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JP5872956B2 - 炭化珪素質焼結体およびこの炭化珪素質焼結体からなる静電吸着部材ならびに半導体製造装置用部材 - Google Patents
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JP5872956B2 - 炭化珪素質焼結体およびこの炭化珪素質焼結体からなる静電吸着部材ならびに半導体製造装置用部材 - Google Patents

炭化珪素質焼結体およびこの炭化珪素質焼結体からなる静電吸着部材ならびに半導体製造装置用部材 Download PDF

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Description

本発明は、炭化珪素質焼結体およびこの炭化珪素質焼結体からなる静電吸着部材ならびに半導体製造装置用部材に関する。
半導体の製造工程において、半導体ウェハの搬送や保持にあたり、セラミックスからなる静電吸着部材が用いられる。また、静電吸着部材に用いられるセラミックスとしては、半導体ウェハに回路パターンを形成する時に加わる熱を効率よく放熱するために、熱伝導性の高い炭化珪素質焼結体が用いられる。この炭化珪素質焼結体としては、静電吸着部材に印加される電流が通電して半導体ウェハに伝わるのを防ぐために、高い体積抵抗率を有するものが用いられる。体積抵抗率が高い炭化珪素質焼結体として、特許文献1に、窒素含有量が0.4wt%以上0.5wt%以下であり、窒素の一部が炭化珪素結晶に固溶しており、残部が炭化珪素結晶粒界に窒化ホウ素結晶として存在し、かつ、体積抵抗率が0.1G(10)Ωcm以上である炭化珪素質焼結体が提案されている。
特開2006−240960号公報
しかしながら、特許文献1で提案された炭化珪素質焼結体は、ある一定以上の高い電界強度(V/mm)となる電圧が印加されると、急速に体積抵抗率が低下するバリスタ特性を有するものであった。そのため、この炭化珪素質焼結体からなる静電吸着部材は、例えば、600V/mmの電界強度となる電圧が印加されて半導体ウェハを吸着すると、炭化珪
素質焼結体の体積抵抗率が低下した状態にあるため、電流が半導体ウェハに流れて、半導体ウェハ上に形成された素子を破壊するおそれがあった。
本発明は、上記課題を解決すべく案出されたものであり、高い電界強度の電界が印加されても高い体積抵抗率を維持することができる炭化珪素質焼結体およびこの炭化珪素質焼結体からなる静電吸着部材ならびに半導体製造装置用部材を提供することを目的とするものである。
本発明の炭化珪素質焼結体は、炭化珪素の結晶を主相とし、炭素および窒素を含有する第1の副相を有しており、前記炭化珪素の結晶の結晶多形のうち3C型および4H型の比率の合計が20%以下であり、相対密度が96.5%以上であることを特徴とするものである。
また、本発明の静電吸着部材は、上記構成の炭化珪素質焼結体からなることを特徴とするものである。
また、本発明の半導体製造装置用部材は、上記構成の炭化珪素質焼結体からなることを特徴とするものである。
本発明の炭化珪素質焼結体によれば、炭化珪素の結晶を主相とし、炭素および窒素を含有する第1の副相を含んでおり、炭化珪素の結晶の結晶多形のうち3C型および4H型の比率の合計が20%以下であり、相対密度が96.5%以上であることから、窒素によって炭素の導電性が抑制されることにより、高い電界強度となる電圧が印加されても高い体積抵抗率を維持することができる。
また、本発明の静電吸着部材によれば、本発明の炭化珪素質焼結体からなることから、高い電界強度となる電圧が印加されても高い体積抵抗率を維持することができるため、信頼性が高いものとすることができる。
また、本発明の半導体製造装置用部材によれば、本発明の炭化珪素質焼結体からなることから、高い電界強度となる電圧が印加されても高い体積抵抗率を維持することができるため、信頼性が高いものとすることができる。
