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JP5871282B2 - 圧電性酸化物単結晶ウェーハの製造方法。 - Google Patents
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圧電性酸化物単結晶ウェーハの製造方法。 Download PDF

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本発明は、ウェーハ、特に弾性表面波フィルター等に用いられるタンタル酸リチウム単結晶、ニオブ酸リチウム単結晶といった圧電性酸化物単結晶ウェーハの製造方法に関する。
携帯電話等の移動体通信分野では、弾性表面波素子の基板としてタンタル酸リチウム単結晶やニオブ酸リチウム単結晶といった圧電性酸化物単結晶ウェーハが利用されている。そして、この弾性表面波素子は、これら圧電性を呈する酸化物単結晶ウェーハの一主面にインターデジタル形状(櫛型形状)のトランスデューサ(電極)を設けることにより構成されている。
ところで、このような構成の弾性表面波素子においては、トランスデューサで弾性表面波を励受信する形となるために、この単結晶ウェーハのトランスデューサ形成面を鏡面研磨する必要があるが、単結晶ウェーハの裏面側が鏡面研磨されて同様な鏡面であると、弾性表面波の励受信と同時にバルク波等の不要波(障害波)も励受信し、周波数特性におけるスプリアス妨害等を引き起こしてしまうという問題がある。そこで、弾性表面波デバイス用の単結晶ウェーハにおいては、その裏面側は、粗い研磨剤による研磨(ラップ)やホーニング加工等によって粗面化されているが、従来、このような単結晶ウェーハは、次のように製造されている。
すなわち、チョクラルスキー法等により製造された単結晶インゴットに対して指定された方向に平面(オリエンテーションフラット)を形成し、内周刃ブレード付スライサー又はワイヤーソーを用いて切断し、板状ウェーハを得た後、得られた板状ウェーハの両面を所定の厚さまでラップし、次いで研磨装置にて片面のみを鏡面研磨し、研磨終了後に洗浄することによって製造されている。
そして、このようにして製造された圧電性酸化物単結晶ウェーハは、弾性表面波フィルター用等に用いられることから、その用途に応じて表面に金属電極が形成されるところ、例えばウェーハ表面に写真製版等によりパターン形成する際に、ウェーハ表面形状が不規則にうねっていると、設計された電極パターンに則った金属電極を形成することが困難になるため、起伏の小さい表面形状の単結晶ウェーハ、すなわち算術平均粗さRaの小さな単結晶ウェーハを提供しなければならないとされている。
そこで、従来から、起伏の小さい表面形状のウェーハを鏡面研磨加工する技術が知られている。例えば、特許文献1には、急熱、急冷することなく適当な温度をもって研磨盤へのウェーハの接着及び剥離を可能とすることで、熱の影響によりウェーハの表面がうねったり、ウェーハが割れたりすることを防止するワックス方式のウェーハ接着及び剥離装置が記載されている。特許文献2には、負圧力を利用して加圧力を均一化すると共に、正圧流体シール層を形成して研磨剤の侵入を防止することでウェーハの凹凸やうねりを回避するワックスレス方式の研磨装置が記載されている。
また、特許文献3には、ウェーハの保持パッキングの表面に形成される凹凸やうねりがウェーハの平坦度を悪くすることから、保持パッキングと補強材とセパレータとを粘着剤又は接着剤を介在して積層させることで層の厚さの均一性を高めたワックスレス方式のウェーハ保持用積層体が記載されている。特許文献4には、特許文献3に記載のワックスレス方式のウェーハ保持方法では、ホルダーとキャリアプレートとの間に気泡や皺が生じたり、接着剤の塗布厚が一定しないため固着面に凹凸が発生してウェーハの平坦度を悪くすることから、多数の孔を形成したキャリアプレートに、この孔を介して減圧吸引して板状ホルダーの裏面を密着させるウェーハ保持方法が記載されている。
さらに、特許文献5には、弾性表面波素子用の圧電性酸化物単結晶ウェーハの平坦度等を高精度化し易い繊維強化樹脂のガイドキャリアを用いた両面研磨方法が記載されているが、一方で、単結晶ウェーハの裏面側も同様な鏡面である場合には、弾性表面波の励受信と同時にバルク波等の不要波(障害波)も励受信し、周波数特性におけるスプリアス妨害等を引き起こすことから、裏面を粗面化する方法として、裏面が粗面化された2枚の単結晶ウェーハを吸着板等を介して積層し、2枚の単結晶ウェーハのそれぞれの外側表面を鏡面研磨する方法も記載されている。
