JP5846072B2 - 高強度鋼管用溶接継手、高強度鋼管用溶接継手の製造方法、高強度鋼管の接合方法および高強度鋼管の接合構造 - Google Patents
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また、このような高強度の溶接材料を用いる溶接では、予後熱管理を厳密に行う必要があるため、現場溶接が必要とされる建築構造物への適用は大きく制限される。また、溶接入熱や溶接パス間温度の制限が、低強度の溶接材料より厳しくなるため、作業効率も低下する。
アンダーマッチング用溶接金属の一例として特許文献1に記載のものが知られている。このアンダーマッチング用溶接金属は、硬度(Hv)が210以下で、かつ溶接金属の結晶粒径が円相当径で8μm以下であることを特徴としている。
前記高強度鋼管の端部は、その内周面に、当該高強度鋼管より強度の低い補強リングが前記高強度鋼管より強度の低い溶接金属によって溶接された状態となっており、
前記高強度鋼管の端部側に、前記高強度鋼管の端部の外周面から前記補強リングに向けて少なくとも前記溶接金属まで至る環状の傾斜面が先細りとなるように形成されていることを特徴とする。
したがって、この開先部に高強度鋼管より強度の低い溶接金属を充填することによって、当該溶接金属が一方の高強度鋼管の傾斜面と他方の高強度鋼管の端面との間および少なくとも補強リングを溶接している溶接金属まで至るので、当該溶接金属によって、両高強度鋼管および少なくとも補強リングの溶接金属を一体的に溶接できる。したがって、両高強度鋼管を容易かつ確実に溶接して接合することができる。
さらに、補強リングは高強度鋼管より強度が低いため、加工や高強度鋼管への溶接が容易である。
加えて、補強リングを有する高強度鋼管に、予め工場において、前記傾斜面を形成しておくことによって、現場では接合すべき高強度鋼管どうしを対向または突き合わせるだけで、開先部が形成される。したがって、現場での開先加工が必要なく、その分施工の手間が省ける。
前記高強度鋼管の端部の内周面に、当該高強度鋼管より強度の低い補強リングを、その一方の端面が前記高強度鋼管の端面とほぼ面一になるようにして、前記高強度鋼管より強度の低い溶接金属によって溶接し、
次に、前記高強度鋼管の端部側を、当該高強度鋼管の端部外周面から前記補強リング側に向けて少なくとも前記溶接金属まで至るようにして、切り落とすことによって、前記高強度鋼管の端部側に、前記環状の傾斜面を形成することを特徴とする。
前記一方の高強度鋼管と前記他方の高強度鋼管とを、前記一方の高強度鋼管の前記高強度鋼管用溶接継手の前記傾斜面と前記他方の高強度鋼管の端面とが対向するようにして、配置することによって、前記傾斜面と前記端面との間に開先部を設け、
次に、この開先部に前記高強度鋼管より強度の低い溶接金属を充填することによって、前記両高強度鋼管を溶接して接合することを特徴とする。
予め前記他方の高強度鋼管の端部の内周面に、当該高強度鋼管より強度の低い補強リングをその一方の端面が前記他方の高強度鋼管の端面とほぼ面一になるようにして、前記他方の高強度鋼管より強度の低い溶接金属によって溶接しておくのが好ましい。
前記一方の高強度鋼管と前記他方の高強度鋼管とが、前記一方の高強度鋼管の前記高強度鋼管用溶接継手の前記傾斜面と前記他方の高強度鋼管の端面とが対向するようにして、配置されることによって、前記傾斜面と前記端面との間に開先部が設けられており、
前記両高強度鋼管は、前記開先部に充填された前記高強度鋼管より強度の低い溶接金属によって接合されていることを特徴とする。
前記一方の高強度鋼管に溶接されている前記補強リングと、前記他方の高強度鋼管に溶接されている前記補強リングとが互いに当接していることが好ましい。
