JP5868751B2 - 銀ナノワイヤ分散液の製造方法 - Google Patents
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Description
本態様による金属ナノワイヤ分散液の製造方法は、(1)水溶媒中で合成された、低分子分散剤で表面修飾された金属ナノワイヤを含む分散液と、高分子分散剤と、前記低分子分散剤を前記金属ナノワイヤから剥離させる剥離溶液とを、前記高分子分散剤を前記分散液、及び前記剥離溶液のいずれかに含ませた状態で混合する混合工程と、(2)前記混合工程で作製した混合液から前記低分子分散剤を分離除去する精製工程と、を備える。
前記金属ナノワイヤの形状については、特に制限はない。目的に応じて適宜選択することができ、例えば円柱状、直方体状、断面が多角形となる柱状など任意の形状を取ることができる。また、後述する短軸長さは平均短軸長さを意味し、長軸長さは平均長軸長さを意味し、金属ナノワイヤの短軸長さ、及び長軸長さは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、TEM像を観察することにより求めることができる。
本態様における水溶媒とは、水、または水と水溶性溶媒の混合媒を意味する。水溶媒としては、水を用いることが好ましい。水溶媒は、水に加えて、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類などの水溶性溶媒を50質量%まで含むことができる。
本態様における低分子分散剤は、水溶媒中で金属イオンを還元して金属ナノワイヤを合成する際に、金属ナノワイヤの形態制御、及び凝集防止としての機能を有する。低分子分散剤としては、1000以下の分子量を有する、アミノ基含有化合物、チオール基含有化合物、スルフィド基含有化合物、アミノ酸又はその誘導体、ペプチド化合物の郡から選ばれる少なくとも1種を含むものを意味する。その中で、四級アンモニウム塩が好ましい。
前記四級アンモニウム塩は、四級アンモニウムイオンとなるカチオン部とカウンターイオンとなるアニオン部とから構成され、次の化学式(化1)で表される。
本態様における金属ナノワイヤは、水溶媒中で金属イオンを還元することにより合成される。金属ナノワイヤを合成する際に使用する還元剤としては、特に制限はなく、通常使用されるものの中から適宜選択することができる。例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素金属塩;水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムカリウム、水素化アルミニウムセシウム、水素化アルミニウムベリリウム、水素化アルミニウムマグネシウム、水素化アルミニウムカルシウム等の水素化アルミニウム塩;亜硫酸ナトリウム、ヒドラジン化合物、デキストリン、ハイドロキノン、ヒドロキシルアミン、クエン酸又はその塩、コハク酸又はその塩、アスコルビン酸又はその塩等;ジエチルアミノエタノール、エタノールアミン、プロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノプロパノール等のアルカノールアミン;プロピルアミン、ブチルアミン、ジプロピレンアミン、エチレンジアミン、トリエチレンペンタミン等の脂肪族アミン;ピペリジン、ピロリジン、Nメチルピロリジン、モルホリン等のヘテロ環式アミン;アニリン、N−メチルアニリン、トルイジン、アニシジン、フェネチジン等の芳香族アミン;ベンジルアミン、キシレンジアミン、N−メチルベンジルアミン等のアラルキルアミン;エチレングリコール、グルタチオン、有機酸類(クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等)、還元糖類(グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、スクロース、マルトース、ラフィノース、スタキオース等)、糖アルコール類(ソルビトール等)などが挙げられる。これらの中でも、還元糖類、その誘導体としての糖アルコール類が特に好ましい。以上に列挙した還元剤は、2つ以上を組み合わせて使用することも可能である。また、還元力の調整のために、水溶媒のpHを制御することが好ましい。
前記水溶媒中で金属ナノワイヤを合成する際にpHを制御する目的で使用するpH緩衝剤としては、使用する物に特に制限はない。アンモニア、炭酸、ホウ酸、酢酸の他、アラニン、アルギニン、アスパラギン、グリシンなどの各種アミノ酸とそれらの塩などが例として挙げられる。以上に列挙したpH緩衝剤は、2つ以上を組み合わせて使用することも可能である。
