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JP5874892B2 - モータ - Google Patents
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JP5874892B2 - モータ - Google Patents

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Description

本発明はモータ(回転電動機)に関する。
図10は、エアコン等に用いられる密閉型圧縮機100の断面図である。密閉型圧縮機100の密閉容器101の内部には、モータ102と圧縮機構103が内蔵されている。圧縮機構103には、ピストン104とシリンダ105が備えられている。モータ102は、回転軸107とロータコア106とステータコア108を備える。
ロータコア106は、厚さが0.3mm〜0.5mm程度の電磁鋼板からなるロータ板106aを、200枚〜300枚程度積層して形成される。図11はロータ板106aの平面図である。モータ102が埋込磁石同期モータ(IPMモータ)の場合、ロータ板106aには、永久磁石110をロータコア106に内蔵するための磁石孔106bが設けられる。
図10に示すステータコア108は、厚さが0.3mm〜0.5mm程度の電磁鋼板からなるステータ板108aを、200枚〜300枚程度積層して形成される。ステータコア108にはコイル108bが巻回される。図12はステータ板108aの平面図である。ステータ板108aは、ヨーク108cとティース108dを備える。ティース108dにコイル108bが巻回される。
図10において、ピストン104をシリンダ105の底部に押し付ける力を発生させるため、ロータコア106の回転軸107方向の位置を、ステータコア108の回転軸107方向の位置より高くすることがある。この場合、ロータコア106の上端は、ステータコア108の上端よりも高くなる。
ピストン104をシリンダ105の底部に押し付ける力を発生させない場合でも、ロータコア106の積層厚さとステータコア108の積層厚さを意図的に異ならせることがある。また、ロータコア106の積層厚さの誤差およびステータコア108の積層厚さの誤差が大きい場合、ロータコア106の積層厚さとステータコア108の積層厚さが意図せず異なることがある。このような場合、ロータコア106とステータコア108は、回転軸107方向の位置に食違いが生じる。
図10のように、ロータコア106の回転軸107方向の位置とステータコア108の回転軸107方向の位置に食違いがある場合、ロータコア106に対向するステータコア108が無い場所(H1)、および、ステータコア108に対向するロータコア106が無い場所(H2)が生じる。
ロータコア106とステータコア108がギャップ109を隔てて対向している場所(H0)では、ステータコア108からロータコア106へ向かう磁束F1の流れは、ロータ板106aの主面とほぼ平行になる。磁束F1により発生する渦電流は、ロータ板106aの厚さ方向に流れる。ロータ板106aの厚さは薄いので、磁束F1により発生する渦電流は小さく、渦電流損は少ない。
ロータコア106からステータコア108へ向かう磁束F2の流れは、ステータ板108aの主面とほぼ平行になる。磁束F2により発生する渦電流は、ステータ板108aの厚さ方向に流れる。ステータ板108aの厚さは薄いので、磁束F2により発生する渦電流は小さく、渦電流損は少ない。
ロータコア106とステータコア108が対向していない場所(H1)で、ロータコア106からステータコア108へ向かう磁束F3の流れは、ステータ板108aの主面とほぼ垂直になる。磁束F3により発生する渦電流はステータ板108aの主面内を流れる。ステータ板108aの主面は面積が広いので、磁束F3により発生する渦電流は大きく、渦電流損は多い。
