以下、本発明の好ましい第1および第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下では、全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、重複する要素の説明を省略する場合がある。また、本発明は、以下の第1および第2実施形態に限定されない。つまり、以下の第1および第2実施形態の説明は、上記新トラックスケールの特徴を例示しているに過ぎない。
よって、本発明は、以下の第1実施形態において例示する輪重および水平面的重心位置の定式化における具体的な演算式には限定されず、第2実施形態において例示するタイヤ接地長の定式化における具体的な演算式にも限定されない。例えば、以下の演算式の変数として車両の総重量を含む場合、この総重量は、車両の全車軸の軸重の和に等しいので、車両の総重量に代えて車両の軸重を、かかる演算式の変数に用い、同式の定式化を行ってもよい。また、以下の演算式の変数として車両の左右両方の車輪の輪重を含む場合、左右車輪の輪重の和は、これらの車輪を支持する車軸の軸重に等しいので、左右車輪の輪重に代えて左右車輪の輪重の一方と軸重とを、かかる演算式の変数に用い、同式の定式化を行ってもよい。
また、新トラックスケールの新型載台には、窓付形および切欠形など様々な形態がある。
そこで、以下の第1実施形態および第2実施形態では、図1に示した窓付形載台を用いて、車両の輪重、総重量、軸重、水平面的重心位置およびタイヤ空気圧を測定する方法を述べる。また、新トラックスケールの新型載台の他の例としての切欠形載台は、後述の第3変形例において説明する。
なお、本明細書では、「窓付形載台」のような用語を用いて、新型載台を特定しているが、かかる用語の使用は、新型載台の形態を厳密に定義付ける趣旨ではなく、あくまで、新型載台の形態を直感的に理解するための便法に過ぎない。よって、「窓付形載台」の窓部は、必ずしも、貫通孔を構成する必要はない。非貫通の窓部については、後述の第1変形例において説明する。
(第1実施形態)
本実施形態の新トラックスケールは、車両の左右両方の車輪が載ることができる載台と、載台を下方から支持する複数のロードセルと、ロードセルからの出力信号を受け取ることができる演算手段と、を備える。載台は、車輪のタイヤ接地面と載台の主面との間の面圧に基づいた荷重がロードセルに伝達しない第1領域と、車輪のタイヤ接地面と載台の主面との間の面圧に基づいた荷重がロードセルに伝達する第2領域と、を備える。演算手段は、車両の左右いずれか一方の車輪のみが第1領域に載ったときのロードセルからの出力信号および車両の左右両方の車輪が第2領域に載ったときのロードセルからの出力信号に基づいて、車両の左右両方の車輪の輪重および/または車両の平面的重心位置を演算する。
かかる構成により、本実施形態の新トラックスケールは、従来のトラックスケールの載台形状を変更するだけで、従来のトラックスケールに、車両の輪重を測定する機能および/または車両の水平面的重心位置を測定する機能を付与することができる。
[新型載台の設計]
以下、窓付形載台20の寸法の設計手法について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の第1実施形態による新トラックスケールにおける窓付形載台の寸法設計の説明に用いる図である。
図1の窓付形載台20の窓部の寸法については、点A,B,C,D,E,Fを頂点とする突出形載台20’(同図の二点鎖線参照)の寸法を基準に設計することができる。そこで、まず、突出形載台20’の寸法設計について図2を参照しながら説明し、その後、窓付形載台20の寸法設計について説明する。
<突出形載台の寸法設計>
図2に示すように、突出形載台20’は、4輪トラック等の車両10の左右両方の車輪11a,11b,12a,12bを積載でき、車両10の前側の車軸13(以下、「第1軸13」と略す場合がある)および後側の車軸14(以下、「第2軸14」と略す場合がある)の軸重測定に用いる軸重測定載台面21を備える。また、突出形載台20’は、車両10の左右いずれか一方の車輪(ここでは、右車輪11a,12a)のみを積載でき、車両の左右いずれか一方の車輪(ここでは、右車輪11a,12a)の輪重測定に用いる輪重測定載台面22も備える。更に、突出形載台20’は、車両10の軸重測定の後、車両の左右両方の車輪11a,11b,12a,12bを全て積載でき、車両10の総重量の測定に用いる総重量測定載台面23も備える。
このような突出形載台20’において、点A,B,G,Fを頂点とする長方板体の主面(おもて面)が輪重測定載台面22を相当し、点E,G,H,I(ラージアイ)を頂点とする長方板体の主面(おもて面)が軸重測定載台面21を相当し、点I,H,C,Dを頂点とする長方板体の主面(おもて面)が総重量測定載台面23を相当している。
ここで、車両10の進入に関して、突出形載台20’の輪重測定載台面22、軸重測定載台面21および総重量測定載台面23が満たすべき要件を検討すると、これは、以下の各要件(1)、(2)、(3)の如く整理できると考えられる。
なお、本明細書において、「載台面」とは載台の最上面をいうものとし、図1の窓付形載台の場合の窓部の如く、載台に形成された空間であっても、載台の主面(おもて面)と同一平面の窓部の領域を最上面として特定できるので、この窓部の最上面20Nを載台面として定義するものとする。
(1)車両の輪重の測定中において、その直後にある車両の車輪が、輪重測定載台面に進入しないこと。
(2)車両の軸重の測定中において、その直後にある車両の車輪が、輪重測定載台面または軸重測定載台面に進入しないこと。
(3)車両の全ての車輪が、総重量測定載台面に載ることができること。
よって、上記要件(1),(2),(3)を基にして、突出形載台20’の寸法を以下の如く設計することができる。
<記号の定義>
まず、図2に用いる記号の意味を、まとめて定義する。
t1:車両10の第1軸13の右車輪11aのタイヤが、輪重測定載台面22に完全に載った時
t3:車両10の第1軸13の左右車輪11a,11bのタイヤが、軸重測定載台面21に完全に載った時
t4:車両10の第1軸13の左右車輪11a,11bのタイヤが、軸重測定載台面21から退避し始める時
S:タイヤ接地長(本例では、タイヤ接地長Sは、全ての車輪11a,11b,12a,12bにおいて同一であると仮定する)
α1:輪重測定余裕量(但し:α1≧0)
α2:軸重測定余裕量(但し:α2≧0)
L:突出形載台20’の全長
L*:相隣る車軸間の距離であって、全測定対象車両中で最小のもの(以下、「最小軸間距離」という)
L1:輪重測定載台面22の車両10の進入方向の寸法
L2:軸重測定載台面21の車両10の進入方向の寸法
β:上記要件(1),(2)を基にした制約条件に用いる変数(β=L*−(L1+L2))
Lt:最前方の車軸と最後方の車軸の間の距離であって、全測定対象車両中で最大のもの
γ:総重量測定余裕量(但し:γ≧0)
図2において、3個の白抜き長方形はそれぞれ、第1軸13(前側の車軸)の両輪11a,11bの接地面を表し、時刻の経過(t1→t3→t4)とともに、上記接地面が移動する様子を示している。また、網掛け長方形は、最小軸間距離L*分離れた第2軸14(後側の車軸)の接地面を表し、時刻t4における上記接地面の位置を示している。
以上により、図2から明らかなとおり、突出形載台20’の寸法設計では、上記要件(1),(2)に基づいて、次式(1)の制約条件を満たす必要がある。
β=L*−(L1+L2)≧0・・・(1)
そして、上記式(1)の制約条件下において、α1、α2が最大となる寸法L1、L2を導くことが、突出形載台20’の最適設計であると理解できる。
そこで、かかる設計指針に基づいて、寸法L1、L2を以下の如く求める。
寸法L1、L2は、図2に示すように、次式(2)の関係で表される。
L1=S+α1
L2=S+α2・・・(2)
式(2)を式(1)に代入すると、次式(3)が得られる。
α1+α2≦L*−2S・・・(3)
車両10が突出形載台20’を等速で移動すると仮定するとき、α1、α2が等しい場合(α1=α2)に、これらが最大値(αMAX)となる寸法L1、L2を導くことが理に適っていると考えられる。よって、ここでは、α1、α2が等しい場合(α1=α2)の寸法L1、L2を決定する方法を述べる。
まず、最小軸間距離L*を、タイヤ接地長Sを用いて、次式(4)で表す。
L*=λS・・・(4)
式(4)を式(3)に代入すると、次式(5)が得られ、α1=α2なので、式(6)となる。
α1+α2≦(λ−2)・S・・・(5)
α1(=α2)≦(λ−2)・S/2・・・(6)
よって、αMAXは、次式(7)で表すことができる。
αMAX=(λ−2)・S/2・・・(7)
以上により、突出形載台20’の寸法L1、L2は、次式(8)で与えられる。
L1=L2=S+αMAX=S+(λ−2)・S/2=λ・S/2・・・(8)
例えば、最小軸間距離L*が、タイヤ接地長Sの3倍程度の場合、式(4)のλは、λ=3となるので、αMAX=S/2、L1=L2=S+αMAX=3S/2、L1+L2=3S、β=0(つまり、輪重測定余裕量α1,軸重測定余裕量α2が最大の場合、βは必然的にゼロとなる)と見積もることができる。
また、図2から明らかなとおり、突出形載台20’の寸法設計では、上記要件(3)に基づいて、次式(9)を満たす必要がある。
L3=S+Lt+γ・・・(9)
よって、突出形載台20’の全長Lは、次式(10)で表すことができる。
L=L1+L3+αMAX・・・(10)
このようにして、寸法L1,L2,L3が決定された突出形載台20’を新トラックスケールの新型載台に用いることにより、全測定対象車両のすべての輪重、軸重、総重量および平面的重心位置を測定できる。
<窓付形載台の寸法設計>
図1に示すように、窓付形載台20は、4輪トラック等の車両10の車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ接地面と窓付形載台20の主面(ここでは、載台面20N)との間の面圧に基づいた荷重が、窓付形載台20の下方に配されたロードセル(図1では図示せず)に伝達しない窓部(第1領域)と、車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ接地面と窓付形載台20の主面(ここでは、載台面20M)との間の面圧に基づいた荷重が、上記ロードセルに伝達する、上記窓部以外の載台に相当する載台本体(第2領域)と、を備える。なお、かかる窓部および載台本体の具体的な構成例については後述する。
