JP5829082B2 - 洗浄装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、このような洗浄装置の一例として、半導体や電子部品などの製造工程に好適な高圧ジェット洗浄装置が記載されている。この高圧ジェット洗浄装置は、水平に載置した被洗浄物上にスポット状の高圧水を鉛直上方から噴射し、被洗浄物を回転させながら高圧水の噴射ノズルを被洗浄物の中心から径方向外側に移動させることによって洗浄を行う。
このように高圧水等の洗浄液を被洗浄物に噴射すると、被洗浄物に付着した微粒子や不純物が飛散して、洗浄済みの被洗浄面に再付着する場合がある。
このため、特許文献2には、被洗浄物を水平方向に搬送し枚葉式で洗浄する洗浄装置において、被洗浄物上面に高圧力を加えた洗浄液を吹き付けるノズルと、被洗浄物の搬送方向の上流側及び下流側の少なくとも一方に備えられて洗浄液を溜める受け部と、そこに溜めた洗浄液を吸引するバキュームノズルを設けた洗浄装置が記載されている。
この洗浄装置では、洗浄液を被洗浄物に吹き付けることによってこの被洗浄物状のパーティクルを除去した後、この除去後のパーティクルを含んでいる洗浄液を受け部に溜めて吸飲して排除することによりパーティクルの再付着を防止するようにしている。
特許文献1に記載の高圧ジェット洗浄装置では、被洗浄物の表面から飛散した微粒子や、洗浄処理後の微粒子等を含んだ洗浄液が飛散して再付着することを防止する手段が設けられていない。このため、このような微粒子等の再付着によって洗浄後の被洗浄物が汚染されてしまうおそれがあるという問題がある。
特許文献2に記載の洗浄装置では、微粒子や洗浄使用後の洗浄液を受け部に溜めて吸引除去することができるが、受け部に溜められたものしか再付着を防ぐことができない。すなわち、微粒子や洗浄使用後の洗浄液が飛散していく場所が予め特定されない限り、再付着を防止できないという問題がある。
このため、特許文献2に記載の技術は、例えば、水平に搬送される半導体用基板、液晶表示パネル用ガラス基板等のような単純な形状の被洗浄物でないと良好な効果を期待できない技術である。
例えば、レンズのように、被洗浄面に凹凸があり、しかも大きさや曲率が製品種類によって異なるような場合には、微粒子や洗浄液等が飛散する位置が種々変化するため、再付着を防止することが難しくなるという問題がある。
本発明の第1の実施形態の洗浄装置について説明する。
図1(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態の洗浄装置の概略構成を示す模式的な平面図および正面図である。図2(a)、(b)は、図1(b)におけるA視図およびB視図である。
以下では、一例として、2流体ジェット洗浄方式を採用した場合の例で説明する。
また、被洗浄物は、保持した状態で回転可能であって、2流体ジェット洗浄方式による洗浄が可能なものであれば、特に限定されない。
以下では、図1(a)、(b)に示すように、洗浄物が、一例として、ガラス製のレンズ15の場合の例で説明する。
レンズ15は、凸レンズ面15a、15bを有する両凸レンズであり、レンズ側面15cは光軸Oに同軸な円筒面として形成されている。
凸レンズ面15a、15bの面形状は、球面でもよいし、軸対称非球面や自由曲面などの球面以外の凸面でもよい。また、被洗浄面は、凸レンズ面15a、15bのいずれであってもよいが、以下では、一例として、凸レンズ面15aが被洗浄面の場合で説明する。
なお、特に図示しないが、回転保持部2や昇降ステージ6等の動作を制御する制御部を備えている。
回転保持部2の概略構成は、レンズ15の外周を径方向内側に押圧して保持し、図示略の支持部材に対して回転可能に設けられた駆動ローラ3aおよび保持ローラ3b、3cと、駆動ローラ3aを回転することによりレンズ15に回転駆動力を伝達するモーター4とを備える。