本態様の金属ナノワイヤの合成においては、金属イオンを含む溶液を水溶媒に添加する。添加する溶液中の金属イオンの形態としては、水溶性であれば、例えばアンモニアなどの配位子と錯イオンを形成していてもよいが、水溶媒中でフリーイオンとして存在していることが好ましい。また、金属イオン添加溶液は酸性にしておくことが好ましい。pHの調整に用いる酸には特に制限はなく、例えば、硝酸、硫酸、リン酸、炭酸の他、酢酸などの有機酸を用いることも可能である。金属イオン添加溶液が酸性でなければ、金属イオン添加溶液が水溶媒中へ拡散する前に還元反応が起きてしまい、金属イオン濃度の高い局所域での反応によって、金属ナノワイヤの成長に消費されずに、球状粒子や立方体粒子、不定形の多結晶の粒子などが生成することがある。
本形態の金属ナノワイヤの合成において、金属イオンの還元反応に先立って、1〜100nmの粒径の球状もしくは十面体状の金属ナノ粒子を水溶媒に供給することが好ましい。還元反応がpHアップのタイミングから開始するので、還元反応の前に金属ナノ粒子が供給されれば良い。
本態様における高分子分散剤は、金属ナノワイヤの表面に吸着し、金属ナノワイヤの凝集を防止するものであり、金属ナノワイヤ合成時の水溶媒と剥離液の両方に溶解する分散剤であれば、特に制限なく用いることができる。導電性部材に適用した際の導電性を確保する観点から、分子量が1000より大きい分散剤が好ましく、2000以上の分散剤がより好ましく、10000以上の分散剤がさらに好ましい。一方、分子量が大きすぎると、剥離液との混合時に金属ナノワイヤへの吸着時間がかかってしまうためか、金属ナノワイヤが凝集してしまうことがある。そのため、前記高分子分散剤の分子量は50万以下が望ましく、10万以下がより望ましく、5万以下が更に好ましい。前記高分子分散剤の種類としては、具体的には、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP) 、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアルキレンアミン等を挙げることができる。
前記低分子分散剤を金属ナノワイヤから剥離させる剥離液としては、金属ナノワイヤ形成時の溶媒と剥離液の混合溶媒に、前記低分子分散剤と前記高分子分散剤が共に溶解すれば特に制限なく用いることができる。その中でも、前記混合溶媒に対し前記分散剤と前記高分子分散剤が共に高い溶解度を示すメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトンが好ましく、特に溶解度の高い1−プロパノール、2−プロパノールがより好ましく、更に溶解度の高い1−プロパノールが更に好ましい。
次に、金属ナノワイヤを含む液と、高分子分散剤と、低分子分散剤剥離液との混合工程について記載する。低分子分散剤で表面修飾された金属ナノワイヤを含む液に高分子分散剤を添加する際には、前述したように高分子分散剤をそのまま添加することもできるし、高分子分散剤を溶媒中に溶解した状態で添加することもできる。
フロー混合を行なうための乱流型のフロー混合装置について説明する。図1は、少なくとも2種類の流体を混合するために適用されるフロー混合装置の一例である。図1に示すように、フロー混合装置10は、第1の流体Aを供給する1本の供給流路12の途中から分岐して第1の流体Aを2つに分割できるようにした2本の分割供給流路12A,12Bと、第2の流体Bを供給する分割していない1本の供給流路14と、第1の流体Aと第2の流体Bとの反応・流通を行なう流路16とが、1つの混合領域18で連通するように形成される。また、これら分割供給流路12A,12B、供給流路14、及び流路16は、実質的に同一の平面内で混合領域18の周りに90°の等間隔で配置される。即ち、各流路12A,12B,14、16の中心軸(一点鎖線)は混合領域18において十文字状(交差角度α=90°)に交差する。なお、図1では第1の流体Aの供給流路12のみを分割したが、第2の流体Bの供給流路14も複数に分割してもよい。また、混合領域18の周りに配置する各流路12A,12B,14、16の交差角度αは、90°に限らず適宜設定できる。また、供給流路12、14の分割数は、特に限定されるものではないが、数が多すぎるとフロー混合装置10の構造が複雑になるので、2〜10が好ましく、2〜5がより好ましい。
