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JP5843493B2 - 吊りクランプ - Google Patents
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本発明は、主として平鋼板や形鋼などのワークを吊り上げるために用いられる吊りクランプに関する。
吊りクランプは、本体開口部の奥面に突き当たるまでワークを挿入し、ロック装置のラッチハンドルを操作することによりスプリングで初期締付力を与えてワークを両側からカムと受け部材(旋回顎など)とで挟み込んだ状態にして、吊り上げ・運搬を行うものであり、クレーンなどで引き上げたときに吊りクランプに内蔵されるリンク機構による倍力作用を通じて、ワーク質量に応じてその2.5〜3倍程度の締付力がカムと受け部材に作用し、カム歯をワーク表面に食い込ませて確実に把持するように構成されている。
特開2006−347716号公報
ワークをセットしたクランプの吊り環をクレーンなどで吊り上げていくと、ワークが地切りしてから、カムが回転しながらカム歯がワーク表面に食い込んでいって前記倍力作用による締付力がワークに作用することになるが、このとき、カムの回転によって、ワークをクランプ本体開口部の入口方向に向けて押し出す力が働く。このため、ワークが倍力作用で確実に把持されたときには、ワーク端面とクランプ本体開口部奥面との間に数ミリ(たとえば2〜5mm)程度の隙間が生じ、この状態で吊り上げ・搬送が行われることになる。
このため、ワーク搬送中にワーク把持支点(カムと受け部材)を基準としてワークが横振れする。この横振れは、クランプの縦センター(このセンターラインにカムと受け部材が位置している)を中心としてクランプ本体開口部奥面の幅(厚み)方向両側の端部にワーク端面が当たるまでの振れ幅の範囲内で起こり得る。
搬送中にワークが大きく横振れすると、それによる振動や衝撃がワークに作用し、場合によっては近くの構造物にワークが衝突して破損することもあって、高付加価値を持つワークの商品価値を低下させる恐れがある。
したがって、本発明の課題は、搬送中に生じ得るワークの横振れを押さえることができる吊りクランプを提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1に係る本発明は、ワーク挿入口となる略U字形の開口部を有するクランプ本体と、開口部の一側に設けられる回動可能なカムと、開口部の他側に設けられる受け部材と、クランプ本体に対して所定方向に移動可能に設けられる吊り環と、吊り環とカムとの間に連結されて吊り環がクレーンなどで引き上げられたときにその移動に連動してカムを開口部の一側からせり出させるように働くリンクと、クランプ本体の開口部の奥面に臨む位置においてその下面が該奥面と略面一になるようにクランプ本体の幅方向両側に突出して設けられる一対のワーク当て材とを有し、開口部に挿入したワークを吊り上げ・運搬する際に生ずるワークの横振れを前記一対のワーク当て材で小さくすることを特徴とする。
請求項1に係る本発明によれば、クランプ本体の開口部の奥面に臨む位置においてその下面が該奥面と略面一になるようにクランプ本体の幅方向両側に突出する一対のワーク当て材が設けられているので、ワーク挿入口に挿入したワークを吊り上げ・運搬する際に生ずるワークの横振れを前記一対のワーク当て材で小さくすることができる。すなわち、ワークセット時からリンクによる倍力機構が作用してワークをカムと受け部材との間で確実に把持できるようになるまでにカムが回転することによってワーク上端面とクランプ開口部奥面との間にわずかな隙間が生じ、この隙間のために、ワーク搬送中にワークの横振れが生じるが、ワーク当て材を付設することによってこの横振れ幅を大幅に抑えることができるので、前述の従来技術が遭遇するような不利欠点を解消させる効果がある。
ワーク当て材の下面はクランプ本体開口部奥面と略面一に設けられるので、ワークの初期セット時に邪魔になることはない。むしろ、これによって、クランプ本体開口部奥面に連続してワーク上端面が当たることになる面がクランプ両側から外方に延長して幅広面を与えることになるので、ワークが傾いた状態でセットされたときにはクランプ両側からその状態が一目瞭然となり、結果として、ワークが傾いた状態でセットされることを未然に防止することができる効果を発揮する。
本発明の一実施形態による縦吊りクランプをカムが本体内に埋没した状態で示す正面図である。 図1と同じ状態の側面図である。 この縦吊りクランプにワークをセットした初期状態を示す正面図である。 図3の状態からクレーンなどで吊り環を吊り上げたときにクランプ本体の開口部奥面とワーク上端面との間に隙間が生じた状態を示す正面図である。 図4と同じ状態であって上記隙間が生じることによるワークの横振れ幅が小さくなることを示す側面図である。 従来技術による縦吊りクランプにおいて上記隙間が生じることによりワークが大きく横振れすることを示す側面図である。