ロータコア106とステータコア108が対向していない場所(H2)で、ステータコア108からロータコア106へ向かう磁束F4の流れは、ロータ板106aの主面とほぼ垂直になる。磁束F4により発生する渦電流はロータ板106aの主面内を流れる。ロータ板106aの主面は面積が広いので、磁束F4により発生する渦電流は大きく、渦電流損は多い。
ロータコア106とステータコア108が対向していない場所(H2)では、ステータ板108aを積層方向に横切ってロータコア106に向かう磁束F5の流れも生じる。磁束F5により発生する渦電流はステータ板108aの主面内を流れる。ステータ板108aの主面は面積が広いので、磁束F5により発生する渦電流は大きく、渦電流損は多い。
図11に示すように、ロータ板106aの、ギャップ109近傍に複数のスリット106cを設けると、ロータ板106aの主面内を流れる渦電流を小さくすることができる(例えば特許文献1)。しかし特許文献1に記載されたロータにおいては、全てのロータ板106a(H1+H0に相当)に、スリット106cが設けられている。
ロータコア106とステータコア108がギャップ109を隔てて対向している場所(H0)では、ロータ板106aにスリット106cを設けても渦電流を低減する効果は少なく、逆にリラクタンストルクが減少して、モータの効率が低下するおそれがある。
また図12に示すように、ステータ板108aの、ギャップ109近傍に複数のスリット108eを設けると、ステータ板108aの主面内を流れる渦電流を小さくすることができる(例えば特許文献2)。しかし特許文献2に記載されたステータにおいては、全てのステータ板108a(H2+H0に相当)にスリット108eが設けられている。
ロータコア106とステータコア108がギャップ109を隔てて対向している場所(H0)では、ステータ板108aにスリット108eを設けても渦電流を低減する効果は少なく、逆にリラクタンストルクが減少して、モータの効率が低下するおそれがある。
特開2004−336999号公報 特開2010−220324号公報
ロータコア106とステータコア108が対向していない場所(H1)で、ロータコア106からステータコア108へ向かう磁束F3は、ステータ板108aの主面とほぼ垂直になる。磁束F3により発生する渦電流はステータ板108aの主面内を流れる。ステータ板108aの主面は面積が広いので、磁束F3により発生する渦電流は大きく、渦電流損は多い。
ロータコア106とステータコア108が対向していない場所(H2)で、ステータコア108からロータコア106へ向かう磁束F4は、ロータ板106aの主面とほぼ垂直になる。磁束F4により発生する渦電流はロータ板106aの主面内を流れる。ロータ板106aの主面は面積が広いので、磁束F4により発生する渦電流は大きく、渦電流損は多い。
ロータコア106とステータコア108が対向していない場所(H2)では、ステータ板108aを積層方向に横切ってロータコア106に向かう磁束F5も生じる。磁束F5により発生する渦電流はステータ板108aの主面内を流れる。ステータ板108aの主面は面積が広いので、磁束F5により発生する渦電流は大きく、渦電流損は多い。
ロータ板106aの、ギャップ109近傍に複数のスリット106cを設けると、ロータ板106aの主面内を流れる渦電流を小さくすることができる。従来は全てのロータ板106a(H1+H0に相当)に、複数のスリット106cが設けられている。
ロータコア106とステータコア108がギャップ109を隔てて対向している場所(H0)では、ロータ板106aにスリット106cを設けても渦電流を低減する効果は少なく、逆にリラクタンストルクが減少して、モータの効率が低下するおそれがある。
ステータ板108aの、ギャップ109近傍に複数のスリット108eを設けると、ステータ板108aの主面内を流れる渦電流を小さくすることができる。従来は全てのステータ板108a(H2+H0に相当)に複数のスリット108eが設けられている。
