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JP5845196B2 - 2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(メタ)アクリロイルオキシ]フェニルエタン−1−オン、その製造方法及びラジカル重合開始剤並びに光硬化性組成物 - Google Patents
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JP5845196B2 - 2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(メタ)アクリロイルオキシ]フェニルエタン−1−オン、その製造方法及びラジカル重合開始剤並びに光硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、紫外線等の光を照射することによりラジカルを発生するラジカル重合開始剤として用いることができる新規化合物、その製造方法及びラジカル重合開始剤並びに光硬化性組成物に関するものである。
リソグラフィー、フレキソグラフィー、シルクスクリーンのUV硬化インキ、ソルダーレジスト、電子工業用材料等のためのエッチレジスト、カラーフィルターレジスト、UV粉体塗料、水系UV塗料、紫外線吸収剤併用塗料、木工製品の仕上げ塗料、プラスチック並びに金属コーティング等の分野において、ラジカルにより重合するラジカル重合性化合物(ラジカル重合性のモノマー)と、紫外線等の光を照射することによりラジカルを発生しラジカル重合性化合物の重合を開始するラジカル重合開始剤とを有する光硬化性組成物が用いられており、ラジカル重合開始剤として、アセトフェノン系のラジカル重合開始剤が知られている(特許文献1及び2参照)。
そして、アセトフェノン系のラジカル重合開始剤として知られている2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンは、紫外線等の光の照射により自己開裂することでラジカルを発生させてラジカル重合性化合物の重合を開始する化合物であり、IRGACURE651の製品名でBASF社から市場に提供されている。2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンは、他のアセトフェノン系のラジカル重合開始剤、例えば1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(IRGACURE184、BASF社)や2−ヒドロキシ−1−{4−[4−{2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル}−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン(IRGACURE127、BASF社)と比較して、波長365nmの吸光度が高く、工業的に有用な高圧水銀灯等に多く含まれる波長成分であるi線(波長365nm)を効果的に利用することができる利点がある。
このようなラジカル重合開始剤を用いた光重合は、熱重合と異なり、加熱の必要が無く室温付近で紫外線等の光照射により硬化物を得ることができるため、材料の変質のリスクが少なく且つ熱重合と比較して極短時間で硬化物を得ることができる利点があり、工業的に広く用いられている有用な手法である。しかしながら、光重合は、経時変化により、硬化物中に残存しているラジカル重合開始剤由来の成分がブリードアウト(硬化物からの染み出し)してしまうという問題がある。そして、このブリードアウト現象の影響は、硬化時間を短時間化するためにラジカル重合開始剤の添加量を増やした場合に、より顕著に現れる。
例えば、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(IRGACURE2959、BASF社)や、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−{2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル}−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン(IRGACURE127、BASF社)は、低揮発性であるため硬化後臭気が少ない、つまりブリードアウトを抑制する性質があるが、十分とは言えない。
ここで、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンを、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものとすることで、ブリードアウトを減少させた技術が開示されている(特許文献3及び4参照)。
しかしながら、特許文献3及び特許文献4に示されている化合物は、いずれも結晶性が低く油状物である。それ故、製造する際に蒸留やカラムクロマトグラフィー等により精製する必要があり、製造工程が複雑になるという問題がある。特に、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンのケタール構造及び(メタ)アクリロイルオキシ基は、熱安定性が良好ではないため、大量に精製を行なう場合に、高温での加熱を伴う蒸留精製は、熱分解や熱重合が懸念される。また、カラムクロマトグラフィーは製造コストが高くなるという問題がある。
特開平02−180909号公報 特開昭49―55646号公報 特開平04−305574号公報 特開平05−310635号公報
Tetrahedron Letters Vol. 36. (40)(1995)p. 7305-7308