本発明の一実施形態による縦吊りクランプ10について以下添付図面を参照しながら詳細に説明する。この縦吊りクランプ10は、主として平鋼板や形鋼などのワークの垂直面部分をその両側からクランプして吊り上げ・運搬するものであり、各々下方に延長する脚部12,13の間に略逆U字形の開口14を備えた一対のクランプ本体板11,11(以下「本体11」とする。)がスペーサ部材15により所定間隔を隔てて並設され、本体11の外側面にはそれぞれ補強板16,16が溶接固定される。補強板16,16の下方には、本体11の下方に形成された開口14よりも若干大きな幅寸法を有する略同形状の開口17,17が形成される。スペーサ部材15の下端は脚部11から開口14,17(以下これら開口を総称して「ワーク挿入口18」とする。)内に若干突出しており、この突出面から若干突出して、後述するカム20と協働してワークWを挟持して吊り上げるための旋回顎19が回動自在に取り付けられる。
本体11の内面上部には各々鉛直方向に延長する長溝21が対向形成され、これら長溝間に吊環ピン22が上下移動可能に架け渡される。吊環ピン22は、公知の吊環23の下端部を貫通すると共に、本体11内において吊環23の両側に配置される一対のリンク24,24の上端部を貫通している。すなわち吊環23とリンク24は吊環ピン22により互いに回動可能に連結され、吊環23を介した吊り上げ・吊り下ろし操作に伴って吊環ピン22が長溝21内を上下移動すると、リンク24も移動する。図1および図2には吊環ピン22が長溝21内の下方位置にある状態が示されている。
本体11においてワーク挿入口18の左側(図1において)下方部にはカムピン25が横架固着され、このカムピン25を中心としてカム20が回動可能に設けられる。カム20はリンクピン26を介してリンク24と互いに回動自在に連結されている。このリンクピン26による連結構成により、上記したリンク24の移動に伴ってカム20がカムピン25を軸として回転する。吊環ピン22が縦溝21内の下方位置にあるときのカム20は図1および図2に示す位置にあり、このときカム20はワーク挿入口18に向けて実質的に突出することなく本体11の内部(脚部13内)に収容されている。すなわち、このときクランプ10は開放状態ないし無負荷状態にある。
このクランプ10には、本体11に固定されたラッチピン31を中心として回動可能であるラッチ28と、ラッチ28と一体に設けられるラッチレバー32と、ラッチレバー32の先端に突設されるラッチハンドル33と、ラッチ28とリンク24の下端付近に位置するスプリングピン29との間に架けられるロックスプリング30とを備えたラッチ式ロック装置27が設けられていて、ロックスプリング30のバネ力を利用して、ワークWの質量がクランプ10に作用していない状態において、ワークWに初期締付力を与える。
図1および図2ではロックスプリング30の張力が作用しておらず、ロック開放状態となっている。ワーク挿入口18にワークWを挿入した後、ラッチ28の先端から外方に突出するラッチハンドル33でラッチ28を引き上げ、ラッチピン31を軸として時計方向(図1)に回転させて図3の状態とすると、ロックスプリング30の張力がカム20に伝達されてカム20をカムピン25を軸として時計方向(図3)に回転させ、ワークWに対して初期締付力を与え、ワークWを旋回顎19との間で圧接挟持する。
符号34はこのクランプ10を手作業で持ち上げ・運搬する際に使用する取手であり、本体11の両側面から各々外方に突出するように本体11に固定されている。
以上に述べた縦吊りクランプ10の構成および作用は実質的に従来技術と同様であるが、このクランプ10には、本体11の開口部奥面(ワーク挿入口18の奥面18a)と略面一になるように本体11の両側から突出するワーク当て材35,35が設けられている。
このワーク当て材35を設けた縦吊りクランプ10の作用について説明する。平鋼板などのワークWを、無負荷状態(図1,図2)にあるクランプ10のワーク挿入口18の奥面18aに、その上端面が突き当たるまで挿入し、この状態で前述したようにラッチハンドル33を介してラッチ28を引き上げることにより、ロックスプリング30の張力でワークWに初期締付力を与える状態とする(図3)。このとき、ワークWの上端面はクランプ開口部奥面18aに隙間なく当接している。