ロータコア106とステータコア108がギャップ109を隔てて対向している場所(H0)では、ステータ板108aにスリット108eを設けても渦電流を低減する効果は少なく、逆にリラクタンストルクが減少して、モータの効率が低下するおそれがある。
本発明の目的は、ロータコア106とステータコア108が対向していない場所(H1、H2)で生じる、磁束F3によるステータ板108aの主面内を流れる渦電流、磁束F4によるロータ板106aの主面内を流れる渦電流、磁束F5によるステータ板108aの主面内を流れる渦電流を小さくし、渦電流損を少なくすることである。
また、本発明の目的は、ロータコア106とステータコア108がギャップ109を隔てて対向している場所(H0)では、リラクタンストルクの減少を防いで、モータの効率の低下を防ぐことである。
(1)本発明のモータはロータコアとステータコアを備える。ロータコアはロータ板が回転軸方向に積層されてなる。ステータコアはステータ板が回転軸方向に積層されてなる。ステータコアはロータコアと同軸で、ロータコアとギャップを隔てて対向する。本発明のモータにおいては、ロータコアとステータコアがギャップを隔てて対向する部分にあるロータ板およびステータ板はスリットを有しない。ロータコアとステータコアがギャップを隔てて対向しない部分にある、回転軸方向端部近傍のロータ板は、ギャップ近傍に複数のスリットを有する。
(2)本発明のモータはロータコアとステータコアを備える。ロータコアはロータ板が回転軸方向に積層されてなる。ステータコアはステータ板が回転軸方向に積層されてなる。ステータコアはロータコアと同軸で、ロータコアとギャップを隔てて対向する。本発明のモータにおいては、ロータコアとステータコアがギャップを隔てて対向する部分にあるロータ板およびステータ板はスリットを有しない。ロータコアとステータコアがギャップを隔てて対向しない部分にある、回転軸方向端部近傍のステータ板は、ギャップ近傍に複数のスリットを有する。
(3)本発明のモータはロータコアとステータコアを備える。ロータコアはロータ板が回転軸方向に積層されてなる。ステータコアはステータ板が回転軸方向に積層されてなる。ステータコアはロータコアと同軸で、ロータコアとギャップを隔てて対向する。本発明のモータにおいては、ロータコアとステータコアがギャップを隔てて対向する部分にあるロータ板およびステータ板はスリットを有しない。ロータコアとステータコアがギャップを隔てて対向しない部分にある、回転軸方向端部近傍のロータ板は、ギャップ近傍に複数のスリットを有する。ロータコアとステータコアがギャップを隔てて対向しない部分にある、回転軸方向端部近傍のステータ板は、ギャップ近傍に複数のスリットを有する。
(4)本発明のモータにおいては、回転軸方向についてロータコアとステータコアが対向しない部分の、全てのロータ板と全てのステータ板の、いずれか一方または両方がスリットを有する。
(5)本発明のモータにおいては、スリットの方向が,磁極中心における半径方向に平行である。
(6)本発明のモータにおいては、ロータ板のスリットの方向が、回転軸を中心とする放射状である。
(7)本発明のモータにおいては、スリットの方向は、外側に向かって回転方向に傾斜している。
(8)本発明のモータにおいては、スリットは、貫通孔からなるスリット、溝からなるスリット、切り込みからなるスリット、切り込みを回転軸方向に交互に曲げてなるスリット、のいずれかあるいはこれらの組み合わせからなる。
(9)本発明のモータにおいては、ロータコアの回転軸方向の端面は非磁性端板で固定される。
(10)本発明のモータにおいては、ステータコアの回転軸方向の端面は絶縁性端板で固定される。
(11)本発明のモータにおいては、ロータコアおよびステータコアのいずれか一方または両方がワニス含浸される。
本発明により、ロータコア106とステータコア108が対向していない場所(H1、H2)で生じる、磁束F3によるステータ板108aの主面内を流れる渦電流、磁束F4によるロータ板106aの主面内を流れる渦電流、磁束F5によるステータ板108aの主面内を流れる渦電流を小さくし、渦電流損を少なくすることができる。