本態様における金属ナノワイヤ粗分散液の精製工程としては、金属ナノワイヤの合成時に使用した塩を除去できれば特に制限はなく、金属ナノワイヤ合成時の分散剤も除去することができればより好ましく、混合工程で添加した高分子分散剤の余剰分を除去することができれば更に好ましい。精製の手段としては、遠心分離、遠心濾過、クロスフロー濾過、溶媒抽出、電気透析など、自由に選択することができる。中でも、金属ナノワイヤの分散性を保持するためにも必要以上に金属濃度を高くすること無く洗浄を行うことのできるクロスフロー濾過、溶媒抽出、電気透析が好ましく、高分子成分も洗浄することができ最終溶媒の選択も広いクロスフロー濾過が更に好ましい。
精製工程後の金属ナノワイヤ分散液は、分散溶媒中に上述の製法により製造された金属ナノワイヤを含有する。
本態様の金属ナノワイヤ分散液を用いた導電性部材は、前記金属ナノワイヤ分散液により形成される導電性層を有する。前記導電性部材は、金属ナノワイヤ分散液を、基板上へ塗設し、乾燥することにより製造される。以下に、導電性部材の製造方法の説明を通じて、導電性部材を詳細に説明する。
[プラズマ処理]
前記プラズマ処理としては、真空グロー放電、大気圧グロー放電等によるものがあり、その他の方法としてフレームプラズマ処理等の方法があげられる。これらは、例えば特開平6−123062号公報、特開平11−293011号公報、同11−5857号公報等に記載された方法を用いることが出来る。
[コロナ放電処理]
前記コロナ放電処理は、従来公知のいずれの方法、例えば特公昭48−5043号公報、同47−51905号公報、特開昭47−28067号公報、同49−83767号公報、同51−41770号公報、同51−131576号公報等に開示された方法により達成することができる。処理機としては市販の各種コロナ処理機が適用でき、例えばSOFTAL(ソフタル)社のマルチナイフ電極を有するコロナ処理機は多数本の電極で構成され、電極の間に空気を送ることによりフィルムの加熱防止やフィルム表面に出てくる低分子の除去等が行えるので有用である。また、片面に導電性層を付与した基材の、導電性層を付与していない面に対しては、電極と導電性層の間のスパークを避けるために、放電電極としては誘電体被覆電極(セラミック電極、クォーツ電極など)を、対向電極としてはステンレスなどの金属ロールを用いてコロナ処理を行うことが望ましい。
(用途)
本態様の金属ナノワイヤ分散液を用いた導電性部材は、例えばタッチパネル、ディスプレイ用帯電防止、電磁波シールド、有機又は無機ELディスプレイ用電極、その他フレキシブルディスプレイ用電極・帯電防止、太陽電池用電極、電子ペーパー等の各種デバイスなどに幅広く適用される。
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用いて拡大観察される金属ナノワイヤから、ランダムに選択した300個の金属ナノワイヤの短軸長(直径)と長軸長を測定し、その平均値から金属ナノワイヤの平均短軸長(平均直径)及び平均長軸長を求めた。
上記電子顕微鏡(TEM)像からランダムに選択した300個のナノワイヤの短軸長(直径)を測定し、その300個についての標準偏差と平均値を計算することにより、求めた。
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、銀ナノワイヤの短軸長を300個観察し、ろ紙を透過した銀の量を各々測定し、短軸長が50nm以下であり、かつ長軸長が5μm以上である銀ナノワイヤをアスペクト比が10以上の銀ナノワイヤの比率(%)として求めた。なお、銀ナノワイヤの比率を求める際の銀ナノワイヤの分離は、メンブレンフィルタ(Millipore社製、FALP 02500、孔径1.0μm)を用いて行った。
(調製例1)
―銀ナノワイヤ分散液(1)の調製―
予め、下記の添加液A、B、C、及び、Dを調製した。
ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド60mg、ステアリルトリメチルアンモニウムヒドロキシド10%水溶液6.0g、グルコース2.0gを蒸留水120.0gに溶解させ、反応溶液A−1とした。さらに、硝酸銀粉末70mgを蒸留水2.0gに溶解させ、硝酸銀水溶液A−1とした。反応溶液A−1を25℃に保ち、激しく攪拌しながら、硝酸銀水溶液A−1を添加した。硝酸銀水溶液A−1の添加後から180分間激しく攪拌し、添加液Aとした。
硝酸銀粉末42.0gを蒸留水958gに溶解し、添加液Bとした。
25%アンモニア水75gを蒸留水925gと混合し、添加液Cとした。
ポリビニルピロリドン(PVP)(K30)400gを蒸留水1.6kgに溶解し、添加液Dとした。
―銀ナノワイヤ分散液(2)の調製―
銀ナノワイヤ分散液(1)の調製において、添加液Dを添加しない以外は同様にして、銀ナノワイヤ分散液(2)を調製した。