これにより、駆動ローラ3a、保持ローラ3b、3cは、凸レンズ面15aとレンズ側面15cとのなす角部と、凸レンズ面15bとレンズ側面15cとのなす角部とにそれぞれのローラ面が当接した状態で、レンズ15を保持してそれぞれの回転中心軸回りに回転できるようになっている。
本実施形態では、駆動ローラ3a、保持ローラ3bは水平方向に離間して配置されレンズ15を下方から保持しており、保持ローラ3cは駆動ローラ3a、保持ローラ3bの間の中間位置でレンズ15を上方から保持している。
このような保持状態では、駆動ローラ3a、保持ローラ3b、3cによる保持中心軸と、レンズ15のレンズ側面15cの中心軸である光軸Oとは整列している。
また、保持ローラ3cは、駆動ローラ3a、保持ローラ3bとは独立に位置調整が可能である。このため、保持ローラ3cを上方側に退避させることで、レンズ15を駆動ローラ3a、保持ローラ3bの上方から着脱できるようになっている。
保持ローラ3b、3cは、駆動ローラ3aによって回転されるレンズ15に連れ回って回転できるようになっている。
モーター4の回転方向は、特に限定されないが、以下では、一例として、図2(b)の図示反時計回りに回転する場合の例で説明する。この場合、レンズ15は、図示時計回りに回転することになる。
固定板5bは、回転保持部2に保持されたレンズ15の洗浄面である凸レンズ面15aに対向する位置に配置されている。
昇降ステージ6の構成としては、例えば、モーターと送りねじ機構とを用いた1軸ステージや、リニアモータなどを採用することができる。
洗浄液Lは、被洗浄物や汚れの種類に応じて、例えば、純水、水系洗浄液、溶剤などを採用することができる。さらに、水系洗浄液と純水の2種類を用い、水系洗浄液で洗浄後に純水で洗浄する組合せでもよい。
例えば、レンズ15などのガラス光学素子の場合には、純水を採用することが好ましい。洗浄液Lとして純水を用いる場合、廃液の管理が不要となるため好都合である。
角度θPは、後述するように昇降ステージ6を下降させることにより凸レンズ面15aに対して中心軸Pを移動させる際に、凸レンズ面15aにおける中心軸Pの入射角が5°〜60°の範囲になるように設定することが好ましい。
ここで、中心軸Pの入射角とは、中心軸Pの延長線と凸レンズ面15aとが交差した入射位置における中心軸Pの延長線と凸レンズ面15aの法線N(図3(a)参照)とのなす角によって定義される。
本実施形態では、一例として、θP=30(°)に設定している。例えば、凸レンズ面15aが半径100mmの球面で、レンズ15のレンズ径が60mmの場合、θP=30(°)の設定で、中心軸Pの入射角の変化は、30°〜47.45°となる。
供給チューブ7bは、洗浄液Lが貯留された洗浄液供給部10に接続されている。
供給チューブ7bにおいて、洗浄液噴射部7と洗浄液供給部10との間には、洗浄液供給部10の洗浄液Lを洗浄液噴射部7に向けて送出するポンプ9が設けられている。
供給チューブ7cは、圧縮空気Gを形成する圧縮空気供給源20に接続されている。
供給チューブ7cにおいて、洗浄液噴射部7と圧縮空気供給源20との間には、圧縮空気供給源20側から、圧縮空気Gの圧力を調整するレギュレーター12と、圧縮空気Gを浄化するフィルター11とがこの順に設けられている。
噴射流16の放射範囲は、噴射口7aのノズル形状、洗浄液Lの流量、圧縮空気Gの圧力等の条件により異なる。本実施形態では、これらの条件を適宜設定することにより、噴射流16が、洗浄液噴射部7の中心軸Pを中心としてわずかに拡径して放射され、図2(b)に示すように、凸レンズ面15a上で、凸レンズ面15aの大きさに比べて小さいスポット状に吹き付けられる設定としている(符号Sで示す二点鎖線参照)。
噴射流16が吹き付けられる領域Sは、噴射流16が吹き付けられることによって生じる圧力や衝撃によって表面の洗浄が効率的に進行する領域であるため、以下では洗浄領域Sと称する。
このような構成により、洗浄液噴射部7は、回転保持部2に保持されたレンズ15上のスポット状の洗浄領域Sに洗浄液Lを噴射するものとなっている。
