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JP5863607B2 - 歩行者警告装置 - Google Patents
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Description

本発明は、車両に搭載され歩行者に警告を発する歩行者警告装置に関する。
交通事故は、歩行者の事故の割合が多く、例えば夕暮れまたは夜間時に発生し易い。特に高齢者においては、車両に気付かない、あるいは車両と自身との距離を見誤るなどして、無理な横断を行い、事故に遭う事例が見られる。
近年、ハイブリッド車や電気自動車が普及しているが、これらの車両は静粛性が高く、歩行者による車両の認知がますます困難になっている。これらの車両に対しては、擬似走行音やクラクションなどで、歩行者に自車を認識させることも考えられる。
しかし、擬似走行音やクラクションにより警告を行うと、静粛性が損なわれ、また、対向車などの周囲への騒音による影響が考えられる。このため、上記の警告は、使用に制約がある。
一方、歩行者を検出し、車両の運転者に報知する技術が知られている。しかし、この技術は、車両側だけで事故の回避をするものであり、ある程度の速度で走行している車両には慣性があることから、事故の回避にも限界がある。
また上記の技術では、検知距離が長くかつ高精度なカメラが必要とされるので、コストが高くなり、普及し難い。さらに、事故の回避動作として、急ブレーキをかけてしまうと、後続車に追突される可能性もあるので、急ブレーキをかけるような状況を未然に防止することが好ましい。
特許文献1には、歩行者に対して音と光とを出力し、歩行者に自車を報知する技術が記載されている。しかし、特許文献1に記載の技術は、単に歩行者に報知するだけであり、横断者に対して警告し、事故の回避動作を促すものではない。
特許文献2には、状況に応じて音量を変化させた警告音により、歩行者に注意を喚起する技術が記載されているものの、音量を状況に応じて変化させるため、静粛性が損なわれる場合もあり得る。一例として、聴力の衰えた高齢者や周囲の騒音環境を考慮した場合には、上記の技術では、ある程度以上の音量に設定する必要があり、静粛性が損なわれてしまう。
特開2011−218826号公報 特開2011−189916号公報 特開2010−93610号公報 特開2010−244474号公報
ところで、歩行者と自車との距離は、通常、2つのカメラから得られた2つの画像の視差を利用して正確に測定されるため、複雑な構成が必要となる。これに対して、特許文献3、4には、単眼カメラを用いて歩行者を検知する技術が記載されている。これらの技術によれば、検知される対象物が移動しているか否かを検知し、自車から対象物までの距離のデータが不要となる。
しかし、上記技術では、検知される対象物の移動を検知するものの、対象物が警告を行うべき対象物であるか否かは判定していない。
本発明は、このような課題に鑑み、簡素な構成で歩行者に事故回避行動を促し、静粛性を損なうことなく事故の可能性を低減できる歩行者警告装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる歩行者警告装置の代表的な構成は、車両に搭載され歩行者に警告を発する歩行者警告装置において、車両前方を撮像し画像を生成する1つの撮像部と、画像内の歩行者の位置を検知する歩行者検知部と、車両が将来進行すると予測される自車進行領域を画像内に設定する自車進行領域設定部と、歩行者の位置および自車進行領域に基づいて、自車進行領域に歩行者が侵入しているか否かを判定する歩行者侵入判定部と、自車進行領域に歩行者が侵入していると判定されたとき、車両の進行方向を基準として車両から歩行者に向かう方向が成す相対角度を計測する相対角度計測部と、相対角度に基づき、車両から歩行者に向かって狭指向性の警告音を出力する警告部とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、1つの撮像部で車両前方を画像として捉え、この画像を画像処理することで歩行者の位置を検知する。なお撮像部としては、赤外線カメラが挙げられる。赤外線カメラを用いることで、夜間でも歩行者の検知が可能となる。さらに、歩行者が自車進行領域に侵入している場合には、車両の進行方向に対して歩行者がどういう位置関係にあるかを示す相対角度に基づいて、この歩行者に向けて狭指向性の警告音を出力する。
