JP5852633B2 - 硬化性樹脂組成物、その硬化物、これを有するプリント配線板、及び硬化物の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明では、複数、特に2つのガラス転移点(Tgx及びTgy)を有する熱可塑性樹脂を成分(A)として用いる。
X−Y (I)
(式中、Xはガラス転移点Tgx>30℃のポリマー単位(ハードセグメント)であり、Yはガラス転移点Tgy<0℃のポリマー単位(ソフトセグメント)である)
の構造を含むブロック共重合体が挙げられる。ここで、ブロック共重合体とは一般的に性質の異なる二種類以上のポリマーが、共有結合で繋がり長い連鎖になった分子構造の共重合体を意味する。上記のブロック共重合体を用いることにより、本発明の硬化性樹脂組成物から得られた硬化物に強靭性が与えられる。
X1−Y−X2 (II)
(式中、X1及びX2は、それぞれガラス転移点Tgx1>30℃及びTgx2>30℃のポリマー単位(ハードセグメント)であり、Yはガラス転移点Tgy<0℃のポリマー単位(ソフトセグメント)であり、X1、X2は相互に異なるポリマー単位であってもよいが、同一のポリマー単位であることが好ましい)で表されるブロック共重合体を使用することが好ましい。
本発明に適用可能なブロック共重合体の市販品としては、3元系以上のものとしては、アルケマ社製のリビング重合を用いて製造されるアクリル系トリブロックコポリマーが挙げられる。具体例としては、ポリスチレン(Tgx1:100℃)−ポリブタジエン(Tgy:-70℃)−ポリメチルメタアクリレート(Tgx2:140℃)に代表されるSBMタイプ、ポリメチルメタアクリレート(Tgx1:140℃)−ポリn−ブチルアクリレート(Tgy:-40℃)−ポリメチルメタアクリレート(Tgx2:140℃)に代表されるMAMタイプ、更にはカルボン酸変性や親水基変性処理されたMAM NタイプやMAM Aタイプが挙げられる。SBMタイプとしてはE41、E40、E21、E20等が挙げられ、MAMタイプとしてはM51、M52、M53、M22、SM6290XD30等が挙げられ、MAM Nタイプとしては52N、22N、MAM AタイプとしてはSM4032XM10等が挙げられる。
さらに、成分(B)として、ガラス転移点Tgzを有する熱硬化成分を用いる。これを含有することにより、耐熱性、絶縁信頼性等の特性を向上させることができる。本発明では、(B)熱硬化成分のガラス転移点Tgzと、熱可塑性樹脂(成分(A))の2つのガラス転移点の低い方であるTgyとが、下式
Tgz≧Tgy+20℃
の関係を満たすことが必要とされる。
本発明では、アルカリ可溶成分を成分(C)として用いる。アルカリ可溶成分としてはカルボキシル基含有樹脂またはフェノール性水酸基含有樹脂を用いると好ましい。これにより、硬化性樹脂組成物により形成した塗膜を、現像を介してパターン形成することが可能となる。
本発明において用いられる(D−1)光重合開始剤としては、公知のいずれのものも用いることができるが、中でも、オキシムエステル基を有するオキシムエステル系光重合開始剤、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤が好ましい。
られる。また(D−1)光重合開始剤の一部物質が(D−2)光塩基発生剤としても機能し、オキシムエステル基を有するオキシムエステル系光重合開始剤、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤が好ましい。この他、アシルオキシイミノ基,N−ホルミル化芳香族アミノ基、N−アシル化芳香族アミノ基、ニトロベンジルカーバメイト基、アルコオキシベンジルカーバメート基等の置換基を有する光重合開始剤を用いることもできる。各開始剤の説明は(D−1)光重合開始剤での説明の通りである。
光開始助剤または増感剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタール化合物、ベンゾフェノン化合物、3級アミン化合物、及びキサントン化合物などを挙げることができる。これらの化合物は、(D−1)光重合開始剤として用いることができる場合もあるが、(D−1)光重合開始剤と併用して用いることが好ましい。また、光開始助剤または増感剤は1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明では、さらに(E)熱硬化触媒を用いることが好ましく、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物などを使用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、感光性モノマーを用いることができる。特に硬化性樹脂組成物が感光性を有する硬化性樹脂組成物である場合、硬化性や耐現像性の面において好ましい。感光性モノマーは、分子中にエチレン性不飽和基を有する化合物であり、硬化性樹脂組成物の粘度調整、硬化性の促進や現像性の向上の為に用いられる。