本実施形態の炭化珪素質焼結体の結晶の構成の一例を示す模式図である。 本実施形態の静電吸着部材を備えた静電吸着装置の一例を示す概略断面図である。 本実施形態の半導体製造装置用部材を備えたプラズマエッチング装置の一例を示す概略断面図である。 本実施形態の炭化珪素質焼結体を放熱基板として備えた回路基板の一例を示す、(a)は平面図であり、(b)は(a)のA−A’線での断面図である。
以下、図面を用いて本実施形態の炭化珪素質焼結体について説明する。図1は、本実施形態の炭化珪素質焼結体の結晶の構成の一例を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態の炭化珪素質焼結体1は、炭化珪素である主相2,炭素および窒素を含有する第1の副相3を有する。ここで、第1の副相3は、例えば、炭素および窒素が単独で集合してなる相、または炭素および窒素の化合物であるグラファイト状の窒化炭素またはアモルファス状の窒化炭素からなる相である。なお、炭素および窒素が単独で集合してなる相とは、炭素と窒素とからなる化合物が認められず、例えば、エネルギー分散型X線分光器を備えた透過電子顕微鏡を用いて相の成分を分析したとき、炭素および窒素が同定された相をいう。
本実施形態の炭化珪素質焼結体は、第1の副相3を上記構成とすることで、窒素によって炭素の導電性が抑制されると考えられ、高い電界強度となる電圧が印加されても高い体積抵抗率を維持することができる。なお、主相2は、炭素および珪素以外の元素、例えば、窒素および硼素の含有量が少ないことが好適で、主相2を構成する炭化珪素100質量%
に対して、窒素および硼素の含有量がそれぞれ0.1質量%以下であることが好適である。
主相2において、炭素および珪素以外の元素の含有量が制限されていることにより、炭素および珪素以外の元素を含有することによって、主相2を構成する結晶の格子欠陥が増加することを抑えることができる。すなわち、格子欠陥を通じて電流が流れることによる体積抵抗率の低下を抑制できるので、体積抵抗率のより大きな炭化珪素質焼結体とすることができる。
なお、第1の副相3は、断面の形状が、円形状の相であることが好適で、主相2に生じる残留応力を小さくできるため、機械的特性が低下しにくくなる。
また、第1の副相3における炭素および窒素の各含有量は、第1の副相3を構成する元素に対して、例えば、炭素が30原子%以上80原子%以下,窒素が20原子%以上70原子%以下であると、高い電界強度となる電圧が印加されても高い体積抵抗率を維持することができるため好適である。また、炭素および窒素以外にもこれら元素の各含有量よりも少ない範囲であれば、硼素,珪素およびアルゴンの少なくともいずれかを含んでいてもよい。例
えば、硼素,珪素およびアルゴンは、第1の副相3を構成する元素に対して、合計量が25原子%以下の範囲で含有することができる。
なお、第1の副相3における各元素の含有量(原子%)は、エネルギー分散型X線分光器を備えた透過電子顕微鏡を用いた薄膜近似法により求めることができる。なお、測定時間および測定エネルギー幅は、例えば、50秒および0.14〜20.5keVとすればよい。
また、本実施形態の炭化珪素質焼結体1は、炭化珪素質焼結体100質量%に対する窒素
の含有量が0.3質量%以上1質量%以下であると、炭化珪素質焼結体1の体積抵抗率を高
く維持でき、さらに、静的弾性率,機械的強度等の機械的特性を高く維持できる傾向がある。
また、本実施形態の炭化珪素質焼結体1は、窒化硼素を第2の副相4としてさらに有することが好適である。
窒化硼素を第2の副相4として有すると、高い電界強度となる電圧が印加されても、炭化珪素より電気が通りにくい第2の副相4の存在によって、体積抵抗率をより高く維持できる。
また、本実施形態の炭化珪素質焼結体1は、窒化硼素を第2の副相4として有する場合、炭化珪素質焼結体100質量%に対する窒素の含有量は、窒化硼素を構成する窒素の含有
量を含め、0.55質量%以上1.2質量%以下であると、炭化珪素質焼結体1の体積抵抗率を
より高く維持できる傾向があり、さらに静的弾性率,機械的強度等の機械的特性をより高く維持できる傾向があり好適である。