<<銀ナノワイヤ分散液(11)>>
銀ナノワイヤ分散液(1)を、図5に示す装置の添加タンク201に投入した。次に、低分子分散剤の剥離溶液として、n−プロパノールを第2の添加タンク202に投入した。第1の送液ポンプ211および第2の送液ポンプ212を動作させて、銀ナノワイヤ分散液(1)とn−プロパノールを、それぞれ300cc/minの流量で送液し、T字型流路のフロー混合装置221で混合し、得られた混合液を回収タンク203で回収し、混合液(11)とした。
混合液(11)を、分画分子量15万の限外濾過モジュールを用いて、次のとおりにクロスフロー方式での限外濾過精製を実施した。混合液(11)を4倍に濃縮した後、蒸留水とn−プロパノールの混合液(体積比=1:1)の添加と濃縮を繰り返し、最終的に濃縮液の電導度が0.5mS/mになるまで精製を行った。なお、精製中は、濾過フィルタに固形分が堆積して濾過効率が低下することを防ぐため、5分間隔でフィルタの逆洗浄を実施しながら分散液の精製を行った。精製した液を回収し、銀ナノワイヤ分散液(11)とした。
(調製例3)
−PET基板の前処理−
下記の配合で接着用溶液1を調製した。
・タケラックWS−4000 5.0部
(固形分濃度30%、三井化学(株)製)
・界面活性剤 0.3部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.3部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
・水 94.4部
厚さ125μmのPET基板の一方の面にコロナ放電処理を施した。このコロナ放電処理を施した面に、上記の接着用溶液を塗布し120℃で2分乾燥させて、厚さが0.11μmの接着層1を形成した。
・テトラエトキシシラン 5.0部
(KBE−04、信越化学工業(株)製)
・3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 3.2部
(KBM−403、信越化学工業(株)製)
・2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン 1.8部
(KBM−303、信越化学工業(株)製)
・酢酸水溶液(酢酸濃度=0.05%、pH=5.2) 10.0部
・硬化剤 0.8部
(ホウ酸、和光純薬工業(株)製)
・コロイダルシリカ 60.0部
(スノーテックスO、平均粒子径10nm〜20nm、固形分濃度20%、
pH=2.6、日産化学工業(株)製)
・界面活性剤 0.2部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.2部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
接着用溶液2は、以下の方法で調製した。酢酸水溶液を激しく攪拌しながら、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを、この酢酸水溶液中に3分間かけて滴下した。次に、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを酢酸水溶液中に強く攪拌しながら3分間かけて添加した。次に、テトラメトキシシランを、酢酸水溶液中に強く攪拌しながら5分かけて添加し、その後2時間攪拌を続けた。次に、コロイダルシリカと、硬化剤と、界面活性剤とを順次添加し、接着用溶液2を調製した。
−ガラス基板の前処理−
水酸化ナトリウム1%水溶液に浸漬した厚み0.7μmの無アルカリガラス板を、超音波洗浄機で30分間超音波照射し、ついでイオン交換水で60秒間水洗した後200℃で60分間加熱処理を行った。その後、シランカップリング液(N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3%水溶液(商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。以後、「ガラス基板」と表記する場合は、上記前処理で得られた無アルカリガラス基板を示す。
−ポリカーボネート基板の前処理−
ポリカーボネート基板(厚み75μm)の表面をコロナ放電処理したのちに、0.02%の(N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン水溶液をバーコート法で塗布量8.8mg/m2となるように塗布し、100℃1分で乾燥し、表面処理されたポリカーボネート基板を得た。以後、「ポリカーボネート基板」と表記する場合は、上記前処理で得られたポリカーボネート基板を示す。
−TAC基板の前処理−