窓付形載台20の長手方向(図2の車両10の全長方向)における窓部の幅と位置に関する横幅寸法Lwおよび横離間寸法ΔLの関係は、上記突出形載台20’の寸法L1を基準にして、以下の如く、定めることができる。
まず、横離間寸法ΔLは、窓付形載台20の端部400と窓部の一方の端部401との間の距離に相当する。そこで、この横離間寸法ΔLを、便宜上、タイヤ接地長Sとの関係において次式(11)で規定する。
ΔL=S/k・・・(11)
ただし、kは、窓付形載台20の強度等に考慮して設定される任意の設計パラメータであり、窓付形載台20の構成(例えば、厚み)や材質等に基づいて、窓付形載台20の強度確保の観点から予め適当な値に設定するとよい。
このとき、突出形載台20’の点E,F,Gを結ぶラインと窓部の他方の端部402との間の距離を、図1に示す如く、上記横離間寸法ΔLの半分(ΔL/2)に取るものとする。
すると、上記窓部の横幅寸法Lwおよび横離間寸法ΔLの関係式は、突出形載台20’の寸法L1を用いて、次式(12)で表すことができる。
Lw=L1−ΔL/2・・・(12)
例えば、S=400mm、L1=800mmの場合、k=4を選ぶとすると、ΔL=100mm、Lw=750mmとなる。
一方、窓付形載台20の幅方向(図2の車両の幅方向)における窓部の幅と位置に関する寸法は、新トラックスケールによる輪重、軸重、総重量および平面的重心位置の測定に直接的には影響を与えない。よって、車両10の左右いずれか一方の車輪(ここでは、右車輪11a,12a)のみを窓部の載台面20Nに積載できるよう、図1に示す如く、窓部の下端部403を突出形載台20’の点A,Fを結ぶラインに一致させるとよい。そして、窓付形載台20の強度等を考慮して窓部の縦幅寸法LwV、縦離間距離ΔLvを所望の寸法に設定することができる。例えば、これらの値LwV,ΔLvは窓付形載台20の構成(例えば、厚み)や材質等に基づいて、窓付形載台20の強度確保の観点から適当な値に設定するとよい。
このようにして、以上の各寸法ΔL,Lw,ΔLV,Lwvが決定された窓付形載台20を新トラックスケールの新型載台に用いることにより、全測定対象車両のすべての輪重、軸重、総重量および平面的重心位置を測定できる。
[新トラックスケールの構成]
以下、上記各寸法ΔL,Lw,ΔLV,LwVが決定された窓付形載台20を備える新トラックスケールの構成の一例について図面を参照しながら詳しく説明する。
図3は、本発明の第1実施形態による新トラックスケールの概略構造の一例を示した図である。同図(a)には、新トラックスケールを平面図が示されている。同図(b)には、新トラックスケールの側面図が示されている。
なお、本実施形態では、便宜上、図3において車両10の全長方向を「前」および「後」の方向として図示し、車両10の幅方向を「左」および「右」の方向として図示している。そして、車両10が窓付形載台20に窓付形載台20の「後」から進入し、窓付形載台20の「前」から退出するものして、以下の新トラックスケール100の構成を説明する。よって、以下の説明では、車両10の進入方向を、前後方向と言い換え、車両10の幅方向を左右方向と言い換える場合がある。
図3に示すように、新トラックスケール100は、トラックやトレーラ等の車両10が載ることができる窓付形載台20と、第1ロードセルLC1、第2ロードセルLC2、第3ロードセルLC3および第4ロードセルLC4(以下、これらのロードセルLC1,LC2,LC3,LC4を総称して「ロードセルLC1〜LC4」と略す場合がある)と、を備える。
なお、ここでは、車両10として、車輪11a,11bが装着された前側の車軸13(第1軸13)が運転席の下方に1本、車輪12a,12bが装着された後側の車軸14(第2軸14)が荷台の下方に1本、合計2本の車軸13,14が配された4輪トラックが例示されている。
図3に示すように、窓付形載台20は、車両10の車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ接地面と窓付形載台20の主面(ここでは、載台面20N)との間の面圧に基づいた荷重が、窓付形載台20の下方に配されたロードセルLC1〜LC4に伝達しない窓部150(第1領域)と、車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ接地面と窓付形載台20の主面(ここでは、載台面20M)との間の面圧に基づいた荷重が、上記ロードセルLC1〜LC4に伝達する載台本体160(第2領域)と、を備える。
新トラックスケール100を平面視(図3(a))した場合、設置ベース25の表面には長方形のピット部170が形成されている。そして、図3に示すように、このピット部170に、設置ベース25のピット部170とほぼ同形(若干小さめ)の窓付形載台20が配されている。
なお、本例では、窓付形載台20のうちの矩形の窓部150以外の部分が、載台本体160となっている。つまり、図3(a)に示すように、載台本体160は、前後方向に延びる右端部20Rおよび左端部20Lを長辺とし、左右方向に延びる前端部20Fおよび後端部20Bを短辺とし、全長が、上記の総重量測定余裕量γを確保できる寸法に設定された長方板体となっている。そして、この直方板体の左後方部を、上述の設計寸法ΔL,Lw,ΔLv,Lwvに基づいて矩形の窓形に削り取ることにより、窓部150が直方板体を貫通するようにして形成されている。
また、本例では、新トラックスケール100を平面視(図3(a))した場合、窓部150内には、この窓部150とほぼ同形(若干小さめ)の窓蓋部材26および窓蓋部材26の四隅を支持する4本の支持部材27が設けられている。窓蓋部材26は、図3(b)に示すように、設置ベース25から立設する支持部材27を用いて、載台本体160と同一の高さに下方から支持される。つまり、窓蓋部材26は、窓部150の枠内のピット空間を塞ぐ目的で設けられている部材である。
このようにして、本実施形態では、この窓蓋部材26の主面(おもて面)に車両10の車輪11a,11b,12a,12bが載ったときでも、上記荷重が窓付形載台20の下方に配されたロードセルLC1〜LC4に伝達しないように構成している。
なお、以上の窓付形載台20の構成は一例であり、様々な構成に変更できる。
例えば、窓部150の載台面20Nの形成法は、上記の方法に限らない。他の形成法の詳細は、第1変形例において述べる。
また、窓部150の形状は必ずしも矩形でなくてもよい。例えば、この窓部150の寸法を上記窓付形載台の設計手法に基づいて決定すれば、他の形状(例えば、窓部の角を面取りしたような多角形状等)であってもよい。
図3に示すように、4個のロードセルLC1〜LC4はそれぞれ、窓付形載台20の載台本体160の四隅近傍において窓付形載台20の下方の設置ベース25上に配されている。
詳しくは、第1ロードセルLC1と第3ロードセルLC3は、載台本体160の後端部20Bの近傍において後端部20Bと平行な直線上に一定間隔(寸法b;例えば、図9および図10参照)を隔てて並び、第2ロードセルLC2と第4ロードセルLC4は、載台本体160の前端部20Fの近傍において前端部20Fと平行な直線上に上記一定間隔と同じ間隔(寸法b;例えば、図9および図10参照)を隔てて並んでいる。
一方、第1ロードセルLC1と第2ロードセルLC2は、載台本体160の左端部20Lの近傍において左端部20Lと平行な直線上に一定間隔(寸法a;例えば、図11および図12参照)を隔てて並び、第3ロードセルLC3と第4ロードセルLC4は、載台本体160の右端部20Rの近傍において右端部20Rと平行な直線上に上記一定間隔と同じ間隔(寸法a;例えば、図11および図12参照)を隔てて並んでいる。
以上より、窓付形載台20の載台本体160が、図3(b)に示すように、設置ベース25上のロードセルLC1〜LC4を用いて、窓付形載台20の窓蓋部材26と同一の高さに下方から支持されている。これにより、この載台本体160の主面(おもて面)に車両10の車輪11a,11b,12a,12bが載ったとき、上記荷重を窓付形載台20の下方に配されたロードセルLC1〜LC4に伝達できる。
このように、本実施形態の新トラックスケール100の特徴は、窓付形載台20が、車両10の車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ接地面と窓付形載台20の主面との間の面圧に基づいた荷重がロードセルLC1〜LC4に伝達しない領域を備えることにある。そして、本実施形態の新トラックスケール100では、上記特徴により、従来のトラックスケールに、車両10の軸重および総重量を測定する機能の他、車両10の輪重および水平面的重心位置を測定する機能を付与することができるが、その詳細は後述する。
[新トラックスケールの制御系の構成]
図4は、図3の新トラックスケールの制御系の構成の一例を示したブロック図である。また、図5は、図4の新トラックスケールの制御装置の機能ブロック図である。
図4に示すように、新トラックスケール100は、制御装置40と、操作装置41と、表示装置42とを備える。
制御装置40は、例えば、ロードセルLC1〜LC4のそれぞれに対応する複数(ここでは、4個)の増幅器43および複数(ここでは、4個)のローパスフィルタ44と、マルチプレクサ45と、A/D変換器46と、I/O回路47と、メモリ48と、演算器49とを備える。
増幅器43は、ロードセルLC1〜LC4から送信される信号をA/D変換可能な大きさに増幅して送り出す機能を備える。
ローパスフィルタ44は、低域周波数のみを信号として通過させる機能を備える。
マルチプレクサ45は、ローパスフィルタ44のそれぞれから送信される複数の信号を、演算器49からの選択制御信号の指令に基づいて選択的に送り出す機能を備える。
A/D変換器46は、マルチプレクサ45からのアナログ信号をデジタル信号に変換する機能を備える。
I/O回路47は、A/D変換器46と、操作装置41と、表示装置42と、メモリ48と、演算器49との間で各種の信号やデータの受け渡しを行う機能を備える。