洗浄領域Sの位置は、昇降ステージ6によって、洗浄液噴射部7と回転保持部2とを相対移動させることで変更することができる。
以下では、洗浄領域Sの凸レンズ面15a上での位置を表す場合、中心軸Pと凸レンズ面15aとの交点を用いることとし、この交点を洗浄位置pと称する。洗浄位置pは、洗浄領域Sの中心と略一致する。
本実施形態では、圧縮空気Gを層状に噴射するスリット状の開口を有する噴射口8aが先端部に形成された一対の筒状部材からなる。
これら圧縮空気噴射部8は、いずれも、図2(b)に示すように、光軸Oを含む鉛直面内で、噴射口8aが下方を向き、圧縮空気噴射部8の中心軸Qが光軸Oに対して角度θQだけ傾斜した姿勢で、固定板5bに固定されている。
角度θQは、角度θP以上の大きさに設定する。本実施形態では、一例として、θQ=30(°)に設定している。
また、各噴射口8aは、中心軸Pを含む鉛直面を対称面として面対称な位置に配置されている。
ここで、各噴射口8aをハ字状の配置とし、上部において水平方向に離間させているのは、噴射口8aから噴射される層状気流17が噴射口8aの開口の長手方向に拡がることを考慮した配置である。
各層状気流17が、噴射口8aから噴射された後、噴射口8aの長手方向に拡がることで、凸レンズ面15aに近づくにつれて、各層状気流17同士が近接して、上方が閉じた山形状の層状気流17が形成される。
この山形状につながった層状気流17は、凸レンズ面15aに入射し、図2(b)に示すように、凸レンズ面15aの山形状の領域に吹き付けられる。以下では、この層状気流17が吹き付けられる領域を吹き付け領域Tと称する。
また、吹き付け領域Tのうち、レンズ15の回転方向側、即ち図3(b)における左側が、反対側、即ち図3(b)における右側に比べ、長いことにより、飛散物Dの再付着可能な領域を狭めることができて好ましい。
供給チューブ8bは、全体としてY字状をなすように設けられており、2本に分岐された先端部が各圧縮空気噴射部8に接続されている。また、1本にまとめられた基端部は、圧縮空気供給源20に接続されている。
供給チューブ8bにおける分岐部と圧縮空気供給源20との間には、圧縮空気供給源20側から、圧縮空気Gの圧力を調整するレギュレーター14と、圧縮空気Gを浄化するフィルター13とがこの順に設けられている。
図3(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態の洗浄装置における正面視の動作説明図、および被洗浄面上の様子を示す模式説明図である。図4(a)、(b)本発明の第1の実施形態の洗浄装置における作用を説明する模式図である。
次に、洗浄開始位置に洗浄領域Sが形成するために、昇降ステージ6を上昇させて洗浄液噴射部7の位置決めを行う。
洗浄開始位置は、凸レンズ面15aの面頂に設定することができる。
噴射流16は、洗浄液噴射部7の中心軸Pに沿って噴射されるから、図3(a)に二点鎖線で示す洗浄液噴射部7のように、中心軸Pの延長線がレンズ15の面頂に交差する高さまで固定台5を上昇させればよい。
ただし、本実施形態では、噴射流16の放射方向のバラツキや、昇降ステージ6の位置決め誤差などに対する余裕を見て、洗浄開始位置を、面頂よりもやや上側に設定している。すなわち、凸レンズ面15aと光軸Oを含む鉛直面とが交差してできる円弧上において、中心軸Pの延長線が面頂よりもやや上側で交差する高さまで、昇降ステージ6を上昇させる。
レンズ15の回転が定常回転に達したら、ポンプ9を駆動して供給チューブ7bから洗浄液Lの供給を開始するとともに、レギュレーター12を駆動して供給チューブ7cから洗浄液噴射部7内に圧縮空気Gを供給する。
また、レギュレーター14を駆動して供給チューブ8bから各圧縮空気噴射部8内に圧縮空気Gを供給する。
また、これらに合わせて昇降ステージ6を下降させる。
これにより洗浄が開始される。