本発明はこのような事情に鑑み、ラジカル重合開始剤として用いることができi線(波長365nm)の吸光度が高く且つブリードアウトを抑制することができる化合物であって、結晶性が高く簡便に製造することができる新規化合物、その製造方法及びラジカル重合開始剤並びに光硬化性組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、下記式(A)で表される化合物とすることにより、ラジカル重合開始剤として用いることができi線の吸光度が高く且つブリードアウトを抑制できる化合物であって、結晶性が高く容易に製造できる化合物となることを見出し、本発明を完成するに至った。
かかる本発明の第1の態様は、下記式(A)で表されることを特徴とする2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(メタ)アクリロイルオキシ]フェニルエタン−1−オンにある。
Figure 0005845196
(式中、R及びRのそれぞれは、水素原子またはメチル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。)
発明の第2の態様は、第1の態様に記載する2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(メタ)アクリロイルオキシ]フェニルエタン−1−オンからなることを特徴とするラジカル重合開始剤にある。
発明の第3の態様は、第1の態様に記載する2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(メタ)アクリロイルオキシ]フェニルエタン−1−オンを含有することを特徴とする光硬化性組成物にある。
発明の第4の態様は、さらにラジカル重合性化合物を含有することを特徴とする第3の態様に記載する光硬化性組成物にある。
発明の第5の態様は、4,4‘−ジヒドロキシベンジルとオルトカルボン酸トリメチルエステルを酸触媒の存在下で反応させた後に、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を反応させることにより、下記式(A)で表される2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(メタ)アクリロイルオキシ]フェニルエタン−1−オンを得ることを特徴とする2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(メタ)アクリロイルオキシ]フェニルエタン−1−オンの製造方法にある。
Figure 0005845196
(式中、R及びRのそれぞれは、水素原子またはメチル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。)
本発明によれば、上記式(A)で表される2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(メタ)アクリロイルオキシ]フェニルエタン−1−オンは、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンの構造を有するため、ラジカル重合開始剤として用いることができ、また、i線(波長365nm)の吸光度が高いので工業的に有用な高圧水銀灯等に多く含まれる波長成分であるi線を効果的に利用することができる。また、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するため、ブリードアウトを抑制できる。そして、結晶性が高い化合物であるため、蒸留やカラムクロマトグラフィー等による精製をしなくても、結晶化操作により、簡便に高純度で製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の新規化合物は、下記式(A)で表される化合物、すなわち、2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(メタ)アクリロイルオキシ]フェニルエタン−1−オンである。
Figure 0005845196

(式中、R及びRのそれぞれは、水素原子またはメチル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。)
なお、本明細書において、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル及びメタアクリロイルの総称である。また、R及びRのそれぞれは、互いに同一でも異なっていてもよいが、互いに同一であることが好ましい。同一とすることにより、合成が容易になるためである。
このように、上記式(A)で表される2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(メタ)アクリロイルオキシ]フェニルエタン−1−オンは、2,2−ジアルキルオキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン由来の構造を有するため、紫外線等の光(例えば、波長200nm〜400nm、好ましくは波長313nm〜365nmの光)を照射することにより自己開裂して、例えば室温でも短時間のうちに効率よくラジカルを発生することができる。よって、上記式(A)で表される化合物は、ラジカル重合開始剤として用いることができる。また、2,2−ジアルキルオキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン由来の構造を有するため、波長365nmの吸光度が高く、工業的に有用な高圧水銀灯などに多く含まれる波長成分であるi線(波長365nm)を効果的に利用することができる。