メモリ48は、例えば、PROMやRAM等で構成され、所定プログラムや基本データ等を長期的に記憶したり、種々のデータや演算用数値などを一時的に記憶したりする機能を備える。
演算器49は、例えば、マイクロプロセッサ(MPU)等の処理装置で構成され、メモリ48に格納されている所定プログラムの指示に従って、必要な信号をI/O回路47を介して受け取り、必要なデータをメモリ48から受け取り、受け取った信号やデータに基づいて演算を実行する機能を備える。
操作装置41は、操作スイッチや数値キー等を備え、測定開始・終了の動作や零点調整動作、使用モードの切り換え動作、数値設定動作などの種々の動作の際に用いられる。
表示装置42は、例えば、液晶ディスプレイパネル等で構成され、測定結果や各種データの入出力画面などが表示される。
[新トラックスケールの制御系の処理動作]
新トラックスケール100の制御系においては、各ロードセルLC1〜LC4の出力信号が、増幅器43、ローパスフィルタ44、マルチプレクサ45、A/D変換器46およびI/O回路47を経由して演算器49に送られる。演算器49は、メモリ48に格納されている所定プログラムに従って、I/O回路47からの信号を取り込み、メモリ48に記憶されている種々のデータを読み込む。
これにより、演算器49は、これらの信号やデータに基づいて車両10の運転を支援できる様々な有益な積載状態量の演算を行い、この演算結果は表示装置42に表示される。
そして、本実施形態の新トラックスケール100では、制御装置40において、所定プログラムが演算器49で実行されることにより、図5に示すように、車両10の車輪11a,11b,12a,12bの輪重を演算する輪重演算部51、車両10の水平面的重心位置を演算する重心位置演算部52、車両10の総重量を演算する総重量演算部53、車両10の車軸13、14の軸重を演算する軸重演算部54、表示信号生成部55のそれぞれの機能が実現される。
なお、制御装置40は、必ずしも、単独の演算器49で構成される必要はなく、複数の演算器が分散配置されていて、それらが協働して新トラックスケール100の動作を制御するよう構成されていてもよい。例えば、輪重演算部51の機能、重心位置演算部52の機能、総重量演算部53の機能および軸重演算部54の機能を、ここでは、単一の演算器49を用いて実現している例が示されているが、これらの機能を別個の演算器(MPU)を用いて実現してもよい。
そこで、以下、新トラックスケール100の輪重演算部51、重心位置演算部52、総重量演算部53および軸重演算部54のそれぞれの機能について順を追って説明する。なお、表示信号生成部55の機能は公知である。よって、表示信号生成部55の機能説明は、ここでは、省略する。
[記号の定義]
まず、以下の説明およびこれに関連する図面に用いる記号の意味を、まとめて定義する。
<車両関連>
X軸:車両10の幅方向の中心位置を通り全長方向に延びる中央線
Y軸:車両10の第1軸13に沿った直線
O(ラージオー):X軸とY軸との交点
WR1:車両10の第1軸13の右車輪11aの輪重
WL1:車両10の第1軸13の左車輪11bの輪重
WR2:車両10の第2軸14の右車輪12aの輪重
WL2:車両10の第2軸14の左車輪12bの輪重
W1:第1軸13の軸重
W2:第2軸14の軸重
W:車両10の総重量
G:車両10の重心
XG:直交座標系O−XYにおける車両10の全長方向の重心位置
YG:直交座標系O−XYにおける車両10の幅方向の重心位置
B1:車両10の第1軸13のトレッド間隔
B2:車両10の第2軸14のトレッド間隔
l(スモールエル)12:第1軸13と第2軸14との間の距離(軸間距離)
S:タイヤ接地長(本実施形態では、タイヤ接地長Sは、全ての車輪11a,11b,12a,12bにおいて同一であると仮定する。)
<ロードセル関連>
P1:第1ロードセルLC1の出力
P2:第2ロードセルLC2の出力
P3:第3ロードセルLC3の出力
P4:第4ロードセルLC4の出力
P12:第1ロードセルLC1および第2ロードセルLC2の出力の和
(P12=P1+P2)
P13:第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3の出力の和
(P13=P1+P3)
P24:第2ロードセルLC2および第4ロードセルLC4の出力の和
(P24=P2+P4)
P34:第3ロードセルLC3および第4ロードセルLC4の出力の和
(P34=P3+P4)
P:全てのロードセルLC1〜LC4の出力の総和
(P=P1+P2+P3+P4)
a:第1ロードセルLC1と第2ロードセルLC2との中心間距離(第3ロードセルLC3と第4ロードセルLC4との中心間距離)
Δa:載台本体160の後端部20Bと第1ロードセルLC1の中心との距離(載台本体160の後端部20Bと第3ロードセルLC3の中心との距離)
b:第1ロードセルLC1と第3ロードセルLC3との中心間距離(第2ロードセルLC2と第4ロードセルLC4との中心間距離)
b1:第1ロードセルLC1の中心と第1軸13の輪重WL1の作用点との距離
b1´:第3ロードセルLC3の中心と第1軸13の輪重WR1の作用点との距離
b2:第1ロードセルLC1の中心と第2軸14の輪重WL2の作用点との距離
b2´:第3ロードセルLC3の中心と第2軸14の輪重WR2の作用点との距離
なお、上記記号のうち、距離a,b,Δaは、既知の値(ロードセルLC1〜LC4の配置に依存する固定値)であり、これらの値は予めメモリ48に記憶されている。
<窓付形載台関連>
L:載台本体160の全長
Lw:窓部150の横幅寸法
ΔL:窓部150の横離間寸法
なお、上記距離L,Lw,ΔLは、既知の値(窓付形載台20の形状に依存する固定値)であり、これらの値は予めメモリ48に記憶されている。
<ロードセルの出力波形関連>
図6に示すように、車両10の第1軸13(第2軸14も同じ)の左車輪11bのタイヤでは、載台本体160および窓蓋部材26においてタイヤ接地面30が生じ、タイヤにはタイヤ接地長Sが存在する。よって、車両10が窓付形載台20上を移動するとき、ロードセルLC1〜LC4の出力Pの出力波形には、複数個の折点が表れ(例えば、図7(b)および図8参照)、これらの出力波形の折点に対応する時刻t0,t1,t2,t3,t4,t5,t6,t7,t8は、以下のように定義できる。
t0:第1軸13の左右車輪11a,11bのタイヤが、設置ベース25から載台本体160に載り込み始める時
t1:第1軸13の左車輪11bのタイヤが、窓蓋部材26に完全に載った時
t2:第1軸13の左車輪11bのタイヤが、窓蓋部材26から載台本体160に再び載り込み始める時
t3:第1軸13の左車輪11bのタイヤが、載台本体160に完全に載った時
t4:第2軸14の左右車輪12a,12bのタイヤが、設置ベース25から載台本体160に載り込み始める時
t5:第2軸14の左車輪12bのタイヤが、窓蓋部材26に完全に載った時
t6:第2軸14の左車輪12bのタイヤが、窓蓋部材26から載台本体160に再び載り込み始める時
t7:第2軸14の左車輪12bのタイヤが、載台本体160に完全に載った時
t8:第1軸13の左右車輪11a,11bのタイヤが、載台本体160から設置ベース25に降り始める時
[輪重演算部の機能]
以下、新トラックスケール100の輪重演算部51の機能について説明する。
図7および図8は、図5の輪重演算部による車両の輪重導出の説明、図5の軸重演算部による車両の軸重導出の説明および図5の総重量演算部による車両の総重量導出の説明に用いる概略図である。図7および図8では、窓付形載台20における第1軸13の位置と、全てのロードセルLC1〜LC4の出力の総和であるP(x)(=P1(x)+P2(x)+P3(x)+P4(x))との間の関係が示されている。図7中のP(x)は、第1軸13が、窓付形載台20上を移動するときのグラフであり(対一軸応答)、図8中のP(x)は、第1軸13および第2軸14の両方が、窓付形載台20上を移動するときのグラフである(対二軸応答)。
車両10の第1軸13の輪重WR1,WL1および第2軸14の輪重WR2,WL2を導くには、車両10が窓付形載台20上を移動する場合のロードセルLC1〜LC4の出力波形(時間波形)の意味を知る必要がある。
そこで、まず、ロードセルLC1〜LC4の出力波形について説明する。
図7(b)は、図1の車両の第1軸の両車輪が窓付形載台に移動するときの、ロードセルLC1〜LC4の出力波形(時間波形)を表した図である。詳しくは、第1軸13の左右車輪11a,11bのタイヤが載台本体160に載り込み始める時の第1軸13の位置(タイヤ中心線位置)をx軸の原点(x=0)とし、同位置を横軸に取り、全てのロードセルLC1〜LC4の出力の総和であるP(x)(=P1(x)+P2(x)+P3(x)+P4(x))の出力波形を縦軸に取って、両者の関係が示されている。
なお、図7では、上記出力波形の意味を理解容易にする趣旨で、上記x軸の位置に対応付けて、車両10の第1軸13の左右車輪11a,11bのタイヤが載台本体160に載り込み始める様子が併記されている。但し、ここでは、輪重演算部51による車両10の輪重導出を理解することが目的なので、本導出法に直接関係しない新トラックスケール100の構成の図示は、便宜上、省略ないし簡略化されている。例えば、設置ベース25(図1参照)の図示は省略されている。また、車両10の構成の図示は、第1軸13をそのタイヤ中心線で略記する等、適宜、簡略化されている。更に、窓付形載台20の各部の大小関係については図面を容易に作成できるように、適宜、改変している。
図7(b)および図8のP(x)の出力波形は、以下の如く理解できる。
図7(a)に示すように、第1軸13の左右車輪11a,11bのタイヤが、設置ベース25(図3参照)から載台本体160に載り込み始める時(時刻t0)、P(x)の出力波形は立ち上がり始め、第1軸13の左車輪11bのタイヤが、窓蓋部材26上に載り込む場合の適時に減少に転じる。そして、第1軸13の左車輪11bのタイヤが、窓蓋部材26に完全に載った時(時刻t1)、上記出力波形の値は一定となる。この場合、P(x)の出力値が第1軸13の輪重WR1に相当する。
