JP5859036B2 - ロボット - Google Patents
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Description
本発明は、脚式移動ロボットの歩容生成に関する。
任意形態の外乱に対して、脚式移動ロボットの行動目的に鑑みて適当な形態で、当該ロボットを行動させる技術的手法が提案されている(特許文献1および2参照)。具体的には、周波数帯域の高低に応じて階層化されている複数のモジュールのそれぞれが、自己モジュールが担当する主目的を他のモジュールが担当する副目的よりも優先させながら、主目的および副目的に適合するロボットの行動形態の候補である行動候補が探索される。低周波の第j+1モジュールにより探索されたロボットRの行動候補よりも、高周波の第jモジュールにより探索されたロボットの行動候補を優先的に反映させた形でロボットの行動が制御される。
しかし、当該手法によれば、ロボットの行動候補探索のために100[ms]オーダーの計算時間を要するため、リアルタイムでの目標歩容生成および目標歩容への追従制御が困難になる可能性がある。
そこで、本発明は、歩容生成計算のさらなる効率化および高速化を図ることができるロボットを提供することを解決課題とする。
本発明のロボットは、基体と、前記基体から延設されている複数の脚体と、目標ZMP軌道および前記複数の脚体の目標着床位置を含む目標歩容に追従させるように前記複数の脚体の動作を制御するように構成されている制御装置と、を備えているロボットであって、前記制御装置が、時間に関する指定関数変換が可能な時間関数を係数とする、前記複数の脚体の目標着床位置の1次関数により定義される目標ZMP軌道に基づき、前記基体および前記複数の脚体の運動ならびに前記ロボットに作用する床反力の関係を表わし、かつ、時間に関する前記指定関数変換により定義される動力学モデルにしたがって、前記基体の挙動の発散成分に対して前記目標ZMP軌道が与える影響量を決定するよう構成されている第1演算処理要素と、前記第1演算処理要素により決定された前記影響量に基づき、前記目標着床位置の1次関数として定義されるZMP修正量を前記目標ZMP軌道に付加した結果としての前記目標ZMP軌道が、前記複数の脚体と床との接触面の配置態様に応じて配置態様が定まる許容存在領域に収まるという第1指定要件が満たされるように、前記ZMP修正量およびこれに応じた前記目標着床位置を決定するよう構成されている第2演算処理要素と、を備えていることを特徴とする。
本発明のロボットによれば、目標ZMP軌道が、時間関数を係数とする目標着床位置の1次関数により定義されているため、基体挙動の発散成分に対する目標ZMP軌道の影響量が、動力学モデルにしたがった時間関数の演算処理結果を係数とする目標着床位置の1次関数として定義される。時間関数が時間に関する指定関数変換が可能な関数により定義され、かつ、動力学モデルが時間に関する指定関数変換により定義されているため、動力学モデルにしたがった時間関数の演算処理結果の解析計算が可能となる。
よって、当該発散成分影響量に基づいて定まるZMP修正量、ひいては、目標ZMP軌道とZMP修正量の合成結果である目標ZMP軌道が、当該解析計算結果に応じた定数を係数および切片とする目標着床位置の1次関数により線形近似される。これにより、第1指定要件(目標着床位置の1次関数により線形近似される目標ZMP軌道が許容存在範囲に収まる)の充足という線形制約が付された問題として目標着床位置の決定問題が定式化される。このため、各脚体の目標着床位置を含む目標歩容生成のさらなる高速化および効率化が図られる。
前記第2演算処理要素が、前記目標着床位置の指定評価基準に応じた評価関数が最大値または最小値を示すという第2指定要件がさらに満たされるように、前記目標着床位置を決定するように構成されていることが好ましい。
当該構成のロボットによれば、線形制約が付された、指定評価基準に鑑みた最適化問題として目標着床位置の決定問題が定式化されるため、各脚体の目標着床位置を含む目標歩容生成のさらなる高速化および効率化が図られる。
前記第2演算処理要素が、前記目標着床位置と希望着床位置または着床許容範囲の境界との間隔を変数とする増加関数または減少関数を前記評価関数として用いて前記目標着床位置を決定するように構成されていることが好ましい。前記第2演算処理要素が、前記評価関数として2次関数を用いて前記目標着床位置を決定するように構成されていることが好ましい。