また、上記式(A)で表される化合物は、二つのフェニル基にそれぞれ結合した(メタ)アクリロイルオキシ基を有する。したがって、光硬化性組成物のラジカル重合開始剤として用いると、ラジカルにより重合する化合物であるラジカル重合性化合物(ラジカル重合性のモノマー)が重合する際に該(メタ)アクリロイルオキシ基も重合して、上記式(A)で表される化合物や上記式(A)で表される化合物が開裂した化合物が光硬化物に保持されるため、光硬化後に問題となっていた経時によるラジカル重合開始剤由来の成分のブリードアウト(硬化物からの染み出し)を大幅に抑制できる。そして、上記式(A)で表される化合物は、上記式(A)で表される化合物以外のラジカル重合性化合物を含有しない光硬化性組成物とすることもできるが、この場合も、上記式(A)で表される化合物の(メタ)アクリロイルオキシ基が重合して光硬化物に保持されるため、ブリードアウトを大幅に抑制することができる。
なお、上記式(A)で表される化合物のように自己開裂してラジカルを発生するアセトフェノン系のものではなく、紫外線等の光を吸収し近接する水素供与体から水素を引き抜くことでケチルラジカルを発生するベンゾフェノン系のものは、(メタ)アクリロイルオキシ基を導入した構造としても水素供与体を同時に添加する必要があるため、新たなブリードアウト源が発生するという問題があり、また、水素供与体との分子間反応によりラジカルを発生する機構のためラジカル発生に一定の時間を要するという問題があるので、本発明の目的を達成することはできない。
そして、上記式(A)で表される化合物は、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンのフェニル基の特定部位(4位)に、(メタ)アクリロイルオキシ基が直接結合された構造を有するため、結晶性が高い。それ故、熱分解や熱重合が懸念される蒸留やコストが高いカラムクロマトグラフィー等による複雑な精製をしなくても、工業的に容易に大量に製造することができる方法である結晶化により、簡便に高純度な結晶を製造することができる。
なお、後述する比較例に示すように、上記式(A)におけるメトキシ基がエトキシ基である化合物、上記式(A)における(メタ)アクリロイルオキシ基が、フェニル基の2位または3位に結合している化合物や、上記式(A)における(メタ)アクリロイルオキシ基が、フェニル基に直接結合するのではなく、−CHCOO−、−CHO−等のスペーサーを介してフェニル基に結合している化合物等は、結晶性が低く、製造する際の温度では油状物である。このように結晶性が低く製造する際の温度(例えば0℃〜60℃程度)で油状物であると、製造する際に蒸留やカラムクロマトグラフィー等による精製が必要になるという問題がある。
上記式(A)で表される化合物の製造方法は限定されないが、例えば、4,4’−ジヒドロキシベンジルとオルトカルボン酸トリメチルエステルとを酸触媒の存在下で反応させた後に、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を反応させることにより製造することができる。
まず、4,4’−ジヒドロキシベンジルとオルトカルボン酸トリメチルエステルとを、例えば、アルキルアルコール等を含む有機溶媒で希釈して、酸触媒の存在下で反応させる。これにより、4,4’−ジヒドロキシベンジルをアセタール化する。
4,4’−ジヒドロキシベンジルは、市場にて容易に入手可能な4,4’−ジメトキシベンジルから製造することができる。具体的には、例えば、4,4’−ジメトキシベンジルにHBrを反応させることにより得られる。
オルトカルボン酸トリメチルエステルとしては、例えば、オルト蟻酸トリメチルエステル、オルト酢酸トリメチルエステル、オルトクロロ酢酸トリメチルエステル、オルトプロピオン酸トリメチルエステル、オルト酪酸トリメチルエステル、オルトイソ酪酸トリメチルエステル、オルト吉草酸トリメチルエステル、オルト安息香酸トリメチルエステルが挙げられる。上記のオルトカルボン酸トリメチルエステルの中で、特にオルト蟻酸トリメチルエステルであることが好ましい。オルト蟻酸トリメチルが最も汎用的で安価だからである。
アルキルアルコールとしては、例えば、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分枝状のアルキルアルコールが挙げられる。その中でも、メタノールが好ましい。希釈する溶媒であるアルキルアルコールのアルキル基の炭素数が、オルトカルボン酸トリメチルエステルのアルキル基の炭素数と同じになるので、アセタール交換反応による副生成物が生じないからである。
また、酸触媒としては、ブレンステッド酸やルイス酸が挙げられ、ブレンステッド酸としては、硫酸、塩化水素、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられ、ルイス酸としては、トリフルオロメタンスルホン酸セリウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸ハフニウム(IV)、トリフルオロメタンスルホン酸ランタン(III)、トリフルオロメタンスルホン酸イットリウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸ネオジウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸インジウム(III)等の水溶液中で安定なルイス酸が挙げられるが、これらに限られるものではない。
4,4’−ジヒドロキシベンジルとオルトカルボン酸トリメチルエステルを酸触媒の存在下で反応させる条件に特に限定はないが、例えば、0〜70℃で10〜100時間反応させればよい。
このように4,4’−ジヒドロキシベンジルとオルトカルボン酸トリメチルエステルを酸触媒の存在下で反応させた後に、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を反応させて、フェニル基の特定位置(4位)に直接(メタ)アクリロイルオキシ基を結合することにより、上記式(A)で表される化合物を得ることができる。