ここで、炭化珪素質焼結体1に含まれる第1の副相3および第2の副相4の存在の確認方法について説明する。
まず、炭化珪素質焼結体1を、アルゴン(Ar)イオンを用いたイオンミリング法により薄膜化する加工をして観察用試料を作製する。なお、薄膜化した観察用試料は、例えば1mm程度の厚さに切断したのち、観察したい箇所を中心として、測定に用いる装置のホルダーに装着できる寸法に打ち抜いて用いる。
そして、エネルギー分散型X線分光器を備えた透過電子顕微鏡を用い、例えば、観察用試料を倍率,加速電圧および観察範囲をそれぞれ12500倍,200kV,14.5μm×14.5μmとして各相の成分を同定することで第1の副相3および第2の副相4の存在を確認できる。
また、炭化珪素質焼結体に含まれる各相の成分の含有量は以下のようにして求めることができる。
まず、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法または蛍光X線分析法により炭化珪素質焼結体に含まれる珪素および硼素の各含有量を求める。ICP発光分光分析法による含有量の具体的な求め方は、前処理として炭化珪素質焼結体の一部を超硬乳鉢にて粉砕した試料にホウ酸および炭酸ナトリウムを加えて融解する。そして、放冷した後に塩酸溶液にて溶解し、溶解液をフラスコに移して水で標線まで薄めて定容とし、検量線用溶液とともにICP発光分光分析装置で測定することにより、珪素の含有量を求めることができる。なお、硼素の含有量を求める場合には、前処理として炭化珪素質焼結体1の一部を超硬乳鉢にて粉砕した試料に炭酸ナトリウムのみを加えて融解し、その他は前述の珪素の場合と同様にすればよい。
また、炭化珪素質焼結体1に含有する炭素および窒素の含有量は、JIS R 1616−2007で規定される炭化珪素微粉末の化学分析方法に準拠して測定すればよく、より具体的には、炭素については赤外線吸収法を、窒素については熱伝導度法を用いればよい。
次に、炭化珪素質焼結体1を構成する主相の組成式を、CuKα線を用いたX線回折法によって同定し、主相2に、炭化珪素以外の成分、例えば、硼素または窒素を固溶する場合は、X線回折法により得られたスペクトルをリートベルト法により解析して主相2中の硼素,窒素の各固溶量(各含有量)を決定する。
そして、例えば、炭化珪素質焼結体1が炭化珪素(主相2)、炭素および窒素が単独で集合してなる相(第1の副相3)ならびに窒化硼素(第2の副相4)の相からなるものであった場合、珪素の含有量から、主相2中の炭素の量を算出し、主相2中の炭素の量を炭化珪素質焼結体1中の炭素の量から差し引くことで第1の副相3中の炭素の量を算出できる。また、炭化珪素質焼結体1に含まれる硼素の含有量を第2の副相4中の硼素とみなし、硼素の量から第2の副相4中の窒素の量を算出し、第2の副相4中の窒素の量を炭化珪素質焼結体1中の窒素量から差し引くことで第1の副相3中の窒素の量を算出できる。すなわち、第1の副相3の含有量を算出することができる。なお、主相2に硼素を含有している場合は、第2の副相4中の硼素の量は、炭化珪素質焼結体1に含まれる硼素の含有量から主相2中の硼素の含有量を差し引いた量とみなせばよい。
また、本実施形態の炭化珪素質焼結体1は、炭化珪素の結晶多形のうち3C型および4H型の比率の合計が20%以下であることが好適である。
炭化珪素には、結晶構造および積層周期の違いにより分類される結晶多形として、2H型、3C型、4H型、6H型、15R型、33R型等が存在することが知られている。一般的に、炭化珪素質焼結体は、結晶多形として、β型とも言われる3C型と、α型とも言われる4H型、6H型および15R型がある。そして、3C型および4H型は格子欠陥を多く含む結晶多形であるので、炭化珪素の結晶多形のうち3C型および4H型の比率の合計が20%以下とすることで、格子欠陥を通じて電流が流れることによる体積抵抗率の低下を抑制することができるため、体積抵抗率のより大きな炭化珪素質焼結体1とすることができる。
なお、各結晶多形の定量化は、X線回折法により得られたスペクトルをリートベルト法により求めればよく、各結晶多形の定量化した値に基づき、3C型および4H型の比率を求めればよい。