なお既存の技術では、2つのカメラから得られた画像に基づいて、左右の視差を利用して歩行者などの対象物までの距離(奥行)を測定している。これに対して、上記構成では、車両に対する歩行者の相対角度を計測しているので、歩行者までの距離を正確に測る必要がない。また、警告部は、狭指向性のスピーカなどであり、車両のクラクションやライトとは異なり、対象となる歩行者にのみ警告音を出力でき、歩行者の周囲に騒音あるいは光による影響を与えず静粛性が損なわれない。したがって、上記構成によれば、比較的簡素な構成で、歩行者に事故回避行動を促し、静粛性を損なうことなく事故の可能性を低減できる。
上記の自車進行領域に複数の歩行者が侵入していると判定されたとき、自車進行領域でのそれぞれの歩行者の位置の、車両の進行方向における座標に応じて遠近を判定し、座標の置が小さい歩行者ほど自車から近く危険度が高いと判定する危険度判定部をさらに備え、相対角度測定部は、危険度判定部で危険度が最も高いと判定された歩行者の相対角度を計測するとよい。
これにより、自車進行領域に複数の歩行者が存在した場合、自車との距離に応じて警告の優先度を決定できる。すなわち、複数の歩行者のうち、自車との距離がより小さい位置に存在する歩行者に対して、まず警告音を出力し、事故の可能性をより低減できる。
上記の自車進行領域の、自車の進行方向に直交する左右方向の幅が、自車の幅より大きいとよい。これにより、歩行者が自車の幅で規定された領域ではなく、自車の幅より大きい幅を有する自車進行領域に侵入したとき、相対角度に基づいて警告音が出力される。よって、歩行者に対してより迅速に事故回避行動を促すことが可能となる。
上記課題を解決するために、本発明にかかる他の歩行者警告装置の代表的な構成は、車両に搭載され歩行者に警告を発する歩行者警告装置において、車両前方を撮像し画像を生成する1つの撮像部と、画像内の歩行者の位置を検知する歩行者検知部と、車両が将来進行すると予測される自車進行領域を画像内に設定する自車進行領域設定部と、歩行者の位置および自車進行領域に基づいて、自車進行領域に歩行者が侵入しているか否かを判定する歩行者侵入判定部と、自車進行領域に歩行者が侵入していないと判定されたとき、画像内での歩行者の危険度を判定する危険度判定部と、危険度判定部により危険度が高いと判定された歩行者について、車両の進行方向を基準として車両から歩行者に向かう方向が成す相対角度を計測する相対角度計測部と、相対角度に基づき、車両から歩行者に向かって狭指向性の警告音を出力する警告部とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、上記同様に、車両に対する歩行者の相対角度を計測しているので、歩行者までの距離を正確に測る必要がなく、撮像部は1つで済む。また、また、警告部は、狭指向性のスピーカなどであり、歩行者の周囲に騒音あるいは光による影響を与えず、静粛性が損なわれない。
さらに、上記構成では、自車進行領域に侵入してはいないが、画像内の危険度の高い歩行者を特定し、この歩行者の車両に対する相対角度に基づいて、歩行者に狭指向性の警告音を出力できる。したがって、比較的簡素な構成で、自車進行領域に未だ侵入していない歩行者に対して事故回避行動を促し、静粛性を損なうことなく事故の可能性をより低減できる。
上記の危険度判定部は、画像内に自車進行領域の先の消失点を設定し、消失点から歩行者の最下点を通る直線が、下縁ラインと交差する交差点を特定し、交差点が画像の中心方向に向かって移動するとき危険度が高いと判定するとよい。
これにより、交差点が画像の中心方向に向かっているときは、歩行者が自車進行領域に近付いているので、危険度が高いと判定できる。なお、交差点が画像の中心から遠ざかる方向に向かっているときは、歩行者が自車進行領域から遠ざかっているので、危険度が低いと判定してよい。このように、交差点に着目することで、歩行者の移動方向に伴う自車進行領域への侵入の危険性も判定できる。
上記の危険度判定部は、交差点が画像の中心方向に向かって移動する場合であって、交差点の単位時間当たりの移動量が所定値を越えるとき、危険度が高いと判定するとよい。これにより、交差点の移動方向だけでなく、単位時間当たりの移動量も考慮して、より精度の高い危険度の判定が可能となる。
上記の歩行者検知部が検知する歩行者の位置は、歩行者の最下点の座標であり、歩行者侵入判定部による判定は、歩行者の最下点の座標が自車進行領域内に位置するか否かによって行われ、相対角度は、画像の下縁である下縁ラインの中央から垂直に延びる車両の進行方向を示す直線と、下縁ラインの中央から歩行者の最下点までを結ぶ直線との成す角度により得られるとよい。