本実施形態では、一例として、洗浄液噴射部7においては洗浄液Lの流量を0.5mL/min、圧縮空気Gの圧力(ゲージ圧)を0.5Paに設定し、圧縮空気噴射部8においては圧縮空気Gの圧力(ゲージ圧)を0.5MPaに設定し、昇降ステージ6の移動速度を0.2mm/回転に設定している。なお、昇降ステージ6の移動速度は、レンズ15の1回転当たりの移動量で表している。
このため、昇降ステージ6は、保持部である固定台5を移動させる移動部を構成している。また、昇降ステージ6は、洗浄液噴射部7を移動させて、洗浄領域Sをレンズ15の回転中心から外周側に向かって相対移動させる洗浄領域移動部を構成している。また、昇降ステージ6は、層状気流17の入射位置である吹き付け領域Tを洗浄領域Sの相対移動に追従して相対移動させる層状気流移動部を構成している。
洗浄位置pが、凸レンズ面15aの外周に達すると、凸レンズ面15a全体が洗浄済領域Cとなるため、洗浄が終了する。
洗浄が終了したら、洗浄液噴射部7、圧縮空気噴射部8の噴射を停止してから、昇降ステージ6、モーター4を停止させる。
続けて、レンズ15の凸レンズ面15bを洗浄したり、他の洗浄物を洗浄したりする場合には、回転保持部2からレンズ15を取り外して、次の洗浄を行う準備を行い、上記の工程を繰り返す。
このようにして、レンズ15の洗浄を行うことができる。
図3(a)に示すように、噴射口7aからは噴射流16が噴射されると、噴射流16は、中心軸Pを中心としてわずかに拡がりながら放射されて凸レンズ面15aに到達する。これにより、凸レンズ面15a上に、スポット状の洗浄領域S(図3(b)参照)が形成される。
洗浄領域Sに吹き付けられた噴射流16は凸レンズ面15aに沿って拡がる表面流16aを形成する。
このとき、噴射流16の吹き付け時の凸レンズ面15aの表面に加わる圧力や衝撃により、凸レンズ面15a上に付着した微粒子や不純物等の汚染物18(図4(a)参照)が凸レンズ面15aから剥離される。そして、凸レンズ面15aから剥離された表面流16a中の汚染物18は、以下に説明するように凸レンズ面15aに沿って拡がる表面流16aとともに移動され、凸レンズ面15aから除去される。
また、表面流16aは、凸レンズ面15aに沿って下方側に流れるにつれて、レンズ15の回転の影響を受けるため、図3(b)に示すように、進路は、全体として回転方向に偏っていく。
汚染物18を含む表面流16aがさらにレンズ15の外周側に向かうと、凸レンズ面15aの湾曲により表面流16aは剥離する。このため、下方側に向かう落下流16bが形成される。
本実施形態では、レンズ15は、光軸Oから水平方向に離間した駆動ローラ3aおよび保持ローラ3bによって下方から保持されているため、落下流16bは、駆動ローラ3a、保持ローラ3bの間の凸レンズ面15aの外縁部から、汚染物18とともに下方側に移動していく。
飛散物Dとしては、凸レンズ面15aから剥離された微粒子、洗浄液Lの液滴に吸収された微粒子、洗浄液Lに凸レンズ面15a上の不純物が溶解された飛沫、洗浄液Lの液滴による飛沫等を挙げることができる。
飛散物Dは、洗浄済領域Cに再付着すると、飛散物Dに含まれる微粒子や不純物からなる汚染物18が再付着したり、飛散物Dの洗浄液Lに含まれる水分が凸レンズ面15a上に滞留してガラスのヤケが生じたりして、凸レンズ面15aを汚したり、欠陥を形成する原因となる。
この結果、例えば、図4(a)に示すように、飛散物D0が洗浄済領域C側に飛散すると、層状気流17に衝突して、例えば飛散物D1のように洗浄位置pの移動方向に向かってはじき返される、または、飛散物D2のように層状気流17とともに凸レンズ面15aに吹き付けられて洗浄位置pの移動方向に移動されることになる。
このため、二点鎖線で示す飛散物D3のように、層状気流17を通り抜けて洗浄済領域C側に移動することができなくなる。すなわち、層状気流17は、噴射流16の後方側を覆って、飛散物Dを遮蔽するエアカーテンを構成している。
これにより、層状気流17の通過後の凸レンズ面15aが清浄となる。
