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JP5859364B2 - 受光強度演算デバイス及び位置検出デバイス - Google Patents
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JP5859364B2 - 受光強度演算デバイス及び位置検出デバイス - Google Patents

受光強度演算デバイス及び位置検出デバイス Download PDF

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Description

本発明は、人体の指・手・顔からの位置及び動きを検出するデバイスに関する。
人体の体温は36度付近であり、このような体温を持つ人体の皮膚から放射される輻射が2〜30μmという広い範囲のスペクトラムの光を放出する。この光を検出することによって、人体の位置若しくは動きを検出することができる。
上記の2〜30μmの波長帯で動作するセンサとしては、焦電センサやサーモパイルに代表される熱型光センサが挙げられる。これらのセンサの高感度化を実現するために、受光部と光の入射窓部との間に中空領域を設ける必要があり、そのためセンサの小型化は制限されている。
サーモパイルや焦電センサの中空構造による制限を解決するため、フォトダイオードを用いた量子型(光起電力型)赤外線センサが期待されている。量子型赤外線センサは、多数キャリアが電子であるn型半導体と多数キャリアがホールであるp型半導体とが接合されて構成されるPN接合又はp型半導体とn型半導体との間に真正半導体を有するPIN接合のフォトダイオード構造を有している。量子型赤外線センサでは、赤外線の光子によりPN接合又はPIN接合に存在する空乏層内で発生した電子ホール対が価電子帯及び導電帯の電界傾斜に従って空間的に分離蓄積された結果、p型半導体はプラス側に帯電し、n型半導体はマイナス側に帯電して、その間に起電力が生ずる。この起電力は開放電圧と呼ばれ、非PN接合もしくはPIN接合部の抵抗より大きな外部抵抗(高入力インピーダンスの回路やアンプでもよい)を使用することにより電圧として読み出すことも、また量子型赤外線センサ外部で短絡することにより電流として読み出すことも可能である。
このような量子型赤外線センサを室温で人感センサとして用いる場合に問題となるのが、人間が活動する環境温度と人間の体温との差が小いため、出力信号が小さく、また、環境から輻射される揺らいだ赤外線がセンサに検出され、ノイズとなるため、十分なS/N比を確保することが困難であるという点である。そのため、通常の量子型赤外線センサの場合、受光部を外界の温度に対して冷却することにより出力信号が大きくなり、S/N比が大きくなる。この量子型赤外線センサの代表的なものとして、InSbを半導体積層部として用いたセンサやMCT(Mercury Cadmium Teluride)などが挙げられる。
上記化合物半導体を用いる量子型赤外線センサにおいては、特許文献1に示されるように、非冷却で小型化を行いながら、人感センサとしてのS/N比を向上させるために、平面状に半導体センサを配置し、各センサの出力電圧を多段直列接続して取り出す方式が提案されている。
上述の光センサの応用例として、被検出体から輻射された赤外線の受光強度の演算や、被検出体の動作や、センサまでの距離を演算する受光強度演算デバイスが期待されている。そのような受光強度演算デバイスを実現するためには、複数の光センサからの出力の差分値や加算値を用いる方法が考えられる。
複数の出力からの出力の差分値を用いれば、被検出体から輻射された赤外線の受光強度や、被検出体の動作を検出することが可能であり、加算値を用いれば、人体の接近も検出できる。
図10は、光センサからの出力から、出力の差分値や和を演算する従来の受光強度演算デバイスの構成を示す。図10には、受光部dA〜dDを含む光センサ部1010と、光センサ1010に接続され、電流/電圧(I−V)変換アンプ4a〜4dを含むI−V変換手段1020と、I−V変換手段1020に接続され、第1の減算回路5及び第2の減算回路6を含む差分演算手段1030と、I−V変換手段1020に接続され、I−V変換アンプ4a〜4dからの出力信号を加算する加算回路9からなる加算演算手段1040とを備えた従来の受光強度演算デバイス1000が示されている。
光センサ部1010において、受光部dA〜dDの一端はそれぞれの接続端子3a1〜3d1を介して各I−V変換アンプ4a〜4dの一方の入力端子に接続され、受光部dA〜dDの他端はそれぞれの接続端子3a2〜3d2を介して接地されている。I−V変換手段1020において、I−V変換アンプ4a〜4dの他方の入力端子は接地され、I−V変換アンプ4aの出力端子は第1の減算手段5及び加算演算手段1040に接続され、I−V変換アンプ4bの出力端子は第2の減算手段6及び加算演算手段1040に接続され、I−V変換アンプ4cの出力端子は第1の減算手段5及び加算演算手段1040に接続され、I−V変換アンプ4dの出力端子は第2の減算手段6及び加算演算手段1040に接続されている。加算演算手段1040は加算回路9によって4つの信号(I−V変換アンプ4a〜4dの各出力)を加算する。
