JP5848764B2 - 筋子の卵巣膜自動開き装置筋子の卵巣膜自動開き方法 - Google Patents
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Description
なお、本明細書において筋子とは、多数の魚卵粒が卵巣膜に覆われた状態のものをいう。例えば、鮭・鱒などの多数の魚卵粒を卵巣膜で包んでいる状態のものが代表例として挙げられるが、多数の魚卵粒を卵巣膜で包んでいるものであれば全て「筋子」と称し、本発明の範囲内で全て対象とされる。
従来から、イクラ等の魚卵粒は、次の(1)(2)に示すように、作業者の手作業によって一粒ずつばらばらに分離させていた。
(1)「筋子開き作業」
一つ一つの筋子を作業台に移し、筋子を片手で持ち、卵巣膜を刃物で開く(割く)。
(2)「手揉み作業」
次に、その開いた(割いた)卵巣膜に付着する多数の魚卵粒を、作業者が手で揉んで一粒ずつばらばらに分離させる(手揉み作業)。
すなわち、魚卵粒を傷つける(潰す)ことなく卵巣膜を刃物で開くには、やはり熟練を要した作業者の手作業に頼らざるを得なかったのが実情であった。
特に、イクラなどの比較的高価な魚卵粒にあっては、歩留まり良く一粒ずつ分離させることが最重要課題であり、そのための前提作業として、作業者の手作業によらずとも魚卵粒を傷つける(潰す)ことなく卵巣膜を自動的に開くことができるかが課題として残されていたものである。
そこで、本願の出願人は、どのようにしたら歩留まり良く連続して、かつ自動的に卵巣膜を開くことができるかについて種々研究を重ねた結果、本発明の自動開き装置の完成に至った。
前記搬送部の上方に配設され、前記搬送部にて搬送されてきた筋子を、前記搬送部側に押し付ける押し付け部と、
前記搬送部の下方に配設され、前記開口領域に吸い込み口を対向して備え、搬送されてきた筋子の卵巣膜を前記開口領域から吸い付ける膜吸い付け部と、
前記搬送部に設けられた開口領域から搬送面上に突出し、前記膜吸い付け部で吸い付けられた筋子の卵巣膜を割く膜割き部とで構成されており、
前記膜割き部は、前記開口領域から搬送面上に突出する膜突き刺し部と、膜突き刺し部と連続し、かつ膜突き刺し部よりも前記開口領域寄りに設けられた膜割き刃とを含み、
前記膜吸い付け部は、前記膜突き刺し部の先端の直下若しくは膜突き刺し部の先端直近の投入領域側に吸い込み口を位置させていることを特徴とする筋子の卵巣膜自動開き装置としたことである。
架台には、前記搬送ベルトを摺動可能に受けるベルト受面を含み、ベルト受面の所定箇所には鉛直方向で貫通した開口部が設けられており、
前記複数の搬送ベルトの上面が筋子の搬送面として機能し、
前記所定間隔をあけて配した複数の搬送ベルト間の隙間から臨む前記架台のベルト受面に設けられた開口部が開口領域として機能していることを特徴とする筋子の卵巣膜自動開き装置としたことである。
搬送部にて搬送されてきた筋子を、搬送部側に押し付ける筋子押し付け工程と、
搬送されてきた筋子の卵巣膜を、搬送部に設けられた開口領域から搬送部の下方へと吸い付ける卵巣膜の吸い付け工程と、
前記搬送部に設けられた開口領域から搬送面上に突出した膜割き部によって、前記搬送部の下方へと吸い付けられた筋子の卵巣膜を割く膜割き工程を含むこと特徴とする筋子の卵巣膜自動開き方法としたことである。
さらに、本発明の装置および方法の提供により、上述した特許文献1に開示の魚卵粒連続分離装置(及び特許文献2に開示の魚卵筋切り装置)とともに、筋子から魚卵粒を分離させるまでの一連の工程を連続して自動化することができた。これにより、作業者の労力軽減・健康上の問題等も解消され、かつ食品衛生上、HACCP対応上の問題も併せて解決された。
以下、本明細書では、多数の鮭の魚卵粒が卵巣膜によって覆われている「筋子」を一例として挙げて本発明の実施の一形態を説明する。なお、「筋子」は、「塩蔵品(いわゆる塩漬けした筋子)」と「未加工品(生の筋子)」の双方ともが対象である。
ベルト受面2は、所定の配列により多数の水抜き孔3(板の鉛直方向に貫通した孔)が全体にわたって設けられており、そして、ベルト受面2の板長さ方向の一端の領域(図1および図2における右側の投入領域4)から他端の領域(図1および図2における左側の排出領域6)までの間の所定位置には、上下方向(鉛直方向)にわたって長孔状に貫通した開口部17が形成されている(図3乃至図8を参照。)。
