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JP5840564B2 - 印字方法および印字装置 - Google Patents
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JP5840564B2 - 印字方法および印字装置 - Google Patents

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Description

この発明は、印字方法および印字装置に係り、特に、被印字物にインクジェット方式で印字を行う方法および装置に関する。
インクジェット方式は、簡便な機構で高速に印字できることから広く普及し、紙だけでなく、布、織物、平滑樹脂表面などの様々な被印字物に対する印字が試みられている。近年では、これら被印字物の形態や素材も多様化しており、被印字物を均一に印字することが困難となっている。
そこで、被印字物を均一に印字するために、インクの粘度を上昇させるための凝集剤を被印字物に供給した後に、インクジェット法によりインクを打滴する印字方法が提案されている。被印字物に打滴されたインクは、被印字物の表面で凝集剤と凝集反応することにより粘度が上昇して固定されるため、被印字物の表面を均一に印字することができる。しかしながら、被印字物の表面に着弾したインクは瞬時に凝集されるため、被印字物の内部までインクを浸透させることができず、被印字物を深みのある色に染色することが困難であった。
そこで、被印字物の内部まで印字する技術として、例えば特許文献1に開示されているように、被印字物にインクジェット法でインクを供給した後に凝集剤を供給し、さらにインクジェット法でインクを供給するインクジェット捺染方法が提案されている。
特開2004−169248号公報
特許文献1に記載のインクジェット捺染方法では、最初に供給されたインクが被印字物内に浸透したところで凝集剤により固定され、続いて供給されたインクが被印字物の表面に固定されるため、被印字物の表面を均一に印字すると共に被印字物の内部まで印字することができる。
しかしながら、被印字物の表面上に、例えばスパンコール、ファスナー、フォック、ボタンなどの装飾部材が取り付けられている場合には、被印字物の全体を内部まで印字することは困難である。すなわち、被印字物の装飾部材が取り付けられていない領域はインクジェット法で打滴したインクをその表面に直接着弾させることができるためインクを浸透させて内部まで印字することができるが、被印字物の装飾部材が取り付けられることで影となる取付領域は装飾部材に妨げられてインクを直接着弾させることができず、その内部までインクを浸透させることが困難となる。
このため、被印字物の取付領域を内部まで印字する場合には、予め被印字物の全体を内部まで印字した後で、被印字物に装飾部材を取り付ける必要があった。しかし、この方法では、様々な印字を施した被印字物を装飾部材が取り付けられる前に予め用意しなければならず、市場動向に応じて変動する印字の要望に対して迅速に対応できないといった問題があった。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、装飾部材が取り付けられた被印字物に対して取付領域にまで印字することができる印字方法および印字装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る印字方法は、表面上に部分的に取り付けられた装飾部材に起因して装飾部材の取付領域へインクを直接着弾させることができない被印字物に対してインクジェット法により印字する方法であって、第1のインク印字により被印字物の取付領域の周辺部のみにインクを着弾させて取付領域までインクを浸透させ、インクの粘度を上昇させるための凝集剤を少なくとも被印字物の取付領域以外の領域に供給し、第2のインク印字により被印字物の取付領域以外の領域にインクを打滴して凝集剤と反応させるものである。
ここで、第1のインク印字の後に、第1のインク印字により供給されたインクの取付領域内への浸透を促進させる浸透促進処理を施した後に、凝集剤の供給を行うことができる。
また、浸透促進処理は、取付領域に対してインクの着弾位置の外側に色材を含有しない浸透液を供給することにより行うことができる。また、浸透促進処理は、取付領域を蒸気環境に曝すことにより行うこともできる。また、浸透促進処理は、取付領域に液体ミストを供給することにより行うこともできる。
なお、印字は、色材等を被印字物に付与することを指し、例えば、印字により被印字物を染色すること、あるいは模様(文字、符号以外の模様も含まれる)等を被印字物に付与することができる。
また、凝集剤の供給量は、第2のインク印字により供給されたインクが被印字物を構成する糸を所定の距離だけ浸透したところで粘度が上昇するように設定するのが好ましい。
また、被印字物に向けて第2のインク印字によりインクを打滴した後に、被印字物に凝集剤をさらに供給することにより、第1のインク印字および第2のインク印字により被印字物内に供給されたインクを固定するのが好ましい。