まず、本発明に係る高強度鋼管用溶接継手の構成について説明する。
図1Dは、高強度鋼管用溶接継手(以下、溶接継手と略称する。)の一例を示す断面図である。この溶接継手10は、高強度鋼管20の端部側に形成されて、当該高強度鋼管20を後述する他の高強度鋼管25に軸方向に溶接して接合するためのものである。なお、高強度鋼管20,25は、ビル等の構造物の柱として使用されるもので、実際は上下に長尺な鋼管であるが、図1A〜図1Eおよび図2A〜図2Dではその端部のみを記載している。
高強度鋼管20の端部(図1Dにおいて上端部)の内周面には、当該高強度鋼管20より強度の低い補強リング30が高強度鋼管20より強度の低い溶接金属40によって前記高強度鋼管20と同軸に溶接されている。なお、補強リング30の強度(引張強度)は490〜740MPa程度になっており、溶接金属40の強度は490〜780MPa程度になっている。
この傾斜面11は、高強度鋼管20の上端の傾斜面20a、溶接金属40の上部に形成された傾斜面40a、補強リング30の上端部に形成された傾斜面30aによって構成されている。
すなわちまず、図1Aに示すように、補強リング30を用意しておく。この補強リング30は円錐台状のリングであり、高強度鋼管20より強度の低い材料で形成されている。また、この補強リング30の最大外径の直径は、高強度鋼管20の内径とほぼ等しいか若干小さくなっている。
例えば、図1Cに二点鎖線で示す切断線C1で高強度鋼管20、溶接金属40、補強リング30の上部を一体的に切り落とす。切断線C1は高強度鋼管20の外周の所定の位置から補強リング30の内周上端を結ぶように設定されている。
このように、切断線C1によって高強度鋼管20の端部側を切り落とすことによって、高強度鋼管20の端部側(図1Dにおいて上端部側)に、前記環状の傾斜面11を形成する。
このようにして切り落とすことによって、高強度鋼管20の端部側に図1Eに示すような傾斜面14を有する溶接継手15を製造できる。なお傾斜面14は、高強度鋼管20の先端の傾斜面20bと溶接金属40の上部に形成された傾斜面40bとによって構成されている。
本実施の形態では、前記溶接継手10を有する一方の高強度鋼管20と、他方の高強度鋼管25とを軸方向に以下のようにして接合している。
次に、図2Bに示すように、両高強度鋼管20,25の補強リング30,35どうしを同軸にして付き当てることによって、つまり、補強リング30,35どうしを当接させることによって、一方の高強度鋼管20の傾斜面11と他方の高強度鋼管25の下端面25aとの間に開先部45を設ける。
さらに、補強リング30,35は高強度鋼管20,25より強度が低いため、加工や高強度鋼管20,25への溶接が容易である。
加えて、補強リング30を有する高強度鋼管25に、予め工場において、傾斜面11を形成しておくことによって、現場では接合すべき高強度鋼管20,25どうしを対向させて突き合わせるだけで、開先部45が形成される。したがって、現場での開先加工が必要なく、その分施工の手間が省ける。
この場合、図2Dに示すように、一方の高強度鋼管20と他方の高強度鋼管25とが、一方の高強度鋼管20の溶接継手10の傾斜面11と他方の高強度鋼管25の端面25aとが対向するようにして、配置されることによって、傾斜面11と端面25aとの間に開先部46が設けられ、この開先部46に高強度鋼管20,25より強度の低い溶接金属50が充填されることによって、両高強度鋼管20,25が溶接されて接合される。
したがって、溶接金属50は一方の高強度鋼管20の傾斜面11と他方の高強度鋼管25の端面25aとの間、溶接金属40および補強リング30の上面まで至るので、当該溶接金属50によって、両高強度鋼管20,25、補強リング30および溶接金属40を一体的に溶接できる。したがって、この場合でも、両高強度鋼管20,25を容易かつ確実に溶接して接合することができる。
