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JP5870710B2 - 電動パワーステアリングシステムを備えた車両、及びその油圧供給方法 - Google Patents
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電動パワーステアリングシステムを備えた車両、及びその油圧供給方法 Download PDF

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本発明は、電動駆動する油圧ポンプの油圧によって、車両の走行中にステアリング操作を快適にすると共に、車両のアイドリングストップ中にスタンバイ油圧を、油圧を用いるミッションに供給する電動パワーステアリングシステムを備えた車両、及びその油圧供給方法に関する。
近年、車両に様々な補助システムを搭載し、車両の円滑に走行させ、且つ燃費を低減している。その内の一つとして、パワーステアリングシステムがある。このパワーステアリングシステムは、車両の運転を快適なものとし、その操作を簡易で適確なものとする。
例えば、エンジンのクランク軸により駆動される二連油圧ポンプを用いて、パワーステアリングと、クラッチ及び変速機とを油圧駆動する装置(例えば、特許文献1参照)や、エンジンとオイルポンプとの間に、及びモータとオイルポンプとの間に設けたワンウェイクラッチによって、エンジンの停止時や低回転時でも圧油を供給する装置(例えば、特許文献2参照)などがある。
さらに、上記のパワーステアリングシステムを、モータ(電動機)によって駆動することにより、車両の燃費を向上することができる。この電動のパワーステアリングシステムとして、通常車両には、電動パワーステアリングシステム(以下、EPSシステムという)を搭載し、EPSシステムが搭載できない重量車両には、電動ポンプパワーステアリングシステム(以下、EHPSシステムという)を搭載することが多い。
しかしながら、EHPSシステムを搭載することで、別途電動機を駆動させるための電力消費による燃費原資の悪化や、車両への搭載性の悪化という問題が発生する。
一方、燃費を向上する技術として車両にアイドリングストップシステム(以下、ISSという)を搭載することが進められている。しかし、オートマチックトランスミッション(AT)、セミオートマチックトランスミッション(AMT)、及び無段変速機(CVT)等の油圧を用いたミッションを搭載する車両では、ISS復帰後に速やかに駆動力を確保する必要がある。
そこで、補助システムとして、アイドリングストップ中に油圧を用いたミッションにスタンバイ油圧を、電動ポンプを用いて供給するシステムがある。このシステムは、ISSの稼働中、つまりアイドリングストップ中はエンジンが停止しており、アイドリングストップから復帰しても、エンジン始動直後に油圧が直ぐに得られないため(一般的には約一秒前後を要する)、電動ポンプで油圧を用いたミッションにスタンバイ油圧を供給している。
しかしながら、別途電動ポンプを設ける必要があり、車両への搭載性が悪化するという問題がある。また、アイドリングストップ中にスタンバイ油圧を供給するシステムを可動させることは、アイドリングストップ中の電力の消費が増加する。図4のアイドリング中の電力消費の影響を示すグラフによると、アイドリングストップ中の電力の消費が大きいと、エンジン再始動後に、バッテリへの充電のためオルタネータ発電量が増加し、エンジンの負荷が増大するため燃料消費が増えて、ISSを搭載したことによる実質の効果が減少してしまうことがわかる。
つまり、燃費を向上させるためにISSを搭載したことで発生する、エンジン再始動後
に直ぐに駆動力を得ることができないという問題を解決するために、油圧を用いたミッションにスタンバイ油圧を供給するシステムを搭載すると、車両のアイドリングストップ中に約3.0〜4.0Aを必要とし、燃費向上の効果が減少するという問題が新たに発生する。
また、このアイドリングストップ中の電力量の問題は、前述のEHPSシステムを車両に搭載するときにも同様の問題が発生する。車両のアイドリングストップ中は、EHPSシステムを稼働させる必要はないが、システムをスタンバイしておくだけで、約0.5〜1.0Aを必要とする。