当該構成のロボットによれば、目標着床位置を希望着床位置に一致させる、または、ロボットの着床許容範囲から逸脱するような着床を回避するという、線形制約付き最適化問題として目標着床位置の決定問題が定式化されるため、各脚体の目標着床位置を含む目標歩容生成のさらなる高速化および効率化が図られる。
(ロボットの構成)
図1に示されている本発明の移動装置の一実施形態としてのロボット1は脚式移動ロボットである。左右の区別のために適宜符号「L」および「R」が用いられる。人間と同様に基体10と、基体10の上部に設けられた頭部11と、基体10の上部左右両側から延設された左右の腕体12と、腕体12の先端部に設けられた手部13と、基体10の下部から下方に延設された左右の脚体14と、脚体14の先端部に取り付けられている足平部15とを備えている。ロボット1は、アクチュエータMOT(図2参照)から伝達される力によって、人間の肩関節、肘関節、手首関節、股関節、膝関節、足首関節等の複数の関節に相当する複数の関節機構において腕体12や脚体14を屈伸運動させることができる。
図1に示されている本発明の移動装置の一実施形態としてのロボット1は脚式移動ロボットである。左右の区別のために適宜符号「L」および「R」が用いられる。人間と同様に基体10と、基体10の上部に設けられた頭部11と、基体10の上部左右両側から延設された左右の腕体12と、腕体12の先端部に設けられた手部13と、基体10の下部から下方に延設された左右の脚体14と、脚体14の先端部に取り付けられている足平部15とを備えている。ロボット1は、アクチュエータMOT(図2参照)から伝達される力によって、人間の肩関節、肘関節、手首関節、股関節、膝関節、足首関節等の複数の関節に相当する複数の関節機構において腕体12や脚体14を屈伸運動させることができる。
腕体12は肩関節機構を介して基体10に連結された第1腕リンクと、一端が第1腕リンクの端部に肘関節機構を介して連結され、他端が手首関節を介して手部13の付根部に連結されている第2腕リンクとを備えている。肩関節機構は、ヨー軸およびピッチ軸のそれぞれの回りの2つの回転自由度を有する。肘関節機構は、ピッチ軸回りの1つの回転自由度を有する。手首関節機構は、ロール軸およびピッチ軸のそれぞれの回りの2つの回転自由度を有する。
脚体14は股関節機構を介して基体10に連結された第1脚リンクと、一端が第1脚リンクの端部に膝関節機構を介して連結され、他端が足首関節を介して足平部15に連結されている第2脚リンクとを備えている。股関節機構は、ヨー軸、ピッチ軸およびロール軸のそれぞれの回りの3つの回転自由度を有する。膝関節機構は、ピッチ軸回りの1つの回転自由度を有する。足首関節機構は、ピッチ軸およびロール軸のそれぞれ回りの2つの回転自由度を有する。ロボット1は、左右の脚体14のそれぞれの離床および着床の繰り返しを伴う動きによって自律的に移動することができる。
(制御装置の構成)
図2に示されている制御装置2はロボット1に搭載されているプログラマブルコンピュータまたは電子制御ユニット(CPU,ROM,RAM,I/O回路等により構成されている。)により構成されている。制御装置2は内部状態センサ群S1および外部状態センサ群S2のそれぞれの出力信号に基づいて種々の状態変数の値を認識し、当該認識結果に基づいて各アクチュエータMOTの動作を制御するように構成されている。
図2に示されている制御装置2はロボット1に搭載されているプログラマブルコンピュータまたは電子制御ユニット(CPU,ROM,RAM,I/O回路等により構成されている。)により構成されている。制御装置2は内部状態センサ群S1および外部状態センサ群S2のそれぞれの出力信号に基づいて種々の状態変数の値を認識し、当該認識結果に基づいて各アクチュエータMOTの動作を制御するように構成されている。
内部状態センサ群S1にはロボット1の位置(重心位置)を測定するためのGPS測定装置または加速度センサのほか、基体10の姿勢を測定するためのジャイロセンサ、各関節機構の屈曲角度等を測定するロータリーエンコーダ等が含まれている。
外部状態センサ群S2にはロボット1とは別個独立のモーションキャプチャーシステム(図示略)のほか、ボール等のタスク実行に関連する物体の位置軌道を測定するため、頭部11に搭載されているステレオイメージセンサや、基体10に搭載されている赤外光を用いたアクティブ型センサ等が含まれる。
