本発明の実施形態に係る水処理システム1について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る水処理システム1の全体構成図である。図2は、本実施形態における処理水タンク2の水位と運転台数との関係を示す説明図(以下、「台数判定に関するデータ」ともいう)である。図3は、膜分離装置U1の構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る水処理システム1は、複数の膜分離装置U1,U2,U3,U4と、処理水タンク2と、水位センサ3と、水質項目測定手段としての濁度センサ4と、水質項目測定手段としての残留塩素濃度センサ5と、制御部100と、を備える。なお、図1(図3も同じ)では、電気的な接続の経路を破線で示す。なお、1本の破線は、1又は複数の経路を示す。
また、水処理システム1は、供給水ラインL1と、透過水ラインL2と、配水ラインL6と、を備える。なお、本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
供給水ラインL1は、供給水W1を膜分離装置U1〜U4に供給するラインである。供給水ラインL1の上流側の端部は、供給水W1の供給源(不図示)に接続されている。供給水ラインL1の下流側の端部は、膜分離装置U1〜U4に向けてそれぞれ分岐し、膜分離装置U1〜U4の一次側入口ポートにそれぞれ接続されている。供給水ラインL1を流通する供給水W1は、造水運転中において、膜分離装置U1〜U4にそれぞれ分配される。
膜分離装置U1〜U4は、それぞれ一つのRO膜モジュール(後述)を備える。膜分離装置U1〜U4は、それぞれ同じ定格流量で透過水W2を製造する。すなわち、膜分離装置U1〜U4が処理水タンク2へ供給可能な透過水W2の最大流量を100%とすると、それぞれの膜分離装置U1〜U4の定格流量は、最大流量の25%となる。また、膜分離装置U1〜U4は、制御部100と電気的に接続されている。膜分離装置U1〜U4における透過水W2の水量や回収率は、制御部100により制御される。なお、以下の説明において、膜分離装置U1〜U4のいずれかを具体的に特定しない場合には、符号U1〜U4を省略して「膜分離装置」と記載する。
透過水ラインL2は、膜分離装置U1〜U4で製造された透過水W2を処理水タンク2へ送出するラインである。透過水ラインL2の上流側の端部は、膜分離装置U1〜U4にそれぞれ分岐し、それぞれのRO膜モジュールの二次側ポートに接続されている。透過水ラインL2の下流側の端部は、処理水タンク2に接続されている。
処理水タンク2は、膜分離装置U1〜U4で製造された透過水W2を一括して貯留するタンクである。処理水タンク2には、透過水ラインL2の下流側の端部が接続されている。膜分離装置U1〜U4の二次側ポートから送出された透過水W2は、透過水ラインL2を介して処理水タンク2に補給される。また、処理水タンク2は、配水ラインL6を介して下流側の需要箇所(不図示)に接続されている。処理水タンク2に貯留された透過水W2は、配水ラインL6介して、処理水W4として需要箇所に供給される。
図1に示すように、処理水タンク2には、貯水量を判定するための5段階の水位(水位H,水位D3,水位D2,水位D1,水位L)が設定されている。
水位Hは、所定時間の間(例えば、膜分離装置U1〜U4のフラッシング運転を行う間)、透過水W2を補給することなしに、需要箇所で消費される水量の処理水W4を供給可能な貯水量に対応する水位(以下、「基準水位値H」ともいう)である。水位D3は、水位Hよりも低く且つ水位D2よりも高い第3中間水位である。水位D2は、水位D3よりも低く且つ水位D1よりも高い第2中間水位である。水位D1は、水位D2よりも低く且つ水位Lよりも高い第1中間水位である。なお、フラッシング運転とは、RO膜モジュール(不図示)の一次側からの排水流量を増加させることにより、RO膜モジュールの一次側表面を洗浄することをいう。
水位Lは、需要箇所へ処理水W4を安定して供給可能な限界水位である。後述するように、処理水タンク2の貯水量が水位L未満となった場合には、すべての膜分離装置U1〜U4が定格流量で運転される。これにより、処理水タンク2には、透過水W2が最大流量で補給される。処理水タンク2の貯水量が水位L以上且つ水位D1未満の場合も同じである。
水位センサ3は、処理水タンク2に貯留された透過水W2の水位を検出する機器である。水位センサ3は、処理水タンク2に設けられている。また、水位センサ3は、制御部100と電気的に接続されている。水位センサ3で検出された処理水タンク2の水位(以下、「検出水位値」ともいう)は、制御部100へ検出信号として送信される。水位センサ3は、連続式レベルセンサであり、例えば、静電容量式センサ、圧力式センサ、超音波式センサ等が用いられる。図1では、水位センサ3として、処理水タンク2の底部に近い外壁面に圧力式センサを設けた例を示す。
濁度センサ4は、供給水ラインL1を流通する供給水W1の濁度を測定する機器である。濁度センサ4は、接続部J1において供給水ラインL1に接続されている。接続部J1は、供給水W1の供給源(不図示)と膜分離装置U1〜U4との間に配置されている。供給水W1の濁度は、各RO膜モジュール(後述)のファウリングの原因物質に係る水質項目の一つである。ファウリングが発生すると、RO膜の細孔が閉塞されるため、水透過係数の低下が進行する。
濁度センサ4としては、例えば、試料水の濁り度合を透過光強度から判定する透過光式センサや、散乱光強度から判定する散乱光式光センサを用いることができる。濁度センサ4は、制御部100と電気的に接続されている。濁度センサ4で検出された供給水W1の濁度(以下、「検出濁度値」ともいう)は、制御部100へ検出信号として送信される。
残留塩素濃度センサ5は、供給水ラインL1を流通する供給水W1の残留塩素濃度を検出する機器である。残留塩素濃度センサ5は、接続部J2において供給水ラインL1に接続されている。接続部J2は、供給水W1の供給源(不図示)と膜分離装置U1〜U4との間に配置されている。供給水W1の残留塩素濃度は、各RO膜モジュールの酸化劣化(化学的劣化)の原因物質に係る水質項目の一つである。酸化劣化が発生すると、RO膜の分子構造が破壊されるため、水透過係数の増大と共に塩除去率の低下が進行する。
残留塩素濃度センサ5としては、例えば、ベンジジン化合物等の酸化発色試薬を添加した試料水の発色度合を透過光強度により測定し、測定された透過光強度に基づいて残留塩素濃度を判定する透過光式センサを用いることができる。残留塩素濃度センサ5は、制御部100と電気的に接続されている。残留塩素濃度センサ5で検出された供給水W1の残留塩素濃度(以下、「検出塩素濃度値」ともいう)は、制御部100へ検出信号として送信される。
制御部100は、CPU及びメモリを含むマイクロプロセッサ(不図示)により構成される。マイクロプロセッサのメモリには、台数判定に関するデータ(図2)や優先順位に関するデータのほか、水処理システム1を制御するための各種プログラムが記憶される。また、マイクロプロセッサのメモリには、各センサから送信された検出水位値W、検出温度値T、検出流量値Qp等のデータが記憶される。また、マイクロプロセッサには、時間の計時等を管理するインテグレーテッドタイマユニット(以下、「ITU」ともいう)が組み込まれている。マイクロプロセッサのCPUは、メモリから読み出した所定のプログラムに従って各種の処理を実行する。
