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JP5871624B2 - 山留め壁の施工方法 - Google Patents
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本発明は、新築される建物の躯体ラインと隣地境界線との間隔が狭い場所においての、SMW(登録商標)工法による山留め壁の施工方法関するものである。
SMW(登録商標)工法は、専用の多軸混練オーガー機で地盤を所定深度まで掘削しながら、その先端からセメントスラリーを注入して混練し、オーガー機を引き上げた後にH形鋼等の芯材を建て込んで、ソイルセメント連続壁を構築する従来周知の工法である(特許文献1参照)。
この従来周知の工法において、図10に示すような、新築される建物1の躯体ライン2と隣地境界線4との間隔が狭い場所には、一般的なロール材を使用する施工はクリアランスの関係で困難を伴う。この場合は、建物位置の移動や、新築される建物1の躯体側への芯材5の打ち込みを検討する必要がある。なお、図10中の符号3は既存建物を示し、符号6はソイルセメント連続壁を示す。
しかし、これら検討の結果が、強度等の関係で叶わぬ場合は、図11に示すように、シートパイル7にH形鋼8を溶接した剛性の高い土留め鋼材9を使用して、専用の圧入機であるゼロパイラー(登録商標)で圧入する施工方法の採用が考えられる。
特開2002−371545号公報
この施工方法においては、特殊な形状の土留め鋼材9や、専用の圧入機を使用する関係上、費用が嵩んで施工コストが極めて高くなり、また、遮水性能が劣るという問題点を有している。
従って、この従来例における場合においては、新築される建物1の躯体ライン2と隣地境界線4との間隔が狭い場所に山留め壁を施工する際に、施工コストを低くすると共に、遮水性能を向上させることに解決しなければならない課題を有している。
前記従来例の課題を解決するための本発明の要旨は、新築される建物の躯体ラインと隣地境界線との間隔が狭隘な場所に施工する山留め壁の施工方法であって、該山留め壁の施工方法は、多軸混練オーガー機で地盤を所定深度まで掘削しながらその先端からセメントスラリーを注入して混練する工程と、前記オーガー機を引き上げた後に芯材を建て込んで、ソイルセメント連続壁を構築する工程と、該ソイルセメント連続壁の前記建物側の一部を掘削する工程と、の各工程を少なくとも有し、前記芯材は、前記建物のドライエリア躯体から上方の狭隘部に建て込むウェブが短幅なビルトHと、前記狭隘部よりも下方に建て込むロールHとを連結して構成され、前記ビルトHと前記ロールHとの連結は、該ロールHの上部を前記ビルトHの下部が嵌り込む縦長形状に切り欠いて、当該切り欠いた部位に前記ビルトHの下部を嵌め込んで溶接固定し、前記芯材の上部には、当該芯材の吊り下げ時において垂直に垂下する重心位置に吊り治具を取り付けることである。
また、前記狭隘部におけるソイルセメント連続壁のくびれ部は、オーガー機に取り付けたブレードで掘削して、セメントスラリーを注入して混練して、ソイルセメントが形成されること、;
前記芯材の継手位置は、ロールH同士をボルト継手を用いて接合すること、;
を含むものである。
本発明に係る山留め壁の施工方法によれば、芯材をロールHとビルトHとを連結して構成するので、従来例のような特殊な形状の鋼材や専用の圧入機が必要なく、その結果、費用が低減できて施工コストを低く抑えることができる。
また、ソイルセメント連続壁が構築されるので、ソイルセメント面からの漏水が発生することなく、遮水性能が良好であり、更には、山留め壁の変位も許容範囲内に収まり、強度的にも問題ない。
そして、新築される建物の躯体ラインと隣地境界線との間隔が狭い場所で、ドライエリア躯体から上方の狭隘部に、ウェブが短幅なビルトHを建て込むので、狭隘なクリアランスであっても問題が生じない。
更に、芯材のロールHとビルトHとの形状の組み合わせを変えることによって、様々な施工現場に対応することができる。
特に、芯材の上部には、当該芯材の吊り下げ時において垂直に垂下する重心位置に吊り治具を取り付けることによって、吊り治具を係止して芯材を吊り下げると、芯材が垂直に垂下するので、建て込み作業に支障が生じないという優れた効果を奏する。
狭隘部におけるソイルセメント連続壁のくびれ部は、オーガー機に取り付けたブレードで掘削して、セメントスラリーを注入して混練して、ソイルセメントが形成されることによって、くびれ部のソイルセメントの存在によりソイルセメント連続壁の止水性が向上するという優れた効果を奏する。
