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JP5831761B2 - 蓄電池用端子構造及び蓄電池 - Google Patents
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Description

本発明は、例えば自動車用鉛蓄電池等といった蓄電池の端子構造及び当該蓄電池用端子構造を用いた蓄電池に関するものである。
従来、極板群が収容された電槽を塞ぐ電槽蓋として、例えば合成樹脂製の蓋本体に鉛又は鉛合金などの金属製のブッシングをインサート成型して形成されたものがある。そして、このブッシングには、前記極板群から延びる極柱が挿入されて溶接される挿入孔が形成されている。
ここで、ブッシングに形成された挿入孔は、特許文献1に示すように、極柱を挿入しやすくするために、極柱が挿入される基端側(下側)から先端側(上側)に行くにしたがって徐々に縮径する概略テーパ状をなすものである。その挿入孔の基端側から極柱を挿入して、ブッシングと極柱との先端部同士を溶接することから、極柱における挿入部分の先端部以外の部分と、挿入孔における先端部以外の部分との間には、隙間が形成されることになる。
このように極柱及び挿入孔の間に隙間が形成されているため、電槽内で極板群が振動した場合に、その振動がブッシング及び極柱の溶接部分に伝わってしまい、溶接部分に応力が掛かり亀裂や破壊が生じてしまうという問題がある。
ここで、特許文献2に示すように、ブッシングに絞り加工部を形成することによって、ブッシングの挿入孔の下寄りの内側周面と極柱の外側周面との間の寸法を0.0〜0.3mmに規定したものが考えられている。
しかしながら、上記構成のものは、ブッシングの挿入孔の開口形状と極柱の断面形状とを近づけることによってそれらの間隔を小さくするという発想であり、絞り加工部の加工精度によっては、0.3mmよりも大きくなる場合もあるし、或いは、絞り加工部の開口径が極柱の外径よりも小さくなる場合もある。ここで、0.3mmよりも大きくなった場合には、従来通り、溶接部分の亀裂や破壊の問題が生じる。一方、絞り加工部の開口径が極柱の外径よりも小さくなった場合には、絞り加工部に極柱を挿入させることが難しくなり作業性を阻害してしまうという問題がある。
特開2002−50327号公報 特開平10−144287号公報
そこで本発明は、挿入孔の開口形状と極柱の断面形状との幾何学的形状を近づけることによりそれらの隙間を小さくするという従来の発想を排してなされたものであり、ブッシング及び極柱の溶接部分における亀裂、破損等を防止することをその主たる所期課題とするものである。
すなわち本発明に係る蓄電池用端子構造は、電槽蓋に埋設されたブッシングに形成された挿入孔に、極板から延びる極柱を挿入し、前記ブッシングの先端部及び前記極柱の先端部を溶接してなる蓄電池用端子構造であって、前記極柱における挿入部分の基端側の外側周面に1又は複数の変形可能な凸部が形成されており、前記挿入部分が前記挿入孔に挿入されることにより、前記凸部が前記挿入孔の内側周面に接触して変形し、前記挿入孔の内側周面及び前記挿入部分の外側周面の間に形成される隙間を埋めるように構成されており、前記ブッシングの先端部及び前記極柱の先端部の溶接部分と前記凸部とが離間していることを特徴とする。ここで、挿入孔の内側周面及び前記挿入部分の外側周面の間に形成される隙間を埋めるとは、凸部が挿入孔の内側周面に接触して変形して隙間の周方向全体を埋めるものであっても良いし、隙間の周方向の一部を埋めるものであっても良い。
このようなものであれば、極柱における挿入部分の外側周面に形成した1又は複数の凸部が挿入孔に挿入されると変形して挿入孔の内側周面及び挿入部分の外側周面の間に形成される隙間を埋めることから、仮に、極板が電槽蓋に対して振動したとしても、極板の振動が凸部によって吸収されるため、溶接部分に伝わりにくくなる。このため、ブッシング及び極柱の溶接部分の亀裂又は破壊等を防ぐことができ、端子構造の長寿命化を可能にすることができる。このように本発明は、挿入部分に形成した凸部が挿入孔の内側周面に接触して変形することを前提としており、挿入孔の開口形状と極柱の断面形状との幾何学的形状を近づけるものではないため、挿入孔の加工精度や極柱の加工精度に左右され難い。
