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JP5863466B2 - 回転機械 - Google Patents
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Description

この発明は、例えば、発電プラント、化学プラント、ガスプラント、製鉄所、船舶等に用いられる圧縮機、タービン等の回転機械に関するものである。
例えば、回転機械の一種である軸流圧縮機は、ケーシングと、ケーシングに固定配置された静翼と、ケーシングの内部に回転自在に設けられた軸体(ロータ)と、静翼の間の軸体に放射状に設けられた動翼とを複数段備えたものがある。静翼の先端部と軸体との間には、隙間が形成されている。このような軸流圧縮機は、回転エネルギー(機械エネルギー)を圧力エネルギーに変換している(例えば、特許文献1参照)。
ここで、静翼では静圧が上昇するので、静翼の下流側の静圧は、静翼の上流側の静圧よりも高くなる。このため、圧力差により流体の一部が、静翼の先端部と軸体との間の隙間を介して下流側から上流側へと漏洩する。この漏洩流体は、主流の流れを乱してしまうと共に,下流側から上流側へと循環流を形成し、また漏洩流体の温度が増加するため圧縮機損失の一因となる。したがって、軸流圧縮機の性能向上のためには、隙間を通過する漏洩流体の量を低減することが重要となる。この漏洩流体の量を低減したり、漏洩流体による圧縮機損失を低減したりするために、さまざまな技術が提案されている。
例えば、静翼のハブ側先端に内輪シュラウドが取り付けられ、この内輪シュラウドの先端周方向に、静翼の出口から入口に向かう流体の漏洩流体の量を低減するフィンが設置された軸流圧縮機の静翼構造において、静翼入口のハブ側に、静翼軸方向に傾斜した流路を設けた技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−198293号公報 特開平9−317696号公報
しかしながら、上述の特許文献2にあっては、静翼入口のハブ側に設けられた傾斜した流路は、ここからの漏洩流体の方向を軸方向に制御し、漏洩流体による主流の流れの乱れを低減するという点では優れているが、漏洩流量自体を効率よく低減しにくいという課題がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、さらに効率よく漏洩流量を低減することができる回転機械を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る回転機械は、ブレードと、前記ブレードの周囲を取り囲むように形成され、前記ブレードに対して相対回転する構造体とを備え、前記構造体の前記ブレードの先端に対応する位置に、この先端を受け入れ、且つこの先端との間の隙間を確保する環状溝を形成すると共に、前記ブレードの先端側の先端面に、少なくとも1つのシールフィンを前記環状溝の底面に向かって立設し、前記シールフィンの先端と前記環状溝の底面との間に径方向の微小隙間を形成し、該微小隙間を高圧側から低圧側に向かって漏洩流体が流通する回転機械であって、前記ブレードは、前記先端面の前記低圧側に接続されて該ブレードの基端側に向かって延びる端面を有し、前記環状溝は、前記底面の前記低圧側に該底面から前記基端側に向かって延びる第1壁部と、該第1壁部における前記基端側に接続されて前記底面に対向するように前記高圧側に向かって延びる第2壁部と、該第2壁部の前記高圧側に接続されて前記ブレードの端面の前記低圧側に対向するように前記ブレードの基端側に向かって延びる内側面とを有し、前記底面と前記第2壁部との距離は、前記底面と前記先端面との距離と同一に設定されている
本発明に係る回転機械は、ブレードと、前記ブレードの周囲を取り囲むように形成され、前記ブレードに対して相対回転する構造体とを備え、前記構造体の前記ブレードの先端に対応する位置に、この先端を受け入れ、且つこの先端との間の隙間を確保する環状溝を形成すると共に、前記ブレードの先端側の先端面に、少なくとも1つのシールフィンを前記環状溝の底面に向かって立設し、前記シールフィンの先端と前記環状溝の底面との間に径方向の微小隙間を形成し、該微小隙間を高圧側から低圧側に向かって漏洩流体が流通する回転機械であって、前記ブレードは、前記先端面の前記低圧側に接続されて該ブレードの基端側に向かって延びる端面を有し、前記環状溝は、前記底面の前記低圧側に該底面から前記基端側に向かって延びる第1壁部と、該第1壁部における前記基端側に接続されて前記低圧側に向かって延びる第2壁部と、該第2壁部の前記低圧側に接続されて前記ブレードの端面の前記低圧側に対向するように前記ブレードの基端側に向かって延びる内側面とを有し、前記底面と前記第2壁部との距離は、前記底面と前記先端面との距離よりも短く設定されている。