11,14 傾斜面
20,25 高強度鋼管
30,35 補強リング
45,46 開先部
40 溶接金属
50 溶接金属
Claims (6)
- 高強度鋼管の端部に形成されて、当該高強度鋼管を他の高強度鋼管に軸方向に溶接して接合するための高強度鋼管用溶接継手であって、
前記高強度鋼管の端部は、その内周面に、当該高強度鋼管より強度の低い補強リングが前記高強度鋼管より強度の低い溶接金属によって溶接された状態となっており、
前記高強度鋼管の端部側に、前記高強度鋼管の端部の外周面から前記補強リングに向けて少なくとも前記溶接金属まで至る環状の傾斜面が先細りとなるように形成されていることを特徴とする高強度鋼管用溶接継手。 - 請求項1に記載の高強度鋼管用溶接継手を製造する方法であって、
前記高強度鋼管の端部の内周面に、当該高強度鋼管より強度の低い補強リングを、その一方の端面が前記高強度鋼管の端面とほぼ面一になるようにして、前記高強度鋼管より強度の低い溶接金属によって溶接し、
次に、前記高強度鋼管の端部側を、当該高強度鋼管の端部外周面から前記補強リング側に向けて少なくとも前記溶接金属まで至るようにして、切り落とすことによって、前記高強度鋼管の端部側に、前記環状の傾斜面を形成することを特徴とする高強度鋼管用溶接継手の製造方法。 - 請求項1に記載の高強度鋼管用溶接継手を有する一方の高強度鋼管と他方の高強度鋼管とを軸方向に溶接して接合する高強度鋼管の接合方法であって、
前記一方の高強度鋼管と前記他方の高強度鋼管とを、前記一方の高強度鋼管の前記高強度鋼管用溶接継手の前記傾斜面と前記他方の高強度鋼管の端面とが対向するようにして、配置することによって、前記傾斜面と前記端面との間に開先部を設け、
次に、この開先部に前記高強度鋼管より強度の低い溶接金属を充填することによって、前記両高強度鋼管を溶接して接合することを特徴とする高強度鋼管の接合方法。 - 前記一方の高強度鋼管と他方の高強度鋼管とを、前記一方の高強度鋼管の前記高強度鋼管用溶接継手の前記傾斜面と前記他方の高強度鋼管の端面とが対向するようにして、配置するに際し、
予め前記他方の高強度鋼管の端部の内周面に、当該高強度鋼管より強度の低い補強リングをその一方の端面が前記他方の高強度鋼管の端面とほぼ面一になるようにして、前記他方の高強度鋼管より強度の低い溶接金属によって溶接しておくことを特徴とする請求項3に記載の高強度鋼管の接合方法。 - 請求項1に記載の高強度鋼管用溶接継手を有する一方の高強度鋼管と他方の高強度鋼管とを軸方向に溶接して接合してなる高強度鋼管の接合構造であって、
前記一方の高強度鋼管と前記他方の高強度鋼管とが、前記一方の高強度鋼管の前記高強度鋼管用溶接継手の前記傾斜面と前記他方の高強度鋼管の端面とが対向するようにして、配置されることによって、前記傾斜面と前記端面との間に開先部が設けられており、
前記両高強度鋼管は、前記開先部に充填された前記高強度鋼管より強度の低い溶接金属によって接合されていることを特徴とする高強度鋼管の接合構造。 - 前記他方の高強度鋼管の端部は、その内周面に、当該高強度鋼管より強度の低い補強リングが、その一方の端面が前記他方の高強度鋼管の端面とほぼ面一になるようにして、前記他方の高強度鋼管より強度の低い溶接金属によって溶接された状態となっており、
前記一方の高強度鋼管に溶接されている前記補強リングと、前記他方の高強度鋼管に溶接されている前記補強リングとが互いに当接していることを特徴とする請求項5に記載の高強度鋼管の接合構造。
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