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JP5835116B2 - アミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物及びその製造方法 - Google Patents
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JP5835116B2 - アミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物及びその製造方法 - Google Patents

アミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シランカップリング剤、表面処理剤、繊維処理剤、接着剤、塗料添加剤、高分子変性剤等に有用なアミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物及びその製造方法に関するものである。
従来、アミノ基を有する有機ケイ素化合物は、シランカップリング剤、表面処理剤、繊維処理剤、接着剤、塗料添加剤等に有用であることが知られている。特に、高分子材料の機械的特性や耐熱性を向上させる目的で無機材料(例えばガラス繊維、金属、酸化物充填剤)を添加する場合、上記有機ケイ素化合物を用いることで、高分子材料と無機材料との密着性向上や無機材料の分散状態が良くなることが知られており、期待される添加効果がより高くなることが知られている。このようなアミノ基を有する有機ケイ素化合物としては、例えばアミノプロピルトリメトキシシラン等の1級アミノ基を有するアルコキシシラン化合物や、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等の2級アミノ基を有するアルコキシシラン化合物、またジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン等の3級アミノ基を有するアルコキシシラン化合物等が知られている。
しかしながら、これらのシラン化合物は1分子あたり1つの官能基、即ちアミノ基しか有していないため、塗料添加剤、接着剤、シランカップリング剤、繊維処理剤、表面処理剤として使用した場合、官能基導入による効果の発現が不満足な場合がある。
また、上記のようなアミノ基を有する有機ケイ素化合物を含むシランカップリング剤は、使用する際の混合プロセス中に、相当量のアルコールが発生することについて公知である。近年、地球温暖化や健康問題等に関係の深い環境問題において、揮発性有機化合物の削減が大きなテーマとして挙げられており、有機ケイ素化合物からのアルコール発生量の抑制が求められている。
以前、本発明者らは、上記2つの課題を解決すべく、アミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物を開発していた(特許文献1:特開2010−120925号公報、特許文献2:特開2010−285406号公報)。上記有機ケイ素化合物は、分子内脱アルコール化反応により製造され、通常のシランカップリング剤に比べ、分子中の加水分解性基数より少ない数のアルコールしか発生しないため使用時における揮発性有機化合物の削減が可能であり、1分子あたりアミノ基と更に1つ以上の官能基を有するため、高分子材料等の特性向上にも有用であった。しかしながら、上記アミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物を用いた場合に、特性発現の主たる官能基であるアミノ基とケイ素原子の位置が離れているためか、処理された高分子材料等の特性向上が必ずしも満足できないことがあった。
よって、使用時に発生するアルコール量を削減しつつ、アミノ基と更に1分子あたり1つ以上の官能基を有し、かつ、更なる特性の向上が可能な有機ケイ素化合物の開発が望まれていた。
特開2010−120925号公報 特開2010−285406号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、蒸留精製が可能で、発生するアルコール量を削減することができるアミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)
Figure 0005835116
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜18のヘテロ原子が介在してもよい非置換又は置換の1価炭化水素基である。R2は水素原子又は炭素数1〜6の非置換1価炭化水素基である。R3及びR4は炭素数1〜10のヘテロ原子が介在してもよい非置換又は置換の1価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。nは0、1又は2である。)
で示される有機ケイ素化合物は、アミノ基と使用時には空気中の水分等により活性な水素原子を発生できるシリル基で保護された水酸基を有し、蒸留精製が可能で、かつ、使用時に発生する揮発性有機化合物を削減できることを見出した。また、アミノ基がケイ素原子に対して3位にあるため、ケイ素原子の反応性が高く、高分子材料等に利用することで特性が向上することを見出した。更に、上記有機ケイ素化合物は、下記一般式(2)
Figure 0005835116
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜18のヘテロ原子が介在してもよい非置換又は置換の1価炭化水素基である。)
で示されるエポキシ化合物と下記一般式(3)
Figure 0005835116
(式中、R2は水素原子又は炭素数1〜6の非置換1価炭化水素基である。R3及びR4は炭素数1〜10のヘテロ原子が介在してもよい非置換又は置換の1価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。nは0、1又は2である。)