本発明によれば、漏洩流体の全圧損失が増加されて動圧が低下し、漏洩流量を低減することができる。
本発明の第1実施形態におけるガスタービンを示す模式的な半断面図である。 図1のA部拡大図である。 本発明の実施形態と従来における損失係数を測定したポイントを示す説明図である。 本発明の実施形態と従来における損失係数の変化を示すグラフである。 本発明の第2実施形態における環状溝周辺の概略構成図である。
(第1実施形態)
(ガスタービン)
次に、この発明の第1実施形態を図1、図2に基づいて説明する。
図1は、ガスタービンを示す模式的な半断面図である。
同図に示すように、ガスタービン1は、圧縮空気を生成する圧縮機2と、圧縮機2から供給される圧縮空気に燃料を供給して燃焼ガスを生成する複数の燃焼器3と、少なくとも1段ずつのタービン静翼5、及びタービン動翼6を有し、燃焼器3から供給される燃焼ガスにより回転動力を発生させるタービン4とを備えている。
また、ガスタービン1には、軸方向Dに延びるロータ7が、圧縮機2からタービン4まで一体的に取り付けられている。このロータ7は、一端が圧縮機2内に設けられた軸受部23によって軸線O回りであるタービン4の周方向Rに回転可能に支持されると共に、他端がタービン4に設けられた軸受部41によってタービン4の周方向Rに回転可能に支持されている。
なお、以下の説明において、ロータ7の軸方向Dに沿って圧縮機2側(図1における左側)を前側とし、タービン4側(図1における右側)を後側とする。
(圧縮機)
圧縮機2は、空気(流体)を取り込む空気取入口20aを前側に向けて配設された圧縮機ケーシング20と、空気取入口20aに配設されたIGV12と、圧縮機ケーシング20内に配設された複数の圧縮機静翼21、及び複数の圧縮機動翼22とを備え、これら圧縮機ケーシング20、複数の圧縮機静翼21、及び複数の圧縮機動翼22によって圧縮流路25が形成されている。
圧縮機静翼21は、それぞれ圧縮機ケーシング20の内周面に固定されると共に、ロータ7側に向けて捩れながら延設される複数の圧縮機静翼本体51を備えている。圧縮機静翼本体51は、タービン4の周方向Rに互いに等しい間隔をあけて配列している。
ロータ7には、この外周面から径方向に突出したディスク26に、圧縮機動翼22が固定されている。
圧縮機動翼22は、各ディスク26にそれぞれ固定されると共に、圧縮機ケーシング20の内周面に向けて捩れながら延設される複数の圧縮機動翼本体52を備えている。圧縮機動翼本体52は、タービン4の周方向Rに互いに等しい間隔をあけて配列している。そして、圧縮機動翼本体52は、この先端に配置されたリング状のチップシュラウド(不図示)によって互いに連結されている。
このように構成された圧縮機動翼22、及び圧縮機静翼21は、軸方向Dに沿って交互になるように多段配置されている。後段側の圧縮機ケーシング20には、圧縮流路25に連通する抽気室24が設けられている。この抽気室24は、圧縮機2によって圧縮された圧縮空気の一部を抽気するためのものである。
(燃焼器)
燃焼器3は、内部に図示しないバーナを有する内筒30と、圧縮機2から供給される圧縮空気を内筒30に導く外筒31と、内筒30に燃料を供給する図示しない燃料噴射器と、内筒30からの燃焼ガスをタービン4に導く尾筒32とを備えている。
このように構成された燃焼器3によれば、内筒30内において、外筒31から導かれる圧縮空気と燃焼噴射器から供給される燃料とを混合し、混合された流体をバーナにより燃焼させることで燃焼ガスを生成することが可能となる。そして、この燃焼ガスを尾筒32を通してタービン4に導くことができる。
複数の燃焼器3は、タービン4の周方向Rに配置されると共に、前端部が圧縮機ケーシング20の後端部に連結された燃焼器ケーシング33の内部に配設されている。
(タービン)