よって、EHPSシステムとスタンバイ油圧を供給するシステムとを同時に備えると車両のアイドリングストップ中に合計約4.0〜6.0A増加することになる。ここで、図5のオルタネータとバッテリ電力の燃費の影響を示すグラフによると、オルタネータとバッテリの電流量が1A増えると、約0.5〜0.7%燃費が悪化することが分かる。よって、両方のシステムを車両に搭載すると、図4にも示すように、3〜7%の燃費低減効果が減少し、最悪ISSを搭載した効果を相殺してしまうことになる。ISSを搭載することによる燃費低減効果を減少させないためには、車両のアイドリングストップ中の電流量を少しでも低減することが必要となる。
このように、補助システムを搭載することには、車両への搭載性の悪化と、電力消費量が増加することによる燃料原資の減少による燃費の悪化という問題がある。
実開平1−114477号公報 特開2006−316666号公報
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、パワーステアリングシステムと、アイドリングストップ中に油圧を用いるミッションへ油圧を供給するシステムとを複合することで、燃費原資の減少を抑え、且つ搭載性の悪化を抑えることができる電動パワーステアリングシステムを備えた車両、及びその油圧供給方法を提供することである。
上記の目的を解決するための本発明の電動パワーステアリングシステムを備えた車両は、車両の走行中に、車両の操舵性を補助する操舵補助装置へ油圧を供給する第1油圧ポンプ及びこの第1油圧ポンプを駆動する電動機を有する電動パワーステアリングシステムを備える車両において、アイドリングストップシステムと、このアイドリングストップシステムによる車両のアイドリングストップ中に、駆動力伝達装置、車両の停止装置、及び冷却装置の少なくとも一つへ油圧を供給する第2油圧ポンプを有するスタンバイ油圧供給システムと、前記電動機を制御する制御装置とを備え、前記電動機に、この電動機の正回転時に回転を伝達する第1ワンウェイクラッチを介して前記第1油圧ポンプが接続されると共に、この電動機の逆回転時に回転を伝達する第2ワンウェイクラッチを介して前記第2油圧ポンプが接続され、前記制御装置が、車両の走行中にのみ、前記電動機を正回転して、前記第1油圧ポンプで前記操舵補助装置へ油圧を供給する制御を行い、車両の操舵性を補助する必要がない車両のアイドリングストップ中にのみ、前記電動機を逆回転して、前記第2油圧ポンプで前記スタンバイ油圧供給システムへ油圧を供給する制御を行うように構成されたことを特徴とするものである。
この構成によれば、パワーステアリングシステムの電動機で駆動される第2油圧ポンプで、車両のアイドリングストップ中に、内燃機関の駆動力伝達装置(ATやAMT、CVTなど)、車両の停止装置(ブレーキキャリパーなど)、及び冷却装置(オイルクーラーなど)へ油圧を供給することができる。
パワーステアリングシステムへの油圧の供給は車両の走行中以外には必要なく、また、スタンバイ油圧制御システムへの油圧の供給は車両のアイドリングストップ中以外に必要
ない。そこで、駆動タイミングが重ならないこれらのシステムに使用される電動機を共有することで、パワーステアリングシステムと、スタンバイ油圧制御システムという二つのシステムを一つのシステムにすることができる。これにより、車両への搭載性を向上することができる。
また、上記のパワーステアリングシステムにおいて、前記電動機を車両の走行中に正回転させ、又は、アイドリングストップ中に逆回転させる制御装置を備えると共に、前記電動機と前記第1油圧ポンプとの間に、前記電動機の正回転を伝達する第1ワンウェイクラッチと、前記電動機と前記第2油圧ポンプとの間に、前記電動機の逆回転を伝達する第2ワンウェイクラッチとを備えると、電動機の回転を正回転、又は逆回転に制御するだけで、前述の作用効果を得ることができる。また、二つのシステムで一つの電動機を共用することで、消費電力を削減することができるので、結果として燃費を低減することができる。
加えて、上記の問題を解決するための車両は、アイドリングストップシステムと、車両の走行中に、車両の操舵性を補助する操舵補助装置へ油圧を供給する、第1油圧ポンプを備えるパワーステアリングシステムと、車両の操舵性を補助する必要がない車両のアイドリングストップ中に、駆動力伝達装置、車両の停止装置、及び冷却装置の少なくとも一つへ油圧を供給する第2油圧ポンプを備えるスタンバイ油圧供給システムとを備える車両において、車両の走行中に前記第1油圧ポンプを、及び、車両のアイドリングストップ中に前記第2油圧ポンプを一つの電動機で駆動するように構成される。
