JP5858904B2 - 車両用空調システム - Google Patents
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Description
客室の空気がこのような車両用空調システムの暖房運転によって暖められる場合には、空気調和機の吹き出し口から吹き出された暖房気流は、客室の上方に溜まる傾向がある。そのため、座席等が設けられた客室の下方の空気の温度は低いままの状態となり、乗客は足下が寒いと感じてしまい、乗客の快適性が保たれなくなることがあった。
なお、実施の形態の説明においては、旅客用の鉄道車両に用いられる車両用空調システムについて説明しているが、本発明に係る車両用空調システムには、例えばバスなど他の車両に用いられる車両用空調システムが含まれる。また、各図において、同一部材又は同一部分には同一の符号を付している。また、以下に示す図面では、本発明の主要部に関連する構成を中心に示しており、主要部に直接的に関係しない車両用空調システムの細部の構造については図示を簡略化又は省略している。また、以下に示す図面の形態によって本発明が限定されるものではない。
(車両用空調システムの構成)
まず、実施の形態1に係る車両用空調システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る車両用空調システムの構成を示す図である。図1に示すように、車両用空調システム1は、空気調和機2と、横断流送風機3と、吸い込み口温度センサー4と、制御部5とを少なくとも有する。なお、実施の形態1の制御部5は、本発明における「制御手段」に相当する。
図2は、実施の形態1に係る車両用空調システムの横断流送風機の揺動動作における揺動角度を説明するための図である。図2に示すように、横断流送風機3の吐出口3aの揺動動作は、図2において下方向を中心に、揺動角度±θの角度にて幅方向に対称に行われる。
吸い込み口温度センサー4は、吸い込み口25の近傍に設けられ、吸い込み口25から吸い込まれる空気調和機2の吸い込み気流の温度を検出する。吸い込み口温度センサー4は、例えばサーミスタ等の空気の温度を検出可能な任意の温度センサーで構成される。吸い込み口温度センサー4が検知した温度情報は、制御部5に入力される。
次に、実施の形態1に係る車両用空調システム1の動作について説明する。
制御部5は、空気調和機2の暖房運転の開始信号を取得すると、横断流送風機3の送風動作を開始させる。ここで、暖房運転の開始信号とは、操作部(図示せず)から空気調和機2に対して出力される暖房運転の開始を指示する信号、又は空気調和機2が暖房運転を開始したことを示す信号であって空気調和機2から出力される信号等、空気調和機2の暖房運転の開始と同期することのできる信号であればその発信元は問わない。暖房運転の開始信号を取得すると、制御部5は、車両20の幅方向に揺動角度±θ度で揺動しつつ送風を行うような過渡的な送風動作を横断流送風機3に行わせるように吐出口3aを揺動させる。このような過渡的な送風動作により、客室22の空気の攪拌及び暖かい空気と冷たい空気との混合が促進され、客室22の空気の温度を均一に近づけることができる。制御部5は、空気調和機2の暖房運転を停止した際には、横断流送風機3の送風動作を停止させる。
乗客61の数は、車両20に設けられた荷重センサー30によって、例えば一人当たりの平均体重(例えば65kg)に基づいて推定される。
乗客61の数が車両20の座席数未満であると推定される場合には、制御部5は、乗客61はすべて座席28に座っているものとみなす。この場合、制御部5は、図3(A)に示すように、揺動角度±θで横断流送風機3が揺動しながら送風するように送風制御を行う。なお、θは、座席28に座っている乗客61が気流を感じないような角度とし、車両20の寸法によって異なるが例えば±40度以下とする。
次に、実施の形態1に係る車両用空調システム1の作用について説明する。
まず、従来の車両用空調システムとして、横断流送風機3を有しない車両用空調システム(以下、「比較例1」という。)の作用について説明する。
空気調和機2が暖房運転を開始する前は、客室22の空気の温度は設定温度以下である。空気調和機2が暖房運転を開始した後は、吹き出し口26から暖房気流が吹き出されるため、客室22の空気の温度は上昇するが、暖房気流は、客室22の空気よりも密度が小さく、客室22の上方に溜まって客室22の下方まで到達しない。そのため、客室22の空気には、高さ方向に大きな温度差が生じ、例えば座席28に座った乗客は寒さを感じることとなる。
なお、図5は、図4と同様に、空気調和機2の暖房運転を開始した後4分後における温度分布をシミュレーションした結果であるが、図5(A)には横断流送風機3を揺動させていない場合(下向きに固定)、図5(B)には横断流送風機3を揺動させた場合を示した。図5(A)、(B)に示すように、ともに客室22の空気の温度差が低減される。特に、乗客が座る客室22の下方まで温風が到達しており、図4よりも客室22内の空気の温度差が小さくなっていることが分かる。
なお、一方、比較例1よりも温度差は大幅に改善されるものの、実施の形態1において揺動角度を±38度まで大きくすると、相対的に温度差が大きくなる。
さらに、実施の形態1の車両用空調システム1は、乗客61の推定数に基づいて横断流送風機3の揺動角度θ及び送風動作(送風実行/送風停止)を変化させる。乗客61の推定数が多い場合には少ない場合よりも横断流送風機3の吹き出し方向の揺動角度を小さくすることで、乗客61に温風が直接的にあたるのを抑制しつつ、客室22内の空気を攪拌することができる。
このように実施の形態1の車両用空調システム1によれば、乗客の快適性を向上させることができる。また、客室22の壁面等に新たな風路を設けなくてもよいため、乗客の快適性を簡易な構造で向上させることができる、という優れた効果を奏する。
図8及び図9は、実施の形態1に係る車両用空調システムの制御例を示す図である。図8及び図9では、空気調和機2の暖房運転と横断流送風機3の送風動作の例をタイミングチャートで示している。