光センサ部1010において、受光部dA〜dDは、被検出体から輻射された光を入射し、入射した光の光強度に応じた電流をそれぞれの接続端子3a1〜3d1を介して各I−V変換アンプ4a〜4dに出力する。I−V変換手段1020において、I−V変換アンプ4a〜4dは、それぞれ入力した電流を電圧に変換して差分演算手段1030及び加算演算手段1040にそれぞれ出力する。差分演算手段1030において、第1の減算回路5はI−V変換アンプ4a及び4cからのそれぞれの出力の差分を演算して減算信号を出力し、第2の減算回路6はI−V変換アンプ4b及び4dからのそれぞれの出力の差分を演算して減算信号を出力する。加算演算手段1040は、4つの信号(I−V変換アンプ4a〜4dの各出力)の加算演算結果を出力する。
国際公開第2005−27228号パンフレット
しかしながら、図10に示される構成では、各受光部dA〜dDからの出力を得るために、接続端子(パッド)が受光部の個数の2倍必要になり、装置が大型化してしまう。また、I−V変換アンプから見た信号源(受光部1個分)のインピーダンスが低いので、受光部の内部抵抗が小さい場合、I−V変換アンプの入力換算ノイズが増幅され、I−V変換アンプ出力のノイズレベルが高くなるという問題がある。
また、図10に示される回路においては、ノイズレベルを抑えつつ、複数の受光部からの出力の差分値及び加算値を求めるためには、スイッチング素子を使用する必要があるが、スイッチング素子を用いる場合、それを制御するための装置も必要となり、装置の大型化や消費電力の増大を招来してしまう。
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、接続端子の数を抑え、且つ、スイッチング素子を用いずに、各受光部からの出力の差分値及び加算値を同時に、且つ、高S/N比で演算することが可能な受光強度演算デバイスを提供するである。
本発明の請求項1に記載の受光強度演算デバイスは、一端が第1の接続端子に接続された第1の受光部と、一端が第2の接続端子に接続された第2の受光部と、一端が第3の接続端子に接続された第3の受光部と、一端が第4の接続端子に接続された第4の受光部とを備えた光センサ部であって、前記第1の受光部ないし前記第4の受光部の他端は、共通の配線によって接続される、光センサ部と、スイッチング素子を介さずに前記第1の接続端子及び前記第3の接続端子と接続され、前記第1の受光部及び前記第3の受光部からの出力の差分を演算して第1の差分信号を出力する第1の差分演算部と、スイッチング素子を介さずに前記第2の接続端子及び前記第4の接続端子と接続され、前記第2の受光部及び前記第4の受光部からの出力の差分を演算して第2の差分信号を出力する第2の差分演算部と、スイッチング素子を介さずに前記第1の接続端子及び前記第2の接続端子と接続され、前記第1の受光部及び前記第2の受光部からの出力の差分を演算して第3の差分信号を出力する第3の差分演算部と、スイッチング素子を介さずに前記第3の接続端子及び前記第4の接続端子と接続され、前記第3の受光部及び前記第4の受光部からの出力の差分を演算して第4の差分信号を出力する第4の差分演算部と、前記第3の差分演算部及び前記第4の差分演算部に接続され、前記第3の差分信号及び前記第4の差分信号の和を演算して加算信号を出力する加算演算部とを備えることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の受光強度演算デバイスは、本発明の請求項1に記載の受光強度演算デバイスであって、前記第1の受光部ないし前記第4の受光部はそれぞれ複数のフォトダイオードを含み、前記第1の受光部のカソードは、前記第2の受光部及び前記第4の受光部のアノードと、前記第3の受光部のカソードとに電気的に接続され、前記第1の受光部のアノードは、前記第1の接続端子及び第1の電流−電圧変換アンプを介して前記第1の差分演算部及び前記第3の差分演算部に接続され、前記第2の受光部のカソードは、前記第2の接続端子及び第2の電流−電圧変換アンプを介して前記第2の差分演算部及び前記第3の差分演算部に接続され、前記第3の受光部のアノードは、前記第3の接続端子及び第3の電流−電圧変換アンプを介して前記第1の差分演算部及び前記第4の差分演算部に接続され、前記第4の受光部のカソードは、前記第4の接続端子及び第4の電流−電圧変換アンプを介して前記第2の差分演算部及び前記第4の差分演算部に接続されることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の受光強度演算デバイスは、本発明の請求項1又は2に記載の受光強度演算デバイスであって、前記第1の受光部ないし前記第4の受光部は、互いに直列接続された複数の受光素子を含むことを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の受光強度演算デバイスは、本発明の請求項1から3の何れか一項に記載の受光強度演算デバイスであって、前記第1の受光部ないし前記第4の受光部は、インジウムおよび/またはアンチモンを含み、かつ、PN接合またはPIN接合のフォトダイオード構造を有する半導体積層部を有することを特徴とする。
本発明によれば、出力端子の数を抑え、且つ、スイッチング素子を用いずに、各受光部からの出力の差分値及び加算値を高S/N比で演算することが可能な受光強度演算デバイスを提供することが可能になる。