また、本実施形態の炭化珪素質焼結体1において、硼素の含有量が0.5質量%以下であ
ることが好適である。
硼素の含有量を制限することにより、硼素を含有することによる炭化珪素の結晶の格子欠陥の増加を抑制することができるため、炭化珪素質焼結体1の体積抵抗率を高く維持することができる。
また、本実施形態の炭化珪素質焼結体1は、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、バナジウム、ジルコニウムおよびタングステンの含有量がそれぞれ200質量pp
m以下であることが好適である。
このような構成とすることで、電気の流れを促進する金属成分の量が制限され、電気が流れにくくすることができることから、より大きな体積抵抗率を維持できる窒化珪素質焼
結体1とすることができる。これら金属成分の各含有量は、ICP発光分光分析法または蛍光X線分析法により求めればよい。
また、本実施形態の炭化珪素質焼結体1は、相対密度が96.5%以上であることが好適である。
このような構成とすることで、炭化珪素質焼結体1の機械的強度を高く維持することができる。なお、炭化珪素質焼結体1の相対密度は、JIS R 1634−1998に準拠して炭化珪素質焼結体1の見掛密度を求め、この見掛密度を炭化珪素質焼結体1の理論密度で除すことにより求めればよい。
また、本実施形態の炭化珪素質焼結体1は、両主面に銀からなる電極を形成し、この電極間に600V/mmの電界強度となる電圧を印加したときの体積抵抗率が10Ω・m以上1010Ω・m以下であることが好適である。
炭化珪素質焼結体1の体積抵抗率が上記範囲であると、例えば、炭化珪素質焼結体1を静電吸着部材として用いたとき、600V/mmという高い電界強度となる電圧が印加され
ても高い体積抵抗率を維持することができるため、信頼性が高いものとすることができる。さらに、体積抵抗率が上記の範囲においては、ジョンソン・ラーベック力が得られ、静電吸着部材として高い吸着力を得られる傾向がある。
また、炭化珪素質焼結体1の体積抵抗率が、上記範囲であると、例えば、炭化珪素質焼結体1を半導体製造装置用部材として用いたとき、600V/mmという高い電界強度とな
る電圧が印加されても、高い体積抵抗率を維持することができるため、信頼性が高いものとすることができる。あわせて、炭化珪素質焼結体1に接する半導体の静電気を除去しやすくなる傾向がある。
また、炭化珪素質焼結体1の体積抵抗率が、上記範囲であると、例えば、放熱基板として用いたとき、600V/mmという高い電界強度となる電圧が印加されても、高い体積抵
抗率を維持することができるため、信頼性が高いものとすることができる。
なお、体積抵抗率は、JIS C 2141−1992に準拠して求めればよい。具体的には、体積抵抗率を測定するための炭化珪素質焼結体1の試験片は、直径および厚さがそれぞれ50mm,2.5mmの円板を用い、試験片の両主面には、銀からなる電極を形成し、この電
極間に600V/mmの電界強度となる電圧を印加したときの体積抵抗率を求めればよい。
図2は本実施形態の静電吸着部材を備えた静電吸着装置の一例を示す概略断面図である。なお、同じ部材には同じ符号を用いる。
図2に示す例の静電吸着装置5は、双極型の電極6と、この電極6を内部に保持し、表面で半導体ウェハ等の板状体7を静電吸着力によって吸着保持したときの、本実施形態の炭化珪素質焼結体1からなる静電吸着部材8と、この静電吸着部材8を接合層9を介して接合した支持部材10とを備えた装置である。
電極6には、外部電源からリード線11を通して電圧が印加できるようになっている。この静電吸着装置5は、電圧が外部電源から電極6に印加されると、板状体7の静電吸着部材8側の表面と静電吸着部材8の表面との間に静電気が発生し、板状体7を静電吸着力によって吸着保持するものである。
図3は、本実施形態の半導体製造装置用部材を備えたプラズマエッチング装置の一例を
示す概略断面図である。なお、同じ部材には同じ符号を用いる。
