以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態1は、空気の除湿と加湿を行う調湿装置(10)である。
−調湿装置の構成−
本実施形態1の調湿装置(10)は、図1に示すように、ケーシング(20)を備えている。このケーシング(20)には、吸収剤回路(30)と、冷媒回路(35)と、給気ファン(27)と、排気ファン(28)とが収容されている。
ケーシング(20)は、直方体の箱状に形成されている。ケーシング(20)では、その一方の端面に外気吸込口(21)と排気口(24)とが形成され、その他方の端面に内気吸込口(23)と給気口(22)とが形成されている。ケーシング(20)の内部空間は、給気通路(25)と排気通路(26)に仕切られている。給気通路(25)は、外気吸込口(21)及び給気口(22)に連通している。給気通路(25)には、給気ファン(27)と、給気側モジュール(40a)とが配置されている。一方、排気通路(26)は、内気吸込口(23)及び排気口(24)に連通している。排気通路(26)には、排気ファン(28)と、排気側モジュール(40b)とが配置されている。
吸収剤回路(30)は、図2に示すように、給気側モジュール(40a)と、排気側モジュール(40b)と、循環ポンプ(31)とが接続された閉回路である。この吸収剤回路(30)では、循環ポンプ(31)の吐出側が排気側モジュール(40b)の吸収剤通路(41b)の入口に、排気側モジュール(40b)の吸収剤通路(41b)の出口が給気側モジュール(40a)の吸収剤通路(41a)の入口に、給気側モジュール(40a)の吸収剤通路(41a)の出口が循環ポンプ(31)の吸入側に、それぞれ接続されている。また、吸収剤回路(30)には、液体吸収剤として塩化リチウム水溶液が充填されている。
冷媒回路(35)は、圧縮機(36)と、四方切換弁(37)と、膨張弁(38)と、給気側モジュール(40a)と、排気側モジュール(40b)とが接続された閉回路である。この冷媒回路(35)では、圧縮機(36)の吐出側が四方切換弁(37)の第1のポートに、圧縮機(36)の吸入側が四方切換弁(37)の第2のポートに、それぞれ接続される。また、この冷媒回路(35)では、四方切換弁(37)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)と、膨張弁(38)と、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)とが配置されている。冷媒回路(35)は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。そして、冷媒回路(35)は、給気側モジュール(40a)及び排気側モジュール(40b)に対して、冷媒を熱媒体として供給する。
四方切換弁(37)は、第1状態(図2に実線で示す状態)と、第2状態(同図に破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態の四方切換弁(37)では、第1のポートが第3のポートに連通し、第2のポートが第4のポートに連通する。一方、第2状態の四方切換弁(37)では、第1のポートが第4のポートに連通し、第2のポートが第3のポートに連通する。
また、調湿装置(10)は、切換判定部としての圧縮機制御部(47)と、循環ポンプ制御部(32)とを備えている。
圧縮機制御部(47)は、詳しくは後述する複数の温度センサ(81,83,85)での検出値、及び複数の湿度センサ(82,84,86)での検出値に応じて、圧縮機(36)を起動又は停止する。
循環ポンプ制御部(32)は、詳しくは後述する圧縮機停止除湿運転中、又は圧縮機停止加湿運転中に、室内への給気の絶対湿度(AHs)に応じて、循環ポンプ(31)の吐出量を制御するように構成されている。給気の絶対湿度(AHs)は、給気温度センサ(83)での検出値、及び給気湿度センサ(84)での検出値に基づいて算出される。
−調湿用モジュールの構成−
給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)は、何れも調湿部としての調湿用モジュール(40)によって構成されている。ここでは、調湿用モジュール(40)について、図3〜図7を適宜参照しながら説明する。
調湿用モジュール(40)は、液体吸収剤によって空気の湿度を調整するためのものである。この調湿用モジュール(40)は、一つの外側ケース(50)と、複数の内側部材(60)と、二つの伝熱部材(46)とを備えている。内側部材(60)及び伝熱部材(46)は、外側ケース(50)に収容されている。
外側ケース(50)は、図3に示すように、中空の直方体状に形成されており、底板(51)と、天板(52)と、一対の側板(53,54)と、一対の端板(55)とを備えている。なお、図3は、天板(52)と手前側の端板(55)とを省略した状態を示している。各側板(53,54)には、側板(53,54)を厚さ方向に貫通する通風孔(56)が複数形成されている。各通風孔(56)は、縦長の長方形状となっている。複数の通風孔(56)は、図4にも示すように、側板(53,54)の長手方向に一定の間隔で一列に配置されている。
内側部材(60)は、図5及び図7にも示すように、両端が開口した中空の直方体状に形成されている。この内側部材(60)は、支持枠(61)と、透湿膜(62)とを備えている。支持枠(61)は、その下面と上面が板状に形成されている。つまり、支持枠(61)は、その下面と上面が閉塞されている。透湿膜(62)は、支持枠(61)の側面を覆うように設けられている。従って、内側部材(60)に設けられた透湿膜(62)は、平面状となっている。透湿膜(62)は、液体吸収剤を透過させずに水蒸気を透過させる膜である。この透湿膜(62)としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン、四フッ化エチレン樹脂)等のフッ素樹脂から成る疎水性多孔膜を用いることができる。
外側ケース(50)には、各側板(53,54)に形成された通風孔(56)と同数の内側部材(60)が収容されている。外側ケース(50)の内部において、内側部材(60)は、それぞれの側面を覆う透湿膜(62)が互いに向かい合うように、外側ケース(50)の長手方向に一列に配列されている。
図4に示すように、内側部材(60)の端面の開口部(63)と、外側ケース(50)の側板(53,54)の通風孔(56)とは、形状と大きさが一致している。内側部材(60)は、開口部(63)が側板(53,54)の通風孔(56)と重なるように、外側ケース(50)に固定される。つまり、図4において、内側部材(60)の支持枠(61)の左端面は、左側に配置された側板(53)の内側面における通風孔(56)の周縁部に接合される。また、同図において、内側部材(60)の支持枠(61)の右端面は、右側に配置された側板(54)の内側面における通風孔(56)の周縁部に接合される。