(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物、(メタ)アクリル酸無水物等が挙げられる。
4,4’−ジヒドロキシベンジルとオルトカルボン酸トリメチルエステルを酸触媒の存在下で反応させた生成物に、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を反応させる条件に特に限定はないが、例えば、10〜100℃で1〜10時間反応させればよい。
このように(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を反応させた後は、再結晶や晶析といった簡便な結晶化の操作を行うことで、蒸留やカラムクロマトグラフィー等の複雑な精製を行なわなくても、高純度な上記式(A)で表される化合物を得ることができる。
上記式(A)で表される化合物は、上述したように、ラジカル重合開始剤として機能し、且つ、ラジカル重合性基である(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物であるため、上記式(A)で表される化合物以外のラジカル重合性化合物を含有させずに、リソグラフィー、フレキソグラフィー、シルクスクリーンのUV硬化インキ、ソルダーレジスト、電子工業用材料等のためのエッチレジスト、カラーフィルターレジスト、UV粉体塗料、水系UV塗料、紫外線吸収剤併用塗料、木工製品の仕上げ塗料、プラスチック並びに金属コーティング等の分野において用いることができる本発明の光硬化性組成物とすることができる。例えば、上記式(A)で表される化合物を溶媒(非重合性化合物)で希釈して、本発明の光硬化性組成物とすることができる。なお、上記式(A)で表される化合物を単独で用い、これに光を照射して光硬化物を形成することもできる。
希釈剤(溶媒)の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチル等のエステル系化合物、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジオキサン等のエーテル系化合物、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族化合物、塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン系炭化水素、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール等のアルコール等を挙げることができる。
勿論、本発明の光硬化性組成物は、上記式(A)で表される化合物に加えて、さらに、ラジカル重合性化合物を含有するものとすることもできる。
ラジカル重合性化合物は、1分子中に1個以上のラジカル重合性基を有する化合物である。勿論、ラジカル重合性化合物が有するラジカル重合性基は、1種でも2種以上でもよい。また、ラジカル重合性化合物として、1種用いてもよく、2種以上用いてもよい。
1分子中にラジカル重合性基を1個のみ有するラジカル重合性化合物としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート、ビフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビフェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ナフタレン(メタ)アクリレート、ナフタレンオキシエチル(メタ)アクリレート、ナフタレンオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、フェナントレン(メタ)アクリレート、フェナントレンオキシエチル(メタ)アクリレート、フェナントレンオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、アントラセン(メタ)アクリレート、アントラセンオキシエチル(メタ)アクリレート、アントラセンオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルエポキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N−[2−(メタ)アクリロイルエチル]−1,2−シクロヘキサンジカルボイミド、N−[2−(メタ)アクリロイルエチル]−1,2−シクロヘキサンジカルボイミド−1−エン、N−[2−(メタ)アクリロイルエチル]−1,2−シクロヘキサンジカルボイミド−4−エン等の単官能性(メタ)アクリレート系モノマーや、N−ビニルピロリドン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−ヒドロキシスチレン、酢酸アリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニル系モノマー等が挙げられる。
1分子中にラジカル重合性基を2個有するラジカル重合性化合物としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカンジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(アクリルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタクリルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカン−3,8−ジイルジメチルジメタクリレート、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールのエチレンオキサイド変性ジアクリレート、エチレンオキサイド変性テトラブロモビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、フェニルジ(メタ)アクリレート、フェニルジオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルジオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ビフェニルジ(メタ)アクリレート、ビフェニルジオキシエチル(メタ)アクリレート、ビフェニルジオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ナフタレンジ(メタ)アクリレート、ナフタレンジオキシエチル(メタ)アクリレート、ナフタレンジオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、フェナントレンジ(メタ)アクリレート、フェナントレンジオキシエチル(メタ)アクリレート、フェナントレンジオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、アントラセンジ(メタ)アクリレート、アントラセンジオキシエチル(メタ)アクリレート、アントラセンジオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート等の2官能性(メタ)アクリレート系モノマー等が挙げられる。
1分子中にラジカル重合性基を3個以上有する光重合性化合物としては、フェニルトリ(メタ)アクリレート、フェニルトリオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルトリオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ビフェニルトリ(メタ)アクリレート、ビフェニルトリオキシエチル(メタ)アクリレート、ビフェニルトリオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ナフタレントリ(メタ)アクリレート、ナフタレントリオキシエチル(メタ)アクリレート、ナフタレントリオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、フェナントレントリ(メタ)アクリレート、フェナントレントリオキシエチル(メタ)アクリレート、フェナントレントリオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、アントラセントリ(メタ)アクリレート、アントラセントリオキシエチル(メタ)アクリレート、アントラセントリオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート等の3〜6官能(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられる。
さらに、1分子中にラジカル重合性基を2個以上有するオリゴマーであるラジカル重合性化合物としてはウレタン(メタ)アクリレート、エステル(メタ)アクリレート等のオリゴマー(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、本発明の光硬化性組成物は、上記式(A)で表される化合物以外のラジカル重合開始剤を含有していてもよい。該ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジアルキルケタール、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、α−アミノアルキルフェノン類、アシルフォスフィンオキサイド類、チタノセン類及びオキシムエステル類、トリハロメチルトリアジン類、その他トリハロメチル基を有する化合物等が挙げられる。
また、本発明の光硬化性組成物は、その効果に悪影響を及ぼさない範囲で、光増感剤、非光硬化性オリゴマーや非光硬化性ポリマー、密着性付与剤(例えば、シランカップリング剤)、有機溶剤、レベリング剤、可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、香料、熱架橋剤や、重合禁止剤等の添加物が含有されていてもよい。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて含有されていてもよい。
光硬化性組成物に添加する有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチル等のエステル系化合物、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジオキサン等のエーテル系化合物、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族化合物、塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン系炭化水素、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール等のアルコール等を挙げることができる。
本発明の光硬化性組成物が含有する上記式(A)で表される化合物の量は特に限定されないが、上記式(A)で表される化合物の含有量は、例えば、0.1〜60質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜30質量%、最も好ましくは1〜10質量%である。
このような光硬化性組成物に、例えば、波長200〜400nmの光を照射することにより、上記式(A)で表される化合物が自己開裂してラジカルを発生し、このラジカルを開始種として、上記式(A)で表される化合物や、必要に応じて添加するラジカル重合性化合物が重合して、光硬化物が形成される。そして、上記式(A)で表される化合物は二つのフェニル基のそれぞれに結合した(メタ)アクリロイルオキシ基を有するため、上記式(A)で表される化合物や上記式(A)で表される化合物が開裂した化合物がこの光硬化物に保持される。それ故、光硬化後に従来問題となっていた経時によるラジカル重合開始剤成分のブリードアウトを大幅に抑制することができる。