タービン4は、前端部が燃焼器ケーシング33の後端部に連結されたタービンケーシング40と、このタービンケーシング40内に軸方向Dに交互に多段に配設されたタービン静翼5、及びタービン動翼6とを備えている。
各段のタービン静翼5は、周方向Rに環状に等しい間隔をあけて配列され、それぞれタービンケーシング40側に固定されると共にロータ7側に向けて放射状に複数延設されるタービン静翼本体53を備えている。複数のタービン静翼本体53は、略円弧状に形成された外側シュラウド60、及び内側シュラウド61に連結されている。
一方、各段のタービン動翼6も、周方向Rに環状に等しい間隔をあけて配列され、ロータ7側に固定されると共に、タービンケーシング40側に向けて放射状に延設されるタービン動翼本体54を備えている。
また、タービンケーシング40の後端部には、後側に向けて開口した排気室42が連結されている。この排気室42には、タービン静翼5、及びタービン動翼6を通過した燃焼ガスの動圧を静圧に変換する排気ディフューザ42aが備えられている。
このように構成されたガスタービン1においては、まず、圧縮機2の空気取入口20aから取り込まれた空気が、IGV12によって流量を調整されて圧縮機ケーシング20へ流入する。そして、多段に配置された圧縮機動翼22、及び圧縮機静翼21を通過して圧縮され圧縮空気が生成される。次いで、燃焼器3にて、圧縮空気から燃焼ガスが生成され、この燃焼ガスがタービン4に導かれる。
そして、この燃焼ガスがタービン静翼5、及びタービン動翼6が配列する範囲を燃焼ガス流路4aとして通過することでロータ7が回転駆動され、ガスタービン1は、回転動力を出力することができる。そして、ロータ7を回転駆動した後の排気ガスは、排気室42の排気ディフューザ42aで静圧に変換された後、大気に放出される。
図2は、図1のA部拡大図である。
ここで、圧縮機静翼本体51は、この先端に配置されたリング状のハブシュラウド81によって互いに連結されている。ハブシュラウド81の径方向内側には、所定の隙間S1を介してロータ7が挿通されている。
ハブシュラウド81は、この上流側(図2における左側)の先端よりも下流側(図2における右側)の先端が段差により縮径するように形成されている。これにより、ハブシュラウド81の先端には、2つのステップ部71a,71bが形成される。各ステップ部71a,71bには、それぞれシールフィン15a,15bが径方向に沿って、且つロータ(構造体)7側に向かって立設されている。
より具体的には、ハブシュラウド81の1段目のステップ部71aには、ハブシュラウド81の上流側端面81aよりもやや下流側に、第1シールフィン15aが立設されている。また、ハブシュラウド81の2段目のステップ部71bには、ハブシュラウド81の下流側端面81bと面一になるように、第2シールフィン15bが立設されている。これら2つのシールフィン15a,15bは、略同一の長さに設定されている。
一方、ロータ7には、圧縮機静翼本体51に対応する部位に環状溝17が形成されており、この環状溝17にハブシュラウド81が臨まされた状態になっている。この環状溝17によって、環状溝17の底面17aとハブシュラウド81との間に、ロータ7における径方向の隙間S1が形成される。また、環状溝17の底面17aは、ハブシュラウド81のステップ部71a,71bに対応するように、上流側よりも下流側が段差により縮径するように形成されている。これにより、環状溝17の底面17aには、2つのステップ部72a,72bが形成される。
各ステップ部72a,72bは、これらとそれぞれ対応するハブシュラウド81のステップ部71a,71bとの間の距離が略同一となるように形成されている。すなわち、環状溝17の1段目のステップ部72aとハブシュラウド81の1段目のステップ部71aとの間の距離と、環状溝17の2段目のステップ部72bとハブシュラウド81の2段目のステップ部71bとの間の距離は、略同一に設定されている。
ここで、ハブシュラウド81に形成されている2つのシールフィン15a,15bは、環状溝17の底面17aとハブシュラウド81との間に形成された隙間S1を遮るように立設することになる。そして、2つのシールフィン15a,15bの先端部と環状溝17の底面17aとの間には、略同一寸法に設定された微小隙間H(H1,H2)が形成される。
