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JP5862258B2 - 活性光線硬化型インクジェットインク、およびインクジェット記録方法 - Google Patents
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JP5862258B2 - 活性光線硬化型インクジェットインク、およびインクジェット記録方法 - Google Patents

活性光線硬化型インクジェットインク、およびインクジェット記録方法 Download PDF

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Description

本発明は、活性光線硬化型インクジェットインク、およびインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方式は、簡易かつ安価に画像を形成できることから、各種印刷分野で用いられている。インクジェット記録方式の一つとして、紫外線硬化型インクジェットインクの液滴を記録媒体に着弾させた後、紫外線を照射して硬化させて画像を形成する紫外線硬化型インクジェット方式がある。紫外線硬化型インクジェット方式は、インク吸収性のない記録媒体においても、高い耐擦過性と密着性を有する画像を形成できることから、近年注目されつつある。
紫外線硬化型インクジェットインクにワックスを配合することが知られており(例えば、特許文献1を参照)、それにより得られる画像の表面の滑り性を向上させて、耐擦過性を向上させることなどが知られている。
一方、紫外線硬化型インクジェットインクにシリカ微粒子やアルミナ微粒子のように無機微粒子を配合することが知られており(例えば、特許文献2を参照)、それによりインクの耐熱性を向上させることなどが知られている。
特表2005−504860号公報 特開2008−37898号公報
前述の通り、紫外線硬化型インクジェットインクにワックスを配合すると、画像表面の滑り性が高まることが知られているが;一方で、ワックスが画像表面に析出して、ブルーミングという現象が生じることがあった。そこで本発明は、ワックスを含む紫外線硬化型インクジェットインクでありながら、ブルーミングが抑制されるインクを提供する。
本発明の第1は、以下に示す活性光線硬化型インクジェットインクに関する。
[1]活性光線硬化性化合物と、1質量%以上15質量%未満のワックスと、平均粒子径5nm以上60nm未満の無機微粒子と、を含有する活性光線硬化型インクジェットインクであって、
前記ワックスが、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、トリグリセライド、脂肪酸アミン、脂肪族ケトン、脂肪酸アミド及び脂肪族ジケトンから選ばれる一つであり、
前記活性光線硬化型インクジェットインクは、温度により可逆的にゾルゲル相転移し、
前記無機微粒子は、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム及び酸化ジルコニウムから選ばれる一つであり、
かつ前記無機微粒子の0.01質量%のトリプロピレングリコールジアクリレート溶液の、波長400nmの光の透過率が70%以上である、活性光線硬化型インクジェットインク。
[2]前記活性光線硬化型インクジェットインクにおける前記無機微粒子の含有量が、0.1質量%以上2質量%未満である、[1]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[3]前記無機微粒子の平均粒子径が10nm以上50nm未満である、[1]または[2]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[4]前記無機微粒子がシリコーン系表面処理剤で表面処理されている、[1]〜[3]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[5]前記活性光線硬化性化合物がラジカル重合性化合物である、[1]〜[4]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[6]前記活性光線硬化性化合物が、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[7]前記活性光線硬化型インクジェットインクは25℃における粘度は、1000mPa・s以上である、[1]〜[]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[8]前記活性光線硬化型インクジェットインクにおける前記ワックスの含有量が、1質量%以上、7質量%未満である、[1]〜[]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[9]前記活性光線硬化型インクジェットインクのゲル化温度が、40℃以上70℃以下である、[1]〜[]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
本発明の第2は、以下に示すインクジェット記録方法に関する。
10][1]〜[]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に射出する工程と、前記記録媒体に射出されたインクに活性光線を照射して、前記インクを硬化させる工程とを含むインクジェット記録方法であって、
前記記録媒体に射出されるときの前記活性光線硬化型インクジェットインクの温度を、前記活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる前記ワックスの含有量が飽和溶解量以下となる温度とする、インクジェット記録方法。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、ワックスが配合されているにも係わらず、画像表面にワックスが析出することで生じる「ブルーミング」という現象が抑制される。そのため、本発明の活性光線硬化型インクジェットインクによれば、耐擦過性やブルーミング抑制を含む品質の高い画像を形成することができる。特に、比較的多量のワックスを添加する「ゾルゲル相転移型」の活性光線硬化型インクジェットインクとして、本発明は好適に用いられる。
ライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す図である。 シリアル記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す図である。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、活性光線硬化性化合物と、ワックスと、無機微粒子とを含む。
[活性光線硬化性化合物]
活性光線硬化性化合物は、活性光線により架橋または重合する光重合性化合物である。活性光線は、例えば電子線、紫外線、α線、γ線、およびエックス線等であり、好ましくは紫外線および電子線である。活性光線硬化性化合物は、ラジカル重合性化合物またはカチオン重合性化合物であり、好ましくはラジカル重合性化合物である。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物)である。ラジカル重合性化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例には、不飽和カルボン酸とその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸ウレタン化合物、不飽和カルボン酸アミド化合物およびその無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸などが含まれる。
なかでも、ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。(メタ)アクリレート化合物は、後述するモノマーだけでなく、オリゴマー、モノマーとオリゴマーの混合物、変性物、重合性官能基を有するオリゴマーなどであってよい。
(メタ)アクリレート化合物の例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチル−フタル酸、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単官能モノマー;
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の二官能モノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能モノマー等が含まれる。
(メタ)アクリレート化合物は、感光性などの観点から、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート等が好ましい。