また、第1のインク印字および第2のインク印字により打滴されるインクはアニオン性に荷電されたものを選択されると共に、凝集剤はカチオン性に荷電されたものを選択することができる。また、第1のインク印字および第2のインク印字により打滴されるインクはカチオン性に荷電されたものを選択されると共に、凝集剤はアニオン性に荷電されたものを選択してもよい。
また、装飾部材は、樹脂素材または金属素材から構成され、被印字物は、複数の繊維から構成される糸による織物または編み物から構成され、糸の交差頻度が異なる領域を有することができる。また、装飾部材は、ファスナーの結合部材であることが好ましい。
また、本発明に係る印字装置は、表面上に部分的に取り付けられた装飾部材に起因して装飾部材の取付領域へインクを直接着弾させることができない被印字物に対してインクジェット法により印字する印字装置であって、被印字物にインクを打滴して取付領域の周辺部のみにインクを着弾させて取付領域までインクを浸透させる第1のインク供給装置と、第1のインク供給装置から打滴されたインクが取付領域まで浸透したところで、インクの粘度を上昇させるための凝集剤を少なくとも被印字物の取付領域以外の領域に供給する凝集剤供給装置と、被印字物の取付領域以外の領域にインクを打滴して凝集剤供給装置から供給された凝集剤と反応させる第2のインク供給装置とを備えるものである。
この発明によれば、第1のインク印字により被印字物の取付領域の周辺部のみにインクを着弾させて取付領域までインクを浸透させた後、凝集剤を少なくとも被印字物の取付領域以外の領域に供給して第2のインク印字により取付領域以外の領域に打滴されたインクを凝集剤と反応させるので、装飾部材が取り付けられた被印字物に対して取付領域にまで印字することが可能となる。
この発明の実施の形態1に係る印字方法を行う印字装置の構成を示すブロック図である。 装飾部材が取り付けられた被印字物を示す図である。 被印字物を構成する糸を示す断面図である。 被印字物にインクおよび凝集剤を供給する様子を段階的に示す断面図である。 実施の形態2に係る印字方法を行う印字装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態2に係る印字方法により被印字物にインク、浸透液および凝集剤を順次供給する様子を段階的に示す断面図である。 実施の形態3に係る印字方法を行う印字装置の構成を示す図である。 実施の形態4に係る印字方法を行う印字装置の構成を示すブロック図である。
以下、図面に示す好適な実施の形態に基づいて、この発明を詳細に説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る印字方法を行う印字装置の構成を示す。この印字装置は、インクジェット法で被印字物Pの一部にインクAを打滴する第1のインク供給装置1と、インクの粘度を上昇させるための凝集剤Bを被印字物Pに供給する凝集剤供給装置2と、インクジェット法で被印字物PにインクCを打滴する第2のインク供給装置3と、被印字物Pに供給したインクAおよびインクCを定着させる定着装置4とを有する。
なお、被印字物Pは、例えば図2に示すように、スパンコール、ファスナーの結合部材、フォック、ボタンなどの樹脂素材または金属素材から構成される装飾部材Mが表面上に部分的に取り付けられており、この装飾部材Mの取付領域R、すなわち、装飾部材Mにより覆われて影となる領域には装飾部材Mに妨げられてインクジェット法により上方からインクを直接着弾させることができないものである。
第1のインク供給装置1は、装飾部材Mが取り付けられた被印字物Pの取付領域Rに対し、その周辺にのみインクAが着弾するようにインクジェット法によるインクAの打滴を行う。被印字物Pに着弾したインクAは、取付領域Rの周辺から取付領域R内へと浸透される。
凝集剤供給装置2は、被印字物Pの移動方向に対して、第1のインク供給装置1の下流側に配置され、被印字物Pに凝集剤Bを供給する。例えば、ディップ法を用いて被印字物Pを凝集剤Bに浸漬することにより、被印字物Pの全体に凝集剤Bを供給することができる。被印字物Pの全体に供給された凝集剤Bは、被印字物Pの取付領域以外の領域に浸透すると共に取付領域Rにも浸透し、取付領域Rに浸透した凝集剤Bが第1のインク供給装置1から供給されたインクAと凝集反応する。この凝集反応によりインクAの粘度が上昇し、取付領域RにおけるインクAの移動が抑制される。なお、取り付け領域以外の領域に供給された凝集剤Bは、引き続き印字される第2のインク供給装置3により供給されるインクCと反応してインクCを凝集させるためのものである。
第2のインク供給装置3は、被印字物Pの移動方向に対して、凝集剤供給装置2の下流側に配置され、被印字物Pの取付領域R以外の領域にインクCを打滴する。インクCは、被印字物Pの取付領域R以外の領域をインク着弾位置から糸の太さ距離程度だけ浸透する間に凝集剤供給装置2から供給された凝集剤Bと凝集反応することにより所定の粘度に上昇され、浸透が止まる。