図3に示す例のプラズマエッチング装置13は、半導体ウェハ等の板状体7を載置するサセプタ14と、このサセプタ14の上側から板状体7の周縁部を固定する環状のクランプリング15と、サセプタ14の上側および下側にそれぞれ備えた上部電極16a,下部電極16bと、上部電極16a,下部電極16b間に高周波電圧を印加する高周波電源17とを備え、板状体7に半導体集積回路等の微細な回路を形成する装置である。
本実施形態の半導体製造装置用部材は、例えば、サセプタ14およびクランプリング15の少なくともいずれかが本実施の炭化珪素質焼結体1からなるものである。
また、本実施形態の炭化珪素質焼結体1は、半導体製造装置部材として、サセプタ14やクランプリング15以外にもライナー、シャワープレート、ダミーウェハ、パーティクルキャッチャー、フォーカスリング、ノズル類等に適用することができる。
図4は、本実施形態の放熱基板を備えた回路基板の一例を示す、(a)は平面図であり、(b)は(a)のA−A’線での断面図である。なお、同じ部材には同じ符号を用いる。
図4に示す例の回路基板18は、本実施形態の炭化珪素質焼結体からなる放熱基板19の第1主面側に金属からなる回路部材20,21が設けられてなる回路基板18であり、放熱基板19と回路部材20,21とは接合層22を介して接合されている。なお、接合層22は、例えば、ろう材からなるものである。
このような回路基板18は、回路部材20,21に電子部品(図示しない)を搭載して用いることができる。電子部品が発熱すると、熱伝導性に優れる炭化珪素を主相2とする放熱基板19により排熱される。また、第1主面に対向する第2主面側に、例えば銅等の金属からなる放熱部材(図示しない)を接合することで放熱性を向上させることができる。
以上のように、本実施形態の炭化珪素質焼結体1からなる静電吸着部材8,半導体製造装置部材および放熱基板19を用いた静電吸着装置5,プラズマエッチング装置13および回路基板18は、高い電界強度となる電圧が印加されても、高い体積抵抗率を維持することができるため、信頼性が高いものである。
次に、本実施形態の炭化珪素質焼結体1の製造方法の一例について説明する。
本実施形態の炭化珪素質焼結体1を得るには、まず、純度が98質量%以上、好適には99.8質量%以上の炭化珪素質粉末を準備し、水と、必要に応じて分散剤とを、ボールミルまたはビーズミルにより40〜60時間粉砕混合してスラリーとする。次に、炭化珪素質粉末100質量部に対して、炭化硼素粉末0.2〜0.6質量部と、リグニンスルホン酸塩およびリグニ
ンカルボン酸塩,非晶質状の炭素粉末,またはフェノール樹脂からなる焼結助剤を炭素換算で0.5〜4.0質量部と、結合剤とを添加して混合した後、噴霧乾燥することで主成分が炭化珪素からなる顆粒を得る。
ここで、窒化硼素を第2の副相として有する炭化珪素質焼結体1を得るには、上記焼結助剤として、さらに純度が96質量%以上、好適には99.8質量%以上の窒化硼素粉末を窒化珪素質粉末100質量部に対して0.1〜1.0質量部添加して混合すればよい。特に、窒化硼素
粉末の純度は、99.8質量%以上であることがより好適である。
また、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、バナジウム、ジルコニウムおよびタングステンの含有量がそれぞれ200質量ppm以下である炭化珪素質焼結体1を得
るにするには、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、バナジウム、ジルコニウムおよびタングステンの含有量がそれぞれ200質量ppm以下である炭化珪素質粉末を
用いればよい。
次に、顆粒を所定の成形型に充填し、49〜147MPaの範囲で適宜選択される圧力で厚
み方向から加圧、成形して所定形状の成形体を得る。そして、成形体を窒素雰囲気中、温度を450〜650℃、保持時間を2〜10時間として脱脂して、脱脂体を得る。次に、この脱脂体を焼成炉に入れ、体積比率で不活性ガス:窒素ガス=75:25〜85:15とし、圧力が0.1M