(メタ)アクリレート化合物は、変性物であってもよい。変性物の例には、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物;カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物;およびカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のカプロラクタム変性(メタ)アクリレート化合物等が含まれる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクをゾルゲル相転移型とする場合には、活性光線硬化性化合物の少なくとも一部をエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物とすることが好ましい。エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物は感光性が高く、インクが低温下でゲル化する際に、カードハウス構造(後述)を形成しやすいからである。また、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物は、高温下で他のインク成分に対して溶解しやすく、硬化収縮も少ないことから、印刷物のカールも起こりにくい。
エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物の例には、Sartomer社製の4EO変性ヘキサンジオールジアクリレートCD561(分子量358)、3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR454(分子量429)、6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR499(分子量560)、4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートSR494(分子量528);新中村化学社製のポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−400(分子量508)、ポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−600(分子量742)、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル9G(分子量536)、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル14G(分子量770);大阪有機化学社製のテトラエチレングリコールジアクリレートV#335HP(分子量302);Cognis社製の3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレートPhotomer 4072(分子量471、ClogP4.90);新中村化学社製の1,10−デカンジオールジメタクリレート NKエステルDOD−N(分子量310、ClogP5.75)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート NKエステルA−DCP(分子量304、ClogP4.69)およびトリシクロデカンジメタノールジメタクリレート NKエステルDCP(分子量332、ClogP5.12)等が含まれる。
(メタ)アクリレート化合物は、重合性オリゴマーであってもよく、そのような重合性オリゴマーの例には、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、および直鎖(メタ)アクリルオリゴマー等が含まれる。
カチオン重合性化合物は、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、およびオキセタン化合物等でありうる。カチオン重合性化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ化合物は、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、または脂肪族エポキシド等であり、硬化性を高めるためには、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが好ましい。
芳香族エポキシドは、多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるジまたはポリグリシジルエーテルでありうる。反応させる多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体の例には、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体等が含まれる。アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等でありうる。
脂環式エポキシドは、シクロアルカン含有化合物を、過酸化水素や過酸等の酸化剤でエポキシ化して得られるシクロアルカンオキサイド含有化合物でありうる。シクロアルカンオキサイド含有化合物におけるシクロアルカンは、シクロヘキセンまたはシクロペンテンでありうる。
脂肪族エポキシドは、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるジまたはポリグリシジルエーテルでありうる。脂肪族多価アルコールの例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレングリコール等が含まれる。アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等でありうる。
ビニルエーテル化合物の例には、エチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル-o-プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物;
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジまたはトリビニルエーテル化合物等が含まれる。これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性や密着性などを考慮すると、ジまたはトリビニルエーテル化合物が好ましい。
オキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物であり、その例には、特開2001−220526号公報、特開2001−310937号公報、特開2005−255821号公報に記載のオキセタン化合物等が含まれる。なかでも、特開2005−255821号公報の段落番号0089に記載の一般式(1)で表される化合物、同号公報の段落番号0092に記載の一般式(2)で表される化合物、段落番号0107の一般式(7)で表される化合物、段落番号0109の一般式(8)で表される化合物、段落番号0116の一般式(9)で表される化合物等が挙げられる。特開2005−255821号公報に記載された一般式(1)、(2)、(7)〜(9)を以下に示す。
Figure 0005862258
活性光線硬化型インクジェットインクにおける活性光線硬化性化合物の含有量は、1〜97質量%であることが好ましく、30〜95質量%であることがより好ましい。
[ワックス]
本発明おいてワックスとは、一般に常温で固体、加熱すると液体となる有機物」と定義される。本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれるワックスは、0.01質量%以上15質量%未満であることが好ましい。ワックス含有量が0.01質量%未満であると、画像表面の滑り性が得られず、画像の耐擦過性が不十分となり;ワックス含有量が15質量%以上であると、インクジェットヘッドからのインク射出性が悪化する。
また、本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、ゾルゲル相転移型のインクであってもよい。ゾルゲル相転移型のインクにおけるワックス含有量は、1質量%以上であることが好ましく;15質量%未満、好ましくは7質量%未満であることが好ましい。一方、ゾルゲル相転移型でないインクにおけるワックス含有量は、0.01質量%以上1質量%未満であることが好ましい。
ワックスの種類は特に限定されないが、その例には、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、トリグリセライド、脂肪酸アミン、脂肪族ケトン、脂肪酸アミドなどが含まれ;好ましくは、脂肪酸エステルもしくは脂肪族ジケトンである。
ゾルゲル相転移型のインクにおけるワックスは、少なくとも1)ゲル化温度よりも高い温度で、活性光線硬化性化合物に溶解すること、2)ゲル化温度以下の温度で、インク中で結晶化すること、が必要である。
ワックスがインク中で結晶化するときに、ワックスの結晶化物である板状結晶が三次元的に囲む空間を形成し、前記空間に活性光線硬化性化合物を内包することが好ましい。このように、板状結晶が三次元的に囲む空間に活性光線硬化性化合物が内包された構造を「カードハウス構造」ということがある。カードハウス構造が形成されると、液体の活性光線硬化性化合物を保持することができ、インク液滴をピニングすることができる。それにより、液滴同士の合一を抑制することができる。カードハウス構造を形成するには、インク中で溶解している活性光線硬化性化合物とワックスとが相溶していることが好ましい。これに対して、インク中で溶解している活性光線硬化性化合物とワックスとが相分離していると、カードハウス構造を形成しにくい場合がある。