制御装置2は、第1演算処理要素21と、第2演算処理要素22とを備えている。第1演算処理要素21は、目標ZMP軌道に基づき、動力学モデルにしたがって、基体10の挙動の発散成分に対して目標ZMP軌道が与える影響量を決定するよう構成されている。第2演算処理要素22は、第1演算処理要素21により決定された当該影響量に基づき、指定要件が満たされるようにZMP修正量およびこれに応じた目標着床位置を決定するよう構成されている。
単一のプロセッサ(演算処理装置)が当該2つの演算処理要素21および22として機能してもよいし、複数のプロセッサが相互通信により連携しながら当該2つの演算処理要素21および22として機能してもよい。
各演算処理要素が担当演算処理を実行するように「構成されている」とは、各演算処理要素を構成するCPU等の演算処理装置が、ROM、RAM等のメモリ又は記録媒体から必要な情報に加えてソフトウェアを読み出し、当該情報に対して当該ソフトウェアにしたがって演算処理を実行するように「プログラムされている」または「デザイン(設計)されている」ことを意味する。
(ロボットの歩容生成方法)
移動指示に応じて、今回歩容とそれに続く定常歩容の目標着床位置と、歩行周期とが決定される(図3/STEP01)。今回歩容および定常歩容のそれぞれの歩数は任意であるが、ここでは現時点t=0から2歩の歩容が今回歩容として生成され、さらに2歩の歩容が定常歩容として生成される。今回歩容の1歩目を「第1今回歩容(cur1)」といい、2歩目を「第2今回歩容(cur2)」という。定常歩容の1歩目を第1定常歩容(cyc1)」といい、2歩目を「第2定常歩容(cyc2)」という。
移動指示に応じて、今回歩容とそれに続く定常歩容の目標着床位置と、歩行周期とが決定される(図3/STEP01)。今回歩容および定常歩容のそれぞれの歩数は任意であるが、ここでは現時点t=0から2歩の歩容が今回歩容として生成され、さらに2歩の歩容が定常歩容として生成される。今回歩容の1歩目を「第1今回歩容(cur1)」といい、2歩目を「第2今回歩容(cur2)」という。定常歩容の1歩目を第1定常歩容(cyc1)」といい、2歩目を「第2定常歩容(cyc2)」という。
これにより、第1今回歩容の終端時刻t=tcur1(=Tcur1)、第2今回歩容の終端時刻t=tcur2(=Tcur1+Tcur2)、第1定常歩容の終端時刻tcyc1(=Tcur1+Tcur2+Tcyc1)および第2定常歩容の終端時刻tcyc2(=Tcur1+Tcur2+Tcyc1+Tcyc2)、ならびに、各時刻における着床位置xswg(t)が設定される。
定常歩容は、図4に示されているように、第1および第2定常歩容が交互に繰り返して生成されることにより、世界座標系(絶対空間)における移動量を除き、連続かつ周期的な運動が生成される歩容である。すなわち、定常歩容の始端状態と終端状態とは、世界座標系における位置および姿勢を除いて一致している必要がある。すなわち、定常歩容の連続性条件が満たされている必要がある。
定常歩容および今回歩容の目標ZMP軌道パラメータが設定される(図3/STEP02)。目標ZMP軌道xzmp(t)は、1歩毎の各期間の境界時刻と当該時刻における目標ZMP位置によってパラメータ表現される。具体的には、関係式(02)で表わされているように時間関数α(t)を傾きとする目標着床位置xswgの1次関数が目標ZMP軌道xzmp(t)として設定される。
当該線形近似は、着床位置xswgの安定性評価のための近似であり、ロボット1の実際のZMP軌道に一致させる必要はない。時間関数α(t)はラプラス変換が可能な関数により定義されている。図5(a)〜(c)のそれぞれには、時間関数α(t)が(1)t/T(線形関数)、(2)a0+a1t+‥+antn(多項関数)および(3)cos(ωt)(三角関数)のそれぞれにより定義された場合における目標ZMP軌道xzmp(t)が示されている。
たとえば、図6に実線で示されているように、t=tcur1、tcur2、tcyc1およびtcyc2を含む各時刻における目標ZMP位置xzmp(t)が設定される。すなわち、目標ZMP位置xzmpは、片脚支持期間(区間)T1、T3、T5およびT7において支持脚の足部の着床位置に固定され、両脚支持期間(区間)T0、T2、T4およびT6において今回着床位置から次回着床位置に変位するように決定される。各足部の着床位置は、当該足部と床との接触面中心の位置を意味する。
具体的には、目標ZMPがxzmp[0]=xswg[0]→xzmp[1]=xswg[tcur1]→xzmp[2]=xzmp[1]→xzmp[3]=xswg[tcur2]→xzmp[4]=xzmp[3]→xzmp[5]=xswg[tcyc1]→xzmp[6]=xzmp[5]→xzmp[7]=xswg[tcyc2]→xzmp[8]=xzmp[7]の順に変位するように定義される。