これにより、各角度に対応した直線から画像内に位置する線分を設定し、歩行者の最下点の座標がどの線分上に存在するかを判定することで、自車に対する歩行者の相対角度を算出できる。
本発明によれば、簡素な構成で歩行者に事故回避行動を促し、静粛性を損なうことなく事故の可能性を低減できる歩行者警告装置を提供することが可能となる。
本発明の実施形態における歩行者警告装置を適用する車両を概略的に例示した図である。 図1の歩行者警告装置の機能ブロック図である。 図2の歩行者警告装置の動作を例示したフローチャートである。 図2の歩行者警告装置での自車に対する歩行者の相対角度を計測する手法を説明する図である。 図2の歩行者警告装置での歩行者の移動方向に伴う危険度の判定を説明する図である。 本発明の他の実施形態である歩行者警告装置の動作を例示したフローチャートである。 図6の歩行者警告装置での歩行者の上下方向の位置に伴う危険度の判定を説明する図である。 図2の歩行者警告装置により歩行者に警告を出力した場合での具体例を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明の実施形態における歩行者警告装置を適用する車両を概略的に例示した図である。図1(a)は、歩行者警告装置を備えた車両の上面図である。図1(b)は、赤外線カメラにより得られる画像データを例示する図である。
歩行者警告装置100は、図1(a)に示すように、車両102に搭載され歩行者に警告を発する装置であり、1つの撮像部(赤外線カメラ104)と、車両前側に設置された警告部(スピーカ106)とを備える。赤外線カメラ104は、車両前方を撮像し、撮像データを生成する。なお図1(b)に例示する画像データ108は、撮像データに対して後述する画像処理を施して生成された加工データである。
スピーカ106は、裏面に配置されたアクチュエータ110により任意の角度に駆動され、図中一点鎖線で示すように、狭指向性の警告音112を出力する。ここでは、スピーカ106は、画像データ108内に存在する歩行者A、Bのうち、図1(a)に示すように歩行者Aに向けてのみ警告音112が出力されている。
歩行者Aは、車両前後方向に延びていて対向する判定ライン114a、114bの間に位置し車両が将来進行すると予想される自車進行領域116内に存在している。なお歩行者Bは、判定ライン114bの外側に位置し自車進行領域116には存在していない。つまり、判定ライン114a、114bとは、歩行者が自車進行領域116内に存在しているか否かを判定するラインである。
自車進行領域116の車幅方向に沿った幅Waは、車両102の車幅Wbに、車外側にそれぞれ余裕分の幅Wcを加算した値である(すなわち、Wa=Wb+2Wc)。なお幅Wcは、車両102の速度に応じて適宜設定してよい。一例として、車両102が30〜40km/hで走行していた場合には、余裕分の幅2Wcを車幅Wbと同じ程度に設定してよい。
なお赤外線カメラ104から延びるように図1(a)にて点線で示されたライン118a、118b同士が成す角度は、いわゆる視野角に対応してよい。また、画像データ108内での双方の判定ライン114a、114bは、図1(b)に示すように、画像データ108の下縁となる下縁ライン120にそれぞれの交わる点122a、122bから画面中央の消失点124に向けて引かれた線分として示されている。
以下、図2および図3を参照して、歩行者警告装置100の機能および動作を説明する。図2は、図1の歩行者警告装置100の機能ブロック図である。図3は、図2の歩行者警告装置100の動作を例示したフローチャートである。
歩行者警告装置100は、図2に示すように、上記赤外線カメラ104、スピーカ106およびアクチュエータ110に加えて、車両情報取得部126と、警告可否判定部128と、画像情報取得部130と、自車進行領域設定部132と、歩行者検知部134と、制御部136とを備える。制御部136は、例えばアクチュエータ110を駆動する駆動信号を生成するものであり、歩行者侵入判定部138、相対角度計測部140および危険度判定部142を備える。
車両情報取得部126は、例えば、車両ECU(Electronic Control Unit)あるいはナビゲーション装置などから車両情報、すなわち車両が走行しているか、左折中または右折中ではなく直進しているかなどを取得する。