制御部5は、例えば図8に示すように、空気調和機2の暖房運転を開始すると同時に横断流送風機3の送風動作を開始させ、その後第1の時間(ΔtON−1)だけ横断流送風機3に送風動作を行わせ、第1の時間(ΔtON−1)が経過した後に横断流送風機3の送風動作を停止することができる。なお、第1の時間(ΔtON−1)は、本発明における「第1の時間」に相当する。
以下、実施の形態2に係る車両用空調システムについて説明する。なお、本実施の形態2では、実施の形態1に係る車両用空調システムと相違する点を中心に説明する。
まず、実施の形態2に係る車両用空調システムの構成について説明する。
図10は、実施の形態2に係る車両用空調システムの構成を示す図である。図10に示すように、車両用空調システム1Aは、空気調和機2と、横断流送風機3と、吸い込み口温度センサー4と、制御部5Aと、を少なくとも有する。なお、制御部5Aは、本発明における「制御手段」に相当する。
次に、実施の形態2に係る車両用空調システム1Aの動作について説明する。
図11は、実施の形態2に係る車両用空調システムの人検知センサーによる横断流送風機の送風パターン決定方法を説明するための図である。
人検知センサー31によって車両20の幅方向の乗客61の分布を計測する。ここで、乗客61が座席28に座る領域及び扉付近の領域を領域71、つり革につかまる領域を領域72、左右のつり革間の通路部の領域を領域73とする。
なお、車両20が駅に停車して扉が開閉されたときには、客室22内を乗客61が移動するため、人検知センサー31は、車両20が駅から発車して乗客61が所定の位置に落ち着いた後、計測を開始する。計測を開始するタイミングは、人検知センサー31が検知する人の移動量に基づいて決定してもよいし、予め実際の車両にて計測した情報に基づいて決定してもよい。
人検知センサー31の計測結果に基づいて、領域72、領域73のそれぞれの乗客61がN人未満であると判断した場合には、制御部5Aは、横断流送風機3を±θ度の角度で揺動させて送風動作を行わせる。なお、揺動角度θは、座席28に座っている乗客61が気流を感じないような角度であれば何度であってもよいが、実施の形態1の図6で示したように、揺動角度θを±20度以下とするのが望ましい。
また、領域73に乗客61がN人以上存在すると判断した場合には、制御部5Aは、横断流送風機3の送風を停止させる。
次に、実施の形態2に係る車両用空調システム1Aの作用について説明する。
従来の車両用空調システムとして、横断流送風機3を有しない車両用空調システムでは、空気調和機2が暖房運転を開始する前は、客室22の空気の温度は設定温度以下である。空気調和機2が暖房運転を開始した後は、吹き出し口26から暖房気流が吹き出されるため、客室22の空気の温度は上昇するが、暖房気流は、客室22の空気よりも密度が小さく、客室22の上方に溜まって客室22の下方まで到達しない。そのため、客室22の空気には、高さ方向に大きな温度差が生じ、例えば座席28に座った乗客は寒さを感じることとなる。
さらに、乗客61の推定数に基づいて横断流送風機3の揺動角度θ及び送風動作(送風実行/送風停止)を変化させるため、乗客61に温風が直接的にあたりにくい。
このように実施の形態2の車両用空調システム1Aによれば、乗客の快適性を向上させることができる。また、客室22の壁面等に新たな風路が設けなくてもよいため、乗客の快適性を簡易な構造で向上することができる、という優れた効果を奏する。
そのため、乗客61が受ける気流をより一層低減することができ、さらに乗客の快適性を向上させることができる。
なお、実施の形態2の人検知センサー31に加えて、実施の形態1で示した荷重センサー30を用い、人検知センサー31及び荷重センサー30の出力に基づいて、乗客の数を推定してもよい。このようにすることで、より精度よく乗客の数を推定することができる。
Claims (6)
- 車両の内部の空間を空調する空気調和機と、
前記空間の天井の裏側で且つ前記車両の幅方向の中央に設けられ、前記空間に空気を送る横断流送風機と、
前記車両の内部の乗客の数を推定する乗客推定手段と、
前記空気調和機の暖房運転の開始信号及び前記乗客推定手段から出力される推定情報に基づいて、前記横断流送風機の送風動作を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記空気調和機が暖房運転を行う際に、前記推定情報に基づく揺動角度で前記横断流送風機の送風方向を前記車両の幅方向に揺動させる
ことを特徴とする車両用空調システム。 - 前記乗客推定手段は、乗客の数に加えて前記車両の内部の空間における乗客の位置を推定し、前記乗客の数及び乗客の位置を前記推定情報として出力する
ことを特徴とする請求項1記載の車両用空調システム。 - 前記制御手段は、前記空気調和機の開始信号を取得すると、前記横断流送風機の送風動作を開始させる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用空調システム。 - 前記制御手段は、前記横断流送風機に送風動作を開始させてから第1の時間が経過すると、前記送風動作を停止させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両用空調システム。 - 前記制御手段は、前記空気調和機が暖房運転を行う際に、前記横断流送風機に送風動作の実行と停止とを交互に繰り返させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両用空調システム。 - 前記制御手段は、前記乗客推定手段が推定した乗客の数が少ない場合には、乗客の数が多い場合よりも前記横断流送風機の揺動角度を大きくする
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の車両用空調システム。
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