なお、前記水抜き孔3の孔形状や孔径、孔と孔との間隔(ピッチ)などの諸仕様は設計変更可能である。
ベルト受面2は、回転作動する搬送ベルト12の裏面16側が接触するため、摩擦抵抗が極力低くなるように水抜き孔3のエッジなどによる凹凸がないように設計するのが好ましい。
例えば、本実施形態では、図示しない凹条部(左右の端縁にわたって連続する凹部)と凸条部(左右の端縁にわたって連続する凸部)が、ベルトの長さ方向(搬送方向200と同じ方向)にわたって交互に配設された表面凹凸状に形成された合成樹脂製ベルトを使用している。
なお、ベルト表面15を梨地状に形成したもの、ベルト表面15に断続した凹部と凸部が多数形成されたものなど本発明の範囲内で設計変更可能である。
また、搬送ベルト12は、ゴム製・合成樹脂製など任意に設計変更可能であり、また、金属製にすることを特段除外するものではなく本発明の範囲内である。
本実施形態では、断面視で略逆Vの字形状(台形状ともいう。)に形成された長尺部材19が、それぞれ所定間隔をあけて複数本横並び状に配設されており、それぞれ隣り合う長尺部材19の相対向するそれぞれの傾斜状の壁面20が案内壁18として機能している(図8を参照。)。
また、本実施形態では、それぞれの長尺部材19の上面にて、それぞれの長尺部材19に直交するように掛け渡されて一体に成形されている掛け渡し部材23を有し、掛け渡し部材23が架台1に対して着脱自在に取り付けられている。
また、案内壁18を構成している各長尺部材19は、それぞれの下端(拡開側の端部)21が、搬送ベルト12の表面15とわずかな隙間をもって配設されているか、搬送ベルト12の表面15とわずかに接触する程度に配設されている。
断面視で略逆Vの字形状(台形状ともいう。)に形成された長尺部材19の下端(拡開側の端部)21の間隔は、長尺部材19を一つの搬送ベルト12の表面15で、かつ搬送方向200に沿ってベルトの幅方向と直交する方向の中心線上に位置させた際に、長尺部材19の下端(拡開側の端部)21の両側に搬送ベルト12が所定幅をもって残る程度の幅とする(拡開側の端部の間隔を22、下端21の両側に残るベルトの幅を12aとする。)。
これにより、本実施形態では、図1に示すように、装置全体で、4つに区分けされた搬送領域8がそれぞれ形成されていることとなり、一度に多数の筋子100における卵巣膜101の開き処理作業がなし得るため、作業効率が大変向上する。
また、本体管部25は、一端側26が閉鎖されており、他端側が、吸い込み装置29と接続されている。従って、吸い込み装置29によって、本体管部25を介してそれぞれの吸い付け管部27に所定の吸い込み力が作用する。
前記膜吸い付け部24は、後述する膜突き刺し部41の先端の直下若しくは膜突き刺し部41の先端直近の上流側(投入領域4側)に吸い込み領域(吸い込み口28)を位置させている。
押え部材用取付面32には、水平方向に並んで二つの取付ボルト用の第1孔部34が形成されており、前記第1孔部34が形成されている領域の一側面から斜め傾斜状に突出して一体に形成される刃押え面35を備えている。
押え部材36は、前記取付ボルト用の二つの第1孔部34と連通する二つの第2孔部37が並んで設けられている取付用の矩形板部38と、矩形板部38の一側面から段部39を介して斜め傾斜状に突出して一体に形成され、前記矩形板部38を本体部31に取付固定した際に、本体部31の押え部材用取付面32の刃押え面35とともに膜割き刃44を挟み込んで保持する刃押え板部40とで構成されている。
膜突き刺し部41の突出領域は、細い丸棒状に形成された棒状部42と、その棒状部42の先端に形成された先細り状に尖った円錐状の先端部43を有している。この膜突き刺し部41の突出量は特に限定解釈されない。
従って、本体部31の刃押え面35は、膜突き刺し部41の棒状部42の中途部から、一体に下り傾斜状に形成されている。
刃部46は、本実施形態では片刃をもって説明するが、両刃であっても本発明の範囲内である。
例えば、膜突き刺し部41と膜割き刃44が、それぞれ別部材として形成されて架台1に取り付ける構造であってもよい。このように別部材として構成する場合であっても、搬送方向200における上流側(投入領域4側)に膜突き刺し部41が備えられ、その下流側(排出領域6側)に膜割き刃44が備えられるものとする。