なお、このとき、車両10の第1軸13の左右車輪11a,11bのタイヤと窓付形載台20との間でタイヤ接地面30が生じるが、第1軸13の左右車輪11a,11bの輪重WR1,WL1がタイヤ接地面30に等分布荷重として作用すると仮定する場合、上記出力波形の立ち上がりプロファイルは、図7(b)に示す如くほぼ折線状となる。また、時刻t0に対応するx軸の位置と、時刻t1に対応するx軸の位置との間の距離は、タイヤ接地長Sに、窓部150の横離間寸法ΔLを足した値に等しくなる。
次いで、第1軸13の左車輪11bのタイヤが、窓蓋部材26から載台本体160に再び載り込み始める時(時刻t2)、P(x)の出力波形は、再び立ち上がり始め、第1軸13の左車輪11bのタイヤが、載台本体160に完全に載った時(時刻t3)、上記出力波形の値は一定となる。この場合、P(x)の出力値が第1軸13の軸重W1(=WR1+WL1)に相当する。
なお、このとき、車両10の第1軸13の左右車輪11a,11bのタイヤと窓付形載台20との間でタイヤ接地面30が生じるが、第1軸13の左右車輪11a,11bの輪重WR1,WL1がタイヤ接地面30に等分布荷重として作用すると仮定する場合、上記出力波形の立ち上がりプロファイルは、図7(b)に示す如くほぼ折線状となる。また、時刻t0に対応するx軸の位置と、時刻t3に対応するx軸の位置との間の距離は、タイヤ接地長Sに、窓部150の横離間寸法ΔLおよび横幅寸法Lwを足した値に等しくなる。
一方、図8に示すように、第2軸14の左右車輪12a,12bのタイヤが、設置ベース25から載台本体160に載り込み始める時(時刻t4)、P(x)の出力波形は、再び立ち上がり始め、第2軸14の左車輪12bのタイヤが、窓蓋部材26上に載り込む場合の適時に減少に転じる。そして、第2軸14の左車輪12bのタイヤが、窓蓋部材26に完全に載った時(時刻t5)、上記出力波形の値は一定となる。この場合、P(x)の出力値が、第1軸13の軸重W1に、第2軸14の輪重WR1を足した値に相当する。
なお、このとき、車両10の第2軸14の左右車輪12a,12bのタイヤと窓付形載台20との間でタイヤ接地面30が生じるが、第2軸14の左右車輪12a,12bの輪重WR2,WL2がタイヤ接地面30に等分布荷重として作用すると仮定する場合、上記出力波形の立ち上がりプロファイルは、図8に示す如くほぼ折線状となる。また、時刻t0に対応するx軸の位置と、時刻t5に対応するx軸の位置との間の距離は、タイヤ接地長Sに、窓部150の横離間寸法ΔLおよび軸間距離l12を足した値に等しくなる。
次いで、第2軸14の左車輪12bのタイヤが、窓蓋部材26から載台本体160に再び載り込み始める時(時刻t6)、P(x)の出力波形は、再び立ち上がり始め、第2軸13の左車輪12bのタイヤが、載台本体160に完全に載った時上記出力波形の値は一定となる。この場合、P(x)の出力値が第1軸13の軸重W1に、第2軸14の輪重WR2,WL2を足した値に相当する。
なお、このとき、車両10の第2軸14の左右車輪12a,12bのタイヤと窓付形載台20との間でタイヤ接地面30が生じるが、第2軸14の左右車輪12a,12bの輪重WR2,WL2がタイヤ接地面30に等分布荷重として作用すると仮定する場合、上記出力波形の立ち上がりプロファイルは、図8に示す如くほぼ折線状となる。また、時刻t0に対応するx軸の位置と、時刻t7に対応するx軸の位置との間の距離は、タイヤ接地長Sに、窓部150の横離間寸法ΔL、窓部150の横幅寸法Lwおよび軸間距離l12を足した値に等しくなる。
次いで、第1軸13の左右車輪11a,11bのタイヤが、載台本体160から設置ベース25に降り始める時(時刻t8)、P(x)の出力波形は減少に転じる。
以上により、時間区間[t1,t2]におけるP(t)は、車両10の第1軸13の右車輪11aのみが載台本体160上に載ったときのロードセルLC1〜LC4からの出力信号(荷重信号)の総和に対応し、この値は、第1軸13の輪重WR1に相当する。
よって、第1軸13の輪重WR1は以下の式(13)によって求めることができる。
輪重WR1=P(t)・・・(13)
ただし、式(13)において、tは時間区間[t1,t2]内の時刻(t1≦t≦t2)である。
また、時間区間[t3,t4]におけるP(t)は、車両10の第1軸13の両車輪11a,11bが軸重測定載台面21に載ったときのロードセルLC1〜LC4からの出力信号(荷重信号)の総和に対応し、この値は、第1軸13の軸重W1(=WL1+WR1)に相当する。
よって、第1軸13の輪重WL1は以下の式(14)によって求めることができる。
輪重WL1=P(t)−WR1=W1−WR1・・・(14)
ただし、式(14)において、tは時間区間[t3,t4]内の時刻(t3≦t≦t4)である。
また、時間区間[t5,t6]におけるP(t)は、車両10の第1軸13の両車輪11a,11bおよび第2軸14の右車輪12aのみが載台本体160に載ったときのロードセルLC1〜LC4からの出力信号(荷重信号)の総和に対応し、この値は、第1軸13の軸重W1に、第2軸14の右車輪12aの輪重WR2を足した値に相当する。
よって、第2軸14の輪重WR2は以下の式(15)によって求めることができる。
輪重WR2=P(t)−W1・・・(15)
ただし、式(15)において、tは時間区間[t5,t6]内の時刻(t5≦t≦t6)である。
また、時間区間[t7,t8]におけるP(t)は、車両10の第1軸13の両車輪11a,11bおよび第2軸14の両車輪12a,12bが載台本体160に載ったときのロードセルLC1〜LC4からの出力信号(荷重信号)の総和に対応し、この値は、第1軸13の軸重W1に、第2軸14の左右車輪12aの輪重WR2,WL2を足した値に相当する。
よって、第2軸14の輪重WL2は以下の式(16)によって求めることができる。
輪重WR2=P(t)−(W1+WR2)・・・(16)
ただし、式(16)において、tは時間区間[t7,t8]内の時刻(t7≦t≦t8)である。
以上により、本実施形態の新トラックスケール100は、輪重演算部51が、上記式(13)および式(14)を用いて、車両10の第1軸13の輪重WR1、WL1を演算することができる。また、輪重演算部51が、上記式(15)および式(16)を用いて、車両10の第2軸14の輪重WR2、WL2を演算することができる。
[軸重演算部の機能]
以下、新トラックスケール100の軸重演算部54の機能について説明する。
上記のとおり、時間区間[t3,t4]におけるP(t)は、車両10の第1軸13の両車輪11a,11bが載台本体160に載ったときのロードセルLC1〜LC4からの出力信号(荷重信号)の総和に対応し、この値は、第1軸13の軸重W1に相当する。
よって、車両10の第1軸13の軸重W1は以下の式(17)によって求めることができる。
軸重W1=P(t)・・・(17)
ただし、式(17)において、tは時間区間[t3,t4]内の時刻(t3≦t≦t4)である。
また、上記のとおり、時間区間[t7,t8]におけるP(t)は、車両10の第1軸13の両車輪11a,11bおよび第2軸14の両車輪12a,12bが載台本体160に載ったときのロードセルLC1〜LC4からの出力信号(荷重信号)の総和に対応し、この値は、第1軸13の軸重W1に、第2軸14の軸重W2を足した値に相当する。
よって、車両10の第2軸14の軸重W2は以下の式(18)によって求めることができる。
軸重W2=P(t)−W1・・・(18)
ただし、式(18)において、tは時間区間[t7,t8]内の時刻(t7≦t≦t8)である。
以上により、本実施形態の新トラックスケール100は、軸重演算部54が、上記式(17)を用いて車両10の第1軸13の軸重W1を演算することができる。また、軸重演算部54が、上記式(18)を用いて車両10の第2軸14の軸重W2を演算することができる。
[総重量演算部の機能]
以下、新トラックスケール100の総重量演算部53の機能について説明する。
上記のとおり、時間区間[t7,t8]におけるP(t)は、車両10の第1軸13の両車輪11a,11bおよび第2軸14の両車輪12a,12bが載台本体160に載ったときのロードセルLC1〜LC4からの出力信号(荷重信号)の総和に対応し、この値は、車両10の総重量Wに相当する。
よって、車両10の総重量Wは以下の式(19)によって求めることができる。
W=P(t)・・・(19)
ただし、式(19)において、tは時間区間[t7,t8]内の時刻(t7≦t≦t8)である。
以上により、本実施形態の新トラックスケール100は、総重量演算部53が、上記式(19)を用いて車両10の総重量Wを演算することができる。
[重心位置演算部の機能]
以下、新トラックスケール100の重心位置演算部52の機能について説明する。
<水平面的重心位置(XG,YG)の説明>
まず、車両10の水平面的重心位置(XG,YG)の内容について図面を参照しながら説明する。
図9は、図3の重心位置演算部による車両の水平面的重心位置の導出の説明に用いる図である。
図9に示すように、本実施形態の新トラックスケール100では、車両10の重心Gの位置の定式化において、車両10の幅方向の中心位置を通り全長方向に延びる車両中央線に沿ってX軸を定め、第1軸13に沿ってY軸を定め、X軸とY軸との交点に原点Oを取っている。
つまり、本実施形態の新トラックスケール100では、直交座標系O−XYを基準にして、車両の重心Gの位置に相当する水平面的重心位置(XG,YG)を求めることに特徴がある。このように、直交座標系O−XYを用いることによって、重心Gの位置を以下の如く簡易に定式化することができる。
<座標YGの導出法>
図9に示すように、座標YGは、直交座標系O−XYにおける車両幅方向の重心位置を表している。
ここで、モーメントのつりあいの式から座標YGは、次式(20)で表わすことができる。
YG={B1(WL1−WR1)+B2(WL2−WR2)}/2W・・・(20)
式(20)において、車両10の第1軸13のトレッド間隔B1および車両10の第2軸14のトレッド間隔B2を求めることができると、同式に基づいて座標YGを演算できる。
そこで、トレッド間隔B1,B2の求め方について、以下に詳述する。
なお、これらのトレッド間隔B1,B2を求めるに当たって、次の計算上の仮定を置く。
『仮定:窓付形載台20上の車両10の輪重WR1,WL1の作用点のロードセルLC1〜LC4の位置に対する幅方向の相対位置は、車両10の移動に関係なく一定である。』
トレッド間隔B 1 の求め方