微小隙間H(H1,H2)は、ロータ7や圧縮機静翼本体51の熱伸び量、ロータ7の遠心伸び量、加工、組み立て誤差等を考慮した上で、想定されうる全ての運転条件で両者が接触することがない安全な範囲内に設定されている。
尚、本実施形態では、2つのシールフィン15a,15bの先端部と環状溝17の底面17aとの間の微小隙間H(H1,H2)がそれぞれ同一となるように設定されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、必要に応じて2つのシールフィン15a,15bの先端部と環状溝17の底面17aとの間の微小隙間H(H1,H2)を各それぞれ変更してもよい。
ここで、環状溝17の上流側の内側面17bには、環状溝17の底面17aとハブシュラウド81との間に対応する箇所に、軸方向Dの平面視でリング状の凹部18が形成されている。凹部18は、環状溝17の底面17aから垂直方向に沿って立ち上がる第1壁部18aと、第1壁部18aの底面17aとは反対側に配置され、この底面17aと対向する第2壁部18bとを有している。
環状溝17の底面17aと、凹部18の第2壁部18bとの間の距離L1は、環状溝17の底面17aとハブシュラウド81の1段目のステップ部71aとの間の距離L2と略同一に設定されている。このように形成された凹部18は、ここに微小隙間Hを通過する漏洩流体J(図2参照)を受け入れて漏洩流量を低減する役割を有している。以下、凹部18の作用についてより詳しく説明する。
(凹部の作用)
次に、図2に基づいて、環状溝17に形成されている凹部18の作用について説明する。
ここで、圧縮機2の空気取入口20aから取り込まれた空気は、圧縮機ケーシング20へ流入した後、多段に配置された圧縮機動翼22、及び圧縮機静翼21を通過して圧縮され圧縮空気となる。
このとき、圧縮機静翼本体51では、静圧が上昇するので、圧縮機静翼本体51の下流側(図2における右側)の静圧は、圧縮機静翼本体51の上流側(図2における左側)の静圧よりも高くなる。
このため、図2に示すように、圧力差により流体のうちの一部(例えば、数%)が、圧縮機静翼本体51のハブシュラウド81が臨まされている環状溝17内を、高圧側となる下流側から低圧側となる上流側へと逆流する。この環状溝17内に流入される圧縮空気が漏洩流体Jとなる。
環状溝17内の高圧側(下流側)から流入した漏洩流体Jは、第2シールフィン15bの先端部と環状溝17の底面17aとの間の微小隙間H2を通り、さらに、第1シールフィン15aの先端部と環状溝17の底面17aとの間の微小隙間H1を通り、環状溝17の低圧側(上流側)へ流出する。このとき、漏洩流体Jは、微小隙間H1を通って流出するので、その流出方向は軸方向Dに沿う方向になっている。
微小隙間H1から流出した漏洩流体Jは、そのまま環状溝17の凹部18に入り込み、凹部18の第1壁部18aに衝突する。すると、漏洩流体Jは、第1壁部18aよりも低圧側に位置する第2壁部18bの方へ向きを変える(図2におけるX1部参照)。さらに、この第2壁部18bに漏洩流体Jが衝突し、折り返すように漏洩流体Jが向きを変える(図2におけるY1部参照)。この後、漏洩流体Jは、ハブシュラウド81に衝突し、ハブシュラウド81の上流側端面81aに沿うように向きを変えて主流側(図2における上側)へと流れる(図2におけるZ1部参照)。尚、主流とは、圧縮機動翼22、及び圧縮機静翼21を順次通過する流れをいう。
このように、漏洩流体Jは、この流通方向に対して略直交する方向に面する凹部18の第1壁部18aと、この第1壁部18aよりも低圧側に配置され、第1壁部18aの壁面に対して略直交する方向に面する第2壁部18bとにより流通方向が複数回(3回)変化する。このため、漏洩流体の全圧損失が大きくなり、動圧が低下して漏洩流体Jの流量が低減される。
また、凹部18に漏洩流体Jが入り込み、この漏洩流体Jの流通方向が急激に変化することにより、漏洩流体Jの一部が剥離して剥離渦U1が形成される。この剥離渦U1によって、漏洩流体Jが混合(ミキシング)され、さらに漏洩流体Jの動圧が低下する。これにより、漏洩流体Jの流量がさらに低減される。また、シールフィン15aの低圧側の側面上においてシールフィン15aの基端側から先端側に向かって流れる下向きの剥離渦U1による漏洩流体Jに対する縮流効果により、漏洩流体Jの流量がさらに低減される。
(シミュレーション)