なお、図6に破線で示されているように、実際の目標ZMP位置xzmpは、片脚支持期間において踵(支持脚足部後端部)から爪先(支持脚足部先端部)に変位し、両脚支持期間において、後方足部爪先から前方足部踵まで変位するように設計されてもよい。すなわち、関係式(02)で示されている目標ZMP軌道xzmp(t)は、当該実際の目標ZMP軌道xzmpと一致している必要はない。
第1演算処理要素21により、ロボット1の動力学モデルにしたがって、発散成分qに対して目標ZMP軌道xzmp(t)が与える影響量が決定される(図3/STEP03)。具体的には、定常歩容始端時刻(=今回歩容終端時刻)tcur2における発散成分q(cur2)(tcur2)と、目標発散成分qaimとの偏差qdiffが算出される。添字(cur2)は今回歩容の支持脚座標系を意味する。
動力学モデルは、基体10および脚体14の運動ならびにロボット1に作用する床反力の関係を表わし、たとえば図7に示されているように倒立振子モデルが動力学モデルとして採用される(特許第3726081号公報参照)。線形倒立振子モデルにおける動力学は、倒立振子水平位置xpend、倒立振子支点水平位置xzmp、重力加速度gおよび倒立振子の高さh(一定値)を用いて関係式(04)により表現される。倒立振子質点に加えて、支持脚足部質点および遊脚足部質点により定義される3質点モデルがロボット1の動力学モデルとして用いられてもよい。
線形倒立振子モデルによれば、ロボット1の発散成分q(および収束成分p)は倒立振子の固有周波数ω=(g/h)1/2を用いて関係式(06)により表現される。
時刻t0を基準とした時刻teにおける発散成分q(t0,te)は関係式(08)にしたがって計算される。
ここで、関係式(08)の右辺第2項を構成する関数qu(t0,te)は、関係式(10)によりラプラス変換を用いて表現される。
xzmp(t)=tnと定義される場合、tnのラプラス変換結果としてn!s-(n+1)が得られることに加えて二項定理から、当該関数qu(t0,te)は関係式(11)により表わされる。
(目標発散成分qaimの決定)
定常歩容の初期発散成分q(tcur2,tcur2)と終期発散成分q(tcur2,tcyc2)とが一致するように、定常歩容の初期発散成分q(tcur2,tcur2)が目標発散成分qaimとして決定される。定常歩容の初期発散成分q(tcur2,tcur2)は、今回歩容の支持脚座標系から第2定常歩容の支持脚座標系への座標変換Ξcur2→cyc2(‥)を用いて関係式(14)により表わされる。
定常歩容の初期発散成分q(tcur2,tcur2)と終期発散成分q(tcur2,tcyc2)とが一致するように、定常歩容の初期発散成分q(tcur2,tcur2)が目標発散成分qaimとして決定される。定常歩容の初期発散成分q(tcur2,tcur2)は、今回歩容の支持脚座標系から第2定常歩容の支持脚座標系への座標変換Ξcur2→cyc2(‥)を用いて関係式(14)により表わされる。
当該座標変換Ξcur2→cyc2(‥)は、今回歩容の支持脚座標を基準とした第2定常歩容の支持脚座標系の向き(ヨー角)を表わす回転行列Rzと、今回歩容の支持脚座標を基準とした第2定常歩容の支持脚座標系の位置Pcyc2 (cur2)とを用いて関係式(16)により定義される。添字(cyc2)は第2定常歩容の支持脚座標系を意味する。
関係式(08)(14)および(16)に基づき、目標発散成分qaimは関係式(18)により表わされる。
回転行列Rzが単位行列Iに近似される場合、目標発散成分qaimは関係式(20)により表わされる。
(発散成分偏差qdiffの決定)
今回歩容終端時刻tcur2における発散成分q(cur2)(t0,tcur2)と、目標発散成分qaimとの偏差qdiffが関係式(22)にしたがって算出される。
今回歩容終端時刻tcur2における発散成分q(cur2)(t0,tcur2)と、目標発散成分qaimとの偏差qdiffが関係式(22)にしたがって算出される。
第2演算処理要素22により、第1演算処理要素21により決定された発散成分影響量に基づき、指定要件が満たされるようにZMP修正量xzmp_addが決定される(図3/STEP04)。
