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JP5829656B2 - 金属板の塑性加工方法 - Google Patents
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本発明は、金属板の塑性加工技術に関する。
図5に基づいて従来のプレス加工方法を説明する。
図5(a)に示すように、プレス装置100は、ベース101に載っている下型102と、この下型102を囲うようにして配置されるブランクホルダ103と、このブランクホルダ103を昇降させるロッド104、104と、昇降メンバー105に吊されている上型106とからなる。
先ず、下型102から上型106を上方へ離しておき、下型102及びブランクホルダ103にブランク材107を載せる。
次に、昇降メンバー105により上型106を下げる。すると、図5(a)に示すように、ブランクホルダ103がブランク材107の縁を上型106の周縁部へ押し付ける。
図5(b)に示すブランク材107において、斜線で示す縁108がブランクホルダ103で拘束される。
この状態から、図5(a)にて、上型106を更に下げる。
すると、図5(c)に示すように、下型102と上型106とで、ブランク材107が塑性加工される。
塑性加工後、縁(不要部)108を切除する。
縁108の面積を小さくしすぎると、縁108がブランクホルダ103から外れる心配がある。そこで一定の大きさが必要であるが、縁108の面積が大きいほど、歩留まりが悪くなる。
歩留まり性の向上が求められる中、縁108の面積を小さくする技術が提案されてきた(例えば、特許文献1(図1)参照。)。
特許文献1を図6に基づいて説明する。
図6は従来の技術の基本原理を説明する図であり、(a)に示すように、ブランク材111は、切断線がサイン曲線のように波形を呈する。ブランク材111の縁112がブランクホルダで押さえられる。
仮に、図6(b)の形態であれば、ブランク材107の長さはL1である。
これが、図6(a)の形態であれば、フランク材111の最大長さはL1であるが、歩留まり上の長さはL1より小さなL2となる。結果、(a)の方が歩留まり性が高まる。
ところで、図5(a)に示すプレス装置100へブランク材107又は111を投入する際に、ブランク材107又は111を、位置決めする必要がある。
図7(a)に示すように、位置決めストッパ113にブランク材111を当てて位置決めをする。このとき、位置決めストッパ113に縁112の尖り先114が当たり(点当たりと呼ばれる。)、尖り先114が図7(b)に示すように、窪む。結果、位置決め精度が低下し、プレス工程に影響する。
このような不具合を解消することができる従来の技術が提案されている(例えば、特許文献2(図1)参照。)。
図8は改良された従来の技術の基本原理を説明する図であり、ブランク材115の縁116は、矩形鋸歯形状とされる。位置決めストッパ113に当たる部位が線である。すなわち、点当たりが線当たりに是正されたため不具合は解消される。
しかし、この改良された従来の技術においても、別の不具合が発生することが判明した。この新たな不具合を図9に基づいて説明する。
図9(a)に示すように、切断機に備えられる切断刃117を用いて切断することで、ブランク材115の縁116が得られる。
切断後に、切断刃117を図面おもて側へ移動すると、摩擦作用で縁116も図面おもて側へ撓む。この撓みは縁116に有害な変形が生じる要因となるため、好ましくない。
撓み対策の一つに、図9(b)に示すように、切断後に切断刃117をブランク材115から離れるように水平に移動し、次に図面おもて側へ移動することが行われる。これで、縁116が図面おもて側へ撓むことは防止される。
しかし、切断刃117を水平に移動するときに、縁116の側辺118、118に切断刃117が摺接するため、微細な切粉が発生する。
結果、図9(c)に示すように、側辺118、118に切粉がゴミ119の形態で、付着する。このゴミ119が次のプレス工程で悪影響を及ぼすことが心配される。
よって、切断刃でブランク材を製作するときに、ゴミが発生しない製造技術が求められる。
特許第2691143号公報 特開2004−160490公報
本発明は、切断刃でブランク材を製作するときに、ゴミが発生しない製造技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、切断線が鋸歯状になるように帯板を切断する切断刃であって、切断刃は、帯板の長手軸に直交する第1の線に沿う第1直線部と、第1の線に平行で且つ第1の線から所定距離離れている第2の線に沿う第2直線部と、第1直線部と第2直線部の端部同士を結ぶ略S字状の曲線部とを備え、曲線部には直線を含んでいない切断刃を用いる金属板の塑性加工方法であって、切断刃にて、帯板を所定の長さに切断することでブランク材を得る切断工程と、ブランク材の縁の直線部をプレス装置の位置決めストッパに当てて前記ブランク材を位置決めする位置決め工程と、ブランクホルダで鋸歯状の縁を押さえながら前記ブランク材を成形することでプレス品を得るプレス工程と、トリム装置にて、前記プレス品から不要部を切除することで製品を得るトリム工程とからなることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、曲線部は、所定距離を直径として描く円の円周を基礎とし、4分割された1/4円周と1/4円周を連続させて略S字状にしたものであることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、切断刃の側辺は、略S字状の曲線部とされ直線を含んでいない。
切断後に、切断刃を水平に移動しても、切断刃の側辺がブランク材の縁に摺接することはない。結果、ゴミが発生する心配はない。