ここで、図3、図4に基づいて、上述の第1実施形態の環状溝17と従来の環状溝における圧力の損失係数の比較を行ったシミュレーション結果について説明する。
図3は、損失係数を測定したポイントを示す説明図であって、図2に対応している。図4は、縦軸を損失係数とし、横軸を測定位置とした場合の損失係数の変化を示し、この第1実施形態と従来とを比較したグラフである。尚、ここでいう従来とは、図3のように環状溝17に凹部18が形成されていないものをいう(以下の第2実施形態でも同様)。また、図4のグラフにおける縦軸の損失係数は、縦軸の上側に行くほど小さくなり、下側に行くほど大きくなることを示す。
図3、図4に示すように、測定ポイントP1〜P3にあっては、従来と、第1実施形態とで形状に差異が無いので、損失係数が同じになることが確認できる。これに対し、測定ポイントP3〜P4にあっては、従来と比較して第1実施形態の損失係数が小さくなっているものの、測定ポイントP4〜P5にあっては、漏洩流体Jの流通方向が曲げられるので、従来と比較して第1実施形態の損失係数が大きく増加したことで、全体の損失係数が増加しているのが確認できる。
(効果)
したがって、上述の第1実施形態では、環状溝17の低圧側の内側面17bに凹部18を形成することにより、漏洩流体Jの流通方向に対して略直交する方向に面する凹部18の第1壁部18aと、この第1壁部18aよりも低圧側に配置され、第1壁部18aの壁面に対して略直交する方向に面する第2壁部18bとを配置することができる。このため、漏洩流体Jの流通方向が複数回(例えば、3回)変化させることができ、全圧損失を大きくすることができる。よって、簡素な構造で、漏洩流体Jの動圧を低下させることができ、漏洩流体Jの流量を低減することができる。
尚、上述の第1実施形態では、環状溝17に形成された凹部18は、環状溝17の底面17aから垂直方向に沿って立ち上がる第1壁部18aと、第1壁部18aの底面17aとは反対側に配置され、この底面17aと対向する第2壁部18bとを有している場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、第1壁部18aは、環状溝17に流れ込む漏洩流体Jの流通方向に対して交差する方向に面するように形成されていればよい。また、第2壁部18bは、第1壁部18aの壁面に対して交差する方向に面するように形成されていればよい。このように構成することで、漏洩流体Jの流通方向を複数回変化させることができる。
また、上述の第1実施形態では、環状溝17の底面17aと、凹部18の第2壁部18bとの間の距離L1は、環状溝17の底面17aとハブシュラウド81の1段目のステップ部71aとの間の距離L2と略同一に設定されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、環状溝17の底面17aと、凹部18の第2壁部18bとの間の距離L1は、凹部18内に漏洩流体Jを受け入れることが可能で、且つこの漏洩流体Jの流通方向を複数回変化させることができる長さに設定されていればよい。さらに、漏洩流体Jの流通方向を変化させる回数は3回に限られるものではなく、少なくとも2回であればよい。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を図1を援用し、図5に基づいて説明する。尚、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
図5は、第2実施形態における環状溝217周辺の概略構成図であって、図2に対応している。
この第2実施形態において、ガスタービン1は、圧縮空気を生成する圧縮機2と、圧縮機2から供給される圧縮空気に燃料を供給して燃焼ガスを生成する複数の燃焼器3と、少なくとも1段ずつのタービン静翼5、及びタービン動翼6を有し、燃焼器3から供給される燃焼ガスにより回転動力を発生させるタービン4とを備えている点、圧縮機2は、空気(流体)を取り込む空気取入口20aを前側に向けて配設された圧縮機ケーシング20と、空気取入口20aに配設されたIGV12と、圧縮機ケーシング20内に配設された複数の圧縮機静翼21、及び複数の圧縮機動翼22とを備え、これら圧縮機ケーシング20、複数の圧縮機静翼21、及び複数の圧縮機動翼22によって圧縮流路25が形成されている点、ロータ7には、圧縮機静翼本体51に対応する部位に環状溝217が形成されており、この環状溝217にハブシュラウド81が臨まされた状態になっている点、ハブシュラウド81には、シールフィン15a,15bが径方向に沿って、且つロータ7側に向かって立設されている点等の基本的構成は、前述した第1実施形態と同様である。