目標ZMP軌道の修正のため、図6に一点鎖線で示されているように、単位高さの台形形状軌道xzmp_unit(t)が準備される。台形の折れ点に相当する時刻は、今回歩容の目標ZMP軌道パラメータとして設定された期間境界時刻の中から選択される(図6の例ではt=0、T1、tcur1、tcur1+T2およびTcur2)。3つの期間境界時刻におよぶ三角形状軌道xzmp_unit(t)が採用されてもよい。補正台形の高さ比率qdiff/qunitが決定される。
上記のように時間関数α(t)がラプラス変換可能な関数であるため、qαは解析計算が可能である。よって、ZMP修正量xzmp_addは関係式(26)にしたがって決定される。
ZMP軌道xzmp(t)が、区間[ti-1,ti](i=1,2,‥N)ごとに区分される係数関数αi(t)を用いて関係式(28)にしたがって近似される(関係式(2)参照)。
近似式(28)に基づき、関係式(10)が関係式(30)のように近似される。
関係式(30)は係数行列Aを用いて関係式(32)のように表わされる。
目標発散成分qaimおよび今回歩容終端時刻tcur2における発散成分q(cur2)(t0,tcur2)、ひいてはこれらの偏差qdiffがqu()に対して線形である。このため、ZMP修正量xzmp_addが関係式(34)で表わされているように目標着床位置xswgの線形関数として定義される。
図6に示されているようにZMP軌道xzmp(t)が折線状である場合、関係式(20)は関係式(32)を用いて、関係式(36)に示されているように表わされる。
今回歩容終端時刻tcur2における発散成分q(cur2)(t0,tcur2)は関係式(38)により表わされる。
したがって、一般的には関係式(26)により表現されるZMP修正量xzmp_addは、線形近似モデルにおいては関係式(40)にしたがって計算される。
発散成分の差qdiffが0になるように、今回歩容の目標ZMP軌道に、関係式(26)により表わされるZMP修正量Xzmp_addが加えられることにより、今回歩容の目標ZMP軌道パラメータが修正される。たとえば、図6に実線で示されている目標ZMP軌道に対して、二点鎖線で示されている三角形状軌道Xzmp_addが追加されることにより、t=tcur1〜tcur2における目標ZMP軌道が修正される(二点鎖線参照)。
一の指定要件としての「第1指定要件」は、目標ZMP軌道xzmpが、複数の脚体と床との接触面の配置態様に応じて配置態様が定まる許容存在領域(たとえば支持多角形)に収まるという条件である。第1指定要件は、許容存在範囲の配置態様(形状、サイズ、位置および姿勢)に応じて定まるZMP修正量xzmp_addの下限値xzmp_add_minおよび上限値xzmp_add_maxを用いて関係式(42)により定義される。
他の指定要件としての「第2指定要件」は、目標着床位置xswgの指定基準に応じた評価関数f(xswg)が最大値または最小値を示すという条件である。本実施形態では「指定基準」が参照着床位置xswg_refに対する合致であり、評価関数f(xswg)は関係式(44)により、目標着床位置xswgと参照着床位置xswg_refとの間隔の2次関数として定義される。
なお、評価関数f(xswg)は2次関数ではなく、1次関数または指数関数など、当該間隔(ノルム)の増加関数または減少関数として定義されていてもよい。
第1指定要件および第2指定要件が満たされるような目標着床位置xswgが、線形制約付き二次計画問題の解として探索される。ここで「線形制約」とは、線形近似されるZMP修正量xzmp_add(または目標ZMP軌道xzmp(t))に関する第1指定要件が充足されるという制約である。評価関数f(xswg)が2次関数であるため、目標着床位置xswgの最適解探索のための高速計算が可能となる。
第2演算処理要素22により、第1演算処理要素21により決定された発散成分影響量に基づき、指定要件が満たされるようにZMP修正量xzmp_addに応じた目標着床位置xswgが決定される(図3/STEP05)。
このように決定された目標着床位置xswgを含む今回歩容の足部軌道パラメータと、目標ZMP軌道パラメータとに基づき、関係式(04)にしたがって倒立振子質点の位置および速度が計算され、これに対応する基体位置が算出される。さらに、基体10の位置と足平部15の位置・姿勢とに基づき、逆運動学モデルにしたがって脚体14の関節角度が算出される。
(実験結果)
図8(1)に示されているように、ロボット1が2歩目を踏み出そうとしている期間に、当該踏み出される足とは反対側からロボット1に対して横方向(Y方向)に台形状の外力が作用した場合の歩容が計算された。図8(2)〜(7)には歩容計算結果が示されている。