この構成によれば、アイドリングストップシステムを搭載した車両に、1つのシステムで走行中のパワーステアリングシステムと、アイドリングストップ中のスタンバイ油圧供給システムを搭載することができる。これにより、パワーステアリングシステムとスタンバイ油圧供給システムとで、一つの電動機と一つの制御装置を共有することができ、車両搭載性を向上して、コスト削減を図ることができる。加えて、スタンバイ油圧供給システムを搭載することで発生する燃費原資の減少を、パワーステアリングシステムの車両走行燃費の向上により補うことができ、総合的に燃費原資の減少を抑えることができる。
さらに、上記の問題を解決するための電動パワーステアリングシステムを備えた車両の油圧供給方法は、車両の走行中に、電動機により駆動する第1油圧ポンプにより、車両の操舵性を補助する操舵補助装置へ油圧を供給する電動パワーステアリングシステムを備えた車両の油圧供給方法において、車両の走行中にのみ、前記電動機を正回転して、この電動機の正回転時に回転を伝達する第1ワンウェイクラッチを介して前記第1油圧ポンプを駆動し、この第1油圧ポンプで前記操舵補助装置へ油圧を供給し、車両の操舵性を補助する必要がない車両のアイドリングストップ中にのみ、前記電動機を逆回転して、この電動機の逆回転時に回転を伝達する第2ワンウェイクラッチを介して第2油圧ポンプを駆動し、この第2油圧ポンプで駆動力伝達装置、車両の停止装置、及び冷却装置の少なくとも一つへ油圧を供給することを特徴とする方法である。
この方法によれば、複合して油圧動作を行えるシステムを構成することで、燃費原資の減少を抑え、且つ搭載性の悪化を抑えることができる。パワーステアリングシステムとスタンバイ油圧供給システムの使用領域が異なるため、一つの電動機を共用した場合でも重複作動領域がないため、複合することができる。
本発明によれば、パワーステアリングシステムと、アイドリングストップ中に油圧を用いるミッションへ油圧を供給するシステムとを複合することで、燃費原資の減少を抑え、且つ搭載性の悪化を抑えることができる。
本発明に係る実施の形態のパワーステアリングシステムを搭載した車両を示す概略図である。 図1に示すパワーステアリングシステムを示す流体回路図である。 本発明に係る実施の形態の車両の制御方法を示したフローチャートである。 アイドリングストップ中の電力消費を示すグラフである。 オルタネータとバッテリの電力の燃費影響を示すグラフである。
以下、本発明に係る実施の形態の電動パワーステアリングシステムを備えた車両、及びその油圧供給方法について、図面を参照しながら説明する。この実施の形態は、前後の車輪のうち後方の車輪を駆動する後輪駆動方式のフロントエンジンリアドライブ方式(以下、FRという)の車両を例に説明するが、本発明はFRに限定せずに、ミッドシップエンジンリアドライブ方式(MR)やリアエンジンリアドライブ方式(RR)にも適用することができる。また後輪駆動方式に限定せずに、例えば、フロントエンジンフロントドライブ方式(FF)などの前輪駆動方式にも適用することができる。
まず、本発明に係る実施の形態のパワーステアリングシステムを搭載した車両について、図1を参照しながら説明する。なお、図1の上方を車両の前方、下方を車両の後方とする。この車両1は、エンジン(内燃機関)2a、クラッチ(駆動力伝達装置)2b、トランスミッション(変速装置)2c、クランクシャフト2d、オルタネータ(発電機)2e、及び冷却装置(ラジエータやファンなど)2fからなるパワープラント2で発生した駆動力を駆動軸3へと伝え、図示しない後輪を駆動輪として走行する。
また、この車両1は、ステアリングホイール(ハンドル)4aとフットペダル(アクセルペダル、ブレーキペダル、及びクラッチペダルなど)4bからなる操作装置4を備え、ステアリングホイール4aにより前輪5a及び5bを操作して、方向転換を行う。
加えて、この車両1はエンジンコントロールユニットと呼ばれるECU(制御装置)6、操舵角センサ7、及び車速センサ8を備える。このECU6は、操作装置4や各センサ(図示せず)の情報から電気回路によってパワープラント2の制御を担当している電気的な制御を総合的に行うマイクロコントローラである。この実施の形態では、このECU6にアイドリングストップシステム(以下、ISSという)を設け、車速の低下を検知してエンジン2aを停止し、操作装置4の発進操作を検知してエンジン2aを再始動する制御を行う。