さらに、別部材として備えられる膜割き刃44の形状も丸刃などの他の任意形状が本発明の範囲内で採用可能であり、また、膜割き刃44を別部材とする場合において、例えば丸刃の回転刃を採用することも本発明の範囲内である。
第1の押し付けローラー53と第2の押し付けローラー54と第3の押し付けローラー55は、それぞれ自重で搬送ベルト12方向に下がり、押えベルト51を搬送ベルト12方向へと押し付け可能なように、上下作動可能に押し付け部本体48に配設されている。
図示は省略するが、具体的には、押し付け部本体48の枠部に、左右方向に回転可能に軸支された左右の板部と、該左右の板部の反軸支側の端部にて左右方向に回転可能に軸支されたローラー部とからなる構成を採用している。すなわち、ローラー部の自重によって搬送ベルト12方向に下がり、また、押えベルト51と搬送ベルト12との間を通過する筋子100によって上方に多少移動可能である。これにより、筋子100に無理な押し付け力が多大にかかり押し潰すことのないように押え力(押し付け力)を微調整している。
また、本実施形態では、図8に示すように、押えベルト51が、一つの搬送面14に対して2本併設されている。この2本の押えベルト51,51は、それぞれ所定の間隔をあけて並んでいる。そして、2本の押えベルト51,51は、単一のベルト押し付け部52(第1の押し付けローラー53、第2の押し付けローラー54、第3の押し付けローラー55)によって搬送ベルト12方向(搬送面14方向)に押し付けている。
すなわち、本実施形態において、上述のように所定の間隔をあけて2本の押えベルト51,51を備える構成を採用した理由は、押えベルト51を、ベルト押し付け部52によって搬送ベルト12方向(搬送面14方向)に押し付けたときに、膜割き部30に押えベルト51が接して損傷する(押えベルト51の損傷や膜割き部30の損傷)ことを防ぐためである。
本実施形態では、この2本の押えベルト51,51に対して、単一のベルト押し付け部52を採用して2本の押えベルト51,51を同時に押し付ける構成であるが、それぞれの押さえベルト51,51に対してそれぞれ個別のベルト押し付け部52を配することも可能で本発明の範囲内である。
なお、膜割き部30に押えベルト51が接しないように設定しても十分に筋子100を搬送ベルト12方向(搬送面14方向)に押し付け可能であれば、押えベルト51は、一つの搬送面14に対して単一のベルト(前記2本の押えベルト51,51を併設したときの総幅と同程度の幅広の単一のベルト)を採用することも可能である。
本実施形態では、上述のとおり押し付け部47を備えているが、本発明において押し付け部47の配設は任意であり、押し付け部47を備えていない形態であっても、本発明の作用効果を十分に発揮可能である。
まず、卵巣膜101の膜割き対象となる筋子100を、隣り合う案内壁18の相対向する傾斜状の壁面20間にて形成されている搬送領域8の搬送面14上に投入する(載せる)。搬送面14上に投入された筋子100は、搬送ベルト12によって投入領域4から排出領域6へと搬送される(搬送方向200へと搬送される。)。図1−図3を参照。
次に、搬送ベルト12によって搬送されてきた筋子100は、押し付け部47の下方領域に到達し、押し付け部47の押えベルト51と搬送ベルト12との間に入って行く。
そして、第1の押し付けローラー53の直下にて、第1の押し付けローラー53の直下に配されている膜吸い付け部24の吸い込み口28によって卵巣膜101が搬送面14の下方へと吸い付けられる。図4を参照。
そして、筋子100は、前記膜吸い付け工程によって卵巣膜101が吸い込み口28に吸い付けられた状態で搬送され、膜割き部30に到達する。
膜割き部30に到達した筋子100は、先に吸い込み口28に卵巣膜101が吸い付けられた状態のまま搬送され、押し付け部47の第1の押し付けローラー53によって搬送面14方向に押し付けられながら排出領域6寄りに配されている膜割き部30の膜突き刺し部41が卵巣膜101に突き刺さる。
このとき筋子100は、第1の押し付けローラー53によって搬送面14方向に押し付けられているが、第1の押し付けローラー53は、自重で搬送面14方向に下がっているだけであり、上下方向に回転作動(上下昇降)可能であるため、筋子100がその第1の押し付けローラー53の下位を通過する際には、筋子100によって適宜上方に移動可能である。従って、通過する筋子100に無理な押し付け力が作用するわけではないため、魚卵粒102が押し潰されてしまうという虞は全く無い。