芯材の継手位置は、ロールH同士をボルト継手を用いて接合することによって、ロールHはクリアランスに余裕のある狭隘部よりも下方に建て込むので、継手部分が問題なく収まることとなるという優れた効果を奏する。
芯材11を建て込んだ山留め壁を説明する建物12(地下躯体)の縦断面図である。 山留め壁を施工する建物12(地下躯体)の平面図である。 多軸混練オーガー機13で地盤14を掘削混練する説明図である。 クレーン15で垂下して芯材11を建て込む説明図である。 芯材11の正面図である。 芯材11の斜視図である。 芯材11の建て込み時の山留め壁を略示的に示す横断面図である。 狭隘部33の山留め壁を略示的に示す横断面図である。 狭隘部33よりも下方の山留め壁を略示的に示す横断面図である。 従来例に係る山留め壁を略示的に示す横断面図である。 従来例に係る、土留め鋼材9を使用した山留め壁を略示的に示す横断面図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明は、新築される建物の躯体ラインと隣地境界線との間隔が狭い場所においての、SMW(登録商標)工法による山留め壁の施工方法であって、図1は、芯材11を建て込んだ山留め壁を説明する建物12(地下躯体)の縦断面図であり、図2は、山留め壁を施工する建物12(地下躯体)の平面図である。
SMW(登録商標)工法は、既述したように、ソイルセメント連続壁を構築する従来周知の工法である。まず、図3に示すように、専用に開発された多軸混練オーガー機13で地盤14を所定深度まで掘削し、その先端13aからセメントスラリーを注入して掘削混練を行う。
そして、多軸混練オーガー機13を引き上げてからその後に、図4に示すように、クレーン15で芯材11を垂下し、建て込んでソイルセメント連続壁6を構築する(図10参照)。
次に、芯材11について説明する。芯材11はH形鋼であって、具体的には、図1、図5及び図6に示すように、建物12のドライエリア躯体16から上方の狭隘部33に建て込むビルトH11bと、狭隘部33よりも下方のクリアランスに余裕のある部位に建て込むロールH11aとを連結して構成される。
ロールH11aは、圧延して作る規格品のH型鋼であり、その寸法の一例を示すと、H寸法400mm×B寸法200mm×t1寸法8mm×t2寸法13mmである。
(H寸法:フランジ同士の間隔、B寸法:フランジ幅、t1寸法:ウェブ厚さ、t2寸法:フランジ厚さ)
ビルトH11bは、規格外のサイズのH型鋼であり、工場で鋼材を溶接して適宜なサイズに製作される。その寸法の一例を示すと例えば、H寸法160mm×B寸法200mm×t1寸法12mm×t2寸法22mmである。
このように、ドライエリア躯体16から上方の狭隘部33に建て込むビルトH11bは、ウェブ17が短幅に形成されて、H寸法が規格品よりも短めに形成される。その理由は、図1及び図2に示すように、新築される建物12(地下躯体)の躯体ライン18と隣地境界線19との間隔が狭い場所では、狭隘部33のクリアランスが狭いので、規格品幅のH形鋼は使用できないからである。なお、図2中の符号32は、本発明に係る山留め壁の施工範囲を示す。
一方、狭隘部33よりも下方に建て込むロールH11aは、規格品のH型鋼である。その理由は、図1に示すように、狭隘部33よりも下方は、クリアランスに余裕があるので規格品の使用が可能であり、また、応力的にも厳しくなるので所定の強度を持たせるためである。
ビルトH11bと前記ロールH11aとを連結する連結部分11cは、図5及び図6に示すように、ロールH11aの上部20を、ビルトH11bの下部21が嵌り込む縦長形状に切り欠いて、当該切り欠いた部位にビルトH11bの下部21を嵌め込んで溶接固定する。
芯材11の上部、即ち、ビルトH11bの上部には、図5に示すように、芯材11の吊り下げ時において垂直に垂下する重心位置に吊り治具22が取り付けられる。このように、吊り治具22を設けることによって、吊り治具22を係止して芯材11を吊り下げると、芯材11が垂直に垂下するので、建て込み作業に支障が生じない。
また、図5に示す芯材11においては、ビルトH11bのウェブ17の上部に切欠部34を形成すると共に、一方のフランジに吊り孔35を穿設し、この吊り孔35にU字型の吊り治具22を取り付けてなる。