以下、本発明を実施例によって、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限されるものではない。なお、以下の合成例において、化合物の純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により求めた。HPLC分析の条件は次のとおりである。
カラム:SHISEIDO 製 SUPERIOREX ODS
溶離液:アセトニトリル:水=80:20(体積比)の混合溶媒
検出波長:254nm
(合成例1) 4,4’−ジヒドロキシベンジルの合成
Figure 0005845196
4,4’−ジメトキシベンジル5.0gを酢酸95mlに溶解した。これに70℃にて、48質量%HBr水溶液31.2gを10分間で滴下した。滴下後、110℃で70時間攪拌した。その後、水150gを添加して結晶化した。これをろ過し、結晶を水250gで洗浄した後、乾燥することで、目的物である4,4’−ジヒドロキシベンジルを4.0g得た。
(合成例2) 2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−(4−メタアクリロイルオキシ)フェニルエタン−1−オンの合成
Figure 0005845196
4,4’−ジヒドロキシベンジル1.6gと硫酸0.16gとをメタノール12.8gに溶解して、25℃とした。これにオルト蟻酸トリメチル4.2gを滴下して15時間攪拌した。その後、トリエチルアミン3.0gを30℃で添加して5分間攪拌後、溶媒であるメタノールを留去した。そして、得られた残渣にアセトニトリル14gを加えることで結晶化した。これをろ過して得られた結晶を再びアセトニトリル14gに分散した。それにトリエチルアミン1.7g及びジメチルアミノピリジン0.081gを添加した後、アセトニトリル5.0gで希釈したメタクリル酸無水物2.5gを30℃で滴下した。滴下後、25℃にて2時間攪拌した後、3質量%NaHCO水溶液64gを添加して5分攪拌した。その後、トルエン32gで抽出し、水10gで3回洗浄、飽和食塩水10gで1回洗浄を行った後に、メトキノン2.50mgを添加してから溶媒を留去した。得られた残渣に0.02gの種結晶を添加して乾燥することで、白色固体である2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−(4−メタアクリロイルオキシ)フェニルエタン−1−オンを1.65g得た。得られた化合物の純度は98.6%、融点は85℃であった。得られた物質のH−NMR測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl,ppm):δ=2.03(s,6H,メチル基),3.23(s,6H,メチル基),5.74(s,1H,ビニル基),5.76(s,1H,ビニル基),6.32(s,2H,ビニル基),7.09(d,2H,ベンゼン環),7.14(d,2H,ベンゼン環),7.63(d,2H,ベンゼン環),8.13(d,2H,ベンゼン環)
(合成例3) 2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−(4−アクリロイルオキシ)フェニルエタン−1−オンの合成
Figure 0005845196
4,4−ジヒドロキシベンジル1.6gと硫酸0.16gをメタノール12.8gに溶解して、25℃とした。これにオルト蟻酸トリメチル4.2gを滴下して15時間攪拌した。その後、トリエチルアミン3.0gを30℃で添加して5分間攪拌後、溶媒であるメタノールを留去した。そして、得られた残渣にアセトニトリル14gを加えることで結晶化した。これをろ過して得られた結晶を再びアセトニトリル14gに分散して15℃とした。そこにトリエチルアミン1.7g、ジメチルアミノピリジン0.081gを添加した後、アセトニトリル3.0gで希釈したアクリル酸塩化物1.5gを20℃で滴下した。滴下後、15℃にて1時間攪拌した後、3質量%NaHCO水溶液64gを添加して5分攪拌した。その後トルエン32gで抽出し、水10gで3回洗浄、飽和食塩水10gで1回洗浄を行った後に、メトキノン2.50mgを添加してから溶媒留去した。得られた残渣にヘキサン4gを添加して晶析した。これを乾燥することで、白色固体の2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−(4−アクリロイルオキシ)フェニルエタン−1−オンを1.78g得た。得られた化合物の純度は99.6%、融点は75℃であった。得られた物質のH−NMR測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl,ppm):δ=3.22(s,6H,メチル基),6.00(d,1H,ビニル基),6.03(d,1H,ビニル基),6.28(d,1H,ビニル基),6.30(d,1H,ビニル基),6.58(d,1H,ビニル基),6.59(d,1H,ビニル基),7.11(d,2H,ベンゼン環),7.16(d,2H,ベンゼン環),7.64(d,2H,ベンゼン環),8.14(d,2H,ベンゼン環)
(比較合成例1) 2,2−ジエトキシ−1,2−ジ−(4−メタアクリロイルオキシ)フェニルエタン−1−オンの合成
Figure 0005845196