本実施形態の制御部100は、水処理システム1の全体を制御するシステム制御部101(後述)と、膜分離装置U1〜U4の動作をそれぞれ制御するユニット制御部102(後述)と、を備える。
まず、システム制御部101について説明する。
システム制御部101は、優先順位設定手段としての機能と、水透過係数算出手段としての機能と、を備える。以下、優先順位設定手段として機能するシステム制御部101を、「システム制御部(優先順位設定手段)101」ともいう。また、水透過係数算出手段として機能するシステム制御部101を、「システム制御部(水透過係数算出手段)101」ともいう。
まず、優先順位設定手段として機能するシステム制御部101について説明する。
システム制御部(優先順位設定手段)101は、膜分離装置U1〜U4について算出された水透過係数に関するデータをリアルタイムに取得する。膜分離装置U1〜U4の水透過係数は、システム制御部101の水透過係数算出手段(後述)としての機能により算出される。また、システム制御部(優先順位設定手段)101は、濁度センサ4で測定された検出濁度値、及び残留塩素濃度センサ5で測定された検出塩素濃度値をリアルタイムに取得する。
システム制御部(優先順位設定手段)101は、供給水W1の水質が異常な場合(以下、「水質異常時」ともいう)においては、膜分離装置毎に算出された水透過係数に基づいて、RO膜モジュールの透水性能変化の進行度を比較し、当該進行度が大きいRO膜モジュールを有する膜分離装置ほど、当該膜分離装置を運転する優先順位が高くなるように設定する。供給水W1の水質が異常な場合とは、濁度センサ4及び残留塩素濃度センサ5の測定水質が、それぞれ予め設定された許容水質を超過する場合をいう。
本実施形態では、RO膜モジュールの透水性能変化の進行度を比較するために、各膜分離装置について、RO膜モジュールの水透過係数の初期値を設定する。すなわち、システム制御部(優先順位設定手段)101は、水透過係数のサンプリング周期毎に、水透過係数の前回のサンプル値と今回のサンプル値との変化率を算出し、その変化率が予め設定された所定範囲(例えば、−5〜+5%)以内の場合に、今回のサンプル値を初期値として設定する。そして、システム制御部(優先順位設定手段)101は、各膜分離装置について、今回算出した水透過係数と予め設定された初期値との差分(進行度)を比較することにより、膜分離装置の優先順位を設定する。
なお、変化率[%]は、次の式により求められる。
変化率[%]={(今回サンプル値−前回サンプル値)/前回サンプル値}×100
上述した水透過係数の初期値は、試運転時のデータや本運転直後のデータ等に基づいて設定するのが一般的である。しかし、運転初期のRO膜モジュールは、RO膜の保存環境等の違いにより、水透過係数にばらつきが生じやすい。そのため、RO膜モジュールの酸化劣化や閉塞の判定を行う際には、誤判定を回避するため、初期値にばらつき分を加味した補正値を加える必要がある。しかし、補正値が適切でない場合には、RO膜モジュールの洗浄や交換が必要であるにも係わらず、メンテナンスが遅れたり、逆にRO膜モジュールの洗浄や交換が必要でないにも係わらず、メンテナンスが実行されたりすることがあった。
しかし、本実施形態では、前回のサンプル値と今回のサンプル値との変化率に基づいて、膜分離装置毎にRO膜モジュールの初期値を設定しているため、初期値の設定精度を高めることができる。これによれば、水透過係数のばらつきによる影響を少なくするために、初期値に補正値を加える必要がないので、上述のような誤判定を極力少なくすることができる。
システム制御部(優先順位設定手段)101は、残留塩素濃度センサ5で測定された検出残留塩素濃度値が予め設定された許容残留塩素濃度値を超過する場合に、各膜分離装置において算出された水透過係数が予め設定された初期値よりも高く且つ算出された水透過係数の数値が大きなRO膜モジュールを有する膜分離装置ほど優先順位が高くなるように設定する。具体的には、システム制御部(優先順位設定手段)101は、メモリ(不図示)に記憶された優先順位に関するデータを変更する。
上述した水透過係数が初期値よりも高く且つ算出された水透過係数の数値が相対的に大きなRO膜モジュールは、RO膜の酸化劣化が進行していると考えられる。そのため、供給水W1の検出残留塩素濃度値が許容残留塩素濃度値を超過する場合において、水透過係数の数値が大きなRO膜モジュールほど優先順位が高くなるように設定することにより、水透過係数の数値が相対的に小さい(RO膜の酸化劣化があまり進行していない)RO膜モジュールの更なる劣化を極力抑制することができる。
また、システム制御部(優先順位設定手段)101は、濁度センサ4で測定された検出濁度値が予め設定された許容濁度値(許容水質)を超過する場合には、各膜分離装置について算出された水透過係数が予め設定された初期値よりも低く且つ算出された水透過係数の数値が小さなRO膜モジュールを有する膜分離装置ほど優先順位が高くなるように設定する。具体的には、システム制御部(優先順位設定手段)101は、メモリ(不図示)に記憶された優先順位に関するデータを変更する。
上述した水透過係数が初期値よりも低く且つ算出された水透過係数の数値が相対的に小さいRO膜モジュールは、RO膜の閉塞が進行していると考えられる。そのため、供給水W1の検出濁度値が許容濁度値を超過する場合において、水透過係数の数値が小さなRO膜モジュールほど優先順位が高くなるように設定することにより、水透過係数の数値が相対的に大きい(RO膜の閉塞があまり進行していない)RO膜モジュールの更なる閉塞を極力抑制することができる。
なお、優先順位とは、膜分離装置U1〜U4を造水運転する際に、優先的に運転する装置の順番をいう。本実施形態では、供給水W1の水質が正常な場合(以下、「水質正常時」ともいう)における優先順位は、膜分離装置U1>U2>U3>U4となる。供給水W1の水質が正常な場合とは、濁度センサ4及び残留塩素濃度センサ5の測定水質(検出値)が、それぞれ予め設定された許容水質(許容値)に満たない場合をいう。水質正常時の優先順位は、RO膜モジュール(後述)の膜性能が高い順に設定される。この場合の膜性能とは、例えば、RO膜モジュールの初期の膜性能(膜分離装置U1〜U4の試運転時に測定された水透過係数)をいう。
優先順位に関するデータは、メモリ(不図示)に任意設定値(書き替え可能な値)として記憶される。システム制御部(優先順位設定手段)101は、水質正常時においては、各膜分離装置の水透過係数に基づいて優先順位を変更することなく、水質正常時の優先順位を維持する。一方、システム制御部(優先順位設定手段)101は、水質異常時においては、各膜分離装置の水透過係数に基づいて優先順位を変更する。
なお、水質正常時の優先順位に関するデータ(本実施形態では膜分離装置U1>U2>U3>U4)は、初期設定値としてメモリに参照用データとして記憶される。システム制御部(優先順位設定手段)101は、メモリに任意設定値として記憶された優先順位に関するデータを、必要に応じて初期設定値に戻すことができる。例えば、システム制御部(優先順位設定手段)101は、供給水W1の水質が異常な状態から正常な状態に戻った場合において、メモリに記憶された優先順位が初期設定値から変更されていれば、優先順位に関するデータを初期設定値に設定する。
次に、水透過係数算出手段として機能するシステム制御部101について説明する。
システム制御部(水透過係数算出手段)101は、予め設定されたサンプリング周期毎に、それぞれの膜分離装置U1〜U4について水透過係数を算出すると共に、算出した水透過係数に関するデータをメモリ(不図示)に記憶する。
システム制御部(水透過係数算出手段)101は、温度センサ8の検出温度値T、流量センサ10(後述)の検出流量値Qp、及び圧力センサ9(後述)の検出圧力値Pdに基づいて、RO膜モジュールの水透過係数を算出する。検出温度値T、検出流量値Qp、及び検出圧力値Pdは、水処理システム1の系内で測定された物理量である。
ここで、水透過係数の算出手法について説明する。
水透過係数は、透過水W2の流量Qp[m3/s]を膜面積A[m2]及び有効圧力[Pa]Peで除した値である(後述の式(1)を参照)。水透過係数は、RO膜モジュールの透水性能を示す指標である。すなわち、水透過係数は、単位有効圧力を作用させたときに単位時間に膜の単位面積を透過する水の量を意味する。有効圧力は、操作圧力(平均操作圧力)から浸透圧差及び二次側圧力(背圧)を差し引いた圧力である(後述の式(2)を参照)。
基準温度(例えば、25℃)における水透過係数Lp[m3・m−2・s−1・Pa−1]の演算値は、下記の式(1)及び(2)に基づいて求めることができる。
Lp=Qp/(K・A・Pe) (1)
(但し、K:温度補正係数、A:RO膜モジュールの膜面積、Pe:有効圧力)
Pe=Pd−(ΔP1/2)−P2−Δπ+Ps (2)
(但し、Pd:加圧ポンプの吐出圧力、ΔP1:RO膜モジュールの一次側における差圧、P2:RO膜モジュールの二次側における背圧、Δπ:RO膜モジュールの浸透圧差、Ps:加圧ポンプの吸入側における圧力)
式(1)において、温度補正係数Kは、検出温度値Tの関数であり、検出温度値Tが基準温度に等しいときに1となる。膜面積Aは、逆浸透膜エレメントの使用本数により定まるので、予め設定した値を使用することができる。式(2)による有効圧力Peの計算において、ΔP1、P2、Δπ、及びPsの各値は、定常運転中は、ほぼ一定と看做せるため、予め設定した値を使用することができる。従って、RO膜モジュールの運転中に、温度センサ8の検出温度値T、流量センサ10の検出流量値Qp、及び圧力センサ9の検出圧力値Pdからなる少なくとも3つのパラメータを取得すれば、基準温度における水透過係数Lpを演算することができる。
次に、ユニット制御部102について説明する。
ユニット制御部102は、運転制御手段としての機能を備える。以下、運転制御手段として機能するユニット制御部102を、「ユニット制御部(運転制御手段)102」ともいう。
ユニット制御部(運転制御手段)102は、処理水タンク2に設けられた水位センサ3の水位に応じて、優先順位設定手段の機能により設定された優先順位に従って、優先して運転する膜分離装置に運転指令信号を出力する。本実施形態のユニット制御部(運転制御手段)102は、優先して運転する膜分離装置のインバータ7へ、運転指令信号としての電流値信号(後述)を出力する。
ユニット制御部(運転制御手段)102は、造水運転時において、水位センサ3の検出水位値Wが基準水位値H以上の場合には、すべての膜分離装置U1〜U4を運転停止とする。これにより、処理水タンク2へ補給される透過水W2の流量は、0%流量となる。水位センサ3の検出水位値Wが基準水位値H以上であれば、処理水タンク2において、需要箇所で消費される水量の処理水W4を十分に供給可能な貯水量があると看做せるからである。
ユニット制御部(運転制御手段)102は、造水運転時において、水位センサ3の検出水位値Wが基準水位値H未満且つ水位D3以上(H>W≧D3)の場合には、膜分離装置の運転台数を1台に設定する。そして、ユニット制御部(運転制御手段)102は、メモリに記憶された優先順位に関するデータを参照し、設定した運転台数(1台)分だけ優先順位の高い膜分離装置を選択する。更に、ユニット制御部(運転制御手段)102は、選択した膜分離装置のインバータ7へ、運転指令信号としての電流値信号を出力する(以下、同様とする)。
ユニット制御部(運転制御手段)102は、メモリに記憶された優先順位に関するデータを参照することにより、膜分離装置U1〜U4の優先順位を特定することができる。
ユニット制御部(運転制御手段)102は、造水運転時において、水位センサ3の検出水位値Wが水位D3未満且つ水位D2以上(D3>W≧D2)の場合には、膜分離装置の運転台数を2台に設定する。そして、ユニット制御部(運転制御手段)102は、メモリに記憶された優先順位に関するデータを参照し、設定した運転台数(2台)分だけ優先順位の高い膜分離装置を選択する。
ユニット制御部(運転制御手段)102は、造水運転時において、水位センサ3の検出水位値Wが水位D2未満且つ水位D1以上(D2>W≧D1)の場合には、膜分離装置の運転台数を3台に設定する。そして、ユニット制御部(運転制御手段)102は、メモリに記憶された優先順位に関するデータを参照し、設定した運転台数(3台)分だけ優先順位の高い膜分離装置を選択する。
ユニット制御部(運転制御手段)102は、造水運転時において、水位センサ3の検出水位値Wが水位D1未満且つ水位L以上(D1>W≧L)の場合又は水位センサ3の検出水位値Wが水位L未満(L<W)の場合には、膜分離装置の運転台数を4台に設定する。この場合、すべての膜分離装置U1〜U4が造水運転の対象となるため、ユニット制御部(運転制御手段)102において、優先順位の高い膜分離装置の選択は行われない。
また、ユニット制御部(運転制御手段)102は、造水運転時において、流量センサ10の検出流量値が予め設定された目標流量値(後述)となるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより、加圧ポンプ6を駆動するための駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する電流値信号をインバータ7に出力する流量フィードバック水量制御を実行する。すなわち、ユニット制御部(運転制御手段)102は、造水運転の対象となる膜分離装置において、それぞれ定格流量の透過水W2が製造されるように、加圧ポンプ6の回転数を調節する。ユニット制御部(運転制御手段)102による流量フィードバック水量制御については後述する。
また、ユニット制御部(運転制御手段)102は、造水運転時において、温度センサ8で検出された供給水W1の温度に基づいて、透過水W2の温度フィードフォワード回収率制御を実行する。後述するように、ユニット制御部(運転制御手段)102は、温度フィードフォワード回収率制御を実行することにより、第1排水弁11〜第3排水弁13における弁体の開閉を制御する。温度フィードフォワード回収率制御は、造水運転の対象となる膜分離装置において、上述した流量フィードバック水量制御と並行して実行される。ユニット制御部(運転制御手段)102による温度フィードフォワード回収率制御については後述する。
次に、膜分離装置U1〜U4の構成について、図3を参照して説明する。ここでは、膜分離装置U1を代表して構成を説明するが、他の膜分離装置U2〜U4も同じ構成である。
図3に示すように、本実施形態に係る膜分離装置U1は、加圧ポンプ6と、インバータ7と、温度センサ8と、圧力センサ9と、RO膜モジュールM1と、流量検出手段としての流量センサ10と、第1排水弁11〜第3排水弁13と、濃縮水還流弁14と、を備える。
膜分離装置U1には、供給水ラインL1、透過水ラインL2が接続される。また、膜分離装置U1は、濃縮水ラインL3と、濃縮水排出ラインL4と、濃縮水還流ラインL5と、を備える。