モーメントのつりあいの式から距離b1´は、次式(21)で表すことができる。
b1´=b・P12(t)/WR1・・・(21)
ただし、式(21)において、P12(t)=P1(t)+P2(t)であり、tは時間区間[t1,t2]内の時刻(t1≦t≦t2)である。
また、以下のモーメントのつりあいの式(22)が成立し、その結果、次式(23)が得られる。
b・P12(t)−b1´・WR1−WL1・(b−b1)=0・・・(22)
b1=b−(b・P12(t)−b1´・WR1)/WL1 ・・・(23)
ただし、式(22)および式(23)において、P12(t)=P1(t)+P2(t)であり、tは時間区間[t3,t4]内の時刻(t3≦t≦t4)である。
そして、トレッド間隔B1は、距離b,b1,b1´との間において、次式(24)の幾何学的関係が成り立つので、既知の値である距離bおよび上記式(23)および式(21)を用いて導くことができる距離b1,b1´をそれぞれ、式(24)に代入することにより、トレッド間隔B1を演算することができる。
B1=b−(b1+b1´)・・・(24)
トレッド間隔B 2 の求め方
まず、車両10の第2軸14の左車輪12bが、窓付形載台20の窓部26に載り込む前後において、窓付形載台20を全長方向(前後方向)から見た場合の窓付形載台20に作用する力(輪重に基づく荷重力およびロードセルからの反力)の変化を考える。
図10(a)では、車両10の第1軸13の両車輪11a,11bが、窓付形載台20の載台本体160に載り込んだときの窓付形載台20を、その全長方向(前後方向)から見た場合の窓付形載台20に作用する力が示されている。また、図10(b)では、車両10の第1軸13の両車輪11a,11bが、窓付形載台20の載台本体160に載り込み、車両10の第2軸14の左車輪12bが、窓付形載台20の窓部26に載り込んだときの窓付形載台20をその全長方向(前後方向)から見た場合の窓付形載台20に作用する力が示されている。
そして、上記の仮定を置くとき、輪重WR1が作用する位置および輪重WL1が作用する位置は、図10(a)の窓付形載台20上でも図10(b)の窓付形載台20上でも、窓付形載台20をその全長方向から見た場合は変化せずに、これらが作用する位置は、窓付形載台20の同方向において同じであるはずである。
すると、時間区間[t3,t4]におけるP12(t)と、時間区間[t5,t6]におけるP12(t)との間の差は、輪重WR2の作用のみによって生じるものと考えられる。
よって、第3ロードセルLC3および第4ロードセルLC4を結ぶ直線のまわりのモーメントのつりあいの式から、距離b2´は、次式(25)で表すことができ、同式に基づいて距離b2´を演算できる。
b2´=b・ΔP12´/WR2・・・(25)
ただし、式(25)において、ΔP12´は、時間区間[t5,t6]におけるP12(t)(=P1(t)+P2(t))の値から時間区間[t3,t4]におけるP12(t)(=P1(t)+P2(t))の値を引いた値である。
次に、車両10の第2軸14の左車輪12bが、窓付形載台20の窓部26から載台本体160に載り込む前後において、窓付形載台20を全長方向(前後方向)から見た場合の窓付形載台20に作用する力(輪重に基づく荷重力およびロードセルからの反力)の変化を考える。
図10(b)では、車両10の第1軸13の両車輪11a,11bが窓付形載台20の載台本体160に載り込み、車両10の第2軸14の左車輪12bが、窓付形載台20の窓部26に載り込んだときの窓付形載台20を全長方向(前後方向)から見た場合の窓付形載台20に作用する力が示されている。また、図10(c)では、車両10の第1軸13の両車輪11a,11bおよび車両10の第2軸14の両車輪12a,12bが、窓付形載台20の載台本体160に載り込んだときの窓付形載台20を全長方向(前後方向)から見た場合の窓付形載台20に作用する力が示されている。
この場合、上記説明から理解できるとおり、時間区間[t5,t6]におけるP12(t)と、時間区間[t7,t8]におけるP12(t)との間の差は、輪重WL2の作用のみによって生じるものと考えられる。
よって、第3ロードセルLC3および第4ロードセルLC4を結ぶ直線のまわりのモーメントのつりあいの式から、距離b2は、次式(26)で表すことができ、同式に基づいて距離b2を演算できる。
b2=b−b・ΔP12/WL2・・・(26)
ただし、式(26)において、ΔP12は、時間区間[t7,t8]におけるP12(t)(=P1(t)+P2(t))の値から時間区間[t5,t6]におけるP12(t)(=P1(t)+P2(t))の値を引いた値である。
そして、トレッド間隔B2は、距離b,b2,b2´との間において、次式(27)の幾何学的関係が成り立つので、既知の値である距離bおよび上記式(26)および式(25)から得られる距離b2,b2´をそれぞれ、式(27)に代入することにより、トレッド間隔B2を演算することができる。
B2=b−(b2+b2´)・・・(27)
以上により、本実施形態の新トラックスケール100では、トレッド間隔B1,B2を演算できる。その結果、新トラックスケール100の重心位置演算部52は、車両10のトレッド間隔B1,B2、輪重WR1,WL1,WR2,WL2および総重量Wの取得に基づいて、式(20)を用いて車両10の重心Gの座標YGを演算することができる。
<座標XGの導出法>
図9に示すように、座標XGは、直交座標系O−XYにおける車両全長方向の重心位置を表している。
なお、ここで、図9のY軸は、車両10の第1軸13の中心線を載台本体160の表面(おもて面)に投影した直線上に設定される。一般に、重心GはY軸の左側(直交座標系O−XYで言うと、第二象限および第三象限のうちのいずれか)に存在するので、重心Gの座標XGの値は、通常、負である。
ここで、図11に示すように、車両10の第1軸13の両車輪11a,11bおよび第2軸14の両車輪12a,12bが、窓付形載台20の載台本体160に載り込んだときの窓付形載台20を、その幅方向(左右方向)から見た場合の窓付形載台20に作用する力(軸重に基づく荷重力およびロードセルからの反力)のつりあいを考える。
すると、モーメントのつりあいの式から座標XGは、次式(28)で表わすことができる。
XG=−W2・l12/W・・・(28)
ただし、式(28)において、WおよびW2はそれぞれ、車両10の総重量および第2軸14の軸重である。よって、車両10の軸間距離l12を導くことができると、同式に基づいて座標XGを演算できる。
なお、式(28)の関係が得られる図11の状態は、車両10の軸重W1,W2が窓付形載台20に作用している状態、つまり、時間区間[t7,t8]のときの状態である。車両10は、この状態のとき、窓付形載台20上に静止してもよいし、窓付形載台20上を移動してもよい。
車両10を載台10上に静止させた状態で重心位置演算部52の演算が行われる場合、車両10からのロードセルLC1〜LC4への振動の伝達が抑制されるので、重心位置演算部52の演算精度を向上できる。
逆に、車両10を窓付形載台20上で移動させた状態で重心位置演算部52の演算が行われる場合、重心位置演算部52の演算を効率的に行うことができる。
軸間距離l 12 の求め方
車両10の軸間距離l12を導くには、車両10が窓付形載台20上を移動する場合の、P13(x)(=P1(x)+P3(x))の出力波形(時間波形)の折点の意味を知る必要がある。
そこで、P13(x)の出力波形の折点について説明する。P13(x)の出力波形(各プロファイルの変化)は、第2ロードセルLC2および第4ロードセルLC4を結ぶ直線のまわりのモーメントのつりあい式に基づいて理解できる。
図12は、図1の車両の第1軸の両車輪が窓付形載台に載り込むときの、ロードセルの出力波形(時間波形)を表した図である。
詳しくは、図12(b)には、第1軸13の左右車輪11a,11bのタイヤが載台本体160に載り込み始める時の第1軸13の位置(タイヤ中心線位置)をx軸の原点(x=0)とし、同位置を横軸に取り、第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3の出力の和であるP13(x)(=P1(x)+P3(x))の出力波形を縦軸に取って、両者の関係が示されている。
また、図12では、上記出力波形の折点の意味を理解容易にする趣旨で、上記x軸の位置に対応付けて、車両10の第1軸13(但し、第1軸13の中心線のみ図示)および両車輪11a,11bが窓付形載台20上を動く様子、並びに、車両10の第2軸14(但し、第2軸14の中心線のみ図示)および両車輪12a,12bが窓付形載台20の端部に差し掛かったときの様子が、併記されている。
図12(b)に示すように、第1軸13の左右車輪11a,11bのタイヤが、載台本体160に載り込み始める時(時刻t0)、P13(x)の出力波形は立ち上がり始め、第1軸13の左車輪11bのタイヤが、窓蓋部材26上に載り込む場合、複数の折点において傾きが変わる。そして、第1軸13の左車輪11bのタイヤが、窓蓋部材26から載台本体160に完全に載った時(時刻t3)、図12(b)に示す如く折点G1が形成され、この折点G1に対応するP13(x)の出力値をW*とする。なお、時刻t3は、図8のP(x)(=P1(x)+P2(x)+P3(x)+P4(x))の出力波形の変化に基づいて容易に知ることができ、その結果、W*を特定することができる。
次いで、図12(b)に示すように、第2軸14の左右車輪12a,12bのタイヤが、設置ベース25から載台本体160に載り込み始める時(時刻t4)までの間、P13(x)の出力波形は線形的に減少する。このとき、P13(x)の出力値が第1軸13の軸重W1の半分(W1/2)となる時刻(時刻tc)は、第1軸13の左右車輪11a,11bのタイヤが、載台本体160上において、第1ロードセルLC1と第2ロードセルLC2との間の中央点Gcに丁度、到達した時に相当する。よって、この時刻tcは、既知の軸重W1に基づいて特定することができる。
次いで、図12(b)に示すように、第2軸14の左右車輪12a,12bのタイヤが、設置ベース25から載台本体160に載り込み始める時(時刻t4)、図12(b)に示す如く折点G2が形成され、この折点G2に対応するP13(x)の出力値をW**とする。なお、時刻t4は、図8のP(x)(=P1(x)+P2(x)+P3(x)+P4(x))の出力波形の変化に基づいて容易に知ることができ、その結果、W**を特定することができる。