図4に示すように、内側部材(60)の内側の空間は、外側ケース(50)の通風孔(56)を介して外部と連通しており、空気が流れる空気通路(42)となっている。空気通路(42)では、調湿装置(10)の給気通路(25)又は排気通路(26)を流れる空気が流通する。また、調湿用モジュール(40)において、内側部材(60)の外側で且つ外側ケース(50)の内側の空間には、液体吸収剤が流れる吸収剤通路(41)が形成されている。吸収剤通路(41)では、吸収剤回路(30)を循環する液体吸収剤が流通する。従って、透湿膜(62)は、その表面が空気通路(42)を流れる空気と接触し、その裏面が吸収剤回路(30)を流れる液体吸収剤と接触する。
上述したように、外側ケース(50)に収容された複数の内側部材(60)は、それぞれの側面を覆う透湿膜(62)が互いに向かい合うように一列に並んでいる。このため、透湿膜(62)の配列方向(本実施形態では外側ケース(50)の長手方向)に空気通路(42)と吸収剤通路(41)とが交互に形成されている。なお、吸収剤通路(41)において、両側を透湿膜(62)に挟まれた部分は、内側部材(60)の上側と下側の部分を介して互いに連通している。
給気側モジュール(40a)は、図2に示すように、外気温度センサ(81)と、外気湿度センサ(82)とを備えている。外気温度センサ(81)は、室外の空気の温度を検出するためのものであり、外気湿度センサ(82)は、室外の空気の相対湿度を検出するためのものである。外気温度センサ(81)及び外気湿度センサ(82)は、ともに給気通路(25)における内側部材(60)が配置されている部分よりも上流側に配置されている。また、給気側モジュール(40a)は、給気温度センサ(83)と、給気湿度センサ(84)とを備えている。給気温度センサ(83)は、室内への給気の温度を検出するためのものであり、給気湿度センサ(84)は、室内への給気の相対湿度を検出するためのものである。給気温度センサ(83)及び給気湿度センサ(84)は、ともに給気通路(25)における内側部材(60)が配置されている部分よりも下流側に配置されている。
排気側モジュール(40b)は、図2に示すように、内気温度センサ(85)と、内気湿度センサ(86)とを備えている。内気温度センサ(85)は、室内の空気の温度を検出するためのものであり、内気湿度センサ(86)は、室内の空気の相対湿度を検出するためのものである。内気温度センサ(85)及び内気湿度センサ(86)は、ともに排気通路(26)における内側部材(60)が配置されている部分よりも上流側に配置されている。
上記各温度センサ(81,83,85)及び各湿度センサ(82,84,86)での検出値は、随時、圧縮機制御部(47)へ送信される。また、給気温度センサ(83)での検出値と、給気湿度センサ(84)での検出値は、圧縮機停止運転中に、随時、循環ポンプ制御部(32)へ送信される。
図6に示すように、伝熱部材(46)は、複数本の伝熱管(70)と、一つの第1ヘッダ(71)と、一つの第2ヘッダ(72)とを備えている。
各伝熱管(70)は、アルミニウム製の多穴扁平管である(図4を参照)。即ち、伝熱管(70)は、断面が扁平な長円状に形成され、その内部空間が複数の流路に仕切られている。各伝熱管(70)に形成された流路は、冷媒回路(35)の冷媒が流れる熱媒体通路(43)となっている。伝熱部材(46)において、複数の伝熱管(70)は、それぞれの平坦面が互いに向かい合うように、互いに一定の間隔をおいて一列に配置されている。また、各伝熱管(70)は、それぞれの軸方向が上下方向となっている。
第1ヘッダ(71)及び第2ヘッダ(72)のそれぞれは、両端が閉塞された円管状に形成されている。第1ヘッダ(71)は、一列に配置された各伝熱管(70)の上端に接合されている。第2ヘッダ(72)は、一列に配置された各伝熱管(70)の下端に接合されている。第1ヘッダ(71)及び第2ヘッダ(72)の内部空間は、伝熱管(70)内に形成された流路と連通しており、この伝熱管(70)内の流路と共に熱媒体通路(43)を構成している。
外側ケース(50)内において、二つの伝熱部材(46)は、その一方が第1の側板(53)寄りに配置され、他方が第2の側板(54)寄りに配置されている。また、各伝熱部材(46)の伝熱管(70)は、隣り合う内側部材(60)の間に一本ずつ配置されている。従って、本実施形態の調湿用モジュール(40)では、隣り合う内側部材(60)の間に、一方の伝熱部材(46)の伝熱管(70)と、他方の伝熱部材(46)の伝熱管(70)とが配置されている。上述したように、隣り合う内側部材(60)の間の空間は、調湿用モジュール(40)の吸収剤通路(41)となっている。従って、伝熱部材(46)の伝熱管(70)は、吸収剤通路(41)に配置され、その表面が吸収剤通路(41)を流れる液体吸収剤と接触する。つまり、伝熱部材(46)の伝熱管(70)は、吸収剤通路(41)を流れる液体吸収剤に囲まれている。
調湿用モジュール(40)の各伝熱部材(46)は、冷媒回路(35)に接続される。調湿用モジュール(40)によって構成された給気側モジュール(40a)では、各伝熱部材(46)の第1ヘッダ(71)が四方切換弁(37)の第4のポートに接続され、各伝熱部材(46)の第2ヘッダ(72)が膨張弁(38)に接続される。一方、調湿用モジュール(40)によって構成された排気側モジュール(40b)では、各伝熱部材(46)の第1ヘッダ(71)が四方切換弁(37)の第3のポートに接続され、各伝熱部材(46)の第2ヘッダ(72)が膨張弁(38)に接続される。
−圧縮機制御部の構成−
圧縮機制御部(47)は、複数の温度センサ(81,83,85)及び湿度センサ(82,84,86)で検出された検出値を受信し、該検出値に基づいて、圧縮機(36)を制御するように構成されている。
圧縮機制御部(47)は、図8に示すように、停止制御部(48)と、起動制御部(49)とを備えている。停止制御部(48)及び起動制御部(49)は、調湿装置(10)の除湿運転時と加湿運転時とで異なる動作をするように構成されている。
停止制御部(48)は、上記各センサ(81〜86)の検出値に基づいて、駆動中の圧縮機(36)を停止する。停止制御部(48)は、第1判定部(48a)と、第2判定部(48b)と、指令部(48c)とを備えている。
第1判定部(48a)は、内気温度センサ(85)での検出値(Tr)と目標温度(Trs)とを比較するとともに、内気湿度センサ(86)での検出値(RHr)と目標相対湿度(RHrs)とを比較する。