また、本発明により、ロータコア106とステータコア108がギャップ109を隔てて対向している場所(H0)では、リラクタンストルクの減少を防いで、モータの効率の低下を防ぐことができる。
本発明のモータを内蔵した密閉型圧縮機の断面図 本発明のモータに用いられるロータ板の平面図 本発明のモータに用いられるロータ板の平面図 本発明のモータに用いられるロータ板の平面図 (a)スリットの具体的な構造を示す平面図と断面図、(b)スリットの具体的な構造を示す平面図と断面図、(c)スリットの具体的な構造を示す平面図と側面図、(d)スリットの具体的な構造を示す平面図と側面図 本発明のモータに用いられる非磁性基板の平面図と断面図 本発明のモータに用いられるステータ板の平面図 本発明のモータに用いられるステータ板の平面図 本発明のモータに用いられる絶縁性端板の平面図 従来のモータを内蔵した密閉型圧縮機の断面図 従来のモータに用いられるロータ板の平面図 従来のモータに用いられるステータ板の平面図
本発明のモータはロータコアとステータコアを備える。ロータコアはロータ板が回転軸方向に積層されてなる。ステータコアはステータ板が回転軸方向に積層されてなる。ロータコアとステータコアは同軸で、ギャップを隔てて互いに対向する。
本発明のモータにおいては、ロータコアとステータコアがギャップを隔てて対向する部分にあるロータ板およびステータ板はスリットを有しない。
本発明のモータにおいては、ロータコアとステータコアがギャップを隔てて対向しない部分にある、回転軸方向端部近傍のロータ板は、ギャップ近傍に複数のスリットを有する。スリットはロータ板の主面内を流れる渦電流を小さくし、渦電流損を減らす。
本発明のモータにおいては、ロータコアとステータコアがギャップを隔てて対向しない部分にある、回転軸方向端部近傍のステータ板は、ギャップ近傍に複数のスリットを有する。スリットはステータ板の主面内を流れる渦電流を小さくし、渦電流損を減らす。
本発明のモータにおいては、回転軸方向について、ロータコアとステータコアが対向しない部分の、一部の、または全てのロータ板がスリットを有する。また、回転軸方向について、ロータコアとステータコアが対向しない部分の、一部の、または全てのステータ板がスリットを有する。
図1は、本発明のモータ10を内蔵した密閉型圧縮機11の断面図である。密閉型圧縮機11の密閉容器12の内部には、モータ10と圧縮機構13が内蔵されている。圧縮機構13には、ピストン14とシリンダ15が備えられている。モータ10は、回転軸17とロータコア16とステータコア18を備える。
ロータコア16は、厚さが0.3mm〜0.5mm程度の電磁鋼板からなるロータ板16aを、200枚〜300枚程度積層して形成される。図2はロータ板16aの平面図である。モータ10が埋込磁石同期モータ(IPMモータ)の場合、ロータ板16a外周がステータ板とわずかな空隙を隔てて対向し、ロータ板16aには、永久磁石19をロータコア16に内蔵するための磁石孔20が設けられる。
図1において、ピストン14をシリンダ15の底部に押し付ける力を発生させるため、ロータコア16の回転軸17方向の位置を、ステータコア18の回転軸17方向の位置より高くすることがある。この場合、ロータコア16の上端は、ステータコア18の上端よりも高くなる。
ピストン14をシリンダ15の底部に押し付ける力を発生させない場合でも、ロータコア16の積層厚さとステータコア18の積層厚さを意図的に異ならせることがある。また、ロータコア16の積層厚さの誤差およびステータコア18の積層厚さの誤差が大きい場合、ロータコア16の積層厚さとステータコア18の積層厚さが意図せず異なることがある。このような場合、ロータコア16とステータコア18は、回転軸17方向の位置に食違いが生じる。
図1のように、ロータコア16の回転軸17方向の位置とステータコア18の回転軸17方向の位置に食違いがある場合、ロータコア16に対向するステータコア18が無い場所(H1)、および、ステータコア18に対向するロータコア16が無い場所(H2)が生じる。