図3において、加圧ポンプ6は、供給水W1を吸入し、RO膜モジュールM1に向けて吐出する装置である。加圧ポンプ6は、インバータ7(後述)と電気的に接続されている。加圧ポンプ6には、インバータ7から、周波数が変換された駆動電力が入力される。加圧ポンプ6は、供給された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。加圧ポンプ6の回転速度は、インバータ7から供給される駆動周波数に比例する。すなわち、加圧ポンプ6の回転速度は、インバータ7から供給される駆動周波数が低くなるにつれて遅くなり、駆動周波数が高くなるにつれて速くなる。
インバータ7は、周波数が変換された駆動電力を加圧ポンプ6に供給する電気回路である。インバータ7は、制御部100と電気的に接続されている。インバータ7には、ユニット制御部102から電流値信号が入力される。インバータ7は、ユニット制御部102から入力された電流値信号に対応する駆動周波数の駆動電力を加圧ポンプ6に出力する。
温度センサ8は、供給水W1の温度を検出する機器である。温度センサ8は、接続部J4において供給水ラインL1と接続されている。接続部J4は、供給水W1の供給源と加圧ポンプ6との間に配置されている。温度センサ8は、制御部100と電気的に接続されている。温度センサ8で検出された供給水W1の温度(以下、「検出温度値」ともいう)は、制御部100へ検出値信号として送信される。
圧力センサ9は、加圧ポンプ6の下流側において、供給水ラインL1を流通する供給水W1の圧力を検出する機器である。圧力センサ9は、接続部J5において、供給水ラインL1に接続されている。接続部J5は、加圧ポンプ6とRO膜モジュールM1との間に配置されている。圧力センサ9は、制御部100と電気的に接続されている。圧力センサ9で検出された供給水W1の圧力(以下、「検出圧力値」ともいう)は、制御部100へ検出信号として送信される。
RO膜モジュールM1は、加圧ポンプ6から吐出された供給水W1を、溶存塩類が除去された透過水W2と、溶存塩類が濃縮された濃縮水W3とに膜分離処理する設備である。RO膜モジュールM1は、単一又は複数のRO膜エレメント(不図示)を備える。RO膜モジュールM1は、これらRO膜エレメントにより供給水W1を膜分離処理し、透過水W2及び濃縮水W3を製造する。
本実施形態におけるRO膜モジュールM1は、膜表面に架橋全芳香族ポリアミドからなる負荷電性のスキン層が形成されたRO膜(不図示)を有する。このRO膜は、濃度500mg/L、pH7.0、温度25℃の塩化ナトリウム水溶液を供給水W1として、操作圧力0.7MPa、回収率15%で供給したときの水透過係数が、1.5×10−11m3・m−2・s−1・Pa−1以上、且つ塩除去率が99%以上となるものである。
ここで、操作圧力とは、JIS K3802−1995「膜用語」で定義される平均操作圧力である。操作圧力は、RO膜モジュールM1の一次側の入口圧力と一次側の出口圧力との平均値を指す。
回収率とは、RO膜モジュールM1へ供給される供給水W1の流量Qfに対する透過水W2の流量Qpの割合(すなわち、Qp/Qf×100)をいう。
塩除去率は、RO膜を透過する前後の特定の塩類の濃度(ここでは塩化ナトリウム濃度)から計算される値であり、RO膜の溶質の阻止性能を示す指標である。塩除去率は、RO膜モジュールM1へ供給される供給水W1の濃度Cf及び透過水W2の濃度Cpから、(1−Cp/Cf)×100により求められる。
本実施形態の水透過係数及び塩除去率の条件を満たすRO膜は、逆浸透膜エレメントとして市販されている。逆浸透膜エレメントとしては、例えば、東レ社製:型式名「TMG20−400」、ウンジン・ケミカル社製:型式名「RE8040−BLF」、日東電工社製:型式名「ESPA1」等を用いることができる。
流量センサ10は、透過水ラインL2を流通する透過水W2の流量を検出する機器である。流量センサ10は、接続部J6において透過水ラインL2に接続されている。接続部J6は、RO膜モジュールM1と需要箇所(不図示)との間に配置されている。流量センサ10は、制御部100と電気的に接続されている。流量センサ10で検出された透過水W2の流量(以下、「検出流量値」ともいう)は、制御部100へ検出値信号として送信される。
濃縮水ラインL3は、RO膜モジュールM1から濃縮水W3を送出するラインである。濃縮水ラインL3の上流側の端部は、RO膜モジュールM1の一次側出口ポートに接続されている。また、濃縮水ラインL3の下流側は、分岐部J7において、濃縮水排出ラインL4及び濃縮水還流ラインL5に分岐している。
濃縮水排出ラインL4は、濃縮水ラインL3を流通する濃縮水W3の一部又は全部を装置外へ排出するラインである。濃縮水排出ラインL4の下流側は、分岐部J8及びJ9において、第1排水ラインL11、第2排水ラインL12及び第3排水ラインL13に分岐している。
第1排水ラインL11には、第1排水弁11が設けられている。第2排水ラインL12には、第2排水弁12が設けられている。第3排水ラインL13には、第3排水弁13が設けられている。第1排水弁11〜第3排水弁13は、濃縮水排出ラインL4から装置外に排出される濃縮水W3の排水流量を調節する弁である。
第1排水弁11は、第1排水ラインL11を開閉することができる。第2排水弁12は、第2排水ラインL12を開閉することができる。第3排水弁13は、第3排水ラインL13を開閉することができる。
第1排水弁11〜第3排水弁13は、それぞれ定流量弁機構(不図示)を備える。定流量弁機構は、第1排水弁11〜第3排水弁13において、それぞれ異なる流量値に設定されている。例えば、第1排水弁11は、開状態において、RO膜モジュールM1の回収率が80%となるように排水流量が設定されている。第2排水弁12は、開状態において、RO膜モジュールM1の回収率が75%となるように排水流量が設定されている。第3排水弁13は、開状態において、RO膜モジュールM1の回収率が70%となるように排水流量が設定されている。
濃縮水排出ラインL4から排出される濃縮水W3の排水流量は、第1排水弁11〜第3排水弁13を選択的に開閉することにより、段階的に調節できる。例えば、第2排水弁12のみを開状態とし、第1排水弁11及び第3排水弁13を閉状態とする。この場合には、RO膜モジュールM1の回収率を75%とすることができる。また、第1排水弁11及び第2排水弁12を開状態とし、第3排水弁13のみを閉状態とする。この場合には、RO膜モジュールM1の回収率を70%とすることができる。従って、本実施形態において、濃縮水W3の排水流量は、第1排水弁11〜第3排水弁13を選択的に開閉することにより、回収率を50%〜80%までの間で、5%毎に段階的に調節できる。
第1排水弁11〜第3排水弁13は、それぞれ制御部100と電気的に接続されている。第1排水弁11〜第3排水弁13における弁体の開閉は、ユニット制御部102からの駆動信号により制御される。
濃縮水還流ラインL5は、濃縮水ラインL3を流通する濃縮水W3の残部を、供給水ラインL1における加圧ポンプ6よりも上流側に還流させるラインである。濃縮水還流ラインL5の上流側の端部は、分岐部J7において濃縮水ラインL3に接続されている。分岐部J7は、RO膜モジュールM1の一次側出口ポートと分岐部J8との間に配置されている。また、濃縮水還流ラインL5の下流側の端部は、接続部J3において、供給水ラインL1に接続されている。接続部J3は、供給水W1の供給源(不図示)と加圧ポンプ6との間に配置されている。