このような化合物としては、慣用公知のポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートが使用でき、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジアクリレート類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコールまたはこれらのエチレオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、もしくはε−カプロラクトン付加物などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、およびこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価アクリレート類;上記に限らず、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端ポリブタジエン、ポリエステルポリオールなどのポリオールを直接アクリレート化、もしくは、ジイソシアネートを介してウレタンアクリレート化したアクリレート類およびメラミンアクリレート、および上記アクリレートに対応する各メタクリレート類の少なくとも何れか1種などが挙げられる。
本発明の硬化性組成物にはさらに、連鎖移動剤、密着促進剤、酸化防止剤、防錆剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、消泡剤及びレベリング剤の少なくとも何れか1種、シランカップリング剤、フィラー、バインダー、難燃剤、チキソ化剤、防錆剤などの成分を配合することができる。これらは、電子材料の分野において公知の物を使用することができる。
基材上に硬化性組成物を施与する工程(a)、
パターン状の光照射にて硬化性組成物に含まれる光重合開始剤を活性化して光照射部を硬化する工程(b)、及び
現像により未照射部を除去することによりネガ型のパターン層を形成する工程(c)により、ネガ型パターンが形成される。
上記工程(a)は、基材に硬化性組成物からなる組成物層を形成する工程である。組成物層を形成する方法は、液状の硬化性組成物を基材上に、塗布、乾燥する方法や、硬化性組成物をドライフィルムにしたものを基材上にラミネートする方法によることができる。
工程(b)では、上記工程(a)ののちに溶剤を揮発乾燥した後に得られた塗膜に対し、露光(活性エネルギー線、特に紫外線等の光照射)を行うことにより、パターニングが行われる。一態様()として硬化性樹脂組成物中の光重合開始剤がエチレン性不飽和二重結合に対して逐次反応をすることにより、露光部(活性エネルギー線、特に紫外線等によりにより光照射された部分)が硬化する。かかる態様の場合、その後、アルカリ現像液に対してネガ型のパターン形成が可能となり、また、熱硬化も併せて行なうことで硬化性が向上する点で好ましい。
工程(c)は、現像により未照射部を除去することによりネガ型のパターン層を形成する工程である。現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等公知の方法によることができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エタノールアミンなどのアミン類、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)等のアルカリ水溶液またはこれらの混合液を用いることができる。
上記パターン形成方法は、工程(c)の後に、さらなる光照射程(d)を含むことが好ましい。工程(c)の後にさらに紫外線照射等の光照射を行うことで、露光時に反応せずに残ったモノマーを反応させることができる。光照射工程(d)における照射光の波長および光照射量(露光量)は、工程(b)と同じであってもよく、異なっていてもよい。好適な光照射量(露光量)は、150〜2000mJ/cm2である。
上記パターン形成方法は、工程(c)の後に、さらに、熱硬化(ポストキュア)工程(E)を含むことが好ましい。
<硬化性組成物の調製>
下記表1及び表2に記載した配合に従って、実施例に記載の材料をそれぞれ配合、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルにて混練し、硬化性組成物を調製した。
1−1.評価基板の作成
上記により得られた実施例1〜13、及び比較例1〜5、7及び8の配合の硬化性樹脂組成物を、パターン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷により、乾燥膜厚約40μmになるように全面塗布した(順に未硬化サンプル1〜13、比較未硬化サンプル1〜5、7及び8という)。
上記により得られた評価基板を、80mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。測定は、引張試験機(島津製作所社製 機種名:AGS-G 100N)を用いて行い、破断点伸び率について評価を行った。評価基準は以下の通りである。