このような層状気流17の押し出す作用は、凸レンズ面15aに沿う方向の速度成分が大きくなるほど強大になる。このため、中心軸Qの入射角θQは、中心軸Pの入射角θPよりも大きくすると、より効率よく押し出すことができる。
また、層状気流17の表面流17の流速は吹き付け領域Tの近傍ほど大きくなるため、吹き付け領域Tは洗浄領域Sに近いほど、より効率的に汚染物18等を押し出していくことができる。
また、吹き付け領域Tと洗浄領域Sとの間隔が狭いほど、飛散物Dがこれらの間に落下する率が減り、落下しても短時間で層状気流17の表面流16aに押圧されるため、飛散物Dが再付着を防ぎやすくなる。
次に、本発明の第2の実施形態の洗浄装置について説明する。
図5(a)、(b)は、本発明の第2の実施形態の洗浄装置の概略構成を示す模式的な平面図および正面図である。図6は、本発明の第2の実施形態の洗浄装置の制御ブロック図である。図7(a)、(b)は、図5(b)におけるE視図およびF視図である。
また、被洗浄物は、保持した状態で回転可能であって、ジェット洗浄方式による洗浄が可能なものであれば、特に限定されない。
以下では、図5(a)、(b)に示すように、洗浄物が、一例として、ガラス製のレンズ25の場合の例で説明する。
レンズ25は、凹レンズ面25a、凸レンズ面25bを有するメニスカスレンズであり、レンズ側面25cは光軸Oに同軸な円筒面として形成されている。
凹レンズ面25a、凸レンズ面25bの面形状は、球面でもよいし、軸対称非球面や自由曲面などの球面以外の凸面でもよい。また、被洗浄面は、凹レンズ面25a、凸レンズ面25bのいずれであってもよいが、以下では、一例として凹レンズ面25aが被洗浄面の場合で説明する。
以下、上記第1の実施形態の洗浄装置1と異なる点を中心に説明する。
回動ブロック23は、回転保持部2に保持されたレンズ25の洗浄面である凹レンズ面25aに対向する位置に配置されている。
支持板5cは、水平面内でレンズ25の光軸Oに直交する方向に対向して配置され、回動ブロック23の回動軸23aも水平面内でレンズ25の光軸Oに直交する方向に延ばされている。
本実施形態の洗浄液噴射部7は、上記第1の実施形態の洗浄液噴射部7と同様に、噴射口7aが先端部に形成された筒状部材からなるが、本実施形態では、回転保持部2に保持されたレンズ25の洗浄面に洗浄液Lのみを噴射流16Aとして噴射する点が異なる。
このため、上記第1の実施形態における供給チューブ7c、フィルター11、レギュレーター12は削除されている。
また、本実施形態では、洗浄液Lのみの圧力で洗浄に必要な圧力の噴射を行えるように、上記第1の実施形態のポンプ9に代えて、高圧ポンプ9Aを備える。
さらに、洗浄液噴射部7と高圧ポンプ9Aとの間の供給チューブ7b上には、噴射口7aから噴射される洗浄液Lの流量を洗浄中に調整するための流量弁21が追加されている。
流量弁21は、図6に示すように、制御部26に電気的に接続され、制御部26から送出される制御信号に基づいて流量を調整することができる。
ただし、モーター22による回動ブロック23が角度φだけ回転すると、中心軸Pの光軸Oに対する角度θは、θ=θPA+φに変化する。
角度θは、本実施形態では、制御部26によって、凹レンズ面25aに対する中心軸Pの入射角が一定になるように制御される。
中心軸Pの入射角は、1°〜60°の範囲内の一定値に設定することが好ましい。本実施形態では、一例として、中心軸Pの入射角を30°に設定している。
本実施形態では、回動ブロック23の回動基準位置おいて、中心軸Pが凹レンズ面25aの面頂に入射する設定とするため、θPA=30(°)としている。
このため、図7(b)に示すように、凹レンズ面25a上で、凸レンズ面15aの大きさに比べて小さいスポット状に吹き付けられる設定としている(符号SAで示す二点鎖線参照)。
噴射流16Aが吹き付けられる領域SAは、噴射流16Aが吹き付けられることによって生じる圧力や衝撃によって表面の洗浄が効率的に進行する領域であるため、以下では洗浄領域SAと称する。