ここで、第1のインク供給装置1および第2のインク供給装置3から打滴されるインクAおよびCには、凝集剤供給装置2から供給される凝集剤Bと凝集反応するための被凝集剤が含まれており、この凝集反応によりインクの粘度が上昇する。また、インクAおよびCに含まれる染料は、被印字物Pの素材に応じたものが用いられ、例えば、被印字物Pがポリエステル繊維からなる場合には分散染料を、被印字物Pが木綿などの植物繊維からなる場合には反応性染料を、被印字物Pがナイロンおよび動物性繊維(毛または絹など)からなる場合には酸性染料をそれぞれ用いることができる。なお、インクAとインクCには、同一色の染料が用いられており、取り付け領域とそれ以外の領域の発色を同じにすることが出来る。
また、凝集剤供給装置2から供給される凝集剤Bの供給量は、第2のインク供給装置3から供給されたインクCが着弾位置から、被印字物Pを構成する糸の太さ範囲以内、あるいは、被印字物Pの織りのピッチ範囲以内の距離を浸透する間に所定の粘度となり、この範囲を超えて周囲の毛管力により被印字物Pに沿う方向に拡散しないように設定される。
なお、凝集剤Bは、第1のインク供給装置1から供給されたインクA及び第2のインク供給装置2から供給されたインクCが定着装置4で被印字物Pに定着されるまでの間、被印字物Pの部分的な毛管力の差に起因するインク移動を防止し、取付領域RにインクAが留まると共に取付領域R以外の領域にインクCが留まるように供給量が設定されるのが好ましい。
定着装置4は、被印字物Pの移動方向に対して、第2のインク供給装置3の下流側に配置され、乾燥装置5、発色処理装置6および洗浄乾燥装置7を有する。乾燥装置5は、インクが供給された被印字物Pを乾燥するものである。発色処理装置6は、被印字物Pの素材および染料の種類に応じた発色処理を行うものである。例えば、分散染料を用いた場合には加熱発色処理あるいは高温スチーム処理により発色処理を行うことができ、酸性染料および反応性染料を用いた場合には高温スチーム処理により発色を行うことができる。洗浄乾燥装置7は、染色された被印字物Pを洗浄および乾燥して仕上げるためのものである。アルカリ還元洗浄液を用い残留未反応物を除去することもできる。
ここで、被印字物Pは、図2に示すように、繊維密度の異なる領域を有するものを用いることができ、例えば平織りされたもの、または綾織りされたものなどを用いることができる。また、部分的に異なる織りが組み込まれた布を用いることもできる。被印字物Pを構成する糸Yは、図3に示されるように、複数の繊維Fが集合して構成されているが、例えば、糸Yが織られた交差部と交差部以外の部分、経糸と緯糸の交差頻度が異なる部分、織のパターンが変化した部分、部分的にエッチングを施して繊維太さが異なる部分などにおいて、糸Yを構成する繊維密度に差が生じる。
通常、繊維密度が異なる領域に供給されたインクは、繊維F間の空隙の大きさ、すなわち繊維密度に応じた浸透速度で被印字物Pの厚さ方向へ浸透される。インクが繊維間の空隙に浸透した後は、被印字物Pの厚さ方向への浸透は止まり、続いて毛管力差に起因するインクの移動が起こる。すなわち、被印字物Pの隣接した領域間で繊維密度あるいはインクとの接触角の違いにより、繊維F間の空隙に浸透したインクに対して毛管力が生ずる。なお、毛管力とは、インクに働く力であり、濡れ性が大きくまたは繊維間距離が小さくなると毛管力は大きくなり、濡れ性が小さくまたは繊維間距離が大きくなると毛管力は小さくなるものである。その結果、周囲の繊維密度が高い領域から毛管力が働くことにより、毛管力の高い領域へインクが移動される。繊維Fが同じ素材の場合、インクとの接触角は同じなので、繊維密度の高い領域にインクは移動することとなる。
このように、被印字物Pに打滴されたインクは、繊維密度に応じた浸透速度で被印字物Pを厚さ方向に浸透して繊維F間の空隙を満たし、糸Yの太さ距離あるいは被印字物Pの裏面まで浸透した後、周囲の領域から働く毛管力に応じて被印字物Pの面方向へ移動していく。このため、被印字物Pにおけるインクの最終的な浸透は、繊維密度の違いに起因して差が生じ、これがインクの浸透を不均一とさせている。
本実施の形態では、第2のインク供給装置3から供給されたインクCの浸透を凝集剤Bとの凝集反応により制御することで、上記のようにインクCが被印字物Pを不均一に浸透するのを抑制することができる。
なお、被印字物Pの材料としては、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維、綿、毛、絹等の動物または植物性繊維から構成される糸で織られた布、あるいは編まれた編み物などを用いることができる。
次に、インクAおよびCに含まれる被凝集剤と凝集剤Bの凝集反応について説明する。
インクAおよびCとしては、アニオン性に荷電されたものが使用できる。例えば、アニオン性の界面活性剤で荷電された顔料分散物を含むと共にアニオン性の極性を有する荷電調節剤で調節されたインクを使用することができる。あるいはアニオン性染料水溶液を使用することができる。