警告可否判定部128は、車両情報取得部126からの車両情報に基づいて、図3に示すように、警告の可否を判定する(ステップS101)。ステップS101では、上記の車両情報により車両が走行し直進しているという条件が成立したとき、警告を許可して(Yes)、ステップS103の処理に進み、条件が成立しなければ、歩行者への警告は妥当でないと判定し(No)、再度、ステップS101の処理に戻る。
警告可否判定部128により警告が許可されると、赤外線カメラ104が起動し、車両102の前方を撮像し、撮像データが生成される。つぎに、画像情報取得部130は、赤外線カメラ104で生成された撮像データに基づいて画像情報を取得し(ステップS103)、自車進行領域設定部132および歩行者検知部134に出力する。
自車進行領域設定部132は、画像情報取得部130から得た画像情報に基づいて、図1(a)および図1(b)に示す上記自車進行領域116を設定する(ステップS105)。ステップS105では、1つの赤外線カメラ104によって1点で測定することで得られた画像情報に基づいて、幅Waが画像データ108上でどの程度のスケールとなるか測定する。そして、上記下縁ライン120との交点122a、122bから消失点124に向かって引いた線分を判定ライン114a、114bとし、その判定ライン114a、114b間に位置する領域を自車進行領域116として設定する。
また、歩行者検知部134は、画像情報取得部130から得た画像情報に基づいて、パターンマッチングや表面温度が28℃〜39℃の顔形状を検知するなどにより、画像内の歩行者の位置を検知する(ステップS107)。なお、ここでの歩行者の位置とは、歩行者の最下点の座標である。
続いて、歩行者侵入判定部138は、自車進行領域設定部132で設定された自車進行領域116と、歩行者検知部134で検知された歩行者の位置とに基づいて、自車進行領域116内に歩行者が存在するか否かを判定する(ステップS109)。ステップS109で自車進行領域116内に歩行者が存在すれば(Yes)、相対角度計測部140は、自車の進行方向に対する歩行者の相対角度の計測を行う(ステップS111)。
ステップS111では、相対角度計測部140に、歩行者侵入判定部138から判定結果が出力されると、ステップS105で設定された自車進行領域116と、ステップS107で生成された歩行者の位置とに基づいて、上記相対角度を計測する。なお、上記判定結果を示す信号は、相対角度計測部140の起動信号となる。
図4は、図2の歩行者警告装置100での自車に対する歩行者の相対角度を計測する手法を説明する図である。図4(a)は、簡略化して示す画像データ108Aを用いて相対角度を説明する図である。図4(b)は、相対角度の計測の原理を示す模式図である。
まず、相対角度計測部140は、図4(a)に示すように、画像データ108A内の歩行者Aの最下点Cと画像データ108Aの下縁ライン120の中央点122Cとを結ぶ直線144を生成する。そして、相対角度計測部140は、この直線144と、中央点122cと消失点124とを結ぶ直線145との成す角度Yを、車両102の進行方向に対する歩行者の相対角度としてよい。言い換えると、相対角度は、車両102の進行方向を基準として車両102から歩行者Aに向かう方向が成す角度をいう。
ここで図4(b)に示すように、単純な平板状の光学レンズ146と、受光素子148とを備えたカメラ104Aを用いた相対角度の計測の原理について説明する。なおカメラ104Aは、視野角X、焦点距離Lとする。
点Dからの映像は、カメラ104Aの視野端に位置するため、光学レンズ146の中心線150から「L・tan(X/2)」の位置Eに投影される。また、カメラの正面すなわち中心線150から角度Yずれた点Fからの映像は、中心線150から「L・tan(Y)」の位置Gに投影される。
ここで図4(a)に示すように、視野角Xに対応する映像(画像データ108A)の左右幅がピクセルZ(画素数がZ個)である場合、点Dが「Z/2」ピクセルの位置となる(図4(b)参照)。このため、角度Yに対応する点Fの画像データ108A上の位置は、式「tan(Y)/tan(X/2)・Z/2」で示すピクセルの位置となる。
この式により、各角度に対応した直線から画像データ108内に位置する線分を複数設定し、歩行者Aの最下点Cがどの線分上に存在するかを判定することで、自車に対する歩行者の相対角度Yを算出できる。なおここでは、単純な平板状の光学レンズ146を用いて説明したが、通常使用される曲面レンズであっても、屈折率を考慮することで上記同様の変換が可能となる。