芯材11の継手位置23は、図5に示すように、ロールH11a同士を当接して、添板24aとボルト24bとからなるボルト継手24を用いて接合する。このようにロールH11a同士を接合することによって、ロールH11aはクリアランスに余裕のある狭隘部33よりも下方に建て込むので、ボルト継手24が問題なく収まるのである(図1参照)。
このように施工された芯材11の建て込み時の山留め壁は、図7に示すように、ソイルセメント連続壁25が連続的に形成されて、その内部に芯材11が建て込まれる。隣地境界線19側に位置する芯材11はビルトH11bを示す。
また、図8に示す狭隘部33におけるソイルセメント連続壁25のくびれ部31は、多軸混練オーガー機13に取り付けた図示しないブレードで掘削して、セメントスラリーを注入して混練して、ソイルセメントが形成される。このくびれ部31のソイルセメントの存在によりソイルセメント連続壁25の止水性が向上する。
次に、このよう構築されたソイルセメント連続壁25は、建物12の躯体側のソイルセメントの一部を掘削する。図8は、ドライエリア躯体16から上方の狭隘部33の山留め壁を略示的に示す横断面図であり、ビルトH11bの一方のフランジに沿ってソイルセメント26aが掘削される。
図9は、狭隘部33よりも下方の山留め壁を略示的に示す横断面図であり、ロールH11aの一方のフランジに沿ってソイルセメント26bが掘削される。
更に、図1に示すように、ビルトH11bに対して、1段目の切梁28a、2段目の切梁28b、3段目の切梁28cが設けられる。なお、図1中の符号29は埋戻しを示す。
以上のように、本発明に係る山留め壁の施工方法によれば、芯材11をロールH11aとビルトH11bとを連結して構成するので、特殊な形状の鋼材や専用の圧入機が必要なく、費用が低減できて施工コストを低く抑えることができる。また、ソイルセメント連続壁25が構築されるので、ソイルセメント面からの漏水が発生することなく、遮水性能が良好である。そして、新築される建物の躯体ライン18と隣地境界線19との間隔が狭い場所で、ドライエリア躯体16から上方の狭隘部33に、ウェブ17が短幅なビルトH11bを建て込むので、狭隘なクリアランスであっても問題ない。
1 新築される建物
2 躯体ライン
3 既存建物
4 隣地境界線
5 芯材
6 ソイルセメント連続壁
7 シートパイル
8 H形鋼
9 土留め鋼材
11 芯材
11a ロールH
11b ビルトH
11c 連結部分
12 建物
13 多軸混練オーガー機
13a 先端
14 地盤
15 クレーン
16 ドライエリア躯体
17 ウェブ
18 躯体ライン
19 隣地境界線
20 上部
21 下部
22 吊り治具
23 継手位置
24 ボルト継手
24a 添板
24b ボルト
25 ソイルセメント連続壁
26a、26b ソイルセメント
28a、28b、28c 切梁
29 埋戻し
31 くびれ部
32 施工範囲
33 狭隘部
34 切欠部
35 吊り孔

Claims (3)

  1. 新築される建物の躯体ラインと隣地境界線との間隔が狭隘な場所に施工する山留め壁の施工方法であって、
    該山留め壁の施工方法は、多軸混練オーガー機で地盤を所定深度まで掘削しながらその先端からセメントスラリーを注入して混練する工程と、前記オーガー機を引き上げた後に芯材を建て込んで、ソイルセメント連続壁を構築する工程と、該ソイルセメント連続壁の前記建物側の一部を掘削する工程と、の各工程を少なくとも有し、
    前記芯材は、前記建物のドライエリア躯体から上方の狭隘部に建て込むウェブが短幅なビルトHと、前記狭隘部よりも下方に建て込むロールHとを連結して構成され、
    前記ビルトHと前記ロールHとの連結は、該ロールHの上部を前記ビルトHの下部が嵌り込む縦長形状に切り欠いて、当該切り欠いた部位に前記ビルトHの下部を嵌め込んで溶接固定し、
    前記芯材の上部には、当該芯材の吊り下げ時において垂直に垂下する重心位置に吊り治具を取り付けること
    を特徴とする山留め壁の施工方法。
  2. 狭隘部におけるソイルセメント連続壁のくびれ部は、オーガー機に取り付けたブレードで掘削して、セメントスラリーを注入して混練して、ソイルセメントが形成されること
    を特徴とする請求項1に記載の山留め壁の施工方法。
  3. 芯材の継手位置は、ロールH同士をボルト継手を用いて接合すること
    を特徴とする請求項1に記載の山留め壁の施工方法。
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