濃縮水還流弁14は、濃縮水還流ラインL5の流通量を調節する装置である。濃縮水還流弁14は、制御部100と電気的に接続されている。濃縮水還流弁14における弁体の開度は、ユニット制御部102からの駆動信号により制御される。濃縮水還流弁14の弁体は、RO膜モジュールM1を造水運転する場合には、所定の開度に制御される。また、濃縮水還流弁14の弁体は、RO膜モジュールM1をフラッシング運転する場合には、閉状態(開度0%)に制御される。
次に、水処理システム1における造水運転時の動作について、図4〜図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、制御部100がシステム制御部(優先順位設定手段)101の機能により、膜分離装置の優先順位を設定する場合の動作について説明する。
図4は、システム制御部(優先順位設定手段)101において、膜分離装置の優先順位を設定する場合の処理手順を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートの処理は、水処理システム1の運転中において繰り返し実行される。システム制御部(優先順位設定手段)101は、メモリから読み出した優先順位設定処理のプログラムに基づいて、図4に示すフローチャートの処理を実行する。
図4に示すステップST101において、システム制御部(優先順位設定手段)101は、残留塩素濃度センサ5で測定された検出残留塩素濃度値Rdを取得する。
ステップST102において、システム制御部(優先順位設定手段)101は、検出残留塩素濃度値Rdが予め設定された許容残留塩素濃度値Ra以上か否かを判定する。検出残留塩素濃度値Rdが許容残留塩素濃度値Ra以上であれば、供給水W1に残留塩素がリークしていると判断することができる。このステップST102において、システム制御部(優先順位設定手段)101により、検出残留塩素濃度値Rd≧許容残留塩素濃度値Raである(YES)と判定された場合に、処理はステップST103へ移行する。また、ステップST102において、システム制御部(優先順位設定手段)101により、検出残留塩素濃度値Rd<許容残留塩素濃度値Raである(NO)と判定された場合に、処理はステップST105へ移行する。
ステップST103(ステップST102:YES)において、システム制御部(優先順位設定手段)101は、膜分離装置U1〜U4について算出された水透過係数を取得する。
ステップST104において、システム制御部(優先順位設定手段)101は、取得した膜分離装置U1〜U4について算出された水透過係数が予め設定された初期値よりも高く且つ算出された水透過係数の数値が大きなRO膜モジュールを有する膜分離装置ほど優先順位が高くなるように設定する。これにより、本フローチャートの処理は終了する(ステップST101へリターンする)。
一方、ステップST105(ステップST102:NO)において、システム制御部(優先順位設定手段)101は、濁度センサ4で測定された検出濁度値Ddを取得する。
ステップST106において、システム制御部(優先順位設定手段)101は、取得した検出濁度値Ddが予め設定された許容濁度値Da以上か否かを判定する。ここで、検出濁度値Ddが許容濁度値Da以上であれば、供給水W1に懸濁物質がリークしていると判断することができる。このステップST106において、システム制御部(優先順位設定手段)101により、検出濁度値Dd≧許容濁度値Daである(YES)と判定された場合に、処理はステップST107へ移行する。また、ステップST106において、システム制御部(優先順位設定手段)101により、検出濁度値Dd<許容濁度値Daである(NO)と判定された場合に、処理はステップST109へ移行する。
ステップST107(ステップST106:YES)において、システム制御部(優先順位設定手段)101は、膜分離装置U1〜U4について算出された水透過係数を取得する。水透過係数は、所定のサンプリング周期毎に、システム制御部(水透過係数算出手段)101により算出され、メモリ(不図示)に記憶される。
ステップST108において、システム制御部(優先順位設定手段)101は、膜分離装置U1〜U4について算出された水透過係数が予め設定された初期値よりも低く且つ算出された水透過係数の数値が小さなRO膜モジュールを有する膜分離装置ほど優先順位が高くなるように設定する。これにより、本フローチャートの処理は終了する(ステップST101へリターンする)。
一方、ステップST109(ステップST106:NO)において、システム制御部(優先順位設定手段)101は、メモリに記憶されている優先順位に関するデータを参照して、優先順位が初期設定値から変更された否かを判定する。このステップST109において、システム制御部(優先順位設定手段)101により、優先順位が初期設定値から変更された(YES)と判定された場合に、処理はステップST110へ移行する。
また、このステップST109において、システム制御部(優先順位設定手段)101により、優先順位が初期設定値から変更されていない(NO)と判定された場合に、本フローチャートの処理は終了する(ステップST101へリターンする)。
供給水W1の検出残留塩素濃度値Rd及び検出濁度値Ddが、いずれも許容値に満たない場合に、優先順位が初期設定値から変更されていなければ、供給水W1の水質が正常な状態のままであると看做すことができる。このため、ステップST109でNOと判定された場合には、優先順位を水質正常時の初期設定値に戻すことなく、本フローチャートの処理は終了する。
一方、ステップST110(ステップST109:YES)において、システム制御部(優先順位設定手段)101は、メモリに記憶された優先順位に関するデータを、初期設定値に設定する。供給水W1の検出残留塩素濃度値Rd及び検出濁度値Ddが、いずれも許容値に満たない場合に、優先順位が初期設定値から変更されていれば、供給水W1の水質が正常な状態に戻ったと看做すことができる。このため、ステップST110において、水質異常時に変更された優先順位を水質正常時の初期設定値に戻した後、本フローチャートの処理は終了する(ステップST101へリターンする)。
次に、ユニット制御部(運転制御手段)102において、造水運転の対象となる膜分離装置の台数(運転台数)を設定する場合の動作について説明する。
図5は、ユニット制御部(運転制御手段)102において、膜分離装置の運転台数を設定する場合の処理手順を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートの処理は、水処理システム1の運転中において繰り返し実行される。ユニット制御部(運転制御手段)102は、メモリから読み出した台数設定処理のプログラムに基づいて、図5に示すフローチャートの処理を実行する。
図5に示すステップST201において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、水位センサ3で検出された検出水位値Wを取得する。
ステップST202において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、取得した検出水位値Wが基準水位値H以上(W≧H)か否かを判定する。このステップST202において、ユニット制御部(運転制御手段)102により、検出水位値Wが基準水位値H以上である(YES)と判定された場合に、処理はステップST203へ移行する。また、ステップST202において、ユニット制御部(運転制御手段)102により、検出水位値Wが基準水位値H未満である(NO)と判定された場合に、処理はステップST204へ移行する。