ここで、図5に示すように、第2実施形態と第1実施形態の相違点は、第1実施形態の環状溝17には、上流側の内側面17bに凹部18が形成されているのに対し、第2実施形態の環状溝217には、凸部19が形成されている点にある。
より詳しくは、環状溝217の上流側の内側面217bには、環状溝217の底面217a側に、軸方向D平面視リング状の凸部19が形成されている。凸部19は、環状溝217の底面217aから垂直方向に沿って立ち上がる第1壁部19aと、第1壁部19aの底面217aとは反対側に配置され、この底面217aと同一方向に沿って延在する第2壁部19bとを有している。
ここで、環状溝217の底面217aから凸部19の第2壁部19bまでの高さT1は、
環状溝217の底面217aとハブシュラウド81の1段目のステップ部71aとの間の距離L2よりも短く設定されている。このように構成された凸部19とハブシュラウド81の1段目のステップ部71aとが協働して漏洩流体Jの流量が低減される。以下、凸部19の作用についてより詳しく説明する。
(凸部の作用)
次に、図5に基づいて、環状溝217に形成されている凸部19の作用について説明する。
まず、環状溝217内の高圧側となる下流側から流入した漏洩流体Jは、第2シールフィン15bの先端部と環状溝217の底面217aとの間の微小隙間H2を通り、さらに、第1シールフィン15aの先端部と環状溝217の底面217aとの間の微小隙間H1を通り、環状溝217の低圧側となる上流側へ流出する。このとき、漏洩流体Jは、微小隙間H1を通って流出するので、その流出方向は軸方向Dに沿う方向になっている。
微小隙間H1から流出した漏洩流体Jは、凸部19の第1壁部19aに衝突する。すると、漏洩流体Jは、第1壁部19aよりも低圧側に位置するハブシュラウド81の1段目のステップ部71aの方へ向きを変える(図5におけるX2部参照)。さらに、この1段目のステップ部71aに漏洩流体Jが衝突し、軸方向D上流側(図5における左側)へと漏洩流体Jが向きを変える(図5におけるY2部参照)。この後、漏洩流体Jは、環状溝217の低圧側の内側面217bに衝突し、この内側面217bに沿うように向きを変えて主流側(図5における上側)へと流れる(図5におけるZ2部参照)。
このように、漏洩流体Jは、この流通方向に対して略直交する方向に面する凸部19の第1壁部19aと、この第1壁部19aよりも低圧側に配置され、第1壁部19aの壁面に対して略直交する方向に面するハブシュラウド81の1段目のステップ部71aとにより流通方向が複数回(3回)変化する。このため、漏洩流体の全圧損失が大きくなり、動圧が低下して漏洩流体Jの流量が低減される。
また、凸部19に漏洩流体Jが衝突し、この漏洩流体Jの流通方向が急激に変化することにより、漏洩流体Jの一部が剥離して剥離渦U21が形成される。また、ハブシュラウド81の1段目のステップ部71aに漏洩流体Jが衝突し、この漏洩流体Jの流通方向が急激に変化することにより、漏洩流体Jの一部が剥離して剥離渦U22が形成される。これら剥離渦U21、U22によって、漏洩流体Jが混合(ミキシング)され、さらに漏洩流体Jの動圧が低下する。これにより、漏洩流体Jの流量がさらに低減される。また、シールフィン15aの低圧側側面上においてシールフィン15aの基端側から先端側に向かって流れる下向きの剥離渦U21による漏洩流体Jに対する縮流効果により、漏洩流体Jの流量がさらに低減される。
(シミュレーション)
ここで、図3、図4に基づいて、上述の第2実施形態の環状溝217と従来の環状溝、及び前述の第1実施形態の環状溝17における圧力の損失係数の比較を行ったシミュレーション結果について説明する。
図3、図4に示すように、測定ポイントP1〜P3にあっては、従来と、第2実施形態とで形状に差異が無いので、損失係数が同じになることが確認できる。これに対し、測定ポイントP3〜P4の間において、第2実施形態では、凸部19とハブシュラウド81の1段目のステップ部71aとが協働して、漏洩流体Jの流通方向を複数回変化させるので損失係数が大きくなることが確認できる。これに加え、複数の剥離渦U21,22が形成されるので、漏洩流体Jが前述の第1実施形態と比較して、さらに混合(ミキシング)されるので、第1実施形態よりも損失係数が大きくなることが確認できる。