で示されるアミノシラン化合物を反応させて得られる反応物を脱アルコール化することにより得られ、原料であるエポキシ化合物を種々選択することで、ラジカル重合性を有する有機ケイ素化合物やフルオロアルキル基を有する有機ケイ素化合物など様々な用途に応じた特性を有する有機ケイ素化合物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記に示すアミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物及びその製造方法を提供する。
〔1〕
下記一般式(1)
Figure 0005835116
(式中、R1フルオロアルキル基である。R2は水素原子又は炭素数1〜6の非置換1価炭化水素基である。R3及びR4は炭素数1〜10のヘテロ原子が介在してもよい非置換又は置換の1価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。nは0、1又は2である。)
で示されるアミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物。
〔2〕
下記一般式(2)
Figure 0005835116
(式中、R1フルオロアルキル基である。)
で示されるエポキシ化合物と下記一般式(3)
Figure 0005835116
(式中、R2は水素原子又は炭素数1〜6の非置換1価炭化水素基である。R3及びR4は炭素数1〜10のヘテロ原子が介在してもよい非置換又は置換の1価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。nは0、1又は2である。)
で示されるアミノシラン化合物を反応させて得られる反応物を脱アルコール化することを特徴とする〔1〕記載のアミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物の製造方法。
〔3〕
式(2)のエポキシ化合物1モルに対し、式(3)のアミノシラン化合物を0.5〜10モルの割合で反応させると共に、反応温度を50〜200℃とする〔2〕記載のアミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物の製造方法。
〔4〕
触媒の存在下で脱アルコール化反応することを特徴とする〔2〕又は〔3〕記載のアミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物の製造方法。
本発明によれば、上記アミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物を用いることにより、使用時に発生する揮発性有機化合物を抑制し、かつ、該化合物を利用した高分子材料等に高い機械的特性や耐熱性などの特性、表面特性を付与することができる。
参考例1で得られた化合物の1H−NMRスペクトルである。 参考例1で得られた化合物のIRスペクトルである。 参考例2で得られた化合物の1H−NMRスペクトルである。 参考例2で得られた化合物のIRスペクトルである。 実施例で得られた化合物の1H−NMRスペクトルである。 実施例で得られた化合物のIRスペクトルである。 実施例で得られた化合物の1H−NMRスペクトルである。 実施例で得られた化合物のIRスペクトルである。
本発明の下記一般式(1)
Figure 0005835116
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜18のヘテロ原子が介在してもよい非置換又は置換の1価炭化水素基である。R2は水素原子又は炭素数1〜6の非置換1価炭化水素基である。R3及びR4は炭素数1〜10のヘテロ原子が介在してもよい非置換又は置換の1価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。nは0、1又は2である。)
で示されるアミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物は、下記一般式(2)
Figure 0005835116
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜18のヘテロ原子が介在してもよい非置換又は置換の1価炭化水素基である。)
で示されるエポキシ化合物と下記一般式(3)
Figure 0005835116
(式中、R2は水素原子又は炭素数1〜6の非置換1価炭化水素基である。R3及びR4は炭素数1〜10のヘテロ原子が介在してもよい非置換又は置換の1価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。nは0、1又は2である。)
で示されるアミノシラン化合物を反応させて得られる反応物を脱アルコール化することにより得られる。
上記一般式(1)及び一般式(2)中、R1は水素原子又は炭素数1〜18、特に1〜10のヘテロ原子が介在してもよい非置換又は置換の1価炭化水素基であり、1価炭化水素基としては、例えば、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、テキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基等が例示される。また、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部が置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、(イソ)プロポキシ基などのオルガノキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子からなる基、シアノ基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられ、更に、上記非置換又は置換1価炭化水素基中に、エステル基(−COO−)、エーテル基(−O−)、チオエーテル基(−S−)、イミノ基(−NH−、−NCH3−、−NC65−等)が介在してもよく、これらを組み合わせて用いることもできる。これらの置換基の置換位置は特に限定されず、置換基数も限定されない。置換されたR1として、具体的には、パーフルオロアルキル基、アリルエーテル基、(メタ)アクリルオキシ基等が挙げられる。これらの置換基のうち、特に好ましいR1としては、アルキル基、フルオロアルキル基、アリルエーテル基、(メタ)アクリルオキシ基が挙げられる。