この車両1の構成は、上記の構成に限定せずに、周知の技術のものを用いることができる。例えば、エンジン2aはディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、又は電動モータもよく、トランスミッション2cとして、無段変速装置(CVT)を用いてもよい。また、エンジン2aとは別に、電動のモータを設けたハイブリッドカーでもよい。
本発明に係る実施の形態の車両1では、上記の構成に加えて、ステアリングホイール4aと連動して動作し、前輪5a及び5bを操舵するEHPSシステム(電動ポンプパワーステアリングシステム)10と、ISSによるアイドリングストップ中にパワープラント2などの油圧を用いるミッションにスタンバイ油圧を供給するスタンバイ油圧供給システム20とを備える。
EHPSシステム10は、油圧管により接続された第1油圧ポンプ11、リザーバータンク12、及びパワーステアリング(操舵補助装置)13を備え、スタンバイ油圧供給シ
ステム20は、図示しない油圧供給回路と油圧管によって接続された第2油圧ポンプ21を備える。
そして、この第1油圧ポンプ11と第2油圧ポンプ21とを駆動するモータ(電動機)30を一つ備える。第1油圧ポンプ11を、第1ワンウェイクラッチ31を介してモータ30と接続し、第2油圧ポンプ21を、第2ワンウェイクラッチ32を介してモータ30と接続する。この第1ワンウェイクラッチ31と第2ワンウェイクラッチ32を、モータ30に対して対称に配置し、且つそれぞれ逆向きの回転を伝達するように設ける。
この実施の形態では、モータ30を正回転したときに、第1ワンウェイクラッチ31はその回転を第1油圧ポンプ11へ伝達し、第2ワンウェイクラッチ32はその回転を第2油圧ポンプ21へ伝達せず、モータ30を逆回転したときに、第1ワンウェイクラッチ31はその回転を第1油圧ポンプ11へ伝達せず、第2ワンウェイクラッチ32はその回転を第2油圧ポンプ21へ伝達するように構成する。
このモータ30は、回転軸を正回転及び逆回転することができればよく、周知の技術のモータを用いることができ、第1ワンウェイクラッチ31と第2ワンウェイクラッチ32も、周知の技術のワンウェイクラッチを用いることができる。
この構成によれば、EHPSシステム10とスタンバイ油圧供給システム20とを一つのシステムとすることができるので、車両1への搭載性を向上することができる。また、モータ30を正回転、又は逆回転するだけで、車両1の走行中にはEHPSシステム10へ油圧を供給し、車両1のアイドリングストップ中にはスタンバイ油圧供給システム20へ油圧を供給することができる。これにより、二つのシステムの制御を容易に行うことができる。
次に、本発明に係る実施の形態のEHPSシステム10とスタンバイ油圧供給システム20の流体回路について、図2を参照しながら説明する。EHPSシステム10は、第1油圧ポンプ11、リザーバータンク12、及びパワーステアリング13に加えて、ライン圧制御バルブ14とワンウェイバルブ15を備える。このEHPSシステム10は、電動駆動により油圧を供給され、車両1のステアリング操作を補助することができればよく、上記の構成に限定しない。
このEHPSシステム10によれば、車両1の運転を快適なものとし、その操作を簡易で適確なものとすると共に、モータ30によって油圧を供給することで燃費の向上を図ることができる。
スタンバイ油圧供給システム20は、第2油圧ポンプ21、オイルタンク22、及びワンウェイバルブ23を備える。このスタンバイ油圧供給システム20は、エンジン2aの駆動によって駆動する油圧供給システム40に接続され、エンジン2aが停止するアイドリングストップ中に、油圧供給システム40へ油圧を供給する。
この油圧供給システム40は、エンジン2aにより駆動されるオイルポンプ41、オイルタンク42、リリーフ弁(ライン圧制御弁)43、及びオイルフィルタ44を備え、駆動力伝達装置、冷却装置、及び車両停止装置などの油圧を用いるミッションの少なくともいずれかに油圧を供給する装置であればよい。
その一例として、この実施の形態では、油圧供給システム40に、オイルクーラー45a、クーラーバイパス回路45b、及び冷却器45cからなるオイルクーラー回路45と、フルードカップリング(流体継手)46a、ロックアップ制御バルブ46b、及びロックアップソレノイドを備えるロックアップ制御バルブ46cからなるフルードカップリング回路46と、クラッチ2b及びクラッチ制御用リニアソレノイドバルブ47aからなるクラッチ回路47と、ブレーキパッド48a及びブレーキピストン48bからなるブレーキキャリパー48とを備える。