ブッシング及び極柱の溶接部分に加わる振動を一層小さくするには、前記凸部が、前記挿入部分の前記極柱が挿入される基端側に形成されており、前記挿入孔の内側周面の基端側及び前記挿入部分の基端側の間に形成される隙間を埋めるものであることが望ましい。
前記凸部を有する挿入部分の断面寸法が、前記挿入孔の基端側開口の開口寸法よりも大きいことが望ましい。例えば極柱及び挿入孔が断面円形状をなすものの場合には、挿入部分における凸部を有する部分の外接円の外径が、挿入孔の基端側開口の開口径よりも大きいことが考えられる。これならば、挿入部分を挿入孔に挿入する際に、凸部が挿入孔の基端側開口に接触することになるため、凸部を挿入孔の内側周面に接触させて確実に変形させることができる。
前記凸部が、前記極柱の軸方向に沿って形成された突条をなすものであることが望ましい。これならば、凸部が軸方向に沿った突条をなすものであり、極柱を挿入孔に挿入する際の摩擦抵抗を小さくすることができる。
前記凸部が、前記極柱の軸方向に沿って形成され、軸方向先端側に行くにしたがって高さ寸法が小さくなる楔状をなすものであることが望ましい。これならば、極柱の挿入部分を挿入孔に挿入し易くすることができる。また、凸部の軸方向基端側が挿入孔の内側周面により強く押圧することになるため、ブッシングに対する極柱の固定を強くして耐振動性及び耐衝撃性を向上させることができる。
前記凸部が、前記挿入部分の周方向に等間隔に複数形成されていることが望ましい。これならば、極柱の軸方向と直交するあらゆる方向からの振動、衝撃に対して溶接部分の亀裂、破壊を防ぐことができる。
このように構成した本発明によれば、極柱における挿入部分の凸部が変形して挿入孔の内側周面及び挿入部分の外側周面の間を埋めることから、ブッシング及び極柱の溶接部分における亀裂、破損等を防止することができる。
本実施形態の蓄電池用端子構造を示す軸方向に沿った縦断面図。 同実施形態の蓄電池用端子構造を示す軸方向に直交する横断面図。 同実施形態のブッシング及び極柱が分離した状態を示す模式図。 変形実施形態の凸部形状を示す図。 変形実施形態の凸部の配置態様を示す図。 変形実施形態の凸部の断面形状を示す図。 変形実施形態の凸部形状を示す図。 変形実施形態の蓄電池用端子構造を示す軸方向に沿った縦断面図。
以下に本発明に係る蓄電池用端子構造の一実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態の蓄電池用端子構造1は、図1及び図2に示すように、例えば自動車用鉛蓄電池等の蓄電池の外部端子構造を構成するものであり、電槽蓋5に埋設されたブッシング2に形成された挿入孔2Hに、極板群(不図示)から延びる極柱3を挿入し、前記ブッシング2の先端部2a及び前記極柱3の先端部3aを溶接することにより構成される。なお、外部端子構造は、正極端子部及び負極端子部において同一の構成である。
ブッシング2は、概略円筒形状をなすものであり、その中心軸Cに極柱3が挿入される概略円形状をなす挿入孔2Hが形成されている。また、ブッシング2は、金属材料を鍛造又は鋳造して形成されており、例えば鉛蓄電池においては、鉛又は鉛合金により形成されている。挿入孔2Hは、例えば、電槽側の基端側(下側)から先端側(上側)に行くに従って徐々に縮径する概略テーパ状をなすものである(図1参照)。そして、先端側開口の開口径は、極柱3の先端部3aの外径と略同一又はそれより若干大きい。
極柱3は、基端側が極板群に接続されるとともに、先端側が前記ブッシング2に溶接される概略円柱形状をなすものである。この極柱3は、金属材料から形成されており、例えば鉛蓄電池においては、鉛又は鉛合金により形成されている。
そして、極柱3における前記挿入孔2Hへの挿入部分3xの外側周面31に複数の凸部4が形成されている。凸部4は、極柱3と同じ金属材料から形成されて、変形可能な厚さとなっている。なお、凸部4は、極柱3と一体的に形成されてもよいし、別個に形成されて接合されてもよい。
この凸部4は、極柱3が挿入孔2Hに挿入されることにより、挿入孔2Hの内側周面21に接触して変形し、前記挿入孔2Hの内側周面21及び前記挿入部分3xの外側周面31の間に形成される隙間Sを周方向の少なくとも一部について埋めるものである。本実施形態の凸部4は、図2に示すように、挿入部分3xの少なくとも基端側(下側)に形成されており、挿入孔2Hの内側周面21の基端側及び挿入部分3xの基端側の間に形成される隙間Sを埋めるものである。