このとき、第1軸13のP13(x)への寄与分K1は、図12(b)の点線参照で示す如く、第1軸13が第2ロードセルLC2および第4ロードセルLC4を結ぶ直線上に到達したときに(x軸=x3のときに)、ゼロとなる。
図12に示すように、折点G1に対応するx軸上の位置X1と第4ロードセルLC4(第2ロードセルLC2)のx軸上の位置X3との間の距離は、第1ロードセルLC1(第3ロードセルLC3)と第2ロードセルLC2(第4ロードセルLC4)との中心間距離a、載台本体160の後端部20Bと第1ロードセルLC1(第3ロードセルLC3)の中心との距離Δa、タイヤ接地長S、窓部150の横幅寸法Lwおよび窓部150の横離間寸法ΔLを用いて窓付形載台20の幾何学的関係により、寸法(a+Δa−ΔL−Lw−S/2)と表すことができる。
また、中央点Gcに対応するx軸上の位置Xcと第4ロードセルLC4(第2ロードセルLC2)のx軸上の位置X3との間の距離は、上記のとおり、窓付形載台20の幾何学的関係により、寸法(a/2)と表すことができる。
また、折点G2に対応するx軸上の位置X2と第4ロードセルLC4(第2ロードセルLC2)のx軸上の位置X3との間の距離は、第1ロードセルLC1(第3ロードセルLC3)と第2ロードセルLC2(第4ロードセルLC4)との中心間距離a、載台本体160の後端部20Bと第1ロードセルLC1(第3ロードセルLC3)の中心との距離Δa、タイヤ接地長S、窓部150の横幅寸法Lwおよび軸間距離l12を用いて窓付形載台20の幾何学的関係により、寸法(a+Δa+S/2−l12)と表すことができる。
以上により、車両10の軸間距離l12は、図12の幾何学的関係に基づいて以下の如く導くことができる。
まず、図12(b)上の折点G1および座標位置X1,X3を頂点とする直角三角形と、折点G2および座標位置X2,X3を頂点とする直角三角形と、に着目する。すると、これらの直角三角形の間の相似関係を用いて、以下の関係式(29)が得られる。
W*/(a+Δa−ΔL−Lw−S/2)=W**/(a+Δa+S/2−l12)
・・・(29)
よって、式(29)を変形すると、軸間距離l12は、次式(30)で表すことができる。
l12=a+Δa+S/2+W**/W*・(a+Δa−ΔL−Lw−S/2)
・・・(30)
ただし、式(30)において、寸法a,Δa,ΔL,Lwは既知の値である。また、W*およびW**はそれぞれ、図12(b)に示すように、P13の極値として導くことができ、これらの値も既知である。よって、タイヤ接地長Sの値を知ることにより、軸間距離l12を導くことができる。
そこで、図12(b)上の折点G1および座標位置X1,X3を頂点とする直角三角形と、中央点Gcおよび座標位置Xc,X3を頂点とする直角三角形と、に着目する。すると、これらの直角三角形の間の相似関係を用いて、以下の関係式(31)が得られる。
W*/(a+Δa−ΔL−Lw−S/2)=W1/a ・・・(31)
よって、式(31)を変形すると、タイヤ接地長Sは、次式(32)で表すことができる。
S=2(a+Δa−ΔL−Lw)−2a・W*/W1 ・・・(32)
ただし、式(32)において、距離a,Δa,ΔL,Lwは既知の値である。W1は、車両10の第1軸13の軸重であり、W*は、図12(b)に示すように、P13の極値として導くことができ、これらの値も既知である。
このようにして、既知の値a,Δa,ΔL,Lw,W*,W**および上記式(32)から得られる距離Sをそれぞれ、式(30)に代入することにより、軸間距離l12を演算することができる。
以上により、本実施形態の新トラックスケール100では、軸間距離l12を演算できる。その結果、新トラックスケール100の重心位置演算部52は、車両10の軸間距離l12総重量Wおよび軸重W2の取得に基づいて、式(28)を用いて車両10の重心Gの座標XGを演算することができる。
(第2実施形態)
本実施形態の新トラックスケールは、車両の左右両方の車輪が載ることができる載台と、載台を下方から支持する複数のロードセルと、ロードセルからの出力信号を受け取ることができる演算手段と、を備える。載台は、車輪のタイヤ接地面と載台の主面との間の面圧に基づいた荷重がロードセルに伝達しない第1領域と、車輪のタイヤ接地面と載台の主面との間の面圧に基づいた荷重がロードセルに伝達する第2領域と、を備える。演算手段は、車両の左右いずれか一方の車輪のみが第1領域に載ったときのロードセルからの出力信号の時間波形および車両の左右両方の車輪が第2領域に載ったときのロードセルからの出力信号の時間波形に基づいて車両の左右それぞれの車輪毎にタイヤ接地長を演算する。
かかる構成のより、本実施形態の新トラックスケールは、従来のトラックスケールの載台形状を変更するだけで、従来のトラックスケールに、車両の左右それぞれの車輪毎のタイヤ接地長を測定する機能を付与することができる。
また、本実施形態の新トラックスケールでは、演算手段は、車輪毎のタイヤ接地長に基づいて車輪毎のタイヤ空気圧の良否を判定してもよい。
かかる構成により、本実施形態の新トラックスケールは、車両の左右それぞれの車輪毎のタイヤ接地長に基づいて、従来のトラックスケールに、車両の左右それぞれの車輪毎のタイヤ空気圧の良否を判定する機能を付与することができる。
[新トラックスケールの構成]
図13は、本発明の第2実施形態の新トラックスケールの概略構造の一例を示した図である。同図(a)には、新トラックスケールを平面図が示されている。同図(b)には、新トラックスケールの側面図が示されている。
なお、本実施形態では、便宜上、図13において車両10の全長方向を「前」および「後」の方向として図示し、車両10の幅方向を「左」および「右」の方向として図示している。そして、車両10が窓付形載台20Aに窓付形載台20Aの「後」から進入し、窓付形載台20Aの「前」から退出するものして、以下の新トラックスケール200の構成を説明する。よって、以下の説明では、車両10の進入方向を、前後方向と言い換え、車両10の幅方向を左右方向と言い換える場合がある。
図13に示すように、本実施形態の新トラックスケール200では、第1実施形態の新トラックスケール100の窓部150の横離間寸法ΔLに代えて、車両10の左車輪11b,12bのタイヤよりも充分に長い横離間寸法LHが取られている。つまり、式(11)の設計パラメータkを1未満(例えば、k=0.2)として、窓付形載台20Aの窓部150A(窓蓋部材26A)の寸法設計および載台本体160Aの寸法設計が行われている。これにより、本実施形態の新トラックスケール200では、所定の条件下において、車両10の車輪11a,11b,12a,12b毎の個別タイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2を演算できるが、その詳細は後述する。
窓付形載台20Aの全長が、第1実施形態の新トラックスケール100の窓付形載台20の全長よりも長くなる(つまり、載台の長大化)という不都合もある。
図14は、図13の新トラックスケールの制御装置の機能ブロック図である。
本実施形態の新トラックスケール200では、制御装置40Aにおいて、所定プログラムが演算器49(図4参照)で実行されることにより、図14に示すように、車両10の車輪11a,11b,12a,12bの輪重を演算する輪重演算部51、車両10の水平面的重心位置を演算する重心位置演算部52、車両10の総重量を演算する総重量演算部53、車両10の車軸13、14の軸重を演算する軸重演算部54、表示信号生成部55のそれぞれの機能の他、車両10の左右のそれぞれの車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ空気圧を予測するタイヤ空気圧演算部56の機能も実現される。
つまり、本実施形態の新トラックスケール200については、制御装置40Aにおいて、所定プログラムが演算器49で実行されることにより、タイヤ空気圧演算部56の機能を実現できる点で、かかる機能が実現されていない第1実施形態の新トラックスケール100(図3参照)と区別されるが、ハードウェア上、新トラックスケール100の窓付形載台20の構成を変更したこと以外は、他の構成要素をそのまま使用することができる。なお、図3の新トラックスケール100の窓付形載台20のそれぞれの構成と対応する図13の新トラックスケール200の窓付形載台20Aのそれぞれの構成については、上記窓付形載台20のそれぞれの構成の参照番号と同じ番号に記号Aを付して図示しており、詳細な説明を省略する。
また、制御装置40Aは、必ずしも、単独の演算器49(図4参照)で構成される必要はなく、複数の演算器が分散配置されていて、それらが協働して新トラックスケールの動作を制御するよう構成されていてもよい。例えば、以下に述べるタイヤ空気圧演算部56の機能および、第1実施形態で述べた輪重演算部51の機能、重心位置演算部52の機能、総重量演算部53の機能および軸重演算部54の機能はそれぞれ、独自の価値がある。よって、車両10の車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ空気圧を予測できるよう、タイヤ空気圧演算部56の機能実現に特化した演算器を用いて、タイヤ空気圧演算部56の機能のみが実現される新トラックスケールを構築してもよい。
なお、輪重演算部51、重心位置演算部52、総重量演算部53および軸重演算部54のそれぞれの機能については、第1実施形態で述べた内容と同じである。また、以下の説明およびこれに関連する図面に用いる記号の意味についても、以下のタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2および窓部150Aの寸法以外は、第1実施形態で述べた内容と同じである。更に、表示信号生成部55の機能については公知である。よって、これらの詳細な説明は、ここでは、省略する。
[記号の定義]
以下の説明およびこれに関連する図面に用いる記号の意味を定義する。
SR1:車両10の第1軸13の右車輪11aのタイヤ接地長
SL1:車両10の第1軸13の左車輪11bのタイヤ接地長
SR2:車両10の第2軸14の右車輪12aのタイヤ接地長