ワックスとしての脂肪族ジケトンは、例えば下記式で示される。
Figure 0005862258
式(1)において、R1およびR2は、それぞれ独立して、炭素原子数9以上25以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基である。脂肪族炭化水素基は、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基でありうるが、インクのゲル化温度を高くする観点などから、好ましくは飽和脂肪族炭化水素基(アルキレン基)である。式(1)のR1およびR2の脂肪族炭化水素基の炭素原子数がそれぞれ同程度であれば、式(1)のR1およびR2が飽和の脂肪族炭化水素基である化合物の融点は、式(1)のR1およびR2が不飽和の脂肪族炭化水素基である化合物の融点よりも高いことが多く、インクのゲル化温度も高くなりやすいからである。飽和脂肪族炭化水素基は、分岐状または直鎖状の脂肪族炭化水素基でありうるが、高い結晶性を得るためには、好ましくは直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基(直鎖アルキレン基)である。
脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が9未満であると、十分な結晶性を有しないため、ワックスがゲル化剤として機能しないだけでなく、前述のカードハウス構造において、活性光線硬化性化合物を内包するための十分な空間を形成できない。一方、脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が25を超えると、融点が高くなりすぎるため、インクの射出温度を高くしなければ、ワックスがインク中に溶解しなくなる。脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が9以上25以下であると、ゲル化剤として必要な結晶性を有しつつ、前述のカードハウス構造を形成することができ、融点も高くなりすぎることはない。R1およびR2の脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数は11以上23未満であることが好ましい。そのため、R1およびR2は、炭素原子数11以上23未満の直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基(直鎖アルキレン基)であることが特に好ましい。
炭素原子数9以上25以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基の例には、ドコサニル基(C22)、イコサニル基(C20)、オクタデカニル基(C18)、ヘプタデカニル基(C17)、ヘキサデカニル基(C16)、ペンタデカニル基(C15)、テトラデカニル基(C14)、トリデカニル基(C13)、ドデカニル基(C12)、ウンデカニル基(C11)、デカニル基(C10)等が含まれる。
ワックスとしての脂肪酸エステルは、例えば下記式で示される。
Figure 0005862258
式(2)において、R3およびR4は、それぞれ独立して、炭素原子数9以上26以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基である。脂肪族炭化水素基は、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基でありうるが、好ましくは飽和脂肪族炭化水素基(アルキレン基)である。また、飽和脂肪族炭化水素基は、分岐状または直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基でありうるが、一定以上の結晶性を得るためには、好ましくは直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基(直鎖アルキレン基)である。
R3とR4の脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が9以上26以下であると、式(1)で表される化合物と同様に、ゲル化剤として必要な結晶性を有しつつ、前述のカードハウス構造を形成でき、融点も高くなりすぎない。式(2)で表される化合物の結晶性を一定以上にするためには、R3の脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が11以上23未満であり、かつR4の脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が12以上24未満であることが好ましい。そのため、R3は炭素原子数11以上23未満の直鎖アルキレン基であり、かつR4は炭素原子数12以上24未満の直鎖アルキレン基であることが特に好ましい。
炭素原子数9以上26以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基の例には、前述の式(1)における炭素原子数9以上25以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基と同様のものが含まれる。
ワックスの好ましい具体例には、18-ペンタトリアコンタノン、16-ヘントリアコンタノン等の脂肪族ケトン化合物(例えば花王社製 カオーワックスT1等);パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニル等の脂肪族モノエステル化合物(例えばユニスタ−M−2222SL(日油株式会社製)、エキセパールSS(花王株式会社製、融点60℃)、EMALEX CC−18(日本エマルジョン株式会社製)、アムレプスPC(高級アルコール工業株式会社製)、エキセパール MY−M(花王株式会社製)、スパームアセチ(日油株式会社製)、EMALEX CC−10(日本エマルジョン株式会社製)等);N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド、N-(2-エチルヘキサノイル)-L-グルタミン酸ジブチルアミド等のアミド化合物(味の素ファインテクノより入手可能);1,3:2,4-ビス-O-ベンジリデン-D-グルシトール(ゲルオールD 新日本理化より入手可能)等のジベンジリデンソルビトール類;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、およびホホバエステル等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリンおよび鯨ロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、および水素化ワックス等の鉱物系ワックス;硬化ヒマシ油または硬化ヒマシ油誘導体;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体またはポリエチレンワックス誘導体等の変性ワックス;ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸,ラウリン酸、オレイン酸、およびエルカ酸等の高級脂肪酸;ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;12-ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシステアリン酸;12-ヒドロキシステアリン酸誘導体;ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド(例えば日本化成社製 ニッカアマイドシリーズ、伊藤製油社製 ITOWAXシリーズ、花王社製 FATTYAMIDシリーズ等);N-ステアリルステアリン酸アミド、N-オレイルパルミチン酸アミド等のN-置換脂肪酸アミド;N,N'-エチレンビスステアリルアミド、N,N'-エチレンビス-12-ヒドロキシステアリルアミド、およびN,N'-キシリレンビスステアリルアミド等の特殊脂肪酸アミド;ドデシルアミン、テトラデシルアミンまたはオクタデシルアミンなどの高級アミン;ステアリルステアリン酸、オレイルパルミチン酸、グリセリン脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル化合物(例えば日本エマルジョン社製 EMALLEXシリーズ、理研ビタミン社製 リケマールシリーズ、理研ビタミン社製 ポエムシリーズ等);ショ糖ステアリン酸、ショ糖パルミチン酸等のショ糖脂肪酸エステル(例えばリョートーシュガーエステルシリーズ 三菱化学フーズ社製);ポリエチレンワックス、α−オレフィン無水マレイン酸共重合体ワックス等の合成ワックス;重合性ワックス(Baker−Petrolite社製 UNILINシリーズ等);ダイマー酸;ダイマージオール(CRODA社製 PRIPORシリーズ等)等が含まれる。