本発明に係る受光強度演算デバイス100を示す図である。 本発明に係る受光強度演算デバイス100の具体的な回路図を示す。 本発明に係る光センサ部110の構成の一例を示す模式図である。 本発明に係る受光素子1の断面図である。 多数の受光素子1を直列に接続して受光部とする場合の断面図を示す。 本発明に係る受光素子1の等価回路図を示す。 受光素子1の個数NとI−V変換アンプの出力のノイズとの関係を示す図である。 本発明に係る受光強度演算デバイス100を用いた位置検出デバイスの実施例を示す図である。 実施例に係る位置検出デバイス300の出力波形を示す図である。 従来の受光強度演算デバイス1000を示す図である。
図1は、本発明に係る受光強度演算デバイス100を示す。図1には、受光部dA〜dDを含む光センサ部110と、光センサ110に接続され、I−V変換アンプ4a〜4dを含むI−V変換手段120と、I−V変換手段120に接続され、第1の減算回路5及び第2の減算回路6を含む差分演算手段130と、I−V変換手段120に接続され、第3の減算回路7、第4の減算回路8及び加算回路9を含む加算演算手段140とを備えた本発明に係る受光強度演算デバイス100が示されている。
光センサ部110において、受光部dA〜dDの一端はそれぞれの接続端子3a〜3dを介して各I−V変換アンプ4a〜4dの一方の入力端子に接続され、受光部dA〜dDの他端は共通配線部2を介して互いに接続されている(場合によって定まった電圧を供給する電圧源に接続する)。I−V変換手段120において、I−V変換アンプ4a〜4dの他方の入力端子は接地され、I−V変換アンプ4aの出力端子は第1の減算手段5及び第3の減算手段7に接続され、I−V変換アンプ4bの出力端子は第2の減算手段6及び第3の減算手段7に接続され、I−V変換アンプ4cの出力端子は第1の減算手段5及び第4の減算手段8に接続され、I−V変換アンプ4dの出力端子は第2の減算手段6及び第4の減算手段8に接続されている。加算演算手段140において、第3の減算手段7及び第4の減算手段8のそれぞれの出力端子は加算回路9に接続されている。
差分演算手段130において、第1の減算回路5はI−V変換アンプ4a及び4cからのそれぞれの出力の差分を演算して第1の減算信号を出力し、第2の減算回路6はI−V変換アンプ4b及び4dからのそれぞれの出力の差分を演算して第2の減算信号を出力する。加算演算手段140において、第3の減算回路7はI−V変換アンプ4a及び4bからのそれぞれの出力の差分を演算して第3の減算信号を出力し、第4の減算回路8はI−V変換アンプ4c及び4dからのそれぞれの出力の差分を演算して第4の減算信号を出力し、加算回路9は第3の減算回路7及び第4の減算回路8からそれぞれ出力された第3の減算信号及び第4の減算信号の和を演算して加算信号を出力する。
図2は、図1に示される受光強度演算デバイス100における、I−V変換手段120、差分演算部130及び加算演算部140のより具体的な回路図を示す。本発明に係る受光強度演算デバイス100は、対角配置に設置された2つの受光部dA及びdC、dB及びdDの2組それぞれにおける出力の差分信号と全受光部dA〜dDの総和の信号とを同時に、出力することができるため、高速の信号処理の用途では適している。以下、受光強度演算デバイス100における演算方法を説明する。ipAは接続端子3aに接続された受光部dAで生じる短絡光電流とし、ipBは接続端子3bに接続された受光部dBで生じる短絡光電流とし、ipCは接続端子3cに接続された受光部dCで生じる短絡光電流とし、ipDは接続端子3dに接続された受光部dDで生じる短絡光電流とし、I−V変換アンプ4a〜4dの変換抵抗をRcとした場合、それぞれのI−V変換アンプ4a〜4dの出力信号V1〜V4は、以下の式(1)〜(4)のように示される。
V1=−Rc[3/4IpA−1/4(−IpB+IpC−IpD)] (1)
V2=−Rc[−3/4IpB−1/4(IpC−IpD+IpA)] (2)
V3=−Rc[3/4IpC−1/4(−IpD+IpA−IpB)] (3)
V4=−Rc[−3/4ipD−1/4(IpA−IpB+IpC)] (4)
更に、図2に示すように、これらの出力信号V1〜V4はI−V変換アンプ4a〜4dの出力端子に接続された差分演算手段130及び加算演算手段140に入力される。差分演算手段130においては、下記の式(5)、(6)による演算がなされることにより、第1の減算回路5及び第2の減算回路6から第1の減算信号VΔ1及び第2の減算信号VΔ2が出力される。ここで、k1〜k3は、Rc、第1ないし第4の減算回路5〜8及び加算回路9に利用されている抵抗器の抵抗値で決まる係数を表す。
VΔ1=−k1[V1−V3]
=−k1[3/4(IpC−IpA)−1/4(IpA−IpC)] (5)
=k1(IpA−IpC)
VΔ2=−k2[V2−V4]
=−k2[3/4(−IpD+IpB)−1/4(−IpB+IpD)]
=k2(IpD−IpB) (6)
加算演算手段140においては、第3の減算回路7及び第4の減算回路8から出力される第3の減算信号VΔ3=(V1−V2)及び第4の減算信号VΔ4=(V3−V4)を用いて、下記の式(7)による演算がなされることにより、加算回路9から加算信号VΣが出力される。
VΣ=−k3[(V1−V2)+(V3−V4)]
=k3[IpA+IpB+IpC+IpD] (7)
以上により、式(5)〜式(7)から、受光部の数と接続端子の数が同じ光センサ部110を用いた小型の受光強度演算デバイス100によって、スイッチング素子を用いずに、受光部dA〜dDからの出力電流の差分信号及び加算信号を演算することが可能な受光強度演算デバイスが実現できることが理解される。