除湿運転時には、第1判定部(48a)において、内気温度センサ(85)での検出値(Tr)が目標温度(Trs)以下であり、且つ、内気湿度センサ(86)での検出値(RHr)が目標相対湿度(RHrs)以下であると判定された場合、次に、第2判定部(48b)での判定が行われる。上記各検出値(Tr,RHr)の少なくとも一方が目標値(Trs,RHrs)を上回っている場合には、所定時間経過後、再び第1判定部(48a)による上記判定が行われる。なお、ここでの目標温度(Trs)は、調湿装置(10)と同時に運転される空調装置(図示省略)の設定温度に基づいて決定される。例えば、冷房運転を行う空調装置の設定温度が27℃に設定されている場合、目標温度(Trs)は、27℃よりもやや高い値に設定される。また、ここでの目標相対湿度(RHrs)は、調湿装置(10)の設定湿度に基づいて決定される。例えば、調湿装置(10)の設定相対湿度が50%に設定されている場合、目標相対湿度(RHrs)は、50%よりもやや高い値に設定される。
一方、加湿運転時には、第1判定部(48a)において、内気温度センサ(85)での検出値(Tr)が目標温度(Trs)以上であり、且つ、内気湿度センサ(86)での検出値(RHr)が目標相対湿度(RHrs)以上であると判定された場合、次に、第2判定部(48b)での判定が行われる。上記各検出値(Tr,RHr)の少なくとも一方が目標値(Trs,RHrs)を下回っている場合には、所定時間経過後、再び第1判定部(48a)による判定が行われる。なお、ここでの目標温度(Trs)は、該調湿装置(10)と同時に運転される空調装置(図示省略)の設定温度に基づいて決定される。例えば、暖房運転を行う空調装置の設定温度が20℃に設定されている場合、目標温度(Trs)は、20℃よりもやや低い値に設定される。また、ここでの目標相対湿度(RHrs)は、調湿装置(10)の設定湿度に基づいて決定される。例えば、調湿装置(10)の設定相対湿度が50%に設定されている場合、目標相対湿度(RHrs)は、50%よりもやや低い値に設定される。
第2判定部(48b)では、外気温度センサ(81)の検出値(To)と内気温度センサ(85)の検出値(Tr)から処理能力(W)が算出されるとともに、外気の絶対湿度(AHo)と内気の絶対湿度(AHr)との湿度差(ΔAH)及び給気ファン(27)の風量などによって、調湿負荷(L)が算出される。ここで、調湿負荷(L)とは、調湿装置(10)における調湿対象の負荷であって、給気とともに室内へ持ち込まれる負荷のことである。具体的には、調湿装置(10)によって除湿運転が行われている場合には、調湿負荷(L)は除湿負荷となり、調湿装置(10)によって加湿運転が行われている場合には、調湿負荷(L)は加湿負荷となる。なお、外気の絶対湿度(AHo)は、外気温度センサ(81)の検出値(To)及び外気湿度センサ(82)の検出値(RHo)から算出され、内気の絶対湿度(AHr)は、内気温度センサ(85)の検出値(Tr)及び内気湿度センサ(86)の検出値(RHr)から算出される。
また、第2判定部(48b)には、テーブルAが記憶されている。このテーブルAをプロットしたグラフを図9に示す。このテーブルAは、外気温度センサ(81)の検出値(To)と内気温度センサ(85)の検出値(Tr)に基づいて圧縮機停止運転でどれだけの潜熱処理が可能であるかを示すものである。室外温度(To)および室内温度(Tr)と処理能力(W)の関係について説明すると、例えば給気側モジュール(40a)が吸湿側となる場合、室外温度(To)が比較的高ければ、該給気側モジュール(40a)から流出する液体吸収剤の温度が比較的高くなる。すなわち、排気側モジュール(40b)に流入する液体吸収剤の温度が比較的高くなり、該排気側モジュール(40b)での放湿が促進される。これにより、高濃度の液体吸収剤が給気側モジュール(40a)に供給されて、除湿能力が高くなる。一方、室内温度(Tr)が比較的低ければ、排気側モジュール(40b)から流出する液体吸収剤の温度が比較的低くなる。すなわち、給気側モジュール(40a)に流入する液体吸収剤の温度が比較的低くなり、該給気側モジュール(40a)の液体吸収剤の水蒸気分圧を小さくして、除湿能力を高める。従って、室外温度(To)が高いほど、また、室内温度(Tr)が低いほど(ゆえに、室内と室外との温度差(ΔT)が大きいほど)、圧縮機停止運転時の処理能力(W)は大きくなる。このように、室外温度(To)及び室内温度(Tr)と処理能力(W)との間には、ある程度の相関関係があり、このテーブルAによれば、室外温度(To)と室内温度(Tr)に基づいて、圧縮機停止運転で処理できる調湿負荷(処理能力(W))を算出できる。
除湿運転時及び加湿運転時の双方において、第2判定部(48b)では、算出された処理能力(W)が調湿負荷(L)以上であるか否かが判定される。処理能力(W)が調湿負荷(L)以上であった場合には、指令部(48c)から圧縮機(36)へ圧縮機停止信号Soffが送信される。
起動制御部(49)は、判定部(49a)と、指令部(49b)とを備えている。
判定部(49a)では、給気の絶対湿度(AHs)と目標絶対湿度(AHss)とが比較される。なお、給気の絶対湿度(AHs)は、給気温度センサ(83)の検出値(Ts)及び給気湿度センサ(84)の検出値(RHs)から算出される。
除湿運転時には、判定部(49a)において、給気の絶対湿度(AHs)が目標絶対湿度(AHss)以上であると判定された場合、指令部(49b)から圧縮機(36)へ圧縮機起動信号Sonが送信される。なお、目標絶対湿度(AHss)は、空調装置の設定温度と調湿装置(10)の設定湿度とに基づいて決定される。
また、加湿運転時には、判定部(49a)において、給気の絶対湿度(AHs)が目標絶対湿度(AHss)以下であると判定された場合、指令部(49b)から圧縮機(36)へ圧縮機起動信号Sonが送信される。
−調湿装置の運転動作−
調湿装置(10)の運転動作を説明する。調湿装置(10)は、室内への給気を除湿する除湿運転と、室内への給気を加湿する加湿運転とを選択的に実行する。除湿運転では、圧縮機(36)及び循環ポンプ(31)を運転する通常除湿運転と、圧縮機(36)を停止しながら循環ポンプ(31)を運転する圧縮機停止除湿運転とが切り換えて行われる。一方、加湿運転では、圧縮機(36)及び循環ポンプ(31)を運転する通常加湿運転と、圧縮機(36)を停止しながら循環ポンプ(31)を運転する圧縮機停止加湿運転とが切り換えて行われる。
〈除湿運転〉
調湿装置(10)の除湿運転について、図2を参照しながら説明する。除湿運転時には、冷媒回路(35)の四方切換弁(37)が第1状態(即ち、図2に実線で示す状態)に設定される。