TAC(トリアセチルセルロース)基板(厚み100μm)の表面をコロナ放電処理したのちに、0.02%の(N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン水溶液をバーコート法で塗布量8.8mg/m2となるように塗布し、100℃1分で乾燥し、表面処理されたTAC基板を得た。以後、「TAC基板」と表記する場合は、上記前処理で得られたTAC基板を示す。
<<導電性部材(1)の形成>>
銀ナノワイヤ分散液(11)と、下記ゾルゲル塗布液を、質量比でAg:テトラエトキシシラン(TEOS):=1:7.2となるよう混合し、調製例3で得られたPET基板上に銀量が0.017g/m2となるようにバーコートし、120℃で3分乾燥し、導電性部材(1)を作製した。
下記組成のゾルゲル塗布液を60℃で1時間撹拌して均一になったことを確認し、ゾルゲル塗布液とした。
・テトラエトキシシラン 5.0部
(KBE−04、信越化学工業(株)製)
・1%酢酸水溶液 10.5部
・蒸留水 4.0部
<<パターン化導電性部材(11)>>
前記導電性部材(1)に対して、下記ポジレジスト処方によりパターン化処理を実施し、パターン化導電性部材(11)を作製した。
(合成例1)
<バインダー(A−1)の合成>
共重合体を構成するモノマー成分として、MAA(7.79g)、BzMA(37.21g)を使用し、ラジカル重合開始剤としてAIBN(0.5g)を使用し、これらを溶剤PGMEA(55.00g)中において重合反応させることにより下記構造式で示されるバインダー(A−1)のPGMEA溶液(固形分濃度:45質量%)を得た。なお、重合温度は、温度60℃乃至100℃に調整した。
バインダー(A−1)4.19質量部(固形分40.0質量%、PGMEA溶液)、感光性化合物としての下記構造式で表されるTAS−200(エステル化率66%、東洋合成株式会社製)0.95質量部、架橋剤としてのEHPE−3150(ダイセル化学株式会社製)0.80質量部、及びPGMEA 19.06質量部を加え、攪拌し、感光性組成物(1)を調製した。
導電性部材(1)上に、感光性組成物(1)を乾燥膜厚5μmとなるようバー塗布し、100℃のオーブンで1分間乾燥した。この基板にマスク上から、高圧水銀灯i線(365nm)を60mJ/cm2(照度20mW/cm2)露光を行った。露光後の基板を、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液でシャワー現像60秒間を行った。シャワー圧は0.04MPa、ストライプパターンが出現するまでの時間は30秒であった。純水のシャワーでリンスした後、50℃で1分間乾燥し、レジストパターン付導電性部材(1)を作製した。
レジストパターン付導電性部材(1)を、30℃、1。0%の硝酸、1.0%Fe(III)-EDTA、1.0%チオ硫酸アンモニウム、の混合水溶液からなるエッチング液(1)に浸漬させ、エッチングを行い、純水のシャワーでリンスした後、50℃で1分間乾燥し、レジストパターン付パターン状導電性部材(1)Aを作製した。
レジストパターン付パターン状導電性部材(1)Aにマスクをせず、高圧水銀灯i線(365nm)を100mJ/cm2(照度20mW/cm2)露光を行った。露光後の基板を、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液でシャワー現像75秒間を行った。シャワー圧は0.05MPaであった。純水のシャワーでリンスした後、50℃で1分間乾燥し、パターン化導電性部材(11)を作製した。
<<銀ナノワイヤ分散液(12)>>
銀ナノワイヤ分散液(2)を、図6に示す装置の第1の添加タンク301に投入した。次に、ポリビニルピロリドン(K30)水溶液を、第2の添加タンク302に投入した。さらに、低分子分散剤の剥離溶液として、n−プロパノールを第3の添加タンク303に投入した。第1の送液ポンプ311、第2の送液ポンプ312および第3の送液ポンプ313を動作させて、銀ナノワイヤ分散液(2)とポリビニルピロリドン(K30)水溶液を、銀ナノワイヤ分散液(2)を200cc/minの流量で、ポリビニルピロリドン(K30)水溶液を100cc/minの流量で送液してT字型流路の第1のフロー混合装置321で混合し、その後n−プロパノールを300cc/minの流量で送液してT字型流路の第2のフロー混合装置322で混合し、得られた混合液を回収タンク304で回収し、混合液(12)とした。