この状態から吊環23にクレーンフック(図示せず)を係止してクレーン(図示せず)でクランプ10を引き上げていくと、既述したように、クランプ10の自重とワークWの質量が作用するので、吊環ピン22が長溝21内を上昇移動し、リンク24を介してカム20がカムピン25を軸として時計方向(図3)に回転し、弧状先端部に歯切りされたカム歯20aがワーク挿入口18に向けてせり出して、対向する回転顎19との間でワークWを倍力作用で確実に把持するが、従来技術において既述したように、この倍力作用が働く時点でワーク上端面Wtとクランプ開口部奥面18aとの間にわずかな隙間Lが生じる(図4,図5)。
ワーク当て材35が存在しない場合(従来技術)、この隙間Lのために、ワーク搬送中にワーク把持支点(カム20と旋回顎19)を基準としてクランプの縦センターCを中心としてクランプ本体開口部奥面18aの幅(厚み)方向両側の端部にワーク上端面Wtが当たるまでの比較的大きな振れ幅θ2の範囲内で生じる(図6)。このため、既述したように、横振れによる振動や衝撃がワークWに作用し、場合によっては近くの構造物にワークWが衝突して破損することもあって、高付加価値を持つワークWの商品価値を低下させる恐れがある。
ワーク当て材35を付設した本発明の縦吊りクランプ10によれば、この横振れ幅がθ1(<<θ2)まで小さくなる(図5)ので、上記の課題を実質的に解決することができる。ワーク当て材35の下面はクランプ本体開口部奥面18aと略面一に設けられるので、ワークWの初期セット時(図3)に邪魔になることがなく、且つ、倍力作用による吊り上げ・運搬の際(図4,図5)にはクランプ本体開口部奥面18aに連続してワークWの横振れ時にワーク上端面Wtが当たることになる面をクランプ両側から外方に延長させる役割を果たすので、横振れ幅を大幅に抑えることができる。
また、従来技術によると、ワークWの初期セット時(図3)にワーク上端面Wtをクランプ本体開口部奥面18aに突き当てた状態でセットしたつもりでも、その状態をクランプ側面から見ることができないため、実際にはワークWが左右どちらかに傾いた状態でセットされていて、反対側に隙間が生じていることがあるが、本発明の縦吊りクランプ10によれば、ワーク当て材35がクランプ本体開口部奥面18aと面一に連続して設けられることにより幅広のワーク当接面を与えるので、ワークWが傾いた状態でセットされていると、クランプ両側からその状態が一目瞭然に見ることができる。したがって、ワークWが傾いた状態でセットされることを未然に防止することができる利点がある。
これらの作用を果たすため、横振れ幅θ1が8度以下となるようにワーク当て材35の寸法(外方への突出長さ)を設定することが好ましい。
以上において、本発明を縦吊りクランプに適用した実施例として説明したが、本発明は、ワーク挿入口が横(水平)方向を向くように形成される横吊りクランプにも適用可能である。すなわち、横吊りクランプにおいても、ワークWの初期セット時からクレーンで吊り上げていくときにクランプ本体開口部奥面とワーク上端面との間に隙間が生じ、吊り上げ・運搬の際にワークWが略水平面において横振れする原因となることがあるが、上述した縦吊りクランプの場合と同様に、ワーク当て材を設けることによってこれを極小化することができ、また、ワークWが傾いた状態でセットされることを未然に防止することができる。
10 縦吊りクランプ
11 本体(本体板)
12,13 脚部
14 本体下方の開口
15 スペーサ部材
16 補強板
17 補強板下方の開口
18 ワーク挿入口
18a 奥面
19 旋回顎(受け部材)
20 カム
20a カム歯
21 長溝
22 吊環ピン
23 吊環
24 リンク
25 カムピン
26 リンクピン
27 ラッチ式ロック装置
28 ラッチ
29 スプリングピン
30 ロックスプリング
31 ラッチピン
32 ラッチレバー
33 ラッチハンドル
34 取手
35 ワーク当て材
W ワーク
Wt ワーク上端面

Claims (1)

  1. ワーク挿入口となる略U字形の開口部を有するクランプ本体と、開口部の一側に設けられる回動可能なカムと、開口部の他側に設けられる受け部材と、クランプ本体に対して所定方向に移動可能に設けられる吊り環と、吊り環とカムとの間に連結されて吊り環がクレーンなどで引き上げられたときにその移動に連動してカムを開口部の一側からせり出させるように働くリンクと、クランプ本体の開口部の奥面に臨む位置においてその下面が該奥面と略面一になるようにクランプ本体の幅方向両側に突出して設けられる一対のワーク当て材とを有し、開口部に挿入したワークを吊り上げ・運搬する際に生ずるワークの横振れを前記一対のワーク当て材で小さくすることを特徴とする吊りクランプ。
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