このスタンバイ油圧供給システム20によれば、ISSの稼働によるエンジン2aのアイドリングストップ中に、オイルクーラー回路45、フルードカップリング回路46、クラッチ回路47、及びブレーキキャリパー48にスタンバイ油圧を供給することができ、その後エンジン2aを再始動したときに、速やかに駆動力を得ることができる。
次に、本発明に係る実施の形態のEHPSシステム10を搭載した車両1の動作について説明する。車両1が通常走行中には、ECU6によりモータ30は正回転に回転する。第1ワンウェイクラッチ31がその回転を第1油圧ポンプ11へ伝達し、第1油圧ポンプ11が駆動する。このように、第1油圧ポンプ11が駆動することで、パワーステアリング13へ油圧を供給することができる。このとき第2ワンウェイクラッチ32は正回転時にはモータ30の回転を第2油圧ポンプ21へ伝達しないため、スタンバイ油圧供給システム20は油圧供給システム40に油圧を供給しない。
一方、車両1が停止するとISSが稼働して、エンジン2aを停止してアイドリングストップする。この車両1がアイドリングストップ中には、ECU6によりモータ30は逆回転に回転する。第2ワンウェイクラッチ32がその回転を第2油圧ポンプ21へ伝達し、第2油圧ポンプ21が駆動する。このように、第2油圧ポンプ21が駆動することで、スタンバイ油圧供給システム20へ油圧を供給して、スタンバイ油圧供給システム20から油圧供給システム40へ油圧を供給することができる。このとき、第1ワンウェイクラッチ31は逆回転時にはモータ30の回転を第1油圧ポンプ11へ伝達しないため、パワーステアリングシステム10に油圧を供給しない。
この動作によれば、EHPSシステム10とスタンバイ油圧供給システム20とを一つのモータ30と一つのECU6により動作させることができるので、車両1への搭載性を向上することができる。EHPSシステム10とスタンバイ油圧供給システム20の使用領域が異なるので、一つのモータ30を共用した場合でも、モータ30の作動領域が重複することがなく、二つのシステムを稼働させることができる。また、一つのモータ30と一つのECU6で済むので、コスト削減を図ることができると共に、制御を簡易化することができる。
加えて、それぞれ単体で搭載するとコストが増加するEHPSシステム10とスタンバイ油圧供給システム20とを複合することで、EHPSシステム10により、快適な車両1の操作性を得ることができると共に、燃費の悪化を抑制することができ、さらに、スタンバイ油圧供給システム20により、アイドリングストップから再始動する際に、速やかに駆動力を確保することができる。
その上、アイドリングストップ中にモータ30を駆動してスタンバイ油圧供給システム20へ油圧を供給することで、アイドリングストップ中の電力消費が増えて、燃費原資が減少するという問題を、EHPSシステム10が走行制御を行うことで燃費を低減することができるので、よりアイドリングストップの燃費低減効果を得ることができる。
さらに、EHPSシステム10とスタンバイ油圧供給システム20とを別々のシステムとして車両1に搭載したときと比較して、車両のアイドリングストップ中の電流量を低減することができるので、エンジン2aがアイドリングストップから復帰して再始動したときに、オルタネータ2eの発電量を低減することができる。これにより、燃料原資の減少
を抑えて、燃費を向上することができ、ISSを搭載したことによる燃費向上効果をより大きくすることができる。
次に、本発明に係る実施の形態の車両の制御方法について、図3を参照しながら説明する。まず、車両1が走行中か否かを判断するステップS1を行う。このステップS1では、車速センサ8や図示しないクランク角センサなどから車両1が走行中か否かを判断するが、車両1の走行状態を検知することができればよく、この方法限定しない。
ステップS1で車両1が走行中と判断されると、次に、操舵角が変化したか否かを判断するステップS2を行う。このステップS2では、ステアリングホイール4aの操作を操舵角センサ7で検知する方法を用いる。ここで操舵角が変化しなければ、ステップS1へと戻る。
ステップS2で操舵角が変化したと判断されると、次に、モータ30を正回転し、EHPSシステム10へ油圧を供給するステップS3を行う。このステップS3は、操舵角の変化によって行われるため、EHPSシステム10に油圧の供給が必要なときだけモータ30を駆動させることができるので、より電力消費を抑制することができ、燃費を低減することができる。