Pa以上0.15MPa以下である混合ガスの雰囲気中、最高温度を1800〜2200℃、より好適には2100〜2200℃、保持時間を3〜6時間として保持し、焼成することにより本実施形態の炭化珪素質焼結体1を得ることができる。なお、不活性ガスについては特に限定されるものではないが、入手や取り扱いが容易であることから、アルゴンガスを用いることが好適である。
ここで、炭化珪素を主相とし、炭素および窒素を含有する第1の副相を有してなり、炭化珪素質焼結体100質量%に対する窒素の含有量が0.3質量%以上1質量%以下である炭化珪素質焼結体1を得るには、混合ガスの体積比率を不活性ガス:窒素ガス=77:23〜83:17とすればよい。
また、第1の副相および窒化硼素を第2の副相を有する炭化珪素質焼結体100質量%に
対する窒素の含有量が、0.55質量%以上1.2質量%以下である炭化珪素質焼結体1を得る
には、用いる窒化硼素粉末を0.15〜0.8質量部とし、混合ガスの体積比率を不活性ガス:
窒素ガス=77:23〜83:17とすればよい。
そして、得られた炭化珪素質焼結体には、必要に応じて両頭研削盤や平面研削盤等で各主面に研削や研磨等の加工を施してもよい。このように、本実施形態の炭化珪素質焼結体の主面を研磨することにより、高い絶縁性を備えるとともに、摺動特性にも優れた摺動部品とすることができる。
ここで、算術平均高さ(Ra)は、JIS B 0601−2001(ISO 4287−1997)に準拠して測定すればよく、測定長さおよびカットオフ値をそれぞれ5mmおよび0.8mm
とし、触針式の表面粗さ計を用いて測定する場合であれば、例えば、炭化珪素質焼結体1の表面に、触針先端半径が2μmの触針を当て、触針の走査速度は0.5mm/秒とすれば
よい。
上述した製造方法によって得られた本実施形態の炭化珪素質焼結体1は、炭化珪素を主相とし、炭素および窒素を含有する第1の副相を有することにより、窒素によって炭素の導電性が抑制されることにより、高い電界強度となる電圧が印加されても高い体積抵抗率を維持することができる。
また、本実施形態の炭化珪素質焼結体1からなる静電吸着部材おび半導体製造装置用部材は、体積抵抗率が半導体ウェハ等の板状体の静電吸着および静電気の除去に適性とされる10Ω・m以上1010Ω・m以下とすることができるので、これらの部材に好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
まず、純度が99.8質量%である炭化珪素質粉末を準備し、水と、分散剤とを添加してボ
ールミルに入れて50時間粉砕混合してスラリーとした。そして、このスラリーに、炭化珪素質粉末100質量部に対し、炭化硼素粉末0.4質量部、フェノール樹脂を炭素換算で1.4質
量部および結合剤を添加して粉砕混合した後、噴霧乾燥することにより主成分が炭化珪素の顆粒を得た。
そして、得られた顆粒を成形型に充填し、厚み方向から98MPaの圧力を加えて成形し、得られた成形体を窒素雰囲気中にて、20時間で昇温して600℃で5時間保持した後、自
然冷却して脱脂し、脱脂体とした。次に、得られた脱脂体を表1に示すアルゴンガスと窒素ガスとの体積比率で、圧力が0.11MPaである混合ガスの雰囲気中に、最高温度を2150℃として、4時間保持して焼成することにより、直径および厚さがそれぞれ50mm,3.5
mmの円板ならびに幅、厚さおよび長さがそれぞれ4mm,3mm,40mmの角柱体からなる炭化珪素質焼結体1の試料No.1〜7を作製した。
また、純度が98.0質量%である炭化珪素質粉末に対して、窒化硼素0.4質量%と、フェ
ノール樹脂系バインダを炭素換算で2質量%と、アルコールとを、樹脂製ボールミルにて混合してスラリーを調製した。噴霧乾燥することにより主成分が炭化珪素の顆粒を得た。
そして、得られた顆粒を成形型に充填し、厚み方向から98MPaの圧力を加えて成形し、得られた成形体を2150℃で1時間焼成して、従来の炭化珪素質焼結体である試料No.8を作製した。なお、試料No.8についても、試料No.1〜7と同様に、円板と角柱体をセットにして作製した。