初段のI−V変換アンプ4a〜4dには低ノイズのアンプが適している。具体的には、入力のオフセット揺らぎを抑制するオートゼロアンプを利用すると良い。本発明では、初段のI−V変換アンプ4a〜4dで高いS/N比が実現できれば、後段の演算器5〜9ではオートゼロアンプを利用する必要はなく、一般的なOPアンプを利用してもよい。こうすることによって、小型の集積回路が実現できる。
図3は、本発明に係る光センサ部110の構成の一例を示す模式図である。図3に示される光センサ部110は、基板10上に、受光部dAに配線層60を介して接続された接続端子3aと、受光部dAに配線層60を介して接続された接続端子3aと、受光部dBに配線層60を介して接続された接続端子3bと、受光部dCに配線層60を介して接続された接続端子3cと、受光部dDに配線層60を介して接続された接続端子3dとを備える。受光部dA〜dDの各々は、配線層60からなる共通配線部2を介して互いに接続されている。受光部dA〜dDは、接続端子3a〜3dを囲むようにL字型に構成されている。
図3に示される光センサ部110では、受光部dA〜dDが光センサ部110の周囲に配置され、接続端子3a〜3dが光センサ部110の中央に配置されている。従って、図3に示される光センサ部110では、受光部dA〜dDがそれぞれ離れて配置されているため、光源の動きに対して、より高感度に検出を行うことができる。
図4は、本発明に係る受光部dA〜dDで用いられる受光素子1の構成の一例を示す断面図である。図3に示されるように、受光素子1は、基板10と、基板10上に形成された半導体積層部80と、半導体積層部80を覆うように基板10及び半導体積層部80上に形成された絶縁層50と、絶縁層50及び半導体積層部80上に形成された配線層60と、表面全体を覆う保護層70と備える。半導体積層部80は、基板10上に、n型ドーピングされたn型半導体層20、ノンドープあるいはp型ドーピングされた光吸収層30、バリア層31、及びp型ドーピングされたとしてp型半導体層40が順次積層されて構成されたPN接合又はPIN接合のフォトダイオード構造部を含む。n型半導体層20上にはカソード(n層電極)61が形成されており、p型半導体層40上にはアノード(p層電極)62が形成されている。
被検出光としての赤外線が、基板10上において半導体積層部80が積層されている面と対抗する面から入射して(図4においては、基板10から半導体積層部80に向かう方向に光が進行する)、フォトダイオード構造部に入射すると、フォトダイオード構造部に存在する空乏層内で発生した電子ホール対が価電子帯と導電帯との電界傾斜に従って空間的に分離蓄積される。その結果、n型半導体層20はマイナス側に帯電し、p型半導体層40はプラス側に帯電することにより、その間に起電力が生ずる。この起電力は開放電圧と呼ばれ、高入力インピーダンスの信号処理回路(アンプなど)に接続した場合、電圧として読み出すことができ、また赤外線センサ外部で短絡して電流として読み出すことも可能である。
n型半導体層20は、高濃度のn型ドーピングを行うことで、バーシュタインモスシフトと呼ばれる効果により、n型半導体層20の赤外線吸収波長がより短波長側にシフトする。そのため、長波長の赤外線が吸収されなくなり、赤外線を効率よく透過させることができるようになる。
光吸収層30は、赤外線を吸収して光電流Ipを発生させるための光吸収層である。従って、n型半導体層20と光吸収層30とが接する面積S1が赤外線の入射される受光面積となる。一般的に、受光素子1の光電流Ipは、受光面積に比例して大きくなるため、n型半導体層20と光吸収層30とが接する面積S1は大きい方が好ましい。また、光吸収層30の体積が大きいほど吸収できる赤外線量は大きくなるので、光吸収層30の体積は大きい方が好ましい。光吸収層30の膜厚は、赤外線の吸収により発生した電子及び正孔のキャリアが拡散できる程度の膜厚に設定すると好ましい。
一方、光吸収層30で使用されるような、赤外線を吸収する半導体は、一般にバンドギャップの小さい半導体であり、このような半導体は、電子の移動度が正孔の移動度よりも非常に大きい。例えばInSbの場合、電子の移動度が約80,000cm2/Vsであるのに対して、正孔の移動度は数百cm2/Vsである。従って、素子抵抗は電子の流れ易さによる影響が大きい。
光吸収層30で赤外線吸収によって発生した電子は、PN又はPIN接合のフォトダイオード構造の部分で形成された電位差によって、光吸収層30からn型半導体層20側へと拡散し、光電流として取り出される。上述のように、バンドギャップの小さい半導体では正孔の移動度が非常に小さいことから、通常、n型ドーピング層よりもp型ドーピング層の電気抵抗が高くなる。また、電気抵抗は、電流が流れる部分の面積に反比例する。従って、光吸収層30とp型半導体層40とが接する面積S3の大きさによって素子抵抗が決まり、素子抵抗が大きくなるためには面積S3が小さい方が好ましい。
また、波長が5μm以上の赤外線を吸収できる半導体のバンドギャップは0.25eV以下と小さい。このようなバンドギャップの小さな半導体(光吸収層30の材料のバンドギャップが0.1〜0.25eVの半導体)では、p型半導体層40側に、電子による拡散電流を抑制するため、バンドギャップが光吸収層30よりも大きなバリア層31を形成すると、暗電流のような素子の漏れ電流が小さくなり、素子抵抗を大きくすることができるため好ましい。
バリア層31は、光吸収層30及びp型半導体層40よりもバンドギャップが大きくなるように構成される。バリア層31を構成する材料としては、例えば、AlInSbが挙げられる。このバリア層を設けることによって、受光部の抵抗は大きくなるため、I/V変換アンプで信号の増幅をすると、高いS/N比が実現できるので、望ましい。