(効果)
したがって、上述の第2実施形態では、環状溝217の上流側の内側面217bに凸部19を形成することにより、漏洩流体Jの流通方向に対して略直交する方向に面する凸部19の第1壁部19aと、この第1壁部19aよりも低圧側に配置され、第1壁部19aの壁面に対して略直交する方向に面するハブシュラウド81の1段目のステップ部71aとを協働させて漏洩流体Jの流通方向を複数回(例えば、3回)変化させることができる。このため、さらに漏洩流体Jの全圧損失を大きくすることができ、簡素な構造で、動圧を低下させることができ、漏洩流体Jの流量をより確実に低減することができる。
尚、上述の第2実施形態では、環状溝217に形成された凸部19は、環状溝217の底面217aから垂直方向に沿って立ち上がる第1壁部19aと、第1壁部19aの底面217aとは反対側に配置され、この底面217aと対向する第2壁部19bとを有している場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、第1壁部19aは、環状溝17に流れ込む漏洩流体Jの流通方向に対して交差する方向に面するように形成されていればよい。また、第2壁部19bは、第1壁部19aの壁面に対して交差する方向に面するように形成されていればよい。このように構成することで、漏洩流体Jの流通方向を複数回変化させることができる。
また、上述の第2実施形態では、環状溝217の底面217aから凸部19の第2壁部19bまでの高さT1は、環状溝217の底面217aとハブシュラウド81の1段目のステップ部71aとの間の距離L2よりも短く設定されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、環状溝217の底面217aから凸部19の第2壁部19bまでの高さT1は、凸部19とハブシュラウド81の1段目のステップ部71aとが協働して漏洩流体Jの流通方向を複数回変化させることができる長さに設定されていればよい。さらに、漏洩流体Jの流通方向を変化させる回数は3回に限られるものではなく、少なくとも2回であればよい。
また、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、ハブシュラウド81に2つのシールフィン15a,15bを立設し、第1実施形態では、ロータ7の圧縮機静翼本体51に対応する部位に、環状溝17を形成し、この環状溝17の低圧側の内側面17bに凹部18を形成し、第2実施形態では、ロータ7の圧縮機静翼本体51に対応する部位に、環状溝217を形成し、この環状溝217の低圧側の内側面217bに凸部19を形成する場合について説明した。
しかしながら、圧縮機動翼本体52の不図示のチップシュラウドに2つのシールフィン15a,15bを立設すると共に、圧縮機ケーシング20の内周面における圧縮機動翼本体52に対応する部位に環状溝17を形成し、この環状溝17に凹部18を形成してもよいし、圧縮機ケーシング20の内周面における圧縮機動翼本体52に対応する部位に環状溝217を形成し、この環状溝217に凸部19を形成してもよい。
また、環状溝17,217に凹部18や凸部19を形成する場合に限られず、微小隙間H1から流出した漏洩流体Jの流通方向が複数回変化する構造を、環状溝17,217の低圧側に設ければよい。
さらに、上述の実施形態では、ハブシュラウド81に2つのステップ部71a,71bを形成し、各ステップ部71a,71bに、それぞれシールフィン15a,15bを立設すると共に、環状溝17,217の底面17a,217aに、2つのステップ部72a,72bを形成した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ハブシュラウド81にステップ部71a,71bを形成しなくてもよし、ステップ部71a,71bの個数を任意に設定してもよい。また、環状溝17,217の底面17a,217aにステップ部72a,72bを形成しなくてもよいし、ステップ部72a,72bの個数を任意に設定してもよい。さらに、ハブシュラウド81に、少なくとも1つのシールフィン15aが立設されていればよい。