以下では、洗浄領域SAの凹レンズ面25a上での位置を表す場合、中心軸Pと凹レンズ面25aとの交点を用いることとし、この交点を洗浄位置pAと称する。洗浄位置pAは、洗浄領域SAの中心と略一致する。
また、制御部26は、洗浄液噴射部7の噴射口7aの中心軸Pの、洗浄位置pAにおける凹レンズ面25aの法線Nに対する角度が一定角度となるように、傾動保持部の傾動量を制御する傾動制御部を構成している。
本実施形態では、圧縮空気Gを層状に噴射する円弧スリット状の開口を有する噴射口8cが先端部に形成された一対の筒状部材からなる。
これら圧縮空気噴射部8Aは、いずれも、図5(b)に示すように、回動ブロック23の回動基準位置に固定したときに、光軸Oを含む鉛直面内で、噴射口8cが下方を向き、圧縮空気噴射部8Aの中心軸QAが光軸Oに対して角度θQAだけ傾斜した姿勢で、回動ブロック23に固定されている。
角度θQAは、角度θP以上の大きさに設定する。本実施形態では、一例として、θQ=35(°)に設定している。
なお、本実施形態では、角度θQAは、角度θPAと同様にして、中心軸QAの凹レンズ面25aに対する入射角になっている。
また、凹レンズ面25aから噴射口7a、8aまでの距離を小さくしても洗浄液噴射部7と圧縮空気噴射部8Aとが互いに干渉しないように間隔を離すことができるため、噴射流16A、層状気流17Aの噴射圧の低下を防ぐことができる。また、装置のさらなる小型化を図ることができる
また、各噴射口8cは、中心軸Pを含む鉛直面を対称面として面対称な位置に配置されている。
ここで、各噴射口8cを、上部において水平方向に離間させているのは、噴射口8cから噴射される層状気流17Aが噴射口8cの開口の円周方向に拡がることを考慮した配置である。
各層状気流17Aが、噴射口8cから噴射された後、噴射口8cの円周方向に拡がることで、凹レンズ面25aに近づくにつれて、各層状気流17A同士が近接して、上方が閉じた円弧状の層状気流17Aが形成される。
この円弧状につながった層状気流17Aは、凹レンズ面25aに入射し、図7(b)に示すように、凹レンズ面25aの円弧状の領域に吹き付けられる。以下では、この層状気流17Aが吹き付けられる領域を吹き付け領域TAと称する。
また、移動ステージ24は、図6に示すように、制御部26に電気的に接続され、制御部26から送出される制御信号に基づいて移動量を変化させることができる。
移動ステージ24の構成としては、例えば、モーターと送りねじ機構とを用いた1軸ステージや、リニアモータなどを採用することができる。
また、制御部26には、レンズ25の洗浄面の形状に関する情報と、回転保持部2と固定台5Aとの位置関係の情報とが記憶された記憶部27に電気的に接続されている。
制御部26の装置構成は、本実施形態では、CPU、メモリ、入出力インターフェース、外部記憶装置などを備えるコンピュータを採用している。
図8は、本発明の第2の実施形態の洗浄装置における正面視の動作説明図である。
このため、洗浄を開始する前に、制御部26は、記憶部27に予め記憶された凹レンズ面25aの形状情報に基づいて、洗浄位置pAの軌跡を算出し、この軌跡上における光軸O方向の変位と洗浄位置pAの法線の変化とを算出し、洗浄位置pAごとに中心軸Pの入射角を一定の角度θPAとし、かつ噴射口7aまでの距離を距離Mとするための固定台5Aの位置および回動ブロック23の回動位置に対応する制御目標値を求めておく。
この制御目標値は、被洗浄物の形状が一定であれば共通に用いることができる。このため、本実施形態では、複数の被洗浄物の形状に基づいた制御目標値を予め算出しておき、例えば、テーブルや関数などの形で記憶部27に記憶させておく。
これにより、制御部26は、被洗浄面に応じた制御目標値を洗浄開始前に記憶部27から選択的に読み込めるようになっている。
次に、制御部26は、記憶部27からレンズ25の凹レンズ面25aに対応した制御目標値を読み込む。