混合液(12)を、分画分子量15万の限外濾過モジュールを用いて、次のとおりにクロスフロー方式での限外濾過精製を実施した。混合液(12)を4倍に濃縮した後、蒸留水とn−プロパノールの混合液(体積比=1:1)の添加と濃縮を繰り返し、最終的に濃縮液の電導度が0.5mS/mになるまで精製を行った。なお、精製中は、濾過フィルタに固形分が堆積して濾過効率が低下することを防ぐため、5分間隔でフィルタの逆洗浄を実施しながら分散液の精製を行った。精製した液を回収し、銀ナノワイヤ分散液(12)とした。
パターン化導電性部材(11)の作製において、銀ナノワイヤ分散液(11)を銀ナノワイヤ分散液(12)に変えた以外は同様にして、パターン化導電性部材(12)を作製した。
<<銀ナノワイヤ分散液(13)>>
銀ナノワイヤ分散液(2)を、図5に示す装置の添加タンク201に投入した。次に、ポリビニルピロリドン(K30)をn−プロパノールに溶解し、第2の添加タンク202に投入した。第1の送液ポンプ211および第2の送液ポンプ212を動作させて、銀ナノワイヤ粗分散液(1)とn−プロパノールを、それぞれ300cc/minの流量で送液してT字型流路のフロー混合装置221で混合し、得られた混合液を回収タンク203で回収し、混合液(13)とした。
混合液(13)を、分画分子量15万の限外濾過モジュールを用いて、次のとおりにクロスフロー方式での限外濾過精製を実施した。混合液(13)を4倍に濃縮した後、蒸留水とn−プロパノールの混合液(体積比=1:1)の添加と濃縮を繰り返し、最終的に濃縮液の電導度が0.5mS/mになるまで精製を行った。なお、精製中は、濾過フィルタに固形分が堆積して濾過効率が低下することを防ぐため、5分間隔でフィルタの逆洗浄を実施しながら分散液の精製を行った。精製した液を回収し、銀ナノワイヤ分散液(13)とした。
前記パターン化導電性部材(11)の作製において、銀ナノワイヤ分散液(11)を銀ナノワイヤ分散液(13)に変えた以外は同様にして、パターン化導電性部材(13)を作製した。
<<銀ナノワイヤ分散液(14)>>
n−プロパノールを激しく攪拌しながら、銀ナノワイヤ分散液(1)を添加し(いわゆるバッチ混合)、そのまま3分間攪拌を続けて、混合液(14)とした。
混合液(14)を、分画分子量15万の限外濾過モジュールを用いて、次のとおりにクロスフロー方式での限外濾過精製を実施した。混合液(14)を4倍に濃縮した後、蒸留水とn−プロパノールの混合液(体積比=1:1)の添加と濃縮を繰り返し、最終的に濃縮液の電導度が0.5mS/mになるまで精製を行った。なお、精製中は、濾過フィルタに固形分が堆積して濾過効率が低下することを防ぐため、5分間隔でフィルタの逆洗浄を実施しながら分散液の精製を行った。精製した液を回収し、銀ナノワイヤ分散液(14)とした。
前記パターン化導電性部材(11)の作製において、銀ナノワイヤ分散液(11)を銀ナノワイヤ分散液(14)に変えた以外は同様にして、パターン化導電性部材(14)を作製した。
<<銀ナノワイヤ分散液(15)>>
前記銀ナノワイヤ分散液(11)の調製において、クロスフロー精製に代えて、混合液(1)を、遠心分離機を用いて2000rpmで20分間遠心分離を行った。その後上澄みを除去し、蒸留水とn−プロパノールの混合液(体積比=1:1)を添加した。上澄み液の電導度が0.5mS/mになるまで遠心分離を繰り返し、得られた液を回収して、銀ナノワイヤ分散液(15)とした。
前記パターン化導電性部材(11)の作製において、銀ナノワイヤ分散液(11)を銀ナノワイヤ分散液(15)に変えた以外は同様にして、パターン化導電性部材(15)を作製した。
<<銀ナノワイヤ分散液(C1)>>
銀ナノワイヤ分散液(1)を、低分子分散剤の剥離液であるn−プロパノールを混合することなく、分画分子量15万の限外濾過モジュールを用いて、次のとおりにクロスフロー方式での限外濾過精製を実施した。混合液(14)を4倍に濃縮した後、蒸留水とn−プロパノールの混合液(体積比=1:1)の添加と濃縮を繰り返し、最終的に濃縮液の電導度が0.5mS/mになるまで精製を行った。なお、精製中は、濾過フィルタに固形分が堆積して濾過効率が低下することを防ぐため、5分間隔でフィルタの逆洗浄を実施しながら分散液の精製を行った。精製した液を回収し、銀ナノワイヤ分散液(C1)とした。
前記パターン化導電性部材(11)の作製において、銀ナノワイヤ分散液(11)を銀ナノワイヤ分散液(C1)に変えた以外は同様にして、パターン化導電性部材(C1)を作製した。
<<銀ナノワイヤ分散液(C2)>>
銀ナノワイヤ分散液(11)の作製において、添加タンク101に投入する液を前記銀ナノワイヤ分散液(1)からポリビニルピロリドンを含まない銀ナノワイヤ分散液(2)に変えた以外は同様にして、銀ナノワイヤ分散液(C2)を作製した。