図8(1)に示されているように、ロボット1が2歩目を踏み出そうとしている期間に、当該踏み出される足とは反対側からロボット1に対して横方向(Y方向)に台形状の外力が作用した場合の歩容が計算された。図8(2)〜(7)には歩容計算結果が示されている。
図8(2)〜(4)のそれぞれには、第1今回歩容、第2今回歩容および第1回定常歩容のそれぞれにおける着床位置のx座標成分xcur1、xcur2およびxcyc1が示されている。図8(5)〜(7)のそれぞれには、第1今回歩容、第2今回歩容および第1回定常歩容のそれぞれにおける着床位置のy座標成分ycur1、ycur2およびycyc1が示されている。目標着床位置xswgは実線で示され、参照着床位置xswg_refは破線で示されている。
図8(5)〜(7)に示されているように、2歩目における目標着床位置のy座標成分が参照着床位置xswg_refのy座標成分から約200[mm]ずらして設定され、3歩目以降における着床位置xswgのy座標成が参照着床位置xswg_refのy座標成分yswg_refに一致するように歩容が生成されている。すなわち、2歩目を踏み出そうとしている途中でロボット1に対してY方向に作用した外力に応じて、ロボット1が同方向に足部を踏み出して姿勢の安定が図られている。
(本発明の他の実施形態)
着床可能な範囲が制限されている場合にも同様にロボット1の歩容が制御されてもよい。ロボット1の進行方向に複数の障害物が存在し、当該複数の障害物との干渉を回避するように着床可能な範囲が関係式(46)により近似的に表現される場合について考察する。
着床可能な範囲が制限されている場合にも同様にロボット1の歩容が制御されてもよい。ロボット1の進行方向に複数の障害物が存在し、当該複数の障害物との干渉を回避するように着床可能な範囲が関係式(46)により近似的に表現される場合について考察する。
ここでHはxswg_refへの追従度合を調節する重み行列である。この場合、ロボットの着床位置xswgの最適化問題は、第1指定要件(関係式(38)参照)および第2指定要件(関係式(40)参照)に加えて、関係式(42)により表わされるさらなる指定要件が満たされるように探索される。
1‥ロボット、2‥制御装置、10‥基体、14‥脚体、21‥第1演算処理要素、22‥第2演算処理要素。
Claims (4)
- 基体と、前記基体から延設されている複数の脚体と、目標ZMP軌道および前記複数の脚体の目標着床位置を含む目標歩容に追従させるように前記複数の脚体の動作を制御するように構成されている制御装置と、を備えているロボットであって、
前記制御装置が、
時間に関する指定関数変換が可能な時間関数を係数とする、前記複数の脚体の目標着床位置の1次関数により定義される目標ZMP軌道に基づき、前記基体および前記複数の脚体の運動ならびに前記ロボットに作用する床反力の関係を表わし、かつ、時間に関する前記指定関数変換により定義される動力学モデルにしたがって、前記基体の挙動の発散成分に対して前記目標ZMP軌道が与える影響量を決定するよう構成されている第1演算処理要素と、
前記第1演算処理要素により決定された前記影響量に基づき、前記目標着床位置の1次関数として定義されるZMP修正量を前記目標ZMP軌道に付加した結果としての前記目標ZMP軌道が、前記複数の脚体と床との接触面の配置態様に応じて配置態様が定まる許容存在領域に収まるという第1指定要件が満たされるように、前記ZMP修正量およびこれに応じた前記目標着床位置を決定するよう構成されている第2演算処理要素と、を備えていることを特徴とするロボット。 - 請求項1記載のロボットにおいて、
前記第2演算処理要素が、前記目標着床位置の指定評価基準に応じた評価関数が最大値または最小値を示すという第2指定要件がさらに満たされるように、前記目標着床位置を決定するように構成されていることを特徴とするロボット。 - 請求項2記載のロボットにおいて、
前記第2演算処理要素が、前記目標着床位置と希望着床位置または着床許容範囲の境界との間隔を変数とする増加関数または減少関数を前記評価関数として用いて前記目標着床位置を決定するように構成されていることを特徴とするロボット。 - 請求項3記載のロボットにおいて、
前記第2演算処理要素が、前記評価関数として2次関数を用いて前記目標着床位置を決定するように構成されていることを特徴とするロボット。
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