−通常除湿運転−
通常除湿運転では、圧縮機(36)及び循環ポンプ(31)の双方が運転される。
圧縮機(36)が運転されると、除湿運転時の冷媒回路(35)では、冷媒が循環することによって蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。また、除湿運転時の冷媒回路(35)では、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)が放熱部となり、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)が蒸発部となる。
冷媒回路(35)における冷媒の流れを詳細に説明する。圧縮機(36)から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四方切換弁(37)を通過し、加熱用の熱媒体として排気側モジュール(40b)へ供給される。排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)へ流入した冷媒は、排気側モジュール(40b)の吸収剤通路(41b)を流れる液体吸収剤へ放熱して凝縮し、その後に排気側モジュール(40b)から流出する。排気側モジュール(40b)から流出した冷媒は、膨張弁(38)を通過する際に減圧されて気液二相状態の低圧冷媒となり、冷却用の熱媒体として給気側モジュール(40a)へ供給される。給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)へ流入した冷媒は、給気側モジュール(40a)の吸収剤通路(41a)を流れる液体吸収剤から吸熱して蒸発し、その後に給気側モジュール(40a)から流出する。給気側モジュール(40a)から流出した冷媒は、四方切換弁(37)を通過し、圧縮機(36)へ吸入される。圧縮機(36)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
また、通常除湿運転では、吸収剤回路(30)の循環ポンプ(31)が運転され、吸収剤回路(30)内を液体吸収剤が循環する。
循環ポンプ(31)から吐出された液体吸収剤は、排気側モジュール(40b)の吸収剤通路(41b)へ流入する。この吸収剤通路(41b)へ流入した液体吸収剤は、放熱部としての伝熱部材(46b)を流れる冷媒によって加熱される。加熱された液体吸収剤は、水蒸気分圧が上昇する。一方、排気側モジュール(40b)の空気通路(42)では、排気(即ち、室外へ排出される室内空気)が流れている。排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤に含まれる水の一部が水蒸気となって透湿膜(62)を透過し、排気側モジュール(40b)の空気通路(42)を流れる排気に付与される。排気に付与された水蒸気は、排気と共に室外へ排出される。このように、排気側モジュール(40b)では、吸収剤通路(41b)の液体吸収剤に含まれる水の一部が、透湿膜(62)を透過して排気に付与される。従って、排気側モジュール(40b)では、吸収剤通路(41b)を通過する間に液体吸収剤の濃度が次第に上昇してゆく。
排気側モジュール(40b)から流出した高濃度の液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)の吸収剤通路(41a)へ流入する。この吸収剤通路(41a)へ流入した液体吸収剤は、蒸発部としての伝熱部材(46a)を流れる冷媒によって冷却される。冷却された液体吸収剤は、水蒸気分圧が低下する。一方、給気側モジュール(40a)の空気通路(42)では、給気(即ち、室内へ供給される室外空気)が流れている。給気側モジュール(40a)では、給気に含まれる水蒸気が透湿膜(62)を透過し、吸収剤通路(41a)を流れる液体吸収剤に吸収される。給気側モジュール(40a)の空気通路(42)を通過する間に除湿された給気は、その後に室内へ供給される。このように、給気側モジュール(40a)では、空気通路(42)の給気に含まれる水蒸気の一部が、透湿膜(62)を透過して液体吸収剤に吸収される。従って、給気側モジュール(40a)では、吸収剤通路(41a)を通過する間に液体吸収剤の濃度が次第に低下してゆく。給気側モジュール(40a)から流出した低濃度の液体吸収剤は、循環ポンプ(31)へ吸い込まれ、排気側モジュール(40b)へ向けて送り出される。
この通常除湿運転では、圧縮機(36)を運転して冷媒回路(35)において冷凍サイクルを行うことにより、給気側モジュール(40a)に供給される液体吸収剤へ空気からの水分が付与されやすくなるとともに、排気側モジュール(40b)に供給される液体吸収剤から空気へ水分が付与されやすくなる。つまり、この通常除湿運転では、圧縮機(36)を駆動させるエネルギーが必要になるものの、調湿装置(10)の調湿能力が高くなっている。
−圧縮機停止除湿運転−
圧縮機停止除湿運転では、圧縮機(36)が停止された状態で、循環ポンプ(31)が駆動される。圧縮機停止除湿運転中、冷媒回路(35)では冷媒が循環しないため、蒸気圧縮冷凍サイクルが行われない。
圧縮機停止除湿運転では、通常除湿運転の場合と同様、吸収剤回路(30)の循環ポンプ(31)が駆動され、吸収剤回路(30)内を液体吸収剤が循環する。
循環ポンプ(31)から吐出された液体吸収剤は、排気側モジュール(40b)の吸収剤通路(41b)へ流入する。排気側モジュール(40b)では、液体吸収剤に含まれる水の一部が水蒸気となって透湿膜(62)を透過し、空気通路(42)を流れる排気に付与される。特に、夏場などに室内が冷房されている場合には、室内から室外へ流れる排気の温度は比較的低くなっているため、排気の水蒸気分圧は比較的低い。従って、液体吸収剤に含まれる水分が排気に付与されやすい。排気に付与された水蒸気は、排気と共に室外へ排出される。
このように、排気側モジュール(40b)では、吸収剤通路(41b)の液体吸収剤に含まれる水の一部が、透湿膜(62)を透過して排気に付与される。従って、排気側モジュール(40b)では、吸収剤通路(41b)を通過する間に液体吸収剤の濃度が次第に上昇してゆく。
排気側モジュール(40b)から流出した高濃度の液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)の吸収剤通路(41a)へ流入する。給気側モジュール(40a)では、給気に含まれる水蒸気が透湿膜(62)を透過し、吸収剤通路(41a)を流れる高濃度の液体吸収剤に吸収される。特に、夏場などの暑い時期は、室外から室内へ流れる給気の温度は比較的高くなっているため、給気の水蒸気分圧は比較的高い。従って、給気に含まれる水分が液体吸収剤に付与されやすい。給気側モジュール(40a)の空気通路(42)を通過する間に除湿された給気は、その後に室内へ供給される。