これらのワックスは、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
[無機微粒子]
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる無機微粒子の平均粒子径は、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。また、無機微粒子の平均粒子径は、60nm未満であることが好ましく、50nm未満であることがより好ましい。無機微粒子の平均粒子径は、動的光散乱法(Dynamic Light Scattering:DLS)によって求めることができ;例えば、Malvern社製 粒子径測定機 Zetasizer nano S90を用いて測定することができる。平均粒子径は、Z-平均粒子径の値とする。
粒子径が小さすぎる無機微粒子は、インク中に分散させることが困難であり;粒子径が大きすぎる無機微粒子は、画像でのブルーミング(ワックスが画像表面に析出すること)を十分に抑制することができない。また、粒子径が大きすぎる無機微粒子は、無機微粒子の色によって画像が着色するため、画像の外観が損なわれることがある。例えば、二酸化チタンからなる無機微粒子の粒子径が大きすぎると、画像が白色に着色する。そのため、無機微粒子の粒子径は、100nm以下であることが好ましい。
また、平均粒子径5nm〜60nmの無機微粒子は比表面積が大きいので、インク中に少量添加しただけでも、画像のブルーミングを抑制しやすい。ブルーミングとは、画像表面にワックスが析出することで生じる現象である。画像表面に析出したワックスは粗大結晶を形成し、それが目視で確認できるため、ブルーミングとして認識される。これに対して、インクにナノサイズの無機微粒子を添加すると、画像表面に無機微粒子が存在する。画像表面に無機微粒子があると、析出したワックスが無機微粒子を核として微小で均質な結晶を形成する。微小で均質な結晶は、目視で確認することができないため、ブルーミングとして認識されないと考えられる。
無機微粒子は、典型的には金属酸化物の微粒子であり;その例には、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウムなどが含まれ;シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムが好ましく;シリカもしくはアルミナがより好ましい。
無機微粒子は、シリコーン系処理剤で表面処理されていることが好ましい。それにより、ワックスとの親和性が高まる。また、表面処理によって、無機微粒子が画像表面に配向しやすくすることが好ましい。シリコーン系処理剤は、シラノール基があるもの、または加水分解によりシラノール基を発生するアルコキシ基があるものが好ましい。無機微粒子を表面処理するには、撹拌されている無機微粒子にシリコーン系処理剤を噴霧してもよいし、無機微粒子が分散された分散液中にシリコーン系処理剤を配合してもよい。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる無機微粒子の含有量は、0.05%以上であり、0.1%以上であることがより好ましい。また、5%未満であることが好ましく、2%未満であることがより好ましい。無機微粒子の含有量が少なすぎると、得られる画像の耐擦過性が低下し;無機微粒子の含有量が多すぎると、インクの硬化性が低下するため、画像の耐擦過性がむしろ悪化する。
無機微粒子は、着色微粒子(顔料)とは区別される。着色微粒子のように着色力が強いと、インク本来の機能が損なわれるため好ましくない。つまり、無機微粒子の濃度が0.01重量%の溶液の、波長400nm、500nmおよび600nmにおける透過率が、70%以上であることが好ましい。溶液の溶媒は、トリプロピレングリコールジアクリレートとすればよい。波長400nm、500nmおよび600nmにおける透過率が70%以下であると、無機微粒子がインクに着色を呈することがあるので好ましくない。透過率とは、1cmの光路長で分光光度計で測定した際に試料を透過した光の割合を意味する。
無機微粒子は、市販品として入手することもできる。市販品としての無機微粒子の例には、「NanoBYK-3601(BYK Chemie社製)トリプロピレングリコールジアクリレートにアルミナ微粒子を分散させたもの」、「NanoBYK-3602(BYK Chemie社製)ヘキサンジオールジアクリレートにアルミナ微粒子を分散させたもの」、「NanoBYK-3650(BYK Chemie社製)メトキシプロピルアセテートにシリカ微粒子を分散させたもの」、「Nano-BYK3821(BYK Chemie社製)メトキシプロピルアセテートに酸化亜鉛微粒子を分散させたもの」、「NANOCRYL C145、C146、C350、C140、C150(Hanse-Chemie社製)光重合性モノマーにシリカ微粒子を分散させたもの」、「Nanon5 ZR-010(株式会社ソーラー社製)酸化ジルコニウムの分散物」、「ETERQURE601Q-35(長興化学社製)アクリレートオリゴマーに無機微粒子を分散させたもの」、「Laromer PO9026(BASF社製)エトキシ化トリメチロールプロパンアクリル酸エステルにシリカ微粒子を分散させたもの」が含まれる。
[光重合開始剤]
活性光線硬化型インクジェットインクは、光重合開始剤をさらに含んでもよい。具体的には、活性光線が電子線である場合は、通常、光重合開始剤は含まれなくてもよいが、活性光線が紫外線である場合は、光重合開始剤が含まれることが好ましい。
光重合開始剤は、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型とがある。分子内結合開裂型の光重合開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系;ベンジルおよびメチルフェニルグリオキシエステル等が含まれる。
分子内水素引き抜き型の光重合開始剤の例には、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル-4-フェニルベンゾフェノン、4,4'-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチル-ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3',4,4'-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3'-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;ミヒラーケトン、4,4'-ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;10-ブチル-2-クロロアクリドン、2-エチルアンスラキノン、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が含まれる。
活性光線硬化型インクジェットインクにおける光重合開始剤の含有量は、活性光線や活性光線硬化性化合物の種類などにもよるが、0.01質量%〜10質量%であることが好ましい。
活性光線硬化型インクジェットインクは、光重合開始剤として、光酸発生剤を含んでもよい。光酸発生剤の例には、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて光重合開始剤助剤や重合禁止剤などをさらに含んでもよい。光重合開始剤助剤は、第3級アミン化合物であってよく、芳香族第3級アミン化合物が好ましい。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N-ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミンおよびN,N-ジメチルヘキシルアミン等が含まれる。なかでも、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステルが好ましい。これらの化合物は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p-ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-t-ブチル-p-ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ-p-ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が含まれる。
[色材]
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて色材をさらに含んでもよい。色材は、染料または顔料でありうるが、インクの構成成分に対して良好な分散性を有し、かつ耐候性に優れることから、顔料が好ましい。顔料は、特に限定されないが、例えばカラーインデックスに記載される下記番号の有機顔料または無機顔料でありうる。