ステップS1で、車両1が通常走行中でないと判断されると、次に、車両1がアイドリングストップ中か否かを判断するステップS4を行う。このステップS4では、ISSの情報を基に判断を行うが、ISSによってエンジン2aが停止しているか否かを判断することができればよく、例えば、クランク角センサを用いる方法や、油圧供給システム40に油圧センサを設け、油圧供給システムに油圧が供給されているか否かを判断する方法を用いてもよい。
ステップS4で、車両1がアイドリングストップ中と判断されると、次に、モータ30を逆回転し、スタンバイ油圧供給システム20へ油圧を供給するステップS5を行う。また、ステップS4で、車両1がアイドリングストップ中でないと判断されると、ステップS1へと戻る。
この制御方法によれば、走行中に油圧を必要とし、アイドリングストップ中に油圧を不要なEHPS10と、走行中に油圧を不要とし、アイドリングストップ中に油圧を必要なスタンバイ油圧供給システム20とを一つのモータ30で、一つのシステムとして制御することができる。これにより、二つのシステムを搭載した際に発生する搭載性の悪化を抑制することができる。また、EHPSシステム10と搭載した際の作用効果と、スタンバイ油圧供給システム20を搭載した際に作用効果を同時に得ることができるので、よりISSによる燃費の削減効果を向上することができる。
本発明のパワーステアリングシステムは、車両の走行中にはパワーステアリングシステムへ油圧を供給し、車両のアイドリングストップ中には、油圧を用いたミッションへスタンバイ油圧を供給するスタンバイ油圧供給システムへ油圧を供給することができるので、車両への搭載性の悪化を抑制し、且つ燃料原資の減少も抑制することができるので、アイドリングストップシステムを搭載した車両に利用することができる。
1 車両
2 パワープラント
3 駆動軸
4 操作装置
6 ECU(制御装置)
10 EHPSシステム(電動ポンプパワーステアリングシステム)
11 第1油圧ポンプ
20 スタンバイ油圧供給システム
21 第2油圧ポンプ
30 モータ(電動機)
31 第1ワンウェイクラッチ
32 第2ワンウェイクラッチ
40 油圧供給システム(油圧を用いるミッションへ油圧を供給するシステム)

Claims (2)

  1. 車両の走行中に、車両の操舵性を補助する操舵補助装置へ油圧を供給する第1油圧ポンプ及びこの第1油圧ポンプを駆動する電動機を有する電動パワーステアリングシステムを備える車両において、
    アイドリングストップシステムと、このアイドリングストップシステムによる車両のアイドリングストップ中に、駆動力伝達装置、車両の停止装置、及び冷却装置の少なくとも一つへ油圧を供給する第2油圧ポンプを有するスタンバイ油圧供給システムと、前記電動機を制御する制御装置とを備え、
    前記電動機に、この電動機の正回転時に回転を伝達する第1ワンウェイクラッチを介して前記第1油圧ポンプが接続されると共に、この電動機の逆回転時に回転を伝達する第2ワンウェイクラッチを介して前記第2油圧ポンプが接続され、
    前記制御装置が、車両の走行中にのみ、前記電動機を正回転して、前記第1油圧ポンプで前記操舵補助装置へ油圧を供給する制御を行い、車両の操舵性を補助する必要がない車両のアイドリングストップ中にのみ、前記電動機を逆回転して、前記第2油圧ポンプで前記スタンバイ油圧供給システムへ油圧を供給する制御を行うように構成されたことを特徴とする電動パワーステアリングシステムを備えた車両。
  2. 車両の走行中に、電動機により駆動する第1油圧ポンプにより、車両の操舵性を補助する操舵補助装置へ油圧を供給する電動パワーステアリングシステムを備えた車両の油圧供給方法において、
    車両の走行中にのみ、前記電動機を正回転して、この電動機の正回転時に回転を伝達する第1ワンウェイクラッチを介して前記第1油圧ポンプを駆動し、この第1油圧ポンプで前記操舵補助装置へ油圧を供給し、
    車両の操舵性を補助する必要がない車両のアイドリングストップ中にのみ、前記電動機を逆回転して、この電動機の逆回転時に回転を伝達する第2ワンウェイクラッチを介して第2油圧ポンプを駆動し、この第2油圧ポンプで駆動力伝達装置、車両の停止装置、及び冷却装置の少なくとも一つへ油圧を供給することを特徴とする電動パワーステアリングシステムを備えた車両の油圧供給方法。
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