ロータコア16とステータコア18がギャップ21を隔てて対向している場所(H0)では、ステータコア18からロータコア16へ向かう磁束F1の流れは、ロータ板16aおよびステータ板18aの主面とほぼ平行になる。このとき磁束F1により発生する渦電流は、ロータ板16aおよびステータ板18aの厚さ方向に流れる。ロータ板16aおよびステータ板18aの厚さは薄いので、磁束F1により発生する渦電流は小さく、渦電流損は少ない。
ロータコア16からステータコア18へ向かう磁束F2は、ステータ板18aの主面とほぼ平行になる。磁束F2により発生する渦電流は、ステータ板18aの厚さ方向に流れる。ステータ板18aの厚さは薄いので、磁束F2により発生する渦電流は小さく、渦電流損は少ない。
ロータコア16とステータコア18が対向していない場所(H1)で、ロータコア16からステータコア18へ向かう磁束F3は、ステータ板18aの主面とほぼ垂直になる。磁束F3により発生する渦電流はステータ板18aの主面内を流れる。ステータ板18aには後述するスリット26aがあるため、磁束F3により発生する渦電流は小さく、渦電流損は少ない。
ロータコア16とステータコア18が対向していない場所(H2)で、ステータコア18からロータコア16へ向かう磁束F4は、ロータ板16aの主面とほぼ垂直になる。磁束F4により発生する渦電流はロータ板16aの主面内を流れる。ロータ板16aには後述するスリット22aがあるため、磁束F4により発生する渦電流は小さく、渦電流損は少ない。
ロータコア16とステータコア18が対向していない場所(H2)では、ステータ板18aを積層方向に横切ってロータコア16に向かう磁束F5も生じる。磁束F5により発生する渦電流はステータ板18aの主面内を流れる。ステータ板18aには後述するスリット26aがあるため、磁束F5により発生する渦電流は小さく、渦電流損は少ない。
図2に示すように、本発明のモータ10に用いられるロータ板16aは、ギャップ21近傍に複数のスリット22aを有する。ロータ板16aのギャップ21近傍に、複数のスリット22aを設けると、スリット22a部分の電気抵抗が高くなるため、ロータ板16aの主面内を流れる渦電流を小さくすることができる。
スリット22aをギャップ21から離れた場所に設けても、渦電流を小さくする効果は少ない。ロータ板16aの場合、各々の極内では、スリット22aは、中心のスリット22aが半径方向にあり、他のスリット22aは中心のスリット22aに平行である。
図1に示す本発明のモータ10においては、全てのロータ板16aがスリット22aを有するわけではない。ロータコア16とステータコア18がギャップ21を隔てて対向している場所(H0)では、ロータ板16aにスリット22aを設けても渦電流を低減する効果は少なく、逆にリラクタンストルクが減少して、モータ10の効率が低下するおそれがある。
そこで本発明のモータ10においては、ロータコア16とステータコア18がギャップ21を隔てて対向している場所(H0)では、スリット22aの無いロータ板を用いる。すなわち本発明のモータ10においては、スリット22aを有するロータ板16aは、ロータコア16に対向するステータコア18が無い場所(H1)に限り用いられる。
ロータコア16に対向するステータコア18が無い場所(H1)において、全てのロータ板16aにスリット22aを設けても良い。しかし、全てのロータ板16aにスリット22aを設けるとは限らない。H1内のロータコア16の、回転軸17方向の端部(図1では上端)から数枚のロータ板16aにスリット22aを設ければ、渦電流の影響をほとんどなくすことができる。つまり、スリットのあるロータ板とスリットのないロータ板を適切に組み合わせることで、鉄損の低減と、リラクタンストルクの利用(銅損の低減)を同時に実現することができる。
その場合、ロータコア16に対向するステータコア18が無い場所(H1)においても、回転軸17方向の端部から数枚のロータ板16aにはスリット22aがあるが、それより下方のロータ板16aにはスリット22aが無い。