赤あるいはマゼンタ顔料の例には、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36等が含まれる。青またはシアン顔料の例には、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60等が含まれる。緑顔料の例には、Pigment Green 7、26、36、50が含まれる。黄顔料の例には、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193等が含まれる。黒顔料の例には、Pigment Black 7、28、26等が含まれる。
顔料の市販品の例には、クロモファインイエロー2080、5900、5930、AF−1300、2700L、クロモファインオレンジ3700L、6730、クロモファインスカーレット6750、クロモファインマゼンタ6880、6886、6891N、6790、6887、クロモファインバイオレット RE、クロモファインレッド6820、6830、クロモファインブルーHS−3、5187、5108、5197、5085N、SR−5020、5026、5050、4920、4927、4937、4824、4933GN−EP、4940、4973、5205、5208、5214、5221、5000P、クロモファイングリーン2GN、2GO、2G−550D、5310、5370、6830、クロモファインブラックA−1103、セイカファストエロー10GH、A−3、2035、2054、2200、2270、2300、2400(B)、2500、2600、ZAY−260、2700(B)、2770、セイカファストレッド8040、C405(F)、CA120、LR−116、1531B、8060R、1547、ZAW−262、1537B、GY、4R−4016、3820、3891、ZA−215、セイカファストカーミン6B1476T−7、1483LT、3840、3870、セイカファストボルドー10B−430、セイカライトローズR40、セイカライトバイオレットB800、7805、セイカファストマルーン460N、セイカファストオレンジ900、2900、セイカライトブルーC718、A612、シアニンブルー4933M、4933GN−EP、4940、4973(大日精化工業製);
KET Yellow 401、402、403、404、405、406、416、424、KET Orange 501、KET Red 301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、336、337、338、346、KET Blue 101、102、103、104、105、106、111、118、124、KET Green 201(大日本インキ化学製);
Colortex Yellow 301、314、315、316、P−624、314、U10GN、U3GN、UNN、UA−414、U263、Finecol Yellow T−13、T−05、Pigment Yellow1705、Colortex Orange 202、Colortex Red101、103、115、116、D3B、P−625、102、H−1024、105C、UFN、UCN、UBN、U3BN、URN、UGN、UG276、U456、U457、105C、USN、Colortex Maroon601、Colortex BrownB610N、Colortex Violet600、Pigment Red 122、Colortex Blue516、517、518、519、A818、P−908、510、Colortex Green402、403、Colortex Black 702、U905(山陽色素製);
Lionol Yellow1405G、Lionol Blue FG7330、FG7350、FG7400G、FG7405G、ES、ESP−S(東洋インキ製)、
Toner Magenta E02、Permanent RubinF6B、Toner Yellow HG、Permanent Yellow GG−02、Hostapeam BlueB2G(ヘキストインダストリ製);
Novoperm P−HG、Hostaperm Pink E、Hostaperm Blue B2G(クラリアント製);
カーボンブラック#2600、#2400、#2350、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#850、MCF88、#750、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA77、#52、#50、#47、#45、#45L、#40、#33、#32、#30、#25、#20、#10、#5、#44、CF9(三菱化学製)などが挙げられる。
顔料の分散は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、およびペイントシェーカー等により行うことができる。顔料の分散は、顔料粒子の平均粒子径が、好ましくは0.08〜0.5μm、最大粒子径が好ましくは0.3〜10μm、より好ましくは0.3〜3μmとなるように行われることが好ましい。顔料の分散は、顔料、分散剤、および分散媒体の選定、分散条件、およびろ過条件等によって、調整される。
活性光線硬化型インクジェットインクは、顔料の分散性を高めるために、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤の例には、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、およびステアリルアミンアセテート等が含まれる。分散剤の市販品の例には、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズ等が含まれる。
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて分散助剤をさらに含んでもよい。分散助剤は、顔料に応じて選択されればよい。
分散剤および分散助剤の合計量は、顔料に対して1〜50質量%であることが好ましい。
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて顔料を分散させるための分散媒体をさらに含んでもよい。分散媒体として溶剤をインクに含ませてもよいが、形成された画像における溶剤の残留を抑制するためには、前述のような活性光線硬化性化合物(特に粘度の低いモノマー)を分散媒体として用いることが好ましい。
染料は、油溶性染料等でありうる。油溶性染料は、以下の各種染料が挙げられる。マゼンタ染料の例には、MS Magenta VP、MS Magenta HM−1450、MS Magenta HSo−147(以上、三井東圧社製)、AIZENSOT Red−1、AIZEN SOT Red−2、AIZEN SOTRed−3、AIZEN SOT Pink−1、SPIRON Red GEH SPECIAL(以上、保土谷化学社製)、RESOLIN Red FB 200%、MACROLEX Red Violet R、MACROLEX ROT5B(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Red B、KAYASET Red 130、KAYASET Red 802(以上、日本化薬社製)、PHLOXIN、ROSE BENGAL、ACID Red(以上、ダイワ化成社製)、HSR−31、DIARESIN Red K(以上、三菱化成社製)、Oil Red(BASFジャパン社製)が含まれる。
シアン染料の例には、MS Cyan HM−1238、MS Cyan HSo−16、Cyan HSo−144、MS Cyan VPG(以上、三井東圧社製)、AIZEN SOT Blue−4(保土谷化学社製)、RESOLIN BR.Blue BGLN 200%、MACROLEX Blue RR、CERES Blue GN、SIRIUS SUPRATURQ.Blue Z−BGL、SIRIUS SUPRA TURQ.Blue FB−LL 330%(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Blue FR、KAYASET Blue N、KAYASET Blue 814、Turq.Blue GL−5 200、Light Blue BGL−5 200(以上、日本化薬社製)、DAIWA Blue 7000、Oleosol Fast Blue GL(以上、ダイワ化成社製)、DIARESIN Blue P(三菱化成社製)、SUDAN Blue 670、NEOPEN Blue 808、ZAPON Blue 806(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