ステップST203(ステップST202:YES)において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、メモリに記憶されている台数判定に関するデータ(図2参照)を参照して、検出水位値Wが基準水位値H以上(W≧H)の場合に、膜分離装置の運転台数を0台と判定する。そして、ユニット制御部(運転制御手段)102は、判定した膜分離装置の運転台数を、メモリ(不図示)に記憶する(以下、同様とする)。これにより、本フローチャートの処理は終了する(ステップST201へリターンする)。
また、ステップST204(ステップST202:NO)において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、水位センサ3の検出水位値Wが基準水位値H未満且つ水位D3以上(H>W≧D3)か否かを判定する。このステップST204において、ユニット制御部(運転制御手段)102により、検出水位値Wが基準水位値H未満且つ水位D3以上である(YES)と判定された場合に、処理はステップST205へ移行する。一方、ステップST204において、ユニット制御部(運転制御手段)102により、検出水位値Wが基準水位値H未満且つ水位D3以上でない(NO)と判定された場合に、処理はステップST206へ移行する。
ステップST205(ステップST204:YES)において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、メモリに記憶されている台数判定に関するデータ(図2参照)を参照して、検出水位値Wが基準水位値H未満且つ水位D3以上(H>W≧D3)の場合に、膜分離装置の運転台数を1台と判定する。これにより、本フローチャートの処理は終了する(ステップST201へリターンする)。
また、ステップST206(ステップST204:NO)において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、水位センサ3の検出水位値Wが水位D3未満且つ水位D2以上(D3>W≧D2)か否かを判定する。このステップST206において、ユニット制御部(運転制御手段)102により、検出水位値Wが水位D3未満且つ水位D2以上である(YES)と判定された場合に、処理はステップST207へ移行する。一方、ステップST206において、ユニット制御部(運転制御手段)102により、検出水位値Wが水位D3未満且つ水位D2以上でない(NO)と判定された場合に、処理はステップST208へ移行する。
ステップST207(ステップST206:YES)において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、メモリに記憶されている台数判定に関するデータ(図2参照)を参照して、検出水位値Wが水位D3未満且つ水位D2以上(D3>W≧D2)の場合に、膜分離装置の運転台数を2台と判定する。これにより、本フローチャートの処理は終了する(ステップST201へリターンする)。
また、ステップST208(ステップST206:NO)において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、水位センサ3の検出水位値Wが水位D2未満且つ水位D1以上(D2>W≧D1)か否かを判定する。このステップST208において、ユニット制御部(運転制御手段)102により、検出水位値Wが水位D2未満且つ水位D1以上である(YES)と判定された場合に、処理はステップST209へ移行する。一方、ステップST208において、ユニット制御部(運転制御手段)102により、検出水位値Wが水位D2未満且つ水位D1以上でない(NO)と判定された場合に、処理はステップST210へ移行する。
ステップST209(ステップST208:YES)において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、メモリに記憶されている台数判定に関するデータ(図2参照)を参照して、検出水位値Wが水位D2未満且つ水位D1以上(D2>W≧D1)の場合に、膜分離装置の運転台数を3台と判定する。これにより、本フローチャートの処理は終了する(ステップST201へリターンする)。
一方、ステップST210(ステップST208:NO)において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、メモリに記憶されている台数判定に関するデータ(図2参照)を参照して、検出水位値Wが水位D1未満(D1>W≧L又はL<W)の場合に、造水運転の対象となる膜分離装置の運転台数を4台と判定する。これにより、本フローチャートの処理は終了する(ステップST201へリターンする)。
次に、ユニット制御部(運転制御手段)102において、造水運転の優先順位に従って膜分離装置を造水運転させる場合の動作について説明する。
図6は、ユニット制御部(運転制御手段)102において、造水運転の優先順位に従って膜分離装置を造水運転させる場合の処理手順を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートの処理は、図5に示すフローチャートの処理において、膜分離装置の運転台数が変更された場合に実行される。
図6に示すステップST301において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、膜分離装置の運転台数をメモリ(不図示)から取得する。
ステップST302において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、メモリに記憶された優先順位に関するデータを参照し、取得した運転台数分だけ優先順位の高い膜分離装置を選択する。
ステップST303において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、優先して運転する膜分離装置のインバータ7へ、運転指令信号としての電流値信号を出力する。これにより、本フローチャートの処理は終了する。なお、運転指令信号としての電流値信号の出力は、後述する流量フィードバック水量制御において実行される。
次に、ユニット制御部(運転制御手段)102による流量フィードバック水量制御について、図7を参照して説明する。図7は、ユニット制御部(運転制御手段)102において、流量フィードバック水量制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートの処理は、造水運転の対象となる膜分離装置において、造水運転中において繰り返し実行される。
図7に示すステップST401において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、透過水W2の目標流量値Qp´を取得する。この目標流量値Qp´は、例えば、システム管理者がユーザインターフェース(不図示)を介してメモリに入力した値である。