このように、給気側モジュール(40a)では、空気通路(42)の給気に含まれる水蒸気の一部が、透湿膜(62)を透過して液体吸収剤に吸収される。従って、給気側モジュール(40a)では、吸収剤通路(41a)を通過する間に液体吸収剤の濃度が次第に低下してゆく。給気側モジュール(40a)から流出した低濃度の液体吸収剤は、循環ポンプ(31)へ吸い込まれ、排気側モジュール(40b)へ向けて送り出される。
また、圧縮機停止除湿運転中、給気温度センサ(83)及び給気湿度センサ(84)は、それぞれの検出値(Ts,RHs)を循環ポンプ制御部(32)へ送信する。循環ポンプ制御部(32)は、これらの検出値(Ts,RHs)から給気絶対湿度(AHs)を算出する。循環ポンプ制御部(32)は、この給気絶対湿度(AHs)に応じて、循環ポンプ(31)の吐出量を調整する。給気の潜熱負荷に応じて循環ポンプ(31)の吐出量を調整することで、圧縮機停止運転中における給気側モジュール(40a)の調湿能力を、ある程度調整できる。
この圧縮機停止除湿運転では、通常調湿運転の場合と比べると、圧縮機(36)が停止されているため、圧縮機(36)を駆動するためのエネルギーを低減できる。しかし、給気側モジュール(40a)に供給される液体吸収剤に対する冷却や、排気側モジュール(40b)に供給される液体吸収剤に対する加熱が行われていないため、通常調湿運転の場合と比べると、調湿装置(10)の調湿能力が低くなっている。
〈加湿運転〉
加湿運転では、圧縮機(36)及び循環ポンプ(31)を運転する通常加湿運転と、圧縮機(36)を停止しながら循環ポンプ(31)を運転する圧縮機停止加湿運転とが切り換えて行われる。
調湿装置(10)の加湿運転について、図2を参照しながら説明する。
加湿運転時には、冷媒回路(35)の四方切換弁(37)が第2状態(即ち、図2に破線で示す状態)に設定される。
−通常加湿運転−
通常加湿運転では、圧縮機(36)及び循環ポンプ(31)の双方が運転される。
圧縮機(36)が運転されると、加湿運転時の冷媒回路(35)では、冷媒が循環することによって蒸気圧縮冷凍サイクルが行われる。また、加湿運転時の冷媒回路(35)では、給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)が放熱部となり、排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)が蒸発部となる。
冷媒回路(35)における冷媒の流れを詳細に説明する。圧縮機(36)から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四方切換弁(37)を通過し、加熱用の熱媒体として給気側モジュール(40a)へ供給される。給気側モジュール(40a)の伝熱部材(46a)へ流入した冷媒は、給気側モジュール(40a)の吸収剤通路(41a)を流れる液体吸収剤へ放熱して凝縮し、その後に給気側モジュール(40a)から流出する。給気側モジュール(40a)から流出した冷媒は、膨張弁(38)を通過する際に減圧されて気液二相状態の低圧冷媒となり、冷却用の熱媒体として排気側モジュール(40b)へ供給される。排気側モジュール(40b)の伝熱部材(46b)へ流入した冷媒は、排気側モジュール(40b)の吸収剤通路(41b)を流れる液体吸収剤から吸熱して蒸発し、その後に排気側モジュール(40b)から流出する。排気側モジュール(40b)から流出した冷媒は、四方切換弁(37)を通過し、圧縮機(36)へ吸入される。圧縮機(36)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
また、通常加湿運転では、吸収剤回路(30)の循環ポンプ(31)が運転され、吸収剤回路(30)内を液体吸収剤が循環する。
循環ポンプ(31)から吐出された液体吸収剤は、排気側モジュール(40b)の吸収剤通路(41b)へ流入する。この吸収剤通路(41b)へ流入した液体吸収剤は、蒸発部としての伝熱部材(46b)を流れる冷媒によって冷却される。一方、排気側モジュール(40b)の空気通路(42)では、排気(即ち、室外へ排出される室内空気)が流れている。排気側モジュール(40b)では、排気に含まれる水蒸気が透湿膜(62)を透過し、吸収剤通路(41b)を流れる液体吸収剤に吸収される。水蒸気を奪われた排気は、その後に室外へ排出される。このように、排気側モジュール(40b)では、空気通路(42)の排気に含まれる水蒸気の一部が、透湿膜(62)を透過して液体吸収剤に吸収される。従って、排気側モジュール(40b)では、吸収剤通路(41b)を通過する間に液体吸収剤の濃度が次第に低下してゆく。
排気側モジュール(40b)から流出した低濃度の液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)の吸収剤通路(41a)へ流入する。この吸収剤通路(41a)へ流入した液体吸収剤は、放熱部としての伝熱部材(46a)を流れる冷媒によって加熱される。一方、給気側モジュール(40a)の空気通路(42)では、給気(即ち、室内へ供給される室外空気)が流れている。給気側モジュール(40a)では、液体吸収剤に含まれる水の一部が水蒸気となって透湿膜(62)を透過し、空気通路(42)を流れる給気に付与される。給気側モジュール(40a)の空気通路(42)を通過する間に加湿された給気は、その後に室内へ供給される。このように、給気側モジュール(40a)では、吸収剤通路(41a)の液体吸収剤に含まれる水の一部が、透湿膜(62)を透過して給気に付与される。従って、給気側モジュール(40a)では、吸収剤通路(41a)を通過する間に液体吸収剤の濃度が次第に上昇してゆく。給気側モジュール(40a)から流出した高濃度の液体吸収剤は、循環ポンプ(31)へ吸い込まれ、排気側モジュール(40b)へ向けて送り出される。
この通常加湿運転では、圧縮機(36)を運転して冷媒回路(35)において冷凍サイクルを行うことにより、給気側モジュール(40a)に供給される液体吸収剤から空気へ水分が付与されやすくなるとともに、排気側モジュール(40b)に供給される液体吸収剤へ空気からの水分が付与されやすくなる。つまり、この通常除湿運転では、圧縮機(36)を駆動させるエネルギーが必要になるものの、調湿装置(10)の調湿能力が高くなっている。
−圧縮機停止加湿運転−