イエロー染料の例には、MS Yellow HSm−41、Yellow KX−7、Yellow EX−27(三井東圧)、AIZEN SOT Yellow−1、AIZEN SOT YelloW−3、AIZEN SOT Yellow−6(以上、保土谷化学社製)、MACROLEX Yellow 6G、MACROLEX FLUOR.Yellow 10GN(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Yellow SF−G、KAYASET Yellow2G、KAYASET Yellow A−G、KAYASET Yellow E−G(以上、日本化薬社製)、DAIWA Yellow 330HB(ダイワ化成社製)、HSY−68(三菱化成社製)、SUDAN Yellow 146、NEOPEN Yellow 075(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
ブラック染料の例には、MS Black VPC(三井東圧社製)、AIZEN SOT Black−1、AIZEN SOT Black−5(以上、保土谷化学社製)、RESORIN Black GSN 200%、RESOLIN BlackBS(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Black A−N(日本化薬社製)、DAIWA Black MSC(ダイワ化成社製)、HSB−202(三菱化成社製)、NEPTUNE Black X60、NEOPEN Black X58(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
顔料または染料の含有量は、活性光線硬化型インクジェットインクに対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.4〜10質量%であることがより好ましい。顔料または染料の含有量が少なすぎると、得られる画像の発色が十分ではなく、多すぎるとインクの粘度が高くなり、射出性が低下するからである。
[その他の成分]
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて他の成分をさらに含んでもよい。他の成分は、各種添加剤や他の樹脂等であってよい。添加剤の例には、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等も含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが含まれる。他の樹脂の例には、硬化膜の物性を調整するための樹脂などが含まれ、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、およびワックス類等が含まれる。
活性光線硬化型インクジェットインクは、前述の活性光線硬化性化合物と、ワックスと、無機微粒子と、任意の各成分とを、加熱下において混合することにより得ることができる。得られた混合液を所定のフィルターで濾過することが好ましい。
[ゾルゲル相転移型の活性光線硬化型インクジェットインク]
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、前述のように、温度により可逆的にゾルゲル相転移するゾルゲル相転移型のインクであってもよい。ゾルゲル相転移型の活性光線硬化型インクは、高温(例えば80℃程度)では液体であるため、インクジェット記録ヘッドから吐出することができる。高温下で活性光線硬化型インクジェットインクを吐出すると、インク滴(ドット)が記録媒体に着弾した後、自然冷却されてゲル化する。これにより、隣り合うドット同士の合一を抑制し、画質を高めることができる。
ゾルゲル相転移型のインクの射出性を高めるためには、高温下におけるインクの粘度が一定以下であることが好ましい。具体的には、活性光線硬化型インクジェットインクの、80℃における粘度が3〜20mPa・sであることが好ましい。一方、隣り合うドットの合一を抑制するためには、着弾後の常温下におけるインクの粘度が一定以上であることが好ましい。具体的には、活性光線硬化型インクジェットインクの25℃における粘度は1000mPa・s以上であることが好ましい。
ゾルゲル相転移型のインクのゲル化温度は、40℃以上70℃以下であることが好ましく、50℃以上65℃以下であることがより好ましい。射出温度が80℃近傍である場合に、インクのゲル化温度が70℃を超えると、射出時にゲル化が生じやすいため射出性が低くなり、ゲル化温度が40℃未満であると、記録媒体に着弾後、速やかにゲル化しないからである。ゲル化温度とは、ゾル状態にあるインクを冷却する過程において、ゲル化して流動性が低下するときの温度である。
ゾルゲル相転移型のインクの80℃における粘度、25℃における粘度およびゲル化温度は、レオメータにより、インクの動的粘弾性の温度変化を測定することにより求めることができる。具体的には、インクを100℃に加熱し、剪断速度11.7(/s)、降温速度0.1℃/sの条件で20℃まで冷却したときの、粘度の温度変化曲線を得る。そして、80℃における粘度と25℃における粘度は、粘度の温度変化曲線において80℃、25℃における粘度をそれぞれ読み取ることにより求めることができる。ゲル化温度は、粘度の温度変化曲線において、粘度が200mPa・sとなる温度として求めることができる。
レオメータは、Anton Paar社製 ストレス制御型レオメータ PhysicaMCRシリーズを用いることができる。コーンプレートの直径は75mm、コーン角は1.0°とすることができる。
ゾルゲル相転移型のインクは、吐出用記録ヘッドからのインクの射出性を高めるために、吐出用記録ヘッドに充填されたときのインクの温度が、当該インクの(ゲル化温度+10)℃〜(ゲル化温度+30)℃に設定されることが好ましい。吐出用記録ヘッド内のインクの温度が、(ゲル化温度+10)℃未満であると、吐出用記録ヘッド内もしくはノズル表面でインクがゲル化して、インクの射出性が低下しやすい。一方、吐出用記録ヘッド内のインクの温度が(ゲル化温度+30)℃を超えると、インクが高温になりすぎるため、インク成分が劣化することがある。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクジェット記録方法は、1)本発明の活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に射出する工程と、2)記録媒体に着弾したインクに活性光線を照射して、前記インクを硬化させる工程と、を含む。
1)射出工程においては、吐出用記録ヘッドに収納されたインクジェットインクを、ノズルを通して記録媒体に向けて液滴として吐出すればよい。このとき、吐出用記録ヘッドに収納されたインクジェットインクの温度は、当該インクに含まれるワックスの含有量が、当該インクにおけるワックスの飽和溶解量以下となる温度とされることが好ましい。つまり、吐出用記録ヘッドに収納されたインクジェットインクにおいて、ワックスはできるだけ溶解していることが好ましい。
2)硬化工程においては、記録媒体に着弾したインクに光を照射する。照射される光は、活性光線硬化性化合物の種類によって適宜選択すればよく、紫外線や電子線などでありうる。
本発明の活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置について説明する。活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェット記録装置には、ライン記録方式(シングルパス記録方式)のものと、シリアル記録方式のものと、がある。求められる画像の解像度や記録速度に応じて選択されればよいが、高速記録の観点では、ライン記録方式(シングルパス記録方式)が好ましい。
図1は、ライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す図である。このうち、図1(a)は側面図であり、図1(b)は上面図である。図1に示されるように、インクジェット記録装置10は、複数の吐出用記録ヘッド14を収容するヘッドキャリッジ16と、記録媒体12の全幅を覆い、かつヘッドキャリッジ16の(記録媒体の搬送方向)下流側に配置された活性光線照射部18と、記録媒体12の下面に配置された温度制御部19と、を有する。
ヘッドキャリッジ16は、記録媒体12の全幅を覆うように固定配置されており、各色毎に設けられた複数の吐出用記録ヘッド14を収容する。吐出用記録ヘッド14にはインクが供給されるようになっている。たとえば、インクジェット記録装置10に着脱自在に装着された不図示のインクカートリッジなどから、直接または不図示のインク供給手段によりインクが供給されるようになっていてもよい。
吐出用記録ヘッド14は、各色ごとに、記録媒体12の搬送方向に複数配置される。記録媒体12の搬送方向に配置される吐出用記録ヘッド14の数は、吐出用記録ヘッド14のノズル密度と、印刷画像の解像度によって設定される。例えば、液滴量2pl、ノズル密度360dpiの吐出用記録ヘッド14を用いて1440dpiの解像度の画像を形成する場合には、記録媒体12の搬送方向に対して4つの吐出用記録ヘッド14をずらして配置すればよい。また、液滴量6pl、ノズル密度360dpiの吐出用記録ヘッド14を用いて720×720dpiの解像度の画像を形成する場合には、2つの吐出用記録ヘッド14をずらして配置すればよい。dpiとは、2.54cm当たりのインク滴(ドット)の数を表す。