ステップST402において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、ITUによる計時tが制御周期(Δt)である100msに達したか否かを判定する。このステップST402において、ユニット制御部(運転制御手段)102により、ITUによる計時が100msに達した(YES)と判定された場合に、処理はステップST403へ移行する。また、ステップST402において、ユニット制御部(運転制御手段)102により、ITUによる計時が100msに達していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST402へ戻る。
ステップST403(ステップST402:YES判定)において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、流量センサ10で検出された透過水W2の検出流量値Qpを、フィードバック値として取得する。
ステップST404において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、ステップST403で取得した検出流量値Qpと、ステップST401で取得した目標流量値Qp´との偏差がゼロとなるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより操作量Unを演算する。なお、速度形デジタルPIDアルゴリズムでは、制御周期Δt(100ms)毎に操作量の変化分ΔUnを演算し、これを前回の制御周期時点の操作量Un−1に加算することで現時点の操作量Unを決定する。
ステップST405において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、現時点の操作量Un、及び加圧ポンプ6の最大駆動周波数F´(50Hz又は60Hzの設定値)に基づいて、加圧ポンプ6の駆動周波数F[Hz]を演算する。
ステップST406において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、駆動周波数Fの演算値を、対応する電流値信号(4〜20mA)に変換する。
ステップST407において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、変換した電流値信号をインバータ7へ出力する。これにより本フローチャートの処理は終了する(ステップST401へリターンする)。
なお、ステップST407において、ユニット制御部(運転制御手段)102が電流値信号をインバータ7へ出力すると、インバータ7は、入力された電流値信号で指定された周波数に変換された駆動電力を加圧ポンプ6に供給する。その結果、加圧ポンプ6は、インバータ7から入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動される。
次に、ユニット制御部(運転制御手段)102による温度フィードフォワード回収率制御について、図8を参照して説明する。図8は、ユニット制御部(運転制御手段)102において、温度フィードフォワード回収率制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。この温度フィードフォワード回収率制御は、膜分離装置の造水運転中において、上述した流量フィードバック水量制御と並行して実行される。
図8に示すステップST501において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、透過水W2の目標流量値Qp´を取得する。この目標流量値Qp´は、例えば、システム管理者がユーザインターフェース(不図示)を介してメモリに入力した値である。
ステップST502において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、供給水W1のシリカ(SiO2)濃度Csを取得する。このシリカ濃度Csは、例えば、装置管理者がユーザーインターフェース(不図示)を介してメモリに入力した設定値である。供給水W1のシリカ濃度は、事前に供給水W1を水質分析することにより得ることができる。なお、供給水ラインL1において、不図示の水質センサにより供給水W1のシリカ濃度を計測してもよい。
ステップST503において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、温度センサ8から供給水W1の検出温度値Tを取得する。
ステップST504において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、取得した検出温度値Tに基づいて、水に対するシリカ溶解度Ssを決定する。
ステップST505において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、前のステップで取得又は決定したシリカ濃度Cs及びシリカ溶解度Ssに基づいて、濃縮水W3におけるシリカの許容濃縮倍率Nsを演算する。シリカの許容濃縮倍率Nsは、下記の式(3)により求めることができる。
Ns=Ss/Cs (3)
例えば、シリカ濃度Csが20mgSiO2/L、25℃におけるシリカ溶解度Ssが100mgSiO2/Lであれば、許容濃縮倍率Nsは“5”となる。
ステップST506において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、前のステップで取得した目標流量値Qp´及び許容濃縮倍率Nsに基づいて、回収率が最大となる排水流量(目標排水流量Qd´)を演算する。目標排水流量Qd´(以下、「第1排水流量値」ともいう)は、下記の式(4)により求めることができる。
Qd´=Qp´/(Ns−1) (4)
ステップST507において、ユニット制御部(運転制御手段)102は、濃縮水W3の実際排水流量QdがステップST506で演算した第1排水流量値となるように、第1排水弁11〜第3排水弁13の開閉を制御する。これにより本フローチャートの処理は終了する(ステップST501へリターンする)。
上述した実施形態に係る水処理システム1によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
本実施形態に係る水処理システム1において、システム制御部(優先順位設定手段)101は、供給水W1の水質が異常な場合に、膜分離装置毎に算出された水透過係数に基づいて、RO膜モジュールの透水性能変化の進行度を比較し、当該進行度が大きいRO膜モジュールを有する膜分離装置ほど、当該膜分離装置を運転する優先順位が高くなるように設定する。
また、ユニット制御部(運転制御手段)102は、処理水タンク2に設けられた水位センサ3の水位に応じて、優先順位設定手段の機能により設定された優先順位に従って、優先して運転する膜分離装置に運転指令信号(電流値信号)を出力する。
そのため、膜分離装置の上流側に設けられた前処理装置にトラブルが発生し、膜分離装置に供給される供給水W1の水質が異常となった場合に、膜性能の高いRO膜モジュールを有する膜分離装置が優先的に運転されることが少なくなり、透水性能変化の進行度が大きなRO膜モジュールを有する膜分離装置が優先的に運転される。これによれば、膜性能の高いRO膜モジュールの悪化が抑制されるだけでなく、すべてのRO膜の膜性能が均一的に悪化することが抑制される。従って、水処理システム1によれば、RO膜モジュールの洗浄や交換がシステム全体に及ぶことがなく、メンテナンス費用を低減することができる。