絶縁層50は、基板10上及び半導体積層部80上に形成され、基板10及び半導体積層部80の表面を絶縁及び保護する。配線層60は、一層若しくは多層の金属等で構成され、光吸収層30で生成された光起電力をカソード61とアノード62を介して取り出すための層であり、絶縁層50上に形成されている。保護層70の上部空間は、樹脂モールド(図示せず)されていてもよい。絶縁層50及び保護層70の材料としては、例えば樹脂、酸化シリコン、窒化シリコンなどが挙げられるが、絶縁性の材料であればいずれの材料であってもよい。
単独の受光素子1を用いて受光部としてもよいし、複数の受光素子1を直列接続したものを受光部としてもよい。各受光部dA〜dDが2つ以上の受光素子1で構成される場合において、光起電力を電流として読みだす場合は直列接続されていることが好ましい。電圧出力の場合、電圧を大きくするがあるため、同様に直列に接続すると良い。電流出力の場合、信号源の抵抗値及び電流値を高くするとS/N比が向上し、また、電圧出力の場合、信号源の抵抗値を低く、電圧値を大きくするとS/N比が向上する。受光部を何個に分割し、直列にするかは、PN接合の面積当たりの縦方向(基板表面に垂直方向)の抵抗値、アンプの電圧入力換算ノイズ及び製造上の制限(プロセスルールなど)を考慮して、最適なS/N比を実現するために最適化すると良い。無論、受光部の全体のサイズを大きくすればするほど、前記の方法で最適化されたS/N比が大きくなるので良い。しかし、画素数や各画素のサイズは、システムの光学系と合わせて最適化な形状に設計すると良い。
図5は、多数の受光素子を直列に接続して受光部とする場合の断面図を示す。図5に示されるように、受光素子1同士はカソード61又はアノード62を介して配線層60で直列接続され、共通配線部2は配線層60を利用して形成される。このような構造を利用すると、製造プロセスの工程数が減るというメリットがある。
以下、光センサ部110を例にして受光強度演算の方法を説明する。図1〜3に示される光センサ部110においては、受光部dA及びdCの受光素子1のアノード62は配線層60を介してそれぞれ接続端子3a及び3cに接続され、受光部dB及びdDの受光素子1のカソード61は配線層60を介してそれぞれ接続端子3b及び3dに接続されている。また、受光部dA及びdCの受光素子1のカソード61は配線層60を介して共通配線部2に接続され、受光部dB及びdDの受光素子1のカソード62は配線層60を介して共通配線部2に接続されている。従って、光センサ部110では、対角配置にあるパッド間の信号は、下記式(8)及び(9)で得ることができ、左右配置及び上下配置にあるパッド間の信号は、下記式(10)及び(11)で得ることができる。
ipAC=(ipA−ipC)/2 (8)
ipBD=(ipD−ipB)/2 (9)
ipAD=(ipA+ipD)/2 (10)
ipBC=(−ipB−ipC)/2 (11)
ここで、ipACは接続端子3aと接続端子3cとの間から取り出せる短絡光電流を示し、ipBDは接続端子3bと接続端子3dとの間から取り出せる短絡光電流を示し、ipADは接続端子3aと接続端子3dとの間から取り出せる短絡光電流を示し、ipBCは接続端子3bと接続端子3cとの間から取り出せる短絡光電流を示す。
例えば式(1)に示されるように、接続端子3aと接続端子3cとの間で得られる出力電流ipACは、共通配線部2に受光部dA及びdCのカソード61が接続され、接続端子3a及び3cに受光部dA及びdCのアノード62が接続されているため、受光部dAと受光部dCとのそれぞれの出力電流の差分信号により得られる。また、例えば式(3)に示されるように、接続端子3aと接続端子3dとの間で得られる出力電流ipADは、共通配線部2に受光部dAのカソード61及び受光部dDのアノード62が接続され、接続端子3a及び3dに受光部dAのアノード62及び受光部dDのカソード61がそれぞれ接続されているため、受光部dAと受光部dDとのそれぞれの出力電流の加算信号により得られる。
上記の通り、光センサ部110では、受光部dAと受光部dCのエリアに入射する輻射に関する差分信号(式(8))、及び受光部dBと受光部dDのエリアに入射する輻射に関する差分信号(式(9))を得ることができる。また、パッドの数が少なく、基板10の利用効率が高いため、望ましい場合がある。
ここで、図1、2に示される光センサ部110においては、4つの受光部dA〜dDを使用した場合を例に説明したが、4つの受光部に限らず、複数個の受光部を使用することができる。この場合、得られる出力信号は、各受光部の接続方法及び信号取り出しに選択したパッドによって異なる。例えば、任意の2つの受光部の差分の信号を取り出すには、両方の受光部のカソード61若しくは両方の受光部のアノード62を共通配線部2に接続する必要がある。
また、式(8)〜(11)においては、各受光部dA〜dDの内部抵抗が全く同じである場合の出力信号を示したが、必要に応じて、各受光部の内部抵抗が互いに異なってもよい。例えば、受光部dA及び受光部dCの内部抵抗をそれぞれrA及びrCとすると、この場合、ipAC’は式(12)で表される。
ipAC’=ipAA/(rA+rC)−ipCC/(rA+rC) (12)