なお、インクの粘度調整、粒子分散の安定のため、酢酸ビニル系、アクリル系、ポリエステル系あるいはウレタン系等の水性ポリマー分散液、PVAあるいはアルギン酸、リグニンスルフォン酸等の水性ポリマーをインクに添加することもできる。また、インクジェットヘッドの乾燥を防ぐ目的で、エチレングリコール、グリセリン等の水可溶性高沸点溶剤を添加することもできる。
このようにしてインクを調整し、染料、荷電調節剤、あるいは水性ポリマーなどを被凝集剤として機能させることができる。
凝集反応は、インク中において中性あるいはアルカリ性に調整された状態でイオン解離していることで分散安定しているアニオン性界面活性剤に対し、凝集剤Bとして有機酸を加え酸性とするとその解離度が低くなって分散が不安定となり凝集される。これに伴い、インクAおよびCに含まれる水性ポリマーが凝集し、凝集剤Bの濃度に応じた粘度の上昇がそれぞれ引き起こされる。
また、被凝集剤がアニオン界面活性剤あるいはアニオン性水性ポリマーで構成されたインクAおよびCを、カチオン高分子からなる凝集剤Bを用いて凝集反応する場合、インクAおよびCの中のアニオン成分と、凝集剤Bに含まれるカチオンポリマーのカチオン基とが反応して凝集が起こる。この凝集反応はカチオン基の密度が高いほど起こりやすく、凝集反応の速度に対応する。
また、凝集剤Bは、凝集に寄与する官能基の種類を選択、または凝集剤の働くpHをコントロールすることで凝集能を調整することもできる。例えば、カチオンポリマーの重合度を上げることで水中での移動速度を下げ、これによりカチオン基の密度が同じであっても凝集速度を遅くすることができる。
アニオン性界面活性剤およびアニオン性水性ポリマーとしては、水中で解離した時に陰イオンとなる基を含むものが使用され、例えば、カルボン酸、スルホン酸、あるいはリン酸構造を持つものが使用される。具体的には、カルボン酸系の荷電調節剤として脂肪酸塩やコール酸塩が、スルホン酸系の荷電調節剤として直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、モノアルキル硫酸塩、またはアルキルポリオキシエチレン硫酸塩が、リン酸構造を持つ荷電調節剤としてモノアルキルリン酸塩などが利用できる。一方、凝集剤Bに用いられる酸としては、マロン酸、クエン酸、酢酸等の有機酸、希塩酸などの無機酸が利用できる。
次に、印字装置により行われる印字方法について説明する。
まず、図1に示されるように、装飾部材Mが取り付けられた被印字物Pが一定方向に移動される。ここで、被印字物Pは、ポリエステル繊維から構成され、繊維密度の異なる領域を含むものとする。
被印字物Pが移動されて第1のインク供給装置1の直下に到達するタイミングで、第1のインク供給装置1から被印字物Pに向けてインクジェット法によりインクAが打滴される。この時、第1のインク供給装置1は、図4(A)に示すように、装飾部材Mが取り付けられた被印字物Pの取付領域Rに対して、その周辺に位置する周辺部分SのみにインクAを打滴する。
被印字物Pの周辺部分Sのみに着弾したインクAは、被印字物Pの厚さ方向および面方向に浸透して、図4(B)に示すように、周辺部分Sから取付領域Rへと浸透により移動し、被印字物Pの取付領域Rと周辺部分SがインクAで満たされる。
このように、凝集剤Bが供給される前に被印字物Pの取付領域Rの周辺にインクAを供給することにより、被印字物Pの取付領域Rに対して装飾部材Mを取り付けた状態でインクを供給することができる。
なお、周辺部分Sに打滴されるインクAは、取付領域Rに近接する位置に着弾されるのが好ましい。
また、例えば、装飾部材Mが数mmのボタン、フォック等の場合は、周辺部分Sから数mmの距離を、インクAが浸透移動して取付領域Rに到達させることになる。また、装飾部材Mがファスナー等ワイヤ状の場合は、ワイヤの太さ程度の浸透距離で、取付領域Rを発色させることが出来る。
次に、インクAが供給された被印字物Pが第1のインク供給装置1の直下から凝集剤供給装置2の直下に到達するタイミングで、図4(C)に示すように、凝集剤供給装置2から被印字物Pに向けて凝集剤Bが供給される。凝集剤Bは、被印字物Pの全体に供給されて、被印字物Pの取付領域R以外の領域に浸透すると共に取付領域Rにも浸透する。取付領域Rに浸透した凝集剤Bは、先に取付領域Rに浸透されたインクAと凝集反応してインクAの粘度を上昇させる。取付領域Rに到達したインクは、定着装置4において被印字物Pに定着されるまでの間、取付領域Rに留められる。
このように、取付領域Rに浸透したインクAの粘度を凝集剤Bとの凝集反応により上昇させることで、取付領域R以外の領域にインクAが移動して印字ムラが生じるのを抑制することができる。
続いて、凝集剤Bが供給された被印字物Pが凝集剤供給装置2の直下から第2のインク供給装置3の直下に到達するタイミングで、第2のインク供給装置3から被印字物Pに向けてインクジェット法によりインクCが打滴される。この時、第2のインク供給装置3は、図4(D)に示すように、被印字物Pの取付領域R以外の領域にインクCを打滴する。