そして、上述の実施形態では、ガスタービン1の圧縮機2に本発明を適用した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、発電プラント、化学プラント、ガスプラント、製鉄所、船舶等に用いられる圧縮機、タービン等のさまざまな回転機械に本発明を適用することが可能である。
さらに、上述の実施形態では、圧縮機静翼本体51の先端側にハブシュラウド81が設けられていると共に、圧縮機動翼本体52の先端側に不図示のチップシュラウドが設けられている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ハブシュラウド81、及びチップシュラウドを設けない場合であっても本発明を適用することができる。この場合、圧縮機静翼本体51、及び圧縮機動翼本体52のみ本発明における「ブレード」となる。すなわち、圧縮機静翼本体51を「ブレード」とした場合はロータ7を「構造体」とし、一方、圧縮機動翼本体52を「ブレード」とした場合は圧縮機ケーシング20を「構造体」とする。そして、圧縮機静翼本体51、及び/又は圧縮機動翼本体52の先端にシールフィン15a,15bを設け、環状溝17,217にそれぞれ凹部18や凸部19を形成すればよい。
1 ガスタービン(回転機械)
7 ロータ(構造体)
17,217 環状溝
17a,217a 底面
17b,217b 内側面(上流側端部)
18 凹部
18a,19a 第1壁部
18b,19b 第2壁部
19 凸部
20 圧縮機ケーシング(構造体)
21 圧縮機静翼(ブレード)
22 圧縮機動翼(ブレード)
51 圧縮機静翼本体(ブレード)
52 圧縮機動翼本体(ブレード)
81 ハブシュラウド(ブレード)

Claims (2)

  1. ブレードと、
    前記ブレードの周囲を取り囲むように形成され、前記ブレードに対して相対回転する構造体とを備え、
    前記構造体の前記ブレードの先端に対応する位置に、この先端を受け入れ、且つこの先端との間の隙間を確保する環状溝を形成すると共に、
    前記ブレードの先端側の先端面に、少なくとも1つのシールフィンを前記環状溝の底面に向かって立設し、前記シールフィンの先端と前記環状溝の底面との間に径方向の微小隙間を形成し、該微小隙間を高圧側から低圧側に向かって漏洩流体が流通する回転機械であって、
    前記ブレードは、前記先端面の前記低圧側に接続されて該ブレードの基端側に向かって延びる端面を有し、
    前記環状溝は、
    前記底面の前記低圧側に該底面から前記基端側に向かって延びる第1壁部と、
    該第1壁部における前記基端側に接続されて前記底面に対向するように前記高圧側に向かって延びる第2壁部と、
    該第2壁部の前記高圧側に接続されて前記ブレードの端面の前記低圧側に対向するように前記ブレードの基端側に向かって延びる内側面とを有し、
    前記底面と前記第2壁部との距離は、前記底面と前記先端面との距離と同一に設定されていることを特徴とする回転機械。
  2. ブレードと、
    前記ブレードの周囲を取り囲むように形成され、前記ブレードに対して相対回転する構造体とを備え、
    前記構造体の前記ブレードの先端に対応する位置に、この先端を受け入れ、且つこの先端との間の隙間を確保する環状溝を形成すると共に、
    前記ブレードの先端側の先端面に、少なくとも1つのシールフィンを前記環状溝の底面に向かって立設し、前記シールフィンの先端と前記環状溝の底面との間に径方向の微小隙間を形成し、該微小隙間を高圧側から低圧側に向かって漏洩流体が流通する回転機械であって、
    前記ブレードは、前記先端面の前記低圧側に接続されて該ブレードの基端側に向かって延びる端面を有し、
    前記環状溝は、
    前記底面の前記低圧側に該底面から前記基端側に向かって延びる第1壁部と、
    該第1壁部における前記基端側に接続されて前記低圧側に向かって延びる第2壁部と、
    該第2壁部の前記低圧側に接続されて前記ブレードの端面の前記低圧側に対向するように前記ブレードの基端側に向かって延びる内側面とを有し、
    前記底面と前記第2壁部との距離は、前記底面と前記先端面との距離よりも短く設定されていることを特徴とする回転機械。
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