しかしながら、このような従来の技術では、十分な根拠がないままに専らウェーハの表面側のうねりや凹凸を出来るだけ小さくしてウェーハの平坦度を高精度化することに注力したり、鏡面研磨に至るまでに生じる加工ひずみの程度や加工ひずみ層の厚さ等を把握することなく、研磨取り代を厚くして平坦度を高めることに注力してきたというのが実情である。
そして、その結果、従来の圧電性酸化物単結晶ウェーハでは、その表面粗さの算術平均粗さRaが1nm以下の、0.1nm〜0.3nmと細かくなり、この表面に形成される電極パターンの金属膜の剥離現象という問題が注目され始めてきている。このことは、表面弾性波素子が使われる周波数が1GHzを超えるような高い周波数帯となり、これに伴って電極間幅や電極幅がサブミクロン単位まで狭小化が進行しているためでもある。
また、従来の鏡面研磨加工では、平坦度を高めるために研磨取り代を厚くしているが、このことは、一方で鏡面の加工ひずみ除去には有効であるが、圧電性酸化物結晶の材料を必要以上に削り取っているという観点からみれば、ウェーハコストを上げているという問題がある。
実開昭58−129658号公報 特開平2−98926号公報 特開昭62−297064号公報 特開昭63−93562号公報 特開平11−309665号公報
本発明の目的は、上記事情に鑑み、適度な表面粗さで電極パターンの剥離が生じない、特に弾性表面波フィルター等に用いられるタンタル酸リチウム単結晶又はニオブ酸リチウム単結晶といった圧電性酸化物単結晶ウェーハの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、算術平均粗さRaが1nm〜8nmの適度な表面粗さの鏡面状態で、しかも表面弾性波素子としての特性を損失しない程度に加工ひずみが小さく抑えられた単結晶ウェーハであれば、弾性表面波フィルター等の用途に使用可能であることを知見した。また、このような鏡面状態の単結晶ウェーハをその後デバイス化しても電極パターンの剥離が生じないことも新たに判明したので、このような表面粗さの単結晶ウェーハを再現性良く製造することができる研磨方法をさらに工夫して、本発明に至ったものである。
本発明は、スライスされたタンタル酸リチウム単結晶又はニオブ酸リチウム単結晶からなるウェーハの表面側を平面仕上げ研削を行う圧電性酸化物単結晶ウェーハの製造方法において、ウェーハの表面側を算術平均粗さRaで10〜30nmとなる1回目の平面粗研削を行った後、#6000以上の粗さの砥石を用いて、研削量を1〜5μmとする最終の平面仕上げ研削を行って、前記ウェーハの表面側を算術平均粗さRaで1nmから8nmの範囲とすることを特徴とするものである。
さらに、本発明の製造方法では、平面仕上げ研削の後に、さらに片面研磨加工を行って、算術平均粗さRaを1nm〜4nmの範囲とすることもできる。
本発明の圧電性酸化物単結晶ウェーハは、好ましくは弾性表面波フィルター等の用途に用いられ、その後のデバイス化工程において電極パターンの剥離が生じないという優れた効果を奏する。また、本発明の製造方法によれば、鏡面研磨加工では従来より研磨取り代が少なくて済むから歩留りを大幅に向上させることができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、先ず、圧電性酸化物単結晶ウェーハの製造工程について説明する。圧電性酸化物単結晶は、例えばチョクラルスキー法により育成されて、そのインゴットが製造される。このインゴットに対し指定された方向に平面(オリエンテーションフラット)を形成した後に、インゴットを所定の厚さにスライス加工して板状のウェーハを得、このスライスウェーハに必要に応じて両面ラップ加工を施して所望の厚さまで研削する。この場合のスライス加工とラップ加工は、従来と同様に行えばよい。