また、複数の凸部4は、図2に示すように、挿入部分3xの周方向に等間隔に複数形成されており、各凸部4は互いに同一形状とされている。具体的な形状としては、極柱3の軸方向に沿って形成された突条をなすものであり、より詳細には、極柱3の軸方向に沿って形成され、軸方向先端側に行くに従って高さ寸法(突出寸法)が小さくなる楔状をなすものである。
また、本実施形態では、図3に示すように、凸部4を有する挿入部分3xの断面寸法L1(具体的には複数の凸部4に外接する仮想外接円の直径)が、挿入孔2Hの基端側開口(下側開口)の開口寸法L2(具体的には基端側開口の直径)よりも大きくなるように構成されている。本実施形態では、凸部4が楔形状であるから、軸方向に沿った位置毎に断面寸法が異なるため、少なくとも凸部4に軸方向基端部側における断面寸法L1が、挿入孔2Hの基端側開口の開口寸法L2よりも大きくなるように構成されている。
そして、この極柱3の挿入部分3xをブッシング2の挿入孔2Hに挿入すると、凸部4が挿入孔2Hの内側周面21に接触して変形し、当該凸部4の両側に形成された空間に凸部4が変形する。これにより、極柱3の挿入部分3xが、周方向において等間隔に複数箇所で挿入孔2Hに固定されることになる。また、この挿入後、ブッシング2の先端部2a及び極柱3の先端部3aを溶接する。なお、挿入孔2Hに極柱3が固定されているため、この溶接作業が容易となる。
このように構成した本実施形態に係る蓄電池用端子構造1によれば、極柱3における挿入部分3xの外側周面31に形成した1又は複数の凸部4が挿入孔2Hに挿入されると変形して挿入孔2Hの内側周面21及び挿入部分3xの外側周面31の間に形成される隙間Sを埋めることから、極板の振動が凸部4によって遮断されるため、溶接部分に伝わりにくくなる。このため、ブッシング2及び極柱3の溶接部分の亀裂又は破壊等を防ぐことができ、端子構造1の長寿命化を可能にすることができる。また、本実施形態の端子構造1は、挿入部分3xに凸部4を形成して、当該凸部4を挿入孔2Hの内側周面21に接触させて変形させるものであり、挿入孔2Hの開口形状と極柱3の断面形状とを近づけるものではないため、挿入孔2Hの加工精度や極柱3の加工精度に左右され難い。
また、凸部4を挿入孔2Hに形成することも考えられるが、この場合には、極柱3の挿入時に先端部3aが凸部4によって損傷してしまう恐れがある。本実施形態では、凸部4を極柱3の挿入部分3xに形成しているため、凸部4を挿入孔2Hに形成した場合に比べて、極柱3の挿入時に先端部3aが凸部4によって損傷するのを抑制することができ、ブッシング2の先端部2aとより確実に溶接することができる。
さらに、凸部4が挿入部分3xの基端側に形成されて、挿入孔2Hの基端側と挿入部分3xの基端側との間の隙間Sを埋めて固定する構造であり、この固定部が、ブッシング2の先端部2aと極柱3の先端部3aとの溶接部分からの距離が遠い分、ブッシング2と極柱3との溶接部分に加わる振動を一層小さくすることができる。
その上、凸部4を有する挿入部分3xの断面寸法L1が、挿入孔2Hの基端側開口の開口寸法L2よりも大きくなるように構成されているため、挿入部分3xを挿入孔2Hに挿入する際に、凸部4が挿入孔2Hの基端側開口に接触することになるため、凸部4を挿入孔2Hの内側周面21に接触させて確実に変形させることができる。
加えて、凸部4が、極柱3の軸方向に沿って形成された突条であるため、極柱3を挿入孔2Hに挿入する際の摩擦抵抗を小さくすることができ、極柱3をスムーズに挿入孔2Hに挿入することができる。
さらに、凸部4が、軸方向先端側に行くにしたがって高さ寸法が小さくなる楔状をなすものであるため、極柱3の挿入部分3xを挿入孔2Hに挿入し易くすることができる。また、凸部4の軸方向基端側が挿入孔2Hの内側周面21により強く押圧することになるため、ブッシング2に対する極柱3の固定を強くして耐振動性及び耐衝撃性を向上させることができる。
また、凸部4が、挿入部分3xの周方向に等間隔に複数形成されているため、極柱3の軸方向と直交するあらゆる方向からの振動、衝撃に対して溶接部分の亀裂、破壊を防ぐことができる。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、凸部4が、軸方向に延びる突条をなすものであったが、例えば図4(A)に示すように、挿入部分3xの基端側に設けられた柱状をなすものであっても良いし、図4(B)に示すように、挿入部分3xにおいて周方向に沿って形成された庇状をなすものであっても良い。