第2のインク供給装置3から打滴されたインクCは、被印字物Pを構成する糸Yの内部を凝集剤Bと凝集反応しながら浸透し、糸Yの太さ距離だけ浸透したところで所定の粘度まで上昇される。通常、繊維密度の異なる領域を含む被印字物Pの糸Y内部に浸透したインクは、周囲の繊維密度が高い領域から毛管力が働くため、インクの粘度が上昇されていない場合には、その毛管力が働く被印字物Pの面方向へ織りのピッチを超えて移動されていき、織りに依存する印字ムラとなる。本実施の形態では、糸Yの太さ距離だけ均一に浸透したインクCを所定の粘度まで上昇させるように凝集剤Bの供給量が設定されているため、被印字物Pに浸透したインクCが定着装置4により定着されるまでの間、インクCを糸Yの太さ距離の範囲内に留めておくことができる。これにより、被印字物Pの取付領域R以外の領域を厚さ方向に糸の内部まで均一に印字することができる。
なお、インクCは、被印字物Pの周辺部分Sなど、取付領域R以外の領域において第1のインク供給装置1により供給されたインクAが存在する部分に対し、インクAの着色量を考慮した印字を行うのが好ましい。すなわち、被印字物Pの取付領域R以外の領域において、インクAとインクCの両者が浸透する部分は、インクCのみを浸透させた部分と同様の色合いとなるように、インクCを供給するのが好ましい。
被印字物Pは、取付領域RにインクAが留められると共に取付領域R以外の領域にインクCが留められた状態で、第2のインク供給装置3から定着装置4に移動され、乾燥装置5により乾燥される。一般に、この乾燥工程における部分的な乾燥速度の違いが被印字物Pに浸透したインクの毛管力差に起因する移動を促進させて印字ムラの原因となるが、凝集剤Bの供給によりインクAおよびインクCの移動が抑制されているため、印字ムラが生じるのを抑制することができる。続いて、被印字物Pは、発色処理装置6により、例えば被印字物がポリエステル布で分散染料インクを用いた場合、160℃から200℃に数分から数十分置かれて加熱発色処理が行われ、糸の内部の繊維表面に付着した分散染料が昇華されて繊維内に取り込まれる。その後、被印字物Pは、洗浄乾燥装置7によりアルカリ還元条件で未反応物の洗浄が行われると共に乾燥されて、被印字物Pの染色が完了する。
なお、定着装置4は、被印字物Pやインクの種類に応じて変更することができ、例えば、酸性染料または反応性染料を使用した場合には、被印字物Pを乾燥後、高温スチーム処理により染料と繊維との結合反応を生じさせ、結合反応した被印字物Pを洗浄および乾燥させることで被印字物Pを染色することができる。
本実施の形態によれば、凝集剤Bが供給される前に被印字物Pの取付領域Rの周辺にインクAを供給するため、被印字物Pに装飾部材が取り付けられた状態で、取付領域R内部にまでインクを供給することができる。また、被印字物Pの取付領域R以外の領域においてインクCが厚さ方向に糸の内部まで浸透した状態で留められるため、被印字物Pの取付領域R以外の領域を均一に染色することができる。
なお、上記の実施の形態では、凝集剤供給装置2は、ディップ法により被印字物Pの全体に凝集剤Bを供給したが、被印字物Pの取付領域R以外の領域に凝集剤Bを供給できればこれに限るものではなく、例えばエアースプレー法、ロールコーター、インクジェット法などを用いて被印字物Pの取付領域R以外の領域に凝集剤Bを供給することもできる。また、被印字物Pの取付領域R以外の領域に供給された凝集剤Bは、その領域から取付領域R内へ浸透してもよく、取付領域Rに浸透した凝集剤Bにより、先に取付領域Rに浸透したインクAの粘度を上昇させてその移動速度を低下させることができる。
また、凝集剤供給装置2は、被印字物Pの裏面側から被印字物Pに凝集剤Bを供給することもできる。
また、上記の実施の形態では、第1のインク供給装置1は、被印字物Pの表面側からインクAを打滴したが、被印字物Pの裏面側から被印字物Pの取付領域RにインクAを打滴することもできる。
また、上記の実施の形態では、第2のインク供給装置3は、被印字物Pの表面側からインクCを打滴したが、被印字物Pの裏面側から、あるいは、被印字物Pの表面側および裏面側の双方から、被印字物Pの取付領域R以外の領域にインクCを打滴することもできる。また、上記の実施の形態では、第2のインク供給装置3は、被印字物Pの取付領域R以外の領域にインクCを打滴したが、被印字物Pの全体にインクCを供給することもできる。
また、凝集剤Bをエアースプレー法により、微細滴として供給し、装飾部材Mの表面にまで供給した場合、第2のインク供給装置3によるインクCの印字で、装飾部材Mの表面に印字することも出来る。
また、凝集剤としての有機カチオン性高分子として、アンモニアやアルキルアミン等のアミノ基(-NH2)を有する化合物及び窒素を更に多く有するアルギニンやグアニジンあるいはビグアニド誘導体等のグアニジノ基やビグアニド基を持つ化合物を用いることができる。また、側鎖あるいは主鎖にアミノ基あるいはイミノ基をもつ高分子としては、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の合成高分子及びポリオルニチン、ポリリジン等のポリアミノ酸を含む水性ポリマーが使用できる。