次に、研削加工について説明する。使用する平面研削機(2軸以上を備えた粗研削と仕上げ研削ができる装置)には、粗研削砥石と仕上げ研削砥石が装着され、駆動系(モータ)により、任意の回転速度で回転駆動させることができる。具体的には、規定の仕上がり板厚を設定した後に、セラミックスチャックで保持されたウェーハ上で砥石を高速で回転させて研削加工が行われる。このときにテーブルも回転させて微小切り込みにてウェーハを研削するが、この研削の際の砥石の回転数、切り込み速度、テーブル回転数等の研削条件は、最適な条件にセットされる。使用する平面研削機のセラミックチャックは、裏面を真空に引くことでウェーハをクランプできるいわゆる多気孔の真空吸着タイプである。また、必要に応じて追加する片面研磨機は、半導体で一般的に使用されているもので良く、プレートにウェーハを真空吸着によりクランプし、コロイダルシリカ研磨剤などで研磨できるものである。
本発明では、平面研削機を用いて圧電性酸化物単結晶ウェーハの片面の実施的な鏡面加工を行うが、具体的には、ラップ加工した圧電性酸化物単結晶ウェーハを真空吸着により保持して研削加工を行う。そして、この研削加工を効率よく行うためには、最初は粗い砥石で研削を行ない、次いで細かな番定の砥石を使って仕上げ研削を行うのが好ましい。砥石の番定については、タンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムの算術平均粗さRaに基づいて選別すればよいが、粗研削の場合では、Raが10〜30nmとなるような砥石、例えば#4000の砥石を選択すれば研削時間も短く、かつ、加工ひずみ層も小さく抑えることができるので好ましい。また、仕上げ研削の場合では、#6000以上の細かな番定、好ましくは#8000−#10000の砥石を使えば、算術平均粗さRaが1〜8nmの範囲の実質的な鏡面とすることができるので好ましい。そして、このような番定の砥石とすれば、鏡面加工によって生じるひずみ層も弾性表面波素子の動作に影響しない程度に抑えることが可能となる。算術平均粗さRaが1nm未満であると金属膜の剥離が生じやすくなり、また、8nmを超えると粗面に近づくためか加工ひずみが顕在化し、表面弾性波素子としての特性の、例えば挿入損失が大きくなるといった不具合が生じるので、好ましくない。
研削加工における研削量については、最終の仕上げ研削では、研削歪みの残留深さを考慮して、その研削量を1〜5μmとする。研削量が1μm未満であると粗研削で生じたひずみ層が残る危険性があり、また、5μmを超えると、必要量以上に高価な圧電結晶を使うことに繋がるため、ウェーハのコストが上昇するので好ましくない。
また、片面研磨機による研磨代については、平面研削段階での算術平均粗さRaや加工歪層の程度を考慮して決めることになるが、高々2μ程度で十分であり、この研磨加工をさらに行うことで、鏡面のRaを1〜4nmと押さえ込むことが可能となる。

以下、実施例及び比較例について具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に制限されるものではない。
<実施例1>
実施例1においては、試料として、直径4インチのタンタル酸リチウム(LiTaO3)単結晶を用いた。チョクラルスキー(CZ)法によって製造したこの単結晶インゴットを円筒研削しOF加工後に、ワイヤーソーを用いて0.25mmにスライスし、表裏の算術表面粗さRaが0.12μmの状態になるように適切な研磨剤(遊離砥粒の平均粒径7μm)を用いて、このスライスウェーハを両面ラップで所望の厚さ200μmまでラップ加工した。次いで、このようにラップ加工(表裏面を粗面化加工)した単結晶ウェーハについて平面研削機を用いて実質的な鏡面研磨加工を行った。具体的には、粗研削砥石で10μm研削し、仕上げ研削で2μm研削した後に、このウェーハを洗浄して平坦度と算術平均粗さを測定した。
100枚のウェーハについて、このような工程を同様に実施してその平坦度を測定したところ、ウェーハの厚さのバラツキを表すTTV(total thickness variation)で0.30〜1.02μm、5mm×5mmサイトにおけるLTVmax(local thickness variation)で0.10〜0.21μm、PLTV(percent local thickness variation)が99%以上であった。また、算術平均粗さを5枚のウェーハで測定したところ、その結果は2.3nm〜7.5nmであった。