このようにして、図2に示す相対角度計測部140は、ステップS111での相対角度の計測を行う。続いて、相対角度計測部140は、計測した相対角度に応じた駆動信号をアクチュエータ110に出力する。アクチュエータ110は、相対角度計測部140からの駆動信号を受けて、スピーカ106を駆動し、自車進行領域116内に存在する歩行者Aにスピーカ106を向ける(ステップS113)。つまり、相対角度は、自車進行領域116内の歩行者の位置情報として用いられる。
続いてスピーカ106は、図1に示すように、車両102から歩行者Aに向けて狭指向性の警告音112を出力する(ステップS115)。
上記ステップS109で自車進行領域116内に歩行者が存在しないとき(No)、危険度判定部142は、ステップS107で得られた自車進行領域116以外の画像内に存在する歩行者の位置と、ステップS105で設定された自車進行領域116とに基づいて、歩行者の危険度を判定する(ステップS117)。なお、ステップS109での判定結果を示す信号は、危険度判定部142の起動信号となる。
図5は、図2の歩行者警告装置100での歩行者の移動方向に伴う危険度の判定を説明する図である。図5(a)は、画像データ108B内に、自車進行領域116を規定する判定ライン114a、114bの車外側にそれぞれ複数の線分152、154を設定した状態を示す図である。図5(b)は、図5(a)の一部を拡大した画像データ108Cを例示する図である。
複数の線分152、154は、図5(a)に示すように、画像データ108Bの下縁ライン120を延長した箇所から消失点124に向けて延びている。このとき、線分152、154は、判定ライン114a、114bと並行な関係を保つので、歩行者がどの線分上に存在するかによって、歩行者と判定ライン114a、114bとの位置関係を推定できる。
一例として図5(b)に示すように、図5(a)の画像データ108Bの右側側部を切り出して示す画像データ108Cに基づいて説明する。また、画像データ108C上に設定した線分152に含まれる線分152a上に歩行者Hの最下点が存在する場合を想定する。ここで、線分152aは、外側から3番目の線分である。このとき、線分152aと下縁ライン120とは、交差点155aにて交差している。なお、歩行者Hの最下点が線分152aに存在する時刻をT1と仮定する。
そして時刻T2において、歩行者Hの最下点が位置Iに移動した場合、位置Iは、線分152のうち自車進行領域116の判定ライン118aに最も近い線分152b上にある。このとき、線分152bと下縁ライン120とは、交差点155bにて交差している。つまり、時刻T1からT2の間で、交差点155aは、自車進行領域116に向かって移動している。この場合には、危険度判定部142は、自車進行領域116に侵入する危険度が高いと判定する。
また、歩行者Hの最下点が位置Jに移動した場合、位置Jは、線分152のうち最も外側にある線分152c上にある。このとき、線分152cと下縁ライン120とは、交差点155cにて交差している。つまり、時刻T1からT2の間で、交差点155aは、自車進行領域116から遠ざかる方向に向かって移動している。この場合には、危険度判定部142は、自車進行領域116に侵入し横断する兆候はなく、危険度が低いと判定する。
さらに、歩行者Hの最下点が位置Kに移動した場合、位置Kは、内側から3番目の線分152d上にある。このとき、線分152dと下縁ライン120とは、交差点155dにて交差している。つまり、時刻T1からT2の間で、交差点155aは、自車進行領域116に向かって移動している。しかし、この場合には、危険度判定部142は、位置Iに移動した場合と同様に自車進行領域116に侵入する兆候はあるものの、歩行者Hの最下点が位置Iにある場合よりは、自車進行領域116から遠いので危険度が低いと判定する。
このようにして、危険度判定部142は、交差点155aの移動方向に伴って、危険度を判定できる。なお、移動方向としては、画像データ108C内の中心方向である自車進行領域116に近付く方向、あるいは自車進行領域116から遠ざかる方向がある。
ステップS119で、危険度判定部142は、上記交差点155aが画像データ108Cの中心方向に向かって移動する場合であって、単位時間当たりの移動量が所定値を越えるときは、危険度が高いと判定してもよい。あるいは単位時間当たりの移動量が所定値以下のとき、危険度が低いと判定してもよい。このようにすれば、歩行者Hの移動方向だけでなく、単位時間当たりの移動量も考慮して、より精度の高い危険度の判定が可能となる。
そして、危険度判定部142は、ステップS117で危険度を判定した後、危険度が低ければ(ステップS119、No)、再び上記ステップS101の処理に戻る。一方、ステップS119で危険度が高いと判定すれば(Yes)、危険度判定部142は、判定結果を相対角度計測部140に出力する。