SL2:車両10の第2軸14の左車輪12bのタイヤ接地長
Slong1:SR1およびSL1のうちの長い方
Slong2:SR2およびSL2のうちの長い方
Lw2:窓部150Aの横幅寸法
LH:窓部150Aの横離間寸法
車両10が窓付形載台20A上を移動するとき、ロードセルLC1〜LC4の出力Pの出力波形には、複数個の折点が表れ(例えば、図15(b)参照)、これらの出力波形の折点に対応する時刻t0,t1,t2,t3,t4,t5,t6,t7,t8,t9,t10,t11は、以下のように定義できる。
t0:第1軸13の左右車輪11a,11bのタイヤが、設置ベース25Aから載台本体160Aに載り込み始める時
t1:第1軸13の左右車輪11a,11bのタイヤが、載台本体160Aに完全に載った時
t2:第1軸13の左車輪11bのタイヤが、載台本体160Aから窓蓋部材26Aに載り込み始める時
t3:第1軸13の左車輪11bのタイヤが、窓蓋部材26Aに完全に載った時
t4:第1軸13の左車輪11bのタイヤが、窓蓋部材26Aから載台本体160Aに再び載り込み始める時
t5:第1軸13の左車輪11bのタイヤが、載台本体160Aに再び完全に載った時
t6:第2軸14の左右車輪12a,12bのタイヤが、設置ベース25Aから載台本体160Aに載り込み始める時
t7:第2軸14の左右車輪12a,12bのタイヤが、載台本体160Aに完全に載った時
t8:第2軸14の左車輪12bのタイヤが、載台本体160Aから窓蓋部材26Aに載り込み始める時
t9:第2軸14の左車輪12bのタイヤが、窓蓋部材26Aに完全に載った時
t10:第2軸14の左車輪12bのタイヤが、窓蓋部材26Aから載台本体160Aに再び載り込み始める時
t11:第2軸14の左車輪12bのタイヤが、載台本体160Aに再び完全に載った時
なお、上記記号のうち、寸法Lw2,LHは、既知の値(窓付形載台20Aに依存する固定値)であり、これらの値は予めメモリ48に記憶されている。
[タイヤ空気圧演算部の機能]
以下、新トラックスケール200のタイヤ空気圧演算部56の機能について説明する。
車両10の左右それぞれの車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2は、対応する空気圧と輪重WR1,WL1,WR2,WL2とにより変化する。よって、このようなタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2と輪重WR1,WL1,WR2,WL2とを演算できると、これらの値に基づいて、車輪11a,11b,12a,12b毎のタイヤ空気圧の過不足を予測できる。
つまり、タイヤ空気圧が低い場合、または、輪重WR1,WL1,WR2,WL2が大きい場合、タイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2は長くなる。逆に、空気圧が高い場合、または、輪重WR1,WL1,WR2,WL2が小さい場合、タイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2が短くなる。車両10が、タイヤ空気圧が低い状態で走行すると、車両10のタイヤトラブル(例えば、走行中のタイヤバースト)の発生原因になる。よって、車両10のタイヤ空気圧を知ることは、車両10の運転にとって重要である。
なお、新トラックスケール200による車両の輪重WR1,WL1,WR2,WL2の導出法については、第1実施形態において述べた内容を参酌することにより理解できる。
そこで、以下、車両10の左右のそれぞれの車輪11a,11b,12a,12b毎のタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2を演算する方法を説明する。
<車両のタイヤ接地長導出法>
図15は、図13の車両の第1軸の両車輪および第2軸の両車輪が窓付形載台に乗り込むときの、ロードセルの出力波形(時間波形)を表した図であり、図14のタイヤ空気圧演算部による車両のタイヤ接地長導出の説明に用いる概略図である。詳しくは、図15(b)には、窓付形載台20の後端部220Bをx軸の原点(x=0)とし、第1軸13の位置(タイヤ中心線位置)を横軸に取り、全てのロードセルLC1〜LC4の出力の総和であるP(x)(=P1(x)+P2(x)+P3(x)+P4(x))の出力波形を縦軸に取って、両者の関係が示されている。また、図15(c)には、窓付形載台20の後端部220Bをx軸の原点(x=0)とし、第1軸13の位置(タイヤ中心線位置)を横軸に取り、第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3の出力の和であるP13(x)(=P1(x)+P3(x))の出力波形を縦軸に取って、両者の関係が示されている。
なお、図15(b)でのP(x)(=P1(x)+P2(x)+P3(x)+P4(x))の出力波形は、第1実施形態でのP(x)の出力波形についての説明を参酌することにより容易に理解できる。また、図15(c)でのP13(x)(=P1(x)+P3(x))の出力波形は、第1実施形態でのP13(x)の出力波形についての説明を参酌することにより容易に理解できる。よって、ここでは、これらの詳細な説明は省略する。
車両10の第1軸13について
車両10の第1軸13の両車輪11a,11bのタイヤ接地長SR1,SL1については、以下の如く定めることができる。
時刻tが時間区間[t1,t2]内の場合(t1≦t≦t2)に特定される、図15(c)上の座標位置300,301,302を頂点とする直角三角形は、図15(c)上の座標位置303,304,305を頂点とする直角三角形と相似関係にある。
座標位置302に対応するx軸上の位置と、座標位置301に対応するx軸上の位置との間の距離は、窓部150Aの横離間寸法(LH)とタイヤ接地長SL1,Slong1とを用いて窓付形載台20Aの幾何学的関係により、寸法(LH−SL1/2−Slong1/2)と表すことができる。
なお、Slong1は、上記のとおり、SR1およびSL1のうちの長い方に相当する。つまり、SR1>SL1の場合はSlong1=SR1であり、SR1<SL1の場合はSlong1=SL1である。
また、座標位置305に対応するx軸上の位置と、座標位置304に対応するx軸上の位置との間の距離は、第1ロードセルLC1(第3ロードセルLC3)と第2ロードセルLC2(第4ロードセルLC4)との中心間距離aである。
また、座標位置303は、第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3を結ぶ直線上に位置しており、この座標位置302でのP13(t)の値は、第2ロードセルLC2および第4ロードセルLC4を結ぶ直線を基準とするP13(t)のモーメントのつりあい式に基づいて、軸重W1に等しいことが容易に理解できる。
更に、時刻t1および時刻t2を図15(b)のP(x)(=P1(x)+P2(x)+P3(x)+P4(x))の出力波形の変化に基づいて容易に知ることができるので、P13(t1)の値およびP13(t2)の値を特定することができる。
すると、以上の直角三角形の間の相似関係を用いて、以下の関係式(33)が得られ、式(33)を変形すると、次式(34)で表すことができる。
(P13(t2)−P13(t1))/(LH−SL1/2−Slong1/2)
=−W1/a ・・・(33)
Slong1=2a(P13(t2)−P13(t1))/W1+2LH−SL1
・・・(34)
次に、時刻tが時間区間[t2,t5]内の場合(t2≦t≦t5)に特定される、図15(c)上の座標位置301,306,307を頂点とする直角三角形は、図15(c)上の座標位置303,304,305を頂点とする直角三角形と相似関係にある。
座標位置307に対応するx軸上の位置と、座標位置306に対応するx軸上の位置との間の距離は、窓部150Aの横幅寸法Lw2と、タイヤ接地長SL1と、を用いて、載台20の幾何学的関係により、寸法(Lw2+SL1)と表すことができる。
また、座標位置305に対応するx軸上の位置と、座標位置304に対応するx軸上の位置との間の距離は、第1ロードセルLC1(第3ロードセルLC3)と第2ロードセルLC2(第4ロードセルLC4)との中心間距離aである。
また、座標位置303は、第1ロードセルLC1および第3ロードセルLC3を結ぶ直線上に位置しており、この座標位置303でのP13(t)の値は、第2ロードセルLC2および第4ロードセルLC4を結ぶ直線を基準とするP13(t)のモーメントのつりあい式に基づいて、軸重W1に等しいことが容易に理解できる。
更に、時刻t2および時刻t5を図15(b)のP(x)(=P1(x)+P2(x)+P3(x)+P4(x))の出力波形の変化に基づいて容易に知ることができるので、P13(t2)の値およびP13(t5)の値を特定することができる。
すると、以上の直角三角形の間の相似関係を用いて、以下の関係式(35)が得られ、式(35)を変形すると、次式(36)で表すことができる。
(P13(t5)−P13(t2))/(Lw2+SL1)=−W1/a
・・・(35)
SL1=a(P13(t2)−P13(t5))/W1−Lw2 ・・・(36)
このようにして、車両10の第1軸13の左車輪11bのタイヤ接地長SL1は、上記式(36)を用いて求めることができる。
また、車両10の第1軸13の右車輪11aのタイヤ接地長SR1は、SR1>SL1と仮定を置く場合、Slong1=SR1となるので、上記式(34)を用いて求めることができる。つまり、この場合、車両10の第1軸13の左右車輪11a,11bのそれぞれのタイヤ接地長SR1,SL1を個別に求めることができる。
逆に、SR1<SL1の場合は、タイヤ接地長SR1を個別に求めることができない。しかし、タイヤ接地長が長い程、タイヤの空気圧不足に陥っているという事実を直視するとき、SR1<SL1の場合を考慮せずに、SR1>SL1を仮定することは、タイヤ接地長を長い方に仮定してタイヤ空気圧を評価することを意味し、このことは、タイヤ空気圧の不足を厳しい側の条件下において判定することになるので理に適っていると考えられる。
車両10の第2軸14について