各受光部dA〜dDの短絡光電流は、各受光部dA〜dDに入射する赤外線の強度に応じて発生する。このようにして得られた短絡光電流は、受光部同士の電気的接続によって生じた演算結果であり、その結果自身を増幅することで、それぞれの独立の受光部の出力信号を個別に増幅してから、後段の演算器で演算(差分や加算)をするよりも、高いS/N比が実現できる。この高いS/N比を持った差分信号の更なる演算によって、微弱の輻射光源の位置・移動を高いS/N比で実現できる。
製造の簡易さの観点から、基板10が半絶縁材料(例えば、GaAs)もしくは絶縁材料(例えば、サファイア)からなる基板であると好ましいが、基板10の材料としては、n型半導体層20を含む半導体積層部80を形成することが可能なものであれば特に制限されず、例えばシリコンやGaAsやサファイアからなる基板でもよい。半絶縁材料や絶縁材料からなる基板を用いることにより、半導体積層部80と基板10とを電気的に絶縁するための工程が不要となるため、製造工程が簡易なものとなる。赤外線センサとしての効率を上げる観点からは、入射される赤外線に対して吸収が生じにくい材料が好ましい。プロセスを容易にする観点からは、絶縁基板を用いることが好ましい。また、半導体積層部80がInSbを含む組成の場合、上記観点に加え、半導体積層部80の品質を高める観点からGaAsからなる絶縁基板を用いることがより好ましい。
図6は、受光素子1の等価回路を示す。図6に示されるように、単一の受光素子1毎に内部抵抗r0を有している。従って、受光部dA〜dDに多数の受光素子1を設けることにより、受光部dA〜dD全体の抵抗を拡大することができ、信号取り出しが容易になる。また、多数の受光素子1を直列に接続すると、1画素となる受光部dの抵抗rは受光素子の数に比例する。例えば、N個の受光素子1を直列に接続した場合、1画素の抵抗rは式(13)で表される。
r=N×r0 (13)
さらに、kをBoltzman係数とし、Tをセンサ温度とすると、光センサ部110からのノイズInoiseは式(14)で表される。
noise=[4kT/(N×r0)]1/2 (14)
n型半導体層20及びp型半導体層40で構成されるPN接合又はPIN接合のフォトダイオード構造を含む半導体積層部80の材料としては、InSb系材料、InGaSb系材料、InAlSb系材料、InAsSb系材料、又はIn、Sb、Ga若しくはAlを含む材料を使用することができるが、用途に応じて、デバイスの検知波長帯を変える必要がある。InSb系材料で構成された受光素子の場合、1〜7μmの波長を検知することができる。InGaSb又はInAlSb系材料で構成された受光素子の場合、1〜5μmの波長帯に絞ることができる。また、InAsSb系材料で構成された受光素子の場合、1〜12μmの波長帯を検知することができる。同様の波長を検知するには、HgやCdを用いたMCTを用いたフォトダイオード構造も研究されているが、本発明では一般用途に幅広く普及するため、環境負荷軽減の観点から、n層20、π層30及びp層40で構成されるフォトダイオード構造部がIn、Sb、Ga、又はAlを含む材料で構成されることが好ましい。
上記の材料から選択することによって、単一の受光素子1の内部抵抗r0が変化する。これは主に、光を吸収し、起電力を発生する光吸収層30のバンドギャップによって、室温での真性キャリア数が変わるためである。具体的には、バンド材料のバンドギャップが小さいほど、真性キャリア数が増え、受光素子1の内部抵抗r0が低下する。
特に、長波長の赤外線を検知するためは、InSbのような狭いバンドギャップを有する受光素子1を用いて受光部dA〜dDを構成することが好ましい。狭いバンドギャップの受光素子1を用いて受光部dA〜dDを構成する場合、デバイスは周囲の温度揺らぎに敏感になるため、内部抵抗r0は周囲の温度揺らぎによって大きく変動する。この問題を改善するために、本発明においては、受光部dA〜dDの内部抵抗r0の変動の影響を受けにくい短絡出力電流を電子回路で処理するため、著しくその効果が表れる。
図3では、L字型の形状を有する受光部dA〜dDが示されているが、チップサイズや、接続端子のサイズによって、他の形状でもよい。これらの形状は各受光部dA〜dDを構成する多数の受光素子1を互いに直列に接続することにより設計が可能となる。そのため、受光部dA〜dDを多数の受光素子1で構成することが望ましい。また、各受光部dA〜dDA〜dDを多数の受光素子1で構成すると、受光部dA〜dDの各々の全体の抵抗を増大することができ、信号取り出しが容易になるという観点からも好ましい。
本発明において、I−V変換アンプ4a〜4dは受光部dA〜dDの短絡電流を増幅するための手段であり、一般的にはTransimpedance−Ampと呼ばれる。システム全体のノイズは光センサ部110のみではなく、I−V変換アンプ4a〜4dのノイズも考慮しなければならない。一般的なI−V変換アンプは信号源(ここでは受光部d)の内部抵抗N×r0が小さいほど、アンプの出力に現れるノイズが増える(式14を参照)。
図7は、379ΩのInSb系の受光素子1をN個直列に接続した場合の受光素子1の個数Nとアンプの出力のノイズとの関係を示す(同様に、センサのみのノイズ(熱雑音)も表示してある)。図7に示されるように、個数Nが少ないほど、センサのノイズよりもアンプからのノイズが著しくなる。そのため、高S/N比を実現するために、受光部dA〜dDの設計の際、アンプに接続する信号源の内部抵抗(ここではN×r0)を考慮しなければならない。