オルト蟻酸トリメチルのかわりにオルト蟻酸トリエチルを用い、硫酸のかわりにトリフルオロメタンスルホン酸セリウム(III)を用い、また、メトキノンを添加してから溶媒を留去した後の操作をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:5(体積比))による精製とした以外は、合成例2と同様の操作を行うことで、無色で油状物の2,2−ジエトキシ−1,2−ジ−(4−メタアクリロイルオキシ)フェニルエタン−1−オンを収率56モル%、純度94.6%で得た。得られた物質のH−NMR測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl,ppm):δ=1.21(t,6H,メチル基),2.03(s,6H,メチル基),3.43(m,4H,メチレン基),5.74(s,1H,ビニル基),5.76(s,1H,ビニル基),6.32(s,2H,ビニル基),7.07(d,2H,ベンゼン環),7.12(d,2H,ベンゼン環),7.66(d,2H,ベンゼン環),8.14(d,2H,ベンゼン環)
(比較合成例2) 3,3’−ジメトキシベンジルの合成
Figure 0005845196
3−メトキシブロモベンゼンを出発原料として非特許文献1の合成方法にしたがって、3,3’−ジメトキシベンジルを収率64モル%で得た。
(比較合成例3) 3,3’−ジヒドロキシベンジルの合成
Figure 0005845196
出発原料を4,4’−ジメトキシベンジルのかわりに3,3’−ジメトキシベンジルとした以外は、合成例1と同様の操作を行って、目的物である3,3’−ジヒドロキシベンジルを収率90モル%で得た。
(比較合成例4) 2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−(3−メタアクリロイルオキシ)フェニルエタン−1−オンの合成
Figure 0005845196
4,4’−ジヒドロキシベンジルのかわりに3,3’−ジヒドロキシベンジルを用い、オルト蟻酸トリメチルを滴下後の攪拌時間を48時間とし、また、メトキノンを添加してから溶媒を留去した後の操作をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9)による精製とした以外は、合成例2と同様の操作を行い、無色で油状物の2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−(3−メタアクリロイルオキシ)フェニルエタン−1−オンを収率48モル%、純度98.2%で得た。得られた物質のH−NMR測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl,ppm):δ=2.05(s,6H,メチル基),3.24(s,6H,メチル基),5.76(s,2H,ビニル基),6.34(s,2H,ビニル基),7.11(d,1H,ベンゼン環),7.24(d,1H,ベンゼン環),7.36(m,3H,ベンゼン環),7.48(s,1H,ベンゼン環),7.83(s,1H,ベンゼン環),7.94(d,1H,ベンゼン環)
(比較合成例5) 2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(2−クロロ)−アセトキシ]−フェニルエタン−1−オンの合成
Figure 0005845196
アクリル酸塩化物のかわりにクロロアセチルクロライドを用い、また、メトキノンを添加してから溶媒を留去した後の操作を省略した以外は合成例3と同様の操作を行って、目的物である2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(2−クロロ)−アセトキシ]−フェニルエタン−1−オンを粗収率58モル%で得た。
(比較合成例6) 2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(2−メタアクリロイルオキシ)−アセトキシ]−フェニルエタン−1−オンの合成
Figure 0005845196
比較合成例5で得た2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(2−クロロ)−アセトキシ]−フェニルエタン−1−オンの粗体1.0gとヨウ化ナトリウム0.03gとをN,N−ジメチルホルムアミド7.0gに溶解した。これにメタアクリル酸カリウム0.70gを添加して50℃で15時間攪拌した。その後、3質量%NaHCO水溶液を添加して5分間攪拌した。その後、トルエン20gで抽出し、水10gで3回洗浄、飽和食塩水10gで1回洗浄を行った後、メトキノン2.50mgを添加してから溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1(体積比))で精製することにより、無色で油状物の2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(2−メタアクリロイルオキシ)−アセトキシ]−フェニルエタン−1−オンを収率58モル%、純度93.3%で得た。得られた物質のH−NMR測定結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl,ppm):δ=1.99(s,6H,メチル基),3.21(s,6H,メチル基),4.89(s,4H,メチレン基),5.68(s,2H,ビニル基),6.24(s,2H,ビニル基),7.09(d,2H,ベンゼン環),7.14(d,2H,ベンゼン環),7.62(d,2H,ベンゼン環),8.11(d,2H,ベンゼン環)
(実施例1)
ベンジルアクリレート(商品名:V♯160、大阪有機化学工業(株)製)60質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(商品名:ライトアクリレートTMP−A、共栄社化学(株)製)36質量部、及び、合成例2で得られた2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−(4−メタアクリロイルオキシ)フェニルエタン−1−オン4質量部を、室温(25℃)で撹拌混合して、実施例1の光硬化性組成物を調製した。