図3は、本発明のモータ10に用いられる他例のロータ板16bの平面図である。ロータ板16bは、ギャップ21近傍に複数のスリット22bを有する。ロータ板16bのスリット22bは、回転軸17を中心とする放射状である。ロータ板16aのスリット22aと、ロータ板16bのスリット22bは、渦電流を低減する効果においてほぼ同等である。
図4は、本発明のモータ10に用いられる他例のロータ板16cの平面図である。ロータ板16cは、ギャップ21近傍に複数のスリット22cを有する。ロータ板16cのスリット22cは、外側に向かって回転方向23に傾斜したスリット22cである。ロータ板16cのスリット22cは磁束の流れに沿っているため、渦電流を低減しながら、リラクタンストルクの低下を防ぐことが出来る。そのため、ロータ板16cを用いた場合は、ロータ板16aおよびロータ板16bを用いた場合より、モータ10の効率の低下が少ないという長所がある。
図5は、本発明のモータ10に用いられるロータ板16aの、スリット22aの具体的な構造を示す平面図と断面図(または側面図)である。図5(a)のスリット22aは、ロータ板16aを貫通する貫通孔である。貫通孔のスリット22aは、渦電流の流れを断つ効果が大きい。図5(b)のスリット22aは、ロータ板16aを貫通しない溝である。溝状のスリット22aは、貫通孔より形成が容易である。図5(c)のスリット22aは、ロータ板16aの外周に設けられた切り込みである。切り込み状のスリット22aは渦電流の流れを断つ効果が大きい上、貫通孔より形成が容易であり、ロータ板の強度も増す。図5(d)のスリット22aは、ロータ板16aの外周に設けられた切り込みを回転軸17方向に交互に曲げてつくられたものである。切り込みを交互に曲げたスリット22aは、細い打ち抜き金型が要らないため、製造が容易である。
図5(a)〜(d)のスリット22aは、1枚のロータ板16aの中で、あるいは、1個のロータコア16の中で、組み合わせて用いてもよい。
図5に示したスリット22aの構造は、本発明のモータ10に用いられる他例のロータ板16b、16cにも同様に用いることができる。
本発明のモータ10に用いられるロータコア16の回転軸17方向の端面(図1では、ロータコア16の上下の端面)は、図6に示す非磁性端板24で押圧固定されていることが望ましい。例えば、ロータ板16aのリベット孔25aと、上下の非磁性端板24のリベット孔25bを貫通するリベット(図示しない)を用いて、全てのロータ板16aと上下の非磁性端板24を一体化すると、ロータコア16の上下の端面は、非磁性端板24で押圧固定される。
非磁性端板24の材料として、例えば、非磁性ステンレスやアルミニウムが挙げられる。なお、非磁性端板24の代わりに磁性体からなる端板(鋼など)を用いると、永久磁石19の磁束の短絡路が形成されてしまうので、よくない。
図7に示すように、本発明のモータ10に用いられるステータ板18aは、ギャップ21近傍に複数のスリット26aを有する。ステータ板18aの、ギャップ21近傍に複数のスリット26aを設けると、スリット26a部分の電気抵抗が高くなるため、ステータ板18aの主面内を流れる渦電流を小さくすることができる。
スリット26aをギャップ21から離れた場所に設けても、渦電流を小さくする効果は少ない。ステータ板18aの場合、各々のティース18c内では、スリット26aは、中心のスリット26aが半径方向にあり、他のスリット26aは中心のスリット26aに平行である。
図1に示す本発明のモータ10において、全てのステータ板18aがスリット26aを有するわけではない。ロータコア16とステータコア18がギャップ21を隔てて対向している場所(H0)では、ステータ板18aにスリット26aを設けても渦電流を低減する効果は少なく、逆にリラクタンストルクが減少して、モータ10の効率が低下するおそれがある。
そこで本発明のモータ10においては、ロータコア16とステータコア18がギャップ21を隔てて対向している場所(H0)では、スリット26aの無いステータ板を用いる。すなわち本発明のモータ10においては、スリット26aを有するステータ板18aは、ステータコア18に対向するロータコア16が無い場所(H2)に限り用いられる。