活性光線照射部18は、記録媒体12の全幅を覆い、かつ記録媒体の搬送方向についてヘッドキャリッジ16の下流側に配置されている。活性光線照射部18は、吐出用記録ヘッド14により吐出されて、記録媒体に着弾した液滴に活性光線を照射し、液滴を硬化させる。
活性光線が紫外線である場合、活性光線照射部18(紫外線照射手段)の例には、蛍光管(低圧水銀ランプ、殺菌灯)、冷陰極管、紫外レーザー、数100Pa〜1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプおよびLED等が含まれる。硬化性の観点から、照度100mW/cm以上の紫外線を照射する紫外線照射手段;具体的には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプおよびLED等が好ましく、消費電力の少ない点から、LEDがより好ましい。具体的には、Phoseon Technology社製 395nm、水冷LEDを用いることができる。
活性光線が電子線である場合、活性光線照射部18(電子線照射手段)の例には、スキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式等の電子線照射手段が含まれるが、処理能力の観点から、カーテンビーム方式の電子線照射手段が好ましい。電子線照射手段の例には、日新ハイボルテージ(株)製の「キュアトロンEBC−200−20−30」、AIT(株)製の「Min−EB」等が含まれる。
温度制御部19は、記録媒体12の下面に配置されており、記録媒体12を所定の温度に維持する。温度制御部19は、例えば各種ヒータ等でありうる。
以下、ライン記録方式のインクジェット記録装置10を用いた画像記録方法を説明する。記録媒体12を、インクジェット記録装置10のヘッドキャリッジ16と温度制御部19との間に搬送する。一方で、記録媒体12を、温度制御部19により所定の温度に調整する。次いで、ヘッドキャリッジ16のインク吐出用記録ヘッド14から高温のインクを吐出して、記録媒体12上に付着(着弾)させる。そして、活性光線照射部18により、記録媒体12上に付着したインク滴に活性光線を照射して硬化させる。
インク吐出用記録ヘッド14からインクを吐出する際の、吐出用記録ヘッド14内のインクの温度は、インクの射出性を高めるためには、当該インクのゲル化温度よりも10〜30℃高い温度に設定されることが好ましい。吐出用記録ヘッド14内のインク温度が、(ゲル化温度+10)℃未満であると、吐出用記録ヘッド14内もしくはノズル表面でインクがゲル化して、インクの射出性が低下しやすい。一方、吐出用記録ヘッド14内のインクの温度が(ゲル化温度+30)℃を超えると、インクが高温になりすぎるため、インク成分が劣化することがある。
インク吐出用記録ヘッド14の各ノズルから吐出される1滴あたりの液滴量は、画像の解像度にもよるが、高解像度の画像を形成するためには、1pl〜10plであることが好ましく、0.5〜4.0plであることがより好ましい。
活性光線の照射は、隣り合うインク滴同士が合一するのを抑制するために、インク滴が記録媒体上に付着した後10秒以内、好ましくは0.001秒〜5秒以内、より好ましくは0.01秒〜2秒以内に行うことが好ましい。活性光線の照射は、ヘッドキャリッジ16に収容された全てのインク吐出用記録ヘッド14からインクを吐出した後に行われることが好ましい。
活性光線が電子線である場合、電子線照射の加速電圧は、十分な硬化を行うためには、30〜250kVとすることが好ましく、30〜100kVとすることがより好ましい。加速電圧が100〜250kVである場合、電子線照射量は30〜100kGyであることが好ましく、30〜60kGyであることがより好ましい。
硬化後の総インク膜厚は、2〜25μmであることが好ましい。「総インク膜厚」とは、記録媒体に描画されたインク膜厚の最大値である。
図2は、シリアル記録方式のインクジェット記録装置20の要部の構成の一例を示す図である。図2に示されるように、インクジェット記録装置20は、記録媒体の全幅を覆うように固定配置されたヘッドキャリッジ16の代わりに、記録媒体の全幅よりも狭い幅であり、かつ複数のインク吐出用記録ヘッド24を収容するヘッドキャリッジ26と、ヘッドキャリッジ26を記録媒体12の幅方向に可動させるためのガイド部27と、を有する以外は図1と同様に構成されうる。
シリアル記録方式のインクジェット記録装置20では、ヘッドキャリッジ26がガイド部27に沿って記録媒体12の幅方向に移動しながら、ヘッドキャリッジ26に収容された吐出用記録ヘッド24からインクを吐出する。ヘッドキャリッジ26が記録媒体12の幅方向に移動しきった後(パス毎に)、記録媒体12を搬送方向に送る。これらの操作以外は、前述のライン記録方式のインクジェット記録装置10とほぼ同様にして画像を記録する。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明するが、これらの記載によって本発明の範囲は限定して解釈されない。
[活性光線硬化型インクジェットインクの製造]
以下の成分(ワックス、重合性化合物、重合禁止剤、重合開始剤、微粒子分散液、顔料分散液)を用いて、活性光線硬化型インクジェットインクを調製した。
[ワックス]
脂肪族ジケトン(カオーワックスT1,花王)
ベヘニン酸ベヘニル(ユニスターM−2222SL,日油)
ベヘニン酸(ルナックBA,花王)
エルカ酸アミド(ニュートロンS,日本精化)
ベヘニルアルコール(ベヘニルアルコール80R,高級アルコール工業)
[重合性化合物]
ポリエチレングリコール#400ジアクリレート(A-400、新中村化学)
4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR494、SARTOMER)
6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR499、SARTOMER)
[重合禁止剤]Irgastab UV10(チバスペシャリティケミカル)
[重合開始剤]DAROCURE TPO(チバスペシャリティケミカル)
[微粒子分散液A〜D]
微粒子分散液A:NanoBYK 3601 (アルミナナノ粒子のトリプロピレングリコールジアクリレート分散液。ビックケミ-・ジャパン社製) 固形分濃度 30%
微粒子分散液B:NanoBYK 3650 (シリカナノ粒子のメトキシプロピルアセテート分散液。ビックケミ-・ジャパン社製) 固形分濃度 25%
微粒子分散液C:NanoBYK 3821 (酸化亜鉛ナノ粒子のメトキシプロピルアセテート分散液。ビックケミ-・ジャパン社製) 固形分濃度40%
微粒子分散液D:酸化チタン分散液 固形分濃度 50%(下記調製手順参照)
(微粒子分散液Dの調製)
下記の分散剤、活性光線硬化性化合物および重合禁止剤を、ステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌して溶解させた。得られた溶液を室温まで冷却した後、下記の二酸化チタンを40質量部加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gとともにガラス瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーにて8時間分散処理した。その後、ジルコニアビーズを除去して、下記組成の微粒子分散液Dを調製した。
〔微粒子分散液Dの組成〕
分散剤:アジスパーPB824(味の素ファインテクノ社製) 10質量部
活性光線硬化性化合物:APG−200(トリプロピレングリコールジアクリレート、新中村化学社製) 50質量部
重合禁止剤:Irgastab UV10(チバ・ジャパン社製) 0.02質量部
二酸化チタン:CR-90(石原産業株式会社製) 40質量部
(微粒子分散液A〜D中の粒子径の測定)
微粒子分散液A〜Dを、APG-200(トリプロピレングリコールジアクリレート)で100倍に希釈した。希釈した分散液中の無機微粒子の平均粒子径を、Malvern社製 粒子径測定機 Zetasizer nano S90を用いて測定した。平均粒子径は、Z-平均粒子径の値とした。その結果を表2に示す。
(微粒子分散液A〜Dの透過率測定)
微粒子分散液A〜Dを、APG-200(トリプロピレングリコールジアクリレート)で希釈して、それぞれ濃度が0.01重量%とした。希釈した分散液を、光路長1cmのセルに入れた。セル中の分散液の透過率を、測定波長400nm、500nm、600nmとして、JASCO社製 分光光度計 V-650を用いて測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005862258
[顔料分散液]
顔料分散液1(M:マゼンタ)の調製
下記の分散剤、活性線硬化性化合物および重合禁止剤を、ステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌して溶解させた。得られた溶液を室温まで冷却後、下記のマゼンタ顔料1を21質量部加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gとともにガラス瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーにて8時間分散処理した。その後、ジルコニアビーズを除去して、下記組成の顔料分散液1を調製した。