圧縮機停止加湿運転では、圧縮機(36)が停止された状態で、循環ポンプ(31)が駆動される。圧縮機停止加湿運転中、冷媒回路(35)では冷媒が循環しないため、蒸気圧縮冷凍サイクルが行われない。
圧縮機停止加湿運転では、通常加湿運転の場合と同様、吸収剤回路(30)の循環ポンプ(31)が駆動され、吸収剤回路(30)内を液体吸収剤が循環する。
循環ポンプ(31)から吐出された液体吸収剤は、排気側モジュール(40b)の吸収剤通路(41b)へ流入する。排気側モジュール(40b)では、排気に含まれる水蒸気が透湿膜(62)を透過し、吸収剤通路(41b)を流れる液体吸収剤に吸収される。特に、冬場などに室内が暖房されている場合には、室内から室外へ流れる排気の温度は比較的高くなっているため、排気の水蒸気分圧は比較的高い。従って、排気に含まれる水分が液体吸収剤に付与されやすい。水蒸気を奪われた排気は、その後に室外へ排出される。
このように、排気側モジュール(40b)では、空気通路(42)の排気に含まれる水蒸気の一部が、透湿膜(62)を透過して液体吸収剤に吸収される。従って、排気側モジュール(40b)では、吸収剤通路(41b)を通過する間に液体吸収剤の濃度が次第に低下してゆく。
排気側モジュール(40b)から流出した低濃度の液体吸収剤は、給気側モジュール(40a)の吸収剤通路(41a)へ流入する。給気側モジュール(40a)では、液体吸収剤に含まれる水の一部が水蒸気となって透湿膜(62)を透過し、空気通路(42)を流れる給気に付与される。特に、冬場などの寒い時期は、室外から室内へ流れる給気の温度は比較的低くなっているため、給気の水蒸気分圧は比較的低い。従って、液体吸収剤に含まれる水分が給気に付与されやすい。給気側モジュール(40a)の空気通路(42)を通過する間に加湿された給気は、その後に室内へ供給される。
このように、給気側モジュール(40a)では、吸収剤通路(41a)の液体吸収剤に含まれる水の一部が、透湿膜(62)を透過して給気に付与される。従って、給気側モジュール(40a)では、吸収剤通路(41a)を通過する間に液体吸収剤の濃度が次第に上昇してゆく。給気側モジュール(40a)から流出した高濃度の液体吸収剤は、循環ポンプ(31)へ吸い込まれ、排気側モジュール(40b)へ向けて送り出される。
また、圧縮機停止加湿運転中、給気温度センサ(83)及び給気湿度センサ(84)は、それぞれの検出値(Ts,RHs)を循環ポンプ制御部(32)へ送信する。循環ポンプ制御部(32)は、これらの検出値(Ts,RHs)から給気絶対湿度(AHs)を算出する。循環ポンプ制御部(32)は、この給気絶対湿度(AHs)に応じて、循環ポンプ(31)の吐出量を調整する。給気の絶対湿度に応じて循環ポンプ(31)の吐出量を調整することで、圧縮機停止加湿運転中における給気側モジュール(40a)の調湿能力を、ある程度調整できる。
この圧縮機停止加湿運転では、通常調湿運転の場合と比べると、圧縮機(36)が停止されているため、圧縮機(36)を駆動するためのエネルギーを低減できる。しかし、給気側モジュール(40a)に供給される液体吸収剤に対する冷却や、排気側モジュール(40b)に供給される液体吸収剤に対する加熱が行われていないため、調湿装置(10)の調湿能力が低くなっている。
−調湿用モジュールの動作−
給気側モジュール(40a)と排気側モジュール(40b)を構成する調湿用モジュール(40)の動作について説明する。調湿用モジュール(40)は、液体吸収剤に水蒸気を吸収させる吸湿動作と、液体吸収剤から水蒸気を放出させる放湿動作とを選択的に行う。上述した除湿運転時には、給気側モジュール(40a)が吸湿動作を行い、排気側モジュール(40b)が放湿動作を行う。また、上述した加湿運転時には、排気側モジュール(40b)が吸湿動作を行い、給気側モジュール(40a)が放湿動作を行う。
〈吸湿動作〉
調湿用モジュール(40)の吸湿動作について、図4を参照しながら説明する。
吸湿動作中において、調湿用モジュール(40)の吸収剤通路(41)には、比較的高濃度の液体吸収剤が供給される。そして、空気通路(42)の空気に含まれる水蒸気の一部が、透湿膜(62)を透過して液体吸収剤に吸収される。
液体吸収剤が水蒸気を吸収する過程では、吸収熱が生じる。このため、何の対策も講じなければ、生じた吸収熱によって液体吸収剤の温度が次第に上昇し、液体吸収剤に吸収される水蒸気の量が減少してゆく。また、空気通路(42)を流れる空気の温度が液体吸収剤の温度よりも高い場合は、空気との熱交換によって液体吸収剤の温度が上昇する。一方、吸湿動作中の調湿用モジュール(40)では、伝熱部材(46)が蒸発部として機能し、熱媒体通路(43)の冷媒によって吸収剤通路(41)の液体吸収剤が冷却されため、液体吸収剤の温度上昇が抑えられる。
特に、本実施形態の調湿用モジュール(40)では、伝熱部材(46)の伝熱管(70)が液体吸収剤に囲まれている。このため、伝熱管(70)を流れる冷媒は、実質的に液体吸収剤だけから吸熱する。従って、本実施形態の調湿用モジュール(40)では、伝熱管(70)を流れる冷媒によって液体吸収剤が効率よく冷却される。
〈放湿動作〉
調湿用モジュール(40)の放湿動作について、図4を参照しながら説明する。
放湿動作中において、調湿用モジュール(40)の吸収剤通路(41)には、比較的低濃度の液体吸収剤が供給される。そして、液体吸収剤に含まれる水の一部が、水蒸気となって透湿膜(62)を透過し、空気通路(42)の空気に付与される。
液体吸収剤から水が放出される過程では、液体である水が気化する際に周囲から熱を奪う。このため、何の対策も講じなければ、液体吸収剤の温度が次第に低下し、液体吸収剤から放出される水蒸気の量が減少してゆく。また、空気通路(42)を流れる空気の温度が液体吸収剤の温度よりも低い場合は、空気との熱交換によって液体吸収剤の温度が低下する。一方、放湿動作中の調湿用モジュール(40)では、伝熱部材(46)が放熱部として機能し、熱媒体通路(43)の冷媒によって吸収剤通路(41)の液体吸収剤が加熱されるため、液体吸収剤の温度低下が抑えられる。
特に、本実施形態の調湿用モジュール(40)では、伝熱部材(46)の伝熱管(70)が液体吸収剤に囲まれている。このため、伝熱管(70)を流れる冷媒から放出された熱は、実質的に液体吸収剤だけに付与される。従って、本実施形態の調湿用モジュール(40)では、伝熱管(70)を流れる冷媒によって液体吸収剤が効率よく加熱される。
−通常除湿運転と圧縮機停止除湿運転との切換について−
除湿運転における通常除湿運転と圧縮機停止除湿運転との切換を、図10のフローチャートを用いて説明する。