続いて、相対角度計測部140は、上記ステップS111にて危険度が高い歩行者の相対角度を計測する。その後、アクチュエータ110は、相対速度に基づいて駆動し(ステップS113)、さらにステップS115にてスピーカ106が警告音を出力する。その後、再びステップS101の処理を繰り返す。
このように本実施形態の歩行者警告装置100によれば、1つの赤外線カメラ104で車両前方を画像として捉え、この画像を画像処理することで歩行者の有無あるいは位置を検知できる。なお、赤外線カメラ104を用いることで、夜間でも歩行者の検知が可能となる。
また、歩行者が自車進行領域116に侵入している場合には、車両の進行方向に対して歩行者がどういう位置関係にあるかを示す相対角度に基づいて、この歩行者に向けて狭指向性のスピーカ106で警告音を出力する。このように、相対角度を計測しているので、歩行者までの距離を正確に測る必要がなく、赤外線カメラ104が1つで済み、構成を簡素化できる。
さらに、狭指向性のスピーカ106は、クラクションあるいはライトとは異なり、対象となる歩行者にのみ警告音を出力できるので、歩行者の周囲に騒音あるいは光による影響を与えず静粛性が損なわれない。したがって、比較的簡素な構成で、歩行者に事故回避行動を促し、静粛性を損なうことなく事故の可能性を低減できる。なお歩行者の事故回避動作だけでなく、運転者による回避動作も当然に合わせて実行されることで、より事故の可能性を低減できる。
また、自車進行領域116の幅Waは、車両102の幅Wbよりも大きいので、歩行者が車両102の幅Wbで規定された領域ではなく、幅Wbより大きい幅Waを有する自車進行領域116に侵入したとき、相対角度に基づいて警告音を出力できる。よって、歩行者に対してより迅速に事故回避行動を促すことが可能となる。
さらに、自車進行領域116に侵入してはいないが、画像内の危険度の高い歩行者を特定し、この歩行者の車両に対する相対角度に基づいて、歩行者に狭指向性の警告音を出力できる。したがって、比較的簡素な構成で、自車進行領域116に未だ侵入していない歩行者に対して事故回避行動を促し、静粛性を損なうことなく事故の可能性をより低減できる。
上記実施形態では、自車進行領域116内に歩行者が1人だけ侵入した例を説明したが、これに限定されず、自車進行領域116に複数の歩行者が侵入した場合には、最も危険度が高い歩行者に対して優先的に警告音を出力してもよい。
図6は、本発明の他の実施形態である歩行者警告装置の動作を例示したフローチャートである。ここでの歩行者警告装置は、図2に示した機能ブロック自体は上記の歩行者警告装置100と同一であるが、歩行者侵入判定部138および危険度判定部142の処理が異なる。
すなわち、上記したステップS101〜S107の後、歩行者侵入判定部138は、自車進行領域116内に歩行者が存在しなければ(ステップS201、No)、再び上記ステップS101に戻る。一方、ステップS201で自車進行領域116内に歩行者が存在すると(Yes)、歩行者侵入判定部138は、歩行者が複数か否かを判定する(ステップS203)。
ステップS203で歩行者が複数でなければ(No)、上記ステップS111〜S115を実行する。一方、歩行者が複数であれば(ステップS203、Yes)、危険度判定部142は、複数の歩行者と自車との距離を判定し(ステップS205)、最も距離の近い歩行者を決定する(ステップS207)。
図7は、図6の歩行者警告装置での歩行者の上下方向の位置に伴う危険度の判定を説明する図である。ここでは、画像データ108Dに示すように、自車進行領域116に2人の歩行者M、Nが存在する場合を想定する。
この場合には、画像データ108D内に水平な線分156a、l56bを設定する。ここでは、線分156aの方が線分156bよりも手前側に位置しているので、自車との距離(すなわち、衝突までの猶予)が小さいと分かる。なお、歩行者M、Nの最下点の座標は、それぞれ線分156a、156b上に位置している。
危険度判定部142は、線分156a上に位置する歩行者Mの方が、線分156b上に位置する歩行者Nよりも危険度が高いと判定する。つまり、危険度判定部142は、自車進行領域116での複数の歩行者の位置の、車両の進行方向における座標に応じて遠近を判定し、この座標の値が小さい歩行者ほど自車から近く危険度が高いと判定している。