また、炭化珪素質焼結体1に含まれる第1の副相3の有無を確認するために、まず、アルゴン(Ar)イオンを用いたイオンミリング法により1mmの厚さに薄膜化した各試料の観察用試料を作製した。そして、エネルギー分散型X線分光器を備えた透過電子顕微鏡を用い、倍率,加速電圧および観察範囲をそれぞれ12500倍,200kV,14.5μm×14.5μmとして各相の成分を同定することで第1の副相3および第2の副相4の存在を確認した。なお、各試料の、第1の副相3の有無の結果は表1に示す。なお、エネルギー分散型X線分光器を用いて主相2である炭化珪素相中の窒素の存在の有無について確認したところ、試料No.2〜6は窒素の存在を確認できず、試料No.1および8は窒素の存在を確認できた。
また、炭化珪素質焼結体1に含まれる窒素の含有量を、JIS R 1616−2007で規定される炭化珪素微粉末の化学分析方法に準拠して求め、その含有量を表1に示す。
また、炭化珪素質焼結体1の相対密度を、JIS R 1634−1998に準拠して求めた見掛密度を炭化珪素質焼結体1の理論密度で除すことで求めた。その結果、いずれの試料も相対密度は98%であった。
そして、炭化珪素質焼結体1の両主面を、JIS R 6001−1998(ISO 8486−1:1996およびISO 8486−2:1996)に記載されている粒度番号がF220のダイヤモンドからなる砥石を用いて研削した後、引き続き、錫からなるラップ盤を用いて、粒径が1〜3μmのダイヤモンド砥粒により、JIS B 0601−2001(ISO 4287−1997)で規定される算術平均高さRaが0.01μm以下になるまで研磨し、その厚さを2.5mmとした
次に、炭化珪素質焼結体1の両主面に、銀からなる電極を形成し、JIS C 2141−1992に準拠して、電極間に600V/mmの電界強度となる電圧を印加されたときの体積抵
抗率を測定した。
また、試料の3点曲げ強度をJIS R 1601−2008(ISO 14704−2000(MOD
))に準拠して測定した。
体積抵抗率および3点曲げ強度の測定値を表1に示す。
表1に示すように、炭化珪素を主相とし、炭素および窒素を含有する第1の副相3を有する試料No.2〜6は、第1の副相3を有さない試料No.1,7に比べて高い体積抵抗率を維持していることがわかった。
また、特に、窒素の含有量が0.3質量%以上1質量%以下である試料No.3〜5は、
体積抵抗率が4.8×10Ω・m以上、3点曲げ強度が438MPa以上と高い体積抵抗率と高い機械的特性とを兼ね備えていることがわかった。
実施例1で作製したスラリーに、炭化珪素質粉末100質量部に対し、炭化硼素粉末0.4質量部と、フェノール樹脂を炭素換算で1.4質量部と、表2に示す含有量であって、純度が99.8質量%である窒化硼素粉末と、結合剤とを添加して粉砕混合した後、噴霧乾燥するこ
とにより主成分が炭化珪素であって、平均粒径が80μmである顆粒を得た。
そして、実施例1で示した方法と同様の方法で成形、脱脂を順次行なった後、体積比率で不活性ガス:窒素ガス=79:21とし、圧力を0.11MPaとした混合ガスの雰囲気中、最高温度を2150℃として、4時間保持して焼成することにより、直径および厚さがそれぞれ50mm,3.5mmmの円板ならびに幅,厚さおよび長さがそれぞれ4mm,3mm,40m
mの角柱体からなる炭化珪素質焼結体1のそれぞれ複数個ずつをセットとした試料No.9〜14を得た。
また、炭化珪素質焼結体1に含まれる第1の副相3および第2の副相4の有無を確認するために、まず、アルゴン(Ar)イオンを用いたイオンミリング法により各試料の観察
用試料を作製した。そして、エネルギー分散型X線分光器を備えた透過電子顕微鏡を用い、倍率,加速電圧および観察範囲をそれぞれ12500倍,200kV,14.5μm×14.5μmとして各試料の観察用試料を分析した。なお、各試料の、第1の副相3および第2の副相4の有無の結果は表2に示す。なお、エネルギー分散型X線分光器を用いて主相2である炭化珪素相中の窒素の存在の有無について確認したところ、試料No.9〜14は窒素の存在を確認できなかった。
