積との合計が、前記吐出部と前記副吐出部とのうち小さい方の全体の開口面積以上の広さとなるように、前記回転方向下流側のベーンの前記圧縮室に向いた面の延長線が前記吐出部に重なっているか又は前記吐出部の下流側の縁部に接しているとき、前記回転方向上流側のベーンの前記圧縮室に向いた面の延長線が前記副吐出部に重なっているか又は前記副吐出部の上流側の縁部に接する位置に、前記副吐出部が形成されていることを特徴とする気体圧縮機。
  2. 前記期間のうち特定の期間においては、1つの圧縮室における前記回転方向下流側のベーンの前記圧縮室に向いた面と前記回転方向上流側のベーンの前記圧縮室に向いた面との間の範囲で、前記副吐出部の全部と前記吐出部の全部とが同時に開口するような位置に、前記副吐出部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の気体圧縮機。
  3. 前記シリンダの内周面と前記ロータの外周面とが最も近接する近接部が、前記シリンダの内周面と前記ロータの外周面とが最も離れた遠隔部から、前記ロータの回転方向下流側に向けて角度270[度]以上の位置に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の気体圧縮機。
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