このようにして、危険度判定部142は、ステップS205およびステップS207の処理を行う。そして、相対角度計測部140は、危険度判定部142で危険度が最も高い、すなわち自車との距離が小さいと判定された歩行者の相対角度を計測する(ステップS113)。その後、上記ステップS113、S115を実行する。
したがって、図6での歩行者警告装置の処理によれば、自車進行領域116に複数の歩行者が存在した場合、自車との距離に応じて警告の優先度を決定できる。すなわち、複数の歩行者のうち、自車との距離がより小さい位置に存在する歩行者に対して、まず警告音を出力し、歩行者の事故回避動作を促し、事故の可能性をより低減できる。
図8は、図2の歩行者警告装置100により歩行者に警告を出力した場合での具体例を示す図である。ここでは、車体警告装置100を搭載した車両102の車幅Wbを3ナンバーサイズの1.8m、住宅街などを想定して速度8m/s(約30km/h)とした。また、高齢者を想定して歩行速度1.1m/sとした。
このような場合、車両中央に沿った位置にある歩行者Oが、車の端の位置PまたはQまで移動することを想定すると、歩行者の回避行動に要する時間「t1=0.8sec」となる。また、歩行者Oが車両の存在に気付くまでの時間「t2=2.2sec」となる。なおt2は、車両102のブレーキの空走時間に基づいて規定した。
つまり、歩行者Oが車両に気付いてから、回避するまでの時間「T=t1+t2=2.8sec」となる。その間に、車両102が接近する距離は、「8×2.2=22.4m」となる。したがって、上記の想定では、赤外線カメラ104の検知距離は30m程度であれば、上記車体警告装置100が実現可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、車両に搭載され歩行者に警告を発する歩行者警告装置に利用することができる。
100…歩行者警告装置、102…車両、104…赤外線カメラ、106…スピーカ、108…画像データ、110…アクチュエータ、112…警告音、114a、114b…判定ライン、116…自車進行領域、120…下縁ライン、124…消失点、126…車両情報取得部、128…警告可否判定部、130…画像情報取得部、132…自車進行領域設定部、134…歩行者検知部、136…制御部、138…歩行者侵入判定部、140…相対角度計測部、142…危険度判定部

Claims (3)

  1. 車両に搭載され歩行者に警告を発する歩行者警告装置において、
    車両前方を撮像し画像を生成する1つの撮像部と、
    前記画像内の歩行者の位置を検知する歩行者検知部と、
    車両が将来進行すると予測される自車進行領域を前記画像内に設定する自車進行領域設定部と、
    前記歩行者の位置および前記自車進行領域に基づいて、該自車進行領域に歩行者が侵入しているか否かを判定する歩行者侵入判定部と、
    前記自車進行領域に歩行者が侵入していないと判定されたとき、画像内での該歩行者の危険度を判定する危険度判定部と、
    前記危険度判定部により危険度が高いと判定された歩行者について、前記車両の進行方向を基準として該車両から該歩行者に向かう方向が成す相対角度を計測する相対角度計測部と、
    前記相対角度に基づき、前記車両から前記歩行者に向かって狭指向性の警告音を出力する警告部とを備え、
    前記危険度判定部は、
    前記画像内に前記自車進行領域の先の消失点を設定し、
    前記消失点から前記歩行者の最下点を通る直線が、前記撮像部によって生成された前記画像の下縁となる下縁ラインと交差する交差点を特定し、
    前記交差点が前記画像の中心方向に向かって移動するとき危険度が高いと判定することを特徴とする歩行者警告装置。
  2. 前記危険度判定部は、前記交差点が前記画像の中心方向に向かって移動する場合であって、該交差点の単位時間当たりの移動量が所定値を越えるとき、危険度が高いと判定することを特徴とする請求項に記載の歩行者警告装置。
  3. 前記歩行者検知部が検知する歩行者の位置は、歩行者の最下点の座標であり、
    前記歩行者侵入判定部による判定は、歩行者の最下点の座標が前記自車進行領域内に位置するか否かによって行われ、
    前記相対角度は、前記撮像部によって生成された前記画像の下縁となる下縁ラインの中央から垂直に延びる前記車両の進行方向を示す直線と、該下縁ラインの中央から歩行者の最下点までを結ぶ直線との成す角度により得られることを特徴とする請求項1または2に記載の歩行者警告装置。
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