次に、このようにして得られたウェーハの鏡面側に主としてアルミニウムからなる金属膜を付け、フォトリソグラフィー技術によりライン幅0.5ミクロン形状(くし型)の電極をウェーハ表面に形成し、粘着テープを用いた剥離試験を行なったところ、金属膜の剥離は観察されなかった。また、電極パターンを形成したチップについて、その表面弾性波素子の特性である損失を調べたところ、損失の増加は観察されなかったので、ウェーハの表面には実質的に無ひずみの鏡面が出来ていることが確認できた。
<実施例2>
実施例2においては、実施例1で得られた研削済みのウェーハを片面研磨機にてコロイダルシリカを用いてさらに研磨加工を行なった。このときの研磨加工での取り代は1.7ミクロンであった。100枚のウェーハ基板について、このような工程を同様に実施してその平坦度を測定したところ、TTVで0.35〜1.32μm、5mm×5mmサイトにおけるLTVmaxで0.14〜0.28μm、PLTVが99%以上であった。また、算術平均粗さを5枚のウェーハで測定したところ、その結果は1.3nm〜3.5nmであった。
次に、このようにして得られた基板の鏡面側に主としてアルミニウムからなる金属膜を付け、フォトリソグラフィー技術によりライン幅0.5ミクロン形状(くし型)の電極を基板表面に形成し、粘着テープを用いた剥離試験を行なったところ、金属膜の剥離は観察されなかった。また、電極パターンを形成したチップについて、その表面弾性波素子の特性である損失を調べたところ、損失の増加は観察されなかったので、ウェーハの表面には実質的に無ひずみの鏡面が出来ていることが確認できた。
<比較例>
比較例においては、実施例1で得られた研削済みのウェーハを片面研磨機にてコロイダルシリカを用いてさらに研磨加工を行なった。このときの研磨加工での取り代は10ミクロンであった。100枚のウェーハについて、このような工程を同様に実施してその平坦度を測定したところ、TTVで0.50〜2.32μm、5mm×5mmサイトにおけるLTVmaxで0.34〜0.48μm、PLTVが99%以上であった。また、算術平均粗さを5枚のウェーハで測定したところ、その結果は0.18nm〜0.24nmであった。
次に、このようにして得られた基板の鏡面側に主としてアルミニウムからなる金属膜を付け、フォトリソグラフィー技術によりライン幅0.5ミクロン形状(くし型)の電極を基板表面に形成し、粘着テープを用いた剥離試験を行なったところ、一部の金属膜で剥離が観察された。また、電極パターンを形成したチップについて、その表面弾性波素子の特性である損失を調べたところ、損失の増加は観察されなかったので、比較例でも、ウェーハの表面には実質的に無ひずみの鏡面が出来ていることが確認できた。
以上のように、表面の算術平均粗さRaが1nm〜8nmの範囲内の実施例1及び2では、いずれも金属膜の剥離が確認されなかったから、比較例よりも電極パターンを形成する金属膜の付着性に優れていることが明らかとなった。また、ウェーハ平坦度の加工精度でも優れているため、デバイス歩留りの改善を図ることができる。
なお、実施例1及び2では、直径4インチのタンタル酸リチウムウェーハを例に説明したが、本発明は、弾性表面波フィルター用等に用いられるニオブ酸リチウムといった圧電性酸化物単結晶ウェーハについても同様に有効なものであり、また、ウェーハの厚さや直径についても、上記の実施例1及び2に限定されるものではない。
本発明によれば、歩留まり良く平坦度に優れた圧電性酸化物単結晶ウェーハを製造することができるので、移動体通信分野の機器製造産業に貢献する処大である。



Claims (2)

  1. スライスされたタンタル酸リチウム単結晶又はニオブ酸リチウム単結晶からなるウェーハの表面側を平面仕上げ研削を行う圧電性酸化物単結晶ウェーハの製造方法において、前記ウェーハの表面側を算術平均粗さRaで10〜30nmとなる1回目の平面粗研削を行った後、#6000以上の粗さの砥石を用いて、研削量を1〜5μmとする最終の平面仕上げ研削を行って、前記ウェーハの表面側を算術平均粗さRa1nmから8nmの範囲とすることを特徴とする圧電性酸化物単結晶ウェーハの製造方法。
  2. 前記平面仕上げ研削の後に、前記ウェーハの表面側にさらに片面研磨加工を行って、算術平均粗さRa1nm〜4nmの範囲とすることを特徴とする請求項1に記載の圧電性酸化物単結晶ウェーハの製造方法。
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