アクリルアミドとN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートまたはN,N−ジメチルアミノエチルアクリレートモノマーとを共重合したN,N−ジメチルアミノエチルアクリレート系共重合物や、ポリビニルアミジン系高分子、両性高分子などが利用できる。
また、上記の実施の形態では、アニオン性に荷電されたインクとカチオン性に荷電された凝集剤を用いて凝集反応を行ったが、カチオン性に荷電されたインクとアニオン性に荷電された凝集剤を用いて凝集反応を行うこともできる。
アニオン性の凝集剤としては、例えば、水溶性あるいは水分散性高分子に親水基としてカルボン酸、スルホン酸、あるいはリン酸構造をもつものが使用できる。具体的には、動植物油脂脂肪酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸等のソーダ塩、カリウム塩等が使用できる。また、カチオン性のインクとしては、アルカリ性染料などのカチオン性の色材を含むと共にカチオン性の荷電調節剤が使用される。カチオン性の荷電調節剤としては、水中で解離した時に陽イオンとなるものが使用され、例えば、親水基としてテトラアルキルアンモニウムを持つものが使用される。具体的には、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、またはアルキルベンジルジメチルアンモニウム塩などが利用できる。
実施の形態2
図5に、実施の形態2に係る印字方法を行う印字装置の一部構成を示す。この印字装置は、第1のインク供給装置1から供給されるインクAが被印字物Pの取付領域Rへの浸透を促進させる浸透促進処理を施すもので、図1に示した実施の形態1の印字装置において第1のインク供給装置1と凝集剤供給装置2との間に、色材を含有しない浸透液を供給する浸透液供給装置21を新たに備えるものである。
まず、実施の形態1と同様にして、一定方向に移動する被印字物Pに対して、第1のインク供給装置1から被印字物Pに向けてインクジェット法によりインクAが打滴される。この時、第1のインク供給装置1は、図6(A)に示すように、被印字物Mが取り付けられた被印字物Pの周辺部分SのみにインクAの打滴を行う。
続いて、インクAが供給された被印字物Pが第1のインク供給装置1の直下から浸透液供給装置21の直下に到達し、図6(B)に示すように、インクAが被印字物Pの面方向に移動しないうちに、色材を含有しない浸透液Dが被印字物Pの取付領域Rに対してインクAの着弾位置の外側に浸透液供給装置21から供給される。被印字物Pに供給された浸透液Dの一部が被印字物Pの面方向に浸透するのに伴い、浸透液Dの着弾位置と取付領域Rとの間に位置するインクAが強制的に取付領域Rへ押し込まれるように移動していく。
このように、浸透液Dの一部が取付領域Rの方向に浸透するのを利用してインクAの浸透方向を取付領域Rへ向けることにより、インクAが取付領域R以外の領域へ浸透して拡がることを抑制し、印字ムラが生じるのを抑制することができる。このようにして、インクAが取付領域Rの方向へ浸透するのを促進し、取付領域RがインクAで満たされる。
なお、浸透液DをインクAの印字後に供給する例を示したが、浸透液DをインクAの印字前に取付領域に印字し、取付領域に浸透させておくことによってもインクAの浸透を促進させることが出来る。
このような、浸透液Dによる浸透促進は、インク印字量が少ない淡色の発色領域で特に効果が大きい。
浸透液Dが供給された被印字物Pが浸透液供給装置21の直下から凝集剤供給装置2の直下に到達するタイミングで、図6(C)に示すように、凝集剤供給装置2から被印字物Pに向けて凝集剤Bが供給される。凝集剤Bは被印字物Pの全体に供給され、取付領域Rに浸透した凝集剤BがインクAと凝集反応することにより、取付領域Rを満たすように浸透したインクAの粘度を上昇させて、インクAがその領域に留められる。
このように、取付領域Rに浸透したインクAの粘度を上昇させることにより、インクAが定着装置4で被印字物Pに定着されるまでの間に、浸透促進処理により取付領域Rに集められたインクAが他の領域に移動するのを抑制することができる。
一方、取付領域R以外の領域に浸透した凝集剤Bは、実施の形態1と同様にして、第2のインク供給装置3から被印字物Pの取付領域R以外の領域に打滴されたインクCと凝集反応される。ここで、凝集剤Bは、インクCが糸Yの太さ距離だけ浸透したところでインクCを所定の粘度まで上昇するように供給されており、インクCは、定着装置4により被印字物Pに定着されるまでの間、糸Yの太さ距離の範囲内に留められる。そして、被印字物Pは、第2のインク供給装置3から定着装置4に移動され、定着装置4においてインクAおよびインクCが被印字物Pに定着されて染色が完了する。