上記一般式(1)及び一般式(3)中、R2は水素原子又は炭素数1〜6の非置換1価炭化水素基であり、非置換1価炭化水素基としては、例えば、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基等が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、テキシル基、シクロヘキシル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、フェニル基等が例示され、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、アリル基、フェニル基が好ましい。
上記一般式(1)及び一般式(3)中、R3及びR4は炭素数1〜10、好ましくは1〜6のヘテロ原子が介在してもよい非置換又は置換の1価炭化水素基であり、例えば、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、テキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基等が例示される。また、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部が置換されていてもよく、該置換基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、(イソ)プロポキシ基などのオルガノキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子からなる基、シアノ基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられ、これらを組み合わせて用いることもできる。これらの置換基の置換位置は特に限定されず、置換基数も限定されない。更に、上記非置換又は置換1価炭化水素基中に、エステル基(−COO−)、エーテル基(−O−)、チオエーテル基(−S−)、イミノ基(−NH−、−NCH3−、−NC65−等)が介在してもよい。これらの置換基のうち、特に好ましいR3及びR4としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、アリル基、フェニル基である。
上記一般式(1)及び一般式(3)中、nは0、1又は2であり、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
一般式(1)で示されるアミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物を製造する際、一般式(2)で示されるエポキシ化合物と、一般式(3)で示されるアミノシラン化合物の配合比は特に限定されないが、反応性、生産性の点から、一般式(2)で示されるエポキシ化合物1モルに対し、一般式(3)で示されるアミノシラン化合物0.5〜10モル、特に0.5〜3モル、とりわけ0.8〜2モルの範囲が好ましい。
上記一般式(2)で示されるエポキシ化合物と、一般式(3)で示されるアミノシラン化合物との反応において、反応温度は特に限定されないが、50〜200℃、特に70〜200℃、とりわけ80〜140℃が好ましく、反応時間は1〜20時間、特に1〜10時間が好ましい。
なお、上記反応は無溶媒でも進行するが、溶媒を用いることもできる。用いられる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒等が例示される。これらの溶媒は1種を単独で使用してもよく、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
また、上記反応で得られた反応物の脱アルコール化反応は、特に制限はないが、一般式(2)で示されるエポキシ化合物と、一般式(3)で示されるアミノシラン化合物の反応中に行ってもよく、また反応終了後に行ってもよい。脱アルコール化反応時の圧力は特に制限はないが、アルコールを留去しやすいために常圧又は減圧下にて行う方が好ましい。
本発明においては、触媒の存在下で脱アルコール化反応することが好ましい。触媒としては、通常のエステル交換触媒が用いられ、酸性触媒、塩基性触媒、遷移金属触媒等が挙げられる。酸性触媒の例としては、無機又は有機酸が挙げられ、具体的には、塩化水素単独又は複数を併用してもよい、硫酸、アルキル、アリール基等を有するスルホン酸またそのフッ素置換体、アルキル、アリール基等を有するカルボン酸またそのフッ素置換体等が挙げられる。塩基性触媒の例としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、アルキル、アリール基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。具体的には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル、アリール基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。遷移金属触媒としては、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等の塩類が挙げられる。これらの中では塩基性触媒が好適に用いられ、特にアルカリ金属アルコキシドが好適に用いられる。塩基性触媒は、水溶液やアルコール溶液等として用いることができる。
触媒の使用量は、ケイ素原子1モルに対し触媒を0.001〜1.0モル、特に0.001〜0.2モル、とりわけ0.005〜0.1モル用いるのが好ましい。触媒が0.001モル未満だと触媒の十分な効果が発現しない場合があり、1.0モルを超えると、触媒の量に見合うだけの反応促進効果が得られない場合がある。