また、炭化珪素質焼結体1に含まれる窒素の含有量を、JIS R 1616−2007で規定される炭化珪素微粉末の化学分析方法を用いて求め、その含有量を表2に示す。
また、炭化珪素質焼結体1の相対密度は、実施例1で示した方法で求めた結果、いずれの試料も相対密度は98%であった。
そして、実施例1で示した方法で体積抵抗率および3点曲げ強度を測定し、その測定値を表2に示す。
表2に示すように、試料No.10〜14は、炭化珪素より電気が通りにくい窒化硼素を第2の副相4の存在によって、第2の副相4を有さない試料No.9に比べて体積抵抗率をより高く維持できることがわかった。
特に、炭化珪素質焼結体100質量%に対する窒素の含有量が0.55質量%以上1.2質量%以下である試料No.11〜13は、体積抵抗率が8.9×10Ω・m以上、3点曲げ強度が430MPa以上となり、高い体積抵抗率と高い機械的特性を兼ね備えていることがわかった。
まず、チタンを含み、3C型および4H型の結晶多形の比率の合計が表3に示すものとなる炭化珪素質粉末と、水と、この炭化珪素質粉末を分散させる分散剤とを添加してボールミルに入れて50時間粉砕混合してスラリーとした。そして、このスラリーに、炭化珪素質粉末100質量部に対し、炭化硼素粉末0.4質量部、フェノール樹脂を炭素換算で1.4質量
部および結合剤を添加して粉砕混合した後、噴霧乾燥することにより主成分が炭化珪素の顆粒を得た。
そして、実施例1と同様の方法で成形、脱脂、焼成を順次行ない、直径および厚さがそれぞれ50mm,3.5mmmの円板からなる炭化珪素質焼結体1の試料No.15〜19を得た
。この炭化珪素質焼結体1の相対密度は、実施例1と同様の方法で求めた結果、いずれの
試料も相対密度は99%であった。また、結晶多形が3C型および4H型の結晶多形の比率の合計については、X線回折装置を用いてX線回折を行ない、得られたスペクトルをリートベルト法により求めた。また、炭化珪素質焼結体1の体積抵抗率は、実施例1と同様の方法で測定した。結果を表3に示す。
表3に示すように、3C型および4H型の結晶多形の比率の合計が20%以下である試料No.15〜18は、3C型および4H型の結晶多形の比率の合計が20%より大きい試料No.19よりも体積抵抗率の値が大きくなる傾向があることがわかった。
1:炭化珪素質焼結体
2:主相
3:第1の副相
4:第2の副相
5:静電吸着装置
6:電極
7:板状体
8:静電吸着部材
9:接合層
10:支持部材
11:リード線
12:吸着層
13:プラズマエッチング装置
14:サセプタ
15:クランプリング
16a:上部電極
16b:下部電極
17:高周波電源
18:回路基板
19:放熱基板
20,21:回路部材
22:接合層

Claims (6)

  1. 炭化珪素の結晶を主相とし、炭素および窒素を含有する第1の副相を有しており、前記炭化珪素の結晶の結晶多形のうち3C型および4H型の比率の合計が20%以下であり、相対密度が96.5%以上であることを特徴とする炭化珪素質焼結体。
  2. 炭化珪素質焼結体100質量%に対する窒素の含有量が0.3質量%以上1.0質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素質焼結体。
  3. 窒化硼素を第2の副相としてさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素質焼結体。
  4. 炭化珪素質焼結体100質量%に対する窒素の含有量が0.55質量%以上1.2質量%以下であることを特徴とする請求項3に記載の炭化珪素質焼結体。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の炭化珪素質焼結体からなることを特徴とする静電吸着部材。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の炭化珪素質焼結体からなることを特徴とする半導体製造装置用部材。
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