また、システム制御部(優先順位設定手段)101は、残留塩素濃度センサ5で測定された検出残留塩素濃度値が予め設定された許容残留塩素濃度値を超過する場合に、各膜分離装置において算出された水透過係数が予め設定された初期値よりも高く且つ算出された水透過係数の数値が大きなRO膜モジュールを有する膜分離装置ほど優先順位が高くなるように設定する。
上述した水透過係数が初期値よりも高く且つ算出された水透過係数の数値が相対的に大きなRO膜モジュールは、RO膜の酸化劣化が進行していると考えられる。そのため、供給水W1の検出残留塩素濃度値が許容残留塩素濃度値を超過する場合に、水透過係数の数値が大きなRO膜モジュールの優先順位が高くなるように設定することにより、水処理システム1において、水透過係数の小さい(RO膜の酸化劣化があまり進行していない)RO膜モジュールの更なる劣化を極力抑制することができる。
また、システム制御部(優先順位設定手段)101は、濁度センサ4で測定された検出濁度値が予め設定された許容濁度値を超過する場合に、各膜分離装置について算出された水透過係数が予め設定された初期値よりも低く且つ算出された水透過係数の数値が小さなRO膜モジュールを有する膜分離装置ほど優先順位が高くなるように設定する。
上述した水透過係数が初期値よりも低く且つ算出された水透過係数の数値が相対的に小さなRO膜モジュールは、RO膜の閉塞が進行していると考えられる。そのため、供給水W1の検出濁度値が許容濁度値を超過する場合に、水透過係数の数値が小さなRO膜モジュールの優先順位が高くなるように設定することにより、水処理システム1において、水透過係数の数値が大きい(RO膜の閉塞があまり進行していない)RO膜モジュールの更なる閉塞を極力抑制することができる。
また、ユニット制御部(運転制御手段)102は、膜分離装置を造水運転する間に、流量センサ10の検出流量値が予め設定された目標流量値となるように、加圧ポンプ6を駆動するための駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算地に対応する電流値信号をインバータ7に出力する流量フィードバック水量制御を実行する。そのため、水処理システム1は、膜分離装置を造水運転する間に、RO膜モジュールの透水性能変化に関わらず、安定した流量の透過水W2を需要先へ供給することができる。
また、ユニット制御部(運転制御手段)102は、膜分離装置が造水運転の間において、温度センサ8で検出された供給水W1の温度に基づいて、透過水W2の温度フィードフォワード回収率制御を実行する。そのため、膜分離装置の造水運転の間に、透過水W2の回収率を最大としつつ、RO膜モジュールにおけるシリカ系スケールの析出をより確実に抑制することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、本実施形態に係る水処理システム1は、4台の膜分離装置U1〜U4を備えている。これに限らず、水処理システム1の膜分離装置は、少なくとも2台あればよい。また、水処理システム1の膜分離装置を5台以上設けた構成としてもよい。
本実施形態に係る水処理システム1においては、処理水タンク2の貯水量を判定するための水位として、水位H,水位D3,水位D2,水位D1,水位Lの5段階が設定されている。これに限らず、膜分離装置の設置台数等に応じて、水位を4段階以下に設定してもよいし、6段階以上に設定してもよい。
本実施形態に係る水処理システム1においては、膜分離装置U1〜U4が、それぞれ一つのRO膜モジュールM1を備えている。これに限らず、水処理システム1において、膜分離装置U1〜U4が、それぞれ複数のRO膜モジュールを備える構成であってもよい。
本実施形態に係る水処理システム1においては、制御部100が、システム制御部101とユニット制御部102とを備えている。これに限らず、膜分離装置毎にユニット制御部102を設け、制御部100のシステム制御部101から各膜分離装置のユニット制御部102に、各種データや指示信号等を出力するように構成してもよい。
本実施形態に係る水処理システム1においては、需要箇所で消費される透過水W2の水量を、処理水タンク2に設けた水位センサ3により検出する。これに限らず、水処理システム1において、需要箇所で消費される透過水W2の水量を、配水ラインL6に設けた流量センサにより検出するように構成してもよい。
本実施形態に係る水処理システム1において、優先順位の初期設定値は、固定値として設定されている。これに限らず、優先順位の初期設定値を変動値としてもよい。例えば、水質正常時の優先順位を、「U1>U2>U3>U4」、「U2>U3>U4>U1」、「U3>U4>U1>U2」、「U4>U1>U2>U3」の順番でローテーションさせながら変更させてもよい。優先順位のローテーションは、予め設定されたローテーション実行時間が経過した時点で実施してもよいし、すべての膜分離装置においてフラッシング運転が終了する毎に実施してもよい。
優先順位の初期設定値を固定値とした場合、優先順位の高いRO膜モジュールは、水質正常時において、必然的に造水運転の頻度が高くなる。そのため、優先順位の高いROモジュールでは、水質が正常な場合でも相対的にRO膜の酸化劣化や閉塞が進行しやすくなる。この結果、水質異常時に優先順位を水透過係数に基づいて変更したとしても、結果的に優先順位が変わらない可能性がある。この場合、膜性能の高いRO膜モジュールの悪化が更に促進される。しかし、優先順位の初期設定値を変動値とし、定期的に変更させることにより、膜性能の高いRO膜モジュールの悪化をより効果的に抑制することができる。
なお、優先順位の初期設定値を変動値とする場合に、上記のように、予めローテーションの順番を設定しておいてもよいし、RO膜の酸化劣化や閉塞が進行していないRO膜モジュールの優先順位が常に高くなるように設定してもよい。
本実施形態に係る水処理システム1においては、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより、加圧ポンプ6の駆動周波数を演算する例について説明した。これに限らず、位置形デジタルPIDアルゴリズムにより、加圧ポンプ6の駆動周波数を演算してもよい。
本実施形態に係る水処理システム1においては、温度フィードフォワード回収率制御において、供給水ラインL1を流通する供給水W1の温度を検出温度値Tとする例について説明した。これに限らず、透過水ラインL2を流通する透過水W2の温度を検出温度値Tとしてもよい。また、濃縮水ラインL3を流通する濃縮水W3の温度を検出温度値Tとしてもよい。更に、複数のラインにおいて水の温度を検出し、その平均値を検出温度値Tとしてもよい。
本実施形態に係る水処理システム1においては、回収率制御において、第1排水弁11〜第3排水弁13を選択的に開閉することにより、濃縮水W3の排水流量を段階的に調節する例について説明した。これに限らず、濃縮水排出ラインL4を分岐せずに1本とし、このラインに比例制御バルブを設けた構成としてもよい。この場合は、ユニット制御部(運転制御手段)102から電流値信号(例えば、4〜20mA)を比例制御バルブに送信して弁開度を制御することにより、濃縮水W3の排水流量を調節することができる。
また、比例制御バルブを設けた構成において、濃縮水排出ラインL4に流量センサを設けた構成としてもよい。流量センサで検出された流量値を、ユニット制御部(運転制御手段)102にフィードバック値として入力する。これにより、濃縮水W3の実際排水流量をより正確に制御することができる。