前記パターン化導電性部材(11)の作製において、銀ナノワイヤ分散液(11)を銀ナノワイヤ分散液(C2)に変えた以外は同様にして、パターン化導電性部材(C2)を作製した。
<<銀ナノワイヤ分散液(C3)>>
銀ナノワイヤ分散液(11)の作製において、精製工程を実施せず、混合液(1)の状態のままとして、銀ナノワイヤ分散液(C3)を作製した。
前記パターン化導電性部材(11)の作製において、銀ナノワイヤ分散液(11)を銀ナノワイヤ分散液(C3)に変えた以外は同様にして、パターン化導電性部材(C3)を作製した。
得られたパターン化導電性部材について、後述の方法で抵抗値、透明性、種々耐久性を評価した。評価結果を表1〜表2に示す。
導電性層の導電性領域の表面抵抗を、三菱化学株式会社製Loresta−GP MCP−T600を用いて測定した。
パターン化導電性部材の全光透過率(%)を、ガードナー社製のヘイズガードプラスを用いて測定した。
パターン化導電性部材のヘイズ(%)を、ガードナー社製のヘイズガードプラスを用いて測定した。
パターン化導電性部材を、85℃/85%RH(相対湿度)の環境下に120時間暴露し、暴露前の抵抗値をR0、暴露後の抵抗値をRとして、下記のランク付けを行った。なお、ランクの数字は大きいほど性能が良いことを示しており、ランク3以上では実用上問題の無いレベルである。
5: R/R0が0.9以上、1.1未満
4: R/R0が1.1以上、1.2未満、または0.8以上、0.9未満
3: R/R0が1.2以上、1.3未満、または0.7以上、0.8未満
2: R/R0が1.3以上、1.5未満、または0.6以上、0.7未満
1: R/R0が1.5以上、または0.6未満
<耐マイグレーション性>
パターン化導電性部材を、40℃/70%RH(相対湿度)の環境下で、隣り合う電極間で直流3Vの電圧を24時間印加し続け、印加前の抵抗値をR0、印加後の抵抗値をRとして、下記のランク付けを行った。なお、ランクの数字は大きいほど性能が良いことを示しており、ランク3以上では実用上問題の無いレベルである。
5: R/R0が0.9以上、1.1未満
4: R/R0が1.1以上、1.2未満、または0.8以上、0.9未満
3: R/R0が1.2以上、1.3未満、または0.7以上、0.8未満
2: R/R0が1.3以上、1.5未満、または0.6以上、0.7未満
1: R/R0が1.5以上、または0.6未満
<耐屈曲性>
導電性部材をコーテック(株)社製の円筒形マンドレル屈曲試験器を用いて、直径10mmの円筒マンドレルに20回曲げ試験を行い、その前後のクラックの有無および抵抗値の変化(曲げ試験後表面抵抗値R/曲げ試験前表面抵抗値R0)を測定し、下記ランク付けを行った。クラックの有無は目視および光学顕微鏡を用い、表面抵抗値は三菱化学株式会社製Loresta−GP MCP−T600を用いて測定した。クラックが無く且つ表面抵抗値の変化が少ないものほど(1に近いほど)、屈曲性が優れる。ランクの数字は大きいほど性能が良いことを示しており、ランク3以上では実用上問題の無いレベルである。
5: R/R0が0.9以上、1.1未満
4: R/R0が1.1以上、1.2未満、または0.8以上、0.9未満
3: R/R0が1.2以上、1.3未満、または0.7以上、0.8未満
2: R/R0が1.3以上、1.5未満、または0.6以上、0.7未満
1: R/R0が1.5以上、または0.6未満
<耐摩耗性>
導電性部材の導電性層表面をガーゼ(ザビーナミニマックス、KBセーレン製)を用いて20mm×20mmのサイズで500g荷重で50往復擦り、その前後の傷の有無および抵抗値の変化(摩耗後表面抵抗値R/摩耗前表面抵抗値R0)を測定し、下記ランク付けを行った。摩耗試験には、新東科学株式会社製の連続加重引掻試験機Type18s、表面抵抗値は三菱化学株式会社製Loresta−GP MCP−T600を用いて測定した。傷が無く、表面抵抗値の変化が少ないものほど(1に近いほど)、耐摩耗性が優れる。ランク3以上では実用上問題の無いレベルである。
5: R/R0が0.9以上、1.1未満
4: R/R0が1.1以上、1.2未満、または0.8以上、0.9未満
3: R/R0が1.2以上、1.3未満、または0.7以上、0.8未満
2: R/R0が1.3以上、1.5未満、または0.6以上、0.7未満
1: R/R0が1.5以上、または0.6未満
パターン化導電性部材(11)の作製において、基材を調製例4で作製したガラス基板、調製例5で作製したポリカーボネート基板、調製例6で作製したTAC基板に変更した以外は同様にして、パターン化導電性部材(21)〜(23)を作製した。作製したパターン化導電性部材の詳細を表3,4に示す。