制御部26は、洗浄開始位置に洗浄領域SAを形成するための制御目標値に基づいて、昇降ステージ6、移動ステージ24を駆動して、固定台5Aの平行移動を行い、モーター22を駆動して回動ブロック23の回動を行う。これにより、洗浄液噴射部7の中心軸Pの延長線が凹レンズ面25a上における洗浄開始位置に交差して、中心軸Pの入射角が角度θPAとなり、洗浄開始位置から噴射口7aまでの距離が距離Mとなるように相対位置の設定が行われる。
本実施形態の洗浄開始位置は、上記第1の実施形態と同様にして、凹レンズ面25aの面頂よりもやや上側に設定されている。
レンズ25の回転が定常回転に達したら、ポンプ9を駆動して供給チューブ7bから洗浄液Lの供給を開始する。このとき、制御部26は、流量弁21を予め設定された一定流量が得られるように制御する。
なお、洗浄液供給部10で蒸気を発生させることで、ポンプ9が無くても洗浄液Lを蒸気圧力により供給することもできる。これにより、洗浄液Lの消費を抑え、熱による汚れ落し効果も得ることができる
また、上記第1の実施形態と同様にして、レギュレーター14を駆動して供給チューブ8bから各圧縮空気噴射部8A内に圧縮空気Gを供給する。
また、制御部26は、これらに合わせて昇降ステージ6を下降させて、洗浄位置pAを洗浄開始位置から鉛直下方に相対移動させる。
このとき、制御部26は、記憶部27から読み込んだ制御目標値に基づいて、昇降ステージ6、移動ステージ24、モーター22を駆動するため、洗浄位置pAが移動しても、中心軸Pの入射角と、洗浄位置pAから噴射口7aまでの距離とが、それぞれ一定値、θPA、Mに保たれる。
本実施形態では、一例として、洗浄液噴射部7においては洗浄液Lの流量を240mL/minに設定し、圧縮空気噴射部8Aにおいては圧縮空気Gの圧力(ゲージ圧)を0.5MPaに設定し、昇降ステージ6の移動速度を上記第1の実施形態と同様、0.2mm/回転に設定している。
また、第1の実施形態同様に、水系洗浄液と純水の2種類を用い、水系洗浄液で洗浄後に純水で洗浄する組合せにしてもよい。
例えば、噴射流16A、層状気流17Aは、凹レンズ面25aに達すると、それぞれ表面流16a、17aが形成され、表面流16a、17aは、主として洗浄位置pAの移動方向に向かう流れを形成する。
また、本実施形態の噴射流16A、表面流16aは、洗浄液Lのみからなるため、微粒子のみからなる飛散物Dは少なくなるが、飛散物Dに関する上記第1の実施形態の説明は、本実施形態でも同様に通用する。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
さらに、各圧縮空気噴射部8Aは、洗浄液噴射部7とともに回動ブロックに固定されているため、中心軸QAの入射角も中心軸Pの入射角と同様に一定に保たれ、噴射流16Aと層状気流17Aの相対位置関係が洗浄位置pAの位置によらず一定となる。
このため、層状気流17Aが噴射流16Aを覆う範囲を、上記第1の実施形態に比べて狭く設定しても同程度に飛散物Dを阻止することができる。
このため、被洗浄物が曲率半径の小さいレンズである場合の洗浄に特に好適となる。
また、層状気流17Aが円弧状に湾曲しているため、特に、被洗浄面が球面に近い凹凸面になっている場合には、平面状の層状気流に比べると、被洗浄面に対する層状気流17Aの入射角のバラツキが小さくなる。このため、洗浄領域SAの周囲における層状気流17Aの表面流17aの安定性を向上することができ、噴射流16Aの端部および飛散物Dを移動方向側に押し出す作用がより安定し、より効率的な押し出しを行うことができる。
この場合、洗浄液噴射部7の傾動量と、圧縮空気噴射部8Aの傾動量とをそれぞれ独立に制御できるため、上記第2の実施形態と同様に相対的な傾動量を一致させることもできるし、洗浄液噴射部7と圧縮空気噴射部8Aとの傾動量を異ならせることもできる。
例えば、吹き付け領域TAが外周側に行くほど中心軸QAの入射角を大きくすることで、外周側ほど、層状気流17Aの押し出し作用を強める、と入った制御が可能である。