上記第1軸13におけるタイヤ接地長SR1,SL1の演算法と同様に、直角三角形の相似関係を用いて、以下の如く、車両10の第2軸14の両車輪12a,12bのタイヤ接地長SR2,SL2について定めることができる。但し、ここでは、式の導出の詳細は省略する。
時刻tが時間区間[t7,t8]の場合(t7≦t≦8)、直角三角形の相似関係を用いて、以下の関係式(37)が得られ、式(37)を変形すると、次式(38)で表すことができる。
(P13(t8)−P13(t7))/(LH−SL2/2−Slong2/2)
=−(W1+W2)/a ・・・(37)
Slong2=2a(P13(t8)−P13(t7))/(W1+W2)+2LH−SL2
・・・(38)
次に、時刻tが時間区間[t8,t11]の場合(t8≦t≦t11)、直角三角形の相似関係を用いて、以下の関係式(39)が得られ、式(39)を変形すると、次式(40)で表すことができる。
(P13(t11)−P13(t8))/(Lw2+SL2)=−(W1+W2)/a
・・・(39)
SL2=a(P13(t8)−P13(t11))/(W1+W2)−Lw2
・・・(40)
このようにして、車両10の第2軸14の左車輪12bのタイヤ接地長SL2は、上記式(40)を用いて求めることができる。
また、車両10の第2軸14の右車輪12aのタイヤ接地長SR1は、SR2>SL2と仮定を置く場合と、Slong2=SR2となるので、上記式(38)を用いて求めることができる。つまり、この場合、車両10の第2軸14の左右車輪12a,12bのそれぞれのタイヤ接地長SR2,SL2を個別に求めることができる。
逆に、SR2<SL2の場合は、タイヤ接地長SR2を個別に求めることができない。しかし、タイヤ接地長が長い程、タイヤの空気圧不足に陥っているという事実を直視するとき、SR2<SL2の場合を考慮せずに、SR2>SL2を仮定することは、タイヤ接地長を長い方に仮定してタイヤ空気圧を評価することを意味し、このことは、タイヤ空気圧の不足を厳しい側の条件下において判定することになるので理に適っていると考えられる。
以上により、本実施形態の新トラックスケール200では、SR1>SL1と仮定を置き、かつSR2>SL2と仮定を置く場合、タイヤ空気圧演算部56が、ロードセルLC1〜LC4の出力波形(時間波形)を用いてタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2を個別に演算できる。
また、第1実施形態で述べたように、本実施形態の新トラックスケール200では、輪重演算部51が、車両10の輪重WR1,WL1,WR2,WL2を個別に演算できる。
これにより、新トラックスケール100のタイヤ空気圧演算部56は、タイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2および輪重WR1,WL1,WR2,WL2の取得に基づいて、各車輪11a,11b,12a,12bのタイヤの空気圧の過不足を予測できる。その結果、タイヤ空気圧演算部56は、各車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ空気圧の良否を判定できる。
例えば、このような判定では、車輪11a,11b,12a,12bの輪重WR1,WL1,WR2,WL2に対するタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2の閾値を予め設定しておき、輪重WR1,WL1,WR2,WL2の演算値とタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2の演算値に基づいてタイヤ空気圧の過不足を予測してもよい。
また、車両10の輪重WR1,WL1,WR2,WL2の法定上限値が、例えば、5トンとすれば、車両10のタイヤにおけるタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2の上限値S1max(5トン)を、自ずと決定できる。よって、タイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2のいずれかが、上限値S1max(5トン)を超える場合は、輪重WR1,WL1,WR2,WL2の値に関わらず、タイヤ空気圧が異常(ここでは、タイヤ空気圧の不足)であると予測してもよい。
また、車両10のタイヤサイズに対応するタイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2の上限値S2max(Aインチ),S2max(Bインチ)・・・をテーブルデータとしてメモリ48に予め記憶させることにより、きめ細かなタイヤ空気圧の異常(ここでは、タイヤ空気圧の不足)を予測できる。例えば、タイヤ接地長SR1,SL1,SR2,SL2のいずれかが、上限値S2max(Aインチ)を超える場合は、制御装置40Aは、適宜の報知手段(図示せず)を用いて、『搭載しているタイヤサイズがAインチなら、タイヤ空気圧不足と思われるので、タイヤ空気圧を調整してください』等の運転者への警告を報知することができる。
(第2実施形態の変形例)
第2実施形態の新トラックスケール200では、車両10の左右のそれぞれの車輪11a,11b,12a,12b毎のタイヤ接地長を演算する方法を述べたが、必ずしもこれに限らない。
例えば、第1実施形態では、全ての車輪11a,11b,12a,12bにおいてタイヤ接地長Sが同一であると仮定して、タイヤ接地長Sの定式化が行われている(式(32)参照)。よって、この場合でも、タイヤ空気圧の過不足を簡易に予測できて有益な場合がある。つまり、第1実施形態の新トラックスケール100の演算器49は、ロードセルLC1〜LC4の出力波形(時間波形)を用いて、車両10の左右それぞれの車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ接地長Sが同一と仮定した場合のタイヤ接地長Sを演算できる。よって、新トラックスケール100の演算器49は、このタイヤ接地長Sおよび輪重WR1,WL1,WR2,WL2に基づいて車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ空気圧の良否を簡易に判定できる。
(変形例)
次に、第1実施形態の新トラックスケール100および第2実施形態の新トラックスケール200の変形例について述べる。以上の説明から、当業者にとっては、新トラックスケール100,200を以下の如く、様々に改変することができる。
<第1変形例>
第1実施形態の新トラックスケール100および第2実施形態の新トラックスケール200では、図3および図13に示すように、設置ベース25のピット部170とほぼ同形(若干小さめ)の直方板体の一部を矩形に削り取ることにより、窓部150,150Aが、直方板体を貫通するように形成されている。
しかし、本変形例(図16)の如く、直方板体520の一部を、その厚み方向に部分的に矩形に削ることによって、非貫通の有底の窓部521を形成してもよい。なお、この場合、窓部521のほぼ全域を覆うように、適宜の固定手段527を用いて設置ベース525に固定された窓蓋部材526が配置されている。この窓蓋部材526は、直方板体520との間の接続の縁切りが行われている。これにより、窓蓋部材526上に車両10の左車輪11b,12bが載っても、車両10の荷重は、直方板体520に伝わらない。かかる構成により、直方板体520の剛性を増すことができる。
<第2変形例>
第1および第2実施形態の新トラックスケール100,200では、図3および図13に示すように、載台本体160,160Aの後端部20B近傍の左領域に窓部150,150Aを設ける例を示したが、これに限らない。
本変形例の新トラックスケール100B(図17)に示すように、載台本体160Bの前端部近傍の左領域に窓部150Bを設けてもよい。そして、第1実施形態の新トラックスケール100と同様に、窓部150Bに窓蓋部材26Bを配置し、この窓蓋部材26Bが、設置ベース25から立設する支持部材27Bにより下方から支持されている。よって、この場合、窓部150Bが、車両10の車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ接地面と窓付形載台20Bの主面との間の面圧に基づいた荷重が、窓付形載台20Bの下方に配されたロードセルLC1〜LC4に伝達しない領域を構成する。
なお、ここでは、図示を省略しているが、載台本体の前端部近傍の右領域、あるいは、載台本体の後端部近傍の右領域に、窓部150Bと同じ類の窓部を設けることもできる。
また、ここでは、窓部150Bが、直方板体を貫通するように形成されているが、上記の第1変形例と同様に、直方板体の一部を、その厚み方向に部分的に矩形に削ることによって、非貫通の有底の窓部を形成してもよい。
<第3変形例>
第1実施形態の新トラックスケール100および第2実施形態の新トラックスケール200では、図3および図13に示すように、新型載台として、窓付形載台20,20Aを用いる例を述べたが、新型載台は、窓付形に限定されない。
本変形例の新トラックスケール100C(図18)の如く、新型載台として、切欠形載台20Cを用いることもできる。
つまり、図18に示すように、本変形例の新トラックスケール100Cでは、設置ベース25のピット部170とほぼ同形(若干小さめ)の直方板体の左後方部を、その左端部から左右方向に矩形かつ凹状に削り取ることにより、切欠部150Cが形成されている。そして、第1実施形態の新トラックスケール100と同様に、切欠部150Cに切欠蓋部材26Cを配置し、この切欠蓋部材26Cが、設置ベース25から立設する支持部材27Cにより下方から支持されている。よって、この場合、切欠部150Cが、車両10の車輪11a,11b,12a,12bのタイヤ接地面と切欠形載台20Cの主面との間の面圧に基づいた荷重が、切欠形載台20Cの下方に配されたロードセルLC1〜LC4に伝達しない領域を構成する。
なお、ここでは、図示を省略しているが、載台本体の前端部近傍の右領域、あるいは、載台本体の後端部近傍の右領域に、切欠部150Cと同じ類の切欠部を設けることもできる。
また、ここでは、切欠部150Cが、直方板体を貫通するように形成されているが、上記の第1変形例と同様に、直方板体の一部を、その厚み方向に部分的に矩形かつ凹状に削ることによって、非貫通の有底の切欠部を形成してもよい。