本実施の形態によれば、浸透液Dを打滴することによりインクAが取付領域Rの方向へ浸透することを促進するため、取付領域R以外の領域へのインクAの浸透が抑制され、印字ムラが生じるのを抑制することができる。
なお、浸透液供給装置21から供給される浸透液Dは、色材を含まない液体で且つインクAの浸透を取付領域Rの方向へ促進できればよく、例えばインクAが水系インクの場合には水に界面活性剤等を加えたものを用いることができる。
また、上記の実施の形態では、被印字物Pに浸透液Dを供給することにより、第1のインク供給装置1から供給されるインクAが取付領域Rへ浸透するのを促進させたが、これに限るものではなく、例えば被印字物Pの取付領域Rを蒸気環境に曝すことにより浸透促進処理を施すことができる。取付領域Rに高温水蒸気(例えば、塩化ナトリウム等を加えて沸点を100℃以上にした水蒸気発生装置から供給される100℃以上の水蒸気)をあてるなどして取付領域Rを蒸気環境に曝すことにより、取付領域Rの方向へ浸透するインクAが乾燥して移動速度が低下するのを抑制し、取付領域RへのインクAの浸透を促進することができる。
また、被印字物Pの取付領域Rに液体ミストを供給することにより取付領域Rの方向へ浸透するインクAの乾燥を抑制し、取付領域RへのインクAの浸透を促進することもできる。
実施の形態3
図7に、実施の形態3に係る印字方法を行う印字装置の一部構成を示す。この印字装置は、図1に示した実施の形態1の印字装置において第2のインク供給装置3と定着装置4との間に、凝集剤Eを供給する凝集剤供給装置31を新たに備えるものである。
ここで、凝集剤Eは、インクAおよびインクCに含まれる被凝集剤と凝集反応することにより、被印字物P内におけるインクAおよびインクCの移動を完全に停止させるものである。例えば、インクAおよびインクCに含まれる被凝集剤が凝集剤Bおよび凝集剤Eと凝集反応することにより、被凝集剤の電荷が等電点を超えるように凝集剤Bおよび凝集剤Eの供給量の総和を設定し、凝集剤Eは、その供給量の総和から凝集剤Bの供給量を差し引いた量以上の値に供給量を設定することができる。
実施の形態1と同様にして、被印字物Pに供給されたインクAは凝集剤Bとの凝集反応により取付領域Rにおいて粘度が上昇されると共に、インクCは凝集剤Bとの凝集反応により取付領域R以外の領域において糸Yの太さ距離だけ浸透したところで所定の粘度まで上昇される。そして、凝集剤供給装置31により被印字物Pの全体に凝集剤Eが供給されることにより、被印字物Pの取付領域RにおいてインクAの移動が完全に固定されると共に取付領域R以外の領域においてインクCの移動が完全に固定される。
これにより、被印字物Pにおいて移動速度が抑制されたインクAおよびインクCがそれぞれ他の領域へ移動しないうちに、その移動を完全に固定するため被印字物PにおけるインクAおよびインクBの印字ムラを抑制することができる。また、定着装置6において被印字物PにインクAおよびインクCを定着する際に、インクが移動して印字ムラが生じるのを抑制することができる。
実施の形態4
図8に示されるように、実施の形態4に係る印字方法で用いられる印字装置は、入力データに基づいてインクA、凝集剤BおよびインクCの供給量を演算することでそれぞれの供給を自動化すると共に、被印字物Pに印字した結果をフィードバックすることでそれぞれの供給量を順次補正することができる。
また、凝集剤Bの供給量あるいは種類を切り替えることで、被印字物Pへのインクの浸透位置を制御することもできる。さらに、印字および発色処理等を施し、染色が完了した被印字物Pの光学特性を表裏両面で計測することにより、被印字物Pへのインクの浸透位置を計測してその結果をフィードバックすることも可能である。
本実施の形態で用いられる印字装置は、順次接続された供給量演算部41、制御部42および印字駆動部43を有し、この印字駆動部43が実施の形態1で用いられた印字装置の第1のインク供給装置1、凝集剤供給装置2および第2のインク供給装置3に接続されている。なお、被印字物Pの裏面側に、第1のインク供給装置1に対向して第1のインク供給装置1aを配置すると共に第2のインク供給装置3に対向して第2のインク供給装置3aを配置することもできる。また、印字装置は、被印字物Pの移動方向に対し、定着装置2の下流側に計測装置44aおよび44bを表面側および裏面側にそれぞれ配置し、計測装置44aおよび44bに印字結果計測値入力部45を接続すると共にこの印字結果計測値入力部45を供給量演算部41に接続している。
まず、供給量演算部41には、インクA、凝集剤BおよびインクCの供給量に関する情報が入力データとしてオペレータにより入力される。インクAおよびインクCの供給量に関する情報としては、印字画像の情報(画素毎の色など)および被印字物Pの情報(素材、厚み、糸の太さなど)などが入力される。また、凝集剤Bに関する情報としては、被印字物Pの情報、インクの情報(種類、濃度、被凝集剤の等電点など)などが入力される。