得られたパターン化導電性部材(21)〜(23)について、前述の方法で抵抗値、透明性および種々耐久性を評価した。評価結果を表4に示す。なお、パターン化導電性部材(21)については、基材が屈曲性のないガラス基板であるため、屈曲性試験は実施していない。表3,4の結果から、基板の種類に関係なく、パターン化導電性部材が低い抵抗値と高い透明性とを有していた。
パターン化導電性部材(11)の作製において、バーコート法の変わりに特開2006−95454号公報に例示される、バックアップローラを備えたエクストルージョン型の塗布ヘッドを有するスロットダイコーターにより行った以外は同様にして、パターン化導電性部材(31)を作製した。
得られたパターン化導電性部材(31)について、前述の方法で抵抗値、透明性および種々耐久性を評価した。評価結果を表5に示す。
−タッチパネルの作製−
パターン化導電性部材(21)の透明導電膜を用いて、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日発行、株式会社テクノタイムズ)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004年12月発行)、「FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック」、「Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292」等に記載の方法により、タッチパネルを作製した。
(実施例11)
−アモルファス太陽電池(スーパーストレート型)の作製−
ガラス基板上に、パターン化導電性部材(21)と同様にして導電性層を形成し、透明導電膜を形成した。但し、パターニング処理は行わず全面均一な透明導電膜とした。その上部にプラズマCVD法により膜厚約16nmのp型、膜厚約350nmのi型、膜厚約30nmのn型アモルファスシリコンを形成し、裏面反射電極としてガリウム添加酸化亜鉛層20nm、銀層200nmを形成し、光電変換素子(集積型太陽電池)を作製した。
−CIGS太陽電池(サブストレート型)の作製−
ソーダライムガラス基板上に、直流マグネトロンスパッタ法により膜厚500nm程度のモリブデン電極、真空蒸着法により膜厚約2.6μmのカルコパイライト系半導体材料であるCu(In0.6Ga0.4)Se2薄膜、溶液析出法により膜厚約48nmの硫化カドミニウム薄膜、を形成した。
実施例11および12で作製した太陽電池について、AM1.5、100mW/cm2の疑似太陽光を照射することで効率)を測定した。その結果、いずれ素子も9.0%の変換効率を示した。この結果から、本実施の形態の導電性部材を形成に用いることで、いずれの集積型太陽電池方式においても高い変換効率が得られることが分かった。
Claims (5)
- 低分子分散剤で表面修飾された銀ナノワイヤを含む水分散液と、高分子分散剤と、前記低分子分散剤を前記銀ナノワイヤから剥離させる剥離溶液とを準備し、前記高分子分散剤を前記水分散液、及び前記剥離溶液の少なくともいずれか一方に含ませた状態で、前記水分散液と前記剥離溶液とを混合する混合工程と、
前記混合工程で作製した混合液から前記低分子分散剤を分離除去する精製工程と、を備える、銀ナノワイヤ分散液の製造方法であって、
前記低分子分散剤は、水溶媒中で金属イオンを還元して前記銀ナノワイヤを合成する際に、前記銀ナノワイヤの形態制御、及び凝集防止としての機能を有し、かつ前記高分子分散剤は、前記銀ナノワイヤの表面に間隔を開けて吸着し、前記銀ナノワイヤの凝集防止としての機能を有する銀ナノワイヤ分散液の製造方法。 - 前記混合工程は、前記剥離溶液と前記水分散液とをフロー混合することを含む請求項1に記載の銀ナノワイヤ分散液の製造方法。
- 前記高分子分散剤が、前記高分子分散剤を含む溶液を用いたフロー混合、及び前記高分子分散剤又は前記高分子分散剤を含む溶液を用いたバッチ混合、のいずれかの手段により、前記水分散液、及び前記剥離溶液の少なくともいずれか一方に添加される、請求項1又は2に記載の銀ナノワイヤ分散液の製造方法。
- 前記フロー混合が、T字型流路を用いて実施されることを含む、請求項2又は3に記載の銀ナノワイヤ分散液の製造方法。
- 前記精製工程が、クロスフロー方式の濾過により実施されることを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の銀ナノワイヤ分散液の製造方法。
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