また、図5に示すように、軸方向における先端側及び基端側に並んで複数の凸部4a、4bを形成しても良い。この場合、極柱3をブッシング2の挿入孔2Hに挿入し易いように、軸方向先端側の凸部4aの高さ寸法(突出寸法)を、軸方向基端側の凸部4bの高さ寸法よりも小さくすることが考えられる。
また、挿入孔2Hは、概略テーパ状に限らず、基端側(下側)から先端側(上側)に亘って等断面形状をなすものであっても良い。
さらに、凸部4は、挿入部分3xに複数形成する他、1つのみであっても良い。例えば、挿入部分3xの周方向一部に凸部4を設けた場合、挿入孔2Hがテーパ状をなすものであると、凸部4が挿入孔2Hの内側周面21に接触すると、極柱3がブッシング2に対して傾くことになるため、この場合は、上述したように、挿入孔2Hが等断面形状をなすものであることが望ましい。
その上、前記実施形態の凸部4の軸方向に直交する断面は、径方向内側から径方向外側に亘って同一幅である矩形状をなすものであったが、図6(A)に示すように、径方向内側から径方向外側に行くに従って幅が縮小する先細り形状をなすものであっても良い。また、図6(B)に示すように、凸部4の軸方向に直交する断面が、径方向内側から径方向外側に亘ってその幅が段階的に縮小するものであっても良い。このように、凸部4における径方向外側の幅を小さくすることによって、極柱3を挿入孔2Hに挿入初期段階においては、凸部4を変形し易くして挿入作業が容易となり、挿入後期段階においては、凸部4の幅の大きい部分により、挿入孔2Hに対する極柱3の押圧力が大きくなり、固定を確実にすることができる。
加えて、前記実施形態の凸部4は、挿入部分3xの周方向において間欠的に設けられたものであったが、図7に示すように、挿入部分3xの周方向において全周に亘って設けられたものであっても良い。この場合、凸部4は、挿入部分3xの外側周面31に形成された鍔形状をなすものであり、挿入孔2Hに挿入されるに伴って、基端側に折れ曲がり、挿入部分3xの外側周面31及び挿入孔2Hの内側周面21の間の隙間Sを埋める。
また、極柱3に形成された凸部4は、極柱3と別材料であってもよく、挿入孔2Hに極柱3を挿入したときに変形可能であれば、例えばゴムなどの弾性材料により形成されてもよい。ただし、極柱3と別材料の場合には、電槽内の電解液により腐食しにくい耐酸性の材料が好ましい。
さらに、図8に示すように、極柱3に形成された凸部4を、当該極柱3に接続されたストラップ6(同極性の極板同士を接続するための導体)まで延びる構成としても良い。ストラップ6及び極柱3を鋳造成型する場合には、それらは一体的に成型されるため、上記構成とすることで、鋳型からストラップ6側に一方向に引き抜くことで鋳型から取り外すことができ、鋳型のコストを低減することができる。なお、図1に示すように極柱3に凸部4を形成した場合、極柱3をストラップ6側に引き向くことができず、分割した複数種の鋳型を組み合わせることで鋳造する必要があり、鋳型のコストが増大してしまう。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
1 ・・・蓄電池用端子構造
2 ・・・ブッシング
2H・・・挿入孔
21・・・挿入孔の内側周面
3 ・・・極柱
3x・・・挿入部分
31・・・挿入部分の外側周面
4 ・・・凸部
S ・・・隙間
5 ・・・電槽蓋

Claims (2)

  1. 電槽蓋に埋設されたブッシングに形成された挿入孔に、極板から延びる極柱を挿入し、前記ブッシングの先端部及び前記極柱の先端部を溶接してなる蓄電池用端子構造であって、
    前記極柱における挿入部分の基端側の外側周面に1又は複数の変形可能な凸部が形成されており、
    前記挿入部分が前記挿入孔に挿入されることにより、前記凸部が前記挿入孔の内側周面に接触して変形し、前記挿入孔の内側周面及び前記挿入部分の外側周面の間に形成される隙間を埋めるように構成されており、
    前記ブッシングの先端部及び前記極柱の先端部の溶接部分と前記凸部とが離間している蓄電池用端子構造。
  2. 請求項記載の蓄電池用端子構造を有する蓄電池。
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