〔顔料分散液1の組成〕
分散剤:アジスパーPB824(味の素ファインテクノ社製) 9質量部
活性線硬化性化合物:APG−200(トリプロピレングリコールジアクリレート、新中村化学社製) 70質量部
重合禁止剤:Irgastab UV10(チバ・ジャパン社製) 0.02質量部
マゼンタ顔料1:Pigment Red 122(大日精化製、クロモファインレッド6112JC)
[インクの調製]
表2に示された組成に従って、各成分を混合して得た混合物を80℃に加熱して撹拌した。得られた溶液を加熱下において#3000の金属メッシュフィルタで濾過した後、冷却してインクを調製した。表2において、各成分の配合量の単位は質量部である。
Figure 0005862258
[画像の形成方法]
各実施例および比較例で得られた活性光線硬化型インクジェットインクで、ライン型インクジェット記録装置を用いて単色画像を形成した。インクジェット記録装置のインクジェットヘッドの温度は80℃に設定した。記録媒体に、抜き文字、5cm×5cmのベタ画像、または濃度階調パッチを印字した。画像を形成した後、記録装置の下流部に配置したLEDランプ(Phoseon Technology社製395nm、水冷LED)で、画像に紫外線を照射してインクを硬化した。
吐出用記録ヘッドは、ノズル径20μm、ノズル数512ノズル(256ノズル×2列、千鳥配列、1列のノズルピッチ360dpi)のピエゾヘッドを用いた。吐出条件は、1滴の液滴量が2.5plとなる条件で、液滴速度約6m/sで出射させて、1440dpi×1440dpiの解像度で記録した。記録速度は500mm/sとした。画像形成は、23℃、55%RHの環境下で行った。dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
[画像の評価]
(ブルーミングの評価)
上記方法によって、記録媒体である印刷用コート紙A(OKトップコート 米坪量128g/m2 王子製紙社製)に形成した5cm×5cmのベタ画像を、40℃の環境下で1ヶ月間保管した。保管後の画像を目視観察し、下記の基準に従ってブルーミングを評価した。
○:画像表面に析出物が認められない。
△:画像表面に薄らとした析出物が存在しており、目視で確認できる。
×:画像表面が粉上の物質で覆われており、目視で明らかに確認できる。
(耐擦過性の評価)
上記方法によって、記録媒体である印刷用コート紙A(OKトップコート 米坪量128g/m2 王子製紙社製)に形成した5cm×5cmのベタ画像を「JIS規格 K5701−1 6.2.3 耐摩擦性試験」に記載の方法に則り、適切な大きさに切り取った印刷用コート紙Aを画像上に設置し、荷重をかけて擦り合わせた。その後、画像濃度低下の程度を目視観察し、下記の基準に従って耐擦過性を評価した。
○:50回以上擦っても、画像の変化はまったく認められない
△:50回擦った段階で画像濃度の低下が認められるが、実用上許容範囲にある
×:50回未満の擦りで、明らかな画像濃度低下が認められ、実用に耐えない品質である
(濃度ムラの評価)
上記方法によって、記録媒体である印刷用コート紙A(OKトップコート 米坪量128g/m2 王子製紙社製)に印字した5cm×5cmのベタ画像を目視評価し、下記の評価基準に従って濃度ムラの評価を行った。
○:15cm離れた位置から観測して、画像に濃度ムラが認められない
△:15cm離れた位置から観測すると、画像の一部において濃度ムラが認められるが、30cm離した位置からは、濃度ムラが認められない
×:30cm離した位置から観測して、画像に濃度ムラが認められる
[出射安定性の評価]
上記調製した各インクを搭載したインクジェット記録装置で、インクジェットヘッドからインク出射を行い、ノズル欠および出射曲がりの有無について目視観察を行い、下記の基準に則り、出射安定性の評価を行った。
○:ノズル欠の発生が全く認められなかった
△:全ノズル512中、1〜4個のノズルでノズル欠が認められた
×:全ノズル512中、5個以上のノズルでノズル欠が認められた
ワックスと微粒子分散液とを含む実施例1〜12のインクでは、画像の耐擦過性が高まっており、しかもブルーミングが抑制されていることがわかる。
これに対して、ワックスも微粒子分散液も含まない比較例1のインクや、ワックスを含まずに微粒子分散液を含む比較例3のインクは、画像の耐擦過性が低かった。また、ワックスを含むが微粒子分散液を含まない比較例2のインクや、微粒子分散液の無機微粒子のサイズが大きい比較例4のインクでは、ブルーミングが抑制できなかった。さらに、微粒子分散液の含有量が過剰な比較例5のインクは、耐擦過性が低下した。
実施例1〜5および12のインクは、ワックスの含有量が2または3質量%であり、ゾルゲル相転移するインクであった。これに対して、実施例6〜10のインクは、ワックスの含有量が0.2質量%以下であり、ゾルゲル相転移しなかった。ゾルゲル相転移するインクである実施例1〜5のインクで形成した画像の濃度ムラは、実施例6〜10のインクで形成した画像の濃度ムラよりも低減されていた。ゾルゲル相転移するインクの液滴は、記録媒体に着弾したのち、過剰にぬれ広がることなく、記録媒体上にピニングされるため、画像のムラが抑制される。
また、ワックスの含有量が8質量%である実施例11のインクは、インクジェットヘッドからの射出安定性がやや低下した。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクはで形成される画像の耐擦過性が高く、しかもブルーミングが抑制されている。そのため本発明は、ワックスを比較的多量に含むゾルゲル相転移型の活性光線硬化型インクジェットインクに、特に好適に適用されうる。
10、20 インクジェット記録装置
12 記録媒体
14、24 吐出用記録ヘッド
16、26 ヘッドキャリッジ
18、28 活性光線照射部
19 温度制御部
27 ガイド部

Claims (10)

  1. 活性光線硬化性化合物と、1質量%以上15質量%未満のワックスと、平均粒子径5nm以上60nm未満の無機微粒子と、を含有する活性光線硬化型インクジェットインクであって、
    前記ワックスが、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、トリグリセライド、脂肪酸アミン、脂肪族ケトン、脂肪酸アミド及び脂肪族ジケトンから選ばれる一つであり、
    前記活性光線硬化型インクジェットインクは、温度により可逆的にゾルゲル相転移し、
    前記無機微粒子は、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム及び酸化ジルコニウムから選ばれる一つであり、
    かつ前記無機微粒子の0.01質量%のトリプロピレングリコールジアクリレート溶液の、波長400nmの光の透過率が70%以上である、活性光線硬化型インクジェットインク。
  2. 前記活性光線硬化型インクジェットインクにおける前記無機微粒子の含有量が、0.1質量%以上2質量%未満である、請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  3. 前記無機微粒子の平均粒子径が10nm以上50nm未満である、請求項1または2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  4. 前記無機微粒子がシリコーン系表面処理剤で表面処理されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  5. 前記活性光線硬化性化合物がラジカル重合性化合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  6. 前記活性光線硬化性化合物が、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  7. 前記活性光線硬化型インクジェットインクは25℃における粘度は、1000mPa・s以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  8. 前記活性光線硬化型インクジェットインクにおける前記ワックスの含有量が、1質量%以上、7質量%未満である、請求項1〜のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  9. 前記活性光線硬化型インクジェットインクのゲル化温度が、40℃以上70℃以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に射出する工程と、前記記録媒体に射出されたインクに活性光線を照射して、前記インクを硬化させる工程とを含むインクジェット記録方法であって、
    前記記録媒体に射出されるときの前記活性光線硬化型インクジェットインクの温度を、前記活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる前記ワックスの含有量が飽和溶解量以下となる温度とする、インクジェット記録方法。
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