本発明は、特に受光強度演算デバイス100を小型化にした場合、効果が著しくなる。基板10の寸法の具体的なサイズとしては、4mm2以下、2mm2以下が望ましく、更に望ましいのは0.5mm2以下、0.2mm2以下である。基板10のサイズが小さいほど、製造効率が高まるだけではなく、受光強度演算デバイス100のパッケージや実装された周囲の不均一な温度変化による受光強度演算デバイス100の出力信号への影響が小さくなるので、基板10のサイズは小さい方が好ましい。
また、小型なデバイスを実現するためには、受光部dA〜dDを小さくする必要があるため、受光素子1の数にも限りがある。そこで、本実施形態では、小さい受光部dA〜dDからの出力信号を高S/N比で増幅できるように、受光部dA〜dDの出力信号を受光部1個ずつではなく、直列接続された2つずつの受光部の信号を増幅すると好ましい。
光源(人体の手・指・顔)の接近・位置・移動の検出は、二つの受光部の差分処理を行うことによって、高感度、且つ、高S/N比の信号処理を実現できる。受光部が小さいほど、同一基板上にそれぞれの受光部が近い位置に配置されているため、周囲の温度の揺らぎが生じても、同時に両方の受光部の温度が揺らぐこととなるので、温度差(及び出力信号の揺らぎ)が生じない。一方、デバイスが小さいほど、周囲の熱揺らぎの影響が小さくなるが、各受光部の抵抗は小さくなるため、その信号処理は困難となる。そこで、本発明を実施することによって、受光部内に入射した光の強度が演算されアンプに出力されるため、高S/N比の演算・信号処理が実現できる。
なお、図4には、基板10上に、n型半導体層20、光吸収層30、p型半導体層40の順に積層した層構造を有する受光素子1を示したが、p型半導体層40、光吸収層30、n型半導体層20の順に積層した構造としてもよい。その場合、p型半導体層40と光吸収層30との間にバリア層31が形成されることとなる。また、図4には、PIN接合の半導体積層部80を有する受光素子1を示したが、PN接合のフォトダイオード構造として構成してもよい。さらに、上記説明では、例示として、基板10の裏面から光が入射するものとしたが、本発明では基板10において半導体積層部80が積層されている面側から光が入射するように構成してもよい。
図8は、本発明に係る受光強度演算デバイス100を使用した位置検出デバイス300の実施例を示す。図8は、本発明に係る受光強度演算デバイス100を使用した位置検出デバイス300の断面図である。図8には、受光強度演算デバイス100と、基板10の裏面に設置され、受光強度演算デバイス100に入射する光の波長を制限する光学フィルター301と、受光強度演算デバイス100の受光部の視野を制御する視野角制限体302と、受光強度演算デバイス100及び光学フィルター301をモールディングする樹脂モールド304とを供えた位置検出デバイス300が示されている。図8に示される受光強度演算デバイス100は、受光部dA及びdCの他にさらに受光部dB及びdDを備えているが、説明を簡略化するため、特に言及がない限り、受光部dA及びdCを使用した場合を例に説明する。
光源303から輻射された赤外線は、位置検出デバイス300に入射する際に、視野角制限体302によって入射角が制限されながら位置検出デバイス300の光学フィルター301を介して基板10の裏面から入射し、受光部dA及びdCに入射する。この視野角制限体302によって、光源303の位置によって各受光部dA及びdCに入射する光の強度が異なるようになるため、その差分を演算することによって、光源303の位置が検出することができる。図8で示すような光源303の位置の場合、受光部dAに入射する光束が受光部dCに入射する光束より大きいため、ipAはipCより大きくなる。このことを利用して、ipAとipCの差分を求めることにより、光源303が視野角内のどの位置に存在するかの一次元的な位置検出をすることができる。また、受光強度演算デバイス100が受光部dA及びdCの他にさらに受光部を備える場合は、それらを用いることにより二次元的な位置検出も可能になる。さらに、受光部の出力の和を求めることにより受光部dA及びdCと光源303との距離も検出することができるため、3次元的な位置検出も可能になる。
図8に示される位置検出デバイス300では、視野角制限体302として穴の開いた板を用いた場合を図示したが、光学レンズを利用又は組み合わせてもよい。視野角制限体302の直径φ及びその開口部の厚みtに基づいて、デバイスの光学特性が決定される。検出対象となる光源303としては、受光強度演算デバイス100の受光素子の感度波長内の赤外線を発する物質であれば特に制限されない。
光学フィルター301は、一部の波長範囲のみ検知したい場合には、基板10と視野角制限体602との間に必要に応じて設けることができる。光学フィルター301の一例としては、Si基板上に異なった屈折率の2種類の材料を多層に積層することによって得られる波長選択効果の干渉フィルターが挙げられる。このような光学フィルター301であれば、大気に対して屈折率が高い(n=3以上)ため、入射光は光学フィルター301の表面に対してほぼ垂直となり、受光部dA及びdCまで進行する。
図8に示される位置検出デバイス300では、視野角制限体302/光学フィルター301/基板10という構造を示したが、パッケージの構造の制限に応じて、光学フィルター301/視野角制限体302/基板10という構造でもよい。または、蓋/視野角制限体302/光学フィルター301/基板10でもよい。但し、ここで言う「蓋」とは、光源303が放射する光の波長に対して十分な透過率を持つことが望ましい。また、この蓋の形状によって、光の屈折効果を利用して、視野角を広げたり、狭めたりさせてもよい。この場合、各用途に応じて適した形状を利用すると良い。