なお、脱アルコール化反応は無溶媒でも進行するが、溶媒を用いることもできる。用いられる溶媒としては、一般式(3)で示されるアミノシラン化合物自身や、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒等が例示される。これらの溶媒は1種を単独で使用してもよく、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。アルコールを留去しやすいように、発生するアルコールより高沸点の溶媒を用いることが好ましく、溶媒の還流状態で反応を行うことがより好ましい。
脱アルコール化反応により発生したアルコールは、反応器より気体又は凝集した液体として留去するとよい。また、アルコールを留去する際に、用いた溶媒を共に留去した方がアルコールを留去しやすいため好ましく、更に留去した留分から溶媒のみを分留して反応器内に戻すと用いる溶媒の量を減少することが可能である。
上記脱アルコール化反応の反応温度は特に限定されないが、好ましくは70〜200℃、更に好ましくは80〜150℃、特に好ましくは100〜150℃であり、反応時間は1〜20時間、特に1〜10時間が好ましい。
また、上記反応組成物から一般式(1)で示される有機ケイ素化合物を蒸留やカラム分離等の精製方法により単離することも可能であり、特に蒸留による単離が高純度化できるため好ましい。蒸留の条件は、特に制限はないが、沸点を下げるため減圧にて行う方が好ましい。
本発明の有機ケイ素化合物は、そのまま使用しても問題ないが、溶媒に希釈して用いた方が簡便で好ましい。溶媒としては、水、メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素系溶媒等が例示され、特に水、アルコール溶液が好ましい。用いる濃度としては、有機ケイ素化合物が、0.001〜50質量%となるように希釈して用いるとよい。
本発明の有機ケイ素化合物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、顔料、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、pH調節剤、フィルム形成剤、帯電防止剤、抗菌剤、界面活性剤、染料等から選択される他の添加剤の1種以上を含有するものであってもよい。
本発明の有機ケイ素化合物の用途は特に限定されるものではないが、具体的には、無機充填剤の表面処理、液状封止剤、鋳物用鋳型、樹脂の表面改質、高分子変性剤及び水系塗料の添加剤等を挙げることができる。
本発明の有機ケイ素化合物を用いることで、無機充填剤の表面処理をすることが可能である。無機充填剤としては、ガラス繊維、粉末シリカ、粉末アルミナ、粉末タルク、粉末炭酸カルシウム等が挙げられる。また、該ガラス繊維の材料としては、Eガラス、Cガラス等の一般的に用いられる種類のガラスを用いることができる。該ガラス繊維は、その製品形態に限定されない。ガラス繊維製品は多岐にわたるが、例えば、繊維径が3〜30μmのガラス糸(フィラメント)の繊維束、撚糸、織物を挙げることができる。
無機充填剤を前記の有機ケイ素化合物を表面処理剤として用いて処理する方法としては、一般的に用いられる方法が採用できる。即ち、本発明の表面処理剤をそのままもしくは希釈して用い、これに前記無機充填剤を浸漬させた後、無機充填剤を引き上げて乾燥する方法や、この表面処理剤をそのままもしくは希釈したものを無機充填剤表面にスプレーした後、無機充填剤を乾燥する方法等が挙げられる。
以下、実施例及び参考例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例においてMeはメチル基を示す。
参考例1] 2−ブチル−8,8−ジメトキシ−1−オキサ−4−アザ−8−シラシクロオクタンの合成
撹拌機、ジムロート式冷却凝縮器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、3−アミノプロピルトリメトキシシラン47g(0.26モル)を仕込み、1,2−エポキシヘキサン21g(0.20モル)を100±5℃で4時間かけて滴下し、その温度で2時間撹拌して、透明な反応液Aを得た。
次いで、ジムロート式冷却凝縮器、ディーンスターク、撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた四つ口フラスコに、トルエン80g、28質量%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液0.3gを仕込み、トルエン還流下に先に得られた反応液Aを滴下しながらメタノールとトルエンの混合留分を徐々に抜き出し、滴下終了後に反応器内温が130℃に達するまでトルエンを抜き出し、反応液を得た。得られた反応液を蒸留することで沸点113〜115℃/0.2kPaの無色透明な留分25gを得た。
得られた留分の1H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒)、IRスペクトルを測定した。質量スペクトルの結果を下記に示す。また、図1には1H−NMRスペクトルのチャート、図2にはIRスペクトルのチャートを示した。
質量スペクトル
m/z 247,218,204,190,162,132
以上の結果より、得られた留分は下記式(4)で示されるものであることが確認された。
Figure 0005835116
参考例2] 2−アリルオキシメチル−8,8−ジメトキシ−1−オキサ−4−アザ−8−シラシクロオクタンの合成
撹拌機、ジムロート式冷却凝縮器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、3−アミノプロピルトリメトキシシラン47g(0.26モル)を仕込み、アリルグリシジルエーテル23g(0.20モル)を100±5℃で4時間かけて滴下し、その温度で2時間撹拌して、透明な反応液Bを得た。
次いで、ジムロート式冷却凝縮器、ディーンスターク、撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた四つ口フラスコに、トルエン80g、28質量%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液0.3gを仕込み、トルエン還流下に先に得られた反応液Bを滴下しながらメタノールとトルエンの混合留分を徐々に抜き出し、滴下終了後に反応器内温が130℃に達するまでトルエンを抜き出し、反応液を得た。得られた反応液を蒸留することで沸点128〜129℃/0.2kPaの無色透明な留分18gを得た。