例えば、移動ステージ24を削除して、流量弁21によって、洗浄位置pAごとに噴射流16Aの流量を調整する構成としてもよい。すなわち、凹レンズ面25aの外周側では、噴射口7aと凹レンズ面25aとの距離が近くなるため、流量を減らすことにより、凹レンズ面25a上での圧力や衝撃を一定に保つことができる。被洗浄面が凸面の場合には逆に外周側に向かうほど流量を増大させればよい。
また、噴射流16Aの圧力や衝撃がある程度変化しても略同様な洗浄力が得られる場合には、許容範囲内で圧力や衝撃を変化させてもよい。
すなわち、距離Mや流量を被洗浄面の形状の変化に一対一に対応して連続的に変化させるのではなく、段階的に変化させてもよい。例えば、距離Mや流量の設定値をレンズ半径の3分の2を境界としてその内周側と外周側とで切り換える、といった制御を行ってもよい。
2 回転保持部
5 固定台(保持部)
5A 固定台(傾動保持部)
6 昇降ステージ(移動部、洗浄領域移動部、層状気流移動部)
7 洗浄液噴射部
7a 噴射口
8、8A 圧縮空気噴射部(層状気流形成部)
8a、8c 噴射口
9 ポンプ
9A 高圧ポンプ
10 洗浄液供給部
15、25 レンズ(被洗浄物)
15a 凸レンズ面(被洗浄面)
16、16A 噴射流
17、17A 層状気流
20 圧縮空気供給源
21 流量弁
22 モーター
23 回動ブロック(保持部)
24 移動ステージ(
25a 凹レンズ面(被洗浄面)
26 制御部(傾動制御部)
27 記憶部
C 洗浄済領域
D、D1、D2 飛散物
G 圧縮空気
L 洗浄液
O 光軸
P、Q、QA 中心軸
S、SA 洗浄領域
T、TA 吹き付け領域
p、pA 洗浄位置
Claims (5)
- 被洗浄物としてのレンズを、その光軸を水平にした状態で保持して前記光軸を中心として回転させる回転保持部と、
該回転保持部に保持された前記被洗浄物上のスポット状の洗浄領域に、圧縮空気とともに霧状になった洗浄液を鉛直下方に向かう速度成分を有して噴射する洗浄液噴射部と、
前記回転保持部および前記洗浄液噴射部の少なくとも一方を移動させて、前記洗浄領域を前記被洗浄物の回転中心から外周側に向かって相対移動させる洗浄領域移動部と、
前記洗浄領域の周囲を、前記回転中心に対する前記洗浄領域の相対移動方向における後方側から覆うように前記被洗浄物の表面に入射する鉛直下方に向かう速度成分を有する層状気流を形成する層状気流形成部と、
該層状気流の入射位置を前記洗浄領域の相対移動に追従して相対移動させる層状気流移動部と、を備える
ことを特徴とする、洗浄装置。 - 前記洗浄液噴射部と前記層状気流形成部とを一体に保持する保持部と、
該保持部および前記回転保持部の少なくとも一方を移動させる移動部と、
を備え、
前記洗浄領域移動部および前記層状気流移動部は、前記移動部で構成された
ことを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。 - 前記洗浄液噴射部の噴射口の中心軸は、前記洗浄領域の中心位置における前記被洗浄物の表面の法線に対して前記洗浄領域の前記相対移動方向と反対側に傾けられた
ことを特徴とする請求項1または2に記載の洗浄装置。 - 前記層状気流の噴射方向は、前記洗浄領域の中心位置における前記被洗浄物の表面の法線に対して前記洗浄領域の前記相対移動方向と反対側であって、前記洗浄液噴射部の噴射口の中心軸よりも大きく傾けられた
ことを特徴とする請求項3に記載の洗浄装置。 - 前記洗浄液噴射部を傾動可能に保持する傾動保持部と、
前記洗浄液噴射部の噴射口の中心軸の、前記洗浄領域の中心位置における前記被洗浄物の表面の法線に対する角度が一定角度となるように、前記傾動保持部の傾動量を制御する傾動制御部と、を備える
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗浄装置。
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