また本発明では、本発明の切断刃を用いて実施する切断工程と、ブランク材を位置決めする工程と、ブランク材に塑性加工を施すプレス工程と、不要部分を切除するトリム工程とからなる。
切断工程でゴミが発生しないため、プレス工程では良好な塑性加工が行える。結果、品質が良好な製品が提供される。
請求項2に係る発明では、曲線部は、1/4円周と1/4円周を連続させて略S字状にしたものである。曲線部の形状が一義的に定まり、切断刃の設計が容易になる。
本発明に係る切断刃の断面図である。 図1の2部拡大図である。 本発明に係る金属板の塑性加工方法を説明するフロー図である。 切断工程を説明する図である。 従来のプレス加工方法を説明する図である。 サイン曲線状の縁を有するブランク材の平面図である。 サイン曲線状の縁における問題点を説明する図である。 矩形鋸歯状の縁を有するブランク材の平面図である。 矩形鋸歯状の縁における問題点を説明する図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1に示すように、切断機10は、ダイ11と、パンチと呼ばれる切断刃20を要部とする。理解を容易にするために、ダイ11から切断刃20を水平方向に分離して示したが、切断刃20はダイ11と平面視で、ほぼ重なった形態で使用される。
この切断刃20は、帯板(図3、符号31)の長手軸(図3、符号31a)に直交する第1の線21に沿う第1直線部22と、第1の線21に平行で且つ第1の線21から所定距離Dだけ離れている第2の線23に沿う第2直線部24と、第1直線部22と第2直線部24の端部同士を結ぶ略S字状の曲線部25とを備える。
結果として、曲線部25には直線が含まれない。
なお、曲線部25は2つの円弧を繋いだものであって、一方の円弧の半径R1と、他方の円弧の半径R2は、同一にしても良いし、異なるようにしても良い。
半径R1と半径R2を同一のRとした例を、図2で説明する。
図2は図1の2部拡大図であって、図2に示すように、所定距離Dを直径として描く円27の円周を基礎とする。
円27の円周を4分割した1/4円周(点P1と点P2を結ぶ1/4円周)と1/4円周(点P2と点P3を結ぶ1/4円周)を連続させて略S字状にしたものが曲線部25となる。曲線部25の一端が第1直線部22に繋がり、曲線部25の他端が第2直線部24に繋がっている。
以上に説明した切断刃20を用いて実施する金属板の塑性加工方法を、図3に基づいて説明する。
図3(a)に示すように、薄い金属板からなる帯板31を準備し、この帯板31を、図1に示す切断機10で切断する(切断工程)。
この切断工程を、図4で詳細に説明する。
図4(a)は切断直後の形態を示し、ブランク材32に対して、切断刃20が図面おもて側から図面奥へ移動している。
次に、図4(b)に示すように、切断刃20を水平方向に且つブランク材32から離れるように移動する。この水平移動の際、切断刃20の側面は曲線部25、25となっており、ブランク材32の縁33に摺接することなく、離れる。よって、ゴミが発生することはない。
結果、図3(b)に示すように、切断線が鋸歯状のブランク材32が得られる。このブランク材32をプレス装置へ投入する。投入に際して、先端の直線部34が位置決めストッパ(図7(a)、符号113)に当たる。いわゆる線当たりであるため、ブランク材32の縁33が窪む心配はなく、位置決め精度は良好に保たれる(位置決め工程)。
ブランクホルダで鋸歯状の縁33を押さえながら、ブランク材32にプレス装置にて塑性加工を施す。結果、図3(c)に示すプレス品36が得られる(プレス工程)。
このプレス品36の周縁部が不要部37となる。この不要部37をトリム装置にて切除する(トリム工程)。
結果、図3(d)で示す製品38を得ることができる。製品38は、仕上がり精度が厳しく求められる車体のサイドパネル、ボンネット、ルーフが好適である
尚、本発明は、車体のプレス加工に好適であるが、車体以外の一般製品におけるプレス加工に適用することは差し支えない。
本発明は、車体のプレス加工に好適である。
10…切断機、20…切断刃、21…第1の線、22…第1直線部、23…第2の線、24…第2直線部、25…曲線部、31…帯板、31a…帯板の長手軸、32…ブランク材、33…ブランク材の縁、34…縁の直線部、36…プレス品、37…不要部、38…製品、100…プレス装置、103…ブランクホルダ、113…位置決めストッパ、D…所定距離兼基礎円の直径。

Claims (2)

  1. 切断線が鋸歯状になるように帯板を切断する切断刃であって、
    前記切断刃は、前記帯板の長手軸に直交する第1の線に沿う第1直線部と、前記第1の線に平行で且つ前記第1の線から所定距離離れている第2の線に沿う第2直線部と、前記第1直線部と前記第2直線部の端部同士を結ぶ略S字状の曲線部とを備え、前記曲線部には直線を含んでいない切断刃を用いる金属板の塑性加工方法であって、
    前記切断刃にて、前記帯板を所定の長さに切断することでブランク材を得る切断工程と、
    前記ブランク材の縁の直線部をプレス装置の位置決めストッパに当てて前記ブランク材を位置決めする位置決め工程と、
    ブランクホルダで鋸歯状の縁を押さえながら前記ブランク材を成形することでプレス品を得るプレス工程と、
    トリム装置にて、前記プレス品から不要部を切除することで製品を得るトリム工程と、
    からなる金属板の塑性加工方法。
  2. 前記切断刃の前記曲線部は、前記所定距離を直径として描く円の円周を基礎とし、4分割された1/4円周と1/4円周を連続させて略S字状にしたものであることを特徴とする請求項1記載の金属板の塑性加工方法。
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