供給量演算部41は、入力された情報に基づいてインクA、凝集剤BおよびインクCの供給量をそれぞれ演算し、制御部42に入力する。制御部42は、インクA、凝集剤BおよびインクCの供給量をそれぞれ適当な時点で印字駆動部43に出力すると、印字駆動部43は、それぞれの供給量に応じた駆動信号を第1のインク供給装置1および1a、凝集剤供給装置2、第2のインク供給装置3および3aにそれぞれ出力し、被印字物PにインクA、凝集剤BおよびインクCが順次供給される。被印字物Pの裏面側に配置された第1のインク供給装置1aおよび第2のインク供給装置3aは、例えば第1のインク供給装置1および第2のインク供給装置3とそれぞれ異なる色のインクを打滴する場合などに使用することができ、被印字物Pを表面と裏面で異なる色に染色することができる。続いて、被印字物Pに固定されたインクが定着装置2により被印字物Pに定着されることで、被印字物Pへの印字が完了する。
光学センサなどからなる計測装置44aおよび44bにより印字後の被印字物Pの光学特性が計測され、その計測値が印字結果計測値入力部45に入力されることで被印字物Pに印字した結果がフィードバックされる。供給量演算部41は、印字結果計測値入力部45から入力された計測値に基づいて、目標の発色を実現するようにインクA、凝集剤BおよびインクCの供給量をそれぞれ補正し、補正されたそれぞれの供給量に応じて印字駆動部43が第1のインク供給装置1および1a、凝集剤供給装置2、第2のインク供給装置3および3aをそれぞれ駆動し、被印字物Pへの印字が行われる。
本実施の形態によれば、インクA、凝集剤BおよびインクCの供給量に関する情報を入力するだけで、それぞれ適当な量を自動的に被印字物Pに供給することができる。また、被印字物Pに印字した結果をフィードバックして補正されたインクA、凝集剤BおよびインクCの供給量に基づき再び被印字物Pに印字するため、初期の供給量が悪い場合、あるいは、インクおよび被印字物Pなどの物性が変化した場合であっても、発色の変動を効果的に抑制することができる。
1,1a 第1のインク供給装置、2,31 凝集剤供給装置、3,3a 第2のインク供給装置、4 定着装置、5 乾燥装置、6 発色処理装置、7 洗浄装置、21 浸透液供給装置、41 供給量演算部、42 制御部、43 印字駆動部、44a,44b 計測装置、45 印字結果計測値入力部、Y 糸、F 繊維、A,C インク、B,E 凝集剤、D 浸透液、M 装飾部材、R 取付領域、S 周辺部分、P 被印字物。

Claims (11)

  1. 表面上に部分的に取り付けられた装飾部材に起因して装飾部材の取付領域へインクを直接着弾させることができない被印字物に対してインクジェット法により印字する方法であって、
    第1のインク印字により被印字物の前記取付領域の周辺部のみにインクを着弾させて前記取付領域までインクを浸透させ、
    インクと反応する凝集剤を少なくとも被印字物の前記取付領域以外の領域に供給し、
    第2のインク印字により被印字物の前記取付領域以外の領域にインクを打滴して前記凝集剤と反応させることを特徴とする印字方法。
  2. 前記第1のインク印字の後に、前記第1のインク印字により供給されたインクの前記取付領域内への浸透を促進させる浸透促進処理を施した後に、前記凝集剤の供給を行う請求項1に記載の印字方法。
  3. 前記浸透促進処理は、前記取付領域に対してインクの着弾位置の外側に色材を含有しない浸透液を供給することにより行われる請求項2に記載の印字方法。
  4. 前記浸透促進処理は、前記取付領域を蒸気環境に曝すことにより行われる請求項2に記載の印字方法。
  5. 前記浸透促進処理は、前記取付領域に液体ミストを供給することにより行われる請求項2に記載の印字方法。
  6. 凝集剤の供給量は、前記第2のインク印字により供給されたインクが被印字物を構成する糸を所定の距離だけ浸透したところで粘度が上昇するように設定される請求項1〜5のいずれか一項に記載の印字方法。
  7. 被印字物に向けて前記第2のインク印字によりインクを打滴した後に、被印字物に凝集剤をさらに供給することにより、前記第1のインク印字および前記第2のインク印字により被印字物内に供給されたインクを固定する請求項1〜6のいずれか一項に記載の印字方法。
  8. 前記第1のインク印字および前記第2のインク印字により打滴されるインクはアニオン性に荷電されると共に、前記凝集剤はカチオン性に荷電される請求項1〜7のいずれか一項に記載の印字方法。
  9. 前記第1のインク印字および前記第2のインク印字により打滴されるインクはカチオン性に荷電されると共に、前記凝集剤はアニオン性に荷電される請求項1〜7のいずれか一項に記載の印字方法。
  10. 前記装飾部材は、樹脂素材または金属素材から構成され、
    被印字物は、複数の繊維から構成される糸による織物または編み物から構成され、糸の交差頻度が異なる領域を有する請求項1〜9のいずれか一項に記載の印字方法。
  11. 前記装飾部材は、ファスナーの結合部材である請求項1〜10のいずれか一項に記載の印字方法。
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