除湿運転では、まず、圧縮機(36)及び循環ポンプ(31)の双方が運転されることにより、通常除湿運転が開始される(ステップS10)。なお、この除湿運転と同時に、空調装置(図示省略)によって冷房運転も行われる。通常調湿運転によって、室内の湿度が、調湿装置の設定湿度(例えば50%)に近づき、冷房運転によって、室内の温度が、空調装置の設定温度(例えば27℃)に近づく。
通常除湿運転中、停止制御部(48)の第1判定部(48a)では、内気温度センサ(85)の検出値(Tr)と目標温度(Trs)とが比較され、且つ、内気湿度センサ(86)の検出値(RHr)と目標相対湿度(RHrs)とが比較される(ステップS20)。各検出値(Tr,RHr)の少なくとも一方が目標値(Trs,RHrs)を上回っていれば(ステップS20のNoの場合)、所定時間経過後、再び第1判定部(48a)での判定が行われる。一方、第1判定部(48a)で、各検出値(Tr,RHr)がともに目標値(Trs,RHrs)以下であると判定されれば(ステップS20のYesの場合)、次に、第2判定部(48b)での判定が行われる。
第2判定部(48b)では、室内温度(Tr)及び室外温度(To)に基づいて算出された処理能力(W)と、室内の湿度(AHr)、室外の湿度(AHo)及び給気ファン(27)の風量に基づいて算出された調湿負荷(L)とが比較される。ステップS30において、処理能力(W)が調湿負荷(L)を下回る場合(ステップS30のNoの場合)、ステップS20へ戻って、再び第2判定部(48b)による上記判定が行われる。一方、処理能力(W)が調湿負荷(L)以上の場合(ステップS30のNoの場合)、指令部(48c)が圧縮機(36)へ圧縮機停止信号Soffを送信する。これにより圧縮機(36)が停止されるため、調湿装置(10)は圧縮機停止除湿運転を行う(ステップS40)。
圧縮機停止除湿運転中、起動制御部(49)の判定部(49a)では、給気の絶対湿度(AHs)と目標絶対湿度(AHss)とが比較される(ステップS50)。給気の絶対湿度(AHs)が目標絶対温度(AHss)以下の場合(ステップS50のYesの場合)、引き続き圧縮機停止除湿運転が行われ、所定時間経過後、再びステップS50による判定が行われる。一方、給気の絶対湿度(AHs)が目標絶対湿度(AHss)を上回ると(ステップS50のNoの場合)、指令部(49b)が圧縮機(36)へ圧縮機起動信号Sonを送信する。これにより、圧縮機(36)が起動されるため、調湿装置は通常除湿運転を行う(ステップS50)。
上記ステップS20で室内の相対湿度(RHr)が目標相対湿度(RHrs)以下であれば、室内が十分に調湿されていると考えることができる。室内の除湿が不十分なままの状態で、処理能力の低い圧縮機停止除湿運転を行っても、室内の調湿を十分に行うことができない。従って、除湿運転においては、室内の相対湿度(RHr)が目標相対湿度(RHrs)以下になることが、通常除湿運転から圧縮機停止除湿運転へ切り換えるための必要条件となる。
また、ステップS30では、処理能力(W)が調湿負荷(L)以上の場合に、通常除湿運転から圧縮機停止除湿運転へ切り換えている。従って、通常除湿運転から圧縮機停止除湿運転に切り換えても、除湿負荷を十分に処理できる。
また、ステップS50では、給気の絶対湿度(AHs)が目標絶対湿度(AHss)以下か否かが判定される。給気の絶対湿度(AHs)が目標絶対湿度(AHss)以下の場合、圧縮機停止除湿運転中の調湿装置の除湿能力が維持されているため、圧縮機停止除湿運転が継続される。一方、給気の絶対湿度(AHs)が目標絶対湿度(AHss)よりも高い場合、圧縮機停止除湿運転中の調湿装置の除湿能力が不足してきたと判断できるため、圧縮機停止除湿運転から、通常除湿運転へ切り換えられる。
−通常加湿運転と圧縮機停止加湿運転との切換について−
加湿運転における通常加湿運転と圧縮機停止加湿運転との切換を、図11のフローチャートを用いて説明する。
加湿運転では、まず、圧縮機(36)及び循環ポンプ(31)の双方が運転されることにより、通常加湿運転が開始される(ステップS10)。なお、この加湿運転と同時に、空調装置(図示省略)によって暖房運転も行われる。通常調湿運転によって、室内の湿度が、調湿装置の設定湿度(例えば50%)に近づき、暖房運転によって、室内の温度が、空調装置の設定温度(例えば20℃)に近づく。
通常加湿運転中、停止制御部(48)の第1判定部(48a)では、内気温度センサ(85)の検出値(Tr)と目標温度(Trs)とが比較され、且つ、内気湿度センサ(86)の検出値(RHr)と目標相対湿度(RHrs)とが比較される(ステップS20)。各検出値(Tr,RHr)の少なくとも一方が目標値(Trs,RHrs)を下回っていれば(ステップS20のNoの場合)、所定時間経過後、再び第1判定部(48a)での判定が行われる。一方、第1判定部(48a)で、各検出値(Tr,RHr)がともに目標値(Trs,RHrs)以上であると判定されれば(ステップS20のYesの場合)、次に、第2判定部(48b)での判定が行われる。
第2判定部(48b)では、室内温度(Tr)及び室外温度(To)に基づいて算出された処理能力(W)と、室内の湿度(AHr)、室外の湿度(AHo)及び給気ファン(27)の風量に基づいて算出された調湿負荷(L)とが比較される。ステップS30において、処理能力(W)が調湿負荷(L)を下回る場合(ステップS30のNoの場合)、ステップS20へ戻って、再び第2判定部(48b)による上記判定が行われる。一方、処理能力(W)が調湿負荷(L)以上の場合(ステップS30のNoの場合)、指令部(48c)が圧縮機(36)へ圧縮機停止信号Soffを送信する。これにより圧縮機(36)が停止されるため、調湿装置(10)は圧縮機停止加湿運転を行う(ステップS40)。
圧縮機停止加湿運転中、起動制御部(49)の判定部(49a)では、給気の絶対湿度(AHs)と目標絶対湿度(AHss)とが比較される(ステップS50)。給気の絶対湿度(AHs)が目標絶対湿度(AHss)以上の場合(ステップS50のYesの場合)、引き続き圧縮機停止加湿運転が行われ、所定時間経過後、再びステップS50による判定が行われる。一方、給気の絶対湿度(AHs)が目標絶対湿度(AHss)を下回っている場合(ステップS50のNoの場合)、指令部(49b)が圧縮機(36)へ圧縮機起動信号Sonを送信する。これにより、圧縮機(36)が起動されるため、調湿装置は通常加湿運転を行う(ステップS50)。
上記ステップS20で室内の相対湿度(RHr)が目標相対湿度(RHrs)以上であれば、室内が十分に調湿されていると考えることができる。室内の加湿が不十分なままの状態で、処理能力の低い圧縮機停止加湿運転を行っても、室内の調湿を十分に行うことができない。従って、加湿運転においては、室内の相対湿度(RHr)が目標相対湿度(RHrs)以上になることが、通常加湿運転から圧縮機停止加湿運転へ切り換えるための必要条件となる。