また、筋子100の卵巣膜101に膜突き刺し部41が突き当たったときに、筋子100が逃げようとすることもあるが、第1の押し付けローラー53によって所定圧力で押し付けられているため(筋子100の側面は、それぞれ案内壁18によってガードされている。)、筋子100の逃げを抑えて膜突き刺し部41が確実に突き刺さるように作用している。
そして筋子100は、膜突き刺し部41が卵巣膜101を突き破り、筋子100内に挿入された状態のまま搬送され、膜割き部30の膜割き刃44に到達する。そして、膜割き刃44によって卵巣膜101の下面(搬送面14と接している面)が搬送方向200に沿って連続して割かれていく(切り開かれていく。)。図5−図6を参照。
上述の各工程を経て、卵巣膜101の下面(搬送面14と接している面)が搬送方向200に沿って連続して割かれた(切り開かれた)筋子100は、図1−図2における向かって左側の排出領域6に搬送され、排出領域6の端から順次排出されていく。
なお、この排出領域6の端に、本発明者等が先に提案している特許文献1に開示の魚卵粒連続分離装置を配置しておき、本装置から排出された卵巣膜101の割かれた筋子100を、前記特許文献1に開示の魚卵粒連続分離装置へと連続して搬送可能にしておけば、筋子100から魚卵粒102を分離させるまでの一連の工程を連続して自動化することができる。これにより、作業者の労力軽減・健康上の問題等も解消され、かつ食品衛生上、HACCP対応上の問題も併せて解決することが可能となる。
6 排出領域
8 搬送領域
9 搬送部
12 搬送ベルト
14 搬送面
17 開口部(開口領域)
24 膜吸い付け部
28 吸い込み口(吸い込み領域)
30 膜割き部
41 膜突き刺し部
44 膜割き刃
100 筋子
101 卵巣膜
102 魚卵粒
Claims (4)
- 筋子を投入領域から排出領域へと自動的に搬送する搬送領域を架台上に有し、かつ搬送領域の所定箇所に開口領域を有してなる搬送部と、
前記搬送部の上方に配設され、前記搬送部にて搬送されてきた筋子を、前記搬送部側に押し付ける押し付け部と、
前記搬送部の下方に配設され、前記開口領域に吸い込み口を対向して備え、搬送されてきた筋子の卵巣膜を前記開口領域から吸い付ける膜吸い付け部と、
前記搬送部に設けられた開口領域から搬送面上に突出し、前記膜吸い付け部で吸い付けられた筋子の卵巣膜を割く膜割き部とで構成されており、
前記膜割き部は、前記開口領域から搬送面上に突出する膜突き刺し部と、膜突き刺し部と連続し、かつ膜突き刺し部よりも前記開口領域寄りに設けられた膜割き刃とを含み、
前記膜吸い付け部は、前記膜突き刺し部の先端の直下若しくは膜突き刺し部の先端直近の投入領域側に吸い込み口を位置させていることを特徴とする筋子の卵巣膜自動開き装置。 - 搬送部は、架台上において所定間隔をあけて配した複数の搬送ベルトを含み、
架台には、前記搬送ベルトを摺動可能に受けるベルト受面を含み、ベルト受面の所定箇所には鉛直方向で貫通した開口部が設けられており、
前記複数の搬送ベルトの上面が筋子の搬送面として機能し、
前記所定間隔をあけて配した複数の搬送ベルト間の隙間から臨む前記架台のベルト受面に設けられた開口部が開口領域として機能していることを特徴とする請求項1に記載の筋子の卵巣膜自動開き装置。 - 押し付け部は、少なくとも、搬送部に設けられている開口領域の上方にて筋子を搬送部方向に押し付けていることを特徴とする請求項1又は2に記載の筋子の卵巣膜自動開き装置。
- 筋子を搬送部上に乗せて投入領域から排出領域へと搬送する筋子搬送工程と、
搬送部にて搬送されてきた筋子を、搬送部側に押し付ける筋子押し付け工程と、
搬送されてきた筋子の卵巣膜を、搬送部に設けられた開口領域から搬送部の下方へと吸い付ける卵巣膜の吸い付け工程と、
前記搬送部に設けられた開口領域から搬送面上に突出した膜割き部によって、前記搬送部の下方へと吸い付けられた筋子の卵巣膜を割く膜割き工程を含むこと特徴とする筋子の卵巣膜自動開き方法。
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