ステータコア18に対向するロータコア16が無い場所(H2)において、全てのステータ板18aにスリット26aを設けても良い。しかし、全てのステータ板18aにスリット26aを設けるとは限らない。H2内のステータコア18の、回転軸17方向の端部(図1では下端)から数枚のステータ板18aにスリット26aを設ければ、渦電流の影響をほとんどなくすことができる。
その場合、ステータコア18に対向するロータコア16が無い場所(H2)においても、回転軸17方向の端部(下端)から数枚のステータ板18aにはスリット26aがあるが、それより上方のステータ板18aにはスリット26aが無い。
図8は、本発明のモータ10に用いられる他例のステータ板18dの平面図である。ステータ板18dは、ギャップ21近傍に複数のスリット26bを有する。ステータ板18dのスリット26bは、外側に向かって、ロータコア16の回転方向23に傾斜したスリット26bである。
ステータ板18dのスリット26bは磁束の流れに沿っているため、渦電流を低減しながら、リラクタンストルクの低下を防ぐことが出来る。そのため、ステータ板18dを用いた場合は、ステータ板18aを用いた場合より、モータ10の効率の低下が少ないという長所がある。
ステータ板18a、18dに設けられるスリット26a、26bの具体的な構造の例は、図5で説明したロータ板16aのスリット22aの具体的な構造(貫通孔、貫通しない溝、切り込み、交互に曲げた切り込み)と同様である。
ロータコア16に対向するステータコア18が無い場所(H1)でロータ板16aにスリット22aを設けることと、ステータコア18に対向するロータコア16が無い場所(H2)でステータ板18aにスリット26aを設けることは、各々単独で実施しても効果があるが、両者を同時に実施すれば、より高い効果が得られる。
図1に示す本発明のモータ10に用いられるステータコア18の回転軸17方向の端面(図1では、ステータコア18の上下の端面)は、図9に示す絶縁性端板27で押圧固定されていることが望ましい。絶縁性端板27を挟んでコイル18bを巻けば、コイル18bとステータコア18との短絡が防止できる。
本発明のモータ10に用いられるロータコア16は、ワニス含浸されていることが望ましい。ワニス含浸により、各ロータ板16a同士が固着するため、ロータコア16の機械的強度が高くなる。同様に、本発明のモータ10に用いられるステータコア18は、ワニス含浸されていることが望ましい。ワニス含浸により、各ステータ板18a同士が固着するため、ステータコア18の機械的強度が高くなる。
なお、本発明は、ステータに電機子巻線を、ロータに永久磁石を有するモータに適用されると好適である。特に、永久磁石が、ステータコアと対向していないロータコア内部にもある場合、ステータコアと対向していないロータコア内部にもある永久磁石の磁束が必ずステータコアまたはロータコア内部を主面に垂直に流れるからである。
本発明のモータは、エアコン等に使用される密閉型圧縮機に好適に用いられる。
10 モータ
11 密閉型圧縮機
12 密閉容器
13 圧縮機構
14 ピストン
15 シリンダ
16 ロータコア
16a ロータ板
16b ロータ板
16c ロータ板
17 回転軸
18 ステータコア
18a ステータ板
18b コイル
18c ティース
18d ステータ板
19 永久磁石
20 磁石孔
21 ギャップ
22a スリット
22b スリット
22c スリット
23 回転方向
24 非磁性端板
25a リベット孔
25b リベット孔
26a スリット
26b スリット
27 絶縁性端板
100 密閉型圧縮機
101 密閉容器
102 モータ
103 圧縮機構
104 ピストン
105 シリンダ
106 ロータコア
106a ロータ板
106b 磁石孔
106c スリット
107 回転軸
108 ステータコア
108a ステータ板
108b コイル