得られた留分の1H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒)、IRスペクトルを測定した。質量スペクトルの結果を下記に示す。また、図3には1H−NMRスペクトルのチャート、図4にはIRスペクトルのチャートを示した。
質量スペクトル
m/z 261,230,204,190,160,130
以上の結果より、得られた留分は下記式(5)で示されるものであることが確認された。
Figure 0005835116
[実施例] 2−(5,5,5,4,4,3,3,2,2−ノナフルオロペンチル)−8,8−ジメトキシ−1−オキサ−4−アザ−8−シラシクロオクタンの合成
撹拌機、ジムロート式冷却凝縮器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、3−アミノプロピルトリメトキシシラン36g(0.20モル)を仕込み、3−パーフルオロブチル−1,2−エポキシプロパン28g(0.10モル)を100±5℃で4時間かけて滴下し、その温度で2時間撹拌して、透明な反応液Cを得た。
次いで、ジムロート式冷却凝縮器、ディーンスターク、撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた四つ口フラスコに、トルエン80g、28質量%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液0.2gを仕込み、トルエン還流下に先に得られた反応液Cを滴下しながらメタノールとトルエンの混合留分を徐々に抜き出し、滴下終了後に反応器内温が130℃に達するまでトルエンを抜き出し、反応液を得た。得られた反応液を蒸留することで沸点117〜118℃/0.4kPaの白色固体26gを得た。
得られた留分の1H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒)、IRスペクトルを測定した。質量スペクトルの結果を下記に示す。また、図5には1H−NMRスペクトルのチャート、図6にはIRスペクトルのチャートを示した。
質量スペクトル
m/z 423,394,204,190,160,130
以上の結果より、得られた固体は下記式(6)で示されるものであることが確認された。
Figure 0005835116
[実施例] 2−(5,5,5,4,4,3,3,2,2−ノナフルオロペンチル)−8,8−ジメトキシ−4−メチル−1−オキサ−4−アザ−8−シラシクロオクタンの合成
撹拌機、ジムロート式冷却凝縮器、滴下ロート及び温度計を備えたフラスコに、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン49g(0.25モル)を仕込み、3−パーフルオロブチル−1,2−エポキシプロパン46g(0.17モル)を100±5℃で4時間かけて滴下し、その温度で2時間撹拌して、透明な反応液Dを得た。
次いで、ジムロート式冷却凝縮器、ディーンスターク、撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた四つ口フラスコに、トルエン150g、28質量%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液0.4gを仕込み、トルエン還流下に先に得られた反応液Dを滴下しながらメタノールとトルエンの混合留分を徐々に抜き出し、滴下終了後に反応器内温が130℃に達するまでトルエンを抜き出し、反応液を得た。得られた反応液を蒸留することで沸点95〜99℃/0.2kPaの無色透明な留分43gを得た。
得られた留分の1H−NMRスペクトル(重クロロホルム溶媒)、IRスペクトルを測定した。質量スペクトルの結果を下記に示す。また、図7には1H−NMRスペクトルのチャート、図8にはIRスペクトルのチャートを示した。
質量スペクトル
m/z 437,406,394,218,186,133
以上の結果より、得られた留分は下記式(7)で示されるものであることが確認された。
Figure 0005835116

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0005835116
    (式中、R1フルオロアルキル基である。R2は水素原子又は炭素数1〜6の非置換1価炭化水素基である。R3及びR4は炭素数1〜10のヘテロ原子が介在してもよい非置換又は置換の1価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。nは0、1又は2である。)
    で示されるアミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物。
  2. 下記一般式(2)
    Figure 0005835116
    (式中、R1フルオロアルキル基である。)
    で示されるエポキシ化合物と下記一般式(3)
    Figure 0005835116
    (式中、R2は水素原子又は炭素数1〜6の非置換1価炭化水素基である。R3及びR4は炭素数1〜10のヘテロ原子が介在してもよい非置換又は置換の1価炭化水素基で各々同一又は異なっていてもよい。nは0、1又は2である。)
    で示されるアミノシラン化合物を反応させて得られる反応物を脱アルコール化することを特徴とする請求項1記載のアミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物の製造方法。
  3. 式(2)のエポキシ化合物1モルに対し、式(3)のアミノシラン化合物を0.5〜10モルの割合で反応させると共に、反応温度を50〜200℃とする請求項2記載のアミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物の製造方法。
  4. 触媒の存在下で脱アルコール化反応することを特徴とする請求項2又は3記載のアミノ基と保護された水酸基を有する有機ケイ素化合物の製造方法。
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