○…破断点伸び率5%以上8%未満
△…破断点伸び率3%以上5%未満
×…破断点伸び率3%未満
未硬化サンプル1〜13、比較未硬化サンプル1〜5、7及び8に対して、ORC社製HMW680GW(メタルハライドランプ、散乱光)にてネガ型のパターン状に照射量を1000mJ/cm2の積算光量で光照射した(順に光照射サンプル1〜13、比較光照射サンプル1〜5、7及び8という)。
○…光照射部表面にTMAH/エタノールアミン混合水溶液の現像液によるダメージがなく、また未照射部に現像残渣が見られない状態。
×…光照射部表面にTMAH/エタノールアミン混合水溶液の現像液によるダメージがある、未照射部に現像残渣が見られる、 未照射部の現像ができない、または光照射部及び未照射部ともに完全溶解した状態。
上記パターニング試験をした際、開口径のサイズを50μm、100μmとしてその開口状態をそれぞれ目視にて評価を行った。現像液は1.0wt%炭酸ナトリウム水溶液を使用した。
○…100um以下、50umを超えるサイズでは開口良好なものの、50umは開口不良(ハレーションやアンダーカットが発生)
×…100um以下開口不良(ハレーションやアンダーカットが発生)
上記パターニング試験にて用いた条件にて硬化したサンプルを引張試験機(島津製作所社製 機種名:AGS-G 100N)を用いて破断させ、破断した断面をFE-SEM(JEOL)で観測した。
×…直径1μm以上のマクロ相分離または均一系となる
得られた結果を下記表1及び2に示す。
LA2250・・・・・・・・・株式会社クラレ社製
NanoStrengthM52N・・アルケマ社製
EPPN501H・・・・・・・・・日本化薬社製
jER828・・・・・・・・・・・三菱化学社製
AER−900・・・・・・・・・・旭化成イーマテリアルズ社製
HF1H60・・・・・・・・・・・明和火星社製
ジョンクリル586H60・・・・・・ジョンソンポリマー社製
R-2000・・・・・・・・・・・・日本社製
WPBG-082・・・・・・・・・・和光純薬社製
IrgOXE02・・・・・・・・・・BASFジャパン社製
TPO・・・・・・・・・・・・・・・BASFジャパン社製
2E4MZ・・・・・・・・・・・・・四国化成工業社製
DHPA・・・・・・・・・・・・・・日本化薬社製
Claims (10)
- (A)熱可塑性樹脂と、
(B)熱硬化成分としてのエポキシ化合物と、
(C)アルカリ可溶成分と、
(D−1)光重合開始剤及び(D−2)光塩基発生剤の少なくとも何れか一種と、
を含有する硬化性樹脂組成物であって、
前記熱可塑性樹脂(A)が、下記式(II)
X1−Y−X2 (II)
(式中、X1及びX2は、それぞれガラス転移点Tgx1>30℃及びTgx2>30℃のポリマー単位(ハードセグメント)であり、Yはガラス転移点Tgy<0℃のポリマー単位(ソフトセグメント)であり、X1、X2は相互に同一または異なるポリマー単位である)で表されるブロック共重合体であり、前記エポキシ化合物(B)がガラス転移点Tgzを有し、Tgz≧Tgy+20℃であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。 - 硬化することにより得られる硬化物の内部にナノシリンダー構造を有することを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記エポキシ化合物(B)のガラス転移点Tgzが−50℃を超過することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂(A)のガラス転移点Tgx、Tgyがそれぞれ−50℃<Tgy<0℃、および30℃<Tgx<150℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 前記アルカリ可溶成分(C)が、カルボキシル基含有樹脂またはフェノール性水酸基含有樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- さらに、(E)熱硬化触媒を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物。
- ナノシリンダー構造を有することを特徴とする請求項7記載の硬化物。
- 請求項7または8に記載の硬化物を備えることを特徴とするプリント配線板。
- 基材上に請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物を施与する工程(a)、
パターン状の光照射にて前記硬化性組成物に含まれる前記光重合開始剤を活性化して光照射部を硬化する工程(b)、
現像により未照射部を除去することによりネガ型のパターン層を形成する工程(c)、及び
更なる光照射工程(d)、を含むことを特徴とする、前記硬化性樹脂組成物の硬化物の製造方法。
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