108c ヨーク
108d ティース
108e スリット
109 ギャップ
110 永久磁石

Claims (9)

  1. ロータ板が回転軸方向に積層されてなるロータコアと、
    ステータ板が回転軸方向に積層されてなり、前記ロータコアと同軸で、前記ロータコアとギャップを隔てて部分的に対向するステータコアを備え、
    前記ステータコアと前記ギャップを隔てて対向しない前記ロータ板のうちの少なくとも一枚がスリットを有し、
    前記ロータコアと前記ステータコアが対向していない場所で、前記ステータコアから前記ロータコアへ向かう磁束F4が生じ、
    前記磁束F4により生じる、前記ロータ板の主面内を流れる渦電流が、前記スリットにより抑制されるモータ。
  2. ロータ板が回転軸方向に積層されてなるロータコアと、
    ステータ板が回転軸方向に積層されてなり、前記ロータコアと同軸で、前記ロータコアとギャップを隔てて部分的に対向するステータコアを備え、
    前記ロータコアと前記ギャップを隔てて対向しない前記ステータ板のうちの少なくとも一枚がスリットを有し、
    前記ロータコアと前記ステータコアが対向していない場所で、前記ロータコアから前記ステータコアへ向かう磁束F3が生じ、
    前記磁束F3により生じる、前記ステータ板の主面内を流れる渦電流が、前記スリットにより抑制され、
    前記ロータコアと前記ステータコアが対向していない場所で、前記ステータコアから前記ロータコアへ向かう磁束F5が生じ、
    前記磁束F5により生じる、前記ステータ板の主面内を流れる渦電流が、前記スリットにより抑制されるモータ。
  3. ロータ板が回転軸方向に積層されてなるロータコアと、
    ステータ板が回転軸方向に積層されてなり、前記ロータコアと同軸で、前記ロータコアとギャップを隔てて部分的に対向するステータコアを備え、
    前記ステータコアと前記ギャップを隔てて対向しない前記ロータ板のうちの少なくとも一枚がスリットを有し、
    前記ロータコアと前記ギャップを隔てて対向しない前記ステータ板のうちの少なくとも一枚がスリットを有し、
    前記ロータコアと前記ステータコアが対向していない場所で、前記ステータコアから前記ロータコアへ向かう磁束F4が生じ、
    前記磁束F4により生じる、前記ロータ板の主面内を流れる渦電流が、前記ロータ板のスリットにより抑制され、
    前記ロータコアと前記ステータコアが対向していない場所で、前記ロータコアから前記ステータコアへ向かう磁束F3が生じ、
    前記磁束F3により生じる、前記ステータ板の主面内を流れる渦電流が、前記ステータ板のスリットにより抑制され、
    前記ロータコアと前記ステータコアが対向していない場所で、前記ステータコアから前記ロータコアへ向かう磁束F5が生じ、
    前記磁束F5により生じる、前記ステータ板の主面内を流れる渦電流が、前記ステータ板のスリットにより抑制されるモータ。
  4. 前記スリットの方向が,磁極中心における半径方向に平行である、請求項1〜3のいずれかに記載されたモータ。
  5. 前記ロータ板の前記スリットの方向が、前記回転軸を中心とする放射状である、請求項1、3のいずれかに記載されたモータ。
  6. 前記スリットの方向が、外側に向かって回転方向に傾斜した、請求項1〜3のいずれかに記載されたモータ。
  7. 前記スリットが、貫通孔からなるスリット、溝からなるスリット、切り込みからなるスリット、切り込みを前記回転軸方向に交互に曲げてなるスリット、のいずれかあるいはこれらの組み合わせからなる、請求項1〜6のいずれかに記載されたモータ。
  8. 前記ロータコアの前記回転軸方向の端面が非磁性端板で固定された、請求項1〜7のいずれかに記載されたモータ。
  9. 前記ステータコアの前記回転軸方向の端面が絶縁性端板で固定された、請求項1〜8のいずれかに記載されたモータ。
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