また、ステップS30では、処理能力(W)が調湿負荷(L)以上の場合に、通常加湿運転から圧縮機停止加湿運転へ切り換えている。従って、通常加湿運転から圧縮機停止加湿運転に切り換えても、加湿負荷を十分に処理できる。
また、ステップS50では、給気の絶対湿度(AHs)が目標絶対湿度(AHss)以上か否かが判定される。給気の絶対湿度(AHs)が目標絶対湿度(AHss)以上の場合、圧縮機停止加湿運転中の調湿装置の加湿能力が維持できていると判断できるため、圧縮機停止加湿運転が継続される。一方、給気の絶対湿度(AHs)が目標絶対湿度(AHss)よりも低い場合、圧縮機停止加湿運転中の調湿装置の加湿能力が不足してきたと判断できるため、圧縮機停止加湿運転から、通常加湿運転へ切り換えられる。
−実施形態1の効果−
以上のように、実施形態1に係る調湿装置では、潜熱負荷に応じて通常運転と圧縮機停止運転とを切り換えて行っている。こうすると、潜熱負荷が比較的高いときには、通常調湿運転を行うことにより室内を十分に調湿できる一方、潜熱負荷が比較的低いときには、圧縮機停止運転を行うことにより圧縮機(36)を駆動するためのエネルギーを低減できる。従って、調湿装置(10)におけるエネルギー消費量をできるだけ抑えつつ、室内を十分に調湿することができる。
また、実施形態1では、室内が目標湿度に到達していること、すなわち室内が十分に調湿されていることを、通常調湿運転から圧縮機停止運転への切り換えのための必要条件としている。こうすると、室内の調湿が不十分な状態で通常運転から圧縮機停止運転へ切り換えられるのを抑制できるため、室内の調湿に長い時間がかかったり、調湿能力が不足したりしてしまうのを回避できる。
また、実施形態1では、処理能力(W)が、調湿負荷(L)以上である場合に、通常運転から圧縮機停止運転へ切り換えている。こうすると、通常運転から圧縮機停止運転に切り換えても、潜熱負荷を十分に処理できる。しかも、調湿負荷(L)が比較的小さい場合には、循環ポンプ(31)の駆動のみで調湿負荷(L)を処理でき、圧縮機(36)を駆動するためのエネルギーを低減できる。従って、エネルギー消費量を低減しつつ、室内を十分に調湿できる。
また、実施形態1では、圧縮機停止運転中において、給気の絶対湿度(AHs)に応じて循環ポンプ(31)の吐出量を調整できる。従って、循環ポンプ(31)の吐出量を調整することで、圧縮機停止運転によって処理できる潜熱負荷をある程度調整できる。
また、実施形態1では、圧縮機停止運転中に給気の絶対湿度(AHs)が目標絶対湿度(AHss)を外れた場合、すなわち圧縮機停止運転を行う調湿装置(10)の潜熱処理能力が不足してきた場合に、調湿装置(10)を圧縮機停止運転から通常運転に切り換えている。これにより、圧縮機停止運転から通常運転への切り換えを適切なタイミングで行うことができる。
《発明の実施形態2》
本実施形態2に係る調湿装置(10)は、図12に示すように、上記実施形態1に係る調湿装置の停止制御部(48)において、第2判定部(48b)が省略された構成となっている。実施形態2では、停止制御部(48)は、第1判定部(48a)と、指令部(48c)とを備えている。
−通常除湿運転から圧縮機停止除湿運転への切換について−
除湿運転における通常除湿運転と圧縮機停止除湿運転との切換を、図13を用いて説明する。なお、上記実施形態1とは、通常除湿運転から圧縮機停止除湿運転へ切り換わる際の条件のみが異なるため、その部分のみを説明する。
第1判定部(48a)は、上記実施形態1の場合と同様、内気温度センサ(85)での検出値(Tr)と目標温度(Trs)とを比較するとともに、内気湿度センサ(86)での検出値(RHr)と目標相対湿度(RHrs)とを比較する。
除湿運転時には、第1判定部(48a)において、内気温度センサ(85)での検出値(Tr)及び内気湿度センサ(86)での検出値(RHr)の少なくとも一方が、目標値(Trs,RHrs)を上回る場合(ステップS20のNoの場合)、所定時間経過後、ステップS20へ戻って、再び上記判定を行う。一方、第1判定部(48a)において、各検出値(Tr,RHr)のそれぞれが目標値(Trs,RHrs)以下の場合(ステップS20でYesの場合)、指令部(48c)が圧縮機(36)へ圧縮機停止信号Soffを送信する。これにより圧縮機(36)が停止されるため、調湿装置(10)は圧縮機停止除湿運転を行う(ステップS40)。
なお、通常加湿運転から圧縮機停止加湿運転への切換は、図示は省略するが、第1判定部(48a)において、各検出値(Tr,RHr)のそれぞれが目標値(Trs,RHrs)以上の場合(ステップS20でYesの場合)に行われる。
−実施形態2の効果−
実施形態2では、室内の相対湿度(RHr)が目標相対湿度(RHrs)以下になると、調湿装置(10)の動作を、通常運転から圧縮機停止運転へ切り換えている。すなわち、室内が十分に調湿された後に、圧縮機停止運転へ切り換えている。これにより、室内の調湿が不十分な状態において通常運転から圧縮機停止運転へ切り換えられるのを抑制できるため、室内の調湿に長い時間がかかったり、調湿能力が不足したりしてしまうのを回避できる。
《発明の実施形態3》
本実施形態3に係る調湿装置(10)は、上記実施形態1に係る調湿装置と比べて、第2判定部(48b)で行われる判定の内容が異なる。
具体的には、第2判定部(48b)では、室内の湿度(AHr)、室外の湿度(AHo)及び給気ファン(27)の風量に基づいて算出された調湿負荷(L)と、予め設定された所定値(W1)とが比較される。この所定値(W1)は、圧縮機停止運転時における調湿用モジュール(40a,40b)の処理能力の想定値に基づいて予め決定された値である。
除湿運転において、第2判定部(48b)では、図14に示すように、調湿負荷(L)が所定値(W1)以下の場合、ステップS40へ進む。これにより、通常除湿運転から圧縮機停止除湿運転へ切り換わる。
なお、加湿運転においても、第2判定部(48b)では、調湿負荷(L)が所定値(W1)以下の場合、ステップS40へ進む。これにより、通常加湿運転から圧縮機停止加湿運転へ切り換わる。
−実施形態3の効果−
実施形態3では、室内の相対湿度(RHr)が目標相対湿度(RHrs)に到達した状態において、室内の湿度(AHr)、室外の湿度(AHo)及び給気ファン(27)の風量に基づいて算出された調湿負荷(L)が所定値(W1)以下の場合、調湿装置(10)が通常運転から圧縮機停止運転へ切り換えられる。こうすると、循環ポンプの駆動のみで調湿負荷を処理でき、圧縮機(36)を駆動するためのエネルギーを低減できる。従って、エネルギー消費量を低減しつつ、室内を十分に調湿できる。