図8で示したような位置検出デバイス300を作製し、直径15mmの光源をセンサ表面から20mmの距離に設定した。位置検出デバイス300で使用される受光強度演算デバイス100において、基板10は0.45mm角のGaAs基板を使用し、24個のInSbのフォトダイオードからなる受光素子1を直列接続した各受光部2a〜2dを使用し、図3で示されるようなレイアウトとした。視野角制限体302の開口部の厚みtを0.5mmとし、穴の直径φを0.5mmとした。
上記のようにして作製された位置検出デバイス300に対して光源303を移動させた場合における、光源303の位置(開口部の中心軸を0mmとする)に対するipAとipCの差分の関係、及びipA〜ipDの総和の関係を図9に示す。図9に示される差分の波形から、光源303の位置と、ipAとipCとの差分とが相関を持つことが理解できる。この相関を用いることにより、光源303が視野角内のどの位置に存在するかを検出することが可能になる。また、図9に示される差分の波形から、ノイズが少なく高S/Nが得られることも理解される。
また、図9に示されるipA〜ipDの総和の信号から、光源303が位置検出デバイス300に接近しているかどうかが判別できる。この判別の結果から、差分の信号がゼロの場合でも、光源303が位置検出デバイス300に接近しているかどうか(若しくは、光源303が位置検出デバイス300の視野範囲に入っているかどうか)が分かるため、多くの用途では有効である。
1 受光素子
dA〜dD 受光部
2 共通配線部
3a〜3d、3a1〜3d1、3a2〜3d2 接続端子
4a〜4d I−V変換アンプ
5〜8 減算回路
9 加算回路
10 基板
20 n型半導体層
30 光吸収層
40 p型半導体層
50 絶縁層
60 配線層
61 カソード(n層電極)
62 アノード(p層電極)
70 保護層
80 半導体積層部
100、1000 受光強度演算デバイス
110、1010 光センサ部
120、1020 I−V変換手段
130、1030 差分演算手段
140、1040 加算演算手段
300 位置検出デバイス
301 光学フィルター
302 視野角制限体
303 光源
304 樹脂モールド

Claims (4)

  1. 一端が第1の接続端子に接続された第1の受光部と、一端が第2の接続端子に接続された第2の受光部と、一端が第3の接続端子に接続された第3の受光部と、一端が第4の接続端子に接続された第4の受光部とを備えた光センサ部であって、前記第1の受光部ないし前記第4の受光部の他端は、共通の配線によって接続される、光センサ部と、
    スイッチング素子を介さずに前記第1の接続端子及び前記第3の接続端子と接続され、前記第1の受光部及び前記第3の受光部からの出力の差分を演算して第1の差分信号を出力する第1の差分演算部と、
    スイッチング素子を介さずに前記第2の接続端子及び前記第4の接続端子と接続され、前記第2の受光部及び前記第4の受光部からの出力の差分を演算して第2の差分信号を出力する第2の差分演算部と、
    スイッチング素子を介さずに前記第1の接続端子及び前記第2の接続端子と接続され、前記第1の受光部及び前記第2の受光部からの出力の差分を演算して第3の差分信号を出力する第3の差分演算部と、
    スイッチング素子を介さずに前記第3の接続端子及び前記第4の接続端子と接続され、前記第3の受光部及び前記第4の受光部からの出力の差分を演算して第4の差分信号を出力する第4の差分演算部と、
    前記第3の差分演算部及び前記第4の差分演算部に接続され、前記第3の差分信号及び前記第4の差分信号の和を演算して加算信号を出力する加算演算部と
    を備えることを特徴とする受光強度演算デバイス。
  2. 前記第1の受光部ないし前記第4の受光部はそれぞれ複数のフォトダイオードを含み、
    前記第1の受光部のカソードは、前記第2の受光部及び前記第4の受光部のアノードと、前記第3の受光部のカソードとに電気的に接続され、
    前記第1の受光部のアノードは、前記第1の接続端子及び第1の電流−電圧変換アンプを介して前記第1の差分演算部及び前記第3の差分演算部に接続され、
    前記第2の受光部のカソードは、前記第2の接続端子及び第2の電流−電圧変換アンプを介して前記第2の差分演算部及び前記第3の差分演算部に接続され、
    前記第3の受光部のアノードは、前記第3の接続端子及び第3の電流−電圧変換アンプを介して前記第1の差分演算部及び前記第4の差分演算部に接続され、
    前記第4の受光部のカソードは、前記第4の接続端子及び第4の電流−電圧変換アンプを介して前記第2の差分演算部及び前記第4の差分演算部に接続されることを特徴とする請求項1に記載の受光強度演算デバイス。
  3. 前記第1の受光部ないし前記第4の受光部は、互いに直列接続された複数の受光素子を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の受光強度演算デバイス。
  4. 前記第1の受光部ないし前記第4の受光部は、インジウムおよび/またはアンチモンを含み、かつ、PN接合またはPIN接合のフォトダイオード構造を有する半導体積層部を有することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の受光強度演算デバイス。
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