次に、得られた光硬化性組成物をガラス基板上に塗布し、もう一枚のガラス基板を重ねることにより光硬化性組成物の塗膜を一対のガラス基板で挟持させ、窒素雰囲気下、水銀キセノンランプで1J/cm照射することにより、光硬化性組成物を硬化させた。硬化後、ガラス基板から剥離して、硬化物を得た。
次いで、得られた硬化物をアセトンに15時間浸漬した後、浸漬液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定することにより、ラジカル重合開始剤である2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−(4−メタアクリロイルオキシ)フェニルエタン−1−オンの硬化物からの溶出量を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
合成例2で得られた2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−(4−メタアクリロイルオキシ)フェニルエタン−1−オンのかわりに、合成例3で得られた2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−(4−アクリロイルオキシ)フェニルエタン−1−オンを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
(比較例1)
合成例2で得られた2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−(4−メタアクリロイルオキシ)フェニルエタン−1−オンのかわりに2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名:IRGACURE651、BASF製)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
(比較例2)
合成例2で得られた2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−(4−メタアクリロイルオキシ)フェニルエタン−1−オンのかわりに2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(商品名:IRGACURE127、BASF製)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
(比較例3)
合成例2で得られた2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−(4−メタアクリロイルオキシ)フェニルエタン−1−オンのかわりに1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:IRGACURE2959、BASF製)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
Figure 0005845196
この結果、合成例2〜3に示すように、上記式(A)で表される化合物は結晶性が非常に高く固体として得ることができた。一方、比較合成例1〜6では、合成例2〜3と比較して結晶性が著しく低く油状物であった。また、合成例2〜3では、比較合成例のようにカラムクロマトグラフィー等による複雑な精製をしなくても、結晶化のみにより、純度が高い化合物が得られた。そして、表1に示すように、上記式(A)で表される化合物をラジカル重合開始剤とした実施例1〜2は、ブリードアウトがほぼ完全に抑制されていた。

Claims (5)

  1. 下記式(A)で表されることを特徴とする2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(メタ)アクリロイルオキシ]フェニルエタン−1−オン。
    Figure 0005845196
    (式中、R及びRのそれぞれは、水素原子またはメチル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。)
  2. 請求項1に記載する2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(メタ)アクリロイルオキシ]フェニルエタン−1−オンからなることを特徴とするラジカル重合開始剤。
  3. 請求項1に記載する2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(メタ)アクリロイルオキシ]フェニルエタン−1−オンを含有することを特徴とする光硬化性組成物。
  4. さらにラジカル重合性化合物を含有することを特徴とする請求項3に記載する光硬化性組成物。
  5. 4,4‘−ジヒドロキシベンジルとオルトカルボン酸トリメチルエステルとを酸触媒の存在下で反応させた後に、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を反応させることにより、下記式(A)で表される2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(メタ)アクリロイルオキシ]フェニルエタン−1−オンを得ることを特徴とする2,2−ジメトキシ−1,2−ジ−[4−(メタ)アクリロイルオキシ]フェニルエタン−1−オンの製造方法。
    Figure 0005845196
    (式中、R及びRのそれぞれは、水素原子またはメチル基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。)
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